JP3176568B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents

光ピックアップ装置

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JP3176568B2
JP3176568B2 JP20193997A JP20193997A JP3176568B2 JP 3176568 B2 JP3176568 B2 JP 3176568B2 JP 20193997 A JP20193997 A JP 20193997A JP 20193997 A JP20193997 A JP 20193997A JP 3176568 B2 JP3176568 B2 JP 3176568B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ピックアップ装
置に関し、特にランド部とグルーブ部との幅が等しい光
ディスクを用い、ランド部とグルーブ部との両方に記録
再生を行う、回折素子を用いた光ピックアップ装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像情報や音声情報をはじめとす
る各種の情報がデジタル化されるにつれてデジタル情報
の量が飛躍的に増大して来た。
【0003】これに伴い、情報記憶装置にも大容量化、
高密度化が強く求められるようになってきており、これ
まで、光ディスク装置においては、トラックに沿った方
向の線記録密度を上げると共に、トラックピッチを小さ
くすることによって、高密度化に対応して来た。
【0004】しかし、適切なトラッキング制御信号を得
るためには、トラックピッチをむやみに小さくすること
はできず、トラックピッチの狭小化には限界がある。そ
こで、ランド部もしくはグルーブ部のどちらか一方にの
み情報の記録再生を行っていた従来方式に対し、ランド
部及びグルーブ部の両方に情報を記録再生する装置が提
案されている。この提案方式のようにランド部及びグル
ーブ部の両方に情報を記録することをランド/グルーブ
記録と呼ぶ。
【0005】ここで、ランド/グルーブ記録を行った際
に発生する課題について説明する。
【0006】図13(a)は、ランド部あるいはグルー
ブ部のどちらか一方にのみ記録を行ってきた従来方式に
おける、ディスク上の光スポットの位置とディスク反射
光量(TOTAL)の関係を示す。また、図13(b)
は、ランド/グルーブ記録の場合のディスク上の光スポ
ットの位置とディスク反射光量(TOTAL)の関係を
示す。
【0007】図13(a)に示す従来方式では、ランド
部上の各点(図中のl点)からの反射光量(TOTA
L)は最小になるのに対して、グルーブ部上の各点(図
中のg点)からの反射光量(TOTAL)は最大とな
る。これは、ランド部上に光スポットがあるときに光の
回折の影響が最も大きく、そのため反射光量の低下が最
も大きいためである。このような反射光量のランド部上
とグルーブ部上での大小関係は、ランド部の幅とグルー
ブ部の幅の大小関係で異なり、図13(a)では、グル
ーブ部の幅がランド部の幅より大きい場合を示してい
る。なお、図中のPはトラップピッチである。
【0008】一方、ランド/グルーブ記録を行うための
ディスクでは、記録情報ビットの幅をランド部とグルー
ブ部とで同一にするのが望ましいため、ランド部の幅と
グルーブ部の幅とはほぼ等しく設定される。そのため、
ディスク上の光スポットの位置と反射光量(TOTA
L)の関係は、図13(b)に示すようになり、反射光
量(TOTAL)は、図13(a)に示す従来方式の場
合の2倍周期となる。つまり、ランド部上の各点(図中
のl点)及び、グルーブ部上の各点(図中のg点)で常
に最大値を示す。これは、従来方式の場合と違って、ラ
ンド部の幅とグルーブ部の幅がほぼ等しいため、光の回
折の影響もランド部上とグルーブ部上とでほぼ等しくな
るためである。
【0009】これまで、この反射光量(TOTAL)
は、光スポットがランド部上あるいはグルーブ部上に位
置するのかを判断するために用いられており、トラッキ
ング引き込み(トラッキングサーボオンの動作を行う)
等に利用されている。
【0010】トラッキング制御の引き込みを行う場合、
トラッキングエラー信号(TES)=0となる極性(T
ESカーブが右上がりとなるか、あるいは、右下がりと
なるか)は、ランド部とグルーブ部とで逆極性となるた
め、光スポットをランド部にトラッキングさせるか、あ
るいは、グルーブ部にトラッキングさせるかにより、予
め、トラッキング制御信号の極性を決めておく。その
後、光スポットがトラッキング制御を行うべきランド部
もしくはグルーブ部の中心付近にある時に、トラッキン
グ制御ループを閉じるのが良い。
【0011】すなわち、ランド部上にトラッキング制御
をかけようとするときには、ランド部の中心付近でトラ
ッキング制御ループを閉じるのが良く、グルーブ部上に
トラッキング制御をかけようとするときには、グルーブ
部の中心付近でトラッキング制御ループを閉じるのが良
い。逆に、ランド部上にトラッキング制御をかけようと
するときに、グルーブ部上でトラッキング制御ループを
閉じると、トラッキング制御信号の極性が逆なのでトラ
ッキング制御の引き込みができない。
【0012】そこで、光スポットがランド部中心もしく
はグルーブ部中心を横切っていることを検出する信号、
つまり、ランド/グルーブ判別信号が必要となり、従
来、図13(a)に示した反射光量(TOTAL)が用
いられてきた。
【0013】しかしながら、ランド/グルーブ記録の場
合、図13(b)に示すように、従来方式の場合と違っ
てランド部の幅とグルーブ部の幅がほぼ等しく設定され
るため、反射光量(TOTAL)がランド部上とグルー
ブ部上とでほぼ等しくなり、ランド/グルーブの判別が
不可能となるため、従来の技術では安定したトラッキン
グ引き込みができないという問題があった。
【0014】次に、他の課題について説明する。
【0015】その課題としては、トラッキング誤差(エ
ラー)信号(TES)の検出法として、CDやMD等で
採用されている3ビーム法が採用できなくなり、プッシ
ュプル法を採用せざるを得ないという点である。
【0016】3ビーム法の検出方法としては、メインス
ポットに対して、2つのサブスポットを対称に配置し、
2つのサブスポットの反射光量(TOTAL)の差をト
ラッキング誤差信号としている。そのため、3ビーム法
によるTESとしては、サブスポットの反射光量(TO
TAL)と同じ周期を有するTESが得られる。つま
り、ランド部あるいはグルーブ部のどちらか一方にのみ
記録を行ってきた従来方式では、図13(a)に示すよ
うにトラックピッチに対応した周期のTESが得られる
のに対して、ランド/グルーブ記録の場合には、ランド
幅とグルーブ幅が、ほぼ等しく設定されるため、図13
(b)に示すようにトラックピッチの1/2の周期に対
応したTESとなってしまう。つまり、ランド部あるい
はグルーブ部のどちらか一方にのみ記録を行ってきた従
来方式では、ランド部中心とグルーブ部中心においての
み、TES=0が得られていたのに対して、ランド/グ
ルーブ記録の場合には、トラックピッチの1/2の周期
に対応したTES(従来方式の倍周期のTES)となる
ため、ランド部中心とグルーブ部中心以外のランド部と
グルーブ部との境界においても、TES=0となるた
め、3ビーム法では安定したトラッキングが不可能とな
る。よって、ランド幅とグルーブ幅とがほぼ等しく設定
されたランド/グルーブ記録用ディスクでは、TES検
出方法として、プッシュプル法を採用せざるを得ない。
【0017】このプッシュプル法を採用する際の問題点
としては、従来より言われているように対物レンズがデ
ィスクの偏心等に追従することにより、軸ずれが発生し
た場合、シフト量に対応してTESにオフセットが発生
することである。
【0018】このオフセットを低減するためには、リニ
アモータ等により光ピックアップ装置の光学系全体をデ
ィスク偏心に追従させ、対物レンズのシフト量を小さく
する方法が考えられている。しかし、リニアモータの採
用は、通常の回転型モータとラックピニオンとの組み合
わせによる送り機構に比べ、コスト高となり、かつサイ
ズも大きいため、光ピックアップ装置の小型化の妨げと
なり、かつコストアップを招く。
【0019】このようなプッシュプル法における欠点を
解決するための1つの方法が、特公平4−34212に
開示されている。その方法を図14及び図15を用いて
説明する。図14(a)にその光学系を示し、図14
(b)にディスク上でのスポットの配置を示し、図14
(c)に光検出器の形状を示している。
【0020】図14(a)において、半導体レーザ10
1から出射された光は、コリメートレンズ104によっ
て平行光に変換された後、回折格子102により、0次
光と±1次光の3つの光に分離される。これらの光は、
ビームスプリッタ105を透過した後、対物レンズ10
6により、図14(b)に示すように0次光により形成
されるメインスポット108と±1次光により形成され
るサブスポット109、110の3つのスポットを光デ
ィスク107の上に形成する。
【0021】光ディスク107からの反射光は、再び、
対物レンズ106およびビームスプリッタ105を透過
して半導体レーザ101側に戻るが、一部の光はビーム
スプリッタ105により反射され、集光レンズ150に
より光検出器151上に集光される。
【0022】なお、特公平4−34212では、光ディ
スク107上のメインスポット108とサブスポット1
09、110は、図14(b)に示すようにメインスポ
ット108とサブスポット109または110との間隔
をトラックピッチPの1/2に配置する構成を最良とし
ている。
【0023】光検出器151は、図14(c)に示すよ
うに、光ディスク107上のメインスポット108とサ
ブスポット109、110の回折パターン108’、1
09’、110’を各々受光する領域511、512、
513を有しており、さらにそれぞれの領域511、5
12、513は、光ディスク107のトラック方向に2
分割されている。これら2分割された領域の各々を、図
14(c)に示すようにa、b、c、d、e、fとし、
それぞれの出力をas、bs、cs、ds、es、fsとすれ
ば、トラッキング誤差信号(TES)は、次の演算をす
ることにより得られる。
【0024】TES=(es−fs)−[α(as−bs
+β(cs−ds)] 但し、α、βは定数 このTESは、通常のプッシュプル法で用いられる信号
である(es−fs)から、サブスポットにより生成され
るプッシュプル信号を差し引いたものとなっている。こ
のTESを用いることにより、対物レンズ106がシフ
トし、回折パターン108’、109’、110’が、
光検出器151上において、図14(c)の実線から点
線で示す位置にずれたときでも、オフセットが発生しな
いTESを得ることができる。
【0025】このことを、光検出器151から得られる
出力(es−fs)、(as−bs)及び(cs−ds)の各
波形をディスク上の位置に対応させて示した図15を用
いて説明する。
【0026】対物レンズ106がシフトすることによ
り、回折パターン108’が図14(c)に点線で示し
た方向にずれたとすると、出力esが出力fsに対して光
量の増加したものとなるため、通常のプッシュプル法で
は、図15に示した(es−fs)が図中上側に移動し、
オフセットが発生する。一方、サブスポットの回折パタ
ーン109’、110’に関しても、出力asとcsが、
出力bsとdsに対して、光量の増加したものとなるた
め、図15に示した(as−bs)および(cs−ds)も
図中上側に移動する。
【0027】これに対して、(es−fs)、(as
s)及び(cs−ds)の位相関係については、メイン
スポットの回折パターン108’により得られるプッシ
ュプル信号(es−fs)が、図15に示すようにサブス
ポットの回折パターン109’、110’より得られる
信号(as−bs)、(cs−ds)と、位相が180°ず
れた反転した信号となっている。
【0028】これは、トラックピッチPを1周期とする
メインスポットによるプッシュプル信号(eS−fS)に
対して、その配置からサブスポットによるプッシュプル
信号(as−bs)、(cs−ds)は、トラックピッチの
1/2(P/2)逆方向にずれることによるものであ
る。つまり、対物レンズのシフトにより発生するオフセ
ットが、メインスポットとサブスポットとで同方向に発
生するのに対して、ディスクのトラックに対応した信号
は反転した信号となるため、これらの差を検出すること
により、信号振幅が2倍となり、さらにオフセットがキ
ャンセルされたTESを検出することができる。
【0029】しかし、この方法では、図15に示したよ
うに、メインスポットの出力信号及び一対のサブスポッ
トの出力信号は、ランド部上の各点(図中のl点)及び
グルーブ部上の各点(図中のg点)で常に0となる。つ
まり、特公平4−34212に開示されている方法で
は、ランド部とグルーブ部で共に同じ信号しか得られな
いため、図13(b)に示した従来の反射光量(TOT
AL)を用いた場合と同様に、ランド幅とグルーブ幅が
ほぼ等しく設定されたランド/グルーブ記録用ディスク
のランド/グルーブ判別信号を得ることは不可能であ
る。
【0030】これは、特公平4−34212が、従来の
ランド部あるいはグルーブ部のどちらか一方にのみ記録
を行ってきた従来方式を想定しているため、図13
(a)に示した反射光量(TOTAL)によるランド/
グルーブ判別が可能であり、問題が発生しないことによ
るものである。
【0031】さらに、特公平4−34212は、レンズ
やプリズムを用いた検出光学系を用いた光ピックアップ
装置を示しているに過ぎないため、光ピックアップ装置
の小型化には限界がある。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来技術においては、ランド幅とグルーブ幅がほぼ等し
い場合に、ランドとグルーブの判別信号が得られず、そ
のため、ランドとグルーブの判別ができないために、ト
ラッキング制御を安定に引き込むことができないという
問題があった。
【0033】さらに、ランド幅とグルーブ幅がほぼ等し
いディスクにおいては、トラッキング誤差信号として、
CDやMD等で採用されている3ビーム法が採用できな
いため、プッシュプル法を採用しなければならず、対物
レンズのシフトによりトラッキング誤差信号にオフセッ
トが発生するという問題があり、これを避けるために
は、リニアモータの採用が必要となる。そのため、通常
の回転モータに比べ、コスト高となり、サイズも大きい
ため、光ピックアップ装置の小型化の妨げとなり、かつ
コストアップを招来していた。
【0034】本発明は、このような問題を解決すべくな
されたものであり、ランド幅とグルーブ幅がほぼ等しい
場合にもランドとグルーブの判別ができ、さらにトラッ
キング誤差信号にオフセットが発生しない回折素子を用
いた小型、薄型化が可能な光ピックアップ装置を提供す
ることを目的としている。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の光ピ
ックアップ装置は、トラックを形成する溝部であるグル
ーブ部と溝間部であるランド部とが、ほぼ等しい幅で形
成された光ディスクに対し、情報の記録再生を行う光ピ
ックアップ装置において、0次光のメインスポットと、
ディスク半径方向に該メインスポットに対してトラック
ピッチの略1/4である(グルーブ幅+ランド幅)/4
の間隔で対称に配置された一対の±1次光のサブスポッ
トとを形成する第1の回折素子と、該第1の回折素子に
て形成されたメインスポットと一対のサブスポットによ
るディスクからの反射光を回折する、少なくともトラッ
クと平行方向に分割された第2の回折素子と、+1次光
のサブスポットについて第2の回折素子によるトラック
と平行方向に分割されたそれぞれの領域からの回折光を
検出する受光部(A、B)、および、−1次光のサブス
ポットについて第2の回折素子によるトラックと平行方
向に分割されたそれぞれの領域からの回折光を検出する
受光部(C、D)を少なくとも有する受光素子と、該受
光素子の各受光部(A、B、C、D)の出力をAS
S、CS、DSとする場合に、(AS−BS)−(CS−D
S)をランド/グルーブ判別信号として演算する演算手
段とを具備し、そのことにより上記目的が達成される。
【0036】本発明の請求項2の光ピックアップ装置
は、トラックを形成する溝部であるグルーブ部と溝間部
であるランド部とが形成された光ディスクに対し、情報
の記録再生を行う光ピックアップ装置において、0次光
のメインスポットと、ディスク半径方向にメインスポッ
トに対してトラックピッチの略1/4である(グルーブ
幅+ランド幅)/4の間隔で対称に配置された一対の±
1次の光サブスポットとを形成する第1の回折素子と、
該第1の回折素子にて形成されたメインスポットと一対
のサブスポットによるディスクからの反射光を回折す
る、少なくともトラックと平行方向に分割された第2の
回折素子と、+1次光のサブスポットについて第2の回
折素子によるトラックと平行方向に分割されたそれぞれ
の領域からの回折光を検出する受光部(A、B)、−1
次光のサブスポットについて第2の回折素子によるトラ
ックと平行方向に分割されたそれぞれの領域からの回折
光を検出する受光部(C、D)、および、メインスポッ
トについて第2の回折素子によるトラックと平行方向に
分割されたそれぞれの領域からの回折光を検出する受光
部(E、F)を少なくとも有する受光素子と、該受光素
子のそれぞれの受光部(A、B、C、D、E、F)の出
力をAS、BS、CS、DS、ES、FSとする場合に、(E
S−FS)−{α(AS−BS)+α(CS−DS)}(但
し、αは定数)をトラッキング誤差信号として演算する
演算手段とを具備し、そのことにより上記目的が達成さ
れる。
【0037】本発明の請求項3の光ピックアップ装置
は、請求項1または2に記載の光ピックアップ装置にお
いて、前記第2の回折素子は、光ディスクのトラックと
直交方向に2分割された一方の領域(32+33)と他
方の領域(31)を有し、該一方の領域(32+33)
がトラックと平行方向に2分割された領域(32)と領
域(33)を有する構成であり、光ディスクのトラック
と直交方向に分割された他方の領域(31)からの回折
光をフォーカスエラー信号として検出することを特徴と
する。
【0038】本発明の請求項4の光ピックアップ装置
は、請求項3に記載の光ピックアップ装置において、前
記受光素子が、メインスポットについて第2の回折素子
のトラックと直交方向に分割された前記他方の領域(3
1)からの回折光を検出する隣接した受光部(H、G)
を有する構成であり、前記回折光が受光部(H、G)の
分割線上に集光されて得られる出力をHS、GSとする場
合に、前記演算手段がGS−HSをフォーカスエラー信号
として演算することを特徴とする。
【0039】本発明の請求項5の光ピックアップ装置
は、請求項3または4に記載の光ピックアップ装置にお
いて、+1次光のサブスポットについて第2の回折素子
によるトラックと直交方向に分割された他方の領域(3
1)からの回折光、および、−1次光のサブスポットに
ついて第2の回折素子によるトラックと平行方向に分割
された一方の領域(32)からの回折光を同一の受光部
で受光し、かつ、−1次光のサブスポットについて第2
の回折素子によるトラックと直交方向に分割された他方
の領域(31)からの回折光、および、+1次光のサブ
スポットについて第2の回折素子によるトラックと平行
方向に分割された一方の領域(32)からの回折光を別
の同一の受光部で受光する構成としてあることを特徴と
する。
【0040】本発明の請求項6の光ピックアップ装置
は、請求項1または2に記載の光ピックアップ装置にお
いて、前記第2の回折素子は、光ディスクのトラックと
平行方向に2分割された領域(34と35)を有する構
成となっていることを特徴とする。
【0041】本発明の請求項7の光ピックアップ装置
は、請求項6に記載の光ピックアップ装置において、メ
インスポットについて第2の回折素子によるトラックと
平行方向に分割されたそれぞれの領域からの各回折光を
検出する受光部が、それぞれ分割された受光部(E1と
E2)及び分割された受光部(F1とF2)であり、メ
インスポットについて第2の回折素子のトラックと平行
方向に分割された一方の領域(34)による回折光が受
光部(E1とE2)の分割線上に集光され、他方の領域
(35)による回折光が受光部(F1とF2)の分割線
上に集光されて、得られる各出力をE1S、E2S、F1
S、F2Sとする場合に、(E1S+F1S)−(E1S
F2S)をフォーカスエラー信号として演算し、また、
{(E1S+E2S)−(F1S+F2S)}−{α(AS
S)+α(CS−DS)}(但し、αは定数)をトラッ
キングエラー信号として演算する構成となっていること
を特徴とする。
【0042】以下に、本発明の作用を説明する。
【0043】本発明の請求項1の光ピックアップ装置に
よる場合は、0次光のメインスポットと、ディスク半径
方向に該メインスポットに対してトラックピッチの略1
/4である(グルーブ幅+ランド幅)/4の間隔で対称
に配置された一対の±1次光のサブスポットとを形成す
る第1の回折素子を備え、受光素子の受光部(A、B)
が、第2の回折素子のトラックと平行方向に分割された
それぞれの領域からの+1次光のサブスポットについて
の回折光を検出し、また、受光素子の受光部(C、D)
が、第2の回折素子のトラックと平行方向に分割された
それぞれの領域からの−1次光のサブスポットについて
の回折光を検出する。このとき、受光素子の各受光部
(A、B、C、D)の出力をAS、BS、CS、DSとする
場合、演算手段が(AS−BS)−(CS−DS)をランド
/グルーブ判別信号として演算すると、ランド部で最大
(または最小)となり、グルーブ部で最小(または最
大)となるランド/グルーブ判別信号を得ることがで
き、グルーブ幅とランド幅が等しいディスクにおいても
安定したトラッキング引き込みを行うことができる。
【0044】また、本発明の請求項2の光ピックアップ
装置による場合は、0次光のメインスポットと、ディス
ク半径方向にメインスポットに対してトラックピッチの
略1/4である(グルーブ幅+ランド幅)/4の間隔で
対称に配置された一対の±1次の光サブスポットとを形
成する第1の回折素子を備え、受光素子の受光部(A、
B)が、第2の回折素子のトラックと平行方向に分割さ
れたそれぞれの領域からの+1次光のサブスポットにつ
いての回折光を検出し、また、受光素子の受光部(C、
D)が、第2の回折素子のトラックと平行方向に分割さ
れたそれぞれの領域からの−1次光のサブスポットにつ
いての回折光を検出し、また、受光素子の受光部(E、
F)が、第2の回折素子のトラックと平行方向に分割さ
れたそれぞれの領域からのメインスポットについての回
折光を検出する。このとき、受光素子のそれぞれの受光
部(A、B、C、D、E、F)の出力をAS、BS
S、DS、ES、FSとする場合、演算手段が(ES
S)−{α(AS−BS)+α(CS−DS)}(但し、
αは定数)をトラッキング誤差信号として演算すると、
回折素子を用いた光ピックアップ装置においても、対物
レンズがディスクの偏心等に追従ししシフトが発生して
も、オフセットの生じないトラッキング誤差信号を得る
ことができ、サーボ信号検出に回折素子を用いることに
より従来のレンズの組み合わせによるサーボ信号検出を
行う光ピックアップ装置に比べてより小型、薄型化が可
能となる。さらに、メインスポットに対してトラックピ
ッチの略1/4の間隔で一対のサブスポット(±1次
光)を形成することにより、ランド/グルーブ判別信号
の検出も可能な光ピックアップ装置を構成することがで
きる。
【0045】本発明の請求項3の光ピックアップ装置に
おける第2の回折素子の構成としては、光ディスクのト
ラックと直交方向に2分割されており、分割された一方
の領域が、さらにトラックと平行方向に2分割された計
3分割の構成としている。この場合、トラックと直交方
向に分割された領域(31)から回折光では、プッシュ
プル信号成分が相殺されるため、この回折光を用いてフ
ォーカスエラー信号を検出することにより、ディスクの
トラックの影響を受けないフォーカスエラー信号の検出
が可能な光ピックアップ装置を構成することができる。
【0046】本発明の請求項4の光ピックアップ装置に
よる場合は、第2の回折素子が3分割されている構成に
おいて、メインスポット(0次光)の第2の回折素子の
トラックと直交方向に分割された領域31からの回折光
を、受光素子の隣接した受光部H、Gが検出し、その出
力をHS、GSとすれば、その差を演算することにより、
フーコー法によるフォーカスエラー信号(FES)を検
出可能である。また、このような演算結果をフォーカス
エラー信号とすることにより、ランド/グルーブ判別信
号、及びトラッキングエラー信号とともに、ほぼ一体化
された検出系(回折素子と受光素子)で3種類の信号を
検出することができるため、信頼性が高くより小型な光
ピックアップ装置を構成することができる。
【0047】本発明の請求項5の光ピックアップ装置に
よる場合は、上記第2の回折素子が3分割されている構
成において、+1次光のサブスポットの第2の回折素子
によるトラックと直交方向に分割された領域からの回折
光と、−1次光のサブスポットの第2の回折素子による
トラックと平行方向に分割された一方の領域からの回折
光とを、受光素子の同一の受光部で受光し、かつ、−1
次光のサブスポットの第2の回折素子によるトラックと
直交方向に分割された領域からの回折光と、+1次光の
サブスポットの第2の回折素子によるトラックと平行方
向に分割された上記領域と異なる領域からの回折光と
を、受光素子の別の同一の受光部で受光することによ
り、受光部を小さく構成できるため、受光素子を一体化
することが可能となり、光ピックアップ装置をより小型
化することができる。
【0048】本発明の請求項6の光ピックアップ装置に
よる場合は、前記第2の回折素子は、光ディスクのトラ
ックと平行方向に2分割された領域(34と35)を有
する構成となっている。この2分割構成の場合は、3分
割された第2の回折素子を用いる光ピックアップ装置に
比べ、メインスポット(0次光)及び、2つのサブスポ
ット(±1次光)の回折光を受光する受光部(A、B、
C、D、E、F)の出力(AS、BS、CS、DS、ES
S)を2倍とすることができるため、より信頼性の高
いランド/グルーブ判別信号及び、トラッキングエラー
信号を検出することが可能となる。
【0049】本発明の請求項7の光ピックアップ装置に
よる場合は、第2の回折素子が2分割されている構成に
おいて、メインスポット(0次光)の第2の回折素子の
トラックと平行方向に分割された領域による回折光を受
光する受光部E、Fのそれぞれを、E1とE2及びF1
とF2に分割し、それぞれの受光部E1、E2、F1お
よびF2から得られる出力をE1S、E2S、F1S、F
Sとすると、(E1S+F1S)−(E1S+F2S)を
演算することにより、ダブルナイフエッジ法によるFE
S検出が可能となる。また、この演算結果である(E1
S+F1S)−(E2S+F2S)をフォーカスエラー信号
とし、また、{(E1S+E2S)−(F1S+F2S)}
−{α(AS−BS)+α(CS−DS)}(但し、αは定
数)を演算した結果をトラッキングエラー信号とするこ
とにより、ランド/グルーブ判別信号とともに、ほぼ一
体化された検出系(回折素子と受光素子)で3種類の信
号を検出することができるため、信頼性が高くより小型
な光ピックアップ装置を構成することができる。
【0050】なお、本発明に係る回折素子を用いた光ピ
ックアップ装置に類似の構成が、特開平5−20529
5に開示されている。しかし、この開示された技術は、
従来のランド部あるいはグルーブ部のどちらか一方にの
み記録を行ってきた従来方式を想定しており、サブスポ
ットの回折素子によるトラックと平行方向に分割された
領域からの回折光を検出する受光部が開示されていな
い。そのため、本発明の目的であるランドの幅とグルー
ブの幅がほぼ等しく設定されたランド/グルーブ記録用
ディスクにおいて、ランド/グルーブ判別信号の検出や
対物レンズシフト時に発生するトラッキング誤差信号の
オフセットの除去が不可能である。
【0051】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)図1〜図4を用いて、本発明による
第1の実施形態について説明する。
【0052】なお、第1〜第4の実施形態の構成におい
ては、磁気光学効果を利用した光磁気ディスクを記録再
生が可能な光ディスクの例として、説明して行く。
【0053】図1は、第1の実施形態の光ピックアップ
装置における光学系を示した斜視図である。半導体レー
ザ1から出射された光は、第1の回折素子2により、光
磁気ディスク7上にメインスポットと2つのサブスポッ
トとを形成するために、0次光と±1次光の3つの光に
分離される。その後、第2の回折素子3を透過する。な
お、第2の回折素子3により、半導体レーザ1から光磁
気ディスク7に至る往路中に発生する±1次光は、対物
レンズ6に入射しない構成となっているため、説明は省
略する。
【0054】その後、コリメートレンズ4により平行光
に変換された後、その光はビームスプリッタ5を透過
し、対物レンズ6により、ランド幅とグルーブ幅がほぼ
等しく形成され、かつ、ランド部とグルーブ部の両方に
情報が記録再生される光磁気ディスク7上に照射され
る。このとき、図2(a)に示すように第1の回折素子
2により生成された0次光によるメインスポット8と±
1次光による2つのサブスポット9、10とが形成され
る。
【0055】光磁気ディスク7からの反射光は、再び、
対物レンズ6により平行光となり、一部の光はビームス
プリッタ5を反射して、図には示していないが、磁気光
学効果を利用した光磁気ディスクの信号を再生するため
の検光子、及び光を電気信号に変換する受光素子等によ
り形成される光磁気信号検出系により、光磁気ディスク
7に記録された情報が再生される。
【0056】一方、ビームスプリッタ5、コリメートレ
ンズ4を透過した光は、第2の回折素子3によって回折
され、その1次回折光が受光素子11〜13に受光さ
れ、受光素子11〜13により、サーボ信号(フォーカ
ス誤差信号:FES、トラッキング誤差信号:TES)
とランド/グルーブ(l/g)判別信号が検出される。
【0057】次に、図2を用い、図1に示した光学系に
おける光磁気ディスク7上でのメインスポット8とサブ
スポット9、10の位置関係、及び、第2の回折素子3
による回折光が受光素子11〜13のどの領域で受光さ
れるかにつき説明する。
【0058】図2(a)に示すように、光磁気ディスク
7は、ランド部lとグルーブ部gが、それぞれP/2の
等しい幅で形成されており、ランド部lとグルーブ部g
の幅を足し合わせたPがディスク7のトラックピッチと
なる。さらに、光磁気ディスク7上には、メインスポッ
ト8に対して、サブスポット9、10の位置が対称に配
置され、メインスポット8とサブスポット9、及びメイ
ンスポット8とサブスポット10のディスク半径方向の
間隔は、図に示すようにトラックピッチPの1/4(P
/4)に配置されている。
【0059】次に、各ディスク反射光による回折パター
ン8’、9’、及び10’が、第2の回折素子3と受光
素子11〜13により、どのように回折され、受光され
るかを説明する。
【0060】図2(b)は、サブスポット9のディスク
による回折パターン9’と第2の回折素子3、及び受光
素子11〜13の位置関係を示し、図2(c)はメイン
スポット8のディスクによる回折パターン8’と第2の
回折素子3、及び受光素子11〜13の位置関係を示
し、図2(d)はサブスポット10のディスクによる回
折パターン10’と第2の回折素子3、及び受光素子1
1〜13の位置関係を示す。
【0061】第2の回折素子3は、領域31〜33に3
分割されており、それぞれの領域31〜33は、ディス
クのトラックと直交方向に領域31と他の領域(32+
33)とに2分割され、さらに分割された一方の領域が
トラックと平行方向に領域32と領域33に2分割され
た構成となっている。
【0062】図2(b)に示すように、サブスポット9
の回折素子3上でのディスクの反射光による回折パター
ンを9’とすると、回折パターン9’の回折素子3によ
る回折光のうち、領域31による回折光は受光素子12
の2分割された受光部G、Hに受光されず、領域32に
よる回折光は、受光素子11の3分割された受光部A、
E、CのうちのCにより検出され、領域33による回折
光は、受光素子13の3分割された受光部B、F、Dの
うちのDにより検出される。
【0063】図2(c)に示すように、メインスポット
8の回折素子3上でのディスクの反射光による回折パタ
ーンを8’とすると、回折パターン8’の回折素子3に
よる回折光のうち、領域31による回折光は、受光素子
12の受光部GとHの分割線上に集光され、領域32に
よる回折光は、受光素子11の3分割された真中の受光
部Eにより検出され、領域33による回折光は、受光素
子13の3分割された真中の受光部Fにより検出され
る。
【0064】図2(d)に示すように、サブスポット1
0の回折素子3上でのディスクの反射光による回折パタ
ーンを10’とすると、回折パターン10’の回折素子
3による回折光のうち、領域31による回折光は受光素
子12に受光されず、領域32による回折光は、受光素
子11の3分割された受光部Aにより検出され、領域3
3による回折光は、受光素子13の3分割された受光部
Bにより検出される。
【0065】次に、図3を用いて、サーボ信号(FE
S、TES)とランド/グルーブ(l/g)判別信号の
検出について、説明する。なお、図3には、繁雑となる
ため、回折素子3によるメインビームの回折光の回折方
向のみ点線で示してある。
【0066】受光素子11〜13の受光部A〜Hの出力
をAS〜HSとすると、FESは、回折素子3のうち、デ
ィスクのトラックと直交方向に分割された領域31によ
るメインスポットの回折光を受光する受光部H、Gの出
力を差動増幅器21にて演算し、フーコー法により検出
される。
【0067】受光部H、Gで検出される信号は、図2
(c)に示したように、ディスクのトラックと直交方向
に分割された領域31による回折光に基づいたものとな
るため、プッシュプル信号を検出するためのディスクの
トラックと平行方向に分割された領域32、33による
回折光に基づいたものを加え合わせたものと等価とな
る。そのため、領域31による回折光は、プッシュプル
信号成分を相殺することが可能となり、ディスクのトラ
ックの影響を受けないFESとすることができるため、
領域31による回折光により良好なFESを検出するこ
とができる。
【0068】ランド/グルーブ(l/g)判別信号に関
しては、トラックと平行方向に分割された回折素子3の
領域32と領域33によるサブスポットの回折パターン
9’の回折光(CS、DS)の差信号を差動増幅器20に
より求め、さらにサブスポット10の回折パターン1
0’の回折光(AS、BS)の差信号を差動増幅器23に
より求め、これらの差信号を差動増幅器27により求め
ることにより得られる。
【0069】さらに、TESに関しては、トラックと平
行方向に分割された回折素子3の領域32と領域33に
よるメインスポットの回折パターン8’の回折光
(ES、F)の差信号を差動増幅器22により求め、
先程の差動増幅器20、23で求めたサブスポットの回
折パターンによる信号(C−DS、AS−BS)を、増
幅器24、25によりα倍した後、加算増幅器26によ
り足し合わせ、差動増幅器22より得られた信号(ES
−FS)から、差動増幅器28により差し引くことによ
り得られる。
【0070】以上の信号をまとめると次のようになる。
【0071】FES=GS−HS l/g判別信号=(AS−BS)−(CS−DS) TES=(ES−FS)−{α(AS−BS)+α(CS
S)} 但し、αは定数 上記TESにおいて、増幅器24、25のゲインαはメ
インスポット8とサブスポット9、10の強度比を合わ
すため設定されたものであり、第1の回折素子2の0次
回折光の強度と±1次回折光の強度との関係は、次のよ
うになっている。
【0072】−1次回折光強度:0次回折光強度:+1
次回折光強度=1:2・α:1 次に、各信号の波形を示した図4を用いて、l/g判別
信号の検出及び、オフセットの発生しないTESが得ら
れる理由を示す。なお、図4の波形は、同図(a)に示
すディスク上の各位置にメインスポットが位置したとき
の信号波形を示している。
【0073】図3に示した差動増幅器22、23、20
の各出力ES−FS、AS−BS、CS−DSは、図4(b)
および(c)に示すように、それぞれディスクのトラッ
クピッチPを1周期とするサイン波状の信号波形とな
る。
【0074】メインスポットより生成される差動増幅器
22の出力ES−FSは、トラックと平行方向に分割され
た回折素子3の領域32と領域33による回折光である
ため、図4(b)には、オフセットのある状態の信号を
示してあるが、オフセットがなければ、プッシュプル信
号と同じランド部の中心とグルーブ部の中心で0となる
信号波形となる。
【0075】一方、サブスポットより生成される差動増
幅器23の出力AS−BSと、同じく差動増幅器20の出
力CS−DSとは、図4(c)に示すように、メインスポ
ットより生成される図4(b)に示すES−FSと同じ波
形であるが、ディスク上において、メインスポットと2
つのサブスポットのディスク半径方向の間隔は、トラッ
クピッチPの1/4(P/4)に配置されているため、
それぞれのサブスポットによる信号AS−BSとCS−DS
は、ES−FSに対して、前後にπ/2位相のずれたサイ
ン波信号となる。その理由は、トラックピッチPを1周
期とするプッシュプル信号ES−FSに対して、サブスポ
ットによる信号AS−BSとCS−DSとは、その配置から
トラックピッチPの1/4(P/4)逆方向にずれるた
めである。
【0076】さらに、
【従来の技術】の項で示したように、対物レンズがディ
スクの偏心等に追従することにより軸ずれが発生した場
合等に、オフセットが発生する。このオフセットを図4
(b)中に示した一点鎖線のように仮定すると、オフセ
ットの無い上記メインスポットによるプッシュプル信号
S−FSに、一点鎖線で示したオフセットが加算された
信号となる。よって、信号を記録再生するためのメイン
スポットがランド部ないしグルーブ部の中心にトラッキ
ングしていても、通常のプッシュプル信号(ES−FS
では、図4(b)に示す波形となり、オフセットが発生
することになる。
【0077】一方、2つのサブスポットによるプッシュ
プル信号AS−BS、CS−DSに関しても、対物レンズに
軸ずれが発生した場合、オフセットが発生する。このオ
フセット量は、対物レンズの軸ずれにより発生するた
め、メインスポットと同じ方向に発生し、その信号波形
は、図4(c)に示す波形となる。
【0078】上述したように、回折素子2の0次回折光
の強度と±1次回折光の強度との関係は、 −1次回折光強度:0次回折光強度:+1次回折光強度
=1:2・α:1 のようになっているため、メインスポットの光量を1と
すれば、サブスポットの光量は1/(2・α)となる。
ここで、一点鎖線で示したメインスポットのオフセット
量をa・sin(bX+θ)とする。但し、a、b、θ
は定数であり、ディスク上でのメインスポットの位置を
Xとする。
【0079】このとき、メインスポットによるプッシュ
プル信号及び、サブスポットによるプッシュプル信号
は、トラックピッチPを1周期とするサイン波として表
されるので、メインスポットのプッシュプル信号の振幅
をKとし、ディスク上のメインスポットの位置をX(ラ
ンド部中心をX=0)とすれば、次のような式となる。
【0080】 メインスポットのプッシュプル信号ES−FS =K・sin{(2π/P)・X}+a・sin(bX+θ)…(1) プッシュプル信号は、各スポットのディスク上の位置に
対応して生成されるのに対して、オフセットは、対物レ
ンズの軸ずれ等の影響により発生するため、メインスポ
ットとサブスポットともに同じオフセット量が発生す
る。そのため、サブビームのプッシュプル信号AS
S、CS−DSは次のように表される。
【0081】 サブスポットのプッシュプル信号AS−BS =(1/2α)・[K・sin{(2π/P)・(X+P/4)} +a・sin(bX+θ)] =(1/2α)・[K・sin{(2π/P)・X+π/2} +a・sin(bX+θ)] =(1/2α)・[K・cos{(2π/P)・X} +a・sin(bX+θ)]…(2) サブスポットのプッシュプル信号CS−D =(1/2α)・[K・sin{(2π/P)・(X−P/4)} +a・sin(bX+θ)] =(1/2α)・[K・sin(2π/P)・X−π/2} +a・sin(bX+θ)] =(1/2α)・[−K・cos{(2π/P)・X} +a・sin(bX+θ)]…(3) 上式から、l/g判別信号=(AS−BS)−(CS
S)つまり、((2)−(3))を計算すると次のように
なる。
【0082】 (AS−BS)−(CS−DS) =(1/2α)・[K・cos{(2π/P)・X}+a・sin(bX+ θ)]−(1/2α)・[−K・cos{(2π/P)・X}+a・si n(bX+θ)] =(1/α)・[K・cos{(2π/P)・X}]…(4) この信号は、図4(d)に示した波形であり、上式より
分かるようにオフセット量がキャンセルされ、かつ、ラ
ンド部(X=0、2π、4π…)で最大値となり、グル
ーブ部(X=π、3π、5π…)で最小値となる。
【0083】次に、TES=(ES−FS)−{α(AS
−BS)+α(CS−DS)}について考える。まず、
(AS−BS)+(CS−DS)つまり、(2)+(3)を計算
すると、 (AS−BS)+(CS−DS) =(1/2α)・[K・cos{(2π/P)・X}+a・sin(bX+ θ)]−(1/2α)・[−K・cos{(2π/P)・X}+a・si n(bX+θ)] =(1/α)・{a・sin(bX+θ)}…(5) となり、図4(e)に示すオフセット量そのものが検出
できる。
【0084】この値をもとにTES=(ES−FS)−
{α(AS−BS)+α(CS−DS)}を計算すると、 TES=(ES−FS)−{α(AS−BS)+α(CS−DS)} =K・sin{(2π/P)・X}+a・sin(bX+θ) −[α・(1/α)・{a・sin(bX+θ)}] =K・sin{(2π/P)・X}…(6) となり、オフセットのないTES検出ができる。
【0085】(1)〜(6)式では、ディスク上において、
メインスポットと2つのサブスポットのディスク半径方
向の間隔が、トラックピッチPの1/4(P/4)に正
確に配置されている場合のl/g判別信号及び、TES
に対して示したものであるが、以下にメインスポットと
2つのサブスポットのディスク半径方向の間隔がトラッ
クピッチPの1/4(P/4)からずれた場合につい
て、そのずれ量をyとして、計算していく。
【0086】サブスポットは、回折素子の±1次光によ
り形成されるため、メインスポットに対して常に対称に
配置される。そのため、図2(a)に示したメインスポ
ット8に対するサブスポット9の間隔を(P/4+y)
とすれば、メインスポット8に対するサブスポット10
の間隔は−(P/4+y)となる。
【0087】 サブスポットのプッシュプル信号AS−BS =(1/2α)・[K・sin{(2π/P)・(X+P/4+y)} +a・sin(bX+θ)] =(1/2α)・[K・sin{(2π/P)・(X+y)+π/2} +a・sin(bX+θ)] =(1/2α)・[K・cos{(2π/P)・(X+y)} +a・sin(bX+θ)]…(2)’ サブスポットのプッシュプル信号CS−DS =(1/2α)・[K・sin{(2π/P)・(X−(P/4+y))} +a・sin(bX+θ)] =(1/2α)・[K・sin{(2π/P)・(X−y)−π/2} +a・sin(bX+θ)] =(1/2α)・[−K・cos{(2π/P)・(X−y)} +a・sin(bX+θ)]…(3)’ 上式から、l/g判別信号=(AS−BS)−(CS
S)つまり、((2)’−(3)’)を計算すると次のよ
うになる。
【0088】 (AS−BS)−(CS−DS) =(1/2α)・[K・cos{(2π/P)・(X+y)}+a・sin (bX+θ)]−(1/2α)・[−K・cos{(2π/P)・(X− y)}+a・sin(bX+θ)] =(1/2α)[K・cos{(2π/P)・X}・cos{(2π/P) ・y}−K・sin{(2π/P)・X}・sin{(2π/P)・y} +a・sin(bX+θ)]−(1/2α)[−K・cos{(2π/P )・X}・cos{(2π/P)・y}−K・sin{(2π/P)・X }・sin{(2π/P)・y}+a・sin(bX+θ)] =(K/α)・cos{(2π/P)・X}・cos{(2π/P)・y} …(7) (7)式において、yはメインスポットとサブスポットと
の間隔によって決まる値であり、ディスク上のスポット
の位置によって変化しないため、cos{(2π/P)
・y}=L(定数)とすることができる。
【0089】そのため、(7)式は次のように記載するこ
とができる。
【0090】 (AS−BS)−(CS−DS) =(K・L/α)・{cos((2π/P)・X)}…(8) この信号は、定数Lが乗算されているものの、(4)式と
同じ変化を示し、ランド部(X=0、2π、4π…)で
最大値となり、グルーブ部(X=π、3π、5π…)で
最小値となる。
【0091】次に、TES=(ES−FS)−{α(AS
−BS)+α(CS−DS)}について考える。まず、
(AS−BS)+(CS−DS)つまり、(2)’+(3)’を
計算すると、 (AS−BS)+(CS−DS) =(1/2α)・[K・cos{(2π/P)・(X+y)}+a・sin (bX+θ)]+(1/2α)・[−K・cos{(2π/P)・(X− y)}+a・sin(bX+θ)] =(1/2α)[K・cos{(2π/P)・X}・cos(2π/P)・ y}−K・sin(2π/P)・X}}・sin{(2π/P)・y}+ a・sin(bX+θ)]+(1/2α)[−K・cos{(2π/P) ・X}・cos{(2π/P)・y}−K・sin{(2π/P)・X} ・sin{(2π/P)・y}+a・sin(bX+θ)] =(1/α)・[−K・sin{(2π/P)・X}・sin{(2π/P )・y}+2・a・sin(bX+θ)]…(9) (9)式において、yはメインスポットとサブスポットと
の間隔によって決まる値であり、ディスク上のスポット
の位置によって変化しないため、sin{(2π/P)
・y}=M(定数)とすることができる。
【0092】そのため、(9)式は次のように記載するこ
とができる。
【0093】 (AS−BS)+(CS−DS) =(1/α)・[(−K)・M・sin{(2π/P)・X} +2・a・sin(bX+θ)]…(10) この値をもとにTES=(ES−FS)−{α(AS
S)+α(CS−DS)}を計算すると、 TES =(ES−FS)−{α(AS−BS)+α(CS−DS)} =[K・sin{(2π/P)・X}+a・sin(bX+θ)}]−a・ (1/α)・[−K・M・cos{(2π/P)・X}+2・a・sin (bX+θ)}] =[K・sin{(2π/P)・X}+a・sin(bX+θ)]−[−K ・M・cos{(2π/P)・X}+2・sin(bX+θ)] =K・(1+M)・sin{(2π/P)・X}…(11) となり、オフセットのないTES検出ができる。
【0094】(8)式において、l/g判別信号が検出で
きない条件としては、L=0となる場合であり、メイン
スポットと2つのサブスポットのディスク半径方向の間
隔がトラックピッチPの1/4(P/4)からずれた場
合におけるずれ量yが、 y=nπ±π/2(n=0、±1、±2…) となったとき、l/g判別信号の検出が不可能となる。
【0095】また、(11)式において、TESが検出で
きない条件としては、M=1となる場合であり、メイン
スポットと2つのサブスポットのディスク半径方向の間
隔がトラックピッチの1/4(P/4)からずれた場合
におけるずれ量yが、 y=2nπ±π/2(n=0、±1、±2…) となったとき、TESの検出が不可能となる。
【0096】つまり、メインスポットと2つのサブスポ
ットのディスク半径方向の間隔がトラックピッチの1/
4(P/4)からずれた場合におけるずれ量yが、 y≠2nπ±π/2(n=0、±1、±2…) であれば、l/g判別信号、及びTESともに検出可能
となる。
【0097】(第2の実施形態)次に、図5、図6を用
い、第2の実施形態について説明して行く。
【0098】図5及び図6に示した第2の実施形態にお
いて、回折素子3の分割は、図1〜図4に示した第1の
実施形態と同じであり、回折される方向のみ第1の実施
形態と異なっている。
【0099】図5に示した光学系において、図1に示し
た光学系と同様に、半導体レーザ1から出射された光
は、第1の回折素子2により、ディスク7上にメインス
ポットと2つのサブスポットを形成するために0次光と
±1次光の3つの光に分離される。その後、第2の回折
素子3を透過後、コリメートレンズ4により平行光に変
換された後、ビームスプリッタ5を透過し、対物レンズ
6により、ランド幅とグルーブ幅がほぼ等しく形成さ
れ、ランド部とグルーブ部の両方に情報が記録再生され
る光磁気ディスク7上に照射される。このとき、第1の
回折素子2により生成された0次光によるメインスポッ
ト8と±1次光による2つのサブスポット9、10とが
形成される。
【0100】光磁気ディスク7からの反射光は、再び、
対物レンズ6により平行光となり、一部の光はビームス
プリッタ5を反射して、図には示していないが、磁気光
学効果を利用した光磁気ディスク7の信号を再生するた
めの検光子、及び光を電気信号に変換する受光素子等に
より形成される光磁気信号検出系により、光磁気ディス
ク7に記録された情報が再生される。
【0101】一方、ビームスプリッタ5、コリメートレ
ンズ4を透過した光は、回折素子3によって回折され、
1次回折光が受光素子14により受光され、サーボ信号
(フォーカス誤差信号:FES、トラッキング誤差信
号:TES)とランド/グルーブ(l/g)判別信号と
が検出される。
【0102】次に、図5に示した光学系において、光磁
気ディスク7上でのメインスポット8とサブスポット
9、10の位置関係及び、回折素子3による回折光が、
受光素子14のどの領域で受光され、信号の演算がどの
ように行われるかを図6を用いて説明する。なお、図6
には、繁雑となるため、回折素子3によるメインビーム
の回折光の回折方向のみ点線で示してある。
【0103】回折素子3は、領域31〜33に3分割さ
れており、それぞれの領域は、ディスクのトラックと直
交方向に領域31と他の領域(32+33)に2分割さ
れ、さらに分割された一方の領域がさらにトラックと平
行方向に領域32と領域33に2分割されている。この
回折素子3により、メインスポット8の回折素子3によ
る回折光のうち、領域31による回折光は、受光素子1
4の2分割された受光部GとHの分割線上に集光され、
領域32による回折光は、受光素子14の3分割された
受光部A、E、CのEにより検出され、領域33による
回折光は、受光素子14の3分割された受光部B、F、
DのFにより検出される。
【0104】また、サブスポット9の回折素子3による
回折光のうち、領域31による回折光は受光されず、領
域32による回折光は、受光素子14の3分割された受
光部Cにより検出され、領域33による回折光は、受光
素子14の3分割された受光部Dにより検出される。
【0105】さらに、サブスポット10の回折素子3に
よる回折光のうち、領域31による回折光は受光され
ず、領域32による回折光は、受光素子14の3分割さ
れた受光部Aにより検出され、領域33による回折光
は、受光素子14の3分割された受光部Bにより検出さ
れる。
【0106】受光素子14の受光部A〜Hの出力をAS
〜HSとすると、FESは、回折素子3のうち、ディス
クのトラックと直交方向に分割された領域31によるメ
インスポットの回折光を受光する受光部H、Gの出力を
差動増幅器21にて演算し、フーコー法により検出す
る。
【0107】次に、l/g判別信号に関しては、トラッ
クと平行方向に分割された回折素子3の領域32と領域
33によるサブスポット9の回折光(CS、DS)の差信
号を差動増幅器20により求め、さらにサブスポット1
0の回折光(AS、BS)の差信号を差動増幅器23によ
り求め、これらの差信号を差動増幅器27により求める
ことにより得られる。
【0108】さらに、TESに関しては、トラックと平
行方向に分割された回折素子3の領域32と領域33に
よるメインスポットの回折光(ES、FS)の差信号を差
動増幅器22により求め、先程の差動増幅器20、23
で求めたサブスポットの回折パターンによる信号(CS
−DS、AS−BS)を、増幅器24、25によりα倍し
た後、加算増幅器26により足し合わせ、差動増幅器2
2より得られた信号(ES−FS)から、差動増幅器28
にて差し引くことにより得られる。
【0109】以上の信号をまとめると次のようになる。
【0110】FES=GS−HS l/g判別信号=(AS−BS)−(CS−DS) TES=(ES−FS)−{α(AS−BS)+α(CS
S)} 但し、αは定数 上記TESにおいて、増幅器24、25のゲインαはメ
インスポット8とサブスポット9、10の強度比を合わ
すため設定されたものであり、回折素子2の0次回折光
の強度と±1次回折光の強度との関係は、次のようにな
っている。
【0111】−1次回折光強度:0次回折光強度:+1
次回折光強度=1:2・α:1図6に示した信号検出系
より得られる信号は、図1〜4に示した第1の実施形態
と同じとなり、得られる効果も同じであるから、対物レ
ンズの軸ずれ等により発生するオフセットの影響の受け
ないl/g判別信号、及びTESを得ることができる。
【0112】第2の実施形態に示したように、回折素子
3により、第1の実施形態と異なる回折方向に光を回折
させることによっても、同様の効果を得ることができ
る。
【0113】さらに、第1の実施形態では、受光素子が
11〜13の3つに分離していたのに対して、第2の実
施形態では、容易に受光素子を一体化することが可能と
なる。
【0114】(第3の実施形態)次に、図7〜図9を用
い、第3の実施形態について説明して行く。
【0115】図7〜図9に示した第3の実施形態におい
て、回折素子3の分割は、図1〜図4に示した第1の実
施形態と同じであるが、回折素子3により回折される光
の受光される形態が異なっている。
【0116】図7に示した光学系において、図1及び図
5に示した光学系と同様に、半導体レーザ1から出射さ
れた光は、第1の回折素子2により、ディスク上にメイ
ンスポットと2つのサブスポットを形成するために0次
光と±1次光の3つの光に分離される。その後、第2の
回折素子3と透過後、コリメートレンズ4により平行光
に変換された後、ビームスプリッタ5を透過し、対物レ
ンズ6により、ランド幅とグルーブ幅がほぼ等しく形成
され、ランド部とグルーブ部の両方に情報が記録再生さ
れる光磁気ディスク7上に照射される。このとき、第1
の回折素子2により生成された0次光によるメインスポ
ット8と±1次光による2つのサブスポット9、10と
が形成される。
【0117】光磁気ディスク7からの反射光は、再び、
対物レンズ6により平行光となり、一部の光はビームス
プリッタ5を反射して、図には示していないが、磁気光
学効果を利用した光磁気ディスクの信号を再生するため
の検光子、及び光を電気信号に変換する受光素子等によ
り形成される光磁気信号検出系により、光磁気ディスク
7に記録された情報が再生される。
【0118】一方、ビームスプリッタ5、コリメートレ
ンズ4を透過した光は、回折素子3によって回折され、
1次回折光が受光素子15により受光され、サーボ信号
(フォーカス誤差信号:FES、トラッキング誤差信
号:TES)とランド/グルーブ(l/g)判別信号と
が検出される。
【0119】次に、図7に示した光学系において、光磁
気ディスク7上でのメインスポット8とサブスポット
9、10の位置関係及び、回折素子3による回折光が、
受光素子15のどの領域で受光されるかを図8を用いて
説明する。
【0120】図8(a)に示すように、第1及び第2の
実施形態と同様に、光磁気ディスク7上には、メインス
ポット8に対して、サブスポット9、10が対称に配置
され、メインスポット8とサブスポット9、及びメイン
スポット8とサブスポット10のディスク半径方向の間
隔は、図に示すようにトラックピッチPの略1/4(P
/4)に配置されている。
【0121】次に、図8(b)〜(d)を用いて、各デ
ィスク反射光による回折パターン8’、9’及び10’
が、回折素子3と受光素子15により、どのように回折
され、受光されるかを説明する。図8(b)は、サブス
ポット9のディスクによる回折パターン9’と回折素子
3、及び受光素子15の位置関係を示し、図8(c)
は、メインスポット8のディスクによる回折パターン
8’と回折素子3、及び受光素子15の位置関係を示
し、図8(d)はサブスポット10のディスクによる回
折パターン10’と回折素子3、及び受光素子15の位
置関係を示す。
【0122】回折素子3は、領域31〜33に3分割さ
れており、それぞれの領域は、ディスクのトラックと直
交方向に領域31と他の領域(32+33)に2分割さ
れ、さらに分割された一方の領域がさらにトラックと平
行方向に領域32と領域33に2分割されている。
【0123】図8(b)に示したように、サブスポット
9の回折素子3上でのディスクの反射光による回折パタ
ーンを9’とすると、回折パターン9’の回折素子3に
よる回折光のうち、領域31による回折光は受光素子1
5の8分割された受光部A〜HのAにより検出され、領
域32による回折光は、受光部Cにより検出され、領域
33による回折光は、受光部Dにより検出される。
【0124】図8(c)に示したように、メインスポッ
ト8の回折素子3上でのディスクの反射光による回折パ
ターンを8’とすると、回折パターン8’の回折素子3
による回折光のうち、領域31による回折光は、受光素
子15の受光部GとHの分割線上に集光され、領域32
による回折光は、受光部Eにより検出され、領域33に
よる回折光は、受光部Fにより検出される、図8(d)
に示したように、サブスポット10の回折素子3上での
ディスクの反射光による回折パターンを10’とする
と、回折パターン10’の回折素子3による回折光のう
ち、領域31による回折光は受光素子15の分割された
受光部Dにより検出され、領域32による回折光は、受
光部Aにより検出され、領域33による回折光は、受光
素子13の分割された受光部Bにより検出される。
【0125】次に、図9を用いて、サーボ信号(FE
S、TES)とランド/グルーブ(l/g)判別信号と
の検出について説明する。なお、図9には、繁雑となる
ため、回折素子3によるメインビームの回折光のみ示し
てある。
【0126】受光素子15の受光部A〜Hの出力を
S’〜HS’とすると、FESは、回折素子3のうち、
ディスクのトラックと直交方向に分割された領域31に
よるメインスポットの回折光を受光する受光部H、Gの
出力HS’、GS’の差信号(GS’−HS’)を差動増幅
器21にて演算し、フーコー法により検出する。
【0127】l/g判別信号に関しては、トラックと平
行方向に分割された回折素子3の領域32と領域33に
よるサブスポットの回折パターン9’の回折光を受光す
る受光部C、Dの出力(CS’、DS’)の差信号
(CS’−DS’)を差動増幅器20により求める。さら
に、サブスポット10の回折パターン10’の回折光を
受光する受光部A、Bの出力(AS’、BS’)の差信号
(AS’−BS’)を差動増幅器23により求め、これら
の差信号を差動増幅器27にて求めることにより得られ
る。
【0128】さらに、TESに関しては、トラックと平
行方向に分割された回折素子3の領域32と領域33に
よるメインスポットの回折パターン8’の回折光を受光
する受光部E、Fの出力(ES’、FS’)の差信号(E
S’−FS’)を差動増幅器22により求め、先程の差動
増幅器20、23で求めたサブスポットの回折パターン
による信号(CS’−DS’、AS’−BS’)を、増幅器
24、25によりα倍した後、加算増幅器26により足
し合わせ、差動増幅器22より得られた信号(ES’−
S’)から、差動増幅器28にて差し引くことにより
得られる。
【0129】以上の信号をまとめると次のようになる。
【0130】FES=GS’−HS’ l/g判別信号=(AS’−BS’)−(CS’−DS’) TES=(ES’−FS’)−{α(AS’−BS’)+α
(CS’−DS’)} 但し、αは定数 上記TESにおいて、増幅器24、25のゲインαはメ
インスポット8とサブスポット9、10の強度比を合わ
すため設定されたものであり、回折素子2の0次回折光
の強度と±1次回折光の強度との関係は、次のようにな
っている。
【0131】−1次回折光強度:0次回折光強度:+1
次回折光強度=1:2・α:1上式において、第1及び
第2の実施形態と異なる点は以下の通りである。即ち、
第1及び第2の実施形態では、図2に示したように、受
光部Aでは、サブスポット10の回折パターン10’の
回折素子3による回折光のうち、領域32による回折光
のみ検出され、受光部Dでは、サブスポット9の回折パ
ターン9’の回折素子3による回折光のうち、領域33
による回折光のみ検出される。これに対して、第3の実
施形態では、図8(b)〜(d)に示すように、受光部
Aでは、回折パターン9’の領域31による回折光+回
折パターン10’の領域32による回折光、受光部Dで
は、回折パターン9’の領域33による回折光+回折パ
ターン10’の領域31による回折光が検出されること
になり、第1及び第2の実施形態に比べ、回折素子3の
分割された領域のうちディスクのトラックと直交方向に
分割された領域31の回折光が余分に入射することにな
る。
【0132】このトラックに直交する領域の回折光量変
化は、トラックに平行方向の領域の回折光量変化より生
成されるプッシュプル信号成分を有さないため、第1の
実施形態で示したl/g判別信号やTESを生成するた
めの(AS−BS)や(CS−DS)に一定光量が加えられ
た変化が検出される。
【0133】つまり、この一定光量をfとすれば、 FES=GS’−HS’=GS−HS l/g判別信号=(AS’−BS’)−(CS’−DS’) ={(AS+f)−BS}−{CS−(DS+f)} =(AS−BS)−(CS−DS)+2f TES=(ES’−FS’)−{α(AS’−BS’)+α(CS’−DS’)} =(ES−FS) −[α{(AS+f)−BS}+α{CS−(DS+f)}] =(ES−FS)−{α(AS−BS)+α(CS−DS)} となり、FES及びTESに関しては、第1及び第2の
実施形態と同じ信号が得られる。l/g判別信号に関し
ては一定光量2fが加えられた信号となるが、l/g判
別は、信号のピークないしボトムでランド部とグルーブ
部の判別を行うため、一定光量の付加は、信号検出に対
して問題とならない。
【0134】以上のように、第3の実施形態においても
第1及び第2の実施形態と同じ効果が得られる。
【0135】さらに、第3の実施形態では、第1及び第
2の実施形態に対して、受光素子の大きさを小さくでき
るメリットがあるので、光ピックアップ装置の大きさを
小さくできるという利点を有している。
【0136】上述した第1〜第3の実施形態において
は、回折素子を3分割し、トラックと直交方向に分割さ
れた領域(31)から回折光を隣接した受光部H、Gの
分割線上に集光し、得られる出力(HS、GS)の差信号
(GS−HS)をフォーカスエラー信号(FES)とした
が、トラックと直交方向に分割された領域(31)によ
る回折光には、プッシュプル信号成分が相殺されるた
め、この回折光を用いて、非点収差法等の他の方法によ
るフォーカスエラー信号検出も可能である。
【0137】(第4の実施形態)次に、図10〜図12
を用い、第4の実施形態について説明して行く。
【0138】図10〜図12に示した第4の実施形態に
おいては、回折素子3の分割は、図1〜図9に示した第
1〜第3の実施形態と異なり、ディスクのトラックと平
行方向に2分割されている。
【0139】実施形態4では、回折素子3をトラックと
平行方向に2分割することにより、回折素子3が3分割
された第1〜第3の実施形態と比べて、ランド/グルー
ブ判別信号及び、TESを生成する信号(AS、BS、C
S、DS、ES、FS)量を2倍とする事ができ、より信頼
性の高い信号検出が可能となる。
【0140】図10に示した光学系において、図1、図
5、及び図7に示した光学系と同様に、半導体レーザ1
から出射された光は、第1の回折素子2により、ディス
ク上にメインスポットと2つのサブスポットを形成する
ために0次光と±1次光の3つの光に分離される。その
後、第2の回折素子3を透過後、コリメートレンズ4に
より平行光に変換された後、ビームスプリッタ5を透過
し、対物レンズ6により、ランド幅とグルーブ幅がほぼ
等しく形成され、ランド部とグルーブ部の両方に惰報が
記録再生される光磁気ディスク7上に照射される。この
とき、第1の回折素子2により生成された0次光による
メインスポット8と±1次光による2つのサブスポット
9、10とが形成される。
【0141】光磁気ディスク7からの反射光は、再び、
対物レンズ6により平行光となり、一部の光はビームス
プリッタ5を反射して、図には示していないが、磁気光
学効果を利用した光磁気ディスクの信号を再生するため
の検光字、及び光を電気信号に変換する受光素子等によ
り形成される光磁気信号検出系により、光磁気ディスク
7に記録された情報が再生される。
【0142】一方、ビームスプリッタ5、コリメートレ
ンズ4を透過した光は、回折素子3によって回折され、
1次回折光が受光素子16により受光され、サーボ信号
(フォーカス誤差信号:FES、トラッキング誤差信
号:TES)とランド/グルーブ(l/g)判別信号と
が検出される。
【0143】次に、図10に示した光学系において、光
磁気ディスク7上でのメインスポット8とサブスポット
9、10の位置関係及び、回折素子3による回折光が、
受光素子16のどの領域で受光されるかを図11を用い
て説明する。
【0144】図11(a)に示すように、第1〜第3の
実施形態と同様に、光磁気ディスク7上には、メインス
ポット8に対して、サブスポット9、10が対称に配置
され、メインスポット8とサブスポット9、及びメイン
スポット8とサブスポット10のディスク半径方向の間
隔は、図に示すようにトラックピッチPの略1/4(P
/4)に配置されている。
【0145】次に、図11(b)〜(d)を用いて、各
ディスク反射光による回折パターン8’、9’及び1
0’が、回折素子3と受光素子16により、どのように
回折され、受光されるかを説明する。図11(b)は、
サブスポット9のディスクによる回折パターン9’と回
折素子3、及び受光素子16の位置関係を示し、図11
(c)はメインスポット8のディスクによる回折パター
ン8’と回折素子3、及び受光素子16の位置関係を示
し、図11(d)はサブスポット10のディスクによる
回折パターン10’と回折素子3、及び受光素子16の
位置関係を示す。
【0146】回折素子3は、ディスクのトラックと平行
方向に領域34と領域35に2分割されている。
【0147】図11(b)に示したように、サブスポッ
ト9の回折素子3上でのディスクの反射光による回折パ
ターンを9’とすると、回折パターン9’の回折素子3
による回折光のうち、領域35による回折光は、受光部
Cにより検出され、領域34による回折光は、受光部D
により検出される。
【0148】図11(c)に示したように、メインスポ
ット8の回折素子3上でのディスクの反射光による回折
パターンを8’とすると、回折パターン8’の回折素子
3による回折光のうち、領域34による回折光は、受光
素子16の受光部F1とF2の分割線上に集光され、領
域35による回折光は、受光素子16の受光部E1とE
2の分割線上に集光され、検出される。
【0149】図11(d)に示したように、サブスポッ
ト10の回折素子3上でのディスクの反射光による回折
パターンを10’とすると、領域35による回折光は、
受光部Aにより検出され、領域34による回折光は、受
光部Bにより検出される。
【0150】次に、図12を用いて、サーボ信号(FE
S、TES)とランド/グルーブ(l/g)判別信号と
の検出について説明する、なお、図12には、繁雑とな
るため、回折素子3によるメインビームの回折光の回折
方向のみ点線で示してある。
【0151】受光素子15の受光部A〜D及び、E1〜
F2の出力をAS〜DS及び、E1S〜F2Sとすると、F
ESは、E1SとF1Sの和信号(E1S+F1S)、及び
E2SとF2Sの和信号(E2S+F2S)を加算増幅器4
0、及び41により求め、これらの差{(E1S+F
S)−(E2S+F2S)}を差動増幅器21にて演算
し、ダブルナイフエッジ法により検出する。
【0152】これは、第1〜第3の実施形態に示したF
ES検出のように回折素子3の領域34(または35)
だけを用いて、F1−F2(またはE1−E2)を演算
すれば、FES検出が可能と思われるが、領域34ある
いは領域35による回折光だけを用いてFESを検出し
た場合、回折素子3は、ディスクのトラックに対して、
平行方向に分割されているため、FESにプッシュプル
信号成分が含まれることになり、良好なFES検出がで
きない。
【0153】そのため、上述したようにE1SとF1S
及びE2SとF2Sのそれぞれの和信号を求め、さらに、
これらの差信号をFESとすることにより、プッシュプ
ル信号成分を相殺し、良好なFES検出を可能としてい
る。
【0154】l/g判別信号に関しては、回折素子3の
領域34と領域35によるサブスポットの回折パターン
9’の回折光を受光する受光部C、Dの出力(CS
S)の差信号(CS−DS)を差動増幅器20により求
め、さらにサブスポット10の回折パターン10’の回
折光を受光する受光部A、Bの出力(AS、BS)の差信
号(AS−BS)を差動増幅器23により求め、これらの
差信号を差動増幅器27にて求めることにより得られ
る。
【0155】さらに、TESに関しては、回折素子3の
領域34と領域35によるメインスポットの回折パター
ン8’の回折光成分E1S+E2S、及びF1S+F2S
加算増幅器42、及び43により求め、これらの差信号
{(E1S+E2S)−(F1S+F2S)}を差動増幅器
22により求める。その後、先程の差動増幅器20、2
3で求めたサブスポットの回折パターンによる信号(C
S’−DS’、AS’−BS’)を、増幅器24、25によ
りα倍した後、加算増幅器26により足し合わせ、差動
増幅器22より得られた信号{(E1S+E2S)−(F
S+F2S)}から、差動増幅器28にて差し引くこと
により得られる。
【0156】以上の信号をまとめると次のようになる。
【0157】 FES=(E1S+F1S)−(E2S+F2S) l/g判別信号=(AS−BS)−(CS−DS) TES={(E1S+E2S)−(F1S+F2S)}−
{α(AS−BS)+α(CS−DS)} 但し、αは定数 上記TESにおいて、増幅器24、25のゲインαはメ
インスポット8とサブスポット9、10の強度比を合わ
すため設定されたものであり、回折素子2の0次回折光
の強度と±1次回折光の強度との関係は、次のようにな
っている。
【0158】−1次回折光強度:0次回折光強度:+1
次回折光強度=1:2・α:1 上式に示したTESにおける(E1S+E2S)−(F1
S+F2S)は、メインスポットの回折素子3のトラック
方向と平行方向に分割された領域34と領域35による
回折光成分を検出していることと等価である。
【0159】そのため、(E1S+E2S)−(F1S
F2S)はメインスポットによるプッシュプル信号とな
るため、TESは、 TES={(E1S+E2S)−(F1S+F2S)}−
{α(AS−BS)+α(CS−DS)} 但し、αは定数 と、図1〜9に示した第1〜第3の実施形態による場合
と同じになり、得られる効果も同じであるから、対物レ
ンズの軸ずれ等により発生するオフセットの影響の受け
ないTESを得ることができる、なお、l/g判別信号
に関しても、第1〜第3の実施形態による場合と同じに
なり、得られる効果も同じである。
【0160】さらに、第4の実施形態では、回折素子3
をトラックと平行方向に2分割することにより、回折素
子3が3分割された第1〜第3の実施形態と比べて、ラ
ンド/グルーブ判別信号および、TESを生成する信号
(AS、BS、CS、DS、ES、FS)量を2倍とする事が
でき、より信頼性の高い信号検出が可能となる。
【0161】なお、第1〜第4の実施形態については、
光ディスクを磁気光学効果を利用した光磁気ディスクと
して示したが、その他の効果を利用した光ディスク、例
えば相変化ディスクに記録再生するための光ピックアッ
プ装置においても上記の効果を発生させることができ
る。
【0162】また、第1〜第4の実施形態では、ディス
クのランド部とグルーブ部の幅が等しいディスクに関し
て、その例を示したが、ランド部とグルーブ部の幅が異
なり、どちらか一方に情報の記録再生を行う光ディスク
に関しても、上記構成をとることにより、対物レンズが
シフトしてもオフセットの発生しないTESを検出する
ことができる。
【0163】さらに、第1〜第4の実施形態の光学系を
示した図1、図5、図7及び、図10では、第1の回折
素子2と第2の回折素子3が別の基板上に構成された例
となっているが、同じ基板に裏表に第1と第2の回折素
子を形成してもよく、この場合、第1と第2の回折素子
の位置ずれが発生せず、より信頼性の高い光ピックアッ
プ装置を構成することができる。
【0164】
【発明の効果】以上詳述したように本発明による場合に
は、以下のような効果がある。
【0165】本発明の請求項1の光ピックアップ装置に
よる場合は、0次光のメインスポットと、ディスク半径
方向に該メインスポットに対してトラックピッチの略1
/4である(グルーブ幅+ランド幅)/4の間隔で対称
に配置された一対の±1次光のサブスポットとを形成す
る第1の回折素子を備え、受光素子の受光部(A、B)
が、第2の回折素子のトラックと平行方向に分割された
それぞれの領域からの+1次光のサブスポットについて
の回折光を検出し、また、受光素子の受光部(C、D)
が、第2の回折素子のトラックと平行方向に分割された
それぞれの領域からの−1次光のサブスポットについて
の回折光を検出する。このとき、受光素子の各受光部
(A、B、C、D)の出力をAS、BS、CS、DSとする
場合、演算手段が(AS−BS)−(CS−DS)をランド
/グルーブ判別信号として演算すると、ランド部で最大
(または最小)となり、グルーブ部で最小(または最
大)となるランド/グルーブ判別信号を得ることがで
き、グルーブ幅とランド幅が等しいディスクにおいても
安定したトラッキング引き込みを行うことができる。
【0166】また、本発明の請求項2の光ピックアップ
装置による場合は、0次光のメインスポットと、ディス
ク半径方向にメインスポットに対してトラックピッチの
略1/4である(グルーブ幅+ランド幅)/4の間隔で
対称に配置された一対の±1次の光サブスポットとを形
成する第1の回折素子を備え、受光素子の受光部(A、
B)が、第2の回折素子のトラックと平行方向に分割さ
れたそれぞれの領域からの+1次光のサブスポットにつ
いての回折光を検出し、また、受光素子の受光部(C、
D)が、第2の回折素子のトラックと平行方向に分割さ
れたそれぞれの領域からの−1次光のサブスポットにつ
いての回折光を検出し、また、受光素子の受光部(E、
F)が、第2の回折素子のトラックと平行方向に分割さ
れたそれぞれの領域からのメインスポットについての回
折光を検出する。このとき、受光素子のそれぞれの受光
部(A、B、C、D、E、F)の出力をAS、BS
S、DS、ES、FSとする場合、演算手段が(ES
S)−{α(AS−BS)+α(CS−DS)}(但し、
αは定数)をトラッキング誤差信号として演算すると、
回折素子を用いた光ピックアップ装置においても、対物
レンズがディスクの偏心等に追従ししシフトが発生して
も、オフセットの生じないトラッキング誤差信号を得る
ことができ、従来のレンズの組み合わせによる光ピック
アップ装置に比べてより小型、薄型化が可能となる。さ
らに、メインスポットに対してトラックピッチの略1/
4の間隔で一対のサブスポット(±1次光)を形成する
ことにより、ランド/グルーブ判別信号の検出も可能な
光ピックアップ装置を構成することができる。
【0167】本発明の請求項3の光ピックアップ装置に
おける第2の回折素子の構成としては、光ディスクのト
ラックと直交方向に2分割されており、分割された一方
の領域が、さらにトラックと平行方向に2分割された計
3分割の構成としている。この場合、トラックと直交方
向に分割された領域(31)から回折光では、プッシュ
プル信号成分が相殺されるため、この回折光を用いてフ
ォーカスエラー信号を検出することにより、ディスクの
トラックの影響を受けないフォーカスエラー信号の検出
が可能な光ピックアップ装置を構成することができる。
【0168】本発明の請求項4の光ピックアップ装置に
よる場合は、第2の回折素子が3分割されている構成に
おいて、メインスポット(0次光)の第2の回折素子の
トラックと直交方向に分割された領域31からの回折光
を、受光素子の隣接した受光部H、Gが検出し、その出
力をHS、GSとすれば、その差を演算することにより、
フーコー法によるフォーカスエラー信号(FES)を検
出可能である。また、このような演算結果をフォーカス
エラー信号とすることにより、ランド/グルーブ判別信
号、及びトラッキングエラー信号とともに、ほぼ一体化
された検出系(回折素子と受光素子)で3種類の信号を
検出することができるため、信頼性が高くより小型な光
ピックアップ装置を構成することができる。
【0169】本発明の請求項5の光ピックアップ装置に
よる場合は、上記第2の回折素子が3分割されている構
成において、+1次光のサブスポットの第2の回折素子
によるトラックと直交方向に分割された領域からの回折
光と、−1次光のサブスポットの第2の回折素子による
トラックと平行方向に分割された一方の領域からの回折
光とを、受光素子の同一の受光部で受光し、かつ、−1
次光のサブスポットの第2の回折素子によるトラックと
直交方向に分割された領域からの回折光と、+1次光の
サブスポットの第2の回折素子によるトラックと平行方
向に分割された上記領域と異なる領域からの回折光と
を、受光素子の別の同一の受光部で受光することによ
り、受光部を小さく構成できるため、受光素子を一体化
することが可能となり、光ピックアップ装置をより小型
化することができる。
【0170】本発明の請求項6の光ピックアップ装置に
よる場合は、前記第2の回折素子は、光ディスクのトラ
ックと平行方向に2分割された領域(34と35)を有
する構成となっている。この2分割構成の場合は、3分
割された第2の回折素子を用いる光ピックアップ装置に
比べ、メインスポット(0次光)及び、2つのサブスポ
ット(±1次光)の回折光を受光する受光部(A、B、
C、D、E、F)の出力(AS、BS、CS、DS、ES
S)を2倍とすることができるため、より信頼性の高
いランド/グルーブ判別信号及び、トラッキングエラー
信号を検出することが可能となる。
【0171】本発明の請求項7の光ピックアップ装置に
よる場合は、第2の回折素子が2分割されている構成に
おいて、メインスポット(0次光)の第2の回折素子の
トラックと平行方向に分割された領域による回折光を受
光する受光部E、Fのそれぞれを、E1とE2及びF1
とF2に分割し、それぞれの受光部E1、E2、F1お
よびF2から得られる出力をE1S、E2S、F1S、F
Sとすると、(E1S+F1S)−(E1S+F2S)を
演算することにより、ダブルナイフエッジ法によるFE
S検出が可能となる。また、このような演算結果である
(E1S+F1S)−(E2S+F2S)をフォーカスエラ
ー信号とし、また、{(E1S+E2S)−(F1S+F
S)}−{α(AS−BS)+α(CS−DS)}(但
し、αは定数)を演算した結果をトラッキングエラー信
号とすることにより、ランド/グルーブ判別信号ととも
に、ほぼ一体化された検出系(回折素子と受光素子)で
3種類の信号を検出することができるため、信頼性が高
くより小型な光ピックアップ装置を構成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施形態における光ピッ
クアップ装置の光学系を示す斜視図である。
【図2】本発明における第1の実施形態における光ディ
スク上でのスポットの配置、および第2の回折素子と受
光素子の受光部の関係を示す図である。
【図3】本発明における第1の実施形態の信号処理部
(演算部)を示すブロック図である。
【図4】本発明における各信号波形を示す図である。
【図5】本発明における第2の実施形態における光ピッ
クアップ装置の光学系を示す斜視図である。
【図6】本発明における第2の実施形態の信号処理部
(演算部)を示すブロック図である。
【図7】本発明における第3の実施形態における光ピッ
クアップ装置の光学系を示す斜視図である。
【図8】本発明における第3の実施形態における光ディ
スク上でのスポットの配置、および第2の回折素子と受
光素子の受光部の関係を示す図である。
【図9】本発明における第3の実施形態の信号処理部
(演算部)を示すブロック図である。
【図10】本発明における第4の実施形態における光ピ
ックアップ装置の光学系を示す図である。
【図11】本発明における第4の実施形態における光デ
ィスク上でのスポットの配置、および第2の回折素子と
受光素子の受光部の関係を示す図である。
【図12】本発明における第4の実施形態の信号処理部
(演算部)を示すブロック図である。
【図13】ランド幅とグルーブ幅が等しい場合と異なる
場合のディスク反射光量を示した図である。
【図14】従来例における光ピックアップ装置の光学
系、ディスク上でのスポット配置、及び光検出器の形状
を示した図である。
【図15】従来例における信号波形を示した図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ 2 第1の回折素子 3 第2の回折素子 4 コリメートレンズ 5 ビームスプリッタ 6 対物レンズ 7 光ディスク 8 ディスク上のメインスポット 9、10 ディスク上のサブスポット 8’ メインスポットの回折パターン 9’、10’ サブスポットの回折パターン 11〜16 受光素子 A〜H 受光部 31〜35 第2の回折素子の分割された領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−195727(JP,A) 特開 平2−68734(JP,A) 特開 平9−288831(JP,A) 特開 平9−167353(JP,A) 特開 平8−306055(JP,A) 特開 平7−296389(JP,A) 特開 平8−55361(JP,A) 特開 平10−302263(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/00 - 7/22

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラックを形成する溝部であるグルーブ
    部(10)と溝間部であるランド部とが、ほぼ等しい幅で
    形成された光ディスクに対し、情報の記録再生を行う光
    ピックアップ装置において、 0次光のメインスポットと、ディスク半径方向に該メイ
    ンスポットに対してトラックピッチの略1/4である
    (グルーブ幅+ランド幅)/4の間隔で対称に配置され
    た一対の±1次光のサブスポットとを形成する第1の回
    折素子と、 該第1の回折素子にて形成されたメインスポットと一対
    のサブスポットによるディスクからの反射光を回折す
    る、少なくともトラックと平行方向に分割された第2の
    回折素子と、 +1次光のサブスポットについて第2の回折素子による
    トラックと平行方向に分割されたそれぞれの領域からの
    回折光を検出する受光部(A、B)、および、−1次光
    のサブスポットについて第2の回折素子によるトラック
    と平行方向に分割されたそれぞれの領域からの回折光を
    検出する受光部(C、D)を少なくとも有する受光素子
    と、 該受光素子の各受光部(A、B、C、D)の出力を
    S、BS、CS、DSとする場合に、(AS−BS)−(C
    S−DS)をランド/グルーブ判別信号として演算する演
    算手段とを具備する光ピックアップ装置。
  2. 【請求項2】 トラックを形成する溝部であるグルーブ
    部と溝間部であるランド部とが形成された光ディスクに
    対し、情報の記録再生を行う光ピックアップ装置におい
    て、 0次光のメインスポットと、ディスク半径方向にメイン
    スポットに対してトラックピッチの略1/4である(グ
    ルーブ幅+ランド幅)/4の間隔で対称に配置された一
    対の±1次の光サブスポットとを形成する第1の回折素
    子と、 該第1の回折素子にて形成されたメインスポットと一対
    のサブスポットによるディスクからの反射光を回折す
    る、少なくともトラックと平行方向に分割された第2の
    回折素子と、 +1次光のサブスポットについて第2の回折素子による
    トラックと平行方向に分割されたそれぞれの領域からの
    回折光を検出する受光部(A、B)、−1次光のサブス
    ポットについて第2の回折素子によるトラックと平行方
    向に分割されたそれぞれの領域からの回折光を検出する
    受光部(C、D)、および、メインスポットについて第
    2の回折素子によるトラックと平行方向に分割されたそ
    れぞれの領域からの回折光を検出する受光部(E、F)
    を少なくとも有する受光素子と、 該受光素子のそれぞれの受光部(A、B、C、D、E、
    F)の出力をAS、BS、CS、DS、ES、FSとする場合
    に、(ES−FS)−{α(AS−BS)+α(CS
    S)}(但し、αは定数)をトラッキング誤差信号と
    して演算する演算手段とを具備する光ピックアップ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第2の回折素子は、光ディスクのト
    ラックと直交方向に2分割された一方の領域(32+3
    3)と他方の領域(31)を有し、該一方の領域(32
    +33)がトラックと平行方向に2分割された領域(3
    2)と領域(33)を有する構成であり、光ディスクの
    トラックと直交方向に分割された他方の領域(31)か
    らの回折光をフォーカスエラー信号として検出する請求
    項1または2に記載の光ピックアップ装置。
  4. 【請求項4】 前記受光素子が、メインスポットについ
    て第2の回折素子のトラックと直交方向に分割された前
    記他方の領域(31)からの回折光を検出する隣接した
    受光部(H、G)を有する構成であり、前記回折光が受
    光部(H、G)の分割線上に集光されて得られる出力を
    S、GSとする場合に、前記演算手段がGS−HSをフォ
    ーカスエラー信号として演算する請求項3に記載の光ピ
    ックアップ装置。
  5. 【請求項5】 +1次光のサブスポットについて第2の
    回折素子によるトラックと直交方向に分割された他方の
    領域(31)からの回折光、および、−1次光のサブス
    ポットについて第2の回折素子によるトラックと平行方
    向に分割された一方の領域(32)からの回折光を同一
    の受光部で受光し、かつ、−1次光のサブスポットにつ
    いて第2の回折素子によるトラックと直交方向に分割さ
    れた他方の領域(31)からの回折光、および、+1次
    光のサブスポットについて第2の回折素子によるトラッ
    クと平行方向に分割された一方の領域(32)からの回
    折光を別の同一の受光部で受光する構成としてある請求
    項3または4に記載の光ピックアップ装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の回折素子は、光ディスクのト
    ラックと平行方向に2分割された領域(34と35)を
    有する構成となっている請求項1または2に記載の光ピ
    ックアップ装置。
  7. 【請求項7】 メインスポットについて第2の回折素子
    によるトラックと平行方向に分割されたそれぞれの領域
    からの各回折光を検出する受光部が、それぞれ分割され
    た受光部(E1とE2)及び分割された受光部(F1と
    F2)であり、メインスポットについて第2の回折素子
    のトラックと平行方向に分割された一方の領域(34)
    による回折光が受光部(E1とE2)の分割線上に集光
    され、他方の領域(35)による回折光が受光部(F1
    とF2)の分割線上に集光されて、得られる各出力をE
    S、E2S、F1S、F2Sとする場合に、(E1S+F
    S)−(E1S+F2S)をフォーカスエラー信号とし
    て演算し、また、{(E1S+E2S)−(F1S+F
    S)}−{α(AS−BS)+α(CS−DS)}(但
    し、αは定数)をトラッキングエラー信号として演算す
    る構成となっている請求項6に記載の光ピックアップ装
    置。
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