JPH10162383A - 光ディスク記録再生装置および光ディスク再生装置 - Google Patents

光ディスク記録再生装置および光ディスク再生装置

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JPH10162383A
JPH10162383A JP8320314A JP32031496A JPH10162383A JP H10162383 A JPH10162383 A JP H10162383A JP 8320314 A JP8320314 A JP 8320314A JP 32031496 A JP32031496 A JP 32031496A JP H10162383 A JPH10162383 A JP H10162383A
Authority
JP
Japan
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light
optical
recording
reproducing apparatus
optical disk
Prior art date
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Pending
Application number
JP8320314A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiro Seo
勝弘 瀬尾
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
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Publication of JPH10162383A publication Critical patent/JPH10162383A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プッシュプル方式のトラッキングにおけるプ
ッシュプルオフセットを低コストでキャンセルすること
ができる光ディスク記録再生装置の提供を目的とする。 【解決手段】 光学系は、レーザーダイオード13と光
ディスク1の間の光学経路において、光ビームの光束の
断面積よりも小さい面積の溝部を有するグレーティング
27を有するので、グレーティング27により光ビーム
の光束から回折光を発生させて、グレーティング27に
より回折されない光ビームと回折光とは同じ位相のオフ
セットを生じるので、光ディスク記録再生装置は、回折
光と、回折されない光ビームとを用いてトラッキングの
オフセットをキャンセルすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、光ディ
スクに光ビームを用いてデータを記録再生または再生す
る際のトラック位置決めをするときに、光ディスクの信
号記録面に光源からの光を集光させる光ピックアップに
関する。
【0002】
【従来の技術】高度情報化社会を指向するマルチメディ
アの進展で、光ディスクの一層の高性能化、大容量化が
求められている。この光ディスクは、その機能及び使用
目的から、ディスクカッティング時に記録された情報デ
ータを再生するのみの再生専用型光ディスク、一度だけ
記録できて書き換えのできない追記型光ディスク、何度
でも書き換えのできる書き換え型光ディスクの3種類に
大別することができる。
【0003】つまり、光ディスク記録再生装置におい
て、光ディスク上の所定のトラックに情報データを記録
するためには、光ディスクの目標トラック上へ光ピック
アップを移動させて、目標トラック上にレーザ・ビーム
を照射させなければならない。このためには、目標位置
に光ピックアップを位置決めする必要がある。光ピック
アップを光ディスクの半径方向の目標の位置に移動させ
るサーボ系としてトラッキング・サーボ系がある。
【0004】トラッキング・サーボ系は、光ピックアッ
プ内のアクチュエータ系のうちのトラッキングコイルお
よびトラッキングサーボ回路からなる。アクチュエータ
系は、例えば2軸アクチュエータにより光ピックアップ
を精細にトラッキング動作させる。そして、レーザ・ビ
ームがトラックを追跡して、トラッキングして、アドレ
スを読み出し、目標アドレスとの差分を知ると、その分
だけ精細シークをする。
【0005】図13に従来のランドグルーブ記録方法に
用いられたプッシュプル方法によるトラッキングを示
す。図13を用いて従来のプッシュプル法によるトラッ
キングを説明する。図13Aにおいて、グルーブ部G
1,G2,G3とグルーブ部G1,G2,G3との間の
ランド部L1,L2,L3と呼ばれる部分にも情報デー
タを記録するランドグルーブ記録方法においては、隣接
するグルーブ部G1,G2,G3またはランド部L1,
L2,L3共に情報データを記録するために、各グルー
ブ部G1,G2,G3およびランド部L1,L2,L3
にトラッキングを行う必要がある。
【0006】プッシュプル法は、光ディスク上の記録薄
膜上のグルーブ部G1,G2,G3で反射回折した光を
フォトダイオード上の2分割された受光面での出力差と
して取り出すことによってトラッキングエラーを検出す
る方法である。すなわち、図13Aに示すように、レー
ザースポットとグルーブ部G1,G2,G3の中心、あ
るいはレーザースポットとランド部L1,L2,L3と
呼ばれるグルーブ部G1,G2,G3とグルーブ部G
1,G2,G3の中間部の中心が一致している場合は、
トラッキングしてトラックが一致した状態で、図13B
において、左右対称な反射回折光分布としてのトラッキ
ングエラー信号130が得られる。これ以外の場合は、
トラッキングしていないのでトラックがずれた状態で、
左右で光強度がずれた振幅の異なる反射回折光分布とし
てのS字曲線となる。このようにして、トラッキングエ
ラー信号130が「0」になるようにして、グルーブ部
G1,G2,G3の中心、あるいはランド部L1,L
2,L3の中心にトラッキングを行うことができる。
【0007】ところが、図14に示すように、トラッキ
ング動作を行う際の対物レンズの移動によりオフセット
が生じることがあった。図14において、トラッキング
動作の際に、光ピックアップ内の2軸アクチュエータの
トラッキングコイルにより対物レンズ141を光ディス
ク140のトラック横断方向(ラジアル方向)に移動し
たとき、その動きに応じてフォトダイオード142上で
光ディスク140の反射光のビームスポットがΔxだけ
移動するため、プッシュプル信号がオフセットしてしま
う。
【0008】また、図15に示すように、光ディスクの
ラジアル方向の傾き(ラジアルチルト)によってもオフ
セットが生じることがあった。図15において、光ディ
スク150にレーザービームの光軸と直交する面に対し
てΔθだけ傾きがあると、フォトダイオード152上で
対物レンズ151の焦点距離fに対してf・2Δθだけ
光ディスク150の反射光のビームスポットが移動する
ため、光強度のアンバランスのため、プッシュプル信号
がオフセットしてしまう。
【0009】そのため、図16Aに示すように、ビーム
スポットS1がフォトダイオード160の中央にあると
きは、ビームスポットS1が光ディスクのトラックを横
切るときフォトダイオード160上で明暗が現れるの
で、トラッキングエラー信号161のゼロクロス点がト
ラック中心となるためこのトラッキングエラー信号16
1を用いてトラッキングを行うことができる。しかし、
図16Bに示すように、ビームスポットS1がフォトダ
イオード160の中央からずれて動くとき、つまり、ト
ラッキング動作により対物レンズがラジアル方向に駆動
されたときや、光ディスクにラジアルチルトがあるとき
にはビームスポットS1の光強度分布がフォトダイオー
ド160上で移動するために、トラッキングエラー信号
162は周期の遅いうねりとなるオフセット163を有
する信号となる。このようなオフセット163を有する
トラッキングエラー信号162を用いてトラッキングを
行うことはできない。
【0010】そこで、このオフセットをキャンセル方法
が考えられた。オフセットをキャンセルする第1の方法
は、図示はしないが、以下のような方法である。対物レ
ンズの移動によるオフセットに対しては、対物レンズの
位置センサーを設けておいて、光ピックアップ内の2軸
アクチュエータのトラッキングコイルにより対物レンズ
を光ディスクのトラック横断方向(ラジアル方向)に移
動するとき、対物レンズの移動量を検出し、移動量に比
例した量をプッシュプル信号から引き算する。また、光
ディスクのラジアルチルトに対しては、光ディスクにレ
ーザービームの光軸と直交する面に光ディスクのラジア
ルチルトセンサーを設けておいて、レーザービームの光
軸と直交する面と光ディスクとの距離を検出することに
より、この距離に対応する傾きから移動量を求めて、移
動量に比例した量をプッシュプル信号から引き算する。
【0011】また、オフセットをキャンセルする第2の
方法は、図17及び図18に示すように、DPP(Di
fferential Push−Pull)による方
法である。図17において、レーザーダイオードから光
ディスク170にレーザービームを照射させる光経路上
に、回折光を生じさせるために図示しないグレーティン
グを設ける。これにより、光ディスク170上のピット
171を形成するトラックの接線方向にずれると共にそ
れぞれ半径方向に反トラック分だけずれた、メインビー
ムの0次光S1、サブビームの+1次光S2、−1次光
S3を形成する。図18に示すように、メインビームの
0次光S1、サブビームの+1次光S2、−1次光S3
の反射光をフォトダイオード180の3つの受光素子で
受光する。図18において、この装置は、各受光素子1
81、182、183は、ラジアル方向と直交する分割
線により、それぞれ2つの受光部E1,F1,E2,F
2,E3,F3を有している。受光部E1,F1を有す
る受光素子181はメインビームの0次光S1を受光す
る。受光部E2,F2を有する受光素子182はサブビ
ームの+1次光S2を受光する。受光部E3,F3を有
する受光素子183はサブビームの−1次光S3を受光
する。また、この装置は、各受光部の差信号のプッシュ
プル信号PPS1,PPS2,PPS3を演算して、プッシュ
プル信号PPを出力する演算回路184を有している。
【0012】このような装置において、図17に示すよ
うに、サブビームの+1次光S2、−1次光S3は、メ
インビームの0次光S1とそれぞれ半径方向に反トラッ
ク分だけずれているため、サブビームの+1次光S2、
−1次光S3の差信号のプッシュプル信号PPS2,PP
S3は、メインビームの0次光S1の差信号のプッシュプ
ル信号PPS1と逆位相となる。一方、図14に示した対
物レンズの移動によるオフセットや図15に示したラジ
アルチルトによる光強度のアンバランスによるオフセッ
トに対しては、サブビームの+1次光S2、−1次光S
3の差信号のプッシュプル信号PPS2,PPS3は、メイ
ンビームの0次光S1の差信号のプッシュプル信号PP
S1と同相となる。従って、この2つの信号の差をとれば
オフセットをキャンセルすることができる。
【0013】そこで、図18に示す演算回路184にお
いて、適当な係数kを用いて数1に示す演算を行うこと
により、オフセットをキャンセルしたプッシュプル信号
を得ることができる。ここで、係数kは、0次光、+1
次光、−1次光の光の強度を校正するように決められ、
もしこの三つの光が等しい強度であれば1/2が最適な
値となる。
【0014】
【数1】PP=PPS1−k(PPS2+PPS3
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このようにトラッキン
グエラー信号に用いるプッシュプル信号がオフセットし
てしまうと、プッシュプル信号のゼロクロス点で必ずし
もビームスポットをトラック中心に位置決めすることが
できなくなる。そこで、上述したようなオフセットをキ
ャンセルする方法が用いられた。
【0016】ところが、従来のオフセットをキャンセル
する第1の方法では、対物レンズの近くにセンサーを配
置して位置検出を行わなければならず、このために付加
すべき部品が多くなり、装置を小型化することができ
ず、コストもアップするため、装置の構成上困難であ
り、また、センサー自体の信頼性も問題であり、小型
化、低コスト化、信頼性向上には不利であるという不都
合があった。
【0017】また、オフセットをキャンセルする第2の
方法では、光ディスクの半径方向に反トラック分だけず
れるようにトラックに対する相対位置に、メインビーム
の0次光S1、サブビームの+1次光S2、−1次光S
3を形成するために、グレーティングの高精度な回転調
整が必要であることや各ビームのパワー損などを調整す
る必要があると共に、特に光ディスクの内周側と外周側
とで各ビームの現れ方に差がでないようにするために、
対物レンズの移動位置が常に光ディスクの中心線上にな
ければならないという光ピックアップ構成上の制約があ
り、このためスイングアーム式の光ピックアップを使用
することができないという不都合があった。
【0018】この発明は、かかる点に鑑みてなされたも
のであり、プッシュプル方式のトラッキングにおけるプ
ッシュプルオフセットを低コストでキャンセルすること
ができる光ディスク記録再生装置の提供を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明の光ディスク記
録再生装置は、記録媒体上で光ピックアップを移動さ
せ、上記光ピックアップをトラッキング手段により目的
トラック位置に位置決めし、上記光ピックアップの光学
系により光ビームを上記記録媒体上に照射させて記録マ
ークを記録し、または上記記録媒体に記録された記録マ
ークを再生する光ディスク記録再生装置において、上記
光学系は、光ビーム発光部と上記記録媒体の間の光学経
路において、上記光ビームの光束の断面積よりも小さい
面積の光回折体を有するものである。
【0020】この発明の光ディスク記録再生装置によれ
ば以下の作用をする。光回折体は光を回折しないで透過
するガラス板の平坦部と光を回折する回折格子の溝部と
を有するので、以下の作用をする。また、回折格子のタ
イプとして、凹凸で溝部が形成され、光位相を変化させ
ることによって回折させるロスのないタイプの位相型
と、明暗で格子が形成され、光振幅(強度)を変化させ
ることによって回折させるロスのあるタイプの振幅型
と、両者を併せたタイプがあり、以下の説明は位相型で
行うが、これに限るものではない。光ビーム発光部から
照射される光束は、光回折体の平坦部を透過し、光束の
一部は溝部で回折され、対物レンズに入射する。対物レ
ンズにより光回折体の平坦部を透過した光束、および溝
部で回折されない光束により記録媒体の記録面上で0次
光が形成される。また、光回折体の溝部で回折された光
束により記録媒体の記録面上で+1次光,−1次光が形
成される。
【0021】次に、光回折体による±1次光の発生の動
作を説明する。光ビーム発光部から照射される光束は、
光回折体の平坦部を透過し、光束の一部は溝部で回折さ
れ、対物レンズに入射する。ここで、光回折体の平坦部
を透過する光束の半径は対物レンズの開口に対応して大
きい。対物レンズにより光回折体の平坦部を透過した光
束、および溝部で回折されない光束により記録媒体の記
録面上で0次光が形成される。このとき、光回折体を回
折されることなく透過する光束に対する対物レンズの開
口は大きい。開口は、口径の半径(レーザービームの半
径)、焦点距離できまる。
【0022】また、光回折体の溝部で回折された光束に
より記録媒体の記録面上で+1次光,−1次光が形成さ
れる。このとき、光回折体の溝部で回折されて通過する
光束に対する対物レンズの開口は小さくなる。
【0023】このように、光回折体で回折されずに透過
する光束に対する対物レンズの開口に対して、光回折体
の溝部で回折された光束に対する対物レンズの開口は、
小さくなる。そこで、光回折体を回折されないで透過す
る0次光束によって形成されるビームスポットは記録媒
体の記録面上に集光されてトラックピッチに対して適正
な大きさのビームスポットが形成されるが、光回折体の
溝部を透過するビームスポットにより形成される+1次
光,−1次光は、トラックピッチに対して大きなビーム
スポットが形成される。
【0024】つまり、光回折体の溝部分のラジアル方向
の半径によって開口率は決まるが、この開口率によって
定まる光学カットオフ周波数がトラックピッチよりも低
くなるようにする。言い換えれば、カットオフ周波数よ
りもトラックピッチの空間周波数が大きくなるように光
回折体の溝部分のラジアル方向の半径を定めるようにす
る。
【0025】このようにすることにより、光回折体の溝
部分により回折されたレーザービームにより記録媒体の
記録面上に形成される+1次光,−1次光のレーザース
ポットは大きくなり、トラックのラジアル方向の位置の
検出をすることができなくなるように設定する。このと
き、+1次光,−1次光から、トラッキングエラー信号
は得ることができないが、オフセット信号のみを得るこ
とができる。
【0026】記録媒体上のビーム・スポットの位置とト
ラッキングエラー検出系を示す。記録媒体の記録面上に
は、螺旋状に案内溝のグルーブが形成され、グルーブと
グルーブの間にランドが形成される。また、再生専用の
記録媒体の記録面上にはグルーブの代わりにエンボスピ
ット列が形成される。
【0027】トラッキング手段は、3つの受光素子を有
する。このとき、0次光のビームスポットは第1の受光
素子に受光され、+1次光のビームスポットは第2の受
光素子に受光され、−1次光のビームスポットは、第3
の受光素子に受光される。第1の受光素子は少なくとも
2分割受光部を有し、第2の受光素子は少なくとも2分
割受光部を有し、第3の受光素子は少なくとも2分割受
光部を有する。各受光素子の2分割受光部の分割線はラ
ジアル方向と直交する方向である。
【0028】このように構成されたトラッキングエラー
検出系は以下のような動作をする。トラッキング手段の
第1の受光素子は2分割受光部で0次光のビームスポッ
トを受光して検出信号を出力し、第2の受光素子は2分
割受光部で+1次光のビームスポットを受光して検出信
号を出力し、第3の受光素子は2分割受光部で−1次光
のビームスポットを受光して検出信号を出力する。第1
の減算器は第1の減算出力TE1を出力し、第2の減算
器は第2の減算出力TE2を出力し、第3の減算器は第
3の減算出力TE3を出力する。第1のゲインアンプは
ゲイン出力G2・TE3を出力する。加算器は加算出力
(TE2+G2・TE3)を出力する。第2のゲインア
ンプはゲイン出力G1・(TE2+G2・TE3)を出
力する。
【0029】そして、第4の減算器は減算出力としてト
ラッキングエラー信号TEを出力する。このようにして
TE1,TE2,TE3のオフセットBの成分をキャン
セルすることができる。
【0030】ここで、上述したように、0次光のビーム
スポットは適正な大きさで形成されるのでトラッキング
エラー信号を検出することができるが、+1次光のビー
ムスポットおよび−1次光のビームスポットは対物レン
ズの開口率よりも小さな開口率の溝部を有する光回折体
により回折されるので、この+1次光のビームスポット
および−1次光のビームスポットの解像度はトラック密
度よりも低いため、トラック横断によって変調されるこ
とがなく、オフセット信号のみを出力する。
【0031】±1次光のオフセット検出動作は、以下の
通りである。±1次光のビームスポットが第2、第3の
受光素子の2分割受光部の中央にあるとき、第2、第3
の受光素子の2分割受光部の減算出力TE2(TE3)
は「0」を出力する。一方、トラッキング動作による対
物レンズの移動などで±1次光のビームスポットが第
2、第3の受光素子の2分割受光部の中央からずれて動
いたとき、トラッキングエラー信号は出力されずにオフ
セット信号のみが出力される。このとき、サブビームの
±1次光のビームスポットは、オフセット検出センサー
として機能するので、トラッキングエラー検出系により
オフセットを取り除いたトラッキングエラー信号を得る
ことができる。
【0032】つまり、TE2,TE3は、トラッキング
に関係なく、対物レンズ移動やラジアルチルトによるオ
フセットのみを出力する。これが本発明の特徴点であ
る。一方、TE1にはトラッキングエラー信号とオフセ
ットを含むのでTE1からオフセット分(TE2,TE
3)を引けばトラッキングエラー信号を得ることができ
る。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に、本実施の形態を説明す
る。本実施の形態を適用する光ディスクは、コンパクト
ディスク(CD)である。CDにはいくつかのファミリ
ーがあり、再生専用のCD−ROM,1回だけ書き込め
るCD−Rがある。他には、何回でも書き換えできる光
磁気ディスク(MD)がある。
【0034】次に、このような光ディスクに適用する本
実施の形態の構成を示す。図1は、本実施の形態の光デ
ィスク記録再生装置の構成を示すブロック図である。ま
ず、光ディスク記録再生装置の構成を説明する。本実施
例の光ディスク記録再生装置は、光ディスク回転駆動制
御系と、粗動送り駆動制御系と、光学ピックアップ制御
系のそれぞれのサーボ系をコントロールするサーボコン
トロール回路5と、光ピックアップ2に供給するレーザ
ーパワーを制御するレーザー制御回路6と、レーザーの
反射光から再生RF信号、フォーカスエラー信号及びト
ラッキングエラー信号を得るI−V変換マトリクス回路
8と、信号制御回路7とを有する。
【0035】光ディスク回転駆動制御系は、スピンドル
サーボ回路9と、スピンドルモーター3と、光ディスク
1とを有する。ここで、光ディスク1は記録媒体を構成
する。粗動送り駆動制御系は、スレッドサーボ回路10
と、スレッドモーター4とを有する。光学ピックアップ
制御系は、光ピックアップ2と、I−V変換マトリクス
回路8と、フォーカスサーボ回路11と、トラッキング
サーボ回路12と、レーザー制御回路6とを有する。こ
こで、I−V変換マトリクス回路8は、レーザーの反射
光を2分割面で検出するフォトデテクタ21と、2分割
信号を加算する加算器22と、2分割信号を減算する減
算器23と、加算器22の出力から再生RF信号を増幅
すると共にスレッドサーボ回路10にサーボ信号を供給
するRF増幅回路24と、減算器23の出力からフォー
カスエラー信号を検出するフォーカスエラー検出回路2
5と、減算器23の出力からトラッキングエラー出する
トラッキングエラー検出回路26とを有する。また、レ
ーザー制御回路6は、レーザー光をパルス幅変調するP
WMドライバー14と、レーザー光を発光するレーザー
ダイオード13とを有する。
【0036】信号制御回路7は、装置の各部を制御する
システムコントロール回路19と、記録データにリード
ソロモン積符号によりエラー訂正コードを付加するEC
Cエンコード回路16と、エラー訂正コードが付加され
た記録データをEFM変調する変調回路15と、再生デ
ータをEFM復調すると共にスピンドルサーボ回路9に
サーボ信号を供給する復調回路17と、再生データにリ
ードソロモン積符号によりエラー訂正処理して再生デー
タを出力するECCデコード回路18とを有する。
【0037】ここで、この例では、特に、光ピックアッ
プ2は、光ビーム発光部としてのレーザーダイオード1
3と記録媒体としての光ディスク1の間の光学経路にお
いて、光ビームの光束の断面積よりも小さい面積の光回
折体としてのグレーティングを有するように構成されて
いる。
【0038】このように構成された光ディスク記録再生
装置の動作を説明する。図示しないホストコンピュータ
からの命令により、光ディスク記録再生装置に対して情
報信号の記録または再生を行う場合、ホストコンピュー
タから光ディスク1上の目標トラック位置に光ピックア
ップ2をスレッドモーター4によりシーク動作をして位
置決めした後に、トラッキングサーボ回路12およびフ
ォーカスサーボ回路11によりトラッキングコイルおよ
びフォーカスコイルを駆動させてトラッキングおよびフ
ォーカスを微調整させて目標値に合わせる。
【0039】記録の際にはレーザー制御回路6によりレ
ザーパワーを予めイレーズパワーレベルにして記録しな
い部分の情報を消去すると共に、レザーパワーをライト
パワーレベルに調整して情報信号を目標トラック位置に
記録し、再生の際にはレーザー制御回路6によりレザー
パワーをリードパワーレベルに調整して目標トラック位
置に記録された情報信号を再生する。
【0040】信号制御系では、まず、ホストコンピュー
タに基づいてシステムコントローラ10は、サーボコン
トロール回路5のスピンドルサーボ回路9に回転命令の
コマンドを供給する。スピンドルサーボ回路9は、この
コマンドによりドライブ信号をスピンドルモーター3に
供給して、スピンドルモーター3を回転させる。再生R
F信号に基づいて復調回路17から同期検出されたサー
ボ信号がスピンドルサーボ回路9に供給される。
【0041】次に、ホストコンピュータに基づいてシス
テムコントロール回路19は、スレッドサーボ回路10
に粗送り命令のコマンドを供給する。光ピックアップ2
は現在の位置の情報信号を光ディスク1から読み取り、
フォトダイオード21、加算器22及び減算器23を介
して、RF増幅回路24、フォーカスエラー検出回路2
5及びトラッキングエラー検出回路26にRF信号、加
算信号および減算信号を供給する。トラッキングエラー
検出回路26は差信号からトラッキングエラー信号を生
成して、スレッドサーボ回路10に供給する。スレッド
サーボ回路10は、トラッキングエラー信号に基づいて
ドライブ信号を生成して、ドライブ信号をスレッドモー
ター4に供給する。スレッドモーター4はドライブ信号
に基づいて図示しない粗送り機構を介して光ピックアッ
プ2を粗シーク動作させる。
【0042】シーク・サーボ系の動作は、スレッドモー
ター4系と、光ピックアップ2内のアクチュエータ系の
2つからなる。スレッドモーター4系は、スレッドモー
ター4により光ピックアップ2を粗シーク動作させて、
図示しないエンコーダーで位置を検出して位置決めをす
る。アクチュエータ系は、図示しないトラッキングコイ
ルを用いた2軸アクチュエータにより光ピックアップ2
を精細シーク動作させる。
【0043】そして、レーザ・ビームがトラックを追跡
して、トラッキングサーボ回路11からのドライブ信号
によりトラッキングコイルを駆動させて、オントラック
でトラッキングして、アドレスを読み出し、目標アドレ
スとの差分を知ると、その分だけ精細シークをする。こ
のとき、光ピックアップ2は現在の位置の情報信号を光
ディスク1から読み取り、トラッキングエラー検出回路
26に供給する。
【0044】つまり、フォトダイオード21は光ディス
ク2で反射されたレーザ光を2分割面上で受光する。フ
ォトダイオード21は受光した2分割レーザ光を電気信
号に変換して減算器23に供給する。減算器23は、2
分割信号を減算して差信号を生成する。トラッキングエ
ラー検出回路26は差信号からトラッキングエラー信号
を検出して、トラッキングサーボ回路12に供給する。
トラッキングサーボ回路12は、トラッキングエラー信
号に基づいて図示しない2軸アクチュエータのトラッキ
ングコイルにより光ピックアップ2のトラッキングを行
う。また、フォーカスエラー検出回路25は情報信号か
らフォーカスエラー信号を検出して、フォーカスサーボ
回路11に供給する。フォーカスサーボ回路11は、フ
ォーカスエラー信号に基づいて図示しない2軸アクチュ
エータのフォーカスコイルにより光ピックアップ2のフ
ォーカシングを行う。
【0045】ここで、本実施の形態では、特に、光ピッ
クアップ2は、光ビーム発光部としてのレーザーダイオ
ード13と記録媒体としての光ディスク1の間の光学経
路において、光ビームの光束の断面積よりも小さい面積
の光回折体としてのグレーティングを有するようにし
て、光回折体としてのグレーティングの開口率を小さく
して、±1次光のサブビームスポットを大きくして、オ
フセット信号の検出にのみ用いるようにしたものであ
る。
【0046】このように構成され、動作する光ディスク
記録再生装置の、本実施の形態の光学系の構成を図2を
用いて説明する。この光学系は、図2に示すように、光
ディスク1と、光ピックアップ2と、レーザーダイオー
ド13と、フォトダイオード21とを有する。光ピック
アップ2は、レーザーダイオード13からのレーザービ
ームを平行光にするコリメータレンズ20と、入射光を
90度反射させて光ディスク1に反射した反射光のみを
透過するビームスプリッター28と、2軸アクチュエー
タを構成するトラッキングコイルによりトラック方向に
微調整可能でレーザービームを形成する対物レンズ29
と、光ディスク1からの反射光を集光する集光レンズ3
0、31とを有する。
【0047】ここで、この例では、特に、光ビーム発光
部としてのレーザーダイオード13と記録媒体としての
光ディスク1の間の光学経路において、光ビームの光束
の断面積よりも小さい面積の光回折体としてのグレーテ
ィング27を設けた。
【0048】また、光ピックアップ2の光学系は、対物
レンズ29を有し、対物レンズ29の開口よりも小さい
開口の光回折体としてのグレーティング27を有するよ
うにした。ここで、開口とは対物レンズ29、グレーテ
ィング27の光の通るところの大きさをいう。
【0049】また、トラッキング手段としても用いられ
るフォトダイオード21は、記録媒体としての光ディス
ク1に螺旋状などに形成されたトラックの遠視野像を横
断する方向とほぼ直交し、中心に対して対称な分割線を
少なくとも一つ有し、記録媒体上に照射された光ビーム
の反射光を受光する受光素子を有し、受光素子の対称な
領域の反射光の光強度信号の差を検出して、この差信号
をトラッキングエラー信号とするようにした。ここで、
トラックの遠視野像を横断する方向としたのは以下の理
由による。非点収差法フォーカス誤差検出方式を用いた
場合、フォトダイオード21上では、見かけ上、像が9
0度回転するため、分割線の向きも90度回転した向き
でなければならなくなる。このため、トラックを横断す
る方向と直交する方向に分割線が必要になる。そこで、
単にトラックを横断する方向ではなく、トラックの遠視
野像とした。
【0050】また、光回折体としてのグレーティング2
7の記録媒体に螺旋状に形成されたトラックの遠視野像
を横断する方向の開口は、その開口によって定まる光学
カットオフ空間周波数が、トラックピッチの空間周波数
よりも概ね小さいようにした。この場合、グレーティン
グ27の開口によって定まる光学カットオフ空間周波数
は、トラックピッチの空間周波数よりも、厳密に小さい
必要はなく、多少大きくてもよい。
【0051】また、光ピックアップ2の光学系は、対物
レンズ29を有し、光回折体としてのグレーティング2
7の記録媒体に螺旋状に形成されたトラックの接線方向
の開口率が、対物レンズ29の開口率よりも小さいもの
である。
【0052】また、記録媒体に螺旋状に形成されたトラ
ックの接線方向に光回折体としてのグレーティング27
による回折光が現れるように、光回折体としてのグレー
ティング27を配置するようにした。
【0053】また、光回折体としてのグレーティング2
7の外周側に光回折体としてのグレーティング27によ
る回折光と異なる方向または異なる回折角に他の回折光
を偏向させる他の回折部を設けたものである。
【0054】図3に、本実施の形態のグレーティングの
構成を示す。図3において、グレーティング27は、中
心に光ディスク1のラジアル方向の半径rの長円からな
る溝部33と、その外周に平坦部32を有する。グレー
ティング27は、例えば、ガラス板からなり、図3に示
すように、溝部33はガラス板の表面に光ディスク1の
ラジアル方向に複数の凹凸からなる溝を有し、平坦部3
2はガラス板のままの状態である。
【0055】図4に、本実施の形態のグレーティングの
作用を示す。なお、ここでは説明のため構成を簡略化
し、レーザーダイオード13から照射される光束を直接
グレーティング27により回折し、対物レンズ29によ
り光ディスク1の記録面上に照射する場合の例を示す。
図4において、レーザーダイオード13から照射される
光束は、グレーティング27の平坦部32を透過し、光
束の一部は溝部33で回折され、対物レンズ29に入射
する。対物レンズ29によりグレーティング27の平坦
部32を透過した光束、および溝部33で回折されない
光束により光ディスク1の記録面上で0次光S1が形成
される。また、グレーティング27の溝部33で回折さ
れた光束により光ディスク1の記録面上で+1次光S
2,−1次光S3が形成される。
【0056】次に、図5に、本実施の形態のグレーティ
ングによる±1次光の発生の動作を説明する。なお、こ
こでも説明のため構成を簡略化し、レーザーダイオード
13から照射されるビームスポットを直接グレーティン
グ27により回折し、対物レンズ29により光ディスク
1の記録面上に照射する場合の例を示す。まず、グレー
ティング27の動作を説明する。周期dの溝を有するグ
レーティング27によって光束は回折され、その角度θ
gは、レーザー波長をλとすると、数2式で表される。
【0057】
【数2】sinθg=n・λ/d(nは次数、n=0,
±1,±2)
【0058】このとき、±1次光はsinθg=λ/d
である。また、トラックピッチtpのトラックを有する
光ディスク1によっても同様に光束は回折される。その
角度θdiskは、トラックピッチtpによって決まり、グ
レーティング27と同様に数3式で与えられる。
【0059】
【数3】sinθdisk=n・λ/tp(n=0,±1,
±2‥‥)
【0060】このとき、±1次光の横ずらし分は、対物
レンズ29の焦点距離をfとすると、fsinθdisk
f・λ/tpとなる。ここで、±1次光の横ずらし分と
0次光とがオーバーラップした部分では、0次光との干
渉が生じ、その結果、光強度の明暗が表れる。ところ
が、横ずらし分が、ビーム光束直径2rよりも大きくな
るとオーバーラップしなくなる。これが光学系のカット
オフで、2r=f・λ/tpで表される。ここで、r/
f=NA(開口率)なので、1/tp=(2・r/f)
/λであるから、数4式のようになる。
【0061】
【数4】1/tp=2NA/λ
【0062】つまり、レーザー波長λ、開口率NAの光
学系のカットオフ周波数は(1/tp=)2NA/λで
表される。このときトラックピッチ(tp=)はλ/2
NAである。
【0063】グレーティング27により回折されない光
束は0次光Sg1となり、グレーティング27の溝部3
3で回折された光束は、対物レンズ29により集光され
て、+1次光Sg2、−1次光Sg3となり、光ディス
ク1上にビームスポットを形成する。
【0064】そして、光ディスク1によりさらに、0次
光Sg1、+1次光Sg2、−次光Sg3がそれぞれ回
折される。ここでは0次光Sg1がさらに光ディスク1
で回折されて0次光S1,+1次光S2,−1次光S3
となる例を示す。回折光は光ディスク1で反射される
が、ここでは便宜上透過されるように説明する。光ディ
スク1による回折角θdiskは、sinθdisk=λ/tp
で表される。そして、対物レンズ29によってフォトダ
イオード21に導かれる光束は0次光S1の円の内部で
ある。このとき、0次光S1には、斜線で示すように、
+1次光S2,−1次光S3がオーバーラップして、こ
れにより0次光S1の円内に明暗ができるので、プッシ
ュプル法によりトラックを検出することができる。つま
り、ビームスポットがトラックのどこにいるかによって
光強度(明暗)が変化するようになる。このときのオー
バーラップするための条件は、fsinθdisk<2r、
すなわち、f・λ/tp<2r、従って、1/tp<
(2・r/f)/λより、数5式のようになる。
【0065】
【数5】1/tp<2NA/λ
【0066】次にグレーティング27の溝部33による
回折光の動作を図6を用いて説明する。グレーティング
27による回折光である+1次光Sg2、−1次光Sg
3の動作は同様であるので2つのうち、−1次光Sg3
の動作のみを示す。グレーティング27で回折された−
1次光Sg3は対物レンズ29により集光されて、光デ
ィスク1上にビームスポットを形成する。そして、光デ
ィスク1によりさらに、0次光Sg3−1,+1次光S
g3−2,−1次光Sg3−3がそれぞれ回折される。
ここでも、同様に便宜上光ディスク1で透過されるよう
に説明する。
【0067】光ディスク1による回折角θdiskはsin
θdisk=λ/tpで表される。このとき、NA′はNA
より小さい(r′<r)ので、0次光Sg3−1には、
+1次光Sg3−2、−1次光Sg3−3がオーバーラ
ップしない。
【0068】このように、+1次光Sg3−2、−1次
光Sg3−3が0次光Sg3−1とオーバーラップしな
い場合において、光強度は、ビームスポットがトラック
のどこにいるかによらず一定である。従って、対物レン
ズシフトやディスクチルトによるオフセットのみが検出
される。このように+1次光Sg3−2、−1次光Sg
3−3が0次光Sg3−1とオーバーラップしない条件
はfsinθdisk>2r′のとき、つまり、f・λ/t
p>2r′より、1/tp>2・r′/f/λであるか
ら、数6式のときである。
【0069】
【数6】1/tp>2NA′/λ
【0070】以上のことからわかるように+1次光Sg
2、−1次光Sg3は、DPP法と異なり、0次光Sg
1に対して、どのトラック位置にあってもかまわない。
従って、反トラックずれている必要もなく、グレーティ
ング27の角度調整の必要もない。
【0071】なお、+1次光Sg3−2、−1次光Sg
3−3が光ディスク1で反射して、対物レンズ29に戻
って、フォトダイオード21に入射するかどうかは、N
A,NA′とtpの値に依存する。
【0072】従って、グレーティング27による回折光
の光ディスク1による回折光と0次光とがオーバーラッ
プはしないが、共に対物レンズ29に戻って、フォトダ
イオード21により検出される場合がある。
【0073】次に、グレーティング27による回折光の
光ディスク1による回折光と0次光とがオーバーラップ
せず、この回折光が対物レンズ29に戻らず、フォトダ
イオード21により検出されない場合がある。
【0074】このような後者の条件は、fsinθdisk
<r+r′より数7式のときである。
【0075】
【数7】1/tp>(NA+NA′)/λ
【0076】このとき、回折光の+1次光、−1次光
は、対物レンズシフト、ディスクチルトによるオフセッ
ト検出には寄与しないので、見かけ上検出感度が上が
る。しかしながら、この条件は、NA′をさらに小さく
することを意味し、つまり、r′はより小さくしなけれ
ばならないことになり、オフセット検出のための光は小
さくなる。しかし、このような条件においてもオフセッ
ト検出をすることはできる。
【0077】図7に、本実施の形態の光ディスク上のビ
ーム・スポットの位置とトラッキングエラー検出系の構
成を示す。図7において、光ディスク1の記録面上に
は、螺旋状に案内溝のグルーブGが形成され、グルーブ
GとグルーブGの間にランドLが形成される。
【0078】フォトダイオード21は、3つの受光素子
60、61、62を有する。このとき、0次光S1のビ
ームスポットはフォトダイオード21の受光素子60に
受光され、+1次光S2のビームスポットはフォトダイ
オード21の受光素子61に受光され、−1次光S3の
ビームスポットは、フォトダイオード21の受光素子6
2に受光される。受光素子60は2分割受光部E1およ
びF1を有し、受光素子61は2分割受光部E2および
F2を有し、受光素子62は2分割受光部E3およびF
3を有する。各受光素子60、61、62の2分割受光
部E1およびF1、E2およびF2、E3およびF3の
分割線はラジアル方向と直交する方向である。
【0079】トラッキングエラー検出回路26は、受光
素子60の2分割受光部E1およびF1の検出信号の一
方から他方を減算する減算器63と、受光素子61の2
分割受光部E2およびF2の検出信号の一方から他方を
減算する減算器64と、受光素子62の2分割受光部E
3およびF3の検出信号の一方から他方を減算する減算
器65と、減算器65の減算出力にゲインG2をかける
ゲインアンプ67と、ゲインアンプ67のゲイン出力と
減算器64の減算出力とを加算する加算器69と、加算
器69の加算出力にゲインG1をかけるゲインアンプ6
6と、減算器63の減算出力とゲインアンプ66のゲイ
ン出力とを減算する減算器68とを有する。
【0080】このように構成されたトラッキングエラー
検出系は以下のような動作をする。受光素子60は2分
割受光部E1およびF1で0次光S1のビームスポット
を受光して検出信号E1およびF1を出力し、受光素子
61は2分割受光部E2およびF2で+1次光S2のビ
ームスポットを受光して検出信号E2およびF2を出力
し、受光素子62は2分割受光部E3およびF3で−1
次光S3のビームスポットを受光して検出信号E3およ
びF3を出力する。減算器63は減算出力TE1=E1
−F1を出力し、減算器64は減算出力TE2=E2−
F2を出力し、減算器65は減算出力TE3=E3−F
3を出力する。ゲインアンプ67はゲイン出力G2・T
E3を出力する。加算器69は加算出力(TE2+G2
・TE3)を出力する。ゲインアンプ66はゲイン出力
G1・(TE2+G2・TE3)を出力する。
【0081】そして、減算器68は減算出力として数8
に示すトラッキングエラー信号TEを出力する。ここ
で、ビームスポットS1,S2,S3の強度をA1,A
2,A3、オフセットをBとしたとき,理想的な状態で
バランス調整、ゲイン調整を、三つのビームスポットの
強度で校正してG1=A1/2A2,G2=A2/A3
とすると、各TE1,TE2,TE3のオフセットBの
成分をキャンセルすることができる。また、TE1はト
ラック横断毎に現れるので正弦波信号であるが、TE
2,TE3は対物レンズシフトやディスクのラジアルチ
ルトによって現れる不規則な信号である。
【0082】
【数8】 TE=TE1−G1・(TE2+G2・TE3)
【0083】ここで、上述したように、0次光は半径r
の光束が対物レンズに入射するのでNAは例えば0.5
前後程度になり、対物レンズによって集光された0次光
S1のビームスポット径は適正な大きさで形成され、例
えば1ミクロン程度になるのでトラッキングエラー信号
を検出することができ、解像度も十分である。一方、+
1次光および−1次光は半径r′の光束だけが回折され
対物レンズに入射するのでこの光束のNA′は例えば
0.3程度になり、+1次光S2のビームスポット径お
よび−1次光S3のビームスポット径は2ミクロンにな
り、1ミクロン以下のトラックを検出することができな
くなるため、トラック横断によって変調されることがな
く、オフセット信号のみを出力する。
【0084】つまり、従来のDPPでは、S2,S3は
S1に対して半トラックずれていなければならないが、
本実施の形態ではS2,S3はトラックのどこにあって
もよいという点に特徴がある。
【0085】図8に本実施の形態の±1次光のオフセッ
ト検出動作を示すように、図8Aは±1次光S2(S
3)のビームスポットが受光素子61(62)の2分割
受光部E2(E3)およびF2(F3)の中央にあると
きを示し、受光素子61(62)の2分割受光部E2
(E3)およびF2(F3)の減算出力TE2(TE
3)は「0」を出力する。一方、図8Bはトラッキング
動作による対物レンズの移動などで±1次光S2(S
3)のビームスポットが受光素子61(62)の2分割
受光部E2(E3)およびF2(F3)の中央からずれ
て動いたときを示し、トラッキングエラー信号は出力さ
れずにオフセット信号のみが出力される。このとき、サ
ブビームの±1次光S2(S3)のビームスポットは、
オフセット検出センサーとして機能するので、図7に示
したトラッキングエラー検出系によりオフセットを取り
除いたトラッキングエラー信号を得ることができる。
【0086】このような対物レンズのNAよりも小さい
NA′の溝部を有するグレーティングを用いることによ
って、他にメカ的構成、電気回路的構成を付加すること
なく、オフセット信号をキャンセルすることができる。
また、従来の図18に示したDPPの構成を用いてオフ
セットをキャンセルすることができる。
【0087】上例によれば、グレーティングの角度調整
は必要なく、また、対物レンズの光ディスク中心線上と
の位置精度は、従来のDPPほど高くないので、調整が
簡単になるとともに、スイングアーム方式の光ピックア
ップを用いることができる。
【0088】この例の光ディスク記録再生装置は、記録
媒体上で光ピックアップを移動させ、光ピックアップを
トラッキング手段により目的トラック位置に位置決め
し、光ピックアップの光学系により光ビームを記録媒体
上に照射させて記録マークを記録し、または記録媒体に
記録された記録マークを再生する光ディスク記録再生装
置において、光学系は、光ビーム発光部と記録媒体の間
の光学経路において、光ビームの光束の断面積よりも小
さい面積の光回折体としてのグレーティングを有するの
で、光回折体により光ビームの光束から回折光を発生さ
せて、光回折体により回折されない光ビームと回折光と
は同じ位相のオフセットを生じるので、回折光と、光回
折体により回折されない光ビームとを用いてトラッキン
グのオフセットをキャンセルすることができる。
【0089】また、この例の光ディスク記録再生装置
は、上述において、光学系は、対物レンズを有し、対物
レンズの開口よりも小さい開口の光回折体としてのグレ
ーティングを有するので、対物レンズの開口による光ビ
ームと、対物レンズの開口よりも小さい開口の光回折体
による回折光とを発生させて、光ビームによりトラッキ
ングエラー信号を検出し、開口の小さい光回折体により
回折された回折光は対物レンズにより集光されたビーム
スポットが大きいのでオフセットのみを検出することが
でき、回折光と、光回折体により回折されない光ビーム
とを用いてトラッキングのオフセットをキャンセルする
ことができる。
【0090】また、この例の光ディスク記録再生装置
は、上述において、トラッキング手段としてのフォトダ
イオードの受光素子は、記録媒体に螺旋状などに形成さ
れたトラックの遠視野像を横断する方向とほぼ直交し、
中心に対して対称な分割線を少なくとも一つ有し、記録
媒体上に照射された光ビームの反射光を受光する受光素
子を有し、受光素子の対称な領域の上記反射光の光強度
信号の差を検出して、この差信号をトラッキングエラー
信号とするようにしたので、プッシュプル法を用いて回
折光と、光回折体により回折されない光ビームとを用い
てトラッキングのオフセットをキャンセルすることがで
きる。
【0091】また、この例の光ディスク記録再生装置
は、上述において、トラッキング手段としてのトラッキ
ングエラー検出回路は、記録媒体上に照射された光ビー
ムの反射光の0次光の検出信号と、±1次光の検出信号
に係数をかけたものの差をとったものをトラッキングエ
ラー信号とするようにしたので、従来のDPP法を用い
て他にメカ構成や電気的回路構成を付加することなく、
簡単な構成で回折光と、光回折体により回折されない光
ビームとを用いてトラッキングのオフセットをキャンセ
ルすることができる。
【0092】また、この例の光ディスク記録再生装置
は、上述において、光回折体の記録媒体に螺旋状などに
形成されたトラックの遠視野像を横断する方向の開口
は、その開口によって定まる光学カットオフ空間周波数
が、トラックピッチの空間周波数よりも概ね小さいの
で、このように光回折体のトラックの遠視野像横断方向
の開口を定めるようにすることにより、光回折体により
回折された光ビームにより記録媒体の記録面上に形成さ
れる回折光の+1次光S2,−1次光S3のレーザース
ポットは大きくなり、トラックの遠視野像を横断する方
向の位置の検出をすることができなくなる。このとき、
+1次光S2,−1次光S3から、トラッキング信号は
得ることができないが、オフセット信号のみを得ること
ができる。これにより、光回折体により回折されない光
ビームとを用いてトラッキングのオフセットをキャンセ
ルすることができる。
【0093】図9に、本実施の形態の±1次光の配置を
示す。0次光および±1次光のビームスポットは、グレ
ーティングをビームスポットの光軸を中心として回転さ
せることにより、0次光のビームスポットを中心として
回転するように位置させることができる。上述したよう
に、グレーティングの溝部の溝がラジアル方向に形成さ
れるように配置されているので、図9Aに示すように、
光ディスク1上で0次光に対して、回折光の±1次光の
ビームスポット80の向きは接線方向に配置される。本
実施の形態の動作を行うためには、回折光のビームスポ
ットの配置はどこでも良い。しかし、光ディスク1のラ
ジアルチルトの影響を考慮すると、図9Bに示すよう
に、光ディスク1上で0次光に対して、回折光の±1次
光のビームスポット81の向きをラジアル方向に配置さ
せることは望ましくない。この場合、0次光に対して、
回折光の±1次光のビームスポット81の向きがラジア
ル方向に配置されるので、それぞれのトラック位置でラ
ジアルチルトが異なっているため、また、0次光がトラ
ックにトラッキングされているときでも、光ディスクの
外周部のミラー部分に外周側の±1次光のビームスポッ
トが当たることもあり、望ましくない。
【0094】この例の光ディスク記録再生装置は、上述
において、記録媒体としての光ディスク1に螺旋状に形
成されたトラックの接線方向に光回折体としてのグレー
ティングによる回折光が現れるように、光回折体を配置
するようにしたので、記録媒体のトラック横断方向の傾
きに影響されることなく、トラックの接線方向に回折光
の+1次光S2,−1次光S3のレーザースポット80
を配置することができ、+1次光S2,−1次光S3か
ら、オフセット信号のみを得ることができるので、光回
折体により回折されない光ビームとを用いてトラッキン
グのオフセットをキャンセルすることができる。
【0095】また、上例では、図3において光ディスク
のラジアル方向と直交する方向、つまり、ディスクのト
ラックの接線方向に長軸を有する長円の溝部を有するグ
レーティングを示した。この場合、ラジアル方向よりも
接線方向の方が開口率NAが高くなるが、この実施の形
態の動作を行うためには接線方向の解像度は必要がな
い。
【0096】そこで、接線方向の解像度を高くしないよ
うにしたグレーティングが開発された。図10に他の実
施の形態のグレーティングの平面図を示す。図10にお
いて、グレーティング90は、中心に光ディスク1のラ
ジアル方向の半径rの真円からなる溝部92と、その外
周に平坦部91を有する。グレーティング90は、例え
ば、同様に、ガラス板からなり、図10に示すように、
溝部90はガラス板の表面に光ディスク1のラジアル方
向に複数の凹凸からなる溝を有し、平坦部91はガラス
板のままの状態である。従って、この場合、ラジアル方
向と接線方向の開口率NAが同じになる。この実施の形
態の動作を行うためには接線方向の解像度は必要がない
ため、図10に示したグレーティングの方が図3に示し
たグレーティングよりも製作がしやすい。また、図8お
よび図9において、その他の実施の形態のグレーティン
グとして、ディスクのトラックの接線方向のNAを半径
方向よりも小さくして構成してもよい。
【0097】この例の光ディスク記録再生装置は、上述
において、光学系は、対物レンズを有し、光回折体とし
てのグレーティング90の記録媒体に螺旋状などに形成
されたトラックのラジアル方向の開口が、対物レンズの
開口よりも小さいので、トラックのラジアル方向に配置
される回折光の+1次光S2,−1次光S3のレーザー
スポットを大きくすることができ、トラックの遠視野像
を横断する方向の位置の検出をすることができなくな
り、このとき、+1次光S2,−1次光S3から、トラ
ッキング信号は得ることができないが、オフセット信号
のみを得ることができるので、光回折体により回折され
ない光ビームとを用いてトラッキングのオフセットをキ
ャンセルすることができる。
【0098】上述したようなグレーティングの場合、0
次光の光強度はグレーティングの溝部では平坦部に対し
て回折効率の分だけ減ってしまうため、グレーティング
の外周側の平坦部の光強度が相対的に強くなる。また、
0次光の位相に関しても、溝部では平坦部に対して光学
的位相差が発生する。
【0099】そこで、光強度や光学的位相差を同じにす
るグレーティングが開発された。また、図11に、他の
実施の形態のグレーティングとビームスポットを示す。
図11Aにおいて、グレーティング100は、中心に光
ディスク1のラジアル方向の半径rの長円からなる第1
の溝部101と、その外周に第1の溝部101と異なる
回折光を発生させる第2の溝部102を有する。グレー
ティング100は、例えば、同様に、ガラス板からな
り、図11に示すように、第1の溝部101はガラス板
の表面に光ディスク1のラジアル方向に複数の凹凸から
なる溝を有し、第2の溝部102は第1の溝部101の
溝の方向と異なる方向に複数の凹凸からなる溝を有す
る。この場合、第1の溝部101の溝と第2の溝部10
2の溝とは同じ深さとピッチであり、溝の形成される方
向のみが異なるものである。
【0100】図11Bにおいて、ビームスポット103
は、第1の溝部101により0次光S1、+1次光S
2,−1次光S3がそれぞれトラックの接線方向に形成
される。さらに、第2の溝部102により0次光S1、
第2の+1次光S2′,第2の−1次光S3′がそれぞ
れトラックの接線方向と異なる角度に形成される。そし
て、第2の+1次光S2′,第2の−1次光S3′は捨
てて、0次光S1、+1次光S2,−1次光S3を取り
込むようにする。
【0101】このようにして、中央の第1の溝部101
の外側に、回折方向だけ異なる同じ条件の第2の溝部1
02を形成するようにする。この場合、対物レンズによ
り集光されたビームスポットは、0次光S1、内側の第
1の溝部101による+1次光S2,−1次光S3と、
外側の第2の溝部102による+1次光S2′,−1次
光S3′の5個となる。
【0102】図11では内側と外側に溝の形成される方
向が異なるグレーティング100を示したが、図12に
示すように溝の方向は同じで内側と外側に回折の向きの
異なるグレーティング110を形成するようにしてもよ
い。この場合、図12Aにおいて、内側の第1の溝部1
11により回折される光束の向きと、外側の第2の溝部
112により回折される光束の向きと、外側の第2の溝
部112により回折される光束の向きとは、光軸に対す
る回転方向の向きをいう。
【0103】ここで、外側の第2の溝部112により回
折される光束は、内側の第1の溝部111により回折さ
れる光束と向きが異なればよいので、光軸に対する回転
方向の向きは同じでも、回折角が異なればよい。つま
り、図12Bにおいて、ビームスポット113は、0次
光S1に対して、第1の溝部111により回折される+
1次光S2および−1次光S3に対して、上下方向に回
折の向きに第2の溝部112により回折される+1次光
S2′および−1次光S3′が形成される。
【0104】この例の光ディスク記録再生装置は、上述
において、光回折体としての第1の溝部101,111
の外周側に第1の溝部101,111による回折光と異
なる方向または異なる回折角に光を偏向させる他の回折
部としての第2の溝部102,112を設けたので、光
回折体による回折光と他の光回折体とによる他の回折光
とを発生させて、なめらかな0次光の光ビームを得るこ
とができ、0次光の光ビームの光回折体による光強度の
低下と、光回折体による光学的位相差の影響とをなくす
ようにして、光回折体により回折されない光ビームとを
用いてトラッキングのオフセットをキャンセルすること
ができる。
【0105】つまり、図3や図10の場合、0次の光束
の強度は、回折部分の強度が回折した分だけ減ってしま
うが、図11,12では外側も102,112で回折さ
れるので全体として均一な光束が得られる。また位相に
ついては、図3,10の場合、回折体部分の位相が外側
とずれるが、図11,12では、全体が回折体となって
いるので位相がそろうようにすることができる。
【0106】
【発明の効果】この発明の光ディスク記録再生装置は、
記録媒体上で光ピックアップを移動させ、上記光ピック
アップをトラッキング手段により目的トラック位置に位
置決めし、上記光ピックアップの光学系により光ビーム
を上記記録媒体上に照射させて記録マークを記録し、ま
たは上記記録媒体に記録された記録マークを再生する光
ディスク記録再生装置において、上記光学系は、光ビー
ム発光部と上記記録媒体の間の光学経路において、上記
光ビームの光束の断面積よりも小さい面積の光回折体を
有するので、光回折体により光ビームの光束から回折光
を発生させて、光回折体により回折されない光ビームと
回折光とは同じ位相のオフセットを生じるので、回折光
と、光回折体により回折されない光ビームとを用いてト
ラッキングのオフセットをキャンセルすることができる
という効果を奏する。
【0107】また、この発明の光ディスク記録再生装置
は、上述において、上記光学系は、対物レンズを有し、
上記対物レンズの開口よりも小さい開口の光回折体を有
するので、対物レンズの開口による光ビームと、対物レ
ンズの開口よりも小さい開口の光回折体による回折光と
を発生させて、光ビームによりトラッキングエラー信号
を検出し、開口の小さい光回折体により回折された回折
光はオフセットのみを検出することができ、回折光と、
光回折体により回折されない光ビームとを用いてトラッ
キングのオフセットをキャンセルすることができるとい
う効果を奏する。
【0108】また、この発明の光ディスク記録再生装置
は、上述において、上記トラッキング手段は、上記記録
媒体に螺旋状などに形成されたトラックの遠視野像を横
断する方向とほぼ直交し、中心に対して対称な分割線を
少なくとも一つ有し、上記記録媒体上に照射された光ビ
ームの反射光を受光する受光素子を有し、上記受光素子
の対称な領域の上記反射光の光強度信号の差を検出し
て、この差信号をトラッキングエラー信号とするように
したので、プッシュプル法を用いて回折光と、光回折体
により回折されない光ビームとを用いてトラッキングの
オフセットをキャンセルすることができるという効果を
奏する。
【0109】また、この発明の光ディスク記録再生装置
は、上述において、上記トラッキング手段は、上記記録
媒体上に照射された光ビームの反射光の0次光の検出信
号と、±1次光の検出信号に係数をかけたものの差をと
ったものをトラッキングエラー信号とするようにしたの
で、従来のDPP法を用いて他にメカ構成や電気的回路
構成を付加することなく、簡単な構成で回折光と、光回
折体により回折されない光ビームとを用いてトラッキン
グのオフセットをキャンセルすることができるという効
果を奏する。
【0110】また、この発明の光ディスク記録再生装置
は、上述において、上記光回折体の上記記録媒体に螺旋
状などに形成されたトラックの遠視野像を横断する方向
の開口は、その開口によって定まる光学カットオフ空間
周波数が、トラックピッチの空間周波数よりも概ね小さ
いので、このように光回折体のトラックの遠視野像横断
方向の開口を定めるようにすることにより、光回折体に
より回折された光ビームにより記録媒体の記録面上に形
成される回折光の+1次光S2,−1次光S3のレーザ
ースポットは大きくなり、トラックを横断する方向の位
置の検出をすることができなくなる。このとき、+1次
光S2,−1次光S3から、トラッキング信号は得るこ
とができないが、オフセット信号のみを得ることができ
る。これにより、光回折体により回折されない光ビーム
とを用いてトラッキングのオフセットをキャンセルする
ことができるという効果を奏する。
【0111】また、この発明の光ディスク記録再生装置
は、上述において、上記光学系は、対物レンズを有し、
上記光回折体の上記記録媒体に螺旋状などに形成された
トラックのラジアル方向の開口が、上記対物レンズの開
口よりも小さいので、トラックのラジアル方向に配置さ
れる回折光の+1次光S2,−1次光S3のレーザース
ポットを大きくすることができ、トラックの遠視野像を
横断する方向の位置の検出をすることができなくなり、
このとき、+1次光S2,−1次光S3から、トラッキ
ング信号は得ることができないが、オフセット信号のみ
を得ることができるので、光回折体により回折されない
光ビームとを用いてトラッキングのオフセットをキャン
セルすることができるという効果を奏する。
【0112】また、この発明の光ディスク記録再生装置
は、上述において、上記記録媒体に螺旋状などに形成さ
れたトラックの接線方向に上記光回折体による回折光が
現れるように、上記光回折体を配置するようにしたの
で、記録媒体のトラック横断方向の傾きに影響されるこ
となく、トラックの接線方向に回折光の+1次光S2,
−1次光S3のレーザースポットを配置することがで
き、+1次光S2,−1次光S3から、オフセット信号
のみを得ることができるので、光回折体により回折され
ない光ビームとを用いてトラッキングのオフセットをキ
ャンセルすることができるという効果を奏する。
【0113】また、この発明の光ディスク記録再生装置
は、上述において、上記光回折体の外周側に上記光回折
体による回折光と異なる方向または異なる回折角に他の
回折光を偏向させる他の回折部を設けたので、光回折体
による回折光と他の光回折体とによる他の回折光とを発
生させて、光強度のなめらかな回折されない0次光の光
ビームを得ることができ、回折されない0次光の光ビー
ムの光回折体による光強度の低下と、光回折体による光
学的位相差の影響とをなくすようにして、光回折体によ
り回折されない光ビームとを用いてトラッキングのオフ
セットをキャンセルすることができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の光ディスク記録再生装置の構成
を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態の光学系の構成を示す図である。
【図3】本実施の形態のグレーティングの構成を示す平
面図である。
【図4】本実施の形態のグレーティングの作用を示す図
である。
【図5】本実施の形態のグレーティングによる±1次光
の発生動作を示す図である。
【図6】本実施例の形態のグレーティングによる−1次
光の発生動作を示す図である。
【図7】本実施の形態の光ディスク上のビームスポット
の位置とトラッキングエラー検出系の構成を示す図であ
る。
【図8】本実施の形態の±1次光のオフセット検出動作
を示す図であり、図8Aはビームがフォトダイオードの
中央にあるときのフォトダイオードの±1次光のビーム
スポットおよび±1次光のトラッキングエラー信号、図
8Bはビームがフォトダイオードの中央からずれて動く
ときのフォトダイオードの±1次光のビームスポットお
よび±1次光のトラッキングエラー信号を示す図であ
る。
【図9】本実施の形態の±1次光の配置を示す図であ
り、図9Aは望ましい配置を示す図であり、図9Bは望
ましくない配置を示す図である。
【図10】他の実施の形態のグレーティングの構成を示
す平面図である。
【図11】他の実施の形態のグレーティングとビームス
ポットを示す図であり、図11Aはグレーティングを示
す図であり、図11Bはビームスポットを示す図であ
る。
【図12】他の実施の形態のグレーティングとビームス
ポットを示す図であり、図12Aはグレーティングを示
す図であり、図12Bはビームスポットを示す図であ
る。
【図13】従来のプッシュプル法によるトラッキングを
示す図であり、図13AはランドL及びグルーブGを示
す図であり、図13Bはトラッキングエラー信号を示す
図である。
【図14】従来の対物レンズの移動によるオフセットを
示す図である。
【図15】従来の光ディスクの傾きによるオフセットを
示す図である。
【図16】従来のDPPによるトラッキングエラー検出
動作を示す図であり、図16Aはビームがフォトダイオ
ードの中央にあるときのフォトダイオードのビームスポ
ットおよびトラッキングエラー信号、図16Bはビーム
がフォトダイオードの中央からずれて動くときのフォト
ダイオードのビームスポットおよびトラッキングエラー
信号を示す図である。
【図17】従来のDPPによる光ディスク上のビームス
ポットを示す図である。
【図18】従来のDPPによるをフォトダイオード上の
ビームスポットとプッシュプル信号を示す図である。
【符号の説明】
1 光ディスク、2 光ピックアップ、3 スピンドル
モーター、4 スレッドモーター、5 サーボコントロ
ール回路、6 レーザー制御回路、7 信号制御回路、
8 I−V変換マトリクス回路、9 スピンドルサーボ
回路、10 スレッドサーボ回路、11 フォーカスサ
ーボ回路、12 トラッキングサーボ回路、13 レー
ザーダイオード、14 PWMドライバー、15 変調
回路、16ECCエンコード回路、17 復調回路、1
8 ECCデコード回路、19システムコントロール回
路、20 コリメータレンズ、21 フォトダイオー
ド、22 加算器、23 減算器、24 RF増幅器、
25 フォーカスエラー検出回路、26 トラッキング
エラー検出回路、27 グレーティング、28 ビーム
スプリッター、29 対物レンズ、30 集光レンズ、
31 集光レンズ、32 平坦部、33 溝部、S1
0次光,S2 +1次光,S3 −1次光,r ディス
クのラジアル方向の半径,NA 対物レンズの開口率、
NA′ グレーティングの溝部の開口率、tp トラッ
クピッチ、f 焦点距離、λ レーザービーム波長、6
0、61、62 受光素子、E1,F1,E2,F2,
E3,F3 2分割受光部、63、64、65、68
減算器、66、67 ゲインアンプ、TE トラッキン
グエラー信号、G,G1,G2,G3,G4 グルー
ブ、L,L1,L2,L3 ランド、70 オフセット
信号、80 +1,0,−1次ビームスポット、81
+1,0,−1次ビームスポット、90 グレーティン
グ、91 平坦部、92 溝部、100 グレーティン
グ、101 第1の溝部、102 第2の溝部、103
ビームスポット、S2′ 第2の+1次光、S3′
第2の−1次光、110 グレーティング、111 第
1の溝部、112 第2の溝部、113 ビームスポッ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体上で光ピックアップを移動さ
    せ、上記光ピックアップをトラッキング手段により目的
    トラック位置に位置決めし、上記光ピックアップの光学
    系により光ビームを上記記録媒体上に照射させて記録マ
    ークを記録し、または上記記録媒体に記録された記録マ
    ークを再生する光ディスク記録再生装置において、 上記光学系は、光ビーム発光部と上記記録媒体の間の光
    学経路において、上記光ビームの光束の断面積よりも小
    さい面積の光回折体を有することを特徴とする光ディス
    ク記録再生装置。
  2. 【請求項2】 請求項第1項記載の光ディスク記録再生
    装置において、 上記光学系は、対物レンズを有し、上記対物レンズの開
    口よりも小さい開口の光回折体を有するようにしたこと
    を特徴とする光ディスク記録再生装置。
  3. 【請求項3】 請求項第1項記載の光ディスク記録再生
    装置において、 上記トラッキング手段は、上記記録媒体に螺旋状などに
    形成されたトラックの遠視野像を横断する方向とほぼ直
    交し、中心に対して対称な分割線を少なくとも一つ有
    し、上記記録媒体上に照射された光ビームの反射光を受
    光する受光素子を有し、上記受光素子の対称な領域の上
    記反射光の光強度信号の差を検出して、この差信号をト
    ラッキングエラー信号とするようにしたことを特徴とす
    る光ディスク記録再生装置。
  4. 【請求項4】 請求項第1項記載の光ディスク記録再生
    装置において、 上記トラッキング手段は、上記記録媒体上に照射された
    光ビームの反射光の0次光の検出信号と、±1次光の検
    出信号に係数をかけたものの差をとったものをトラッキ
    ングエラー信号とするようにしたことを特徴とする光デ
    ィスク記録再生装置。
  5. 【請求項5】 請求項第1項記載の光ディスク記録再生
    装置において、 上記光回折体の上記記録媒体に螺旋状などに形成された
    トラックの遠視野像を横断する方向の開口は、その開口
    によって定まる光学カットオフ空間周波数が、トラック
    ピッチの空間周波数よりも概ね小さいようにしたことを
    特徴とする光ディスク記録再生装置。
  6. 【請求項6】 請求項第1項記載の光ディスク記録再生
    装置において、 上記光学系は、対物レンズを有し、上記光回折体の上記
    記録媒体に螺旋状などに形成されたトラックのラジアル
    方向の開口が、上記対物レンズの開口よりも小さいこと
    を特徴とする光ディスク記録再生装置。
  7. 【請求項7】 請求項第1項記載の光ディスク記録再生
    装置において、 上記記録媒体に螺旋状に形成されたトラックの接線方向
    に上記光回折体による回折光が現れるように、上記光回
    折体を配置するようにしたことを特徴とする光ディスク
    記録再生装置。
  8. 【請求項8】 請求項第1項記載の光ディスク記録再生
    装置において、 上記光回折体の外周側に上記光回折体による回折光と異
    なる方向または異なる回折角に他の回折光を偏向させる
    他の回折部を設けたことを特徴とする光ディスク記録再
    生装置。
  9. 【請求項9】 記録媒体上で光ピックアップを移動さ
    せ、上記光ピックアップをトラッキング手段により目的
    トラック位置に位置決めし、上記光ピックアップの光学
    系により光ビームを上記記録媒体上に照射させて上記記
    録媒体に記録された記録マークを再生する光ディスク再
    生装置において、 上記光学系は、光ビーム発光部と上記記録媒体の間の光
    学経路において、上記光ビームの光束の断面積よりも小
    さい面積の光回折体を有することを特徴とする光ディス
    ク再生装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6661769B2 (en) 2000-09-29 2003-12-09 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Optical storage medium, a tilt detection apparatus, and a data recording and reproducing apparatus
KR20040003907A (ko) * 2002-07-04 2004-01-13 엘지전자 주식회사 회절격자 렌즈가 구비된 광 픽업
US7391682B2 (en) 2003-05-12 2008-06-24 Ricoh Company, Ltd. Optical disk system with improved signal regulation capability
US7539117B2 (en) 2005-08-05 2009-05-26 Panasonic Corporation Optical pickup

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