JP4724181B2 - 光ピックアップ装置及び情報記録再生装置 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク等の光学式記録媒体に対する情報の記録及び再生に用いる光ピックアップ装置及び情報記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、DVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu-ray Disc)といった光ディスク用の情報記録再生装置の分野においては、トラッキング補正を行うための様々な手法が提案され、現在では光源からの出射光をメインビーム(0次光)及びサブビーム(±1次光)の3ビームに変換し、トラッキング補正を行う、所謂、DPP(差動プッシュプル)方式が一般的となっている。このDPP方式は、メインビームに対応したプッシュプル信号と、サブビームに対応したプッシュプル信号が逆位相となる位置(具体的には、光ディスク上に設けられたグルーブトラック及びこれに隣接するランドトラック)にメインビームと両サブビームを照射し、両プッシュプル信号の差分値を採ることによりプッシュプルオフセット(以下、「PPオフセット」)を補正する方式となっている。なお、(i)上記「プッシュプル信号」とはOEIC(Optical Electronic IC)の受光部を2分割形状として各分割領域における受光信号の差分値を採ったエラー信号を意味し、(ii)「PPオフセット」とは、光ピックアップ装置内において対物レンズがトラッキング方向にサーボされ、OEIC上における集光スポット位置がシフトすることによりプッシュプル信号に発生するオフセットを意味している。
【0003】
このようにDPP方式は、PPオフセットを確実に補正できる反面、メインビームのプッシュプル信号とサブビームのプッシュプル信号が逆位相となる関係を維持する必要があるため、メインビームとサブビームの光ディスク盤面に対する照射位置のズレに弱いという性質を有する。このため、光ディスクのトラックピッチムラ等に起因して、トラックに対するサブビームの照射位置が変化してしまうと適切なトラッキング補正が行えなくなる。そこで、従来、サブビームの照射位置に関係なく、確実且つ正確にトラッキングエラー信号を取得するための手法が提案されるに至っている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−219030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した特許文献1に記載の光ピックアップ装置においては、サブビームに対応したプッシュプル信号中にトラック情報が重畳されることを防止するためサブビームを強制的にデフォーカス状態とさせ、もって、PPオフセット量のみを示す補正信号を取得する手法が採用されている。従って、フォーカスエラーの検出用にシリンドリカルレンズを用いてしまうと(所謂、非点収差法)、OEIC上における集光スポットの形状が線状乃至は線状に近い楕円形となってしまい、正常にプッシュプル信号を得ることができなくなる。このため、この発明においては、RF検出やフォーカスエラー検出を行うためのOEICとは、別体にてトラッキングエラー検出用のOEICを設けることが必要となってしまい、光ピックアップ装置自体の小型化が困難となっていた。
【0006】
また、このようにサブビームをディスク盤面においてデフォーカス状態とする構成を採用した場合、光ディスク上に存在する傷等によりサブビームが合焦となる可能性がある。そして、かかる事態が発生するとサブビームのプッシュプル信号にトラック情報が重畳され、オフセット量を正確に算出できなくなる。
【0007】
本願は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、その課題の一例としては、光ピックアップ装置においてトラッキング補正を行う際に、サブビームの照射位置による影響を排除しつつ光ピックアップ装置の小型化を実現し、且つ、安定したトラッキング補正を可能とする光ピックアップ装置、情報記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本願の一つの観点では、光源から出射された光ビームを回折させ、メインビーム及びサブビームとして射出する回折手段と、記録トラックを有する光学式記録媒体に対して前記メインビーム及びサブビームを集光する集光手段と、前記メインビーム及びサブビームの前記光学式記録媒体における反射光を受光し、各ビームに対応した受光信号を出力する受光手段と、前記受光手段から出力される受光信号に基づき、前記サブビームに対応したサブプッシュプル信号を生成するプッシュプル信号生成手段と、を備え、前記回折手段は、前記サブビームに対してのみ非点収差を与える一方、前記集光手段は、前記非点収差の与えられたサブビームの(a)第1の焦線と、(b)これに直交する第2の焦線と、の間において前記サブビームを前記光学式記録媒体に集光させ、前記回折手段は、前記非点収差を与える際に、前記記録トラックに平行な軸と、前記第1の焦線とにより形成される角の角度を45°±12°の範囲内に設定することを特徴とする。
[0009]
また、本願の他の観点では、前記光ピックアップ装置と、前記光ピックアップ装置を駆動する駆動手段と、前記駆動手段を制御することにより、前記光学式記録媒体に対する情報の記録及び再生を制御する制御手段と、前記光ピックアップ装置における受光結果に対応した信号を出力する出力手段と、を具備することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
[0010]
[図1]
本願の原理を採用した情報記録再生装置において、メインビーム及び非点収差を与えたサブビームを最小錯乱円近傍にて光ディスク盤面に照射した場合におけるMTF特性を示す図である。
[図2]
サブビームにのみ非点収差を与えた場合に得られる、メインビーム及びサブビームに対応したプッシュプル信号PPmain及びPPsubの信号特性を示す図である。
[図3]
光ディスクDKに照射されるメインビーム及びサブビームの関係を立体的に示す図である。
[図4]
実施形態にかかる情報記録再生装置RPの概要構成を示すブロック図である。
[図5]
同実施形態にかかるOEIC19及び受光信号処理部OP、アクチュエータ駆動部ADの具体的な構成を示すブロック図である。
[図6]
同実施形態において光ディスクDKの盤面に設けられたトラックと、盤面上に照射されるメインビームとサブビームの関係を示す図である。
[図7]
(a)は、非点収差角度が略「0°」の場合(点線)と、略「45°」の場合(実線)におけるMTF特性を示すグラフであり、(b)は、(a)における所定領域部分を拡大したグラフである。
[図8]
(a)は、非点収差角度を略「45°」とした場合の光ディスクDKの盤面における集光状態を示す図であり、(b)は、光ディスクDKから対物レンズ171に入射されるメイン反射光及びサブ反射光の状態を示す図であり、(c)は、OEIC19上におけるメイン反射光及びサブ反射光の集光スポット状態を示す図である。
【図9】(a)は、非点収差角度を略「0°(若しくは90°)」とした場合の光ディスクDKの盤面における集光状態を示す図であり、(b)は、光ディスクDKから対物レンズ171に入射されるメイン反射光及びサブ反射光の状態を示す図であり、(c)は、OEIC19上におけるメイン反射光及びサブ反射光の集光スポット状態を示す図である。
【図10】回折格子12及びエラー検出レンズ18の双方において同一の角度にて非点収差を与えた場合における、±1次光のOEIC19上における集光スポット形状を示す図である。
【図11】変形例1において光ディスク盤面に照射されるサブビームの立体及び平面形態を示す図である。
【図12】同変形例におけるサブビームの非点収差角度「θ」と、PPオフセットの値PPoffsetとの関係を示す図である。
【図13】同変形例におけるメイン受光部191の各領域am、bm、cm、dmで検出される信号の特性を示すグラフである。
【図14】同変形例において最も信号値が小さくなる場合のプッシュプル信号PPmainの波形を示す図である。
【図15】変形例2にかかるOEIC19及び受光信号処理部OP、アクチュエータ駆動部ADの具体的な構成を示すブロック図である。
【図16】(a)は、同変形例において非点収差を与えたサブビームを光ディスクDKに照射した場合に、非点収差法により得られるフォーカスエラー信号Sfesの特性を示すグラフであり、(b)は、デフォーカスさせたサブビームを光ディスクDKに照射した場合におけるフォーカスエラー信号の特性を示すグラフである。
【図17】変形例3にかかるOEIC19,受光信号処理部OP及びアクチュエータ駆動部ADの具体的な構成を示すブロック図である。
【図18】変形例4において非点収差法により得られるフォーカスエラー信号Sfesの特性を比較するグラフである。
【図19】変形例5において複数の対物レンズを設けた場合に、一方の対物レンズが光ディスクDKのタンジェンシャル方向にシフトした位置に配置された場合の問題点を示す概念図である。
【符号の説明】
【0011】
RP・・・情報記録再生装置
OP・・・受光信号処理部
AD・・・アクチュエータ駆動回路
SC・・・スピンドル制御回路
SM・・・スピンドルモータ
IP・・・入力信号処理部
C・・・制御部
D・・・駆動回路
PU・・・光ピックアップ装置
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本願の実施形態について説明することとするが、これに先立って本願の基本原理について説明する。
【0013】
[1]基本原理
まず、プッシュプル信号を用いてトラッキング補正を行う場合、トラッキングサーボに併せて対物レンズの配置位置がシフトするとOEIC上における光ビームの集光スポットもこれに伴ってシフトしてPPオフセットが発生する。このPPオフセットは、トラッキング補正時における足かせとなるため、トラッキング補正の精度を向上させる観点からはPPオフセットを如何にして除去するかが重要なファクターとなる。
【0014】
このPPオフセットの解消方法の一つとして、DPP方式が存在するが、このDPP方式ではメインビーム及びサブビームを解像限界まで絞り込んだ状態にて光ディスクDKの盤面に照射する構成が採用されているため、プッシュプル信号中にトラック情報(例えば、グルーブトラックに施されたウォブリングにより示される情報やグルーブトラックに設けられたピットに対応する情報等)成分が重畳されることとなってしまう。すなわち、この際得られるメインビーム及びサブビームに対応したプッシュプル信号PPmain、PPsub1、PPsub2(但し、「1」、「2」は各々+1次光と、−1次光を判別するための添え字)は、トラック情報成分をsinθとすると、
PPmain=sinθ+offset ・・・・・(式1)
PPsub1=(1/G)(-sinθ+offset) ・・・・・(式2)
PPsub2=(1/G)(-sinθ+offset) ・・・・・(式3)
となり(「G」はメインビームとサブビームの回折光量に応じた係数)、
DPP= PPmain-(G/2)(PPsub1+PPsub2)=2sinθ ・・・・・(式4)
となる。従って、上記(式1)〜(式3)におけるトラック情報成分の値が正負逆転した関係を保つことがプッシュプル信号中からPPオフセット成分のみをキャンセルするための絶対条件となり、DPP方式を実現するためには必然的にサブビームの照射位置を厳密に調整せざるを得なくなるのである。
【0015】
逆に、この関係は、プッシュプル信号PPsub中からトラック情報成分を除去し、プッシュプル信号PPmainとの差分を採ればPPオフセット成分のみをキャンセルできることを証明している。本願においては、このトラック情報成分を除去するための手法として、光源からの出射光をメインビーム及びサブビームに回折させる際、サブビームに対してのみ非点収差を与え、非点収差が与えられた状態にてサブビームを光ディスク盤面に照射する手法を採用することにした。このように、サブビームに非点収差を与えた場合、光ディスクに集光されるサブビームの集光スポットサイズが収差を与えない場合と比較して大きくなり、プッシュプル信号PPsubの変調度が著しく低下する。
【0016】
この点について、図1を参照しつつ説明する。ここで、図1は、メインビーム及び非点収差(350mλ)を与えたサブビーム(共に波長405nm)を最小錯乱円近傍にて光ディスク盤面に照射した場合におけるMTF(Modulation Transfer Function:変調伝送関数)特性を示す図であり、同図においては、空間周波数(1mmあたりに存在する明暗数)をx軸とすると共に、メインビームに対応するMTF特性を点線、サブビームに対応するMTF特性を実線にて示している。
【0017】
今、光ディスクからトラック情報を読み出すために必要なMTFの値が「0.1」程度であることを想定した場合、BDのトラックピッチ「0.32μm」に相当する空間周波数(図1においてTp)では、メインビームのMTFが「0.15」程度の値を取り、トラック情報がすべて読み取り可能なMTF特性を持つことが分かる。一方、非点収差を与えられたサブビームに関しては、MTFがほぼ「0」(すなわち、トラックピッチに相当する解像度を有していない)となり、サブビームはトラック情報を再生し得ないことが分かる。
【0018】
図2にサブビームにのみ非点収差を与えた場合に得られる、メインビーム及びサブビームに対応したプッシュプル信号PPmain及びPPsubの信号特性を示す。同図に示すように、サブビームに対して所定量の非点収差を与えた場合、サブビームに対応するプッシュプル信号PPsub中からトラック情報成分が除去され、プッシュプル信号中のトラック情報成分がノイズとして認識されるレベルまで低減されていることが分かる。この結果、サブビームに対応したプッシュプル信号PPsubは、PPオフセット分のみを表すこととなり、メインビームに対応したプッシュプル信号PPmainとサブビームに対応したプッシュプル信号PPsubの差分値を採ることで、PPオフセットを補正することができるようになる。
【0019】
なお、上記図1においては非点収差量を350mλとした場合におけるプッシュプル信号のMTF特性を示していたが、実際には150、275、350mλの非点収差量とした場合にMTF値が特に小さくなることが分かっている。但し、220mλ以上の非点収差を与えれば、サブビームに関するMTFの値を実用上十分に小さな値とすることが可能となる。
【0020】
また、非点収差が与えられたサブビームを光ディスクに照射する際に、サブビームが線像となる状態(焦線)にて照射した場合であっても、同様にトラック情報をキャンセルすることは可能であるが、この場合、OEIC上の集光スポット形状も線形となってしまい、サブビームに対応したプッシュプル信号PPsubが得づらくなってしまう。そこで、本願においては、図3に示すように、第1焦線と第2焦線の間(すなわち、最小錯乱円乃至は楕円形状となる位置。理想的には最小錯乱円近傍)においてサブビームが光ディスクに照射されるように光学系を設計することとしている。
【0021】
また更に、光ビームの回折時に回折格子から±1次光に対応した2つのサブビームが射出されることとなるが、本願にかかる光ピックアップ装置においては、これら2つのサブビームの内、一方のみを利用しても、双方のサブビームを利用してもプッシュプルオフセットを補正することが可能となっている。そこで、以下に説明する実施形態においては、一方のサブビームのみを用いることとし、双方のサブビームを用いる態様に関しては変形例の項にて説明することとする(以下、単に「サブビーム」というときは、PPオフセットの補正に用いるためのサブビームを意味するものとし、2つのサブビームを用いる場合においては両サブビームを「サブビームa」、「サブビームb」と呼び区別することとする。)。
【0022】
[2]実施形態
[2.1]実施形態の構成
まず、本願の実施形態にかかる情報記録再生装置RPの概要構成を図4に示す。なお、この情報記録再生装置RPは、BDフォーマットに対応した光ディスクDKに対する情報の記録及び再生を行うBDレコーダに本願の光ピックアップ装置を適用したものとなっている。同図に示すように本実施形態にかかる情報記録再生装置RPは、入力信号処理部IPと、制御部Cと、駆動回路Dと、光ピックアップ装置PUと、受光信号処理部OPと、アクチュエータ駆動部ADと、クランプされた光ディスクDKを回転させるためのスピンドルモータSMと、スピンドルモータSMの回転を制御するスピンドル制御回路SCと、を有している。なお、図は省略するが、この情報記録再生装置RPの光ピックアップ装置PUは、キャリッジに固定された状態でスライダ軸により支持され、このキャリッジをスライダ軸に沿って移動(以下、「キャリッジサーボ」という。)させることにより、光ディスクDKの半径軸方向に光ピックアップ装置PUが移動可能とされている。
【0023】
これらの要素中、入力信号処理部IPは、入力用の端子を有しており、この端子を介して外部から入力されたデータに所定形式の信号処理を施して制御部Cに出力する。
【0024】
制御部Cは、主としてCPU(Central Processing Unit)により構成され、情報記録再生装置RPの各部を制御する。例えば、光ディスクDKに対してデータを記録する場合、制御部Cは入力信号処理部IPから入力されるデータに対応した記録用の駆動信号を駆動回路Dに出力する一方、光ディスクDKに記録されているデータの再生を行う場合には、再生用の駆動信号を駆動回路Dに出力する。また、この際、制御部Cは、スピンドル制御回路SCに制御信号を供給し、光ディスクDKの回転を制御するようになっている。
【0025】
駆動回路Dは主として増幅回路により構成され、制御部Cから入力された駆動信号を増幅した後、光ピックアップ装置PUに供給する。この駆動回路Dにおける増幅率は制御部Cにより制御され、光ディスクDKに対するデータ記録時には光ピックアップ装置PUから記録パワー(光ディスクDKにおいて相変化が発生するエネルギー量)にて光ビームが出力されるように増幅率が制御される一方、データ再生時には再生パワー(相変化が発生しないエネルギー量)にて光ビームが出力されるように増幅率が制御される。
【0026】
光ピックアップ装置PUは、駆動回路Dから供給される制御信号に基づいて、BDフォーマットの光ディスクDKに光ビームを照射し、当該光ディスクDKに対するデータの記録及び再生を行うために用いられる。
【0027】
かかる機能を実現するため、本実施形態にかかる光ピックアップ装置PUは、駆動回路Dから供給される駆動信号に基づいて所定方向に直線偏光(例えば、P偏光)された光ビーム(405nm)を出力する半導体レーザ11と、回折格子12と、PBS(偏光ビームスプリッタ)13と、コリメータレンズ14と、λ/4板15と、ミラー16と、アクチュエータ部17と、エラー検出レンズ18と、OEIC19と、から構成される。また、各光学素子は、サブビームが最小錯乱円となる位置の近傍にて、当該サブビームが光ディスクに照射されるように配置されている。なお、「請求の範囲」における「集光手段」は、例えば、アクチュエータ部17の対物レンズ171に対応し、光路中に配置されるPBS13等の光学素子を含むものとするか否かは任意となっている。
【0028】
まず、回折格子12は、例えば、ホログラム素子により構成され、半導体レーザ11から射出された光ビームを回折させて、メインビーム及びサブビームを射出する。また、この回折格子12は、回折光(すなわち、サブビーム)に対して互いに直交した2枚のシリンドリカルレンズ(より具体的には、1枚の凸シリンダーレンズと、1枚の凹シリンダーレンズであってシリンダーレンズの稜線が直交している状態)として作用するようになっており、かかる回折格子12の機能により、サブビームに非点収差(例えば、350mλ、175mλ等)が与えられる。なお、このように互いに直行した2枚のシリンダーレンズとしている理由は、1枚のシリンドリカルレンズとして作用させた場合、メインスポットがディスク上に集光した状態で、サブビームの一方の焦線もディスク上に集光してしまうため、これを防止するためとなっている。
【0029】
以上の構成により、サブビームに対応したプッシュプル信号PPsubにトラック情報成分が重畳されてしまうことを防止し、もって、メインビームに対応したプッシュプル信号PPmainに発生するPPオフセットを適切に補正することが可能となる。また、本実施形態においては、回折格子12により非点収差を与える際に、サブビームの焦線と、光ディスクDKのトラックと、のなす角度を所定の角度とする構成が採用されており(以下、この角度を「非点収差角度」という)、かかる構成を採用することにより特有の効果が発生するが、この点に関しては後に詳述することとする。
【0030】
なお、実際に装置を製造する場合には、この回折格子12は、
Φ(x,y)=(2π/λ0)(a×x+b×y+c×xy)
(但しa,b,cは定数)、
Φ(x,y)=2mπ(m=0、±1、±2、±3・・・)
で示される、双曲線で表される回折格子パターンをするようにすることが必要である。
【0031】
PBS13は、例えば、P偏光された入射光を透過させる一方、S偏光された入射光を反射する光学素子であり、回折格子12から射出されるメインビーム及びサブビームをコリメータレンズ14に導光すると共に、当該ビームの光ディスクDK盤面における反射光(以下、メインビームに対応した反射光を「メイン反射光」、サブビームに対応した反射光を「サブ反射光」という)をエラー検出レンズ18に導光する。コリメータレンズ14は、PBS13を透過して入射されるメインビーム及びサブビームの一部を略平行光に変換する一方、光ディスクDKからの反射光を収束させるための光学素子であり、λ/4板15は、直線偏光、円偏光間の相互変換を行う光学素子である。かかるλ/4板15の機能により、往路復路間において偏光方向がπ/2だけ変化し、PBS13による往路及び復路の分離が行われる。なお、「往路」とは、半導体レーザ11から光ディスクDKに向かう光ビームの光路を意味し、「復路」とは、光ディスクDKからOEIC19に向かう反射光の光路を意味する。
【0032】
アクチュエータ部17は、対物レンズ171と、対物レンズ171を固定する対物レンズホルダ172、更には、この対物レンズホルダ172を一体的に可動させる可動機構173と、を有し、アクチュエータ駆動部ADから供給される補正信号に基づいて対物レンズの位置を変更させ、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボを実現する。
【0033】
エラー検出レンズ18は、シリンドリカルレンズにより構成されており、非点収差法によるフォーカスエラー検出を実現するため光ディスクDKのトラックに対して約45°の角度に非点収差を与えるようになっている。OEIC19は、例えば、フォトダイオードにより構成され、エラー検出レンズ18から照射されるメイン反射光及びサブ反射光を受光して、受光信号を制御部C及び受光信号処理部OPに出力する。
【0034】
次に、受光信号処理部OPは、OEIC19から供給される受光信号に基づいてトラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号を生成して、アクチュエータ部ADに供給する。また、この受光信号処理部OPは、OEIC19から供給される受光信号に基づいて再生RF信号を生成し、当該再生RF信号に対して所定の信号処理を施した後、出力端子OUTに出力する。
【0035】
アクチュエータ駆動部ADは、受光信号処理部OPから供給されるトラッキングエラー信号及びフォーカスエラー信号に基づきアクチュエータ部17を制御する。なお、光ディスクDKに記録されたデータの再生時に用いるトラッキング補正方法に関しては任意であるが、本実施形態においては、DPD方式を用いるものとし、上記「基本原理」の項にて説明したトラッキング補正方法に関しては、光ディスクDKに対するデータの記録時にのみ採用するものとして説明を行う。
【0036】
(2)受光信号処理部OP等の具体的な構成について
以上、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPの概要構成を説明してきたが、ここで、本実施形態にかかるOEIC19、受光信号処理部OP及びアクチュエータ駆動部ADの具体的な構成について図5を参照しつつ説明する。なお、図5は、本実施形態にかかるOEIC19及び受光信号処理部OP、アクチュエータ駆動部ADの具体的な構成を示すブロック図である。
【0037】
同図に示すように本実施形態にかかるOEIC19にはメイン反射光を受光するためのメイン受光部191のサブ反射光を受光するためのサブ受光部192が設けられており、両受光部191及び192は、非点収差法によるフォーカスエラー検出を行うため光ディスクDKのトラック方向及び半径方向に対応して4つの領域a、b、c、d(添字の「m」はメインを意味し、「s」はサブを意味する)に分割されている。各受光部191及び192から出力される受光信号は、メイン受光部191から出力される受光信号が受光信号処理部OPのメイン信号前処理回路21に、サブ受光部192から出力される受光信号がサブ信号前処理回路23に、夫々、供給されるようになっている。
【0038】
次いで、メイン信号前処理回路21は、図示せぬ加算器や減算器、位相比較器を有し、次の5つの機能を実現する。
【0039】
和信号生成機能
この機能は、各領域am、bm、cm、dmに対応した受光信号に基づいて、当該受光信号の和信号を生成する機能である。そして、メイン信号前処理回路21は、この生成した和信号を再生RF信号SrfとしてRF信号処理回路22に供給する。この結果、RF信号処理回路22において当該再生RF信号に対するD/A変換等がなされ、出力端子に出力されることとなる。また、メイン信号前処理回路21は、当該和信号をサンプル信号Ssummとして可変増幅器24に出力する。
【0040】
プッシュプル信号生成機能
この機能は、各領域am、bm、cm、dmに対応した受光信号に基づき当該メインビームに対応したプッシュプル信号PPmainを生成する機能である。かかる機能の実現に際して、メイン信号前処理回路21には、(式5)に基づいてプッシュプル信号PPmainを生成し、当該生成したプッシュプル信号PPmainを減算器25に出力する。
PPmain=(am+dm)-(bm+cm) ・・・・・(式5)
【0041】
フォーカスエラー信号生成機能
この機能は、フォーカスエラー信号Sfeを生成するための機能であり、この機能を用いて生成されたフォーカスエラー信号Sfeを用いることで非点収差法によるフォーカス補正が実現される。この際、メイン信号前処理回路21は(式6)に基づいてフォーカスエラー信号Sfeを生成し、当該生成したフォーカスエラー信号Sfeをアクチュエータ駆動部ADのフォーカス制御回路32に供給する。
Sfe=(am+cm)-(bm+dm) ・・・・・(式6)
【0042】
DPD信号生成機能
この機能は、光ディスクDKに記録されたデータの再生時にDPD方式のトラッキング補正を行うためのDPD信号Sdpdを生成する機能であり、メイン信号前処理回路21は当該機能により生成したDPD信号をトラッキング制御回路31に供給する。なお、このDPD信号Sdpdは、データ記録済みの光ディスクDK(位相ピットの形成されたROM型の光ディスクDK)に対するデータ再生時に用いられるものであり、減算器25から出力されるトラッキングエラー信号Ste(ライタブル型の光ディスクDKに対するデータ記録時に用いられる)と同時に用いられるものではない。
【0043】
次いで、サブ信号前処理回路23は、加算器及び減算器により構成され、サブ受光部192の各領域as、bs、cs、dsに対応した受光信号に基づいて、サブビームに対応したプッシュプル信号PPsubを生成し、可変増幅器24に出力する。また、このサブ信号前処理回路23は、これらの受光信号の和信号を生成し、当該和信号をサンプル信号Ssumsとして出力する。
【0044】
可変増幅器24は、サブ信号前処理回路23から供給されるプッシュプル信号PPsubを所定のゲインにて増幅し、減算器25に供給する。この可変増幅器24における増幅率は、メイン信号前処理回路21から供給されるサンプル信号Ssummと、サブ信号前処理回路23から供給されるサンプル信号Ssumsの信号の比率に基づいて設定されるようになっている。この結果、可変増幅器24から出力されるプッシュプル信号PPsubは、メインビームとサブビームの回折効率分を補正した状態にて減算器25に供給され、減算器25においてプッシュプル信号PPmainと、PPsubの差分信号を生成することにより、減算器25からPPオフセットの補正されたトラッキングエラー信号Steが出力されることとなる。
【0045】
そして、受光信号処理部OPから供給されるトラッキングエラー信号Ste、DPD信号Sdpd、更にはフォーカスエラー信号Sfeに基づいてトラッキング制御回路31及びフォーカスエラー制御回路32がアクチュエータ部17を駆動することにより、対物レンズ171のトラッキングサーボ及びフォーカスサーボが実現されることとなる。
【0046】
(3)回折格子12においてサブビームに与える非点収差角度について
次に、本実施形態の情報記録再生装置RPにおいて回折格子12を用いてサブビームに与える非点収差角度について図6を参照しつつ詳細に説明する。なお、図6は、光ディスクDKの盤面におけるメインビームとサブビームの照射状態を示す図である。まず、同図に示すように、本実施形態においては、非点収差角度が略「45°」となるように非点収差を与えることとしている。このように非点収差角度を略「45°」としているのは、次のような理由による。
【0047】
(a)プッシュプル信号PPsubの精度向上
(i)MTF特性の向上
まず、本願発明の完成に際して行った実験により、サブビームに対して与える、非点収差角度を略「45°」とした場合にMTF特性が向上することが判明した。この点について図7を参照しつつ説明する。なお、図7において(a)は、非点収差角度が略「0°」の場合(点線)と、略「45°」の場合(実線)におけるMTF特性を示すグラフ(横軸は空間周波数)であり、(b)は、(a)における所定領域部分を拡大したグラフである。
【0048】
同図に示すように、非点収差角度を略「45°」とした場合におけるMTFの値は、非点収差角度を略「0°」とした場合のMTFの値に比較して全体的に低い値を採っていることが分かる。特にBDのトラックピッチ「0.32μm」に相当する空間周波数(図7Tp)では非点収差角度を略「0°」とした場合に、MTFの値が「0.05」程度となるのに対し、略「45°」とした場合にはMTFの値が「0.005」程度となり、1/10程度まで低減されていることが分かる(図7(b)参照)。
【0049】
上述したように、サブビームに対応したMTFの値が大きくなるとプッシュプル信号PPsubに含まれるトラック情報成分が多くなり、逆に小さくなるとトラック情報成分が少なくなることから、非点収差角度を略「45°」とした場合にプッシュプル信号PPsubに含まれるトラック情報成分をより多く除去でき、PPオフセットを補正する際におけるノイズを大幅にカットできることとなる。以上が本実施形態にかかる情報記録再生装置RPにおいて非点収差角度を略「45°」としている1つ目の理由である。
【0050】
(ii)光ディスクDKにおけるデータの記録状態の影響排除
また、非点収差角度を略「45°」とすることにより、光ディスクDKにおけるデータの記録状態の違いによる影響を排除することが可能となる。この点について図8及び図9を参照しつつ説明する。なお、図8及び図9において(a)は、光ディスクDKの盤面における集光状態を示す図であり、(b)は、光ディスクDKから対物レンズ171に入射されるメイン反射光及びサブ反射光の状態を示す図であり、(c)は、OEIC19上におけるメイン反射光及びサブ反射光の集光スポット状態を示す図である。また、図8においては、回折格子12において与える非点収差角度を略「45°」とした場合について示しており、図9においては非点収差角度を略「0°」(括弧内は略「90°」)とした場合について示している。
【0051】
まず、記録用の光ディスクDKにおいてはデータの記録済み領域Xと未記録領域Yの全体的な反射率が大きく異なってくる。これは、データ記録時に相変化や色素変色等の発生に加え、位相ピットが形成されているのと同様の状態が形成されることによるものである。
【0052】
この環境下において記録済み領域Xと未記録領域Yの双方にサブビームがかかってしまった場合、サブスポットの領域R2、R3は暗く、領域R1、R4は明るくなるという現象を生じる。一方、サブビームに非点収差が与えられていると、光ディスクDK盤面において反射されたサブ反射光は、対物レンズ171の瞳上において非点収差角度に対応した軸を中心として反転し、更に、エラー検出レンズ18を透過する際、「45°」の軸を中心として反転し、OEIC19に集光されることとなる。
【0053】
このため、非点収差角度が略「0°」(若しくは略「90°」)となってしまうと、サブ受光部192におけるトラッキング方向の分割線に対して、上側に領域R1、R4に対応した集光スポットが形成され、下側に領域R2、R3に対応した集光スポットが形成されることとなる。この結果、トラッキング方向の分割線の上下において明暗が発生し、適切なプッシュプル信号PPsubが取得できなくなってしまうのである(図9(b)から略「90°」の時も同様であることが分かる)。
【0054】
一方、非点収差角度を略「45°」とした場合、OEIC19のサブ受光部192上においては、トラッキング方向の分割線の上側に領域R3及びR4、下側に領域R1及びR2に対応したスポット部分が現れることとなり、記録済み領域X及び未記録領域Yの双方にかかってしまった受光光量差が、見事にキャンセルされることとなる。このように非点収差角度を略「45°」とすることにより、プッシュプル信号PPsubの最適化が実現されるため、対物レンズ171のシフトによるPPオフセットをより正確に補正することができる。
【0055】
なおまた、実際に非点収差角度を設定する場合、「45°」から所定の角度範囲内において、同様の効果が得られることが証明されているが、この点に関しては、変形例の項にて説明することとする。
【0056】
(b)エラー検出レンズ18との相乗効果について
次に、非点収差角度を略「45°」とした第3の理由について説明する。
【0057】
まず、本実施形態においては、上述のようにメイン反射光を用いて、非点収差法によるフォーカス補正を実現するためエラー検出レンズ18において略「45°」の角度にて非点収差を与える構成を採用している。このとき、回折格子12において与えられる非点収差の角度と、エラー検出レンズ18において与えられる非点収差の角度が異なっていると、サブ反射光に与えられる非点収差の角度が変化してしまう。かかる事態は、メイン反射光を用いて非点収差法を実現する場合には問題とならないが、変形例の項にて説明するようにサブ反射光を用いて非点収差法を実現しようとする場合に問題となってしまう。もちろん、OEIC19上における非点収差の角度が略「45°」となるようにエラー検出レンズ18の角度調整を行えば、かかる問題は解消可能であるが、装置製造時のコスト上昇に繋がりかねない。
【0058】
これに対して、エラー検出レンズ18と、回折格子12において同一の角度にて非点収差を与えた場合、±1次光の何れか一方に関しては与えられている非点収差が強められ、他方に関しては与えられている非点収差が弱められるという現象を生じる。この場合、OEIC19上におけるサブ反射光は、図10に示すように、非点収差が強められる側のサブビームについては集光スポット径が大きくなる一方、非点収差が弱められる側のサブビームについては集光スポット径が小さくなるのみであり、非点収差の与えられている角度が変化することがない。従って、エラー検出レンズ18は、従来の非点収差法と同様に、「45°」にて取り付ければ良いこととなり、製造コストの削減が可能となるのである。なお、サブビームとして何れを用いるかは任意であるが、OEIC19におけるサブビームの非点収差量を大きくすることにより、トラック情報の影響を更に削減することが可能となる。
【0059】
[2.2]第1実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する本実施形態にかかる情報記録再生装置RPの具体的な動作について説明することとするが、同情報記録再生装置RPにおいて光ディスクDKに記録されたデータを再生する際の動作は、従来の情報記録再生装置と異なる所がないので(具体的には、従来のDPD方式及び非点収差法によるアクチュエータサーボが行われる)、以下においては光ディスクDKに対するデータ記録時における動作についてのみ説明することとする。
【0060】
まず、ユーザが情報記録再生装置RPに対して光ディスクDKを挿入すると共に、図示せぬ操作部にデータを記録を行う旨の入力操作を行う。すると、制御部Cは、トラックサーチを行うための制御を実行する。この際、制御部Cは、スピンドル制御回路SCに対して制御信号を供給し、スピンドルモータSMの回転を開始させると共に、トラックサーチ用の光ビームが半導体レーザ11から出力されるように駆動回路Dに対する駆動信号の供給を開始する。また、制御部Cは、キャリッジサーボを実行し、データを記録すべきアドレスに対応した光ディスクDK上の位置まで光ピックアップPUを移動させる。
【0061】
一方、かかるトラックサーチが完了すると、制御部Cは、アクチュエータ駆動部ADに制御信号を供給し、トラッキングサーボループをクローズの状態に移行させる。この際、制御部Cは、減算器25から供給されるトラッキングエラー信号Steに基づいて、トラッキング補正を行うようにトラッキング制御回路31を制御し、この結果、トラッキング制御回路31は、減算器25から供給されるトラッキングエラー信号Steに基づくトラッキング補正動作を行う状態に移行する。このようにして、トラッキングサーボループがクローズの状態となると、制御部Cは、駆動回路Dにおける増幅率を記録パワーに対応した値に再設定し、入力信号処理部IPから供給される入力信号に対応した駆動信号の供給を開始する。
【0062】
一方、制御部Cから駆動信号が供給されると、駆動回路Dから半導体レーザ11に対する信号供給が開始され、半導体レーザ11は、この供給信号に基づいて記録パワーの光ビーム(波長405nm、P偏光)を出射する状態となる。このようにして出射された光ビームが回折格子12に入射されると、回折格子12は、当該光ビームを回折させ、メインビーム(0次光)及びサブビーム(1次光)として射出する。この際、回折格子12は、回折光であるサブビームに対してのみ非点収差を与え、単に回折格子12を透過するに過ぎないメインビームに対してはシリンドリカルレンズとして作用しないこととなる。
【0063】
一方、回折格子12から射出されたメインビーム及びサブビームは、PBS13を透過して、コリメータレンズ14において略平行光に変換された後、λ/4板15において円偏光の状態に移行し、ミラー16により図において上方(以下、「図中」と略称する)に反射され、対物レンズ171により光ディスクDKの盤面上に集光される(上記図6参照)。このようにして、メインビーム及びサブビームが光ディスクDK盤面に集光された状態となると、これらメインビーム及びサブビームは、光ディスクDK盤面において反射され、メイン反射光及びサブ反射光として、対物レンズ171に入射される状態となる。
【0064】
次いで、これらメイン反射光及びサブ反射光は、対物レンズ171を透過した後、ミラーにより図中左方に反射され、λ/4板15を透過して往路とπ/2だけ偏光方向が変化した直線偏光(例えば、S偏光)の状態に移行する。そして、コリメータレンズ14を透過した後、PBS13により図中下方に反射されて、エラー検出レンズ18によりOEIC19に集光される。この結果、メイン受光部191にメイン反射光に対応する集光スポットが、サブ受光部192にサブ反射光に対応する集光スポットが夫々形成され、各受光部191及び192から反射光の受光光量に対応したレベルの受光信号が出力される状態となる。
【0065】
このようにして、OEIC19のメイン受光部191及びサブ受光部192から受光信号が出力される状態となると、メイン信号前処理回路21は、メイン受光部191から供給される受光信号に基づいてメインビームに対応したプッシュプル信号PPmainを生成し、減算器25に対するプッシュプル信号PPmainの供給を開始する。また、この際メイン信号前処理回路21は、メイン受光部191における受光信号の和信号を生成し、当該和信号をサンプル信号Ssummとして可変増幅器24に供給する。なお、この和信号は、制御部Cが駆動回路Dのゲインを調整するためにも用いられることとなる。
【0066】
更に、メイン信号前処理回路21は、メイン受光部191から供給される受光信号に基づいてフォーカスエラー信号Sfeを生成し、当該生成したフォーカスエラー信号をフォーカス制御回路31に供給する。この結果、フォーカス制御回路31において、このフォーカスエラー信号Sfeに基づきアクチュエータ部17が制御され、フォーカスサーボを実行されることとなる。なお、この際におけるフォーカスサーボの方法に関しては、従来の非点収差法と同様であるため詳細は省略する。
【0067】
一方、サブ信号前処理回路23は、OEIC19のサブ受光部192から供給される受光信号の和信号を生成し、サンプル信号Ssumsとして可変増幅器24に供給すると共に、サブビームに対応するプッシュプル信号PPsubを生成して、可変増幅器24に供給する状態となる。このようにして、サブ信号前処理回路23から供給されたプッシュプル信号PPsubは、可変増幅器24においてサンプル信号SsummとSsumsの比率に応じて増幅され、減算器25に供給される。
【0068】
以上の過程を経て、減算器25にメインビーム及びサブビームに対応したプッシュプル信号PPmain及びPPsubが供給される状態となると、減算器25の出力段から両信号PPmain及びPPsubの差分値に対応したトラッキングエラー信号Steが出力される。ここで、可変増幅器24から出力されるプッシュプル信号PPsubは、トラック情報成分が除去された(より正確には、ほとんど存在しない)DC(直流)的な信号として得られ(上記図2参照)、しかもメインビームに対応したプッシュプル信号PPmainに発生するPPオフセット値に対応する信号レベルを有することとなる。よって、減算器25から出力されるトラッキングエラー信号Steは、プッシュプル信号PPmainに発生したPPオフセットが補正された状態となり、当該トラッキングエラー信号Steの値が「0」となるようにトラッキングサーボを行うことにより、適切なトラッキング補正が実現されることとなる。なお、この際、トラッキング制御回路31が行う具体的な制御手法に関しては、従来のプッシュプル方式のトラッキング補正と同様であるため詳細は省略する。
【0069】
その後、光ディスクDKに対するデータの記録が完了するまで当該トラッキングエラー信号Steに基づくトラッキング補正が実行され、当該トラッキング補正が光ディスクDKに対するデータの記録が完了するまで、継続して実行されることとなる。
【0070】
このようにして、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPは、半導体レーザ11から出射された光ビームを回折させ、メインビーム及びサブビームとして射出する回折格子12と、光ディスクDKに対してメインビーム及びサブビームを集光するPBS13、コリメータレンズ14、ミラー16及びアクチュエータ部17と、メインビーム及びサブビームの光ディスクDKにおける反射光を受光し、各ビームに対応した受光信号を出力するOEIC19と、を備え、回折格子12によりサブビームに対してのみ非点収差を与えると共に、当該サブビームを(a)第1焦線と、(b)これに直交する第2焦線と、の間においてサブビームを光ディスクDKに集光させる構成が採用されている。
【0071】
この構成により、光ディスクDKに照射されるサブビームの集光スポット径が、非点収差を与えない場合と比較して大きくなり、サブビームに対応したプッシュプル信号PPsubにトラック情報成分が重畳されることを防止することが可能となる。このため、サブビームの照射位置と無関係にプッシュプル信号PPsubがPPオフセットの値を示すこととなり、メインビームに対応したプッシュプル信号PPmainに発生するPPオフセットを適切に補正し、もって、対物レンズシフトによる誤差の少ない安定したトラッキング補正を実現することが可能となる。また、サブビームをデフォーカス状態にて照射する場合と異なり、OEIC19を複数設けることなく、正確なフォーカス補正を実現することが可能となるため、光ピックアップ装置PUの小型化を実現することも可能となる。
【0072】
また更に、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPは、最小錯乱円近傍にてサブビームを光ディスクDKに照射する構成を採用しているため、サブ受光部192に集光されるサブ反射光の集光スポット形状が略円形となり、適切にプッシュプル信号を得ることが可能となる。
【0073】
更に、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPによれば、フォーカス補正に非点収差法を採用することが可能となり、装置の簡略化と、製造コストの低減化を実現することが可能となる。
【0074】
なお、上記実施形態においては、BDフォーマットに対応した光ディスクDKに対するデータの記録及び再生を行う場合について説明した。しかし、情報記録再生装置RPにより記録再生を行う光ディスクDKの種類に関しては任意であり、例えば、CD(compact disc)やDVD、更には、HD-DVD(High Definition-DVD)の各記録フォーマットに対応した光ディスクDKに対するデータの記録及び再生を行う場合であっても、同様の構成及び原理によりトラッキング補正を実現することが可能となっている。
【0075】
また、上記実施形態においては制御部C及び駆動回路D、受光信号処理部OP、アクチュエータ駆動部ADを光ピックアップ装置PUと別体の装置(例えば、CPU)により構成した例について説明したが、これらは光ピックアップ装置PUと一体的に構成するようにしても良い。
【0076】
[2.3]変形例
(1)変形例1
以下、上記実施形態の変形例1について図11を参照しつつ説明する。この変形例1は、回折格子12において与える非点収差角度を略「45°」から変更した場合における、構成例となっている。
【0077】
まず、図11に示すように、非点収差によるサブビーム線像1(第1焦線)がトラックとθの角度を持っているとき、ディスク上のスポットを4分割すると、その領域は対物レンズ171の瞳上ではサブビーム線像1(すなわち、第1焦線)で反転された形態をとることとなる。今、図11の様にディスク上で領域R2、R3が記録済み領域Xに、領域R1、R4が未記録領域Yにかかり、それをOEIC19のサブ受光部192にて受光するとトラッキングエラーは以下のように表される。
【0078】
まず、記録部、未記録部の光の強度Idark及びIbrightは、
Idark=Ir2=Ir3 ・・・・・(式7)
Ibright=Ir1=Ir4 ・・・・・(式8)
により示される。また、サブ受光部192のトラッキング方向の分割線を挟んだ2つの領域DET1S(=as+ds)及びDET2S(=bs+cs)において検出される受光信号S1及びS2と、PPオフセット信号PPoffsetは、
S1=(2θ/90)Idark+{2-(2θ/90)}Ibright ・・・・・(式9)
S2=(2θ/90) Ibright +{2-(2θ/90)}Idark ・・・・・(式10)
PPoffset=S1-S2=(180-2θ/90)(Ibright -Idark) ・・・・・(式11)
0.25×Idark≦(Ibright -Idark)≦Idark ・・・・・・(式12)
により与えられる。この式は、サブビームに与えられた非点収差角度θによって、S1はディスク上の明るい光と暗い光がディテクタのDET1Sにどの割合で入ってくるかを示すものとなっている。また、S2についても同様にDET2Sにどの割合で入ってくるかを示しています(すなわち、各DETに入っている明部と暗部の面積)。
【0079】
これらの式中(式12)は、相変化ディスクなどの規格で用いられる記録未記録部の明暗の範囲を示す。図12にサブビームの非点収差角度「θ」と、PPオフセットの値PPoffsetとの関係を示す。網掛けの範囲がPPオフセットの発生する範囲である。記録済み領域Xと、未記録領域Yのコントラストが大きいほど生じるPPオフセットの値PPoffsetも大きくなり、非点収差角度「θ」が「45°」ではPPオフセットは生じないことが分かる。
【0080】
次に、メイン反射光の受光時に検出される受光信号について考える。図13にメイン受光部191の各領域am、bm、cm、dmで検出される信号を示す。なお、図13においてはメイン受光部191の領域DET1M(=am+dm)に関する信号値を(a)に示し、領域DET2M(=bm+cm)に関する信号値を(b)に示している。また、この図13において横軸はスポットの光ディスクDKの半径方向の位置を示し、信号はランドトラック、グルーブトラックを繰り返し通過するためバイアスを持った正弦波状に変化する。
【0081】
今、メインビームをDET1MとDET2Mで受光した場合、トラック情報に対して解像度があるためトラックをよぎる正弦は上の波形と反射光のDC成分が加わった信号が得られる(図13参照)。このDC成分をImeanとした場合、DET1MのDC成分をImean1、DET2MのDC成分をImean2とすれば、その差分(Imean1-Imean2)がPPオフセットに相当することとなる。光ディスクDKの明暗部分に着目した場合、Imean1-Imean2=0 、すなわち、Imean1=Imean2=Imeanと表わせる。また、メイン受光部191の領域DET1M及びDET2Mで検出される信号の位相は180°異なっていることから、受光信号TEdet1及びTEdet2は、
TEdet1m=Imean+a×sinθ ・・・・・(式13)
TEdet2m=Imean-a×sinθ ・・・・・(式14)
TEsum= TEdet1m + TEdet2m=2Imean ・・・・・(式15)
TEpp=2a ・・・・・(式16)
【0082】
ディスクシステムにもより多少数値や表現は異なるがが、プッシュプルのレベルは以下の式で規定される。
0.26≦(TEpp/TEsum)≦0.52 ・・・・・(式17)
これを変形して
0.4Imean≦TEpp≦0.64Imean ・・・・・(式18)
また、
Imean=2Idark ・・・・・(式19)
なる関係が成立するため、図12の(A)は、(B)と表される。
【0083】
最も信号値が小さい場合のプッシュプル信号PPmainの波形を図14に示す。図中点線で示すオフセット量がトラックピッチの「1/10」のデトラックが生じるオフセット量である。記録済み領域X及び未記録領域Yによるディスクの明暗で生じるオフセットは許容可能であり、図12(B)に示す「45°±12°」の範囲であれば問題が生じない。
【0084】
以上説明したように、サブビームに与える非点収差の非点収差角度は、「45°±12°」の範囲内にあれば良く、厳密に「45°」に設定する必要性はない。これは、同時にディスク上スポットが厳密に最小錯乱円である必要はないことも示している。
【0085】
なお、上記実施形態及び変形例1においては、特別の効果を得るために非点収差角度を所定の角度とする構成を採用しているが、如何なる非点収差角度を採用しようとも「基本原理」の項にて説明した作用効果は得られるため、必ずしも、非点収差角度をこれらの角度とすることは必要とならない。
【0086】
(2)変形例2
上記実施形態においては、メイン信号前処理回路21から出力されるフォーカスエラー信号Sfe に基づいてフォーカス補正を行う構成を採用していた。しかし、サブ受光部192におけるサブ反射光に対応した受光信号に基づいてフォーカスエラー信号Sfesを生成するようにすることも可能である。かかる構成を採用する場合における、OEIC19と、受光信号処理部OPと、アクチュエータ駆動部ADの具体的な構成を図15に示す。
【0087】
同図に示すように、本変形例にかかる情報記録再生装置RPにおいては、サブ信号前処理回路23においてフォーカスエラー信号Sfesが生成されるようになっており、この生成されたフォーカスエラー信号Sfesがフォーカス制御回路32に供給されるようになっている。なお、この際、サブ信号前処理回路23においてフォーカスエラー信号Sfesを生成する手法については、上記実施形態においてメイン信号前処理回路21にて実行する処理と同様である(具体的には上記(式6)をサブ受光部192における受光信号に適用する)。かかる手法を採用した場合、フォーカスエラー信号Sfesにはトラック情報成分が重畳されないため、トラック横切り時に生じるトラッククロスノイズの無いフォーカス制御信号を得ることができる。
【0088】
一方、この手法を採用した場合、エラー検出レンズ18においてサブビームの非点収差角度が変化することの無いよう回折格子12においてサブビームに与える非点収差角度を略「45°」としておくことが望ましい。よって、上記実施形態と同様に回折格子12において非点収差角度が略「45°」となるように、非点収差を与えるようにすれば良い。但し、回折格子12において与える非点収差角度を上記変形例1のように略「45°」からズラした場合、この回折格子12において与えられる非点収差角度と、エラー検出レンズ18において与えられる非点収差角度と、が一致しなくなるため、エラー検出レンズ18を透過する際にサブ反射光の非点収差角度が変化してしまうという事態が発生してしまう。
【0089】
従って、変形例1のように、回折格子12において与える非点収差角度を略「45°」からズラした場合には、サブ受光部192に集光されるサブ反射光の非点収差角度が略「45°」となるように、エラー検出レンズ18の角度を調整することが必要となる点には留意が必要であるが、エラー検出レンズ18の発生する非点収差量に比べて回折格子12の発生する非点収差量を小さく設定することで、その影響を無視できる程度まで減じることができる。
【0090】
以上の構成を採用した場合に得られるフォーカスエラー信号Sfesについて図16を参照しつつ説明する。なお、図において(a)は、非点収差を与えたサブビームを光ディスクDKに照射した場合に、非点収差法により得られるフォーカスエラー信号Sfesの特性を示すグラフであり、(b)は、デフォーカスさせたサブビームを光ディスクDKに照射した場合におけるフォーカスエラー信号の特性を示すグラフである。また、同図においては、横軸をデフォーカス量とし、縦軸をフォーカスエラー信号の信号レベルとして表している。
【0091】
同図に示すように、デフォーカスさせたサブビームを光ディスクDKに照射した場合、フォーカスエラー信号が横軸方向にシフトしていることが分かる。このような特性の下では、フォーカスサーボを行う際の目標値を設定することが困難となるため、正常にフォーカス補正を行えないこととなる。これに対して、本変形例のように非点収差を与えたサブビームを用いた場合、フォーカスエラー信号を示す曲線は、シフトせず、デフォーカス量が「0」の時にフォーカスエラー信号Sfesの値も「0」になる。このため、フォーカスエラー信号Sfesの値が「0」となるようにフォーカスサーボを行えば良いこととなり、適切なフォーカス補正を行うことが可能となるのである。
【0092】
このようにして、本変形例によれば、サブ受光部192からの受光信号に基づいてトラック情報成分が重畳されていないフォーカスエラー信号Sfesを取得することが可能となり、トラック横切り時に生じるトラッククロスノイズによるフォーカス補正精度の低下を防止することが可能となる。
【0093】
(3)変形例3
次に本実施形態の変形例3について、図17を参照しつつ説明する。なお、図17は、本変形例にかかるOEIC19,受光信号処理部OP及びアクチュエータ駆動部ADの具体的な構成を示すブロック図である。
【0094】
ここで、上記実施形態においては、メイン信号前処理回路21から出力されるフォーカスエラー信号Sfeに基づいてフォーカス補正を行う構成を採用していたが、フォーカスエラー信号Sfeと、サブ反射光に対応したフォーカスエラー信号Sfesとの和に基づいてフォーカスエラー補正を行うようにしても良い。この場合、上記変形例2と同様の手法によりサブ信号前処理回路23においてフォーカスエラー信号Sfesを生成し、当該生成したフォーカスエラー信号Sfesを可変増幅器26に出力するようにする。
【0095】
また、この可変増幅器26に対してサンプル信号Ssumm及びSsumsを夫々、メイン信号前処理回路21と、サブ信号前処理回路23から供給するようにするのである。そして、可変増幅器26において、これらのサンプル信号Ssumm及びSsumsの比率に応じた増幅率にてフォーカスエラー信号Sfesを増幅し、メインビームとサブビームの回折効率分を補正したフォーカスエラー信号Sfesを加算器27に供給する。
【0096】
そして、この加算器27においてメイン信号前処理回路21から供給されるフォーカスエラー信号Sfeと、サブ信号前処理回路23から供給されるフォーカスエラー信号Sfesを加算して、フォーカス制御回路32に出力するのである。この結果、フォーカス制御回路32において、フォーカス制御が実行され、適切なフォーカスサーボが実現されることとなる。
【0097】
(4)変形例4
上記実施形態においては、一つのサブビームを用いた場合について説明したが、2つのサブビームa及びbを用いるようにしても良い。この場合、サブビームaとサブビームbの各々に対応した受光信号に基づいて2つのプッシュプル信号PPsuba及びPPsubbを生成し、当該プッシュプル信号PPsuba及びPPsubbを加算した後に、プッシュプル信号PPmainから減算するようにすれば、よりS/Nの良いトラッキングエラー信号Steを得ることが可能となる。また、フォーカスエラー信号に関しても同様に、サブビームa及びbの各々に対応した受光信号に基づいて2つのフォーカスエラー信号Sfesa及びSfesbを生成し、当該フォーカスエラー信号Sfesa及びSfesbを加算することでS/Nの良いフォーカスエラー信号を得ることが可能となる。
【0098】
この場合、上述した図10に示したように、OEIC19のサブ受光部192におけるスポットサイズは、サブビームaに対応したものが大きく、サブビームbに対応したものが小さくなる。このため、図18に示すようにサブビームaのフォーカスエラー信号Sfesaとサブビームbのフォーカスエラー信号Sfesbではキャプチャーレンジが多少異なる。しかし、ゼロクロスは一致するので両フォーカスエラー信号Sfesa及びSfesbを加算することでS/Nの良いフォーカスエラー信号を得ることが可能となる。さらに、サブビームaの第1焦線とサブビームbの第2焦線は直交する関係にある。従って、OEIC19のサブ受光部192におけるサブ反射光a及びbの光量分布は互いに反転した状態になる。この時、サブビームa及びbのプッシュプル信号PPsuba及びPPsubbは、
PPsuba=(asa+dsa)-(bsa+csa) ・・・・・(式20)
PPsubb=(asb+dsb)-(bsb+csb) ・・・・・(式21)
PPsub=PPsuba+Ppsubb ・・・・・(式22)
(但し、asa、bsa、csa、dsaは、各々、サブビームaに対応したサブ受光部の各分割領域に対応した受光信号を意味し、asb、bsb、csb、dsbは、各々、サブビームbに対応したサブ受光部の各分割領域に対応した受光信号を意味する)となり、サブビームが1つの時と比較して、トラックと焦線のなす角度に依存しないプッシュプル信号PPsubが得られる。
【0099】
このようにして、本変形例によれば、サブビームa及びbを用いることによりプッシュプル信号PPsubの信頼性を向上させることが可能となる。また、波長変化によるサブビームのディテクター上での移動も互いに相補的であるため、信頼性の高いピックアップを得ることが可能となる。
【0100】
(5)変形例5
上記実施形態においては、BDフォーマットの光ディスクDKに対して情報の記録再生を行う、所謂、1ビーム1ディスク型の情報記録再生装置RPに対して、本願の技術思想を適用した場合を例に説明を行っていた。しかし、光ディスクDKの従う記録フォーマットに関しては任意であり、例えば、CD(Compact Disc)やDVD、HD-DVD(High Definition-DVD)といった、他の記録フォーマットに従った光ディスクDKに対するデータの記録再生を行う場合についても上記実施形態と同様の構成により実現することが可能である。
【0101】
また、情報記録再生装置RPにより記録再生を行う記録フォーマット数に関しては任意であり、例えば、CD、DVD、BD、HD-DVDの4記録フォーマットに対応した光ピックアップ装置PUにおいても同様の手法によりサブビームに非点収差を与え、同様の作用効果を奏することが可能となっている。また、この場合における対物レンズ171の数に関しては任意であり、互換型の対物レンズ171を一つ用いるようにしても良いし、複数の対物レンズ171を設けるようにしても良い。
【0102】
ここで、光ピックアップ装置PUに設ける対物レンズ171が複数となった場合、図19に示すように、装置製造時の制約上、一方の対物レンズについては、光ピックアップ装置のスライダ軸(すなわち、光ディスクの半径軸に一致する軸)上に配置することができても、他方の対物レンズについてはタンジェンシャル方向(すなわち、トラック進行方向)にシフトした位置に配置せざるを得なくなってしまう可能性が高くなる。このように、対物レンズがスライダ軸からシフトした位置に配置された場合、図19に示すように対物レンズの配置位置において光ディスクの内周部から外周部にかけてトラック接線の角度がリニアに変化する。すると、光ディスクのサーチ位置の変化に伴い、サブビームがトラック法線方向に移動する現象が生じ、トラックに対するサブビームの照射位置が変化するという現象が発生する。
【0103】
かかる事象が発生した場合であっても、上記実施形態にかかる情報記録再生装置RPのようにサブビームに非点収差を与える構成の下では、サブビームの照射位置の変化による影響を受けずに正確なトラッキング補正を行えるという点において特に利点の大きなものとなっている。
【0104】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0105】
また、2005年6月23日に出願された明細書、特許請求の範囲、図面、要約を含む日本の特許出願(No. 2005-184135)の全ての開示は、その全てを参照することよって、ここに組み込まれる。

Claims (12)

  1. 光源から出射された光ビームを回折させ、メインビーム及びサブビームとして射出する回折手段と、
    記録トラックを有する光学式記録媒体に対して前記メインビーム及びサブビームを集光する集光手段と、
    前記メインビーム及びサブビームの前記光学式記録媒体における反射光を受光し、各ビームに対応した受光信号を出力する受光手段と、
    前記受光手段から出力される受光信号に基づき、前記サブビームに対応したサブプッシュプル信号を生成するプッシュプル信号生成手段と、
    を備え、
    前記回折手段は、前記サブビームに対してのみ非点収差を与える一方、
    前記集光手段は、前記非点収差の与えられたサブビームの(a)第1の焦線と、(b)これに直交する第2の焦線と、の間において前記サブビームを前記光学式記録媒体に集光させ、
    前記回折手段は、前記非点収差を与える際に、前記記録トラックに平行な軸と、前記第1の焦線とにより形成される角の角度を45°±12°の範囲内に設定することを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記集光手段は、前記第1の焦線と、前記第2の焦線と、の間において前記サブビームが最小錯乱円となる位置の近傍にて、前記光学式記録媒体に前記サブビームを集光させることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記集光手段は、前記光学式記録媒体に対して前記メインビーム及びサブビームを集光する対物レンズと、
    前記光学式記録媒体に対する前記対物レンズの配置位置を可変させる可動機構と、を少なくとも有することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記プッシュプル信号生成手段は、前記受光手段から出力される受光信号に基づき、前記メインビームに対応したメインプッシュプル信号を更に生成し、
    前記生成されたメインプッシュプル信号と、前記サブプッシュプル信号の差分信号を生成する差分信号生成手段と、
    前記生成された差分信号に基づいて前記可動機構を制御し、トラッキング補正を行うトラッキング制御手段と、を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記受光手段は、前記記録トラックに平行な軸に対応する分割線と、前記記録トラックに直行する軸に対応する分割線と、により4分割された領域により前記サブビームに対応した前記反射光を受光して当該領域毎に前記受光信号を出力し、
    前記プッシュプル信号生成手段は、前記領域毎に出力された前記受光信号に基づいて前記サブプッシュプル信号を生成することを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記サブビームに対応した前記反射光に対して非点収差を更に与える非点収差付与手段と、
    前記受光手段の前記4分割された領域毎に出力された前記受光信号に基づいてフォーカスエラー信号を生成するフォーカスエラー信号生成手段と、
    前記生成されたフォーカスエラー信号に基づいて前記可動機構を制御し、フォーカス制御を実行するフォーカス制御手段と、を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記回折手段から第1サブビームと第2サブビームの2つのサブビームが射出される場合に、
    前記プッシュプル信号生成手段は、第1及び第2サブビームの各々に対応したサブプッシュプル信号を生成し、
    前記差分信号生成手段は、前記第1及び第2サブビームの各々に対応したサブプッシュプル信号を加算し、当該加算したサブプッシュプル信号と前記メインプッシュプル信号の差分信号を生成する
    ことを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記メインビーム及びサブビームに対応した前記反射光に対して非点収差を更に与える非点収差付与手段と、
    前記非点収差の与えられた前記反射光に基づいて前記可動機構を制御し、フォーカス制御を実行するフォーカス制御手段と、を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記フォーカス制御手段は、前記メインビームの反射光に対応した受光信号に基づいて前記可動機構を制御することを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ装置。
  10. 前記フォーカス制御手段は、前記サブビームの反射光に対応した受光信号に基づいて前記可動機構を制御することを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ装置。
  11. 前記回折手段から第1サブビームと第2サブビームの2つのサブビームが射出される場合に、
    前記フォーカス制御手段は、前記第1及び第2サブビームの各々に対応した受光信号に基づいて、2つのフォーカスエラー信号を生成し、当該生成した2つのフォーカスエラー信号に基づいて前記可動機構を制御することを特徴とする請求項10に記載の光ピックアップ装置。
  12. 請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の光ピックアップ装置と、
    前記光ピックアップ装置を駆動する駆動手段と、
    前記駆動手段を制御することにより、前記光学式記録媒体に対する情報の記録及び再生を制御する制御手段と、
    前記光ピックアップ装置における受光結果に対応した信号を出力する出力手段と、
    を具備することを特徴とする情報記録再生装置。
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