JP3176285U - 扉開閉規制装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造が簡単で、安全に扉の開閉とその開閉規制を行なうことができる扉開閉規制装置を提供する。
【解決手段】制御盤本体内部に固定される取付金具5と、取付金具に回動可能に取り付けられ、外力により上方へ回動し自重により下方へ回動する回動部材42とを備える。取付金具は、回動部材42と当接することにより、回動部材の下方への回動限界を規制する下限ストッパーと、回動部材と当接することにより、回動部材の上方への回動限界を規制する上限ストッパーとを有する。回動部材42は、主扉2と当接可能な先端を有する主扉側アーム44と、副扉3と当接可能な先端を有する副扉側アーム45とを備えている。主扉側アーム44の先端に合成樹脂製の当接部48が取り付けられ、副扉側アーム45の先端に合成樹脂製の可動当接部49が回動自在に軸支される。
【選択図】図1

Description

本考案は、制御盤等の扉の開閉を規制して作業の安全性を確保するようにした扉開閉規制装置に関する。
従来、複数枚の扉を有する制御盤において、主扉を開けると自動的に制御盤内が断線状態(非活線状態)になり、制御盤内での作業を安全に行うことができるようにし、また、主扉を閉じると自動的に制御盤内が活線状態になるよう構成された制御盤が知られている。このような制御盤においては、主扉以外の扉が開いている状態で主扉を閉じても制御盤内が自動的に活線状態になるため、安全性に問題が生じる。そこで、従来から、主扉以外の扉が開いている状態では、主扉を閉じることができないようにし、安全性の確保を目的とした、下記特許文献1,2に示すような発明が提案されている。
実開平4−121306号公報 特開平6−335120号公報 特開2004−56842号公報
しかし、従来の上記のような扉開閉規制装置は、構造が複雑であり、製造コストも高くなる課題があった。そこで、本出願人は、上記特許文献3により、構造が簡単で、安価に製造可能な扉開閉規制装置を提案した。
この扉開閉規制装置は、簡単な構造を有し、主扉以外の扉が開いた状態で、主扉を閉じることができないように構成されているものの、使用者の使用状況によっては、扉の開閉を規制する金属製のアームの先端が使用者の手などに当る不具合があり、また、扉が閉じるとき、その裏面にアームが当るため、扉に傷が付くなどの課題があった。
本考案は、上述の課題を解決するものであり、構造が簡単で、安全に扉の開閉とその開閉規制を行なうことができる扉開閉規制装置を提供することを目的とする。
本考案に係る扉開閉規制装置は、観音開き式の主扉と副扉を備える制御盤の扉開閉規制装置において、
制御盤本体内部に固定される取付部材と、前記取付部材に配設され、閉状態の主扉及び副扉と平行な水平軸を回転中心として、外力により上方へ回動可能かつ自重により下方へ回動可能な回動部材とを備え、
前記取付部材は、前記回動部材と当接することにより、該回動部材の下方への回動限界を規制する下限ストッパーと、前記回動部材と当接することにより、該回動部材の上方への回動限界を規制する上限ストッパーとを有し、
前記回動部材は、前記主扉と当接可能な先端を有する主扉側アームと、前記副扉と当接可能な先端を有する副扉側アームとを備え、
前記回動部材が自重により前記下限ストッパーと当接状態にあるとき、前記主扉側アームの先端は、前記水平軸と略同じ高さ位置又は前記水平軸よりも低い位置に在り、また、前記回動部材が自重により前記下限ストッパーと当接状態にあるとき、前記副扉側アームの先端は、前記水平軸よりも高い位置に在り、
該主扉側アームの先端に合成樹脂製の当接部が取り付けられ、該副扉側アームの先端に合成樹脂製の可動当接部が回動自在に軸支されたことを特徴とする。
この考案の扉開閉規制装置によれば、副扉を開放した状態で、主扉を閉方向へ操作すると、主扉側アームの先端の当接部は主扉の裏面と当接するようになるが、この当接部の高さ位置は水平軸の高さ位置と略同じ又は低いことから、当接部は上方へ押し上げられず、回動部材は上方へ回動しないので、副扉を開けた状態で主扉を閉じることはできない。一方、主扉及び副扉が開状態のときに副扉を閉方向へ操作すると、副扉側アームの先端の可動当接部は副扉の裏面と当接し、その当接部の高さ位置は水平軸よりも高いことから、可動当接部は副扉の裏面によって押し上げられ、回動部材は上方へ回動し、回動部材の上方への回動に伴い、主扉側アームの先端の当接部は水平軸よりも高い位置に在るようになり、その後に主扉を閉方向へ操作したとき、主扉は、主扉側アームの当接部を押し上げ、閉じることができる。
このように、主扉側アームの先端に合成樹脂製の当接部が取り付けられ、副扉側アームの先端に合成樹脂製の可動当接部が回動自在に軸支されるので、扉に裏面に当接したとき、扉に傷が付かず、使用者の手などがアームに触れた場合でも、安全である。また、副扉側アーム先端の可動当接部は回動自在に軸支されるので、副扉を閉じたとき、副扉の裏面を可動当接部に押し当てながら回動させ、扉開閉規制装置の回動部材を円滑に回動させることができる。
また、請求項2に係る扉開閉規制装置は、観音開き式の主扉と副扉を備える制御盤の扉開閉規制装置において、
制御盤本体内部に固定される取付部材と、前記取付部材に配設され、閉状態の主扉及び副扉と平行な水平軸を回転中心として、外力により下方へ回動可能かつばね部材のばね力により上方へ回動可能な回動部材とを備え、
前記取付部材は、前記ばね力に抗し、前記回動部材と当接することにより、該回動部材の上方への回動限界を規制する上限ストッパーを有し、
前記回動部材は、前記主扉と当接可能な先端を有する主扉側アームと、前記副扉と当接可能な先端を有する副扉側アームとを備え、
前記回動部材が前記ばね力により前記上限ストッパーと当接状態にあるとき、前記主扉側アームの先端は、前記水平軸と略同じ高さ位置又は前記水平軸よりも高い位置に在り、また、前記回動部材がばね力により前記上限ストッパーと当接状態にあるとき、前記副扉側アームの先端は、前記水平軸よりも低い位置に在り、該主扉側アームの先端に合成樹脂製の当接部が取り付けられ、該副扉側アームの先端に合成樹脂製の可動当接部が回動自在に軸支されたことを特徴とする。
この請求項2に係る扉開閉規制装置によれば、主扉及び副扉が共に開状態のときには、回動部材はばね力により上限ストッパーと当接状態にあり、主扉側アームの先端は、水平軸と略同じ又は高い位置に在り、また、副扉側アームの先端は、水平軸よりも低い位置に在る。この状態で主扉を閉方向へ操作すると、主扉側アームの先端の当接部は主扉の裏面と当接するようになるが、この先端の高さ位置は水平軸と略同じ又は高い位置に在ることから、先端は下方へ押し下げられず、回動部材は下方へ回動しない。このため、副扉を開けた状態で主扉を閉じることはできない。一方、主扉及び副扉が開状態のときに副扉を閉方向へ操作すると、副扉側アームの先端の当接部は副扉の裏面と当接するようになる。このとき、先端の高さ位置は水平軸よりも低い位置に在ることから、先端は副扉の裏面によってばね力に抗して押し下げられ、回動部材は下方へ回動する。この回動部材の下方への回動に伴い、主扉側アームの先端の高さ位置は水平軸の高さ位置よりも下方に位置するようになり、その後に主扉を閉方向へ操作したとき、主扉は、主扉側アームの先端の当接部を押し下げ、閉じることができる。
このように、主扉側アームの先端に合成樹脂製の当接部が取り付けられ、副扉側アームの先端に合成樹脂製の可動当接部が回動自在に軸支されるので、扉に裏面に当接したとき、扉に傷が付かず、使用者の手などがアームに触れた場合でも、安全である。また、副扉側アーム先端の可動当接部は回動自在に軸支されるので、副扉を閉じたとき、副扉の裏面を可動当接部に押し当てながら回動させ、扉開閉規制装置の回動部材を円滑に回動させることができる。
また、請求項3に係る扉開閉規制装置は、観音開き式の主扉と副扉を備える制御盤の扉開閉規制装置において、
制御盤本体内部に固定される取付部材と、前記取付部材に配設され、閉状態の主扉及び副扉と平行な水平軸を回転中心として、外力により上方へ回動可能かつばね部材のばね力により下方へ回動可能な回動部材とを備え、
前記取付部材は、前記ばね力に抗し、前記回動部材と当接することにより、該回動部材の下方への回動限界を規制する下限ストッパーを有し、
前記回動部材は、前記主扉と当接可能な先端を有する主扉側アームと、前記副扉と当接可能な先端を有する副扉側アームとを備え、
前記回動部材が前記ばね力により前記下限ストッパーと当接状態にあるとき、前記主扉側アームの先端は、前記水平軸と略同じ高さ位置又は前記水平軸よりも低い位置に在り、また、前記回動部材がばね力により前記下限ストッパーと当接状態にあるとき、前記副扉側アームの先端は、前記水平軸よりも高い位置に在り、該主扉側アームの先端に合成樹脂製の当接部が取り付けられ、該副扉側アームの先端に合成樹脂製の可動当接部が回動自在に軸支されたことを特徴とする。
請求項3に係る扉開閉規制装置によれば、主扉及び副扉が共に開状態のときには、回動部材はばね力により下限ストッパーと当接状態にあり、主扉側アームの先端は、水平軸と略同じ又は低い位置に在り、また、副扉側アームの先端は、水平軸よりも高い位置に在る。この状態で主扉を閉方向へ操作すると、主扉側アームの先端の当接部は主扉の裏面と当接するようになるが、この先端の高さ位置は水平軸と略同じ又は低い位置に在ることから、先端は上方へ押し上げられず、回動部材は上方へ回動しない。このため、副扉を開けた状態で主扉を閉じることはできない。一方、主扉及び副扉が開状態のときに副扉を閉方向へ操作すると、副扉側アームの先端の当接部は副扉の裏面と当接するようになる。このとき、先端は水平軸よりも高い位置に在ることから、先端は副扉の裏面によってばね力に抗して押し下げられ、回動部材は上方へ回動する。この回動部材の上方への回動に伴い、主扉側アームの先端は水平軸よりも高い位置に在るようになり、その後に主扉を閉方向へ操作したとき、主扉は、主扉側アームの先端を押し上げ、閉じることができる。
このように、主扉側アームの先端に合成樹脂製の当接部が取り付けられ、副扉側アームの先端に合成樹脂製の可動当接部が回動自在に軸支されるので、扉に裏面に当接したとき、扉に傷が付かず、使用者の手などがアームに触れた場合でも、安全である。また、副扉側アーム先端の可動当接部は回動自在に軸支されるので、副扉を閉じたとき、副扉の裏面を可動当接部に押し当てながら回動させ、扉開閉規制装置の回動部材を円滑に回動させることができる。
この考案によれば、構造が簡単で、製造コストが安価となり、また、扉の開閉を規制する主扉側アーム及び副扉側アームの先端に合成樹脂製の当接部または可動当接部が取り付けられるので、使用者の手などが主扉側アームや副扉側アームの先端に当っても安全であり、また、扉を閉じるとき、その裏面にアームが当っても、扉に傷が付くことはない。さらに、副扉側アーム先端の可動当接部は回動自在に軸支されるので、副扉を閉じたとき、副扉の裏面を可動当接部に押し当てながら回動させ、扉開閉規制装置の回動部材を円滑に回動させることができる。
本考案の第1実施形態の扉開閉規制装置が組み込まれた制御盤の概略斜視図である。 主扉及び副扉が共に開状態のときの第1実施形態の扉開閉規制装置の斜視図である。 主扉及び副扉が共に閉状態のときの第1実施形態の扉開閉規制装置の斜視図である。 第1実施形態の扉開閉規制装置の平面図である。 (A)は、主扉及び副扉が共に開状態のときの第1実施形態の扉開閉規制装置の側面図、(B)は、主扉及び副扉が共に閉状態のときの第1実施形態の扉開閉規制装置の側面図である。 本考案の第2実施形態の扉開閉規制装置が組み込まれた制御盤の概略斜視図である。 主扉および副扉が共に開状態のときの第2実施形態の扉開閉規制装置の斜視図である。 主扉および副扉が共に閉状態のときの第2実施形態の扉開閉規制装置の斜視図である。 (A)は、主扉及び副扉が共に開状態のときの第2実施形態の扉開閉規制装置の側面図、(B)は、主扉及び副扉が共に閉状態のときの第2実施形態の扉開閉規制装置の側面図である。
以下、本考案の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図5は制御盤に装着した第1実施形態の扉開閉規制装置を示しており、制御盤は、図1に示すように、本体部1と観音開き式の主扉2及び副扉3を備えている。制御盤の内部構成については、公知のため図示をしないが、主扉2を開けると、制御盤内が断線状態(非活線状態)となり、主扉2を閉じると、制御盤内が活線状態となるよう構成されている。
本体部1の床11には、主扉2及び副扉3の開閉を規制するための扉開閉規制装置4が配設されている。この扉開閉規制装置4は、図2〜図5に示すように、本体部1の床11に、水平板部5aがねじ等で固定される断面L字状の取付金具5に取り付けられる。扉開閉規制装置4は、取付金具5の垂直板部5bにねじ等で固定される取付プレート41を有する。取付プレート41は、閉状態の主扉2及び副扉3(図3参照)と平行な垂直板部41aを備え、この垂直板部41aの前面に、水平軸の軸受部を構成する筒状部が一体に形成されている。筒状部の両側には、回動部材42の2つの筒状部42aが同一軸線上に配され、これら3つの筒状部にピン状の水平軸43が挿通されており、回動部材42は、水平軸43を支点として上下方向へ回動可能とされている。
回動部材42は、上記2つの筒状部42aが裏面に一体に形成された垂直プレート42bと、この垂直プレート42bがねじ等で固定される断面コ字状の垂直なベースプレート42cとを備える。ベースプレート42cの左右のアーム取付板部42dには、主扉側アーム44及び副扉側アーム45がねじ等で固定されている。
主扉側アーム44の先端には、合成樹脂製の当接部48が取り付けられている。当接部48は、円板状本体の前部に平坦部48aを設けた略円板形状として形成され、中心部に貫通した固定ねじにより主扉側アーム44の先端に平坦部48aを正面に向けた状態で、固定されている。一方、副扉側アーム45の先端には合成樹脂製の可動当接部49が支軸49aにより回動自在に軸支され、可動当接部49は合成樹脂により円板状に形成され、その中心部に支軸49aを貫通させて軸支される。
主扉側アーム44及び副扉側アーム45は、いずれも前方へ水平に伸び、主扉側アーム44の先端の当接部48は主扉2の裏面と、副扉側アーム45の先端の可動当接部49は副扉3の裏面とそれぞれ当接可能である。主扉側アーム44の当接部48は、水平軸43と略同じ高さ位置又は水平軸43よりも低い位置に在り(本実施形態では、水平軸43と略同じ高さ位置に在る)、また、副扉側アーム45の可動当接部49は、水平軸43よりも高い位置に在る。
さらに、主扉側アーム44の当接部48には、その前面に、平坦部48aが設けられ、この平坦部48aが主扉2の裏面に安定して当接するようになっている。一方、副扉側アーム45の先端に回動自在に軸支された円板状の可動当接部49は、副扉3を閉じたとき、副扉3の裏面を可動当接部49に押し当てながら回動させ、扉開閉規制装置4の回動部材42を円滑に回動させるようになっている。
また、取付プレート41の水平板部41cの上面には、自重により下方へ回動しようとする回動部材42のベースプレート42cと当接し、回動部材42の下方への回動限界を規制する下限ストッパー46がねじ等で固定されている。また、取付プレート41の垂直板部41aの上端41dは、回動部材42が上方へ回動する際、垂直プレート42bと当接し、回動部材42の上方への回動限界を規制する上限ストッパーを構成している。
次に、上記構成の扉開閉規制装置4の動作を説明する。主扉2及び副扉3が共に開状態のとき、扉開閉規制装置4は、図2及び図5(A)に示すような状態を保つ。この状態のとき、扉開閉規制装置4には、回動部材42に対して自重による下方への回動力が作用しているが、ベースプレート42cは下限ストッパー46と当接しており、主扉側アーム44の当接部48は、水平軸43と略同じ高さ位置(又は水平軸43よりも低い位置)に在る。
この状態で主扉2を閉方向へ操作すると、主扉側アーム44の当接部48は主扉2の裏面と当接するようになるが、この当接部48の高さ位置は水平軸43の高さ位置と略同じ又は低いことから、当接部48は上方へ押し上げられず、回動部材42は上方へ回動しない。このため、主扉2の閉操作は、主扉側アーム44によって阻止され、副扉3が開状態のときに主扉2を閉めることはできない。
一方、主扉2及び副扉3が開状態のときに副扉3を閉方向へ操作すると、副扉側アーム45の可動当接部49は副扉3の裏面と当接するようになる。このとき、可動当接部49の高さ位置は水平軸43よりも高いことから、可動当接部49は副扉3の裏面によって押し上げられ、回動部材42は上方へ回動し(逃げ)、副扉3を閉めることができる。このとき、回動自在の可動当接部49は自在に回動し、円滑に回動部材42を上方に回動させることができる。
その後、主扉2を閉めるときには、上記の如き回動部材42の上方への回動に伴い、主扉側アーム44の当接部48は水平軸43よりも高い位置に在るため、主扉2は主扉側アーム44の当接部48を押し上げ、閉じることができ、扉開閉規制装置4は、図3及び図5(B)に示すような状態となる。なお、共に閉状態の主扉2及び副扉3のいずれか一方の扉を開けると、回動部材42は自重により下方へ回動し、扉開閉規制装置4は、図2及び図5(A)に示す状態となる。
このように扉開閉規制装置は、主として簡素な構成の取付部材(取付プレート41)と回動部材42と上限、下限ストッパー46との組み合わせによるものであるため、構造が簡単で安価になる。また、主扉側アーム44及び副扉側アーム45の先端に、各々、合成樹脂製の当接部48,可動当接部49が取り付けられているので、扉の裏面に当接したとき、扉に傷が付かず、使用者の手などがアームの先端に触れた場合でも、安全となる。さらに、副扉側アーム45先端の可動当接部49は回動自在に軸支されるので、副扉3を閉じたとき、副扉3の裏面を可動当接部49に押し当てながら回動させ、扉開閉規制装置4の回動部材42を円滑に回動させることができる。
図6〜図9は第2実施形態の扉開閉規制装置4を示している。上記第1実施形態と同様な部分については、図に上記と同一の符号を付して説明する。
この扉開閉規制装置4が組み込まれる制御盤は、図6に示すように、図1に図示した制御盤と同様、本体部1と観音開き式の主扉2及び副扉3を備える。そして、上記制御盤と同様、主扉2を開けると、制御盤内が断線状態(非活線状態)となり、主扉2を閉じると、制御盤内が活線状態となるよう構成されている。本体部1の天井12には、主扉2及び副扉3の閉動作を規制する扉開閉規制装置4が取り付けられている。
この扉開閉規制装置4は、図7〜図9に示すように、本体部1の天井12に水平板部41eがねじ等で固定される断面L字状の取付プレート41を有している。取付プレート41は、閉状態の主扉2及び副扉3(図8参照)と平行な垂直板部41fを備え、この垂直板部41fの下端に、水平軸の軸受部を構成する2つの筒状部41gが一体に形成されている。
2つの筒状部41gの外側には、回動部材42の2つの筒状部42aが同一軸線上に配され、これら4つの筒状部にピン状の水平軸43が挿通されており、回動部材42は、水平軸43を支点として上下方向へ回動可能とされている。また、取付プレート41側の2つの筒状部41gの間には、水平軸43が挿通されたコイルばね47が配設されている。コイルばね47の両端は、取付プレート41の垂直板部41fと下記垂直プレート42bとに係止している。
回動部材42は、上記2つの筒状部42aが裏面に一体に形成された垂直プレート42bと、この垂直プレート42bがねじ等で固定される断面コ字状の垂直なベースプレート42cとを備える。ベースプレート42cの左右のアーム取付板部42dには、主扉側アーム44及び副扉側アーム45がねじ等で固定されている。
主扉側アーム44の先端には、合成樹脂製の当接部48が取り付けられている。当接部48は、円板状本体の前部に平坦部48aを設けた略円板形状として形成され、中心部に貫通した固定ねじにより主扉側アーム44の先端に平坦部48aを正面に向けた状態で、固定されている。一方、副扉側アーム45の先端には合成樹脂製の可動当接部49が支軸49aにより回動自在に軸支され、可動当接部49は合成樹脂により円板状に形成され、その中心部に支軸49aを貫通させて軸支される。
主扉側アーム44及び副扉側アーム45は、いずれも前方へ水平に伸び、主扉側アーム44の先端の当接部48は主扉2の裏面と、副扉側アーム45の先端の可動当接部49は副扉3の裏面とそれぞれ当接可能である。主扉側アーム44の当接部48は、水平軸43と略同じ高さ位置又は水平軸43よりも高い位置に在り(本実施形態では、水平軸43と略同じ高さ位置に在る)、また、副扉側アーム45の可動当接部49は、水平軸43よりも低い位置に在る。
また、主扉側アーム44の当接部48には、その前面に、平坦部48aが設けられ、この平坦部48aが主扉2の裏面の裏面に安定して当接するようになっている。一方、副扉側アーム45の先端に回動自在に軸支された円板状の可動当接部49は、副扉3を閉じたとき、副扉3の裏面を可動当接部49に押し当てながら回動させ、扉開閉規制装置4の回動部材42を円滑に回動させるようになっている。
次に、上記構成の扉開閉規制装置4の動作を説明する。主扉2及び副扉3が共に開状態のとき、扉開閉規制装置4は、図7及び図9(A)に示すような状態を保つ。この状態のとき、回動部材42に対してコイルばね47による上方への回動力が作用しているが、垂直板部42cは取付プレート41の垂直板部41fと当接しており、主扉側アーム44の当接部48は、水平軸43と略同じ高さ位置(又は水平軸43よりも高い位置)に在る。ここで、取付プレート41の垂直板部41fは、回動部材42の上方への回動限界を規制する上限ストッパーとして機能する。
この状態で主扉2を閉方向へ操作すると、主扉側アーム44の当接部48は主扉2の裏面と当接するようになるが、この当接部48は水平軸43の高さ位置と略同じ又は低い位置に在ることから、当接部48は下方へ押し下げられず、回動部材42は下方へ回動しない。このため、主扉2の閉操作は、主扉側アーム44によって阻止され、副扉3が開状態のときに主扉2を閉じることはできない。
一方、主扉2及び副扉3が開状態のときに副扉3を閉方向へ操作すると、副扉側アーム45の先端の可動当接部49は副扉3の裏面と当接するようになる。このとき、可動当接部49は水平軸43よりも高い位置に在ることから、コイルばね47のばね力に抗して可動当接部49は副扉3の裏面によって押し下げられ、回動部材42は下方へ回動し、副扉3を閉めることができる。このとき、回動自在の可動当接部49は自在に回動し、円滑に回動部材42を上方に回動させることができる。
その後、主扉2を閉めるときには、上記の如き回動部材42の下方への回動に伴い、主扉側アーム44の当接部48は水平軸43よりも低い位置に在るため、主扉2は、主扉側アーム44の当接部48を押し下げ、閉じることができ、扉開閉規制装置4は、図8及び図9(B)に示すような状態となる。
このように、扉開閉規制装置4は、主として簡素な構成の取付部材(取付プレート41)と回動部材42と上限ストッパー(垂直板部41f)とばね部材(コイルばね47)の組み合わせによるものであるため、構造が簡単で安価になる。また、主扉側アーム44及び副扉側アーム45の先端に合成樹脂製の当接部48、可動当接部49が取り付けられているので、扉の裏面に当接したとき、扉に傷が付かず、使用者の手などがアームの先端に触れた場合でも、安全となる。さらに、副扉側アーム45先端の可動当接部49は回動自在に軸支されるので、副扉3を閉じたとき、副扉3の裏面を可動当接部49に押し当てながら回動させ、扉開閉規制装置4の回動部材42を円滑に回動させることができる。
なお、上記扉開閉規制装置4は、第1実施形態の扉開閉規制装置4と同様、本体部1の床11に配設するようにしてもよい。
この場合の扉開閉規制装置4は、第3実施形態に係る扉開閉規制装置となり、その構成は、制御盤本体内部に固定される取付プレート41と、取付プレート41に配設され、閉状態の主扉2及び副扉3と平行な水平軸43を回転中心として、外力により上方へ回動可能かつばね部材47のばね力により下方へ回動可能な回動部材42とを備え、取付プレート41は、ばね力に抗し、回動部材42と当接することにより、回動部材42の下方への回動限界を規制する下限ストッパー(垂直板部41f)を有し、回動部材42は、主扉2と当接可能な当接部48を有する主扉側アーム44と、副扉3と当接可能な可動当接部49を有する副扉側アーム45とを備え、回動部材42がばね力により下限ストッパー41fと当接状態にあるとき、主扉側アーム44の当接部48は、水平軸43と略同じ高さ位置又は水平軸43よりも低い位置に在り、また、回動部材42がばね力により下限ストッパー41fと当接状態にあるとき、副扉側アーム45の当接部49は、水平軸43よりも高い位置に在る構成となる。
この第3実施形態の扉開閉規制装置4では、主扉2及び副扉3が共に開状態のときには、回動部材42はばね力により下限ストッパー41fと当接状態にあり、主扉側アーム44の当接部48は、水平軸43と略同じ又は低い位置に在り、また、副扉側アーム45の先端の可動当接部49は、水平軸43よりも高い位置に在る。この状態で主扉2を閉方向へ操作すると、主扉側アーム44の先端の当接部48は主扉2の裏面と当接するようになるが、この当接部48の高さ位置は水平軸43と略同じ又は低い位置に在ることから、当接部48は上方へ押し上げられず、回動部材42は上方へ回動しない。このため、副扉3を開けた状態で主扉2を閉じることはできない。
一方、主扉2及び副扉3が開状態のときに副扉3を閉方向へ操作すると、副扉側アーム45の先端の可動当接部49は副扉3の裏面と当接するようになる。このとき、可動当接部49は水平軸43よりも高い位置に在ることから、可動当接部49は副扉3の裏面によってばね力に抗して押し下げられ、回動部材42は上方へ回動する。この回動部材42の上方への回動に伴い、主扉側アーム44の当接部48は水平軸43よりも高い位置に在るようになり、その後に主扉2を閉方向へ操作したとき、主扉2は、主扉側アーム44の当接部48を押し上げ、閉じることができる。
このように第3実施形態の扉開閉規制装置4は、主として簡素な構成の取付プレート41と回動部材42と下限ストッパー41fとばね部材47の組み合わせによるものであるため、構造が簡単で安価になる。また、主扉側アーム44及び副扉側アーム45の先端に合成樹脂製の当接部48,可動当接部49が取り付けられているので、扉の裏面に当接したとき、扉に傷が付かず、使用者の手などがアームの先端に触れた場合でも、安全となる。
1 本体部
2 主扉
3 副扉
4 扉開閉規制装置
5 取付金具
5a 水平板部
5b 垂直板部
11 床
12 天井
41 取付プレート
41a 垂直板部
41c 水平板部
41d 上端
41e 水平板部
41f 垂直板部(上限ストッパー,下限ストッパー)
41g 筒状部
42 回動部材
42a 筒状部
42b 垂直プレート
42c ベースプレート
42d アーム取付板部
43 水平軸
44 主扉側アーム
45 副扉側アーム
46 下限ストッパー
47 ばね部材
48 当接部
48a 平坦部
49 可動当接部

Claims (3)

  1. 観音開き式の主扉と副扉を備える制御盤の扉開閉規制装置において、
    制御盤本体内部に固定される取付部材と、前記取付部材に配設され、閉状態の主扉及び副扉と平行な水平軸を回転中心として、外力により上方へ回動可能かつ自重により下方へ回動可能な回動部材とを備え、
    前記取付部材は、前記回動部材と当接することにより、該回動部材の下方への回動限界を規制する下限ストッパーと、前記回動部材と当接することにより、該回動部材の上方への回動限界を規制する上限ストッパーとを有し、
    前記回動部材は、前記主扉と当接可能な先端を有する主扉側アームと、前記副扉と当接可能な先端を有する副扉側アームとを備え、
    前記回動部材が自重により前記下限ストッパーと当接状態にあるとき、前記主扉側アームの先端は、前記水平軸と略同じ高さ位置又は前記水平軸よりも低い位置に在り、また、前記回動部材が自重により前記下限ストッパーと当接状態にあるとき、前記副扉側アームの先端は、前記水平軸よりも高い位置に在り、
    該主扉側アームの先端に合成樹脂製の当接部が取り付けられ、該副扉側アームの先端に合成樹脂製の可動当接部が回動自在に軸支されたことを特徴とする扉開閉規制装置。
  2. 観音開き式の主扉と副扉を備える制御盤の扉開閉規制装置において、
    制御盤本体内部に固定される取付部材と、前記取付部材に配設され、閉状態の主扉及び副扉と平行な水平軸を回転中心として、外力により下方へ回動可能かつばね部材のばね力により上方へ回動可能な回動部材とを備え、
    前記取付部材は、前記ばね力に抗し、前記回動部材と当接することにより、該回動部材の上方への回動限界を規制する上限ストッパーを有し、
    前記回動部材は、前記主扉と当接可能な先端を有する主扉側アームと、前記副扉と当接可能な先端を有する副扉側アームとを備え、
    前記回動部材が前記ばね力により前記上限ストッパーと当接状態にあるとき、前記主扉側アームの先端は、前記水平軸と略同じ高さ位置又は前記水平軸よりも高い位置に在り、また、前記回動部材がばね力により前記上限ストッパーと当接状態にあるとき、前記副扉側アームの先端は、前記水平軸よりも低い位置に在り、
    該主扉側アームの先端に合成樹脂製の当接部が取り付けられ、該副扉側アームの先端に合成樹脂製の可動当接部が回動自在に軸支されたことを特徴とする扉開閉規制装置。
  3. 観音開き式の主扉と副扉を備える制御盤の扉開閉規制装置において、
    制御盤本体内部に固定される取付部材と、前記取付部材に配設され、閉状態の主扉及び副扉と平行な水平軸を回転中心として、外力により上方へ回動可能かつばね部材のばね力により下方へ回動可能な回動部材とを備え、
    前記取付部材は、前記ばね力に抗し、前記回動部材と当接することにより、該回動部材の下方への回動限界を規制する下限ストッパーを有し、
    前記回動部材は、前記主扉と当接可能な先端を有する主扉側アームと、前記副扉と当接可能な先端を有する副扉側アームとを備え、
    前記回動部材が前記ばね力により前記下限ストッパーと当接状態にあるとき、前記主扉側アームの先端は、前記水平軸と略同じ高さ位置又は前記水平軸よりも低い位置に在り、また、前記回動部材がばね力により前記下限ストッパーと当接状態にあるとき、前記副扉側アームの先端は、前記水平軸よりも高い位置に在り、
    該主扉側アームの先端に合成樹脂製の当接部が取り付けられ、該副扉側アームの先端に合成樹脂製の可動当接部が回動自在に軸支されたことを特徴とする扉開閉規制装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109859603A (zh) * 2019-04-15 2019-06-07 中国人民武装警察部队海警学院 家庭物联网安全装置演示仪

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