JP3175846B2 - 希薄イオン溶液の濃度測定方法 - Google Patents

希薄イオン溶液の濃度測定方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超純水の様な希薄イオ
ン溶液からイオンを高効率で補足濃縮することにより、
溶液中のイオン濃度を極めて効率良く測定する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、水中のイオン濃度を測定する場
合、その濃度が測定器の検出限界以下の低濃度になる
と、クリンルーム内での特殊な装置による蒸発などの濃
縮操作が必要になってくる。ところが、その濃度が低濃
度になればなるほど、所要の濃縮倍率を増やさなければ
ならず、操作が煩雑になり、且つ不純物混入等の測定誤
差も増大し、実際的には100倍濃縮程度が限界とされ
ている。
【0003】また、カチオン、アニオン又は、キレート
交換機能を有するイオン交換樹脂で濃縮を考えた場合、
低濃度のイオンを吸着するのは困難であり、且つ、イオ
ンの脱着をするためにカラム内の樹脂が完全に再生され
るまで再生液を流すと、そのカラムの構造からくる制限
のために、莫大な再生液を必要とし、濃縮操作にならな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低濃度イオ
ン溶液のイオン濃度を濃縮して、そのイオン濃度を測定
することにより、元の溶液のイオン濃度を極めて効率良
く正確に検出することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究した結果、水中のイオンを
濃縮する工程において、希薄イオン溶液をカチオン、ア
ニオン又はキレート交換機能性を有する多孔性膜のいず
れか一つ又は複数で濾過処理し、吸着イオンを再生液で
脱着することにより達成されることを見出し、本発明を
完成するに到った。
【0006】すなわち、本発明は希薄イオン溶液を、カ
チオン、アニオン又は、キレート交換機能性を有する多
孔性膜のいずれか一つ又は複数で濾過処理し、多孔性膜
に吸着されたイオンを再生液で脱着濃縮し、そのイオン
濃度を検出することにより、上記の希薄イオン溶液のイ
オン濃度を測定する事を特徴とする希薄イオン溶液濃度
測定方法である。
【0007】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
に使用される膜の材質としては、現在市販されている材
質の殆どが使用できるが、例えばセルロース(ジ又はト
リ)アセテート、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン、又はエチレン−4フッ化エチレン共重合
体等のポリオレフィンとハロゲン化オレフィンの共重合
体が挙げられる。多孔性膜の構造は、平膜状(プリー
ツ、スパイラル状)、チューブ状、中空糸状等が使用さ
れるが、特に中空糸状が好ましい。
【0008】本発明に使用される多孔性膜は、好ましく
はその材質がポリオレフィン、ポリオレフィンとハロゲ
ン化オレフィンの共重合体、ポリフッ化ビニリデン又は
ポリスルホンであり、膜の内外表面部及び孔の表面部の
少なくとも一部分に、カチオン、アニオン又は、キレー
ト交換機能を有する官能基が化学的に結合した多孔性膜
を用いるのがよく、前記官能基の多孔性膜への結合は、
直接でも良く、また官能基を含有する重合体が結合され
ている場合でも良い。
【0009】さらに好ましくは多孔性膜の膜の材質がポ
リオレフィンであり、且つ膜構造が三次元網目構造をな
し、膜の内外表面部及び孔の表面部の少なくとも一部分
又は全面にわたって、カチオン、アニオン又は、キレー
ト交換機能を有する官能基、又は、官能基を有する重合
体が化学的に結合している中空糸状多孔性膜を用いて処
理するのが良い。
【0010】本発明において、濃縮するイオン種として
は、例えば、Li,Na,K等のアルカリ金属、Be,
Mg,Ca等のアルカリ土類金属、Fe,Co,Ni,
Cu等の遷移金属、B,Al,In等の IIIb族、C
l,Br,I等のハロゲン、有機カルボン酸,有機スル
ホン酸,酸性、塩基性染料等の水溶性有機化合物等が挙
げられる。
【0011】また、本発明において、使用される水中イ
オン濃度測定器は、例えば、原子吸光光度計、プラズマ
発光分光分析装置(ICP)、プラズマ質量分析装置
(ICP−MS)、イオンクロマト分析装置、分光光度
計等である。本発明において、多孔性膜に結合するカチ
オン交換機能を有する官能基としては、例えば、スルホ
ン酸基、カルボン酸基、リン酸基のH+ タイプ又は金属
塩タイプが挙げられる。また、アニオン交換機能を有す
る官能基としては、例えば、4級アンモニウム基、1級
アミン、2級アミン、3級アミン及びその塩が挙げられ
る。キレート交換機能を有する官能基としては、例え
ば、イミノジ酢酸基等のH+ タイプ又は金属塩タイプが
挙げられる。
【0012】これらの官能基は膜1g当たり0.1ミリ
当量〜5ミリ当量含有されていることが好ましい。この
範囲より小さい場合は膜の金属イオン吸着能力の低下を
招き、また、この範囲を越えると膜のほかの性質、例え
ば機械的性質等の低下を招く。多孔性膜の平均孔径は
0.01μm〜5μmの範囲が好ましい。この範囲より
小さい場合は透水能力が実用性能上充分ではなく、濃縮
にかかる時間が膨大になり、またこれより大きいとイオ
ンの吸着性能の点で問題となる。
【0013】平均孔径の測定には多くの方法があるが、
本発明においては、ASTM F316−70に記載さ
れている、通常エアーフロー法と呼ばれる空気圧を変え
た場合の乾燥膜と湿潤膜の空気透過流速から測定する方
法に準拠する。多孔性膜の空孔率は20%〜80%の範
囲にあるものが好ましい。ここで、空孔率とは、予め膜
を水等の液体に浸漬し、その後乾燥させて、その前後の
重量変化から測定したものである。空孔率が上記範囲以
外においては、それぞれ透過速度、機械的性質の点で好
ましくない。
【0014】多孔性膜の膜厚は、10μm〜5mmの範
囲が好ましい。この範囲より小さい場合は膜の機械的強
度上問題が生じ、またこの範囲を越えると透水能力が実
用上充分ではない。多孔性膜の孔構造は、成形加工法に
よって、種々形成できる。例えば、ポリスルホンは溶剤
等を用いて混合溶媒とした後、中空糸状にノズルから吐
出し、凝固剤等で成形するいわゆる湿式法等を採用する
ことにより三次元網目構造膜とすることができる。ポリ
オレフィンの場合はいわゆる延伸法や、電子線照射後化
学処理により作られる、いわゆるエッチング放射線等に
より多孔膜とすることが可能であるが、孔構造としては
延伸法やエッチング放射線などにより得られたフィンガ
ーストラクチャー状や直孔貫通型の孔構造よりも、例え
ば特公昭59−37292号公報、特公昭40−957
号公報及び特公昭47−17460号公報に開示された
ミクロ相分離法や混合抽出法などにより成形される三次
元網目構造を有するものが実用性能上好ましい。しか
し、この方法に限定されるものではない。特に、特開昭
55−131028号公報に開示された構造を有する多
孔性膜を用いることにより、従来技術では得られない優
れた吸着性能を達成することができる。
【0015】膜を構成する重合体の側鎖にカチオン交換
機能を有する官能基を導入する方法としては、例えば、
特開平3−68425号公報に示された様に、非反応性
の溶媒中又は硫酸中で無水硫酸と反応させるか、ガス状
で無水硫酸を反応させる方法がとられる。また、多孔性
膜に電離性放射線を照射した後、スチレンをグラフトさ
せ、その後前記のスルホン化を行う方法でも良い。
【0016】また、カルボン酸基を導入する場合は、例
えば、予め電子線等で膜を照射後、アクリル酸をグラフ
トさせる方法がとられる。膜を構成する重合体の側鎖に
アニオン基を有する官能基を導入する方法としては、例
えば、特開平3−68425号公報に開示された様に、
多孔性膜に電離性放射線を照射させた後、グリシジルメ
タクリレートをグラフトさせ、有機アミンを付加させた
り、又は、有機アミンを直接付加させる方法がとられ
る。
【0017】膜を構成する重合体の側鎖にキレート基を
有する官能基を導入する方法として、例えば、ポリエチ
レンの側鎖にイミノジ酢酸基を導入する方法として、特
開平3−94883号公報に示される様に、ポリエチレ
ン膜を電子線等で放射した後、クロロメチルスチレンを
グラフトさせ、その後イミノジ酢酸基を導入させる方
法、また、あらかじめポリエチレン膜に電子線等を照射
後、グリシジルメタクリレートをグラフト反応させ、そ
の後イミノジ酢酸を反応させる方法等がとられる。
【0018】前記官能基を、多孔性膜を構成する重合体
の側鎖へ導入するには、膜に成形する前に導入すること
もできるが、膜に成形した後、膜の内外面及び孔の表面
部の少なくとも一部分に、化学的に付加結合させる方法
が好ましい。官能基は出来るだけ均一に、膜の各表面に
結合させるのが望ましいが、膜の孔の表面に優先的に結
合させた方が良い場合もある。
【0019】本発明における官能基の量は、多孔性膜1
g当たりのミリ当量を指すが、ここで膜1gとは、膜全
部の重量を基準にした値のことで在り、例えば、膜表面
の一部、又は内部の一部だけを取り出した重量のことで
はない。膜の優れた機械的性質を保持したまま官能基を
結合させるには、出来るだけ膜の孔の表面に均一に、よ
り優先的に官能基を存在させた方が好ましいので、当然
部分的な不均質性は許容される。従って、ここで言う膜
1gと言う意味は、膜の全面にわたって平等に加味測定
された値を示したおり、極く微視的な観点での重量を意
味していない。
【0020】本発明におけるカチオン、アニオン及びキ
レート基を有する多孔性膜の役割は非常に重要である。
すなわち、前記、官能基を結合した側鎖を有する多孔性
膜を用いる場合は、イオン交換樹脂を用いる場合に比べ
て、低濃度のイオンまで吸着する優れたイオン吸着特性
が得られると共に、使用膜量も少なくてすみ何よりも再
生液量が画期的に少なくてすみ、かつ完全にイオンが脱
着される。この事は、液の濃縮効率を大きくする上で、
極めて大きな利点であり、低濃度のイオンを完全に吸着
し、且つ、少量の脱着液で脱着し、高濃度に濃縮しなけ
ればならない低イオン濃度検出器用検体濃縮器に効果的
に使うことができる。
【0021】また、膜の場合、スケールアップが容易
で、イオン濃度検出器の濃縮器の様なスモールスケール
から、工業用のプラントスケールの濃縮器まで対応でき
る。さらに、極低濃度のイオンを効率良く吸着する特性
を生かし、半導体分野における超純水製造装置に、これ
らのイオン吸着多孔膜を導入することにより、各種イオ
ン濃度の低減化を図ることが可能であり、より高純度な
超純水を得ることができる。特に半導体製造上問題とな
る、重金属イオンの低減化には、キレート型イオン交換
膜の導入が有効である。
【0022】以下に本発明を実施例によって説明する
が、それらは本発明を限定するものではない。
【0023】
【実施例】
【0024】
【参考例】カチオン交換膜の調製 微粉硅酸〔日本アエロジル(株)製、商品名、アエロジ
ルR−972〕22.1重量部、ジブチルフタレート
(DBP)55重量部、ポリエチレン樹脂粉末〔旭化成
工業(株)製、商品名、SH−800グレード〕23重
量部の組成物を予備混合した後、30ミリ2軸押出し機
で内径2ミリ、厚み0.5ミリの中空糸状に押し出した
後、1,1,1−トリクロロエタン中に60分間浸漬
し、DBPを抽出した。更に温度60℃の苛性ソーダ4
0%水溶液中に約20分浸漬して微粉硅酸を抽出した
後、水洗、乾燥した〔以後多孔性膜(A)という〕。
【0025】得られた多孔膜に、N2 雰囲気下でγ線を
100KGy照射後、スチレン(ジビニルベンゼンを含
む)を気相中で、70%グラフト重合させて洗浄乾燥
後、エチレンジクロロエタン(EDC)中でSO3 を用
いてスルホン化し、平均孔径0.25μm、空孔率62
%、スルホン基1.2ミリ当量/1g膜、の膜を得た。
ここで、得られた膜のグラフト率、スルホン基の定量は
以下によった。 ・グラフト率の定義 グラフト率(%)=〔グラフト重合膜の重量(g)−未
反応膜の重量(g)〕/未反応膜の重量(g) ・スルホン基の定量 スルホン化多孔性膜を1NのHClaq.に浸漬し、H
型とした後、水洗し、次に1NのCaCl2 aq.へ浸
漬し、遊離したHClを0.1NのNaOHaq.を用
い、フェノールフタレインを指示薬として滴定した。
【0026】アニオン交換膜の調製 官能基を付与していない未処理膜としては、前記多孔性
膜(A)を使用した。得られた多孔膜(A)に、N2
囲気下でγ線を100KGy照射後、グリシジルメタア
クリレートを気相中で、約100%グラフト重合させて
洗浄乾燥後、HN(CH3 2 を単独で80℃で24時
間反応させた。その後、エチレンクロロヒドリンでさら
に、80℃で4時間反応させて多孔性膜(B)を得た。
得られたアニオン交換基の総イオン交換容量は、0.5
0ミリ当量/gポリマーであった。なお、アニオン交換
容量の測定方法は、清水博「イオン交換樹脂」共立出版
(株)P.89による測定方法に従った。 キレート交換膜の調製 官能基を付与していない未処理膜としては、前記多孔性
膜(A)を使用した。得られた多孔膜(A)に、N2
囲気下でγ線を100KGy照射後、グリシジルメタア
クリレートを気相中で、約100%グラフト重合させて
洗浄乾燥後、炭酸ナトリウムで、pHを12に調整した
イミノジ酢酸ナトリウムの0.4mol/l水溶液中
に、このグラフト膜を浸漬して80℃で24時間反応さ
せ、イミノジ酢酸基が膜1g当たり1.7ミリモル
(3.4ミリ当量)のキレート交換膜を得た。なお、イ
ミノジ酢酸基の定量は重量法と金属吸着平衡法の2つか
ら計算した。
【0027】
【実施例1〜3及び比較例1〜3】実施例1〜3として
下記表1に示したイオン交換膜モジュールを用い、比較
例1〜3として下記表2に示したイオン交換樹脂カラム
を用いて、希薄イオン溶液の濃度測定を行った。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】使用した透水液組織及び透水条件は以下の
とおりである。 ・透水液組成及び透水条件 実施例1及び比較例1 透水液:組成 Feイオン,100ppb,8.0リッ
トル 透水速度 10ml/min 脱着液:組成 2N H2 SO4 ,5ml 透水速度 1ml/min 実施例2及び比較例2 透水液:組成 Clイオン,100ppb,8.0リッ
トル 透水速度 10ml/min 脱着液:組成 1N NaOH,5ml 透水速度 1ml/min 実施例3及び比較例3 透水液:組成 Niイオン,100ppb,8.0リッ
トル 透水速度 10ml/min 脱着液:組成 2N H2 SO4 ,5ml 透水速度 1ml/min 実施例1〜3及び比較例1〜3の希薄イオン溶液濃度測
定方法を以下に述べ、それらの結果を表3に示す。
【0031】・実施例1及び比較例1 カチオン交換樹脂5mlをカラムにしたものと、外径
3.5mm、内径2.5mmの中空糸状のカチオン交換
膜5cm1本をモジュールにしたものに、透水速度10
ml/minで、100ppb Feイオン溶液を全濾
過方式で、8.0リットル透水濾過した。そのFeイオ
ンの吸着したカトオン交換樹脂5mlのカラムに、Fe
イオンの脱着液として、2N H2 SO4 5mlを透水
速度 1ml/minで透水したところ、カチオン交換
樹脂から脱着された液のFeイオン濃度は40.3pp
mであった。その値から計算した原液(透水液)の濃度
は、25.2ppbであり、原液の濃度を特定すること
はできなかった。また、カチオン交換膜5cm1本モジ
ュールに、同様にFeイオンの脱着液として、2NH2
SO4 5mlを透水速度 1ml/minで透水したと
ころ、カチオン交換膜から脱着された液のFeイオン濃
度は159.0ppmであった。その値から計算した原
液(透水液)の濃度は、99.4ppmであり、1%以
下の誤差で原液の濃度を、検出することができた。
【0032】ただし、透水液は、Feイオンをクリーン
ベンチ内で、超純水を用いて調製したものを、原子吸光
光度計により濃度を測定したものを用いた。また、脱着
液のFeイオン濃度も、超純水を用いて、検出範囲に入
る適当な濃度に脱着液を希釈した後、同様に原子吸光光
度計により測定した。
【0033】・実施例2及び比較例2 アニオン交換樹脂5mlをカラムにしたものと、外径
3.5mm、内計2.5mmの中空糸状のアニオン交換
膜5cm1本をモジュールにしたものに、透水速度10
ml/minで、100ppb Clイオン溶液を全濾
過方式で、8.0リットル透水濾過した。そのClイオ
ンの吸着したアニオン交換樹脂5mlのカラムに、Cl
イオンの脱着液として、1N NaCl 5mlを透水
速度 1ml/minで透水したところ、アニオン交換
樹脂から脱着された液のClイオン濃度は24.7pp
mであった。その値から計算した原液(透水液)の濃度
は、15.4ppbであり、原液の濃度を特定すること
はできなかった。また、アニオン交換膜5cm1本モジ
ュールに、同様にClイオンの脱着液として、1NNa
Cl 5mlを透水速度 1ml/minで透水したと
ころ、アニオン交換膜から脱着された液のClイオン濃
度は158.7ppmであった。その値から計算した原
液(透水液)の濃度は、99.2ppbであり、1%以
下の誤差で原液の濃度を、検出することができた。ただ
し、透水液は、Clイオンをクリーンベンチ内で、超純
水を用いて調製したものを、イオンクロマトにより濃度
を測定したものを用いた。また、脱着液のClイオン濃
度も、超純水を用いて、検出範囲に入る適当な濃度に脱
着液を希釈した後、同様にイオンクロマトにより測定し
た。
【0034】・実施例3及び比較例3 キレート交換樹脂5mlをカラムにしたものと、外径
3.5ml、内径2.5mlの中空糸状のキレート交換
膜5cm1本をモジュールにしたものに、透水速度10
ml/minで、100ppb Niイオン溶液を全濾
過方式で、8.0リットル透水濾過した。そのNiイオ
ンの吸着したキレート交換樹脂5mlのカラムに、Ni
イオンの脱着液として、2N H2 SO4 5mlを透水
速度 1ml/minで透水したところ、キレート交換
樹脂から脱着された液のNiイオン濃度は15.8pp
mであった。その値から計算した原液(透水液)の濃度
は、9.9ppbであり、原液の濃度を特定することは
できなかった。また、キレート交換膜5cm1本モジュ
ールに、同様にNiイオンの脱着液として、2N H 2
SO4 5mlを透水速度 1ml/minで透水したと
ころ、キレート交換膜から脱着された液のNiイオン濃
度は159.3ppmであった。その値から計算した原
液(透水液)の濃度は、99.6ppbであり、1%以
下の誤差で原液の濃度を、検出することができた。
【0035】ただし、透水液は、Niイオンをクリーン
ベンチ内で、超純水を用いて調製したものを、原子吸光
光度計により濃度を測定したものを用いた。また、脱着
液のNiイオン濃度も、超純水を用いて、検出範囲に入
る適当な濃度に脱着液を希釈した後、同様に原子吸光光
度計により測定した。
【0036】
【表3】
【0037】ここで言う濃縮倍率とは、下記の式により
定義されたものである。 濃縮倍率=脱着液5ml中のイオン濃度/原液イオン濃
【0038】
【発明の効果】本発明の方法は、水中金属イオンを効率
的に濃縮することができるので、水中金属イオン濃度測
定器の検体、特に濃度が低い検体を濃縮し、その濃度を
効率的に測定するのに好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 30/96 B01J 47/12 G01N 1/10 G01N 30/08 G01N 21/25

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶液中の総イオン濃度が100ppb以
    下の希薄イオン溶液を、カチオン、アニオンまたはキレ
    ート交換機能性基を有するグラフト高分子鎖を固定し
    た、多孔性膜のいずれか一つまたは複数で濾過処理し、
    多孔性膜に吸着されたイオンを再生液で脱着濃縮し、そ
    のイオン濃度を検出することにより、上記希薄イオン溶
    液のイオン濃度を測定することを特徴とする、希薄イオ
    ン溶液濃度測定方法。
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