JP3175253B2 - 単環式含窒素複素環化合物をゲストとする新規包接化合物 - Google Patents
単環式含窒素複素環化合物をゲストとする新規包接化合物Info
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Description
合物をゲスト化合物とする新規包接化合物に係る。この
ような包接化合物は、他の化合物には見られない特異な
性質から、選択分離、化学的安定化、不揮発化、粉末化
などの技術分野における利用が期待されている。
できた三次元構造の空洞内にゲスト分子が入り込んだ構
造を有する化合物であり、該化合物としてサイクロデキ
ストリンをホスト化合物として得られる包接化合物等が
知られている。また、その他の包摂化合物の例として
は、特開平2ー178243、特開平3ー232861
号報等に記載のものが知られている。しかしながら、テ
トラキス(ヒドロキシフェニル)エタンをホスト化合物
とする包接化合物はいまだ知られていない。
化合物を提供し、更に従来の包接化合物における特性上
の諸問題点、 1)ホスト分子の分子量が大きいことから、ゲスト分子
の包接効率が低い。 2)ホスト分子が形成する空洞の大きさが限定されてい
るため、ゲスト分子の大きさが制限される。 などを解決し、容易に、かつ効率的に得られる包接化合
物を提供することを目的する。
を達成すべく鋭意研究した結果、特定のテトラキス(ヒ
ドロキシフェニル)エタン類のホスト化合物を、ゲスト
となる単環式含窒素複素環化合物の含有溶液中もしくは
無溶媒で反応させることにより、新規な包接化合物が極
めて効率的に生成することを見出し、本発明を完成し
た。本発明は、下記の化学式〔1〕で示されるテトラキ
ス(ヒドロキシフェニル)エタンをホスト化合物とし、
単環式含窒素複素環化合物をゲスト化合物としてなる包
接化合物である。
ドロキシフェニル)エタンのホスト化合物としては、化
学式〔1〕で表される化合物を挙げることができる。
トラキス(p−ヒドロキシフェニル)エタン(以下、
「TEP−DF」と略記する。)及び、1,1,2,2
−テトラキス(m−ヒドロキシフェニル)エタン等が挙
げられる。この中でTEP−DFをホスト化合物とする
ものは、得られる包接化合物が常温で固体であり、取り
扱いが容易なことから好んで用いられる。
スト有機化合物は、前記テトラキス(ヒドロキシフェニ
ル)エタンをホスト化合物とし、包接化合物を形成し得
る単環式含窒素複素環化合物である。具体的な例として
は、ピリジン、ピロール、イミダゾール、ピラジン、ピ
ラゾール、1,2,4−トリアゾール、チアゾール、ピ
ロリジン、イミダゾリン、ピロリン、オキサゾール、ピ
ペリジン、ピリミジン、トリアジン等を例示することが
できる。
素複素環化合物もしくは単環式含窒素複素環化合物を含
有する溶液とホスト化合物であるTEP−DFとを、常
温〜100℃で、数分間〜数時間攪拌して反応させるこ
とにより、これらのゲスト化合物である単環式含窒素複
素環化合物がホスト化合物に容易に、かつ、効率よく包
接化するものである。また、ホスト化合物が常温で液体
の場合には、ホスト化合物を溶解するための有機溶媒等
を使用しなくても包接化合物の製造が可能である。
で加熱すると容易にゲスト化合物を放出すること、更に
ホスト化合物は水を包接しないことにより、その性質を
利用して水とこれらゲスト化合物の混合物からの分離回
収に利用することができる。
説明する。ただし、本発明はこれの実施例により何等制
限されるものではない。
DF(旭有機材工業製)1.0 g (2.51 mmol) を加え、T
EP−DFが完全に溶解するまで加温しながら攪拌し
た。これに、対応するゲスト化合物であるピリジン(又
はピロール)5mlを徐々に滴下し、60℃で10分間攪拌し
がら反応させた後、直ちに濾過し、この濾液を室温で放
置して結晶を析出させた。この析出物を濾別後、室温に
て真空乾燥を行い、本発明である試料A−1又はA−2
の白色粉末を得た。収率は、ホスト換算でA−1:84
%、A−2:70%であった。
にTEP−DF 1.0 g (2.51 mmol)を加え、TEP−D
Fが完全に溶解するまで加温しながら攪拌した。これに
ゲスト化合物のピロール5mlを徐々に滴下し、80℃で30
分間攪拌しながら反応させた後、直ちに瀘過し、この濾
液を室温で放置して結晶を析出させた。この析出物を濾
別後、室温にて真空乾燥を行い、本発明である試料A−
3の白色粉末を得た。収率は、ホスト換算で68%であ
った。
中にTEP−DF 1.0 g (2.51 mmol)を加え、TEP−
DFが完全に溶解するまで加温しながら攪拌した。これ
に対応するゲスト化合物(ピラジン、ピラゾール、イミ
ダゾール、1,2,4 −トリアゾール)10.04 mmolを添加
し、60℃で20分間攪拌しながら反応させた後、直ちに濾
過し、この濾液を室温で放置して結晶を析出させた。こ
の析出物を濾別後、室温にて真空乾燥を行い、本発明で
ある試料A−4〜A−7の白色粉末を得た。収率は、ホ
スト換算でA−4:82%、A−5:85%、A−6:
73%、A−7:95%あった。
ール)ゲスト化合物5ml中にTEP−DF 1.0 g (2.51
mmol)を加え、室温にて攪拌してゲル状懸濁液が得られ
た。この懸濁液から懸濁物を濾別後、室温にて真空乾燥
を行い、本発明である試料A−8、A−9の白色粉末を
得た。収率は、ホスト換算でA−8:100 %、A−9:
100 %であった。各試料の製造条件、得られた包接化合
物のゲスト/ホスト mol比及びゲストの再放出温度を表
1に示した。
は、IRスペクトル、13C−CP/MAS−NMRスペ
クトル、X線回折、DTA,HPLC及びTLC上の挙
動より、包接体であることが確認された。例えば、添付
した本発明の包接化合物A−1のIRスペクトル図1に
おいて、包接化に伴うヒドロキシ基吸収が3622cm
-1付近並びに3014cm-1付近に観察され、包接化合
物A−2のIRスペクトル図2においても同様に、包接
化に伴うヒドロキシ基吸収が3547cm-1に観察され
る。更に、図4及び図5に示すX線回折図から、試料A
−1及びA−2は結晶性物質であることがわかる。また
更に、図7及び図8に示すTG/DTAチャートから、
本発明の包接化合物A−1はピリジン/TEP−DF=
1/3.9(モル比)の包接化合物であり、A−2はピ
ロール/TEP−DF=1/2.0(モル比)の包接化
合物であるこが確認できる。
ニル)エタン類をホスト化合物とし、含窒素複素単環式
化合物をゲスト化合物とした新規な包接化合物であり、
幅広い範囲の含窒素複素単環式化合物を包接化し、極め
て容易に、かつ効率的にに得ることができる。該包接化
合物は、次のような特徴を有している。 1)種々含窒素複素単環式化合物をゲスト化合物とした
包接体が極めて容易に効率良く得られる。 2)ゲスト分子として取り込んだ化合物を、加熱により
簡単に分離回収することができる。 3)包接体は常温で固体であるため、打錠成型も可能で
あり極めて取扱いが容易である。
す。
す。
トル図を示す。
を示す。
を示す。
を示す。
Aチャートを示す。
Claims (1)
- 【請求項1】化学式〔1〕 【化1】 で示されるテトラキス(ヒドロキシフェニル)エタンを
ホスト化合物とし、単環式含窒素複素環化合物(但し、
5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ンを除く)をゲスト化合物とする包接化方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35393091A JP3175253B2 (ja) | 1991-12-19 | 1991-12-19 | 単環式含窒素複素環化合物をゲストとする新規包接化合物 |
PCT/JP1992/001620 WO1993012060A1 (en) | 1991-12-12 | 1992-12-11 | Novel inclusion compound comprising tetrakisphenol as host |
EP92924909A EP0589044B1 (en) | 1991-12-12 | 1992-12-11 | Novel inclusion compound comprising tetrakisphenol as host |
DE69214814T DE69214814T2 (de) | 1991-12-12 | 1992-12-11 | Neue einschlussverbindungen welche tetrakisphenol als wirt beinhalten |
KR1019930702410A KR960004883B1 (ko) | 1991-12-12 | 1992-12-11 | 호스트로서 테트라키스페놀류를 포함하는 신규 포접 화합물 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35393091A JP3175253B2 (ja) | 1991-12-19 | 1991-12-19 | 単環式含窒素複素環化合物をゲストとする新規包接化合物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05201902A JPH05201902A (ja) | 1993-08-10 |
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Family
ID=18434187
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35393091A Expired - Lifetime JP3175253B2 (ja) | 1991-12-12 | 1991-12-19 | 単環式含窒素複素環化合物をゲストとする新規包接化合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3175253B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7495060B2 (en) | 1996-12-27 | 2009-02-24 | Nippon Soda Co., Ltd. | Tetrakisphenol and non-clathrated curing agent for epoxy resin |
JP2000080154A (ja) * | 1998-07-01 | 2000-03-21 | Nippon Soda Co Ltd | 樹脂用硬化剤・硬化促進剤及び樹脂組成物 |
-
1991
- 1991-12-19 JP JP35393091A patent/JP3175253B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05201902A (ja) | 1993-08-10 |
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