以下、本考案の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1は、本考案を蓄電装置のための注液システムに適用してなる第1実施形態を実線により示しており、当該注液システムは、例えば、蓄電装置としての自動車用リチウムイオン二次電池セルの構成要素である電池セル本体ECに適用されるものである。
自動車用リチウムイオン二次電池セルは、上述の電池セル本体EC、電解液及び密閉部材(図示しない)でもって構成されている。ここで、電池セル本体ECは、筒状ケーシング(図示しない)と、このケーシング内にその上端開口部から収容してなる電極構造体(図示しない)とを備えており、上記ケーシングは、その上端開口部にて、上記密閉部材により着脱可能に密封されるようになっている。
ここで、上記電極構造体は、正極(図示しない)、セパレータ(図示しない)及び負極(図示しない)とでもって構成されている。また、正極及び負極は、柔軟な電極材料でもって層状に形成されており、また、セパレータは、柔軟な電気絶縁材料でもって層状に形成されている。
しかして、当該電極構造体は、上記正極及び上記負極を、上記セパレータを介して互いに積層することで、3層の電極構造体として構成されている。なお、各狭隙が、それぞれ、上記正極と上記セパレータとの間及び上記負極と上記セパレータとの間に形成されている。
当該注液システムは、図1にて示すごとく、電解液源10a、供給ポンプ10b及び減圧弁10cを備えている。電解液源10aは、電解液11を槽12内に貯留してなるものである。供給ポンプ10bは、例えば、ダイヤフラムポンプからなるもので、当該供給ポンプ10bは、常開型電磁弁14の弁部14aを介して空気流供給源13に接続されている。なお、本第1実施形態においては、当該電解液源10aは、槽12内の電解液を外気には触れさせないような室等の環境の中に配設されている。なお、供給ポンプ10bは、ダイヤフラムポンプに限ることなく、例えば、モータ駆動式ポンプであってもよい。
空気流供給源13は、空気流を高圧にて供給するように構成されている。電磁弁14は、弁部14a及びソレノイド部14bからなるもので、当該電磁弁14の弁部14aは、その付設スプリング(図示しない)に抗して、ソレノイド部14bの励磁に伴い開弁されて、空気流供給源13からの高圧の空気流を供給ポンプ10bに供給する。また、この供給は、弁部14aを、その付設スプリングの付勢力のもとに、ソレノイド部14bの消磁に伴い閉弁することで、遮断される。なお、弁部14aの開弁(または閉弁)は、電磁弁14の開弁(または閉弁)に相当する。また、電磁弁14のソレノイド部14bは、制御装置60による制御のもとに、励磁或いは消磁される。
しかして、供給ポンプ10bは、電磁弁14を介する空気流供給源13からの空気流の圧力に応じて、配管P1を介する電解液源10aからの電解液11を槽12の周壁下部を通し汲み出して配管P2を通し減圧弁10cに吐出する。ここで、減圧弁10cに吐出される電解液は、空気流供給源13からの空気流の圧力に応じて加圧されることで、当該電解液の圧力は、大気圧よりも高い正の吐出圧に維持される。
減圧弁10cは、ダイヤフラム式減圧弁からなるもので、当該減圧弁10cは、その弁部にて、両配管P2、P3の間に介装されており、当該減圧弁10cのダイヤフラム部は、そのダイヤフラムにて、常閉型電磁弁15を介する空気流供給源13からの空気流に基づき、一方向(或いは他方向)へ変位する。
ここで、電磁弁15は、弁部15a及びソレノイド15bを有しており、弁部15aは、制御装置60による制御のもとに、ソレノイド15bの励磁(或いは消磁)により開弁(或いは閉弁)される。
しかして、減圧弁10cは、そのダイヤフラム部のダイヤフラムの一方向への変位により、弁部の開度を増大させて、供給ポンプ10bからの吐出電解液をその上記正の吐出圧にて減圧して配管P3内に流入させ、ダイヤフラム部のダイヤフラムの他方向への変位により弁部の開度を減少させて、上記減圧の度合いを減少させることで、供給ポンプ10bからの吐出電解液の圧力を、配管P3内にて、大気圧よりも高い所定の減圧に維持する。
このことは、当該減圧弁10cは、供給ポンプ10bからの吐出電解液11を、その圧力において上記正の吐出圧から上記所定の減圧に減圧して配管P3内に流出することを意味する。
また、当該注液システムは、可変オリフィス20及び開閉弁機構30を備えている。可変オリフィス20は、両配管P3、P4の間に介装されており、当該可変オリフィス20は、配管P3を介する減圧弁10cからの上記所定の減圧の電解液11をその所定の絞り量に絞り、これに対応する所定の絞り圧(大気圧よりも高い圧)にて、配管P4内に流出する。なお、当該可変オリフィス20は、上記所定の絞り量に対応する所定の絞り開度に予め調整されている。このことは、当該可変オリフィス20の可変圧力損失機能(可変圧損機能)が、上記所定の絞り開度に調整されていることを意味する。また、配管P3から配管P4への電解液の流れが停止したとき、可変オリフィス20の上下流間の差圧が零となる。
開閉弁機構30は、常閉型第1電磁弁30a及び常閉型第2電磁弁30bを有している。第1電磁弁30aは、弁部31a及びソレノイド部31bからなるもので、弁部31aは、両配管P4、P5の間に介装されている。しかして、当該弁部31aは、その開弁により、可変オリフィス20から配管P4内に流出する電解液11を配管P5内に流出する。また、当該弁部31aは、その閉弁により、配管P4から配管P5への電解液11の流出を遮断する。ソレノイド部31bは、その励磁により、弁部31aをその付設スプリングに抗して開弁する。弁部31aは、その付設スプリングの付勢力のもとに、ソレノイド部31bの消磁により閉弁する。
第2電磁弁30bは、弁部32a及びソレノイド部32bからなるもので、弁部32aは、両配管P5、P6の間に介装されている。しかして、当該弁部32aは、その開弁により、配管P6を配管P5に連通する。また、当該弁部32aは、その閉弁により、両配管P5、P6の連通を遮断する。ソレノイド部32bは、その励磁により、弁部32aをその付設スプリングに抗して開弁する。また、弁部32aは、その付設スプリングの付勢力のもとに、ソレノイド部32bの消磁により閉弁する。なお、弁部31aの開弁及び閉弁は、第1電磁弁30aの開弁(または閉弁)に相当する。
ここで、上述した電池セル本体ECは、そのケーシングの上端開口部を着脱可能に密封する仮蓋(後述する)に形成した注入孔部(図示しない)にて、配管P7を介し配管P5の上流部と下流部との間に連通している。これにより、弁部31aから配管P5内に流出する電解液11は、第1電磁弁30aの開弁に伴い、配管P5の上流部及び配管P7を通り電池セル本体EC内に上記仮蓋の上記注入孔部から注入され、また、この電池セル本体EC内への注入は、第1電磁弁30aの閉弁に伴い、遮断される。なお、第1電磁弁30a及び(または)第2電磁弁30bに代えて、空圧式駆動弁を採用してもよい。電解液の注入領域が、防爆領域である場合には、電気エネルギーではなく、空圧エネルギーで作動する空圧式駆動弁の方が、安全の観点から望ましいためである。
また、当該注入システムは、真空ポンプ40を備えており、当該真空ポンプ40は、両配管P6、P8の間に介装されている。しかして、当該真空ポンプ40は、駆動回路41により駆動されて作動し、後述のごとく、第1電磁弁30aの閉弁及び第2電磁弁30bの開弁のもとに、配管P5、配管P7及び第2電磁弁30bの弁部32aの各内部の空気及び残液を、配管P8を通して外部に排出する。
また、当該注液システムは、第1圧力センサ50a、第2圧力センサ50b、感圧センサS及び制御装置60を備えている。
第1圧力センサ50aは、減圧弁10cと可変オリフィス20との間における配管P3の中間部位に介装されており、当該第1圧力センサ50aは、減圧弁10cから配管P3内に流出する電解液11の圧力を上流液圧として検出し、この検出上流液圧を上流側圧力信号として発生し制御装置60に出力する。
一方、第2圧力センサ50bは、第1電磁弁30aと第2電磁弁30bとの間に介装してなる配管P5と電池セル本体ECとの間における配管P7の中間部位に介装されており、当該第2圧力センサ50bは、第1電磁弁30aから配管P5を介し配管P7内に流出する電解液11の圧力を下流液圧として検出し、この検出下流液圧を下流側圧力信号として発生し制御装置60に出力する。
また、感圧センサSは、当該注液システムの配管P7の先端開口部に付設されており、当該感圧センサSは、電池セル本体ECの上記仮蓋の上記注入孔部に対する配管P7の先端開口部の着脱可能な気密的嵌装に伴い押圧されて、電池セル本体ECの当該注液システムへのセットを検出して、セット検出信号を発生する。このことは、感圧センサSは、電池セル本体ECの当該注液システムへのセットの完了を検出して、セット検出信号を発生することを意味する。なお、上記仮蓋は、電池セル本体ECに対する電解液の注入にあたり、上記密閉部材に代えて、一時的に、上記ケーシングの上端開口部を着脱可能に閉塞する役割を果たす。
制御装置60は、マイクロコンピュータからなるもので、当該制御装置60は、図2及び図3にて示すフローチャートに従い、コンピュータプログラムを実行し、この実行中において、第1圧力センサ50a、第2圧力センサ50b或いは感圧センサSからの検出出力に基づき、第1電磁弁30a或いは第2電磁弁30bの開閉するための演算処理や電池セル本体ECの当該注液システムへのセットを判定する演算処理を行う。なお、本第1実施形態において、上記コンピュータプログラムは、マイクロコンピュータである制御装置60に内蔵のROMに予め読み出し可能に記憶されている。
以上のように構成した本第1実施形態において、制御装置60が作動状態におかれると、当該制御装置60は、図2及び図3のフローチャートに従い、上記コンピュータプログラムの実行を図2のスタートステップにて開始する。なお、この開始に先立ち、所定数Noの電池セル本体ECが準備される。また、個々の電池セル本体ECの当該注液システムに対するセットは、図示しない自動設備により順次なされるが、現段階では、いずれの電池セル本体ECの当該注入システムに対するセットも、未だなされていない。また、現段階では、供給ポンプ10b及び真空ポンプ40は共に停止状態にあり、かつ、開閉弁機構30の第1電磁弁30a及び第2電磁弁30bは共に閉弁状態にある。
しかして、図2のステップ100における初期化処理において、マイクロコンピュータである制御装置60が初期化される。ついで、ステップ101における第1弁閉弁処理において、第1弁開弁信号の発生が停止され、ステップ102における第2弁開弁処理において、第2弁開弁信号が発生され、次のステップ103における真空ポンプ駆動処理において、ポンプ駆動信号が発生される。なお、このとき、第1電磁弁30aは、制御装置60からの上述した第1弁開弁信号の発生停止のもとに、閉弁状態を維持し、配管P5を配管P4から遮断している。
このように第1電磁弁30aの閉弁状態のもとに第2弁開弁信号及びポンプ駆動信号が発生されると、制御装置60が、当該第2弁開弁信号及びポンプ駆動信号をそれぞれ順次第2電磁弁30b及び駆動回路41に出力する。
すると、第2電磁弁30bが、制御装置60からの第2弁開弁信号に基づき開弁されて、配管P6を配管P5の下流部に連通させる(図4の時間T=T1参照)。このとき、配管P7は、その先端開孔部にて、適宜な着脱可能な栓(図示しない)により気密的に閉塞されている。なお、電解液の注入領域が、防爆領域である場合には、第1電磁弁30aや第2電磁弁30bに代えて、電気エネルギーではなく空圧エネルギーで作動する空圧式駆動弁を採用する方が、安全の観点からは望ましい。
ついで、真空ポンプ40が、制御装置60からのポンプ駆動信号に基づき駆動回路41により駆動されて作動する。これに伴い、配管P5、配管P7及び第2電磁弁30bの弁部32aの各内部に対する真空引きが、真空ポンプ40により、開始される(図4にて時間T=T1参照)。このことは、配管P5、配管P7及び第2電磁弁30bの弁部32aの各内部における電解液11の残液を、真空ポンプ40でもって、初期的に、配管P8から外部に排出する処理(残液排出処理)が開始されたことを意味する。
このような残液排出処理の開始に伴い、配管P7内の圧力が時間T=T1にて低下し始めるとともに、当該圧力が第2圧力センサ50bにより検出される(図4にて示すグラフLb参照)。
上述のようなステップ103の処理後、次のステップ104におけるタイマーリセット起動処理において、制御装置60であるマイクロコンピュータに内蔵のタイマー(図示しない)が、リセット起動されて、計時を開始する。然る後、ステップ110において、残液排出処理時間Tiの経過か否かが判定される。本第1実施形態において、当該残液排出処理時間Tiは、配管P5、配管P7及び第2電磁弁30bの弁部32aの各内部における電解液11の残液を、初期的に、真空ポンプ40でもって、配管P8から外部に排出するに要する時間として予め設定されている(図4及び図5参照)。
しかして、現段階では、ステップ103の処理直後であることから、上記タイマーの現段階における計時時間に基づきステップ110においてNOと判定される。然る後、当該ステップ110におけるNOとの判定の繰り返し中において、残液排出処理時間Tiが経過すると、上記タイマーの現段階における計時時間に基づき、ステップ110においてYESと判定される。
このことは、配管P5、配管P7、第2電磁弁30bの弁部32a及び真空ポンプ40の各内部における電解液11の残液が、外部へ初期的に排出されたことを意味する。これにより、後述のように電解液を電池セル本体ECに注入したとき、当該電池セル本体EC内の電解液は、新たな電解液でもって充足され得る。
ついで、次のステップ120において電池セル本体のセットか否かが判定される。現段階では、電池セル本体ECのセットが、上述のごとく、なされていないことから、感圧センサSは、セット検出信号を発生していない。このため、ステップ120における判定はNOとなる。
然る後、ステップ120におけるNOとの判定の繰り返し中において、配管P7の先端開口部から上記栓を自動的に除去した後、電池セル本体ECの上端開口部を上記仮蓋でもって閉塞するとともに、配管P7の先端開口部を上記仮蓋の上記注入孔部内に感圧センサSを介し気密的に嵌装することで、電池セル本体ECが当該注液システムに自動的にかつ迅速にセットされると、感圧センサSがセット検出信号を発生して制御装置60に出力する。
このため、ステップ120における判定がYESとなる。このことは、電池セル本体ECの当該注液システムに対するセットが終了したことを意味する。
ステップ120におけるYESとの判定後、ステップ121において、セット変数Nが、N=N+1=1と加算更新される。なお、セット変数Nは、電池セル本体ECの当該注液システムに対するセット数を表し、ステップ100において、N=0と初期化済みであるものとする。
これに伴い、次のステップ122におけるタイマーリセット起動処理において、上記タイマーがリセット起動されて、計時を開始する。ついで、ステップ123における空気流供給用電磁弁開弁処理において、空気流供給用開弁信号が発生される。
しかして、上述のように空気流供給用開弁信号が発生されることで、電磁弁14が、開弁して、空気流供給源13から供給ポンプ10bへの空気流の供給を開始させる(図4にて時間T=T3参照)。これに伴い、供給ポンプ10bが、作動を開始して、電解液源10a内の電解液を、配管P1を通し汲み出して、配管P2、減圧弁10c、配管P3、可変オリフィス20及び配管P4を通して、第1電磁弁30aに供給し始める。
但し、第1電磁弁30aは、現段階では、閉弁状態にあるため、配管P3内の圧力が減圧弁10cの上記所定の減圧に向けて上昇する。なお、この上記所定の減圧に向けての上昇は、後述の電池セル本体ECへの電解液の注入開始時期に達成されていればよい。換言すれば、配管P4内の圧力が可変オリフィス20の上記所定の絞り圧に達しておればよい。
ステップ123の処理後、ステップ130においてセル本体真空処理時間Tcの経過か否かが判定される。本第1実施形態では、セル本体真空処理時間Tcは、電池セル本体ECの内部を配管P5、配管P7及び第2電磁弁30bの弁部32aの各内部を介して真空引きを良好に終了するに要する時間として予め設定されている(図4及び図5参照)。
ここで、真空ポンプ40が第1電磁弁30aの閉弁及び第2電磁弁30bの開弁のもとに引き続き作動状態に維持されていることから、上述のように電池セル本体ECが当該注液システムにセットされると、電池セル本体ECの内部に対する真空引きが、配管P5、配管P7及び第2電磁弁30bの弁部32aの各内部を介して、真空ポンプ40により開始される(図4の時間T=T2及び図5のグラフLbにおける時間T=T2参照)。
現段階では、ステップ120におけるYESとの判定直後であることから、上記タイマーの現段階における計時時間に基づきステップ130においてNOと判定される。
しかして、当該ステップ130におけるNOとの判定の繰り返し中において、セル本体真空処理時間Tcが経過すると、上記タイマーの現段階における計時時間に基づいて、ステップ130においてYESと判定される。このことは、電池セル本体ECの内部に対する真空引きが終了したことを意味する(図4及び図5にて時間T=T3参照)。これにより、残液が電池セル本体EC、配管P7、配管P5、第2電磁弁30bの弁部、配管P6及び真空ポンプ40の各内部にあっても、当該残液は、上記真空引きにより、良好に配管P8を通して外部に排出され得る。
上述のようにステップ130における判定がYESになると、次のステップ131における第2弁閉弁処理(図3参照)において、第2弁開弁信号の発生が停止され、ついで、ステップ132における真空ポンプ停止処理において、ポンプ駆動信号の発生が停止され、ステップ133における第1弁開弁処理において、第1弁開弁信号が発生される。
しかして、上述のように第2弁開弁信号の発生が停止されることで、第2電磁弁30aが、弁部31aにてその付設スプリングの付勢力に基づき閉弁して、配管P5の下流部を配管P6から遮断する(図4にて時間T=T3参照)。また、上述のようにポンプ駆動信号の発生が停止されることで、真空ポンプ40が停止して、上述の真空引きを停止する(図4にて時間T=T3参照)。また、上述のように第1弁開弁信号が発生されることで、第1電磁弁30aが開弁して、配管P5の上流部を配管P4に連通させる(図4にて時間T=T3参照)。
上述のように配管P5の上流部が第1電磁弁30aの開弁により配管P4に連通されると、供給ポンプ10bからの電解液が、真空ポンプ40の停止及び第2電磁弁30bの閉弁のもとに、配管P2、減圧弁10c、配管P3、可変オリフィス20、配管P4、第1電磁弁30aの弁部31a、配管P5の上流部及び配管P7を通り電池セル本体EC内に流入していく。
現段階では、配管P4内の圧力が可変オリフィス20の上記所定の絞り圧に上昇していることから、電解液11が上記所定の絞り圧にて電池セル本体EC内に注入されていく。このため、当該注入速度は、大気圧にて電解液11を電池セル本体EC内に注入する場合に比べて、より一層速くなる。
また、上述のようにステップ133における処理が終了すると、次のステップ140において、下流液圧が上流液圧に達したか否かが判定される。現段階では、電解液11の電池セル本体EC内への注入の開始直後であるため、配管P7内における電解液11の液圧(下流液圧)は、配管P3内における電解液11の液圧(上流液圧)よりも低い。従って、第2圧力センサ50bの検出液圧は、第1圧力センサ50aの検出液圧よりも低いことから、ステップ140においてNOとの判定が繰り返される。
このような過程においては、配管P3内の電解液11の圧力(上流液圧)が、時間T=T3の経過後迅速に上記所定の減圧に向けて上昇する(図5のグラフLa参照)。また、配管P7内における電解液11の圧力(下流液圧)、即ち、第2圧力センサ50bの検出圧力が、時間T=T3の経過後、電池セル本体EC内への電解液11の注入量の増大に伴い、比較的緩やかに上昇していく(図5のグラフLb参照)。
然る後、時間T=T4(図5参照)に達することで、上記下流液圧が上記上流液圧に等しくなると、第1圧力センサ50a及び第2圧力センサ50bからの各圧力検出信号に基づき、ステップ140においてYESと判定される。
換言すれば、電池セル本体EC内における電解液の注入領域が電解液により満たされて、電池セル本体EC内への電解液の注入流速が零となり、可変オリフィス20の上下流間の差圧が零になることで、電池セル本体ECの内の液圧が配管P7内の液圧に一致したために、ステップ140における判定がYESとなる。このことは、電解液11の電池セル本体EC内への注入が終了したことを意味する(図4及び図5にて時間T=T4参照)。
これにより、電解液11は、電池セル本体EC内に迅速にかつ良好に注入され得る。ここで、電池セル本体EC内の電極構造体が、正極及び負極をセパレータを介して互いに積層した構造を有するとともに、セパレータと正極及び負極との間の各間隙が狭隙となっていても、上述のように電解液11の電池セル本体EC内への注入が、上記所定高圧にてなされることから、電解液11は、電池セル本体ECのケーシング内の電極構造体と仮蓋との間の領域は勿論のこと、正極とセパレータとの間の狭隙及び負極とセパレータとの間の狭隙内にも良好に注入され得る。
しかして、上述のようなステップ140におけるYESとの判定後、ステップ141における第1弁閉弁処理において、第1弁開弁信号の発生が停止され、次のステップ142における空気流供給用電磁弁閉弁処理において、空気流供給用開弁信号の発生が停止される。
すると、第1電磁弁30aが、制御装置60からの第1弁開弁信号の発生の停止に基づき、閉弁されて、配管P5の上流部の配管P4との連通を遮断するとともに、電磁弁14が、制御装置60からの空気流供給用開弁信号の発生の停止に基づき、閉弁されて、供給ポンプ10bに対する空気流供給源13からの空気流の供給を遮断する(図4の時間T=T4参照)。
これに伴い、供給ポンプ10bの作動が停止する。但し、第1電磁弁30aが、第2電磁弁30bの閉弁状態にて、上述のごとく、閉弁するため、配管P3内の液圧は、低下することなくそのまま維持される(図5のグラフLa参照)。
また、上述のように上記下流液圧が上記上流液圧に等しくなった後、上述のように第1電磁弁30aが、第2電磁弁30bの閉弁状態にて、閉弁されるため、上記下流液圧、即ち、第2圧力センサ50bの検出下流液圧は、第1電磁弁30aの容積に応じて、図5にて示すごとく、一時的に、幾分上昇する。なお、この下流液圧の上昇は、配管P7内の電解液を電池セル本体EC内にさらに押し込むように注入するのに役立つ。
しかして、ステップ142の処理後、ステップ150において全電池セル本体のセット終了か否かが判定される。現段階では、ステップ121におけるセット変数N=1が電池セル本体ECの所定数Noよりも小さいことから、当該ステップ150における判定がNOとなる。
ついで、ステップ160において電池セル本体の除去終了か否かが判定される。現段階では、上述のように注液済みの電池セル本体ECは、未だ除去されていない。このため、感圧センサSからのセット検出信号に基づき、ステップ160においてNOとの判定が繰り返される。
ここで、N=1に対応する電池セル本体ECが、その仮蓋の上記注入孔部にて、配管P7の先端開口部から自動的に外された後、上記栓が配管P7の先端開口部に自動的に嵌装される。
これに伴い、感圧センサSがセット検出信号の発生を停止することから、ステップ160における判定がYESとなる。これにより、N=1に対応する電池セル本体ECに対する当該注液システムからの除去が終了する(図4及び図5の時間T=T5参照)。このことは、新たな電池セル本体ECのセット前の真空引きに要する準備が終了することを意味する。なお、上述のように電池セル本体ECが、その仮蓋の上記注入孔部にて、配管P7の先端開口部から外された後、当該電池セル本体ECのケーシングから上記仮蓋を除去し、ついで、上記密閉部材を、上記ケーシングの上端開口部に気密的に嵌装する。これにより、リチウムイオン二次電池セルが完成される。
ステップ160におけるYESとの判定後、上記コンピュータプログラムは、図2のステップ102に戻る。しかして、上述と同様に、ステップ102における第2弁開弁処理において、第2弁開弁信号が発生され、次のステップ103における真空ポンプ駆動処理において、ポンプ駆動信号が発生される。
すると、上述と同様にして、第2電磁弁30bが制御装置60からの第2弁開弁信号に基づき開弁されるとともに、真空ポンプ40が、制御装置60からのポンプ駆動信号に基づき駆動回路41を介し駆動されて作動する。
これにより、配管P5、配管P7及び第2電磁弁30bの弁部32aの各内部における電解液11の残液を、真空ポンプ40により、配管P8から外部に排出する処理(後続残液排出処理)が、再び開始される(図4及び図5の時間T=T5参照)。なお、このとき、第1電磁弁30aは、ステップ141における第1弁閉弁処理のもとに、閉弁状態にあり、かつ、電磁弁14も、ステップ142における空気流供給用電磁弁閉弁処理のもとに、閉弁状態にある。
このような後続残液排出処理の開始に伴い配管P7内の圧力が時間T=T5にて低下し始めるとともに、当該圧力が第2圧力センサ50bにより検出される(図5にて示すグラフLb参照)。
上述のようなステップ103の処理後、次のステップ104におけるタイマーリセット起動処理において、上記タイマーが、リセット起動されて、計時を開始する。然る後、ステップ110において、残液排出処理時間Tiの経過か否かが判定される。
しかして、上述と同様にステップ110におけるNOとの判定の繰り返し中において、残液排出処理時間Tiが経過すると、上記タイマーの現段階における計時時間に基づき、ステップ110においてYESと判定される。このことは、配管P5、配管P7及び第2電磁弁30bの弁部32aの各内部における電解液11の残液が、再び、真空ポンプ40により、外部へ排出されたことを意味する。
ついで、ステップ120において、電池セル本体のセットか否かが判定される。現段階では、N=1に対応する電池セル本体ECのセットは解除済みであって、感圧センサSはセット検出信号を発生していないことから、ステップ120におけるNOとの判定が繰り返される。
このような段階において、再び、配管P7の先端開口部から上記栓を自動的に除去した後、新たな電池セル本体ECの仮蓋の上記連結孔部内に感圧センサSを介し配管P7の先端開口部を気密的に嵌装することで、新たな電池セル本体ECが当該注液システムにセットされると、感圧センサSが、再び、セット検出信号を発生して制御装置60に出力する。このため、ステップ120における判定がYESとなる。このことは、新たな電池セル本体ECの当該注液システムに対するセットが終了したことを意味する(図4の時間T=T6及び図5のグラフLbにおける時間T=T6参照)。
ついで、ステップ120におけるYESとの判定に伴い、次のステップ121において、先回のステップ121におけるN=1に基づき、セット変数Nが、N=N+1=2と加算更新される。
しかして、次のステップ122において、上記タイマーがリセット起動されて、計時を開始した後、再び、ステップ130においてセル本体真空処理時間Tcの経過か否かが判定される。
ここで、真空ポンプ40が第1電磁弁30aの閉弁及び第2電磁弁30bの開弁のもとに作動状態にあることから、上述のように新たな電池セル本体ECが当該注液システムにセットされると、新たな電池セル本体ECの内部に対する真空引きが、配管P5、配管P7及び第2電磁弁30bの弁部32aの各内部を介して、真空ポンプ40により開始される(図4の時間T=T6及び図5のグラフLbにおける時間T=T6参照)。
上述と同様にステップ130におけるNOとの判定の繰り返し中において、セル本体真空処理時間Tcが経過すると、上記タイマーの現段階における計時時間に基づいて、ステップ130においてYESと判定される。このことは、新たな電池セル本体ECの内部に対する真空引きが終了したことを意味する(図4及び図5にて時間T=T7参照)。
上述のようにステップ130における判定がYESになると、上述と同様にして、再び、ステップ131における第2弁閉弁処理、ステップ132における真空ポンプ停止処理及びステップ133における第1弁開弁処理がなされる。
これに伴い、電解液源10a内の電解液11が、上述と同様にして、第2電磁弁130bの閉弁及び真空ポンプ40の停止のもとに、供給ポンプ10bにより汲み出されて、減圧弁10c、可変オリフィス20及び第1電磁弁30aを介して、新たな電池セル本体EC内に注入されていく(図4及び図5にて時間T=T7参照)。
然る後、新たな電池セル本体EC内への電解液11の注入量の増大に伴い、配管P7内における電解液11の圧力(下流液圧)が配管P3内の電解液11の圧力(上流液圧)に達すると、ステップ140におけるYESとの判定、ステップ141における第1弁閉弁処理及びステップ142における空気流供給用電磁弁閉弁処理が、上述と同様になされる。
以後、上述のような処理が繰り返されて、ステップ121におけるセット変数NがN=Noに達すると、当該ステップ150にてYESと判定される。これに伴い、上記コンピュータプログラムは、エンドステップに進む。これにより、全ての電池セル本体ECに対する電解液の注入が終了する。
以上説明したように、本第1実施形態によれば、電解液源12内の電解液11が、供給ポンプ10b、減圧弁10c及び可変オリフィス20でもって、第1電磁弁30aを介して、各電池セル本体ECに対し、減圧弁10cからの大気圧よりも高い圧力(上記所定の減圧或いは上記所定の絞り圧)のもとに、順次、注入される。このため、各電池セル本体ECに対する電解液の注入が、各電池セル本体ECに対する電解液の注入を大気圧基準に行う場合に比べて、より一層迅速になされ得る。
ここで、上述のように大気圧よりも高い圧力(上記所定の減圧或いは上記所定の絞り圧)でもって各電池セル本体ECに対し電解液を注入するため、電池セル本体EC内の電極構造体が、正極及び負極を、セパレータを介して互いに積層した構造を有するとともに、セパレータと正極及び負極との間の各間隙が狭隙となっていても、電解液11は、各電池セル本体ECのケーシング内の上記電極構造体と上記仮蓋との間の領域は勿論のこと、上記正極と上記セパレータとの間の狭隙及び上記負極と上記セパレータとの間の狭隙内にも良好に注入され得る。
また、減圧弁10cと可変オリフィス20との間に介装してなる配管P3内の電解液の圧力を第1圧力センサ50aにより検出し、かつ、第1電磁弁30aと電池セル本体ECとの間に介装してなる配管P7内の電解液の圧力を第2圧力センサ50bにより検出して、電池セル本体EC内への電解液の注入開始後、この第2圧力センサ50bの検出圧力が、第1圧力センサ50aの検出圧力に向けて増大して一致したとき、電池セル本体EC内への電解液の注入を終了するようにした。
換言すれば、電池セル本体EC内の液圧が配管P7内の液圧に一致することにより、電池セル本体EC内における電解液の注入空間が電解液により満たされたことを、第2圧力センサ50bの検出圧力の第1圧力センサ50aの検出圧力との一致でもって判定することで、電池セル本体EC内への電解液の注入の終了をタイミングよく明確に認識することができる。
ここで、電池セル本体EC内への電解液の注入量を当該注入システムの外観から視認することはできないものの、上述のように第2圧力センサ50bの検出圧力の第1圧力センサ50aの検出圧力との一致でもって、電池セル本体EC内への電解液の注入を終えるようにしたので、電池セル本体EC内への電解液の十分な注入の終了がタイミングよく認識され得る。
このことは、電池セル本体EC内への電解液の注入に余分な時間をかけることなく、必要十分な注入時間でもって、タイミングよく、電池セル本体EC内への電解液の十分な注入を確保し得ることを意味する。
なお、仮に当該注液システムが透明な外観を有するとしても、当該注液システム内における電解液の流れの状態から、電池セル本体EC内への電解液の十分な注入の終了を視認することは困難であることから、上述のような第2圧力センサ50bの検出圧力の第1圧力センサ50aの検出圧力との一致を基準とすることで、電池セル本体EC内への電解液の注入の終了を上述と同様に認識し得る。
また、本第1実施形態においては、上述したごとく、電解液源10aの槽12内の電解液が外気には触れないように、電解液源10aが、外気には触れない室等の環境の中に配設されているとともに、当該電解液源10aから電池セル本体ECへの電解液の注入経路は、各配管P1〜P5及びP7、並びに供給ポンプ10b、減圧弁10c、可変オリフィス20、第1電磁弁30aの弁部31aでもって構成されている。
従って、電解液源10a内の電解液は、電池セル本体ECに注入される経路において、外気に直接触れることがない。その結果、当該電解液が、外気との接触による劣化を伴うことなく、良好に維持され得る。
次に、上記第1実施形態の種々の変形例について以下に説明すると、本考案の実施にあたり、上記第1実施形態において、供給ポンプ10bは、ダイヤフラムポンプに限ることなく、例えば、ベローズポンプであってもよい。
また、上記第1実施形態において、供給ポンプ10b及び減圧弁10cは、チュービングポンプ、スクリュー式ポンプ或いは渦巻き式ポンプ等の定圧ポンプであってもよい。これによれば、減圧弁10cを採用することなく、上記第1実施形態にて述べた減圧弁10cからの上記所定の減圧の電解液を、定圧ポンプでもって配管P3内に確保し得る。
また、本考案の実施にあたり、上記第1実施形態において、供給ポンプ10b及び減圧弁10cに代えて、図6にて示すごとく、空気流供給源10d及び減圧弁10eを採用するとともに、電解液源10aのケーシング12の上端開口部を蓋体12aでもって閉塞して、空気流供給源10dから配管P9を介し供給される高圧の空気流を、減圧弁10eにより減圧して配管P10及び蓋体12aを介しケーシング12内に供給することで、電解液源10a内の電解液を配管P3内に上記所定の減圧に相当する圧力にて流出させるようにしてもよい。
このように上記第1実施形態を変形しても、当該第1実施形態と同様の作用効果が達成され得る。なお、減圧弁10eからのケーシング12内への供給は、配管P10の先端開孔部を蓋体12aに形成した貫通孔部に気密的に挿入することでなされる。
また、上記第1実施形態において、第2圧力センサ50bは、第1電磁弁30aと電池セル本体ECとの間の配管P7の中間部位に限ることなく、可変オリフィス20と第1電磁弁30aとの間の配管P4の中間部位に介装するようにしてもよい。
これによれば、第2圧力センサ50bは、配管P4内における電解液の圧力を検出することとなるが、第1電磁弁30aの弁部31a内の圧損が、通常、低いことから、配管P7内の電解液の圧力に実質的に等しい圧力が下流液圧として第2圧力センサ50bにより検出され得る。
また、上記第1実施形態において、第1圧力センサ50a及び第2圧力センサ50bに代えて、図7にて示すごとく、差圧センサ50cを採用してもよい。ここで、差圧センサ50cが、両配管P11、P12を介し、可変オリフィス20の両側に位置する両配管P3、P4の各中間部位に接続されている。
これによれば、差圧センサ50cが、配管P3内における電解液の圧力(上流液圧)を、配管P11を介し付与され、配管P4内における電解液の圧力(下流液圧)を、配管P12を介し付与されると、当該差圧センサ50cは、配管P3内における電解液の圧力と配管P4内における電解液の圧力との差圧(上流液圧と下流液圧との差)を検出して、制御装置60に差圧検出信号として出力する。
従って、上記コンピュータプログラムがステップ140(図3参照)に達したとき、上記差圧が零であれば、下流液圧が上流液圧に達したとして、当該ステップ140においてYESと判定される。
このように、差圧センサ50cを第1圧力センサ50a及び第2圧力センサ50bに代えて採用することで、第1圧力センサ50a及び第2圧力センサ50bという2つの圧力センサに依存することなく、差圧センサ50cという単一の圧力センサのみでもって、上記第1実施形態と同様に、電池セル本体ECに対する電解液の注入の終了を判定することができる。
また、上記第1実施形態において、図8にて示すごとく、差圧式流量センサ50dを採用してもよい。ここで、当該差圧式流量センサ50dは、上記第1実施形態にて述べた第1圧力センサ50a及び第2圧力センサ50bに加えて、演算装置50eを備えている。但し、第2圧力センサ50bは、上記第1実施形態にて述べた配管P7ではなく、可変オリフィス20と第1電磁弁30aとの間の配管P4の中間部位に介装されている。
しかして、第1圧力センサ50aが、配管P3内における電解液の圧力(上流液圧)を検出するとともに、第2圧力センサ50bが、配管P4内における電解液の圧力(下流液圧)を検出すると、演算装置50eが、第1圧力センサ50aの検出上流液圧と第2圧力センサ50bの検出下流液圧との差を電解液の流量に変換処理して、流量信号を制御装置60に出力する。
ここで、上記コンピュータプログラムのステップ140(図3参照)においては、上記第1実施形態とは異なり、電解液の流量は零か否かが判定される。しかして、上記コンピュータプログラムがステップ140に進んだとき、当該ステップ140において、電解液の流量が零であることが演算装置50eからの流量信号により表されていれば、当該ステップ140における判定はYESとなる。
換言すれば、電解液の流量が零であることは、可変オリフィス20の上下流側の各液圧の差が零であることに対応する。このことは、上記下流液圧が上記上流液圧に達したことを意味する。
このように、差圧式流量センサ50dを、第1圧力センサ50a、第2圧力センサ50b及び演算装置50eでもって構成することで、上記上流液圧と上記下流液圧との差に対応する電解液の流量を利用しても、上記第1実施形態と同様に、電池セル本体ECに対する電解液の注入の終了を判定することができる。
また、図9において、第1圧力センサ50a及び第2圧力センサ50bに代えて、図7の差圧センサ50cを採用して、演算装置50eにより、差圧センサ50cによる検出差圧に基づき電解液の流量に変換処理するようにしてもよい。
また、上記第1実施形態において、開閉弁機構30は、第1電磁弁30a及び第2電磁弁30bに代えて、図10にて示すごとく、常閉型空気式第1駆動弁30c及び常閉型空気式第2駆動弁30d、両常閉型電磁弁30e、30f、減圧弁30g及び空気流供給源30hでもって構成してもよい。
第1駆動弁30c及び第2駆動弁30dは、それぞれ、ダイヤフラム式駆動弁からなるもので、第1駆動弁30cは、弁部33a及びダイヤフラム部33bでもって構成されている。
ここで、弁部33aは、上記第1実施形態にて述べた両配管P4、P5の間に介装されており、当該弁部33aは、その開弁により、配管P5を配管P4に連通する。また、当該弁部33aは、その閉弁により、両配管P4、P5の間の連通を遮断する。ダイヤフラム部33bは、そのダイヤフラムの一方向への変位により、弁部33aをその付設スプリングに抗して開弁する。また、弁部33aは、その付設スプリングの付勢力のもとに、ダイヤフラム部33bのダイヤフラムの他方向への変位により閉弁する。なお、弁部33aの開弁及び閉弁は、第1駆動弁30cの開弁(または閉弁)に相当する。
第2駆動弁30dは、弁部34a及びダイヤフラム部34bでもって構成されている。ここで、弁部34aは、上記第1実施形態にて述べた両配管P5、P6の間に介装されており、当該弁部34aは、その開弁により、配管P6を配管P5に連通する。また、当該弁部34aは、その閉弁により、両配管P5、P6の間の連通を遮断する。ダイヤフラム部34bは、そのダイヤフラムの一方向への変位により、弁部34aをその付設スプリングに抗して開弁する。また、弁部34aは、その付設スプリングの付勢力のもとに、ダイヤフラム部34bのダイヤフラムの他方向への変位により閉弁する。なお、弁部34aの開弁及び閉弁は、第2駆動弁30dの開弁(または閉弁)に相当する。
常閉型電磁弁30eは、制御装置60による制御のもとに開弁して、減圧弁30gを介し空気流供給源30hから供給される高圧の空気流を第1駆動弁30cのダイヤフラム部33bに流入させる。これに伴い、弁部33aを開弁させるように、ダイヤフラム部33bは、そのダイヤフラムを一方向に変位させる。また、常閉型電磁弁30eは、制御装置60による制御のもとに閉弁して、上記空気流のダイヤフラム部33bへの流入を遮断する。これに伴い、弁部33aを閉弁させるように、ダイヤフラム部33bは、そのダイヤフラムを他方向に変位させる。
常閉型電磁弁30fは、制御装置60による制御のもとに開弁して、減圧弁30gを介し空気流供給源30hから供給される空気流を第2駆動弁30dのダイヤフラム部34bに流入させる。これに伴い、弁部34aを開弁させるように、ダイヤフラム部34bは、そのダイヤフラムを一方向に変位させる。また、常閉型電磁弁30fは、制御装置60による制御のもとに閉弁して、上記空気流のダイヤフラム部34bへの流入を遮断する。これに伴い、弁部34aを閉弁させるように、ダイヤフラム部34bは、そのダイヤフラムを他方向に変位させる。
これによっても、両電磁弁30e、30fを、上記第1実施形態にて述べた第1電磁弁30a及び第2電磁弁30bと同様に開閉作動させることで、上記第1実施形態と同様の作用効果を達成することができる。
また、上記第1実施形態において、第1電磁弁30a及び第2電磁弁30bに代えて、図11にて示すごとく、常閉型モータ式第1駆動弁30g、常閉型モータ式第2駆動弁30h及び両駆動回路D1、D2を採用してもよい。
ここで、第1駆動弁30gは、弁部35a及びモータ部35bでもって構成されている。弁部35aは、両配管P4、P5の間に介装されており、当該弁部35aは、その開弁により、配管P5を配管P4に連通する。また、当該弁部35aは、その閉弁により、両配管P4、P5の間の連通を遮断する。モータ部35bは、ステップモータからなるもので、当該モータ部35bは、その一方向(または他方向)への回転により、弁部35aを開弁(または閉弁)する。
一方、第2駆動弁30hは、弁部36a及びモータ部36bでもって構成されている。弁部36aは、両配管P5、P6の間に介装されており、当該弁部36aは、その開弁により、配管P6を配管P5に連通する。また、当該弁部36aは、その閉弁により、両配管P5、P6の間の連通を遮断する。モータ部36bは、ステップモータからなるもので、当該モータ部36bは、その一方向(または他方向)への回転により、弁部36aを開弁(または閉弁)する。
両駆動回路Da、Dbは、共に、正逆転駆動回路からなるもので、駆動回路Daは、制御装置60による制御のもと、弁部35aを開弁(または閉弁)するように、モータ部35bを一方向(または他方向)に回転駆動する。駆動回路Dbは、制御装置60による制御のもと、弁部36aを開弁(または閉弁)するように、モータ部36bを一方向(または他方向)に回転駆動する。
これによっても、両駆動弁30g、30hを、両駆動回路Da、Dbを介し、制御装置60により、上記第1実施形態にて述べた第1電磁弁30a及び第2電磁弁30bと同様に開閉作動させることで、上記第1実施形態と同様の作用効果を達成することができる。
(第2実施形態)
図12は、本考案に係る蓄電装置のための注液システムの第2実施形態を示しており、この第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べた注液システム(図1参照)において、第1圧力センサ50a及び第2圧力センサ50bが廃止されている。
また、当該第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べたフローチャート(図2及び図3参照)のうち図3のフローチャート部が、図13にて示すフローチャート部に変更されている。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
このように構成した本第2実施形態において、上記第1実施形態と同様に上記コンピュータプログラムが、ステップ134(図3及び図13参照)に進むと、当該ステップ134においては、上述と同様に空気流供給用電磁弁開弁処理がなされる。これにより、上記第1実施形態と同様に、真空ポンプ40の停止及び第2電磁弁30bの閉弁並びに第1電磁弁30a及び電磁弁14の開弁のもとに、供給ポンプ10bが、空気流供給源13からの空気流の圧力に基づき作動して電解液源10a内の電解液11を、上記空気流に応じた量にて、配管P1を介し汲み出して、配管P2を介して減圧弁10cに供給する。
すると、配管P2からの電解液11が、減圧弁10cにより上記所定の減圧に減圧されて、配管P3内に流出される。このように流出された電解液11は、可変オリフィス20により絞られて、大気圧よりも高い上記所定の絞り圧のもとに、配管P4、第1電磁弁30aの弁部31a、配管P5の上流部及び配管P7を通り電池セル本体EC内に流入していく。
このことは、電解液源10aの電解液11が、上記所定の減圧という定圧にて、配管P3内に流出した後、上記所定の絞り圧にて配管P4内に流出することを意味する。従って、本第2実施形態では、電解液源10a、供給ポンプ10b、減圧弁10c及び可変オリフィス20が、電解液の定圧供給装置としての役割を果たす。
しかして、上述のように流出された電解液11は、上記第1実施形態と同様に、大気圧よりも高い上記所定の絞り圧のもとに、配管P4、第1電磁弁30aの弁部31a、配管P5の上流部及び配管P7を通り電池セル本体EC内に流入していく。
このことは、電解液11の電池セル本体EC内への注入が上記所定の減圧或いは上記所定の絞り圧のもとに開始されたことを意味する。本第2実施形態では、このように電解液11が上記所定の減圧或いは上記所定の絞り圧のもとに電池セル本体EC内に注入されていくため、当該注入速度は、上記第1実施形態と同様に、大気圧にて電解液11を電池セル本体EC内に注入する場合に比べて、より一層速くなる。
また、上述のようにステップ134における処理が終了すると、次のステップ135(図13参照)におけるタイマーのリセット起動処理において、上記第1実施形態にて述べたタイマーが、リセット起動されて計時を開始する。
すると、ステップ140aにおいて、注液時間Tdの経過か否かが判定される。本第2実施形態において、注液時間Tdは、上記所定の減圧或いは上記所定の絞り圧のもとに電池セル本体ECに対する電解液の注入を開始した後当該注入を十分にするに要する所定の時間でもって設定されており、当該注入時間Tdは、上記第1実施形態にて述べた第2圧力センサ50bの検出液圧が、上記所定の減圧或いは上記所定の絞り圧のもとに電池セル本体ECに対する電解液の注入を開始した後、第1圧力センサ50aの検出液圧に達するに要する時間に相当する。
現段階では、ステップ134の処理直後であることから、ステップ140aにおいて、上記タイマーの現段階における計時時間に基づき、NOと判定される。
しかして、当該ステップ140aにおけるNOとの判定の繰り返し中において、上記タイマーの計時時間が注液時間Tdに達すると、ステップ140aにおいてYESと判定される。このことは、上記第1実施形態と同様に、電池セル本体EC内における電解液の注入領域が電解液により十分に満たされたことを意味する。これにより、本第2実施形態においても、電解液11の電池セル本体EC内への注入が終了したこととなる。
上述のようにステップ140aにおける判定がYESとなった後は、ステップ141以後の処理が上記第1実施形態と同様になされる。これにより、本第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に全電池セル本体ECに対する電解液の注入が終了する。
以上述べたように、本第2実施形態によれば、電解液源12内の電解液11が、上記第1実施形態と同様に、供給ポンプ10b、減圧弁10c及び可変オリフィス20により、第1電磁弁30aを介して、各電池セル本体ECに対し、大気圧よりも高い圧力(上記所定の減圧或いは上記所定の絞り圧)でもって、順次、注入される。このため、上記第1実施形態と同様に、各電池セル本体ECに対する電解液の注入が、各電池セル本体ECに対する電解液の注入を大気圧のもとで行う場合に比べて、より一層迅速になされ得る。
また、本第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べてように第1圧力センサ50aの検出液圧に対する第2圧力センサ50bの検出液圧の到達か否かという判定基準に依存するのではなく、上述したごとく、注入時間Tdの経過か否かという判定基準を用いて、注入時間Tdの経過の際に電池セル本体ECに対する電解液の注入の終了とするようにした。
これにより、上記第1実施形態にて述べた第1圧力センサ50a及び第2圧力センサ50bを廃止しつつ、上記第1実施形態と同様の作用効果を達成することができる。
ここで、電池セル本体ECに対する電解液の注入は、上述のごとく、注液時間Tdの経過でもって、終了される。従って、電池セル本体ECへの電解液の注入過程において、供給ポンプ10bの作動変動により、当該供給ポンプ10bと電池セル本体ECとの間の経路において、電解液の圧力変動が生じても、これとはかかわりなく、注入時間のばらつきを招くことなく、電解液の注入を終えることができる。
また、上述のごとく電解液の圧力変動が生じても、注入時間のばらつきを招くことがないので、本第1実施形態において、複数の電池セル本体ECに同時に電解液を注入する構成を採用しても、各電池セル本体ECに対する電解液の注入時間にばらつきを招くことがない。さらに、各電池セル本体ECに対する電解液の注入が、電解液源10a〜配管P8までの経路構成でもって、達成されるので、当該経路構成を電池セル本体EC毎に配設する必要がなく、注液システムの省スペース化や作業効率の向上に役立つ。
なお、上記第2実施形態においては、電解液11の電池セル本体EC内への注入の終了時期が、注液時間Tdの経過(ステップ140a参照)を基準に判定されているが、これに代えて、電解液11の電池セル本体EC内への注入の終了時における電池セル本体ECの重量が、当該電池セル本体ECへの電解液11の注入開始前における当該電池セル本体ECの重量と当該電池セル本体ECへの電解液11の注入終了時における電解液の注入量との和(所定の総重量)に達したとき、ステップ140aにおいてYESと判定するようにしても、上記第2実施形態と同様の作用効果が達成され得る。
但し、電池セル本体ECの重量は、重量センサ(図示しない)により検出する。これに伴い、上記第2実施形態にて述べた制御装置60は、ステップ140a(図13参照)において、上記重量センサによる検出重量が上記所定の総重量に達したときに、注液時間Tdの経過に代えて、YESと判定する。
また、電解液11の電池セル本体EC内への注入の終了時における電池セル本体ECの重量の増加分が当該電池セル本体ECへの電解液11の注入終了時における電解液の所定の注入重量に達したとき、ステップ140aにおいてYESと判定するようにしても、上記第2実施形態と同様の作用効果が達成され得る。
ここで、電池セル本体ECの重量の増加分は、上記重量センサにより検出する。これに伴い、上記第2実施形態にて述べた制御装置60は、ステップ140aにおいて、上記重量センサによる検出重量が上記所定の注入重量に達したときに、注液時間Tdの経過に代えて、YESと判定する。
なお、上記第2実施形態においても、以下のような種々の変形例が挙げられる。即ち、上記第2実施形態においては、供給ポンプ10b及び減圧弁10cに代えて、チュービングポンプ、スクリュー式ポンプ或いは渦巻き式ポンプ等の定圧ポンプを採用してもよい。また、上記第2実施形態においては、供給ポンプ10b及び減圧弁10cに代えて、図6にて示す構成を採用してもよい。
また、上記第2実施形態においては、リリーフ弁20aを、図14にて示すごとく、可変オリフィス20と第1電磁弁30aとの間に接続してなる配管P4の中間部位に介装するようにしてもよい。
ここで、当該リリーフ弁20aは、可変オリフィス20から流出する電解液の圧力を上記所定の絞り圧に維持するように作動する。なお、この維持は、可変オリフィス20からの電解液の圧力が上記所定の絞り圧から所定のリリーフ圧に上昇したとき、当該電解液の圧力を上記所定の絞り圧に戻すように放出することでなされる。
このようにリリーフ弁20aを設けることで、電池セル本体ECへの電解液の注入圧力の変動とはかわりなく、当該リリーフ弁20aの機能のもとに、注入時間のばらつきを抑制しつつ、電池セル本体ECへの電解液を行うことができる。
また、上記第2実施形態においては、図14に示すごとく配管P4の中間部位に介装したリリーフ弁20aに加えて、圧力センサ50f、電空レギュレータ70、空気流供給源70a及びブリード付き減圧弁70bを、図15にて示すごとく、付加的に採用してもよい。
ここで、リリーフ弁20aは、図14について説明したと同様に、可変オリフィス20から流出する電解液の圧力を上記所定の絞り圧に維持するように作動する。圧力センサ50fは、減圧弁10cと可変オリフィス20との間に接続してなる配管P3の中間部位に介装されており、当該圧力センサ50fは、配管P3内に減圧弁10cから流出する電解液の圧力を検出して、検出液圧として、上記第2実施形態にて述べた制御装置60に出力する。
電空レギュレータ70は、比例電磁弁71及び演算回路72を備えており、比例電磁弁71は、その弁部(図示しない)にて、減圧弁10cのダイヤフラム部から延出する配管P13とブリード付き減圧弁70bから延出する配管P14との間に接続されている。
演算回路72は、目標空圧と圧力センサ50fからの検出液圧との差圧を演算し、この演算差圧を減少させるように比例電磁弁71の弁部の開度を制御する。このことは、比例電磁弁71が、その弁部の開度に応じて、空気流供給源70aからブリード付き減圧弁70bを介し配管P14内に流入する高圧の空気流を、上記目標空圧を有する空気流として、減圧弁10cのダイヤフラム部に流入させて、当該ダイヤフラム部をそのダイヤフラムにて変位させることを意味する。
なお、空気流供給源70aは、高圧の空気流を、配管P15を通してブリード付き減圧弁70bに流入して当該ブリード付き減圧弁70bにより減圧されて、配管P14を介し電空レギュレータ70の比例電磁弁71に流入する。
制御装置60は、上記第1実施形態にて述べたフローチャート部(図2参照)及び上記第2実施形態にて述べたフローチャート部(図13参照)を図16及び図17にて示すごとく変更した各フローチャート部に従い上記コンピュータプログラムを実行する。
このように構成した本変形例において、上記第1及び第2の実施形態にて述べたようにコンピュータプログラムがステップ122(図2及び図16参照)に進むと、当該ステップ122において上述と同様にタイマーの計時が開始される。
すると、本変形例では、上記第1及び第2の実施形態とは異なり、ステップ122a(図16参照)において、目標空圧及び検出液圧のデータとしての出力処理がなされる。これに伴い、上記目標空圧が、圧力センサ50fの検出液圧と共に、制御装置60から電空レギュレータ70の演算回路72に出力される。
ついで、電空レギュレータ70においては、演算回路72が上記目標空圧と上記検出液圧との差圧を演算し、この演算差圧を減少させるように比例電磁弁71の弁部の開度を制御する。このため、比例電磁弁71は、その弁部の開度に応じて、空気流供給源70aからブリード付き減圧弁70bを介し配管P14内に流入する高圧の空気流を、上記目標空圧を有する空気流として、減圧弁10cのダイヤフラム部に流入させて、当該ダイヤフラム部をそのダイヤフラムにて変位させる。
これにより、減圧弁10cのダイヤフラム部内の圧力が、前もって、予備加圧されて、上記目標空圧に維持される。このことは、電解液が減圧弁10cを通り流れたとき、配管P3内の圧力が即座に上記所定の減圧に達することを意味する。
然る後、上記第2実施形態と同様にステップ130〜ステップ160の処理がなされる。但し、このような処理過程において、ステップ134における空気流供給用電磁弁開弁処理において、上記第2実施形態と同様に、供給ポンプ10bが、空気流供給源13からの空気流の圧力に基づき作動して電解液源10a内の電解液11を、上記空気流に応じた量にて、配管P1を介し汲み出して、配管P2を介して減圧弁10cに供給する。
すると、配管P2からの電解液11が、減圧弁10cにより上記所定の減圧に減圧されて、配管P3内に流出される。現段階では、上述したごとく、減圧弁10cのダイヤフラム部に対する圧力が、電空レギュレータ70でもって、予め、上記目標空圧に維持されている。従って、配管P3内の圧力は、減圧弁10cの減圧作動のもとに、即座に上記所定の減圧に達する。
以上によれば、電解液の電池セル本体ECに対する注入に先だって、電空レギュレータ70により、減圧弁10cに予圧を加えておくことで、電池セル本体ECに対する電解液の注入開始にあたり、減圧弁10cが、配管P3内の液圧を即座に上記所定の減圧に維持する。従って、電池セル本体ECに対する電解液の注入が、より一層迅速になされ得る。その結果、上記第2実施形態に比して、電池セル本体ECに対する電解液の注入時間がより一層短縮され得る。
また、上記第2実施形態においては、図14にて示す構成において、可変オリフィス20に代えて、図17にて示すごとく、開度調整弁20bを採用するとともに、図15にて説明した圧力センサ50fに加え、演算回路50gを付加的に採用してもよい。
ここで、演算回路50gは、上記所定の絞り圧と圧力センサ50fの検出圧力との差圧を演算し、この差圧を減少させるように開度調整弁20bの開度を調整する。換言すれば、開度調整弁20bは、その開度にて、演算回路50gにより上記差圧を減少させるように調整されて、減圧弁10cから配管P3内に流出する電解液を上記所定の絞り圧の電解液に調整して配管P4内に流出する。
従って、リリーフ弁20aは、配管P4内に流出する電解液の圧力を上記所定の絞り圧に維持する。
このように、配管P3内の電解液の圧力が変動しても、この圧力を圧力センサ50fにより演算回路50gにフィードバックすることで、配管P4内の電解液の圧力を上記所定の絞り圧に維持する。これによっても、上記第2実施形態と同様の作用効果が達成され得る。
また、上記第2実施形態においては、図18にて示すごとく、図17にて示す構成において、減圧弁10c及びリリーフ弁20aに代えて、定差圧流量弁Vを採用して、当該定差圧流量弁Vを、開度調整弁20bの上流側に位置する配管P3及び開度調整弁20bの下流側に位置する配管P4の各中間部位に介装するようにしてもよい。
これによれば、演算回路50gが、上記所定の絞り圧と圧力センサ50fの検出圧力との差圧を演算し、この差圧を減少させるように開度調整弁20bの開度を調整することで、開度調整弁20bは、その開度にて、演算回路50gにより上記差圧を減少させるように調整される。これに伴い、定差圧流量弁Vが、演算回路50gにより上記差圧を減少することで、電解液を定流量にて配管P4内に流出する。これによっても、上記第2実施形態と実質的に同様の作用効果を達成することができる。
また、図19にて示すごとく、図18にて示す構成において、開度調整弁20b、圧力センサ50f及び演算装置50gに代えて、上記第1実施形態にて述べた可変オリフィス20を採用し、この可変オリフィス20を両配管P3、P4の間に接続するようにしてもよい。
また、図20にて示すごとく、図18にて示す構成において、開度調整弁20bに代えて、図19にて示した可変オリフィス20を採用し、これに加えて、図15にて示した空気流供給源70a、減圧弁70b及び電空レギュレータ70を採用してもよい。
(第3実施形態)
図21は、本考案を適用してなる蓄電装置のための注液システムの第3実施形態を示している。当該注液システムは、上記第1実施形態にて述べた図1の構成を、図21にて示す構成に変更したものである。
本第3実施形態の注液システムにおいては、固定オリフィス20cが、上記第1実施形態にて述べた可変オリフィス20に代えて、上記第1実施形態にて述べた両配管P3、P4の間に介装されている。
当該固定オリフィス20cは、配管P3を介する減圧弁10cからの上記所定の減圧の電解液11を固定絞り量に絞って、これに対応する固定絞り圧にて配管P4内に流出する。なお、当該固定オリフィス20cの上記固定絞り量は、可変オリフィス20の上記所定の絞り量に相当する。
また、本第3実施形態の注液システムにおいては、リリーフ弁20dが、固定オリフィス20cと常閉型空気式第1駆動弁30i(後述する)との間に接続してなる配管P4の中間部位に介装されている。
当該リリーフ弁20dは、固定オリフィス20cから流出する電解液の圧力を上記固定絞り圧に維持するように作動する。なお、この維持は、固定オリフィス20cからの電解液の圧力が上記固定絞り圧から所定のリリーフ圧に上昇したとき、当該電解液の圧力を上記固定絞り圧に戻すように放出することでなされる。
また、本第3実施形態においては、常閉型空気式第1駆動弁30i、常閉型空気式第2駆動弁30j、常閉型第1補助電磁弁30k、常閉型第2補助電磁弁30m、空気流供給源30n及び減圧弁30pが、上記第1実施形態にて述べた常閉型空気式第1駆動弁30c及び常閉型空気式第2駆動弁30dに代えて、採用されている。
常閉型空気式第1駆動弁30i及び常閉型空気式第2駆動弁30jは、それぞれ、ダイヤフラム式駆動弁からなるもので、第1駆動弁30iは、弁部37a及びダイヤフラム部37bでもって構成されている。
ここで、弁部37aは、その開弁により、上記第1実施形態にて述べた両配管P4、P5を連通する。また、当該弁部37aは、その閉弁により、両配管P4、P5の間の連通を遮断する。ダイヤフラム部37bは、そのダイヤフラムの一方向への変位により、弁部37aをその付設スプリングに抗して開弁する。また、弁部37aは、その付設スプリングの付勢力のもとに、ダイヤフラム部37bのダイヤフラムの他方向への変位により閉弁する。なお、弁部37aの開弁及び閉弁は、第1駆動弁30iの開弁(または閉弁)に相当する。
第2駆動弁30jは、弁部38a及びダイヤフラム部38bでもって構成されている。ここで、弁部38aは、その開弁により、上記第1実施形態にて述べた両配管P5、P6を連通する。また、当該弁部38aは、その閉弁により、両配管P5、P6の間の連通を遮断する。ダイヤフラム部38bは、そのダイヤフラムの一方向への変位により、弁部38aをその付設スプリングに抗して開弁する。また、弁部38aは、その付設スプリングの付勢力のもとに、ダイヤフラム部38bのダイヤフラムの他方向への変位により閉弁する。なお、弁部34aの開弁及び閉弁は、第2駆動弁30jの開弁(または閉弁)に相当する。
常閉型第1補助電磁弁30kは、制御装置60による制御のもとに開弁して、減圧弁30pを介し空気流供給源30nから供給される高圧の空気流を第1流駆動弁30iのダイヤフラム部37bに流入させる。これに伴い、弁部37aを開弁させるように、ダイヤフラム部37bは、そのダイヤフラムを一方向に変位させる。また、第1補助電磁弁30kは、制御装置60による制御のもとに閉弁して、上記空気流のダイヤフラム部37bへの流入を遮断する。これに伴い、弁部37aを閉弁させるように、ダイヤフラム部37bは、そのダイヤフラムを他方向に変位させる。
常閉型第2補助電磁弁30mは、制御装置60による制御のもとに開弁して、減圧弁30pを介し空気流供給源30nから供給される空気流を第2駆動弁30jのダイヤフラム部38bに流入させる。これに伴い、弁部38aを開弁させるように、ダイヤフラム部38bは、そのダイヤフラムを一方向に変位させる。また、常閉型第2補助電磁弁30mは、制御装置60による制御のもとに閉弁して、上記空気流のダイヤフラム部38bへの流入を遮断する。
これに伴い、弁部38aを閉弁させるように、ダイヤフラム部38bは、そのダイヤフラムを他方向に変位させる。なお、減圧弁30pは、空気流供給源30nからの高圧の空気流を減圧して第1補助電磁弁30kの弁部39a及び常閉型第2補助電磁弁30mの弁部39dに流入する。
また、本第3実施形態においては、電空レギュレータ80、ブリード付き減圧弁80b及び圧力センサ50hが、さらに、付加的に採用されている。
電空レギュレータ80は、図21にて示すごとく、常閉型供給電磁弁81、常閉型排出電磁弁82と、両コンパレータ83、84とを有している。常閉型供給電磁弁81は、その弁部にて、減圧弁10cのダイヤフラム部から延出する配管P16aとブリード付き減圧弁80bから延出する配管P18との間に介装されている。
しかして、当該供給電磁弁81は、その弁部の開弁により、配管P18を配管P16aに連通させて、ブリード付き減圧弁80bを介する空気流供給源30nからの空気流を、配管P16aを通して減圧弁10cのダイヤフラム部に流入させる。また、この流入は、供給電磁弁81の弁部の閉弁により遮断される。なお、当該供給電磁弁81の弁部は、コンパレータ83による制御のもとに、当該供給電磁弁81のソレノイド部の励磁(或いは消磁)により、開弁(或いは閉弁)される。
常閉型排出電磁弁82は、その弁部にて、減圧弁10cのダイヤフラム部から延出する他の配管P16bと配管P16cとの間に介装されている。しかして、当該常閉型排出電磁弁82は、その弁部の開弁により、配管P16bを配管P16cに連通させて、減圧弁10cのダイヤフラム部から両配管P16b、P16cを通して空気流を外部に排出する。また、この排出は、排出電磁弁82の弁部の閉弁により遮断される。なお、当該排出電磁弁82の弁部は、コンパレータ84による制御のもとに、当該供給電磁弁82のソレノイド部の励磁(或いは消磁)により、開弁(或いは閉弁)される。
上述したブリード付き減圧弁80bは、空気流供給源30nから配管P17を通して高圧の空気流を供給されて、当該空気流をその圧力にて減圧して配管P18を通して供給電磁弁81に流入させる。
圧力センサ50hは、供給電磁弁81の弁部と減圧弁10cのダイヤフラム部との間に接続してなる配管P16aの中間部位に介装されており、当該圧力センサ50hは、供給電磁弁81の弁部から配管P16bを通り減圧弁10cのダイヤフラム部内に流入する空気流の圧力を検出して、検出空圧をデータとして、コンパレータ83の負側入力端子及びコンパレータ84の正側入力端子に出力する。
コンパレータ83は、その負側入力端子にて、圧力センサ50hから検出空圧をデータとして入力されるとともに、その正側入力端子にて、上記第1実施形態にて述べた制御装置60から目標空圧(後述する)をデータとして入力されると、当該コンパレータ83は、圧力センサ50hからの検出空圧を制御装置60からの目標空圧と比較する。
そして、上記検出空圧が上記目標空圧よりも低いとき、コンパレータ83は、ハイレベルの比較信号を発生し供給電磁弁81のソレノイド部に出力して当該ソレノイド部を励磁する。また、上記検出空圧が上記目標空圧よりも高いとき、コンパレータ83は、ローレベルの比較信号を発生し供給電磁弁81のソレノイド部に出力して当該ソレノイド部を消磁する。
コンパレータ84は、その正側入力端子にて、圧力センサ50hから検出空圧をデータとして入力されるとともに、その負側入力端子にて、制御装置60から目標空圧(後述する)をデータとして入力されると、当該コンパレータ84は、圧力センサ50hからの検出空圧を制御装置60からの目標空圧と比較する。
そして、上記検出空圧が上記目標空圧よりも高いとき、コンパレータ84は、ハイレベルの比較信号を発生し排出電磁弁82のソレノイド部に出力して当該ソレノイド部を励磁する。また、上記検出空圧が上記目標空圧よりも低いとき、コンパレータ84は、ローレベルの比較信号を発生し供給電磁弁82のソレノイド部に出力して当該ソレノイド部を消磁する。本第3実施形態においては、減圧弁10cと固定オリフィス20cとの間に接続してなる配管P3内の圧力を減圧弁10cにより上記所定の減圧に維持するに要する空圧(上記所定の減圧よりも幾分高い空圧)が、上記目標空圧として予め設定されている。
また、本第3実施形態においては、上記第1実施形態にて述べた制御装置60によりフローチャート(図2及び図3参照)に従い実行されるコンピュータプログラムは、図22及び図23にて示すフローチャートに従うように変更されている。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
以上のように構成した本第3実施形態において、上記第1実施形態と同様に制御装置60が作動状態におかれると、当該制御装置60は、図22及び図23のフローチャートに従い、上記コンピュータプログラムの実行を図22のスタートステップにて開始する。なお、この開始に先立ち、上記第1実施形態と同様に、所定数Noの電池セル本体ECのいずれも、当該注入システムに対し、セットされていない。また、現段階では、供給ポンプ10b及び真空ポンプ40は共に停止状態にあり、かつ、第1駆動弁30i、第2駆動弁30j、第1補助電磁弁39k及び第2補助電磁弁30mは、共に、閉弁状態にある。
しかして、ステップ100(図22参照)において上記第1実施形態と同様に初期化の処理がなされた後、ステップ101aにおける第1補助電磁弁閉弁処理において、第1補助弁開弁信号の発生が停止され、ステップ102aにおける第2補助電磁弁開弁処理において、第2補助弁開弁信号が発生され、次のステップ103において上記第1実施形態と同様にポンプ駆動信号が発生される。なお、このとき、第1補助電磁弁30kは、制御装置60からの第1補助弁開弁信号の上述した発生停止のもとに、閉弁状態を維持し、配管P23を配管P21から遮断している。
このように第1補助電磁弁30kの閉弁状態のもとに第2補助弁開弁信号及びポンプ駆動信号が発生されると、制御装置60が、当該第2補助弁開弁信号及びポンプ駆動信号をそれぞれ順次第2補助電磁弁30m及び上記第1実施形態にて述べた駆動回路41に出力する。
すると、第2補助電磁弁30mが、制御装置60からの第2補助弁開弁信号に基づき開弁されて、配管P22を配管P20に連通させる。これに伴い、空気供給弁30nからの空気流が、配管P17の上流部、配管P19、減圧弁30p、配管P20、第2補助電磁弁30mの弁部39c及び配管P22を通り、第2駆動弁30jのダイヤフラム部38bに流入して、当該ダイヤフラム部38bをそのダイヤフラムにて一方向に変位させる。このため、第2駆動弁30jが、その弁部38aにて、開弁して配管P6を配管P5に連通させる(図23の時間T=T1参照)。このとき、配管P7は、その先端開孔部にて、上記第1実施形態と同様に、上記栓により気密的に閉塞されている。
ついで、真空ポンプ40が、上記第1実施形態と同様に、制御装置60からのポンプ駆動信号に基づき駆動回路41により駆動されて作動し、第1駆動弁30iの閉弁及び第2駆動弁30jの開弁のもとに、配管P5、配管P7及び第2駆動弁30jの弁部38aの各内部に対する真空引きを開始する(図23にて時間T=T1参照)。
このことは、配管P5、配管P7及び第2駆動弁30jの弁部38aの各内部における電解液11の残液を、真空ポンプ40でもって、配管P8から外部に排出する処理(残液排出処理)が初期的に開始されたことを意味する。
このような残液排出処理の開始に伴い、配管P7内の圧力が、上記第1実施形態と同様に、時間T=T1にて低下し始めるとともに、当該圧力が上記第1実施形態にて述べた第2圧力センサ50bにより検出される(図23及び図4にて示すグラフLb参照)。
上述のようなステップ103における処理の後、上記第1実施形態と同様に、ステップ104にて上記タイマーの計時が開始され、かつ、ステップ110においてNOと判定される。
然る後、上記第1実施形態と同様に残液排出処理時間Tiが経過すると、ステップ110においてYESと判定される。このことは、配管P5、配管P7、第2駆動弁30jの弁部38a及び真空ポンプ40の各内部における電解液11の残液が、外部へ初期的に排出されたことを意味する。
ついで、上記第1実施形態と同様に電池セル本体ECが当該注液システムにセットされることでステップ120における判定がYESになると、次のステップ121において、セット変数Nが、上記第1実施形態と同様に、N=1と加算更新される。これに伴い、ステップ122において上記タイマーが上記第1実施形態と同様にリセット起動されて、計時を開始する。
このようにしてステップ122における処理が終了すると、次のステップ124における目標空圧データ出力処理において、目標空圧が、データとして、制御装置60から電空レギュレータ80のコンパレータ83の負側入力端子及びコンパレータ84の正側入力端子に出力される。
ここで、現段階において、配管P16a内には、空気流が流入していないため、圧力センサ50hの検出空圧は、上記目標空圧よりも低い。このため、コンパレータ83は、ハイレベルの比較信号を発生し、一方、コンパレータ84は、ローレベルの比較信号を発生する。
すると、供給電磁弁81が、コンパレータ83からのハイレベルの比較信号に基づき開弁して配管P16aを配管P18に連通する。一方、排出電磁弁82が、コンパレータ84からのローレベルの比較信号に基づき閉弁して配管P16cを配管P16bから遮断する。
これに伴い、排出電磁弁82の閉弁による配管P16cの配管P16bからの遮断のもとに、空気流供給源30nから配管P17を介し供給される空気流が、減圧弁80aにより減圧されて、配管P18、供給電磁弁81の弁部及び配管P16bを通り、減圧弁10cのダイヤフラム部に流入する。このため、減圧弁10cのダイヤフラム部が、そのダイヤフラムにて、その流入空圧に応じて、配管P3内の圧力を上記所定の減圧に向けて上昇させるように、一方向へ変位する。このため、配管P16a内の圧力が上昇する。
しかして、当該配管P16a内の圧力が上記目標空圧よりも高くなると、コンパレータ83が、ローレベルの比較信号を発生するとともに、コンパレータ84が、ハイベレベルの比較信号を発生する。すると、供給電磁弁81が、コンパレータ83からのローレベルの比較信号に基づき、閉弁して、配管P16bを配管P16aから遮断する。このため、空気流供給源30nから減圧弁10cに対する空気流の供給が遮断される。
また、上述のようにコンパレータ84がハイレベルの比較信号を発生すると、遮断電磁弁82が、開弁して、配管P16cを配管P16bに連通する。このため、供給電磁弁81の閉弁のもとに、配管P16a、減圧弁10cのダイヤフラム部及び配管P16b内の空圧が、配管P16cから外部に排出される。このため、圧力センサ50hの検出空圧が低下する。
これに伴い、当該検出空圧が上記目標空圧よりも低下すると、再び、コンパレータ83がハイレベルの比較信号を供給電磁弁81に出力するとともに、コンパレータ84が、ローレベルの比較信号を排出電磁弁82に出力する。このため、排出電磁弁82の閉弁のもとに、供給弁81がその開弁により、空気流供給源30nからの空気流を再び減圧弁10cのダイヤフラム部に流入させる。従って、当該ダイヤフラム部内の圧力が上昇するとともに、圧力センサ50hの検出空圧が高くなる。
以上のようにして、電空レギュレータ80が、供給電磁弁81及び排出電磁弁82を交互に開弁することで、減圧弁10cのダイヤフラム部内の圧力を、前もって、予備加圧して、上記目標空圧に維持する(図24のグラフLc参照)。このことは、電解液が減圧弁10cを通り流れたとき、配管P3内の圧力が即座に上記所定の減圧に達することを意味する。
上述したステップ124の処理後、次のステップ130において、上記第1実施形態と同様に、NOとの判定が繰り返されている間に、セル本体真空処理時間Tcの経過に基づき、当該ステップ130における判定がYESになると、電池セル本体ECの内部に対する真空引きが終了する(図24にて時間T=T3参照)。
このようにステップ130における判定がYESになると、次のステップ131aにおける第2補助電磁弁閉弁処理(図23参照)において、第2補助弁開弁信号の発生が停止され、ステップ132における真空ポンプ停止処理において、上記第1実施形態と同様にポンプ駆動信号の発生が停止され、ステップ134における空気流供給用電磁弁開弁処理において、空気流供給用開弁信号が発生され、かつ、次のステップ135における第1補助弁開弁処理において、第1補助弁開弁信号が発生される。
しかして、上述のように第2補助弁開弁信号の発生が停止されることで、第2補助電磁弁30mが閉弁して、減圧弁30pを介する空気流供給弁30nから第2駆動弁30jへの空気流の供給を遮断する(図24にて時間T=T3参照)。このため、第2駆動弁30jが閉弁する。また、上述のようにポンプ駆動信号の発生が停止されることで、真空ポンプ40が停止して、上述の真空引きを停止する(図23にて時間T=T3参照)。
また、上述のように空気流供給用開弁信号が発生されることで、電磁弁14が、開弁して、空気流供給源13から供給ポンプ10bへの空気流の供給を開始させる。これにより、供給ポンプ10bが、作動を開始する。
また、上述のように第1補助弁開弁信号が発生されることで、第1補助電磁弁30kが、開弁して、空気流供給源30nからの空気流を、配管P17の上流部(図21参照)、配管P19、減圧弁30p、配管P20の上流部、配管P21及び配管P23を通して第1駆動弁30iのダイヤフラム部37bに流入させる。これに伴い、第1駆動弁30iが、そのダイヤフラム部37bのダイヤフラムの一方向への変位により、弁部37aにて開弁する。
しかして、上述のように供給ポンプ10bが作動を開始するとともに、第1駆動弁30iが開弁すると、電解液源10a内の電解液が、第2駆動弁30jの閉弁のもと、供給ポンプ10bにより、配管P1を通し汲み出されて、配管P2、減圧弁10c、配管P3、固定オリフィス20c、配管P4、リリーフ弁20d、第1駆動弁30iの弁部37a、配管P5の上流部及び配管P7を通り、電池セル本体EC内に注入されていく。
現段階では、上述のごとく、減圧弁10cが、電空レギュレータ80による予圧のもとに、予め、配管P3内の圧力を上記所定の減圧にする状態に維持されている。従って、上述のように供給ポンプ10bからの電解液が配管P2を通り減圧弁10cにより減圧されて配管P3内に流入すると、この配管P3内の液圧は、即座に、上記所定の減圧まで上昇する。その結果、電池セル本体EC内への電解液の注入速度が、上記第1実施形態よりもさらに速くなる。なお、第1圧力センサ50aによる検出液圧は、図24においてグラフLdにより示すごとく、時間T=T3の直後にて瞬時に上記所定の減圧に達する。
上述のようにステップ135における処理が終了すると、次のステップ140において、下流液圧が上流液圧に達したか否かが判定される。現段階では、上記第1実施形態と同様に、電解液11の電池セル本体EC内への注入の開始直後であるため、第2圧力センサ50bの検出液圧は、第1圧力センサ50aの検出液圧よりも低いことから、ステップ140においてNOとの判定が繰り返される。
然る後、上記第1実施形態と同様に、配管P7内における電解液11の圧力(下流液圧)が、時間T=T3の経過後、電池セル本体EC内への電解液11の注入量の増大に伴い、時間T=T4(図24参照)に達することで、上記下流液圧が上記上流液圧に等しくなると、第1圧力センサ50a及び第2圧力センサ50bからの各圧力検出信号に基づき、ステップ140においてYESと判定される。
このことは、上記第1実施形態と同様に、電池セル本体ECの内の液圧が配管P7内の液圧に一致することにより、電解液11の電池セル本体EC内への注入が終了したことを意味する。
ステップ140におけるYESとの判定後、次のステップ141aにおける第1補助電磁弁閉弁処理において、第1補助弁開弁信号の発生が停止され、次のステップ142における空気流供給用電磁弁閉弁処理において、空気流供給用開弁信号の発生が停止される。
すると、第1流補助電磁弁30kが閉弁して空気流供給源から第1駆動弁30iへの空気流の供給を遮断する。このため、当該第1駆動弁30iが、ダイヤフラム部37bのダイヤフラムの他方向への変位により、弁部37aにて閉弁して、電解液源10aから電池セル本体EC内への電解液11の注入を遮断する。なお、供給ポンプ10bは、空気流供給用開弁信号の上述した発生の停止に基づき停止する。また、ステップ150以後の処理は、上記第1実施形態と実質的に同様である。
以上説明したように、本第3実施形態によれば、電解液の電池セル本体ECに対する注入に先だって、電空レギュレータ80により、減圧弁10cに予圧を加えておくことで、電池セル本体ECに対する電解液の注入開始にあたり、減圧弁10cが、配管P3内の液圧を即座に上記所定の減圧に維持する。従って、電池セル本体ECに対する電解液の注入が、より一層迅速になされ得る。その結果、電池セル本体ECに対する電解液の注入時間がより一層短縮され得る。その他の作用効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第4実施形態)
上記第1実施形態においては、電池セル本体ECの内の液圧が配管P7内の液圧に一致したこと(ステップ140参照)を第1及び第2の圧力センサ50a、50bの検出結果に基づき判定したときに、電解液11の電池セル本体EC内への注入を、第2電磁弁30bの閉弁(ステップ131参照)のもと、第1電磁弁30aの閉弁(ステップ141参照)により終了するようにした。
しかしながら、電池セル本体EC内への電解液の注入は、例えば、上記電極構造体のセパレータと正極との間の間隙領域及びセパレータと負極との間の間隙領域等の狭い領域の双方に注入することでなされる。
ここで、電池セル本体EC内が真空状態にあっても、上記各間隙領域が狭すぎると、無視できない圧力損失がセパレータと正極との間やセパレータと負極との間で生じる場合がある。
このような場合には、上記各間隙領域への電解液の注入の際に、電解液の上記各間隙領域への注入が未だ適正には終了していないにもかかわらず、第1及び第2の圧力センサ50a、50bの検出結果に基づき電池セル本体ECの内の液圧が配管P7内の液圧に一致したものとして判定されてしまうおそれがある(ステップ140参照)。これでは、電解液の電池セル本体EC内への注入不足が発生する。
そこで、本第4実施形態においては、上述のように、電池セル本体EC内の液圧が配管P7内の液圧に一致したものとしてステップ140にて判定されるに伴い、ステップ141にて、上記第1実施形態とは異なり、第1電磁弁30aを所定回数だけ開閉することにより、この開閉に伴う第1電磁弁30a内の容積の変化分に相当する電解液を、上記各間隙領域に強制的に注入するようにした。
これにより、上述した電解液の電池セル本体EC内への注入不足を解消して、当該電池セル本体EC内の全体に亘り、上記各間隙領域を含め、十分に電解液を注入することができる。
ここで、上記所定回数は、電解液を上記各間隙領域に充分に注入するに適した回数をいうが、この回数は、電池セル本体ECの仕様に応じて決定される。
なお、上記第4実施形態にて述べたように上述した所定回数の開閉に依存するのではなく、電池セル本体EC内の液圧が配管P7内の液圧に一致したと判定された後、第1電磁弁30aを複数回開閉制御する。
そして、電池セル本体EC内の液圧が配管P7内の液圧に一致したと判定されたときの電池セル本体ECの重量と、電池セル本体ECの電解液の注入前の重量との重量差を重量センサにより検出すること、或いは、電解液槽10a内の電解液の量が、電池セル本体ECの電解液の注入前に比べて、電池セル本体EC内の液圧が配管P7内の液圧に一致したと判定されたときにどれだけ減少したかを量的に検出することにより、第1電磁弁30aの開閉を停止するようにしてもよい。これにより、上記第4実施形態と同様の作用効果を達成することができる。
ここで、上述した電解液槽10内の電解液の減少量は、電解液槽10aから電池セル本体ECまでの配管系統の一部に介装した流量センサの検出流量に基づき算出するようにしてもよい。
また、上記第2実施形態においては、上述したごとく注液時間Tbの経過との判定(図13のステップ140参照)の際に電解液11の電池セル本体EC内への注入を、第2電磁弁30bの閉弁のもと、第1電磁弁30aの閉弁(図13のステップ141参照)により終了するようになっている。これでは、上記第1実施形態と同様に、電解液の電池セル本体EC内への注入不足が発生する。
そこで、上記第2実施形態に対しても、上記第4実施形態を適用することにより、注液時間Tbの経過との判定に伴い、ステップ141にて、上記第2実施形態とは異なり、第1電磁弁30aを所定回数だけ開閉することにより、この開閉に伴う第1電磁弁30a内の容積の変化分に相当する電解液を、上記各間隙領域に強制的に注入するようにすれば、上記第4実施形態と同様の作用効果を達成することができる。
また、上記第3実施形態に対しても、上記第4実施形態の適用することにより、電池セル本体EC内の液圧が配管P7内の液圧に一致したものとしてステップ140(図21参照)にて判定されるに伴い、次のステップ141aにて、上記第3実施形態とは異なり、第1電磁弁30aを所定回数だけ開閉することにより、この開閉に伴う第1電磁弁30a内の容積の変化分に相当する電解液を、上記各間隙領域に強制的に注入するようにすれば、上記第4実施形態と同様の作用効果を達成することができる。
また、本考案の実施にあたり、上記各実施形態や変形例に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)本考案の実施にあたり、上記第1実施形態においては、第2電磁弁30bの閉弁時に真空ポンプ40を停止するようにすれば、第2電磁弁30bは、廃止してもよい。
(2)本考案の実施にあたり、上記実施形態にて述べた可変オリフィス20に限ることなく、一般的には、この可変オリフィス20と同様の圧損機能を有する圧損部材を可変オリフィス20に代えて採用してもよい。
また、上記実施形態にて述べた固定オリフィス20cに限ることなく、一般的には、この固定オリフィス20cと同様の圧損機能を有する圧損部材を固定オリフィス20cに代えて採用してもよい。
(3)本考案の実施にあたり、上記第2実施形態において、第1圧力センサ50a及び第2圧力センサ50bが、防爆型センサでなければ、注液システムが防爆領域で装備されていても、第1圧力センサ50a及び第2圧力センサ50bを廃止することで、当該注液システムの実施が安全になされ得る。
(4)本考案の実施にあたり、上記第1実施形態にて述べたステップ140において、上記下流液圧(第2圧力センサ50bの検出圧力)による上記上流液圧(第1圧力センサ50aの検出圧力)への到達に基づきYESと判定した後に、所定短時間(例えば、5(秒)〜15(秒)の範囲以内の時間)だけ経過したか否かを判定するようにしてもよい。
これによれば、上記下流液圧が上記上流液圧と等しくなっても、既に発生済みの第1弁開弁信号は、ステップ141において、即座には、停止されず、上記所定短時間の経過時に停止されることとなる。このことは、第1電磁弁30aが、上記所定短時間の経過時に閉弁されることを意味する。
このため、電池セル本体ECへの電解液の注入が、上記下流液圧による上記上流液圧への到達後、上記所定短時間の経過時点まで継続される。その結果、電池セル本体ECに対する電解液の注入不足をより一層確実に解消しつつ十分な電解液の注入を可能とすることができる。
(5)本考案の実施にあたり、上記第2実施形態にて述べたステップ140におけるYESとの判定に伴い、所定短時間(例えば、5(秒)〜15(秒)の範囲以内の時間)の経過か否かを判定するようにしてもよい。
これによれば、上記注液時間Tdの経過後上記所定短時間が経過した時点でYESと判定した後に、既に発生済みの第1弁開弁信号は、ステップ141において、停止されることとなる。このことは、第1電磁弁30aが、上記注液時間Tdの経過時ではなく上記所定短時間の経過時に閉弁されることを意味する。
これにより、電池セル本体ECへの電解液の注入が注液時間Td及び上記所定短時間の双方の経過時点まで継続される。その結果、電池セル本体ECに対する電解液の注入不足をより一層確実に解消しつつ十分な電解液の注入を可能とすることができる。
(7)本考案の実施にあたり、上記第1実施形態にて述べた注液システムにおいて、図1における減圧弁10cを含めたその下流側の構成を、図1にて図示二点鎖線により示すごとく、複数ライン、追加した構成としてもよい。これによれば、各ラインの減圧弁10cに対し、供給ポンプ10bが単一で済むのは勿論のこと、当該単一の供給ポンプ10bによる電解液の供給のもと各ラインでの電池セル本体ECに対する電解液の注入量をばらつきなく均一になし得る。
(8)本考案の実施にあたり、自動車用リチウムイオン二次電池セルに限ることなく、各種の電池セルや電気二重層キャパシタその他の蓄電装置の装置本体(負極、セパレータ及び正極の積層電極構造)に本考案を適用してもよい。