JP3174248B2 - 半導体増幅装置 - Google Patents

半導体増幅装置

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JP3174248B2
JP3174248B2 JP21444195A JP21444195A JP3174248B2 JP 3174248 B2 JP3174248 B2 JP 3174248B2 JP 21444195 A JP21444195 A JP 21444195A JP 21444195 A JP21444195 A JP 21444195A JP 3174248 B2 JP3174248 B2 JP 3174248B2
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淳二 中塚
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松下電子工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信装置や画像処
理装置等において、高周波数、小振幅の信号を増幅する
ために利用される半導体増幅装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通信装置や画像処理装置等の小型化及び
軽量化に伴い、高周波数、小振幅の信号を増幅する半導
体増幅装置のニーズが高まっている。
【0003】以下、従来の半導体増幅装置について説明
する。
【0004】図6は基本的な反転増幅回路の回路図であ
る。図6において、11はオペアンプ、12は第1の抵
抗、13は第2の抵抗であり、入力端子14に入力され
る信号Vinは、信号グランド電位Vsgを中心として増幅
され出力端子15から信号Vout として出力される。第
1の抵抗12の抵抗値をR1 、第2の抵抗13の抵抗値
をR2 とすると、図6に示す反転増幅回路の増幅率A
は、次式のようになる。 A=R2 /R1 …(1)
【0005】また、この反転増幅回路を半導体装置とし
て実現するとき、第1の抵抗12及び第2の抵抗13は
半導体基板16上に形成される。半導体基板16には基
板電位が与えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の半導
体増幅装置には以下のような問題がある。
【0007】図7は第2の抵抗13の構造を示す断面図
である。第2の抵抗13は半導体基板16上に絶縁膜1
8を介して形成される。このような構造により、第2の
抵抗13と半導体基板16との間に分布容量17a〜1
7dが生じている。また、第2の抵抗13の単位面積当
たりの分布容量の大きさは、製造工程により一意に決定
される。
【0008】図8は半導体増幅装置における増幅率の周
波数特性を示すグラフである。縦軸は増幅率、横軸は周
波数の対数である。実線は図6に示す従来の半導体増幅
装置における増幅率の周波数特性であり、破線は理想的
な半導体増幅装置における増幅率の周波数特性である。
また、斜線部Wは増幅する対象となる信号の周波数帯域
である。
【0009】半導体増幅装置の増幅率は、破線で示すよ
うに周波数にかかわらず一定であることが理想であり、
周波数帯域Wの信号は一律に増幅されることが望まし
い。しかし、実際には、高周波信号の場合、図7に示す
ような抵抗−半導体基板間に生じる分布容量の影響が無
視できなくなり、実線で示すように周波数の増加に伴い
増幅率も増加し、式(1)で表される増幅率A以上の増
幅率になるという問題があった。また、分布容量が極め
て大きい場合、増幅率が極端に大きくなると共に信号の
位相のずれが大きくなることにより、最悪の場合には、
半導体増幅装置が発振状態に陥ってしまうという問題が
あった。
【0010】前記の問題に鑑み、本発明は、所望の周波
数帯域において増幅率が一定であり且つ発振状態に陥る
ことのない半導体増幅装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は、増幅率を決定する抵抗の上又は下に電極
を配置して分布容量を生じさせることにより、増幅率の
周波数特性を改善するものである。
【0012】具体的に請求項1の発明が講じた解決手段
は、半導体増幅装置として、オペアンプと、前記オペア
ンプの一方の入力端子に接続された第1の抵抗と、前記
オペアンプの出力端子と前記一方の入力端子との間に接
続され、かつ、半導体基板上に第1の絶縁膜を介して形
成された第2の抵抗と、前記オペアンプの出力端子と接
続され、かつ、前記第2の抵抗の少なくとも一部の上に
第2の絶縁膜を介して形成された電極とを備えた構成と
するものである。
【0013】具体的に請求項2の発明が講じた解決手段
は、半導体増幅装置として、オペアンプと、前記オペア
ンプの一方の入力端子に接続された第1の抵抗と、前記
オペアンプの出力端子と前記一方の入力端子との間に接
続され、かつ、半導体基板上に絶縁膜を介して形成され
た第2の抵抗と、前記オペアンプの出力端子と接続さ
れ、かつ、前記絶縁膜のうち一部の絶縁膜の内部または
下側に形成された電極とを備えた構成とするものであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態) 図1は本発明の第1の実施形態に係る半導体増幅装置の
構成を示す回路図である。図6に示す従来の半導体増幅
装置と同様に、11はオペアンプ、12は第1の抵抗、
13は第2の抵抗であり、入力端子14に入力される信
号Vinは、信号グランド電位Vsgを中心として増幅され
出力端子15から信号Vout として出力される。また、
第1の抵抗12及び第2の抵抗13は半導体基板16上
に形成される。
【0015】本実施形態では、出力端子15に接続され
た電極1が第2の抵抗13の上に配置されていることを
特徴とする。
【0016】図2は図1に示す半導体増幅装置における
第2の抵抗13の構造を示す断面図である。図7と同様
に、第2の抵抗13は半導体基板16上に絶縁膜18を
介して形成されており、第2の抵抗13と半導体基板1
6との間に分布容量17a〜17dが生じている。
【0017】また、出力端子15に接続された電極1が
第2の抵抗13上に絶縁膜2を介して形成されており、
このような構造により電極1と第2の抵抗13との間に
分布容量2a〜2dが生じている。この分布容量の電極
単位面積当たりの大きさは製造工程により一意に決定さ
れる。
【0018】図3は本実施形態に係る半導体増幅装置に
おける増幅率の周波数特性を示すグラフである。図3に
おいて、縦軸は増幅率、横軸は周波数の対数である。実
線は図1に示す本実施形態に係る半導体増幅装置におけ
る増幅率の周波数特性であり、破線は理想的な半導体増
幅装置における増幅率の周波数特性である。また、斜線
部Wは増幅する対象となる信号の周波数帯域である。
【0019】本実施形態に係る半導体増幅装置による
と、電極1を構成することにより、第2の抵抗13と半
導体基板16との間に生じる分布容量が増幅率の周波数
特性に対して及ぼす影響を抑制することができる。分布
容量2a〜2dの大きさは電極1の面積等により最適化
できるので、図3の実線が示すように、周波数帯域Wに
おける増幅率を一定にすることができる。また、本実施
形態に係る半導体増幅装置は電極1と第2の抵抗13と
の間の分布容量2a〜2dによって低域通過特性を持つ
ことになり、周波数帯域Wよりも高い周波数において増
幅率が低下するので、発振状態に陥ることがなくなる。
【0020】(第2の実施形態) 図4は本発明の第2の実施形態に係る半導体増幅装置の
構成を示す回路図である。図1に示す第1の実施形態に
係る半導体増幅装置と同様に、11はオペアンプ、12
は第1の抵抗、13は第2の抵抗であり、入力端子14
に入力される信号Vinは、信号グランド電位Vsgを中心
として増幅され出力端子15から信号Vout として出力
される。また、第1の抵抗12及び第2の抵抗13は半
導体基板16上に形成される。
【0021】本実施形態では、出力端子15に接続され
た電極3が第2の抵抗13の下に配置されていることを
特徴とする。
【0022】図5は図4に示す半導体増幅装置における
第2の抵抗13の構造を示す断面図である。図5に示す
ように、半導体基板16中に基板不純物とは異なる導電
性の不純物を注入することにより、電極3は形成されて
いる。このような構造により、電極3と第2の抵抗13
との間の絶縁膜の一部18aに分布容量4a及び4bが
生じていると共に、第2の抵抗13と半導体基板16と
の間の絶縁膜の他部18bに分布容量17a及び17b
が生じている。また、電極3により生じている分布容量
の電極単位面積当たりの大きさは、製造工程により一意
に決定される。
【0023】本実施形態に係る半導体増幅装置による
と、電極3を構成することにより、第2の抵抗13と半
導体基板16との間に生じる分布容量が増幅率の周波数
特性に対して及ぼす影響を抑制することができる。電極
3と第2の抵抗13との間の分布容量の大きさは電極3
の面積等により最適化できるので、本実施形態に係る半
導体増幅装置における増幅率の周波数特性もまた、図3
のグラフの実線のようになる。すなわち、周波数帯域W
における増幅率を一定にすることができる。また、本実
施形態に係る半導体増幅装置は電極3と第2の抵抗13
との間の分布容量4a及び4bによって低域通過特性を
持つことになり、周波数帯域Wよりも高い周波数におい
て増幅率が低下するので、発振状態に陥ることがなくな
る。
【0024】なお、本実施形態では電極3を半導体基板
16中に形成したが、第2の抵抗13と半導体基板16
との間の絶縁膜18内に形成しても同様の効果が得られ
る。
【0025】
【発明の効果】請求項1の発明に係る半導体増幅装置に
よると、増幅率を決定する第2の抵抗の上に電極が配置
されており、第2の抵抗と電極との間に生じる分布容量
によって、第2の抵抗と半導体基板との間に生じている
分布容量が信号周波数に対する増幅率の特性に与える影
響を抑制することができるので、所望の周波数帯域にお
ける増幅率を一定にできると共に半導体増幅装置が発振
状態に陥るのを防ぐことができる。
【0026】請求項2の発明に係る半導体増幅装置によ
ると、増幅率を決定する第2の抵抗と半導体基板との間
の絶縁膜のうち一部の絶縁膜の内部又は下側に電極が配
置されており、第2の抵抗と電極との間に生じる分布容
量によって、第2の抵抗と半導体基板との間に生じてい
る分布容量が信号周波数に対する増幅率の特性に与える
影響を抑制することができるので、所望の周波数帯域に
おける増幅率を一定にできると共に半導体増幅装置が発
振状態に陥るのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体増幅装置
の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体増幅装置
の第2の抵抗13の構造を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る半導体増幅装置におけ
る増幅率の周波数特性を示すグラフである。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る半導体増幅装置
の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る半導体増幅装置
の第2の抵抗13の構造を示す断面図である。
【図6】従来の半導体増幅装置の構成を示す回路図であ
る。
【図7】従来の半導体増幅装置の第2の抵抗13の構造
を示す断面図である。
【図8】従来の半導体増幅装置における増幅率の周波数
特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 電極 2 絶縁膜 2a,2b,2c,2d 分布容量 3 電極 4a,4b 分布容量 11 オペアンプ 12 第1の抵抗 13 第2の抵抗 14 入力端子 15 出力端子 16 半導体基板 17a,17b,17c,17d 分布容量 18 絶縁膜 18a 絶縁膜の一部 18b 絶縁膜の他部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オペアンプと、 前記オペアンプの一方の入力端子に接続された第1の抵
    抗と、 前記オペアンプの出力端子と前記一方の入力端子との間
    に接続され、かつ、半導体基板上に第1の絶縁膜を介し
    て形成された第2の抵抗と、 前記オペアンプの出力端子と接続され、かつ、前記第2
    の抵抗の少なくとも一部の上に第2の絶縁膜を介して形
    成された電極とを備えた ことを特徴とする半導体増幅装
    置。
  2. 【請求項2】 オペアンプと、 前記オペアンプの一方の入力端子に接続された第1の抵
    抗と、 前記オペアンプの出力端子と前記一方の入力端子との間
    に接続され、かつ、半導体基板上に絶縁膜を介して形成
    された第2の抵抗と、 前記オペアンプの出力端子と接続され、かつ、前記絶縁
    膜のうち一部の絶縁膜の内部または下側に形成された電
    極とを備えた ことを特徴とする半導体増幅装置。
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