JP3173850B2 - 光学活性イノシトール誘導体の製造法 - Google Patents
光学活性イノシトール誘導体の製造法Info
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- JP3173850B2 JP3173850B2 JP07897692A JP7897692A JP3173850B2 JP 3173850 B2 JP3173850 B2 JP 3173850B2 JP 07897692 A JP07897692 A JP 07897692A JP 7897692 A JP7897692 A JP 7897692A JP 3173850 B2 JP3173850 B2 JP 3173850B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学活性myo−イノシ
トール誘導体および光学活性イノシトールリン酸化合物
の製造法に関する。更に詳細には、D−myo−イノシ
トール−1,4,5−トリフォスフェート(以下、イノ
シトールトリフォスフェートともいう)合成の中間体で
ある光学活性myo−イノシトール誘導体を、酵素を用
いた位置選択的及び立体選択的アシル化によって製造す
る方法、非アシル化体として取得する方法および該アシ
ル化されていないmyo−イノシトール誘導体を合成原
料としてイノシトールトリフォスフェートを製造する方
法に関する。
トール誘導体および光学活性イノシトールリン酸化合物
の製造法に関する。更に詳細には、D−myo−イノシ
トール−1,4,5−トリフォスフェート(以下、イノ
シトールトリフォスフェートともいう)合成の中間体で
ある光学活性myo−イノシトール誘導体を、酵素を用
いた位置選択的及び立体選択的アシル化によって製造す
る方法、非アシル化体として取得する方法および該アシ
ル化されていないmyo−イノシトール誘導体を合成原
料としてイノシトールトリフォスフェートを製造する方
法に関する。
【0002】イノシトールトリフォスフェートは、イノ
シトールビスフォスフェート(これらを以下、イノシト
ールポリフォスフェートという)と共にセカンドメッセ
ンジャーとして、近年その生理的重要性が明らかにされ
てきている。つまり、これらのイノシトールポリフォス
フェートが細胞質ソルに拡散してはいることによって、
小胞体のCa2+を易動化して放出する。放出されたCa
2+はいろいろな細胞内蛋白を活性化する作用を有してい
る。
シトールビスフォスフェート(これらを以下、イノシト
ールポリフォスフェートという)と共にセカンドメッセ
ンジャーとして、近年その生理的重要性が明らかにされ
てきている。つまり、これらのイノシトールポリフォス
フェートが細胞質ソルに拡散してはいることによって、
小胞体のCa2+を易動化して放出する。放出されたCa
2+はいろいろな細胞内蛋白を活性化する作用を有してい
る。
【0003】このように、イノシトールポリフォスフェ
ートはセカンドメッセンジャーとしての機能を備えてい
る重要な物質であり、飼料添加物、乳幼児や高齢者のた
めの植物性飲料などへの応用が期待されている。
ートはセカンドメッセンジャーとしての機能を備えてい
る重要な物質であり、飼料添加物、乳幼児や高齢者のた
めの植物性飲料などへの応用が期待されている。
【0004】
【従来の技術】光学活性なイノシトールトリフォスフェ
ートの製造法としては、他のキラル化合物から光学活性
なmyo−イノシトールを分離する方法〔Proc. Natl.
Acad.Sci. USA, 86巻,94頁(1989)、J. Org. Chem.,
54巻,5851頁(1989)、Chem.Lett., 1987巻,123頁、T
etrahedron Lett., 31巻,1433頁(1990)〕が報告され
ている。
ートの製造法としては、他のキラル化合物から光学活性
なmyo−イノシトールを分離する方法〔Proc. Natl.
Acad.Sci. USA, 86巻,94頁(1989)、J. Org. Chem.,
54巻,5851頁(1989)、Chem.Lett., 1987巻,123頁、T
etrahedron Lett., 31巻,1433頁(1990)〕が報告され
ている。
【0005】更にラセミ体やメソ−myo−イノシトー
ル誘導体から得る方法など、数多く報告されている。例
えば4,5−ジ−O−アリル−3,6−ジ−ベンジル−
myo−イノシトールを1−1−メントキシ酢酸エステ
ルにかえて光学分割した後、そのL体を加水分解し、さ
らに段階的にアルキル化して1,4,5−トリ−O−ア
リル−2,3,6−トリ−O−ベンジル誘導体とし、ウ
イルキンソン触媒による異性化を利用してアリル保護基
を除去する方法〔Tetrahedron Lett., 27巻,3157頁(1
986)〕、p−トルエンスルホン酸の存在下でイノシト
ールとエトキシシクロヘキセンの反応によってビスシク
ロヘキシリデン誘導体を得、これから2,3−O−ジベ
ンジル−4,5−O−ビス(メトキシベンジル)−イノ
シトールを調製したのち、これをキラルなHPLCカラ
ムを用いて光学分割する方法〔Chem. Lett., 1988巻,7
7頁〕などが挙げられる。
ル誘導体から得る方法など、数多く報告されている。例
えば4,5−ジ−O−アリル−3,6−ジ−ベンジル−
myo−イノシトールを1−1−メントキシ酢酸エステ
ルにかえて光学分割した後、そのL体を加水分解し、さ
らに段階的にアルキル化して1,4,5−トリ−O−ア
リル−2,3,6−トリ−O−ベンジル誘導体とし、ウ
イルキンソン触媒による異性化を利用してアリル保護基
を除去する方法〔Tetrahedron Lett., 27巻,3157頁(1
986)〕、p−トルエンスルホン酸の存在下でイノシト
ールとエトキシシクロヘキセンの反応によってビスシク
ロヘキシリデン誘導体を得、これから2,3−O−ジベ
ンジル−4,5−O−ビス(メトキシベンジル)−イノ
シトールを調製したのち、これをキラルなHPLCカラ
ムを用いて光学分割する方法〔Chem. Lett., 1988巻,7
7頁〕などが挙げられる。
【0006】最近になって酵素の選択的加水分解作用を
利用した製造法が報告されている。例えば3,4−ジ−
O−アセチル−1,2:5,6−ジ−O−シクロヘキシ
リデン−myo−イノシトールにコレステロールエステ
ラーゼを作用させることによって、(+)−1,2:
5,6−ジ−O−シクロヘキシリデン−myo−イノシ
トールを生成し、これを3−O−アセチル−4−O−ベ
ンジル誘導体とした後、トルエンスルホン酸/ジクロロ
メタンおよび1N−水酸化カリウム/メタノールで加水
分解し、4−O−ベンジル−1,2−O−シクロヘキシ
リデン−myo−イノシトールとし、これをN,N−ジ
イソプロピルアミド亜リン酸ジベンジル/テトラゾール
/メタクロル過安息香酸(以下、MCPBAという)で
リン酸化してトリリン酸エステルとしてから保護基を除
去する方法〔Tetrahedron Lett., 30巻,1617頁(198
9)〕が報告されている。
利用した製造法が報告されている。例えば3,4−ジ−
O−アセチル−1,2:5,6−ジ−O−シクロヘキシ
リデン−myo−イノシトールにコレステロールエステ
ラーゼを作用させることによって、(+)−1,2:
5,6−ジ−O−シクロヘキシリデン−myo−イノシ
トールを生成し、これを3−O−アセチル−4−O−ベ
ンジル誘導体とした後、トルエンスルホン酸/ジクロロ
メタンおよび1N−水酸化カリウム/メタノールで加水
分解し、4−O−ベンジル−1,2−O−シクロヘキシ
リデン−myo−イノシトールとし、これをN,N−ジ
イソプロピルアミド亜リン酸ジベンジル/テトラゾール
/メタクロル過安息香酸(以下、MCPBAという)で
リン酸化してトリリン酸エステルとしてから保護基を除
去する方法〔Tetrahedron Lett., 30巻,1617頁(198
9)〕が報告されている。
【0007】しかしながら、これらの方法では光学選択
性が低く、その収率も低く、精製するために再結晶の操
作等が必要であった。
性が低く、その収率も低く、精製するために再結晶の操
作等が必要であった。
【0008】また、現在までに酵素を用いて有機溶媒中
での選択的エステル化を行うことによって光学活性物質
を得る方法としては数々報告されているが、イノシトー
ル誘導体については報告されていない。
での選択的エステル化を行うことによって光学活性物質
を得る方法としては数々報告されているが、イノシトー
ル誘導体については報告されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は特定のイノ
シトール誘導体のラセミ体にアシル化剤を有機溶媒中で
加水分解酵素存在下で作用させることによって、一方の
エナンチオマーを位置選択的、立体選択的にアシル化
し、他方のエナンチオマーを非アシル化体の光学活性イ
ノシトール誘導体を製造し、得られた光学活性体を用い
てイノシトールトリフォスフェートを製造することに成
功し、本発明を完成した。
シトール誘導体のラセミ体にアシル化剤を有機溶媒中で
加水分解酵素存在下で作用させることによって、一方の
エナンチオマーを位置選択的、立体選択的にアシル化
し、他方のエナンチオマーを非アシル化体の光学活性イ
ノシトール誘導体を製造し、得られた光学活性体を用い
てイノシトールトリフォスフェートを製造することに成
功し、本発明を完成した。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は光学活性イノ
シトールリン酸誘導体の合成のための中間体としては、
ラセミ体である下記式で表される1,2:5,6−ジ−
O−シクロヘキシリデン−myo−イノシトール:化合
物(I)
シトールリン酸誘導体の合成のための中間体としては、
ラセミ体である下記式で表される1,2:5,6−ジ−
O−シクロヘキシリデン−myo−イノシトール:化合
物(I)
【0011】
【化8】
【0012】および1,2:3,4−ジ−O−シクロヘ
キシリデン−myo−イノシトール:化合物(V)
キシリデン−myo−イノシトール:化合物(V)
【0013】
【化9】
【0014】を基質として用い、アシル化剤を有機溶媒
中で加水分解酵素の存在下で作用させてアシル化を行っ
た。
中で加水分解酵素の存在下で作用させてアシル化を行っ
た。
【0015】本発明に使用する加水分解酵素としてはリ
パーゼが好ましく用いられ、特にシュードモナス(Ps
eudomonus)属の生産するリパーゼ、例えばリ
パーゼP(商品名:天野製薬製)やキャンディダ・シリ
ンドラセ(Candidacylindracea)の
生産するリパーゼ、例えばリパーゼAY(商品名:天野
製薬製)がより好ましく用いられる。用いる酵素は粗製
品であっても、精製されたものであってもよい。又、こ
れらの酵素を生産する菌体も利用できる。
パーゼが好ましく用いられ、特にシュードモナス(Ps
eudomonus)属の生産するリパーゼ、例えばリ
パーゼP(商品名:天野製薬製)やキャンディダ・シリ
ンドラセ(Candidacylindracea)の
生産するリパーゼ、例えばリパーゼAY(商品名:天野
製薬製)がより好ましく用いられる。用いる酵素は粗製
品であっても、精製されたものであってもよい。又、こ
れらの酵素を生産する菌体も利用できる。
【0016】用いるリパーゼを選択することによって位
置選択的にアセチル化を行うことが可能である。
置選択的にアセチル化を行うことが可能である。
【0017】使用するアシル化剤としては、通常のアシ
ル化剤が使用できるが例えば無水酢酸、ビニルアセテー
ト、トリクロロエチルアセテート、フェニルアセテー
ト、パラニトロフェニルアセテート、無水プロピオン
酸、無水カプロン酸、無水ラウリン酸などが使用できる
ル化剤が使用できるが例えば無水酢酸、ビニルアセテー
ト、トリクロロエチルアセテート、フェニルアセテー
ト、パラニトロフェニルアセテート、無水プロピオン
酸、無水カプロン酸、無水ラウリン酸などが使用できる
【0018】有機溶媒としては、エチルエーテル、ベン
ゼン、酢酸エチルエステルなどが好適に用いられる。
ゼン、酢酸エチルエステルなどが好適に用いられる。
【0019】本発明の反応は通常、0〜40℃、1〜1
20時間で行い、反応系を攪拌するように行うのが好ま
しい。又、このようなリパーゼはそのまま用いてもよい
が、適当な担体に担持させて固定化リアクターとしても
よい。以下、実施例により本発明をより具体的に詳述す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
20時間で行い、反応系を攪拌するように行うのが好ま
しい。又、このようなリパーゼはそのまま用いてもよい
が、適当な担体に担持させて固定化リアクターとしても
よい。以下、実施例により本発明をより具体的に詳述す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】
実施例1 無水エチルエーテル(80ml)にラセミ体の1,2:
5,6−ジ−O−シクロヘキシリデン−myo−イノシ
トール:化合物(I)
5,6−ジ−O−シクロヘキシリデン−myo−イノシ
トール:化合物(I)
【0021】
【化10】
【0022】1.06g(3.13mmol)を溶解
し、2.37gの酵素(リパーゼPあるいはリパーゼA
Y)、を懸濁させ、1.2ml(12.73mmol)
の無水酢酸を添加する。反応液を室温で23時間又は1
6時間攪拌反応する。反応過程をTLCを用いて追跡
し、反応終了後、酵素をろ去し、ろ液を水飽和食塩水で
洗浄・分液し、有機層を濃縮して生成物をシリカゲルク
ロマトグラフィー(エチルエーテル/クロロホルム=1
/3)で精製した。光学純度はHPLC(キラルセルO
D カラム、イソプロパノール/ヘキサン=1/25)
で分析した。その結果を表1に示す。
し、2.37gの酵素(リパーゼPあるいはリパーゼA
Y)、を懸濁させ、1.2ml(12.73mmol)
の無水酢酸を添加する。反応液を室温で23時間又は1
6時間攪拌反応する。反応過程をTLCを用いて追跡
し、反応終了後、酵素をろ去し、ろ液を水飽和食塩水で
洗浄・分液し、有機層を濃縮して生成物をシリカゲルク
ロマトグラフィー(エチルエーテル/クロロホルム=1
/3)で精製した。光学純度はHPLC(キラルセルO
D カラム、イソプロパノール/ヘキサン=1/25)
で分析した。その結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】リパーゼAYを用いたときには、D−エナ
ンチオマーのC−4位が選択的にアセチル化された化合
物(III)
ンチオマーのC−4位が選択的にアセチル化された化合
物(III)
【0025】
【化11】
【0026】と化合物(IV)
【0027】
【化12】
【0028】が得られる。それに対して、リパーゼPを
用いたときには、D−エナンチオマーのC−3位が選択
的にアセチル化された化合物(II)
用いたときには、D−エナンチオマーのC−3位が選択
的にアセチル化された化合物(II)
【0029】
【化13】
【0030】と化合物(IV)
【0031】
【化14】
【0032】が得られる。 化合物(II)の各種データ Rf値 0.18(クロロホルム:ジエチルエーテ
ル=3:1) NMR(90MHz) δ4.90(1H t H3) δ4.50(1H dd H2) δ4.25(1H t H1) δ4.00(1H dd H4) δ3.80(1H dd H6) δ3.38(1H dd H5) δ2.08(3H s Ac) δ1.48(20H m シクロヘキシリテ゛ン×2)
ル=3:1) NMR(90MHz) δ4.90(1H t H3) δ4.50(1H dd H2) δ4.25(1H t H1) δ4.00(1H dd H4) δ3.80(1H dd H6) δ3.38(1H dd H5) δ2.08(3H s Ac) δ1.48(20H m シクロヘキシリテ゛ン×2)
【0033】化合物(III)の各種データ Rf値 0.50(クロロホルム:ジエチルエーテ
ル=3:1) NMR(270MHz) δ5.08 (1H dd J=8.54 J=2.7
5) δ4.35 (1H dd J=7.02 J=3.6
6) δ4.28 (1H t J=7.32) δ4.10 (1H dd J=10.68 J=7.
63) δ3.79 (1H t J=3.36) δ3.50 (1H dd J=10.68 J=8.
54) δ2.2 (1H s OH) δ2.1 (3H s Ac) δ1.70-1.10 (20H m シクロヘキシリテ゛ン×2)
ル=3:1) NMR(270MHz) δ5.08 (1H dd J=8.54 J=2.7
5) δ4.35 (1H dd J=7.02 J=3.6
6) δ4.28 (1H t J=7.32) δ4.10 (1H dd J=10.68 J=7.
63) δ3.79 (1H t J=3.36) δ3.50 (1H dd J=10.68 J=8.
54) δ2.2 (1H s OH) δ2.1 (3H s Ac) δ1.70-1.10 (20H m シクロヘキシリテ゛ン×2)
【0034】化合物(IV)の各種データ Rf値 0.18(クロロホルム:ジエチルエーテ
ル=3:1) mp 144〜146℃ [α]D 24 19.3
ル=3:1) mp 144〜146℃ [α]D 24 19.3
【0035】光学純度と絶対配置決定のために、0.5
N−水酸化カリウム/メタノールで加水分解(10当
量、室温、2時間)し、シリカゲルクロマトグラフィー
で精製後、HPLCで測定した。その絶対配置は、D−
(−)1,2:5,6−ジ−O−シクロヘキシリデン−
myo−イノシトールの文献値〔Tetrahedron Lett., 3
0巻,1617頁(1989)〕と一致した。
N−水酸化カリウム/メタノールで加水分解(10当
量、室温、2時間)し、シリカゲルクロマトグラフィー
で精製後、HPLCで測定した。その絶対配置は、D−
(−)1,2:5,6−ジ−O−シクロヘキシリデン−
myo−イノシトールの文献値〔Tetrahedron Lett., 3
0巻,1617頁(1989)〕と一致した。
【0036】実施例2 ラセミ体の1,2:3,4−ジ−O−シクロヘキシリデ
ン−myo−イノシトール:化合物(V)
ン−myo−イノシトール:化合物(V)
【0037】
【化15】
【0038】について、実施例1と同様にしてリパーゼ
AYを作用させることによって選択的に5位をアセチル
化した化合物(VI)
AYを作用させることによって選択的に5位をアセチル
化した化合物(VI)
【0039】
【化16】
【0040】と化合物(VII)
【0041】
【化17】
【0042】を得た。反応溶媒として、エチルエーテ
ル、ベンゼン、酢酸エチルエーテル、アセトン、テトラ
ヒドロフランおよびジオキサンを使用した。得られた化
合物の光学純度は実施例1と同様にして測定した。その
結果を表2に示す。
ル、ベンゼン、酢酸エチルエーテル、アセトン、テトラ
ヒドロフランおよびジオキサンを使用した。得られた化
合物の光学純度は実施例1と同様にして測定した。その
結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】反応溶媒としては、エチルエーテル、ベン
ゼンがこの反応に適している。アセトン、テトラヒドロ
フランやジオキサンのような水溶性溶媒はリパーゼAY
を失活させる。
ゼンがこの反応に適している。アセトン、テトラヒドロ
フランやジオキサンのような水溶性溶媒はリパーゼAY
を失活させる。
【0045】化合物(VI)の各種データ Rf値 0.55(クロロホルム:ジエチルエーテ
ル=3:2) NMR(270MHz) δ4.55 (1H dd J=9.46 J=2.7
4) δ4.52 (1H dd J=3.66 J=6.
9) δ4.27 (1H dd J=6.9 J=2.7
4) δ4.05 (1H t J=10) δ3.82 (1H t J=2.44) δ3.70 (1H dd J=10 J=3.66) δ2.0 (3H s Ac) δ1.45 (20H m シクロヘキシリテ゛ン×2)
ル=3:2) NMR(270MHz) δ4.55 (1H dd J=9.46 J=2.7
4) δ4.52 (1H dd J=3.66 J=6.
9) δ4.27 (1H dd J=6.9 J=2.7
4) δ4.05 (1H t J=10) δ3.82 (1H t J=2.44) δ3.70 (1H dd J=10 J=3.66) δ2.0 (3H s Ac) δ1.45 (20H m シクロヘキシリテ゛ン×2)
【0046】化合物(VII)の各種データ Rf値 0.16(クロロホルム:ジエチルエーテ
ル=3:2) mp 149〜151℃ NMR(270MHz) δ4.48 (1H dd J=3.36 J=5.8
0) δ4.14 (1H dd J=5.80 J=4.8
9) δ3.84 (1H dd J=10.07 J=8.
85) δ3.67 (1H dd J=10.07 J=3.
36) δ3.62 (1H t J=4.88) δ3.55 (1H dd J=5.19 J=8.8
5) δ1.44 (20H m シクロヘキシリテ゛ン×2)
ル=3:2) mp 149〜151℃ NMR(270MHz) δ4.48 (1H dd J=3.36 J=5.8
0) δ4.14 (1H dd J=5.80 J=4.8
9) δ3.84 (1H dd J=10.07 J=8.
85) δ3.67 (1H dd J=10.07 J=3.
36) δ3.62 (1H t J=4.88) δ3.55 (1H dd J=5.19 J=8.8
5) δ1.44 (20H m シクロヘキシリテ゛ン×2)
【0047】実施例3 実施例1で得られた化合物(IV)
【0048】
【化18】
【0049】に酸化ジ−n−ブチルスズ 1.1当量を
メタノール溶液中で2時間還流させた。メタノールを減
圧にて蒸発除去後、溶媒としてジメチルホルムアミドを
加え、臭化ベンジル 1.5当量及びフッ化セシウム
2.5当量を加え、60℃に5時間加熱した。ジメチル
ホルムアミドを減圧留去後、酢酸エチルと水を加え、酢
酸エチル層をとり、無水硫酸ナトリウムで乾燥、酢酸エ
チルを留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに
よって化合物(VIII)
メタノール溶液中で2時間還流させた。メタノールを減
圧にて蒸発除去後、溶媒としてジメチルホルムアミドを
加え、臭化ベンジル 1.5当量及びフッ化セシウム
2.5当量を加え、60℃に5時間加熱した。ジメチル
ホルムアミドを減圧留去後、酢酸エチルと水を加え、酢
酸エチル層をとり、無水硫酸ナトリウムで乾燥、酢酸エ
チルを留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに
よって化合物(VIII)
【0050】
【化19】
【0051】を得た。化合物(VIII)を無水酢酸:
ピリジン=1:2の溶液に溶かし、触媒量の4−ジメチ
ルアミノピリジンを加え、110℃に1時間加熱、溶媒
を減圧留去後、上記と同様に酢酸エチル−水で処理し、
化合物(IX)
ピリジン=1:2の溶液に溶かし、触媒量の4−ジメチ
ルアミノピリジンを加え、110℃に1時間加熱、溶媒
を減圧留去後、上記と同様に酢酸エチル−水で処理し、
化合物(IX)
【0052】
【化20】
【0053】を得た。化合物(IX)に1.1当量のエ
チレングリコールと0.05当量のトルエンスルホン酸
をクロロホルムに溶かし、室温で0.5時間攪拌した。
クロロホルムを留去後、1N−KOH/メタノールを加
え、室温で1時間攪拌し後処理を行い化合物(X)
チレングリコールと0.05当量のトルエンスルホン酸
をクロロホルムに溶かし、室温で0.5時間攪拌した。
クロロホルムを留去後、1N−KOH/メタノールを加
え、室温で1時間攪拌し後処理を行い化合物(X)
【0054】
【化21】
【0055】を得た。化合物(X)とテトラゾール 6
当量をジクロロメタンに溶かし、室温でN,N−ジイソ
プロピルアミド亜リン酸ジベンジル 6当量を加え1時
間攪拌後、−42℃にてMCPBA 6当量を加え、室
温にて0.5時間攪拌して化合物(XI)
当量をジクロロメタンに溶かし、室温でN,N−ジイソ
プロピルアミド亜リン酸ジベンジル 6当量を加え1時
間攪拌後、−42℃にてMCPBA 6当量を加え、室
温にて0.5時間攪拌して化合物(XI)
【0056】
【化22】
【0057】を得た。化合物(XI)と10%パラジウ
ム/カーボンを95%エタノールに溶かし、水素ガスに
て室温で1夜還元し、触媒を濾過後、溶媒を留去した。
次いで80%酢酸に溶かし、1時間還流後、溶媒を留去
した。残渣をアビセルカラムにかけてD−myo−イノ
シトール−1,4,5−トリフォスフェートを得た。
ム/カーボンを95%エタノールに溶かし、水素ガスに
て室温で1夜還元し、触媒を濾過後、溶媒を留去した。
次いで80%酢酸に溶かし、1時間還流後、溶媒を留去
した。残渣をアビセルカラムにかけてD−myo−イノ
シトール−1,4,5−トリフォスフェートを得た。
【0058】
【発明の効果】本発明によって光学純度の高いイノシト
ール誘導体が得られ、本物質はD−myo−イノシトー
ル−1,4,5−トリフォスフェート合成の重要な中間
体である。さらにこの中間体を用いて、新規な方法でD
−myo−イノシトール−1,4,5−トリフォスフェ
ートを合成する事が可能である。
ール誘導体が得られ、本物質はD−myo−イノシトー
ル−1,4,5−トリフォスフェート合成の重要な中間
体である。さらにこの中間体を用いて、新規な方法でD
−myo−イノシトール−1,4,5−トリフォスフェ
ートを合成する事が可能である。
Claims (2)
- 【請求項1】化合物(I) 【化1】 のラセミ体にアシル化剤を有機溶媒中でリパーゼ存在下
で作用させ、一般式(II) 【化2】 (式中、Rはアシル基を示す。)或いは一般式(II
I) 【化3】 (式中、Rはアシル基を示す。)および化合物(IV) 【化4】 を製造する方法。 - 【請求項2】化合物(V) 【化5】 のラセミ体にアシル化剤を有機溶媒中でリパーゼ存在下
で作用させ、一般式(VI) 【化6】 (式中、Rはアシル基を示す。)および化合物(VI
I) 【化7】 を製造する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07897692A JP3173850B2 (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 光学活性イノシトール誘導体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07897692A JP3173850B2 (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 光学活性イノシトール誘導体の製造法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000403771A Division JP3410452B2 (ja) | 2000-11-30 | 2000-11-30 | 光学活性イノシトールトリフォスフェートの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05236991A JPH05236991A (ja) | 1993-09-17 |
JP3173850B2 true JP3173850B2 (ja) | 2001-06-04 |
Family
ID=13676933
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07897692A Expired - Fee Related JP3173850B2 (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 光学活性イノシトール誘導体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3173850B2 (ja) |
-
1992
- 1992-02-28 JP JP07897692A patent/JP3173850B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05236991A (ja) | 1993-09-17 |
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