JP3173258B2 - 金属窒化物の製造方法 - Google Patents

金属窒化物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属窒化物の製造方法
に関し、より詳細には、金属アルコキシドの加水分解を
応用する金属窒化物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属窒化物は、高い硬度と優れた耐熱性
を有しており、この特性を利用して超硬合金、セラミッ
クス及び粉末冶金合金等の製造に用いられている。従
来、この金属窒化物粉末の製造方法としては、金属の酸
化物もしくは水素化物を窒素もしくはアンモニアガス中
で窒化することによる固相反応法、又は金属の塩化物、
酸塩化物もしくはアンモニア化合物と窒素もしくはアン
モニアと水素により窒化物にする気相反応法が知られて
いる。この固相反応法は微細粉末を得ることが困難であ
り、また気相反応法は微細粉末を得ることは可能である
が量産化が困難であるという問題がある。
【0003】この問題を解決するため、種々の検討がな
され、例えば、特開昭61−232208号公報において、金属
アルコキシドを加水分解し沈澱物を形成し、この沈澱物
をアンモニアガス等の雰囲気中で焼成することによる金
属窒化物の製造方法が開示されている。この方法によ
り、非常に微細な、かつ高純度の金属窒化物が容易に得
られる。しかしながら、この方法では金属窒化物の生成
と同時に酸化物相が生成してしまい、金属窒化物単相を
得ることはできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属アルコ
キシドの加水分解を応用する金属窒化物の製造方法の有
する前記の如き欠点を解消し、金属窒化物を単相で得る
ことのできる方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の金属
窒化物の製造方法の上記問題点を解決すべく鋭意研究を
重ねた結果、金属アルコキシドをエーテル性の酸素を有
するアルコールもしくは2−メチルペンタン−2,4−
ジオールに溶解させて加水分解し、次いで窒化処理する
ことにより、金属窒化物を単相で得ることができること
を見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明の金属窒化物の製造方法
は、一般式M(OR)x (式中Mは金属を表し、ORは
アルコキシル基を表し、そしてxはMによって定まる整
数である)で表される金属アルコキシドを、エーテル性
の酸素を有するアルコール又は2−メチルペンタン−
2,4−ジオールに溶解し、加水分解させた後、窒化処
理することを特徴とするものである。
【0007】本発明の金属窒化物の製造方法に用いられ
る金属アルコキシドは、式M(OR)x (式中Mは金属
を表し、ORはアルコキシル基を表し、そしてxはMに
よって定まる整数である)で表されるものである。金属
としては、遷移金属、例えばチタン、鉄等、並びに珪
素、アルミニウム等を使用することができる。アルコキ
シル基としてはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブト
キシ基等を使用することができる。また、各種の異性
体、例えばn-プロポキシ基及びi-プロポキシ基、並びに
n-ブトキシ基、i-ブトキシ基、s-ブトキシ基及びt-ブト
キシ基も使用することができる。これらの例としては、
例えばTi(OCH3)4 、Ti(OC2 5) 4 、Ti
(OC3 7)4 、Ti(OC4 9)3 、Fe(OCH3)
3 、Fe(OC 2 5)3 、Fe(OC3 7)3 、Fe
(OC4 9)3 、Al(OCH3)3 、Al(OC2 5)
3 、Al(OC3 7)3 、Al(OC4 9)3 等をあげ
ることができる。これらのうち、炭素数が1〜6である
アルコキシル基を有する金属アルコキシドが加水分解制
御の容易性の点から好ましい。
【0008】この金属アルコキシドに溶媒としてエーテ
ル性の酸素を有するアルコール又は2−メチルペンタン
−2,4−ジオールを加える。エーテル性の酸素を有す
るアルコールとは、下式 R1 OR2 OH で表されるアルコールであり、ここでR1 及びR2 はア
ルキル基であり、好ましくは炭素数3以下のアルキル基
である。好ましいエーテル性の酸素を有するアルコール
としては、2−メトキシエタノール、2−(2−メトキ
シエトキシ)エタノール、トリエチレングリコールモノ
メチルエーテルがあげられる。
【0009】エーテル性の酸素を有するアルコール又は
2−メチルペンタン−2,4−ジオールは、アルコキシ
ド及びアルコキシド中のアルキル基により形成されるア
ルコールよりも沸点の高いものが好ましく、またその量
は、金属アルコキシドに対し十分量であればよい。その
最適の量は金属アルコキシドの金属により異なる。例え
ば、金属が3価である場合、金属アルコキシド1モルに
対しアルコール6モルが最も好ましく、金属が4価であ
る場合、金属アルコキシド1モルに対しアルコール8モ
ルが最も好ましい。アルコールが十分量存在しないと均
一な加水分解が困難であり、またアルコールが多すぎる
と加水分解速度が遅くなるからである。
【0010】次いで、金属アルコキシドを加えたアルコ
ールを攪拌し、アルコキシドを完全に溶解する。この
後、用いたアルコールの沸点直下にて加熱し、アルコー
ル交換を促進することが好ましく、また減圧下にて行っ
てもよい。
【0011】こうして得られた透明溶液に、イオン交換
水を加え加水分解を行う。加水分解法は特に制限はな
く、常法によって行ってよい。例えば、上記の金属アル
コキシドの溶液に、用いたアルコールで希釈した水を加
えることにより、又は加圧容器から吹き出す水蒸気に上
記金属アルコキシドの溶液を接触させることにより行
う。
【0012】この加水分解により沈澱が生ずる。この沈
澱を遠心分離もしくは濾過により分離し、必要により乾
燥を行い、粉末が得られる。この粉末に次いで窒化処理
を行う。窒化方法は特に制限はなく、窒素含有ガス中、
例えば窒素、アンモニア又はヒドラジンの少なくとも1
種のガス雰囲気中で加熱することにより行う。この窒化
処理により、上記金属Mの窒化物が単相で得られる。
【0013】
【作用】本発明の金属窒化物の製造方法において、エー
テル性の酸素を有するアルコール又は2−メチルペンタ
ン−2,4−ジオールは溶媒として作用するのみなら
ず、このアルコールの酸素が金属に配位する。この有機
配位子は粉体粒内に極めて微細な開孔を形成し、同程度
の粒度を有する非ゲル粉末の10倍以上の比表面積を形成
するため、易窒化性に貢献すると考えられる。
【0014】
【実施例】本発明を下記実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0015】実施例1 Fe(O−i-C3 7)3 1モルに対し2−メトキシエタ
ノールを6モル加え、常温において攪拌、溶解し、80
℃、減圧下において30分間還流を行いアルコール交換さ
せた。次いでこの溶液を常温まで冷却後、攪拌しながら
等モルの2−メトキシエタノールで希釈した純水を、F
3+1モルに対し3モル加え加水分解を行った。沈澱を
集め、200 ℃において5時間乾燥した。
【0016】こうして得られた粉末をアンモニア気流中
(3リットル/min)で、900 ℃、5時間の熱処理を行
い、窒化鉄を得た。これをX線回折(XRD)により同
定した結果、Fe2 N単相からなっていることを確認し
た。
【0017】実施例2〜4 2−メトキシエタノールを2−(2−メトキシエトキ
シ)エタノール、トリエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、及び2−メチルペンタン−2,4−ジオールに
代えることを除き、実施例1と同様にして窒化鉄を製造
した。得られた窒化鉄はそれぞれ単相Fe2 Nであるこ
とを確認した。
【0018】実施例5 Ti(O−i-C3 7)4 1モルに対し2−メトキシエタ
ノールを8モル加え、常温において攪拌し、80℃、減圧
下において30分間還流を行い溶解させた。次いでこの溶
液を常温まで冷却後、攪拌しながら等モルの2−メトキ
シエタノールで希釈した純水を、Ti4+1モルに対し4
モル加え加水分解を行った。沈澱を集め、200 ℃におい
て5時間乾燥した。
【0019】こうして得られた粉末をアンモニア気流中
(3リットル/min)で、1000℃、5時間の熱処理を行
い、窒化チタンを得た。これをXRDにより同定した結
果、80%以上TiN単相からなっていることを確認し
た。
【0020】実施例6〜8 2−メトキシエタノールを2−(2−メトキシエトキ
シ)エタノール、トリエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、及び2−メチルペンタン−2,4−ジオールに
代えることを除き、実施例5と同様にして窒化チタンを
製造した。得られた窒化チタンはそれぞれ80%以上が単
相TiNであることを確認した。
【0021】比較例1 Fe(O−i-C3 7)3 1モルに対しイソプロパノール
6モルを加え、常温で攪拌・溶解後、等モルのイソプロ
パノールで希釈した純水をFe3+1モルに対し3モル加
え、200 ℃において5時間乾燥し、粉末を得た。この粉
末を実施例1と同様にして窒化処理を行った。この処理
によって窒化物単相は得られず、Fe23 、Fe3
4 等の酸化物相が10%以上残留していた。
【0022】比較例2 Ti(O−i-C3 7)4 1モルに対しイソプロパノール
8モルを加え、常温で攪拌・溶解後、等モルのイソプロ
パノールで希釈した純水をTi4+1モルに対し4モル加
え、200 ℃において5時間乾燥し、粉末を得た。この粉
末を実施例5と同様にして窒化処理を行った。この処理
によって窒化物単相は得られず、50%以上が酸化物相で
あった。窒化率は実施例5〜8で得られた粉末の60%以
下であった。イソプロパノールに代え、エタノール及び
ブタノールを用いた場合においても同様に窒化物単相は
得られなかった。
【0023】
【発明の効果】本発明の方法により、金属窒化物が単相
で得られる。本発明の方法において、原料が酸化物であ
るため、純金属を用いる場合に比べ、その保管及び取扱
が容易である。また、溶液法により効率よく原料を回収
することができ、工程も大幅に削減できるため、安価に
製造することが可能である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式M(OR)x (式中Mは金属を表
    し、ORはアルコキシル基を表し、そしてxはMによっ
    て定まる整数である)で表される金属アルコキシドを、
    エーテル性の酸素を有するアルコール又は2−メチルペ
    ンタン−2,4−ジオールに溶解し、加水分解させた
    後、窒化処理することを特徴とする、金属窒化物の製造
    方法。
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