JP3325344B2 - 窒化アルミニウム粉末の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム粉末の製造方法

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和冬 須藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化アルミニウム粉末
の製造方法に関するものである。更に詳しくは、窒化ア
ルミニウム基板等に用いられる不純物含有量が少ない窒
化アルミニウム粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロエレクトロニクスの分野
では益々高集積化、高出力化を目指す傾向にあり、従来
から用いられてきたアルミナ基板では半導体実装用の放
熱基板としては不充分になってきている。その結果、窒
化アルミニウム基板が高熱伝導性、耐熱正、耐蝕性、高
強度等の特性を有しているため半導体用のセラミックス
基板等の電子材料や各種高温材料として注目されてい
る。
【0003】従来、窒化アルミニウム粉末の製造方法と
しては、(1)金属アルミニウムを窒素あるいはアンモ
ニア雰囲気中で加熱する直接窒化法。(特開昭50−1
60999)、(2)アルミナ粉末とカーボン粉末とを
混合し、窒素中あるいはアンモニア雰囲気中で加熱する
還元窒化法(特開昭60−180906)等が知られて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記(1)の
直接窒化方法では安価で得られる長所はあるが、反応が
内部まで進行せず、未反応のアルミニウムが残留すると
いう欠点を有している。また、反応が発熱であるため制
御が困難であり、このため粒子の凝集がおこり、均一な
粉末が得られれず、粉砕、分級工程が必要となる。さら
には、この粉砕工程により、金属不純物が増加したり、
比表面積の増加により酸素含有量が増加することが避け
られない。また、前記(2)の還元窒化法では、高純度
の粉末を得ることができるが、アルミナの粒径およびア
ルミナに含有される不純物がそのまま生成物の段階まで
保持されるため、原料アルミナを高純度微粉末品とする
必要があり、さらにはこの過剰のカーボンを除去をする
必要があり工業的に有利な方法とはいい難い。
【0005】従って、これらに対して先に原料として有
機アルミニウムを用いて高純度の窒化アルミニウムを得
る方法を提案した(特願平5−83578)。しかしな
がら、この方法においては有機アルミニウムをアンモニ
アと反応させたのち、反応ガス中において先ず1200
℃で脱炭処理し、つぎに不活性ガス中で加熱結晶化を行
っているが、脱炭処理時における反応ガス中の加熱条件
が反応器材質に大きく悪影響する問題があり、このため
反応器の材質に高価な材質を要求すると言うコスト面で
の問題点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決するため、鋭意研究を行った結果、従来は不可能
とされていたレベルまで不純物含有濃度を低下させた窒
化アルミニウム粉末を容易で安価に製造することが出
来、本発明を完成するに到った。
【0007】すなわち、本発明の窒化アルミニウム粉末
の製造方法は有機アルミニウム化合物とアンモニアを気
相反応させて得られる窒化アルミニウム非晶質粉末を、
不活性ガス雰囲気下1300〜1800℃の温度で結晶
化させた後、乾燥空気下700〜1150℃で加熱処理
することを特徴とするものである。
【0008】本発明の特徴は先ず不活性ガス中で結晶化
を行った後に乾燥空気下で脱炭処理の加熱を行うことに
ある。原料として使用される有機アルミニウムはAlR
123(R1,2,3 はCH3 、C25 、n−C3
7 、i−C37 、n−C49 、i−C49 等のア
ルキル基のひとつ以上の組合せ)であり、金属アルミニ
ウムと水素、エチレン系炭化水素との反応によって合成
されるが最も好適な有機アルミニウムとしてトリエチル
アルミニウム、トリイソブチルアルミニウムがあげられ
る。
【0009】これ等はトリメチルアルミニウムなどに比
べて工業的に生産する際の入手の容易さも特徴の一つと
してあげることが出来る。また何れも常温で液体である
ため、蒸留精製等の簡単な手段で高純度化が可能であ
り、原料タンクより圧送する事により配管を用いて直接
反応器へフィードでき、原理的に酸素に触れることがな
い。
【0010】本発明で使用する有機アルキルアルミニウ
ムはその合成後、理論段数段の精留塔において、蒸留精
製することで高純度化することができる。例えば、温度
135℃、圧力14mmHg、還流比1.0で精製蒸留
を行ったものを原料として用いることが出来る。
【0011】本発明の方法は加熱することにより気化し
た精製有機アルミニウム化合物を通常の水素、窒素、ヘ
リウム、アルゴン等のキャリアガスにて反応器内に導入
し、これと同時に同じく反応器内にアンモニアを導入
し、有機アルミニウムとアンモニアとを400〜120
0℃の温度で気相反応させることによって得られるもの
である。本反応に用いられるアンモニアガスは、大量に
工業生産されているもので十分であるが、水分の含有量
については常温での飽和濃度以下に抑えられていること
が望ましい。より具体的には1容量%以下であることが
望ましい。
【0012】このようにして得られた窒化アルミニウム
粉末は、本質的に酸素は含有しておらず、非常に高純度
で、非晶質の粉体である。この粉体をチッソ、ヘリウ
ム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で1300〜18
00℃の温度において結晶化することで、任意の粒径を
持つ結晶質窒化アルミニウム粉体が得られる。
【0013】ここで、結晶化を1300℃未満の温度で
行うと結晶化が不完全で一部に非晶質の窒化アルミニウ
ムが残留し、焼結体での熱伝導率を低下させる。また、
1800℃を越える高温で結晶化を行えば、窒化アルミ
ニウムの粒成長を起こし、焼結体の密度は低下し、高熱
伝導率は得られない。
【0014】ついで、得られた結晶質窒化アルミニウム
中の有機アルミニウム化合物からの残留カーボンを除去
させるため、乾燥空気中で加熱処理を行う。加熱温度
は、700〜1150℃が好ましい。700℃未満の温
度で加熱処理を行うと、結晶質窒化アルミニウム中のカ
ーボンが残留し、焼結時に異常粒成長を起こし十分な熱
伝導率が得られない。また1150℃を越える温度での
加熱処理を行うと、窒化アルミニウム中の酸素含有量が
増加する。
【0015】なお、上記プロセスにおいて、反応器ある
いは焼成炉の炉材などの材質について不純物の原因とな
らないように配慮することがのぞましいのは当然であ
り、プロセス上、空気のもれこみ、あるいは粉体と空気
の接触を避けるべく装置設計を行わなければならない。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0017】実施例1 内径8cm、長さ2mの外部加熱炉により、800℃に
温度制御された空塔反応器にアンモニアを毎時660g
(38.8モル)、蒸留によって精製したトリエチルア
ルミニウムを窒素ガスをキャリアーとして毎時240g
(2.11モル)を温度350℃のゾーンにフィードし
反応させて、ヒューム状の反応生成物をSUS316製
の焼結金属フィルターにより補集したところ、約84g
の生成物を得た。これらの生成物粉体の取り扱いは空気
に接触させないように酸素濃度が10ppmに管理され
た窒素ボックス中で行った。
【0018】得られた生成物をカーボン製坩堝にいれ
て、窒素ガス雰囲気下で1700℃に昇温し、同温度で
3時間保持した後、室温まで降温した。更に、常圧で乾
燥空気中において900℃で1時間の加熱処理を行っ
た。合成品をX線回折、SEM観察、酸素並びに炭素分
析、BET法及び、ICPにより評価をおこなった。X
線回折によれば、得られた粉末は窒化アルミニウム単相
であった。SEM観察によれば、均一な球状の微粒子で
あった。酸素分析によれば、得られた窒化アルミニウム
粉末中の含有量は0.5wt%であった。炭素分析によ
れば、粉末中の含有量は0.02wt%であった。BE
Tによる比表面積は1.4m2 /gであった。また、I
CPによる金属不純物含有量(Fe,Si,Ca,M
g,Niの合計)は72ppmであった。この粉に焼結
助剤としてイットリアを3%添加して、1800℃で焼
結し熱伝導率を測定すると204W/m.kであった。
【0019】実施例2〜6及び比較例1〜2 実施例1と同様の実験を結晶化温度を変えて実施例1と
同様の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0020】実施例7〜8及び比較例3〜4 実施例1と同様の実験を、乾燥空気での処理温度を変え
て実施例1と同様の評価を行い、その結果を表2に示
す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明の方法によれば、高純度で均質な
制御された結晶粒状で含酸素濃度が低く、熱伝導率の高
い、半導体基板用として優れた窒化アルミニウム結晶粉
末を工業的に製造することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−239109(JP,A) 特開 平3−23205(JP,A) 特開 平3−199112(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 21/072 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機アルミニウム化合物とアンモニアを気
    相反応させて得られる窒化アルミニウム非晶質粉末を、
    不活性ガス囲気下1300〜1800℃の温度で結晶化
    させた後、乾燥空気下700〜1150℃で加熱処理す
    ることを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法。
JP17773293A 1993-07-19 1993-07-19 窒化アルミニウム粉末の製造方法 Expired - Lifetime JP3325344B2 (ja)

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JP5033948B2 (ja) * 2004-07-08 2012-09-26 独立行政法人産業技術総合研究所 窒化アルミニウム粉末の製造方法ならびに窒化アルミニウム焼結体の製造方法
JP6149668B2 (ja) * 2012-10-11 2017-06-21 宇部興産株式会社 Al−N−H系化合物粉末及びその製造方法
CN106145068B (zh) * 2015-04-08 2018-03-06 深圳市光峰光电技术有限公司 一种高反射率氮化铝粉体的制备方法及氮化铝粉体

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