JP3172922U - 電線接続用圧着工具 - Google Patents

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弘之 久保田
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Abstract

【課題】熟練を要せず、誰にでも容易かつ確実に圧着端子をかしめることが出来る電線接続端子用圧着工具を提供する。
【解決手段】相対向して設けた一対のヘッド部11の、一方のヘッド部11の対向端縁に設けた凹溝12に圧着端子ないしはスリーブを挿入し、他方のヘッド部11の対向端縁に設けた突部で前記圧着端子ないしはスリーブをかしめる圧着ベンチにおいて、凹溝12を有するヘッド部11の当該凹溝12の脇の側面に、凹溝12より小径で、前記圧着端子ないしはスリーブの筒状部の内径にほぼ等しい径の略半円形の切り欠き1を上端縁に有するストッパー板2を当接、固定し、ストッパー板2と反対側のヘッド部11の側面に、凹溝12に前記圧着端子ないしはスリーブの筒状部を挿入した際、前記圧着端子の端子部ないしはスリーブを載せる台座3を設けた。
【選択図】図1

Description

この考案は、電線を端子・スリーブに接続する際、電線を差し込んだ圧着端子ないしはスリーブをかしめる圧着工具に関するものである。
従来の圧着ペンチAは、図6に示すように、ハンドル10、10を握ると、先端の一対のヘッド部11、11が接近し、一方のヘッド部11の対向端縁に設けた、断面略半円形の凹溝12に他方のヘッド部11の対向端縁から突出した突部13が挿入し、前記凹溝12に入れた圧着端子をかしめる構成となっている。
そして、図7に示すように、圧着端子の大きさに対応できるように、前記凹溝12は径の異なるものを複数個設けており、また、これに相応してサイズの異なる前記突部13を複数設けている。
また、この圧着ペンチAによりかしめる圧着端子14は、図8に示すように、電線15を挿入する筒状部14aとこの筒状部14aの一端に設けられた平坦な端子部14bとから構成されている。そして、電線15の端部の被覆15aを剥いで芯線15bを予め露出させておき、前記圧着ペンチAの前記凹溝12に前記圧着端子14の筒状部14aを挿入し、この状態で前記電線15の芯線15bを前記筒状部14aに入れてハンドル10、10を強く握る。これにより、他方のヘッド部11の突部13で筒状部14aをかしめ、圧着端子14に電線15が接続される。
このような圧着作業は、端子に挿入される電線の長さを確保しつつ、圧着ペンチと端子部の中心が一致し、かつ端子端部と電線被覆部間の隙間が一定に確保されるようにかしめることが正規である。
しかしながら、このような圧着作業の際、電線を把持した圧着端子が前記ヘッド部の凹溝から外れたり、ずれたりする恐れがある。また、圧着端子14の平坦な端子部14bを下方に位置させて筒状部14aをかしめないと、電線と圧着端子の接続が不完全となる恐れがあるなど、装着位置の正確性を要する。
この様に、圧着端子14を圧縮ペンチAの一方のヘッド部11の凹溝12に正確に嵌め、かつ、電線を圧着端子14の筒状部14aに挿入した状態で圧着端子14をかしめなければならず、当該端子14の圧縮作業は熟練を要するものである。また、一つ一つ端子を前記凹溝12に嵌めなければならず、手間のかかる作業である。また、これらの点は電線を接続するスリーブにおいても同様である。
そこで、特許文献1に示すように、手動式圧着ペンチに取り付けた小箱内の二重底構造により圧着端子を一方向、一姿勢に並べ、かつ、当該圧着ペンチのダイス部へ手動レバーにより圧着端子を一つづつ送り出す装置が開発されている。これにより、圧着端子の圧着ペンチのダイス部への装着を容易かつ迅速に行えるようにしている。
実開平5−92986号公報
しかしながら、この特許文献1に示すものは、手動レバーにより圧着端子をダイス部に送りだす構成ではあるが、手動レバーに押圧され移動する圧着端子をダイス部の位置で止めるストッパーがなく、手動レバーだけでは圧着端子がダイス部の正しい位置に常に移動するとは限らない。従って、手動式圧着ペンチのダイス部に圧着端子を常に容易に固定する構成とはなっておらず、当該手動式圧着ペンチを使用するのにも熟練を要する。
そこで、この考案は、熟練を要せず、誰にでも容易かつ確実に圧着端子やスリーブをかしめることが出来る電線接続用圧着工具を提供することを目的としたものである。
請求項1の考案は、相対向して設けた一対のヘッド部の、一方のヘッド部の対向端縁に設けた凹溝に電線接続用圧着端子ないしはスリーブを挿入し、他方のヘッド部の対向端縁に設けた突部で前記圧着端子ないしはスリーブをかしめる圧着工具において、前記凹溝を有するヘッド部の当該凹溝の脇の側面に、前記凹溝より小径で、前記圧着端子ないしはスリーブの筒状部の内径にほぼ等しい径の略半円形の切り欠きを上端縁に有するストッパー板を、前記凹溝に前記切り欠きを合わせて当接、固定した電線接続用圧着工具とした。
また、請求項2の考案は、請求項1の考案において、前記ストッパー板と反対側のヘッド部の側面に、前記凹溝に前記圧着端子ないしはスリーブの筒状部を挿入した際、前記圧着端子の端子部ないしはスリーブを載せる台座を設けた電線接続用圧着端子とした。
また、請求項3の考案は、前記請求項1又は2の考案において、前記ストッパー板の切り欠きは、異なる凹溝に対応して複数設けられ、前記台座は複数の異なる凹溝の脇下に伸びている電線接続用圧着工具とした。
また、請求項4の考案は、前記請求項1〜3のいずれかの考案において、前記ストッパー板と台座とは、略U字型に折れ曲がった一体な取り付け治具を形成し、当該取り付け治具を凹溝を有するヘッド部に嵌め、当該治具及びヘッド部を貫通する孔にボルトを通し、当該ボルト端に螺着したナットを締め付けて固定した電線接続用圧着工具とした。
また、請求項5の考案は、前記請求項1〜3のいずれかの考案において、前記ストッパー板と台座とは、略U字型に折れ曲がった一体な取り付け治具を弾性材で形成し、当該取り付け治具の略U字型の上部の間隔を、凹溝を有するヘッド部の厚さより狭くして当該取り付け治具を前記ヘッド部に嵌めて固定した電線接続用圧着工具とした。
請求項1の考案によれば、圧着端子ないしはスリーブの筒状部を圧着工具の一方のヘッド部の凹溝に挿入し、前記筒状部の端部をストッパー板に押し当て、当該圧着端子の端子部を凹溝の底部位置に合わせ、電線を前記圧着端子ないしはスリーブの筒状部に挿入すれば、圧着端子ないしはスリーブは圧着工具の正しい位置(圧着ペンチと圧着端子部等の中心が一致する)に装着され、圧着工具のハンドルを締め付けると前記圧着端子ないしはスリーブは筒状部がかしめられ、電線は確実に圧着端子ないしはスリーブに接続される。従って、誰でも容易にかつ確実に圧着端子ないしはスリーブに電線を接続できる。また、圧着作業に熟練を要さない。
また、圧着端子ないしはスリーブの筒状部への電線の挿入は、前記ストッパー板の切り欠きの内径が圧着端子ないしはスリーブの筒状部の内径と略同じであるので、ストッパー板の反対側から電線を挿入するのにストッパー板があっても支障がない。さらに、圧着端子ないしはスリーブを一方のヘッド部の凹溝に入れる前に、電線を圧着端子ないしはスリーブの筒状部に入れ、この状態で圧着端子ないしはスリーブを凹溝に入れても良い。
また、このようにストッパー板を設けると、ストッパー板の反対側から電線を挿入する際、圧着端子の端子部又はスリーブへの電線挿入長さの確認が出来る。さらに、前記電線挿入の際、電線被覆部の端部をストッパー板に当てて止めると、圧着端子ないしはスリーブの端部と電線被覆部端部との間にストッパー板が介在し、これによりこれらの端部の間に一定の隙間が確保でき、正しい圧着が容易にできる。
また、請求項2の考案によれば、前記圧着端子の筒状部を圧着工具の一方のヘッド部の凹溝に挿入し、前記筒状部の端部をストッパー板に当て、さらに、圧着端子の平坦な端子部を台座に載せれば、より安定して正確な位置に圧着端子を装着できる。従って、誰でも容易にかつ確実に圧着端子に電線を接続できる。また、圧着作業に熟練を要さない。
また、請求項3の考案によれば、複数の異なる大きさの凹溝に合わせて各凹溝の一端に前記ストッパー板の切り欠きを有するため、異なるサイズの圧着端子にも適用できる。
また、請求項4の考案によれば、従来使用されている、圧着工具の一方のヘッド部にボルト挿通用の穴をあけ、取り付け治具を嵌めて、ボルト、ナットで固定すれば、容易にこの考案の圧着工具となる。この様に既存の圧着工具を簡単にこの考案の圧着工具に改造できる。
また、請求項5の考案によれば、従来使用されている、圧着工具の一方のヘッド部に取り付け治具を嵌めれば、容易にこの考案の圧着工具となる。この様に既存の圧着工具を改造することなく、簡単にこの考案の圧着工具となり、また、不要時には取り付け治具を容易に取り外すこともできる。
この考案は、相対向して設けた一対のヘッド部の、一方のヘッド部の対向端縁に設けた凹溝に電線接続用圧着端子を挿入し、他方のヘッド部の対向端縁に設けた突部で前記圧着端子をかしめる圧着工具において、前記凹溝を有するヘッド部の当該凹溝の脇の側面に、前記凹溝より小径で、前記圧着端子の筒状部の内径にほぼ等しい径の略半円形の切り欠きを上端縁に有するストッパー板を当接、固定し、前記ストッパー板と反対側のヘッド部の側面に、前記凹溝に前記圧着端子の筒状部を挿入した際、前記圧着端子の端子部を載せる台座を設けた電線接続圧着端子とした。
この圧着工具を用いれば、容易かつ確実に電線を把持した圧着端子をかしめることが出来、圧着作業の迅速性、さらには効率化につながる。
以下、この考案の実施例1を図に基づいて説明する。図1はこの考案の圧着ペンチの一対のヘッド部の斜視図、図2は同ペンチの一方のヘッド部の平面図、図3は同ペンチに嵌める取り付け治具の斜視図である。
この考案の圧着ペンチAは、従来の圧着ペンチAと同様の構造であり、ハンドル10、10を握ると、先端の一対のヘッド部11、11が接近し、一方のヘッド部11の対向する端縁に設けた凹溝12に他方のヘッド部11の対向する端縁から突出した突部13が挿入し、前記凹溝12に入れた圧着端子14をかしめる構成となっている。また、前記凹溝12及び突分13はサイズの異なるものを夫々複数設けられている。なお、各凹溝12は断面略半円形となっている。
そして、前記凹溝12を有するヘッド部11の当該各凹溝12の脇の側面に、前記各凹溝12の内径より小径で、前記圧着端子14の筒状部14aの内径にほぼ等しい内径の略半円形の切り欠き1を夫々上端縁に有するストッパー板2を、前記各凹溝12に前記各切り欠き1を合わせて当接、固定したものである。
また、前記ストッパー板2と反対側のヘッド部11の側面に、前記凹溝12に前記圧着端子14の筒状部14aを挿入した際、前記圧着端子14の端子部14bを載せる台座3を設けた。そして前記ストッパー板2と台座3とは、図3(ア)に示すように、断面略U字型の取り付け治具4として一体に形成されている。図3の(ア)図は、一例であり、図3(イ)のように、台座3の端縁に折り曲げ縁がなくても良い。
そして、この取り付け治具4は、前記ストッパー板2及び台座3の下部の板にボルト挿通孔(図示省略)が設けられ、また、一方のヘッド部11にもボルト挿通孔(図示省略)が設けられており、取り付け治具4を前記一方のヘッド部11に被せ、前記取り付け治具4及びヘッド部11の各ボルト挿通孔にボルト(図示省略)を通し、当該ボルト端にナット5を螺着し、当該ナット5を締め付けることにより、取り付け治具4は一方のヘッド部11に固定される。
なお、当該治具4及びヘッド部11を貫通する孔にボルトとナットで締め付けて固定せずに、取り付け治具4の上部間隔を、前記ヘッド部11の厚さより狭めておいて、弾性により当該取り付け治具4をヘッド部11に嵌合させても良い。
次に、この圧着ペンチAで圧着端子14をかしめるには、予め電線15の一端の被覆15aを剥がし、芯線15bを露出させておく。そして、図4のように、前記ヘッド部11脇の台座3に、圧着端子14の端子部14bを載せ、圧着端子14の筒状部14aを凹溝12内に挿入し、当該筒状部14aの端部を凹溝12の一端に設けられたストッパー板2に当てる。これにより、圧着端子14は正しい位置に装着される。従って、誰でも容易にかつ確実に圧着端子に電線を接続できる。また、圧着作業に熟練を要さない。
この状態で、前記電線15の芯線15bをストッパー板2の切り欠き1を通して圧着端子14の筒状部14aの孔に挿入する。その際、前記切欠き1の内径はほぼ圧着端子14の筒状部14aの内径とほぼ同じ大きさにしているため、ストッパー板2が邪魔とならないうえ、このストッパー板2により圧着ペンチAと圧着端子14の中心が一致し、かつ端子14の端部と電線被覆部15aの間で一定の隙間が確保できる。そして、圧着ペンチAのハンドル10、10を強く握ると、他方のヘッド部11の突部13が圧縮端子14の筒状部14aをかしめる。
また、圧着端子14を一方のヘッド部11の凹溝12に入れる前に、電線15を圧着端子14の筒状部14aに入れ、この状態で圧着端子14を凹溝12に入れても良い。
なお、上記実施例1では、圧着ペンチAとしたが、この考案は、ペンチ形状に限らず、他の構成の圧着工具であれば、この考案に含まれる。また、上記実施例1ではストッパー板2と台座3を設けているが、台座3を設けないものも含まれる。
以上では、電線15を圧着端子14に接続する場合について説明してきたが、本圧着工具は、電線同士をスリーブで圧着して接続する場合にも適用できる。スリーブにより電線を接続する場合は、図4における圧着端子14に代えて、スリーブ一方のヘッド部11の凹溝12に嵌め、電線15の芯線15bをストッパー板2の切り欠き1を通してスリーブに挿入後、スリーブの他方から他の電線の芯線を挿入して、2本の電線の端部をスリーブを介して圧着ペンチAでかしめる。
この考案の実施例1の圧着ペンチの一対のヘッド部の斜視図である。 この考案の実施例1の圧縮ペンチの一方のヘッド部の平面図である。 この考案の実施例1の圧縮ペンチに装着する取り付け治具の斜視図である。 この考案の実施例1の圧縮ペンチの一対のヘッド部の凹溝に圧着端子を装着した状態を示す斜視図である。 この考案の実施例1の圧縮ペンチの一方のヘッド部の凹溝に圧着端子を装着した状態を示す平面図である。 従来の圧着ペンチの斜視図である。 従来の圧着ペンチのヘッド部の正面図である。 従来の圧着ペンチを用いて接続する圧着端子と電線の斜視図であり、(a)図は分解斜視図、(b)図は接続状態の斜視図である。 従来の圧着ペンチで圧着端子をかしめる状態を示す斜視図である。
A 圧着ペンチ
1 切り欠き 2 ストッパー板
3 台座 4 取り付け治具
5 ナット
10 ハンドル 11 ヘッド部
12 凹溝 13 突部
14 圧着端子 14a 筒状部
14b 端子部 15 電線
15a 被覆 15b 芯線

Claims (5)

  1. 相対向して設けた一対のヘッド部の、一方のヘッド部の対向端縁に設けた凹溝に電線接続用圧着端子ないしはスリーブを挿入し、他方のヘッド部の対向端縁に設けた突部で前記圧着端子ないしはスリーブをかしめる圧着工具において、前記凹溝を有するヘッド部の当該凹溝の脇の側面に、前記凹溝より小径で、前記圧着端子ないしはスリーブの筒状部の内径にほぼ等しい径の略半円形の切り欠きを上端縁に有するストッパー板を、前記凹溝に前記切り欠きを合わせて当接、固定したことを特徴とする、電線接続用圧着工具。
  2. 前記ストッパー板と反対側のヘッド部の側面に、前記凹溝に前記圧着端子ないしはスリーブの筒状部を挿入した際、前記圧着端子の端子部ないしはスリーブを載せる台座を設けたことを特徴とする、請求項1に記載の電線接続用圧着工具。
  3. 前記ストッパー板の切り欠きは、異なる凹溝に対応して複数設けられ、前記台座は複数の異なる凹溝の脇下に伸びていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電線接続用圧着工具。
  4. 前記ストッパー板と台座とは、略U字型に折れ曲がった一体な取り付け治具を形成し、当該取り付け治具を凹溝を有するヘッド部に嵌め、当該治具及びヘッド部を貫通する孔にボルトを通し、当該ボルト端に螺着したナットを締め付けて固定したことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の電線接続用圧着工具。
  5. 前記ストッパー板と台座とは、略U字型に折れ曲がった一体な取り付け治具を弾性材で形成し、当該取り付け治具の略U字型の上部の間隔を、凹溝を有するヘッド部の厚さより狭くして当該取り付け治具を前記ヘッド部に嵌めて固定したことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の電線接続用圧着工具。
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