JPH0247557Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、電線の接続端子の取付け構造に関
するものである。

（従来の技術） 従来、電線を接続するには、接続器内に取付け
た端子体に電線の先端部を半田付けするか、ネジ
止めし、或いは端子体の切起し片内に挿入して加
締め付けする等の手段で接続するものであつた。
このため半田ゴテ、ドライバー或いはペンチ等の
工具を用いて煩瑣な取付作業を行なわなければな
らず、極めて作業能率が悪いばかりでなく、半田
の熔着が悪かつたり、ネジの締付け、加締め付け
の不十充によつて使用中分離するおそれもあつ
た。

（考案が解決しようとする問題点） そこで、この考案は上記従来の問題点に鑑み、
これを解決すべくなされたものであつて、格別の
工具を用いることなく簡単な操作によつて確実に
連結固定でき、みだりに分離することのない堅牢
な電線接続端子を得るにある。

（問題点を解決するための手段） これを達成する手段として、この考案は、導電
体よりなる有底円筒の側面に弾性接続片を形成
し、基部底面に中央に電線の径より小径の孔を設
け、これより放射状の切割りを入れて噛合片を形
成した端子体を、接続器の連結孔内に挿入すると
共に、該接続器にインサートした電線の連結孔内
に突出した先端部を上記基部底面の小径孔より挿
通させ、上記噛合片により、その先端部周囲を噛
合するように挟着固定した上、弾性接続片内に他
方の電線の先端部を嵌入挟着して、両電線を電気
的に接続してなるものである。

（実施例） この考案の具体的構成を図面に示す実施例につ
いて以下詳細に説明する。

図面は、この考案の電線接続端子をシヤンデリ
ア等の照明器具に実施した例であつて、１は照明
器具、２は電球、３は吊下側接続器、４は保持側
接続器であり、保持側接続器４の上端に電線５を
２本、間隔をおいて併列にインサートし、その先
端部６を裸線として下方から穿設された連結孔７
の内端に突出させる。８は導電性材料よりなる端
子体であつて、基部９と、これより立設する弾性
接続片１０とで略有底円筒状に形成し、該弾性接
続片１０は切割り１１によつて２分割すると共
に、中央部から先端部に亘つて縮径１２とし、先
端をラツパ状に拡開１３して弾性力を大とする。
基部９には中央に電線５の径より小径の小孔１４
を穿設すると共に、放射状に等間隔の切割り１５
を設けることにより全周に亘つて扇形状の噛合片
１６を形成する。そして、この端子体８を連結孔
７に基部９側より挿入し、連結孔７内端に突出し
ている電線５の先端部６に小孔１４を強圧嵌入す
ると、小孔１４は電線５の径より小径であるた
め、小孔１４の外周の噛合片１６は先端側に撓み
つつ嵌入し、各噛合片１６の先端によつて電線５
の先端部６は喰込むように噛合して挟着固定され
る。又保持側接続器４の外側面には対称的に連結
係合ピン１７を突設する。一方吊下側接続器３に
は下端より電線１８を２本、間隔をおいて並列に
インサートし、その先端部１９を裸線として上端
より突出させる。なお、上記電線５および電線１
８はインサートの際、一部を圧潰変形すれば確実
に固定することができる。又先端部１９には接続
用管を被蓋しても良い。２０はスライドキヤツプ
であつて、接続器３にスライドしうるように嵌合
すると共に、下端の内方折曲げ部２１と接続器３
の下端面との間にスプリング２２を張設して、ス
ライドキヤツプ２０常時下方に付勢する。又スラ
イドキヤツプ２０の側面には対称的に係合溝２３
を穿設する、この係合溝２３は上端からＬ形に屈
曲した誘導部２４と、その内端に上端に向つて屈
曲した係止部２５が穿設されている。

この様に構成されているので、保持側接続器４
に吊下側接続器３を連結するには、接続器３の上
端に突出している電線１８の先端部１９を接続器
４の連結孔７内に挿入して、端子体８の弾性接続
片１０をその弾性に抗して拡開するようにして挟
着し、電気的に連結した後、スライドキヤツプ２
０をスプリング２２の張力に抗して上方にスライ
ドさせ、係合溝２３の誘導部２４に接続器４の連
結係合ピン１７を挿入し、スライドキヤツプ２０
を僅か回動して連結係合ピン１７を係止部２５の
下端に位置させ、スプリング２２の張力によつて
キヤツプ２０を下方に移動させれば、連結係合ピ
ン１７を係止部２５に係合させることができ、両
接続器３，４は確実に連結することができる。又
両接続器３，４を分離する際は、上記操作を逆に
行なえば良い。

（考案の効果） 以上、実施例について詳述したように、この考
案は、接続器にインサートした電線の先端を端子
体の基部に切割りによつて形成された噛合片によ
つて噛合挟着したものであるから、連結固定作業
の際、格別工具を用いなくとも端子体を強圧押入
するのみで簡単に確実に連結することができる。
又端子体の噛合片は押入時、電線によつて撓み拡
開されるが、噛合片自体の弾性によつて電線の先
端に向つて楔状に喰込むように噛合するので、外
部からの振動、衝撃等の外力を受けてもみだりに
電線が脱け出ることなく堅牢確実に固定すること
ができると共に、電気的にも切割りにより噛合片
との接触面積が大きいので接触抵抗なく確実に連
結することができる。その上切割り数を変えるこ
とによつて電線を挿入する際の噛合挟着力を自由
に選択できる等の種々の優れた効果を有するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一部切断せる分解斜視図、
第２図は端子体の平面図、第３図はこの考案を照
明器具に取付けた状態の一部切断せる側面図、第
４図は同じく接続器部分の一部切断せる側面図を
示す。 ４……保持側接続器、５……電線、６……先端
部、７……連結孔、８……端子体、９……基部、
１０……弾性接続片、１４……小孔、１５……切
割り、１６……噛合片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 導電体よりなる有底円筒の側面に弾性接続片を
   形成し、基部底面に中央に電線の径より小径の孔
   を設け、これより放射状の切割りを入れて噛合片
   を形成した端子体を、接続器の連結孔内に挿入す
   ると共に、この接続器にインサートした電線の連
   結孔内に突出した先端部を、上記基部底面の小径
   孔より挿通させ、その外周を上記噛合片で噛合す
   るように挟着固定した上、弾性接続片内に他方の
   電線の先端部を嵌入挟着して、両電線を電気的に
   接続してなる電線接続端子。