JP3172907B2 - デ−タ処理装置 - Google Patents

デ−タ処理装置

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JP3172907B2
JP3172907B2 JP22888697A JP22888697A JP3172907B2 JP 3172907 B2 JP3172907 B2 JP 3172907B2 JP 22888697 A JP22888697 A JP 22888697A JP 22888697 A JP22888697 A JP 22888697A JP 3172907 B2 JP3172907 B2 JP 3172907B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えばカ−ドに設け
られ、書き替え可能な強誘電体メモリ(FRAM)を用
いると共にメモリ間でアドレスを重複させたデ−タ処理
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】銀行のキャッシュカード、定期券、運賃
の自動引き落としカードなどに集積回路を搭載したIC
カードを利用する試みが行われている。この種のカード
は、CPU(中央処理装置)、RAM、ROMなどがカ
ード本体に設けて構成され、キャッシュカードであれば
引き出し金額、その日付、残額などがRAMに格納され
ると共に、銀行に行って処理したときにROMから読み
出したプログラムに基づいてRAM内のデータが更新さ
れる。カードの設計については、カードが用いられるシ
ステムに応じてRAM、ROMの容量の割合を定め、ア
ドレス空間をメモリ容量に応じて予め割り振っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところでカードに要求
される事項としては、概ねサイズが決まっていることか
ら回路のサイズを小さくすること、コストを安くするこ
と及び消費電力を小さくすることなどである。このため
アドレス空間をできるだけ小さくすることが必要であ
る。その理由は、安価なCPUを用いることができる
し、アドレス信号線が少なければチップサイズが小さく
なると共にアドレス信号のチャージ、ディスチャージ量
が減少するので消費電力が低減するからである。
【0004】従ってカードの設計段階において狭いアド
レス空間の中でRAM、ROMの容量を割り振らなけれ
ばならないが、各ユーザに共通なかつ最適な割り振りを
行うことは困難な作業であり、設計者に大きな負担をか
けているし、工場サイドではシステム毎につまりROM
エリアの大きいものと小さいものとで別々にカードを管
理しなければならないので管理が面倒であるという問題
がある。
【0005】一方1枚のカードで複数のシステムに対応
できれば便利であり、例えば複数の銀行、複数の交通会
社に利用できることあるいは銀行カード、定期券などを
混載することなどの要請がある。この場合各システム毎
にRAMを設け、会社独自にアドレスを割り当て、ソフ
トウエアで各システムをエミュレートすることが予想さ
れるが、このようにするとプログラムが大きくなって狭
いアドレス空間では対応できず、結局広いアドレス空間
を必要とし、既述のカードに要請されている事項を満足
できなくなってしまうという問題がある。またシステム
を追加するためにはプログラムを格納したROMを増設
しなければならないでの、結局システムの追加は困難で
ある。
【0006】本発明はこのような事情の下になされたも
のであり、その目的は、狭いアドレス空間でありなが
ら、システムへの適用に対して柔軟性があり、例えばカ
ードに搭載するのに好適なデータ処理装置を提供するこ
とにある。また他の目的は、狭いアドレス空間でありな
がら複数のシステムに対応することができるデータ処理
装置を提供することにある。
【0007】請求項の発明は、中央処理部と、互いに
アドレスが重複すると共に互いに種類の異なるデ−タを
格納する書き替え可能な強誘電体メモリよりなる不揮発
性の複数の主メモリと、前記主メモリとアドレスが重複
し、外部からの情報に基づいて主メモリのデ−タを書き
替えるときに一旦当該デ−タをコピ−するための各主メ
モリに共通なワ−キングメモリと、前記主メモリとアド
レスが重複し、各主メモリのデ−タをワ−キングメモリ
にコピ−するためのコピ−プログラムを格納したプログ
ラムメモリと、外部からの情報に基づいて、デ−タの書
き替えの対象となる主メモリを選択するメモリ選択部
と、前記メモリ毎に設けられ、各メモリに対するアクセ
スを許可または禁止するためのスイッチ部と、前記中央
処理部から出力されたアドレスがコピ−プログラムのア
ドレスと一致しているか否かを判定するアドレス判定部
と、を備え、コピ−モ−ド時には、前記メモリ選択部で
選択された主メモリ及びプログラムメモリに対応する各
スイッチ部を、中央処理部からの読み出し/書き込み信
号及びアドレス判定部の判定信号に基づいて制御すると
共に、ワ−キングメモリに対応するスイッチ部を中央処
理部からの読み出し/書き込み信号に基づいて制御する
ことによって、下記の、デ−タのコピ−動作を行うこと
を特徴とするデ−タ処理装置である。 a.中央処理部がコピ−プログラムをプログラムメモリ
から読み出す。 b.次いでこのコピ−プログラムに基づいて、前記メモ
リ選択部で選択された主メモリのデ−タを読み出す。 c.読み出したデ−タを前記ワ−キングメモリに書き込
む。
【0008】請求項の発明においては、例えば次のよ
うに構成することができる。すなわちコピ−プログラム
は、、主メモリのアドレスの一部と重複すると共に互い
にアドレスの異なる第1コピ−プログラム及び第2コピ
−プログラムよりなり、主メモリにおいて、第1コピ−
プログラムのアドレスと重複しているアドレスからデ−
タを読み出すときには第2コピ−プログラムを用い、第
2コピ−プログラムのアドレスと重複しているアドレス
からデ−タを読み出すときには第1コピ−プログラムを
用いる。以上のデ−タ処理装置は、携帯可能な担持体例
えばカ−ドに設ける場合に特に大きな効果がある。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の参考例を記載し
たものであり、例えばカードに担持され、マネーカード
として構成されたデータ処理装置を示している。図1に
おいて、1はCPU(中央処理装置)、2は書き替え可
能な強誘電体メモリよりなる不揮発性の主メモリ、3は
例えばマスクROMよりなるプログラムメモリである。
主メモリ2は、銀行における預金残高や取引きの記録な
どのデータ、及び外部装置との間でデータのやり取りを
行うプログラムを格納するエリア、及び前記データのコ
ピーデータを格納するワーキングエリアなどを備えてい
る。
【0010】プログラムメモリ3には、主メモリ2から
の読み出しを必要としない処理をCPU1に実行させる
ための制御プログラム例えば前記プログラムを外部から
主メモリ2に取り込むための制御プログラムが格納され
ている。プログラムメモリ3のアドレスは主メモリ2の
アドレスと重複しており、例えば図2で示すように主メ
モリ2のアドレス空間が0000番地からFFFF番地
だとすると、プログラムメモリ3には前記アドレス空間
の一部と重複する5000番地から6FFF番地までが
割り当てられている。
【0011】前記主メモリ2を構成する強誘電体メモリ
(FRAM)について簡単に述べておくと、、図3
(a)及び(b)は、夫々このメモリのメモリセル及び
蓄積容量のヒステリシス特性である。
【0012】記憶情報「0」を書き込む時、強誘電体蓄
積容量101に印加する電圧をマイナスとし(トランジ
スタ102をONにして、ビット線103にマイナス電
位を、プレート線104にプラス電位を夫々印加す
る。)、d点を通過させた後、印加電圧を零に戻せば、
分極値は残留分極点aとなり、記憶情報「0」を書き込
める。一方、記憶情報「1」を書き込む時には、強誘電
体蓄積容量101に印加する電圧をプラスとし、b点を
通過させた後、印加電圧を零に戻せば分極量は残留分極
点c点となり、記憶情報「1」を書き込める。
【0013】記憶情報の読み出しは電圧を強誘電体蓄積
容量101に印加した際にビット線上に流れ出る電荷量
を検出することで行われる。具体的には、プラス電圧を
蓄積容量に印加すると、記憶情報が「1」の時、電荷量
ΔQ1 が、また記憶情報が、「0」の時、電荷量ΔQ0
が流れ出る。
【0014】ΔQ1 、Q0 は、ワード線105を立ち上
げてトランジスタ102をオンにすることにより、ビッ
ト線電位として取り出される。
【0015】図1に戻って、11はデータバス、12は
アドレスバスであり、主メモリ2及びプログラムメモリ
3は、夫々スイッチ部21及び31を介してデータバス
11に接続されている。13はCPU1から読み出し、
書き込み信号を送るための信号線(以下R/W信号線と
いう)であり、前記メモリ2、3及びスイッチ部21、
31に接続されている。4は例えばレジスタよりなるモ
ード選択部であり、プログラムメモリ3内に格納されて
いる前記制御プログラムを用いる制御モードまたは制御
プログラムを用いない通常モードを選択する機能を有す
る。
【0016】モード選択については、例えば図示しない
外部装置からの信号に基づいて、制御モード信号例えば
論理「1」の信号または通常モード信号例えば論理
「0」の信号を出力し、このモード信号が前記スイッチ
部21、31に入力される。スイッチ部21、31は、
R/W信号線に現れる信号(R/W信号)と、モード選
択部4からのモード信号の組み合わせによって、オン、
オフ制御され、データバス11を主メモリ2及びプログ
ラムメモリ3に接続または切り離しする。つまり主メモ
リ2及びプログラムメモリ3に対するアクセスを許可、
または切り離しをする役割を持っている。
【0017】スイッチ部21、31は例えばR/W信号
及びモード信号を入力とする論理回路と、この論理回路
の出力によってオン、オフされデータバス11の接続、
切り離しを行うアナログスイッチとにより構成され、ス
イッチ部21、31の状態と、モード選択部で選択され
たモードと、R/W信号との関係は、図4に示す通りで
ある。即ち制御モードにおいては、スイッチ部21は読
み出し信号の入力に対してはオフし、書き込み信号の入
力に対してはオンするように、またスイッチ部31は読
み出し信号の入力に対してはオンするように動作する。
通常モードにおいてはスイッチ部21は読み出し、書き
込み信号のいずれに対してもオンし、スイッチ部31は
読み出し信号に対してオフするように動作する。
【0018】次に上述の例の作用について述べる。先ず
データ処理装置を出荷する工場側では、主メモリ2に対
しては信号のビット数に対応するアドレス空間を決めて
おくだけで、アドレス空間をROM、RAMに対し割り
振る必要がない。何故なら主メモリ2は書き込み可能な
不揮発性メモリであるFRAMを用いており、従来のよ
うにアドレス空間にROM、RAMの区別がないからで
ある。またプログラムメモリ3には、外部から主メモリ
2にプログラムを取り込むための制御プログラムを格納
しておく(焼き付けておく)。
【0019】そしてユーザはこのデータ処理装置に対し
て、先ず主メモリ2に所定のプログラム例えば銀行の処
理装置との間でデータのやりとりを行うためのプログラ
ムなどを取り込む。このとき例えば外部装置からの信号
に基づいてモード選択部4から制御モード信号がスイッ
チ部21、31に出力され、CPU1からR/W信号線
に読み込み信号が出力されると、スイッチ部21はオフ
に、スイッチ部31はオンになる。この結果プログラム
メモリ3から制御プログラムである命令が順次読み出さ
れ、CPU1はこの命令に基づき外部装置からプログラ
ムを読み出して主メモリ2に書き込む。主メモリ2への
書き込み時にはR/W信号線に書き込み信号が出力され
るためスイッチ部21はオンになり、スイッチ部31は
オフになる。
【0020】プログラムメモリ3のアドレスは既述のよ
うに主メモリ2のアドレスの一部と重複しているが、制
御モード時にはプログラムメモリ3に対しては読み込み
のみが行われ、主メモリ2に対しては書き込みが行われ
るため、プログラムメモリ3内の制御プログラムに従っ
て主メモリ2への書き込みを行うことができる。
【0021】またこのような操作を行った後は、モード
選択部4から通常モード信号が出力されるように設定
し、これによってプログラムメモリ3はシステムから切
り離され、CPU1は主メモリ2に対してのみアクセス
を行うようになる。
【0022】上述の参考例によれば、次のような効果が
ある。即ちカードに設けられたデータ処理装置では、コ
ストをできるだけ抑えるために安価なCPUであること
が必要であり、このためアドレス空間はかなり狭いもの
になる。従って既述のようにどのユーザに対しても最適
なようにこのアドレス空間をROM、RAMに割り振る
ことは至難であるが、主メモリ2を書き込み可能な不揮
発性メモリで構成すれば、ROM、RAMのアドレスの
境い目がないのでユーザが用途に応じて自由にアドレス
空間を使用することができ、データ処理装置の設計、管
理が容易になる上、ユーザ側ではシステムに対して柔軟
に対応することができる。
【0023】そしてプログラムを外部からデータ処理装
置に取り込むための制御プログラムを格納したプログラ
ムメモリ3を主メモリ2のアドレスと重複させ、プログ
ラムメモリ3に対する読み出しと主メモリ2に対する書
き込みとをスイッチ部21、31によって分離して実行
しているため、限られた狭いアドレス空間を有効に使用
することができると共に、アドレスを重複させたことに
よる特別の処理も少ない。
【0024】例えば制御プログラムを主メモリの中に格
納し、制御プログラムが格納されているアドレスを用い
るときは、制御プログラムのエリアを別のエリアに動か
すことも考えられるが、この場合にはアドレスを変更す
る作業が必要であり、上述実施の形態ではこうした手法
に比べて格段に処理が容易である。なおプログラムメモ
リ3はマスクROMに限られずFRAMで構成してもよ
いが、この場合にはプログラムメモリ3に対応するスイ
ッチ部31は、制御モード時に書き込み信号の入力に対
してオフになるように構成する必要がある。
【0025】次に本発明の実施の形態について述べる
と、この例は、複数の運行会社に適用できる定期券やあ
る金種のカード、または複数の銀行に適用できるキャッ
シュカード、更にはこれらを混載したカードとして構成
したデータ処理装置に関する。一例としてA社、B社、
C社に適用できる定期券を例にとって述べると、先ず各
社毎にデータ処理に関するプログラム及びデータを記憶
するメモリが必要である。この場合のデータは、乗車日
時、降車日時、乗車区間などであり、自動改札機を通っ
たときに書き替えられる。データの書き替えとは、この
例では上述の乗降の記録の追加であるが、キャッシュカ
ードなどであれば、各社毎の残高の書き替えなどが含ま
れる。
【0026】ところでデータを書き替えるときには、万
一のデータ破壊に備えて主メモリのデータを別のメモリ
にコピーし、このコピーデータに対して書き替えを行う
ことがシステムの安全を図る上で必要である。このため
本実施の形態では図5に示すように各社のデータを記憶
する主メモリ5A〜5Cに対して共通なワーキングメモ
リ6を設け、各主メモリ5A〜5C内のデータを、書き
替え時に一旦ワーキングメモリ6にコピーし、このワー
キングメモリ6内のデータに対して書き替えを行い、そ
の後ワーキングメモリ6内のデータを各主メモリ5A〜
5Cにコピーするようにしている。
【0027】この処理の様子を図6に示すと、先ずカー
ド(定期券)を自動改札機に入れたときに、カードがど
のシステムであるかつまりどの運行会社を利用している
かを判定し(ステップS1)、その会社(例えばA社)
の主メモリ5Aの内容をワーキングメモリ6にコピーす
る(ステップS2)。次いでワーキングメモリ6の内容
を、自動改札機側のデータ処理装置とのデータの受け渡
しによって書き替え(ステップS3)、その内容を主メ
モリ5Aにコピーする(ステップS4)。
【0028】このような処理において重要なことは、自
動改札機を通るときに主メモリ5Aのデータをワーキン
グメモリ6にコピーしなければならないので、ステップ
S2のコピーは高速で行わなければならないということ
である。一方ワーキングメモリ6から主メモリ5Aへの
コピーは、自動改札機を通った後に行えばよいので、低
速で足りる。
【0029】更に本発明では、各社のデータを格納する
主メモリとして強誘電体メモリを用いているので、実施
の形態1で述べたようにシステムの柔軟性が大きい。即
ち書き込み可能な揮発性メモリと読み出し専用の不揮発
性メモリとの間でアドレスを予め割り振らなくてよく、
つまり乗降の記録データを格納するアドレス及びプログ
ラムを格納するアドレスの間で境目を設けることなく自
由にアドレスをシステムに応じて使用することができる
と共に、予備の主メモリを予め設けておくことにより容
易にシステムの追加(運行会社の追加)を行うことがで
きる。仮に強誘電体メモリを用いなければ、システムを
追加する場合には、後から追加システムのプログラムを
格納した例えばマスクROMをカードに付設しなければ
ならず、これは実際には困難であるから、結局システム
の追加をできないことになる。なおEPROMやE2 P
ROMなどを用いることは、書き込み回数の限度が小さ
いことからカードには適さない。
【0030】さてここまでの説明において、図5のデー
タ処理装置が優れている理由について、比較例である図
7の装置と比べながら述べると、比較例では、各社の主
メモリ5A〜5Cの夫々に対応してワーキングメモリ6
A〜6Cを設けている。実施の形態2では後述のように
工夫しているため、自動改札機を通るときに各社のデー
タを高速にワーキングメモリにコピーすることができ、
しかもCPUの負荷が小さい。データのコピーを高速に
行う工夫がないとしたら比較例のように構成せざるを得
ない。何故なら、この場合には、自動改札機を通る前に
予め各社のデータを、対応するワーキングメモリにコピ
ーしておけば、自動改札機を通るときには、CPUがア
クセスするワーキングメモリの切り換え処理だけで済む
からである。しかしながら比較例の場合にはメモリ容量
が大きくなってしまう。これに対して実施の形態2の装
置では少ないメモリ容量で足り、カードに適している。
【0031】次にこの実施の形態における上述のコピー
処理について述べる。図8は、図5の概略構成を具体化
したハード構成を示す図である。ただし主メモリは説明
の簡略化のために2個としてある。図中7はCPU、7
1はデータバス、72はアドレスバス、73はR/W
(読み出し/書き込み)信号線、8は不揮発性メモリ例
えばマスクROMよりなるプログラムメモリであり、こ
のプログラムメモリ8には、主メモリ5A(5B)内の
データを読み出してワーキングメモリ6に書き込むため
の命令からなるコピープログラムが格納されている。こ
のコピープログラムは、各主メモリ5A、5Bに対して
共通のものである。
【0032】主メモリ5A、5B及びワーキングメモリ
6は互に重複するアドレス例えば0000番地からFF
FF番地が割り当てられている。プログラムメモリ8内
に格納されている前記プログラムは、互にアドレスが異
なる第1及び第2のプログラムP1、P2からなり、例
えば後述の図9で示すように第1のプログラムP1及び
第2のプログラムP2は、主メモリ5A(5B)に割り
当てられているアドレスと重複する3000〜3FFF
番地及び4000〜4FFF番地が夫々割り当てられて
いる。なおこの番地は説明の便宜上決めただけであっ
て、実際の設計を左右するものではない。
【0033】各メモリ5A、5B、6、8に夫々対応し
てスイッチ部51、52、61、81が設けられてい
る。これらスイッチ部51、52、61、81は、各メ
モリ5A、5B、6、8とデータバス71との接続、切
り離しを行う切り替えスイッチとこのスイッチをオン、
オフさせるための論理回路とを備えており、各スイッチ
部51、52、61、81への入力信号つまり論理回路
への入力信号に応じてオンまたはオフとされる。スイッ
チ部51、52は、R/W信号、第1イネーブル信号、
第2イネーブル信号及びモード信号に基づいて状態が決
まる。またスイッチ部61はR/W信号、第1イネーブ
ル信号及びモード信号に基づいて状態が決まりスイッチ
部81はR/W信号、第2イネーブル信号及びモード信
号に基づいて状態が決まる。
【0034】ここで第1イネーブル信号とは、メモリ選
択部74から出力される信号であり、このメモリ選択部
74は、システム信号例えば自動改札機からの信号に基
づいて、今利用しているシステム即ち運行会社を判定
し、これに対応する主メモリ5A(5B)に第1イネー
ブル信号を出力する。
【0035】また第2イネーブル信号とはアドレス判定
部9から出力される信号である。このアドレス判定部9
は、図9に示すようにアドレスバス72に出力されるア
ドレスが第1コピープログラムP1のアドレスであるか
否かを判定する第1アドレス判定回路部91と、アドレ
スが第2コピープログラムP2のアドレスであるか否か
を判定する第2アドレス判定回路部92と、これらアド
レス判定回路部91、92の一方を出力信号線94に接
続するスイッチ部93とを備えており、出力信号線94
に現れる信号はそのままスイッチ部81に入力される一
方、インバータ95により反転されてスイッチ部51、
52に入力される。
【0036】前記モード信号はモード選択部75から出
力され、このモード選択部75は、図6のステップS2
で示す、選択された主メモリ(例えばA社の主メモリ5
A)内の乗降に関するデータをワーキングメモリ6にコ
ピーするモードのときにコピーモード信号を出力する。
なお各スイッチ部51、52、61、81に入力される
信号は論理「0」または「1」あるいはこれらを組み合
わせた信号である。
【0037】次にこの実施の形態の動作について述べ
る。定期券であるデータ処理装置をA社の自動改札機に
入れたとすると、メモリ選択部74は自動改札機からの
信号に基づいてA社であると判定し、主メモリ5A及び
ワーキングメモリ6に第1イネーブル信号を出力する。
また、モード選択部75からコピーモード信号(主メモ
リからワーキングメモリへのコピーモードであることを
示す信号)が出力される。そしてCPU7から第1コピ
ープログラムP1のアドレスの先頭番地である3000
番地を出力すると共にR/W信号線に読み出し信号が出
力される。
【0038】このときアドレス判定部9のスイッチ部9
3は第1アドレス判定回路部91側に切り替っており、
第1アドレス判定回路部91は、3000〜3FFF番
地のときには例えば論理「1」を、それ以外のときには
論理「0」を夫々出力し、論理「1」の信号がそのまま
第2イネーブル信号としてスイッチ部81に与えられ
る。スイッチ部81は、コピーモード信号に加えて第2
イネーブル信号及び読み出し信号が入力されるのでオン
になりプログラムメモリ8のアクセスが許可され、第1
コピープログラムP1の命令が読み出される。
【0039】一方スイッチ部51には第1アドレス判定
回路部91からの信号「1」がインバータ95で反転さ
れて入力されるので、スイッチ部51がオフになり、主
メモリ5Aからのアクセスが禁止される。即ち主メモリ
5A及びプログラムメモリ8は、互にアドレスが重複し
ていてもアドレス判定部9からの出力によりプログラム
メモリ8側から読み出されることになる。
【0040】そしてCPU7が命令を解読し、主メモリ
5Aから、命令に記述されているアドレスのデータを読
み出す。第1コピープログラムP1の命令においては主
メモリ5Aからの読み出しアドレスは3000〜3FF
F番地以外であり、従って主メモリ5Aからデータを読
み出すときには、第1アドレス判定回路部91の出力は
「0」であるから、今度は反対にスイッチ部51がオン
になって主メモリ5Aのアクセスが許可され、スイッチ
部81はオフになる。
【0041】次いで読み出したデータを前記命令に記述
されている書き込み先に書き込むが、このときにはR/
W信号線73に書き込み信号が出力されるので、スイッ
チ部61のみがオンになりワーキングメモリ6にデータ
が書き込まれる。
【0042】更にこの例では、第1コピープログラムP
1の3FFF番地までの読み出しが終了した後、アドレ
ス判定部9のスイッチ部93が第2アドレス判定回路部
92側へ切り替わると共に第2コピープログラムP2を
4000番地から読み出す。この場合第2アドレス判定
回路部92ではアドレスが4000番地〜4FFF番地
であるときには「1」を、それ以外のときには「0」を
出力するようになっており、CPU7から4000番地
のアドレスが出力されると、第2イネーブル信号
(「1」の信号)はスイッチ部81側に入力され、第2
コピープログラムP2を用いて同様にして主メモリ5A
内のデータがワーキングメモリ6にコピーされる。
【0043】即ち第1コピープログラムP1を用いてコ
ピーを行うと、主メモリ5Aの300〜3FFF番地の
エリアαからの読み出しができないため、第2コピープ
ログラムP2を用いてエリアα内のデータのコピーもで
きるようにしている。このように主メモリ5Aの中の更
新すべき記録データを格納しているエリアのアドレスを
例えば2つに分け(3つ以上に分けてもよい)、夫々に
コピープログラムを割り当てて、一方のコピープログラ
ムを用いてコピーを行った後、他方のコピープログラム
を用いてコピーを行えば、主メモリ5Aのアドレスとコ
ピープログラムのアドレスとが重複していても、記録デ
ータの全部をワーキングメモリ6にコピーすることがで
きる。
【0044】なお上述のコピーが終了した後は、例えば
モード選択部75により書き替えモード信号が出力さ
れ、自動改札機によりワーキングメモリ6内のデータが
書き替えられる。またワーキングメモリ6から主メモリ
5Aへのデータのコピーは、例えば主メモリ5A、5B
とは別のアドレスをもったメモリ内のプログラムを用
い、エミュレートすることにより低速でコピーすればよ
く、この場合のコピーは高速を要求されないので、どの
ようにして行ってもよい。
【0045】上述の実施の形態に係るカードの効果をま
とめると次の通りである。先ず主メモリ5A、5Bとし
てFERAMを用いているので予備の主メモリを予め設
けておくことによって容易に運行会社の追加を容易に行
うことができ、システムの柔軟性が大きい。そして各主
メモリのアドレスを互に重複させ、スイッチ部により各
メモリを分離して読み出し、書き込みを行っているの
で、CPUの負荷が小さい。仮に主メモリのアドレス互
に異なり、しかも主メモリの数を多くすると、安価でア
ドレス空間の小さいCPUを用いる場合には、エミュレ
ートを必要とし、その分ソフトウエアが大きくなると共
に、アドレスバスの信号線も多くなるので結局CPUの
負荷が大きくメモリ容量も大きくなってしまい更に消費
電力も大きいので、カードのような小型のデータ処理装
置において複数のシステムに対応できるようにすること
は極めて困難である。
【0046】また本発明はワーキングメモリやプログラ
ムメモリについては主メモリとアドレスを重複させるこ
とに限定されるものではないが、これらについても主メ
モリとアドレスを重複させてスイッチ部によりメモリを
分離して読み出し、書き込みを行うようにすれば、必要
とするアドレス空間が小さくて済む。
【0047】更に各主メモリに対してワーキングメモリ
を共通化しているので、メモリ容量が小さくて済み、し
かも主メモリからワーキングメモリへのデータのコピー
を、エミュレートを行うことなくスイッチ部切り替えだ
けで処理を行っているので、高速に実行することができ
る。
【0048】以上のことから実施の形態は、複数のシス
テムに対応できる、例えば1枚のカードでマネーカー
ド、定期券など種々の用途に用いることができるカード
にとって非常に有効である。なお本発明はカードに適用
することに限られず、例えば腕にはめるバンドに取り付
けたタグなどと呼ばれている小円板状体や胸に差すペン
のキャップなどといった携帯用の担体に適用することも
できる。更に本発明の適用範囲もキャッシュカードや定
期券に限らず、例えばスキー場でのリフト券に相当する
データ処理装置を購入し、これを各スキー場に共通に用
いて、リフトに乗る度に金額のデータが書き替えられて
いくといった場合にも適用することができる。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、データ処
理装置において小型で安価でかつシステムの柔軟性を大
きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の構成を示すブロック図
である。
【図2】主メモリ及びプログラムメモリのアドレスが重
複している様子を示す説明図である。
【図3】強誘電体メモリの構成及び動作原理を示す説明
図である。
【図4】スイッチ部の動作とモードとの対応を示す説明
図である。
【図5】本発明の実施の形態2の構成を概念的に示す説
明図である。
【図6】本発明の実施の形態2のフローを示すフローチ
ャートである。
【図7】実施の形態2と比較した比較例の構成を概念的
に示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態2の構成を示すブロック図
である。
【図9】図8に示すブロック図の一部を詳細に示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1 CPU(中央処理装置) 2 主メモリ 3 プログラムメモリ 21、31 スイッチ部 4 モード選択部 5A〜5C 主メモリ 6 ワーキングメモリ 7 CPU 8 プログラムメモリ 51、52、61、81 スイッチ部 74 メモリ選択部 75 モード選択部 9 アドレス判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 12/00 - 12/06 G06F 12/16,15/78 G06K 19/07

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央処理部と、 互いにアドレスが重複すると共に互いに種類の異なるデ
    −タを格納する書き替え可能な強誘電体メモリよりなる
    不揮発性の複数の主メモリと、 前記主メモリとアドレスが重複し、外部からの情報に基
    づいて主メモリのデ−タを書き替えるときに一旦当該デ
    −タをコピ−するための各主メモリに共通なワ−キング
    メモリと、 前記主メモリとアドレスが重複し、各主メモリのデ−タ
    をワ−キングメモリにコピ−するためのコピ−プログラ
    ムを格納したプログラムメモリと、 外部からの情報に基づいて、デ−タの書き替えの対象と
    なる主メモリを選択するメモリ選択部と、 前記メモリ毎に設けられ、各メモリに対するアクセスを
    許可または禁止するためのスイッチ部と、 前記中央処理部から出力されたアドレスがコピ−プログ
    ラムのアドレスと一致しているか否かを判定するアドレ
    ス判定部と、を備え、 コピ−モ−ド時には、前記メモリ選択部で選択された主
    メモリ及びプログラムメモリに対応する各スイッチ部
    を、中央処理部からの読み出し/書き込み信号及びアド
    レス判定部の判定信号に基づいて制御すると共に、ワ−
    キングメモリに対応するスイッチ部を中央処理部からの
    読み出し/書き込み信号に基づいて制御す ることによっ
    て、下記の、デ−タのコピ−動作を行うことを特徴とす
    るデ−タ処理装置。 a.中央処理部がコピ−プログラムをプログラムメモリ
    から読み出す。 b.次いでこのコピ−プログラムに基づいて、前記メモ
    リ選択部で選択された主メモリのデ−タを読み出す。 c.読み出したデ−タを前記ワ−キングメモリに書き込
    む。
  2. 【請求項2】 コピ−プログラムは、主メモリのアドレ
    スの一部と重複すると共に互いにアドレスの異なる第1
    コピ−プログラム及び第2コピ−プログラムよりなり、
    主メモリにおいて、第1コピ−プログラムのアドレスと
    重複しているアドレスからデ−タを読み出すときには第
    2コピ−プログラムを用い、第2コピ−プログラムのア
    ドレスと重複しているアドレスからデ−タを読み出すと
    きには第1コピ−プログラムを用いることを特徴とする
    請求項1記載のデ−タ処理装置。
  3. 【請求項3】 デ−タ処理装置は、携帯可能な担持体に
    設けられたものであることを特徴とする請求項1または
    2記載のデ−タ処理装置。
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