JP3172330B2 - 画像読み取り装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、画像読み取り位置に案
内されたフィルム等の透過原稿の画像を光電変換して画
像読み取りを行う透過原稿の画像読み取り装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子写真装置あるいは静電記録装
置などの画像形成装置にフィルム等の透過原稿の画像を
読み込むのには、フィルムスキャナー装置等により画像
を電気的な信号に変換して通信する方法が提案され実用
化されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例ではフィルム等の透過原稿を画像読み取り位置に案
内したのちに、ＣＣＤ等の画像読み取りセンサーで一度
読み取ってから、電気信号に変換して液晶パネル等の電
子ビュアー部に確認用の画像を表示することになる。そ
のため、光学的にスクリーン上に直接投影する方法に比
べ、作業性は向上したが操作時間が長くなってしまう欠
点がある。

【０００４】さらに、作業者が選択したものでない透過
原稿が画像読み取り位置に案内されていても、ＣＣＤ等
の画像読み取りセンサーは読み込みを始めてしまい、そ
の後透過原稿を交換しても動作中であり、また新たにや
り直すなど操作性が極めて悪い欠点もある。

【０００５】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、その目的とするところは、画像の読み取りに
際しての操作時間の短縮及び操作性の向上がなされる画
像読み取り装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にあっては、複数の原稿を保持して画像読み取
り位置に案内するキャリアー部材と、該キャリアー部材
にて前記画像読み取り位置に案内された透過原稿を読み
取る画像読み取り手段と、該画像読み取り手段にて読み
取られた画像情報を表示する画像情報表示手段と、を備
えた画像読み取り装置において、前記キャリアー部材に
保持された複数の原稿の一つが前記画像読み取り位置に
案内されたことを検知する位置検知手段と、該位置検知
手段にて画像読み取り位置への原稿の案内が検知されて
からの時間を計測する時間計測手段と、該時間計測手段
の計測結果が所定値に達した時に前記画像読み取り手段
の読み取り及び前記画像情報表示手段の表示を開始する
よう制御する制御手段と、を有したことを特徴とする。

【０００７】また、時間計測手段の計測結果が所定値に
達しない間に前記画像読み取り位置に案内された原稿が
移動するか或は画像読み取り中に前記画像読み取り位置
に案内された原稿が移動させられた場合は、キャリアー
部材に保持された複数の原稿の他の一つが画像読み取り
位置に案内されたかどうかを位置検知手段にて検知する
ところからやり直すよう制御手段にて制御するのが好ま
しい。

【０００８】また、時間計測手段の計測結果と比較され
る所定値を可変とするのが好ましい。

【０００９】

【作用】上記構成の本発明にあっては、キャリアー部材
をセットしてから所定時間経った後に画像の読み取りを
することにより、作業者がその原稿を選択したことを確
認した上で画像の読み取りが行える。

【００１０】また、キャリアー部材をセットしてから所
定時間経過する前か或は画像読み取り中に原稿を保持し
ているキャリアー部材が動かされた場合、再び原稿の検
知からやり直すようにすることで、原稿選択の変更があ
ってもすぐに対応することができ、操作時間の短縮が図
れ、操作性が向上する。

【００１１】また、時間計測手段の計測結果と比較され
る所定値を可変とすることで、作業者ごとの操作時間の
差に対応することができる。

【００１２】

【実施例】以下に本発明の一実施例に係る画像読み取り
装置を図１〜図５に基づいて説明する。

【００１３】画像読み取り装置の全体は図４（ａ）に示
すようになっている。画像読み取り装置本体１２にはフ
ィルムを挾持するキャリアー部材１を画像読み取り位置
に案内するマガジン部材１０が着脱自在に備えられ、キ
ャリアー部材１を差し込む穴１０ａが設けてある。

【００１４】さらに、画像読み取り装置本体１２には、
ビュアー部１１を備え、フィルム等の透過原稿の画像が
表示される画像情報表示手段としての電子ビュアー１１
ａと画像読み取り動作に必要な情報を入力する操作部１
１ｂが設けられている。

【００１５】そして、この種の画像読み取り装置の画像
読み取り方法は図４（ｂ）にその概略を示すようになっ
ている。透過原稿としてのフィルム１００は、光源とし
ての照明ランプ２１によりコンデンサーレンズ等から成
る光学系２２を介して光を照射され、その透過光である
画像読み取り手段としての画像読み取りセンサー２４
（ＣＣＤ）上に投影され、画像読み取りセンサー２４は
移動しながら画像の全体を読み取り、画像光を電気信号
に変換してゆく。一方、画像読み取りセンサー２４によ
る画像読み取りの前に、フィルム１００の画像を光学的
に直接スクリーンに投影して、画像の確認や読み取り領
域の設定等を行っていたが、最近では装置の小型化やデ
ジタル化のため光学的に投影する手段を無くして、画像
読み取りセンサー２４により読み取られた画像を電子ビ
ュアー１１ａに確認用の画像を表示するようにしてい
る。

【００１６】これにより、図５で示すように、デジタイ
ザー３０や他の画像読み取り装置１２より読み取られた
画像情報と合成したり編集したりした画像を電子ビュア
ー１１ａ上で確認してから画像形成装置３１で複写画像
等が作成できるなど、極めて作業性が良くなっている。

【００１７】以下に本実施例の特徴的な部分を図１〜図
３に基いて説明する。図２には、フィルム等の透過原稿
を画像読み取り位置へ案内するマガジン部材１０と、フ
ィルムを挾持するキャリアー部材１を示す。キャリアー
部材１はフィルム１００を挾持し、その画像を投影する
ためのキャリアー窓４がある。そのキャリアー窓４の位
置を示す位置決め穴２が各キャリアー窓４に対し４ケ設
けられ、隣りどうしのキャリアー窓４はそれぞれの位置
決め穴２を兼用している。

【００１８】一方、マガジン部材１０にはキャリアー部
材１の位置決め穴２を検知する位置検知手段としての位
置検知センサー３と、キャリアー部材１の有無を検知す
るキャリアー検知センサー５が内蔵されている。

【００１９】位置決め穴２と位置検知センサー３の配置
は、キャリアー部材１がマガジン部材１０に縦又は横に
差し込まれたり、キャリアー部材１の上下を逆さまにし
て差し込まれても、キャリアー窓４に対し４ケある位置
決め穴２の１ケが位置検知センサー３により、フィルム
１００が画像読み取り位置に正しくセットされるのが確
認される位置になっている。

【００２０】キャリアー検知センサー５の配置は、前記
のようにキャリアー部材１がマガジン部材１０にどのよ
うに差し込まれても、キャリアー窓４及び位置決め穴２
に関係ない位置となっている。これらにより、キャリア
ー部材１は画像読み取り装置１２に着脱することが検知
され、各透過原稿が画像読み取り位置にセットされるこ
とが検知でき、さらにはキャリアー部材１が移動するこ
とも検知できる。

【００２１】本実施例の動作を図１のフローチャート及
び図３のブロック図をもとに説明する。キャリアー部材
１をマガジン部材１０に差し込むとキャリアー検知セン
サー５に検知され（ステップ１）、透過原稿を照らす照
明ランプ２１が点灯する（ステップ２）。キャリアー部
材１上の透過原稿が画像読み取り位置にセットされる
と、位置決め穴２を通る位置検知センサー３の光により
検知される（ステップ３）。この時キャリアー部材１が
移動すると位置検知センサー３の光はすぐに遮断される
ので移動するのが検知される。そのため一定時間、時間
計測手段としてのタイマー４０により光を検出すると
（ステップ４）、キャリアー部材１は移動中ではなくセ
ットされたと判断し、画像読み取りセンサー２４（ＣＣ
Ｄ）を副走査モーター４３により走査することで画像を
読み取って（ステップ５）、画像情報表示手段としての
電子ビュアー等１１ａに表示し（ステップ７）、操作部
１１ｂで操作する（ステップ８）。画像読み取りセンサ
ー２４が画像を読み取り中又は読み取り後、キャリアー
部材１が移動した場合（ステップ６）、画像読み取りセ
ンサー２４がホームポジションでなければ（ステップ
９）、画像読み取りセンサー２４をホームポジションに
戻し（ステップ１０）、キャリアー部材１がマガジン部
材１０より引き抜かれていなければ（ステップ１１）、
キャリアー部材１上の透過原稿が画像読み取り位置にセ
ットされたかどうか検知するところ（ステップ３）から
やり直すように制御手段としてのＣＰＵ４１が制御す
る。なお、キャリアー部材１１を外してランプ２１を消
灯して（ステップ１２）、終了する。

【００２２】これにより画像情報の表示をするのに、キ
ャリアー部材１をセットしただけでプリスキャンがはじ
まり、キャリアー部材１を移動すればその都度プリスキ
ャンをやり直す。

【００２３】さらに、作業者ごとの操作時間の差に合わ
せて、透過原稿が画像読み取り位置にセットされたかど
うか、位置検知センサー３の検出時間即ちＲＡＭ４０内
に設定されている所定時間を変更可能とした。

【００２４】

【発明の効果】上記構成の本発明にあっては、キャリア
ー部材をセットしてから所定時間経った後に画像の読み
取りをすることにより、作業者がその原稿を選択したこ
とを確認した上で画像の読み取りが行える。

【００２５】また、キャリアー部材をセットしてから所
定時間経過する前か或は画像読み取り中に原稿を保持し
ているキャリアー部材が動かされた場合、再び原稿の検
知からやり直すようにすることで、原稿選択の変更があ
ってもすぐに対応することができ、操作時間の短縮が図
れ、操作性が向上する。

【００２６】また、時間計測手段の計測結果と比較され
る所定値を可変とすることで、作業者ごとの操作時間の
差に対応することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の画像読み取り装置の動作を
示すフローチャートである。

【図２】同装置のキャリアー部材とマガジン部材の斜視
図である。

【図３】同装置のブロック図である。

【図４】（ａ）は同装置の全体斜視図、（ｂ）は画像読
み取り部分の構成図である。

【図５】同装置の信号ケーブルを示す図である。

【符号の説明】

１ キャリアー部材 ２４ 画像読み取りセンサー（画像読み取り手段） １１ａ 電子ビュアー（画像情報表示手段） ３ 位置検知センサー（位置検知手段） ４０ タイマー（時間計測手段） ４１ ＣＰＵ（制御手段） １００ フィルム（透過原稿）

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の原稿を保持して画像読み取り位置
   に案内するキャリアー部材と、該キャリアー部材にて前
   記画像読み取り位置に案内された透過原稿を読み取る画
   像読み取り手段と、該画像読み取り手段にて読み取られ
   た画像情報を表示する画像情報表示手段と、を備えた画
   像読み取り装置において、 前記キャリアー部材に保持された複数の原稿の一つが前
   記画像読み取り位置に案内されたことを検知する位置検
   知手段と、該位置検知手段にて画像読み取り位置への原
   稿の案内が検知されてからの時間を計測する時間計測手
   段と、該時間計測手段の計測結果が所定値に達した時に
   前記画像読み取り手段の読み取り及び前記画像情報表示
   手段の表示を開始するよう制御する制御手段と、を有し
   たことを特徴とする画像読み取り装置。
2. 【請求項２】 時間計測手段の計測結果が所定値に達し
   ない間に前記画像読み取り位置に案内された原稿が移動
   するか或は画像読み取り中に前記画像読み取り位置に案
   内された原稿が移動させられた場合は、キャリアー部材
   に保持された複数の原稿の他の一つが画像読み取り位置
   に案内されたかどうかを位置検知手段にて検知するとこ
   ろからやり直すよう制御手段にて制御した請求項１記載
   の画像読み取り装置。
3. 【請求項３】 時間計測手段の計測結果と比較される所
   定値を可変とした請求項１又は２記載の画像読み取り装
   置。