JP3171692B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサ

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克彦 河野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グラファイト層構成を
改良した固体電解コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、固体電解コンデンサは、弁作用
を有する金属粉末を加圧成形してなる成形体に、あらか
じめ弁作用を有する金属線を陽極リード線として植立
し、真空焼結した陽極体の表面に陽極酸化により酸化皮
膜を形成し、この酸化皮膜の周面に対向電極として二酸
化マンガンなどの半導体層を形成し、更に接触抵抗を減
じるためにグラファイト層を介在させた後、陰極導電体
としての銀塗料層を形成し、この銀塗料層にリードフレ
ーム陰極部を、前記陽極リード線にリードフレーム陽極
部を取着し、しかる後樹脂外装を施してなるものであ
る。
【0003】しかしながら、近年、固体電解コンデンサ
の薄型化が急速に進んだことにより、固体電解コンデン
サ及びコンデンサ素子自体の熱的ストレスや機械的スト
レスに対する耐性不足が無視できない問題になってきて
いる。
【0004】すなわち、陰極導電体としての銀塗料層形
成後のアッセンブリ工程において、熱的ストレスが加わ
ることにより引き起こされるグラファイト層の剥離に起
因するtanδ、インピーダンスの増大及び漏れ電流の
増大などの特性劣化及び特性不良を引き起こす危険性を
もつものとなっている。
【0005】また、これら固体電解コンデンサは、製品
化後、各種回路部品に組み込んで使用する訳であるが、
使用中も瞬間的に数百Gを越えるような衝撃を受けた場
合、その衝撃を樹脂外装だけで分散・吸収しきれずに、
結局素子自体にダメージを与えることとなり、漏れ電流
増大などの諸特性の劣化を引き起こすことになり、対策
が必要であった。
【0006】従来、これらの問題を解決する手段とし
て、まず、グラファイト層を水溶性又は非水溶性の有機
高分子材と黒鉛粉末によって構成し、150μm以上の
厚さとした陰極導電体としての銀塗料層を形成する技
術、また、陰極導電体としての銀塗料層を構成する材料
のうち、非水溶性高分子材をセルロース系高分子材、シ
リコン系高分子材、ポリアミドなどから形成することに
よって外部からの衝撃や機械的ストレスに対するコンデ
ンサ素子自体の強度を向上させる方法が提案されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
手段を採用した陰極導電体としての銀塗料層の形成方法
によっても固体電解コンデンサ及びコンデンサ素子自体
の強度不足を完全に補うことはできず、固体電解コンデ
ンサの特性劣化及び特性不良の発生を防ぐ十分な解決手
段にはなり得なかった。
【0008】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、コンデンサのtanδやインピーダンスを増大させ
ることなく、熱的ストレスや物理的ストレスに対する十
分な強度を有する固体電解コンデンサを提供することを
目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による固体電解コ
ンデンサは、陽極リード線を植立した弁作用金属からな
る陽極体に順次、酸化皮膜層,半導体層,グラファイト
層,陰極導電体としての銀塗料層を形成して構成したコ
ンデンサ素子にリードフレームを接着し、かつ樹脂外装
を施してなる固体電解コンデンサにおいて、前記グラフ
ァイト層が黒鉛粉末、水溶性又は非水溶性高分子、グラ
ファイトファイバーの混合物からなることを特徴とする
ものである。
【0010】
【作用】グラファイト層が黒鉛粉末、水溶性又は非水溶
性高分子及びグラファイトファイバーの混合物からなっ
ているため、水溶性又は非水溶性高分子とグラファイト
ファイバーのファイバーラミネート構造を有する導電性
複合強化材料層が形成され、これにより従来のグラファ
イト層よりもはるかに熱的ストレス、物理的ストレスに
強く、割れや剥離現象のないグラファイト層が得られ
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明につき実施例を参照して説明す
る。
【0012】すなわち、図1に示すように、例えばタン
タル粉末を加圧成形した陽極体1にタンタルの陽極リー
ド線2を植立し、高温で真空焼結した後、リン酸水溶液
中にて化成電圧50Vを印加して陽極酸化し、タンタル
の陽極酸化皮膜3を形成し、次に、硝酸マンガン溶液中
に浸漬して前記陽極酸化皮膜3上に硝酸マンガンを付着
させた後、温度250℃〜300℃の恒温焼成炉中で数
分間熱分解して二酸化マンガンからなる半導体層4を形
成する。この硝酸マンガン溶液中への浸漬及び熱分解工
程は、数回繰り返して行う。
【0013】次に、半導体層4形成後の素子を、有機溶
剤、非水溶性の有機高分子材、平均粒径0.3μm以下
の黒鉛粉末をそれぞれ混合し十分に攪拌し懸濁させたグ
ラファイト塗料に平均直径50μm以下で長さが0.1
mm〜2mmのグラファイトファイバーを混合してなる
グラファイト液に浸漬し、温度150℃〜220℃の恒
温槽中で乾燥し、グラファイト層5を形成し、しかる
後、銀塗料に浸漬し、温度100℃〜200℃で乾燥
し、前記グラファイト層5上に陰極導電体層としての銀
塗料層6を形成してコンデンサ素子7を構成する。その
後、陽極リード線2をリードフレーム陽極部8に溶着す
るとともに、リードフレーム陰極部9となる素子固定部
に導電性接着剤10を介してコンデンサ素子7を構成す
る銀塗料層6部を接着し、しかる後、トランスファーモ
ールドを行い、樹脂外装11を施し、この樹脂外装11
から導出したリードフレーム陽極部8及びリードフレー
ム陰極部9を折り曲げて完成品としたものである。
【0014】以上のように構成してなる固体電解コンデ
ンサによれば、コンデンサ素子を構成するグラファイト
層が有機溶剤,非水溶性高分子材,黒鉛粉末をそれぞれ
混合し懸濁させたグラファイト塗料にグラファイトファ
イバーを混合したグラファイト液を乾燥したものからな
っており、グラファイト層は非水溶性高分子材とグラフ
ァイトファイバーのファイバーラミネート構造を有する
導電性複合強化材料層となっているため、従来のグラフ
ァイト層よりもはるかに熱的ストレス、物理的ストレス
に強く、割れや剥離現象のないグラファイト層が得ら
れ、その後行われる陰極導電体層形成後のアッセンブリ
工程における熱的、機械的なストレス下に置かれたとし
ても、漏れ電流、tanδ、インピーダンスなどの特性
劣化のないことは元より、必要電子機器への組み込み作
業、更には組み込んだ後の電子機器の使用中においても
上記特性の劣化の危険性のない信頼性に富む優れた効果
を得ることができる。
【0015】次に、本発明と従来例による特性比較につ
いて述べる。
【0016】すなわち、上記実施例にて述べた構成から
なる本発明(A)と、上記本発明(A)と同一の材料を
用い、同一の工程を経て二酸化マンガンからなる半導体
層まで形成した後、水溶液系の溶剤と水溶性高分子材か
らなる溶液に平均粒径0.3μm以下の黒鉛粉末を十分
に撹拌し懸濁させたグラファイト液を用いグラファイト
層を形成し、その後、再び上記本発明と同一の手段を講
じ完成品とした従来例(B)による試料1000個ずつ
についての初期特性不良状況を調べた結果、表1に示す
ようになり、また、本発明(A),従来例(B)とも前
述した手段によって得た試料100個ずつについて、3
20℃で10秒間の、はんだ浸漬試験を5回繰り返し、
はんだ浸漬試験回数に対する漏れ電流を調べた結果、図
2に示すようになった。
【0017】なお、試料の定格は本発明(A),従来例
(B)とも10V−10μFである。
【0018】
【表1】 表1から明らかなように、本発明(A)によるものは従
来例(B)と比較してtanδやインピーダンス特性は
皆無で、また漏れ電流特性改善に大きく寄与することが
わかる。
【0019】また、図2から明らかなように、従来例
(B)のものははんだ浸漬試験の回数を重ねる毎に漏れ
電流の増大がみられるのに対し、本発明(A)のものは
前述のはんだ浸漬試験を繰り返しても漏れ電流の増大は
認められず、本発明の有効性が実証された。
【0020】なお、上記実施例においてグラファイト層
を形成するための構成材料として、有機溶剤、非水溶性
高分子材及び黒鉛粉末を用いるものを例示して説明した
が、非水溶性高分子材に代え、水溶性高分子材を用いて
も目的達成上何ら支障はない。
【0021】また、高分子材としては熱可塑性のもので
も熱硬化性のものでも構わない。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による固体電
解コンデンサによれば、コンデンサのtanδやインピ
ーダンスを増大させることなく、外部からの熱的・機械
的ストレスによっても漏れ電流特性劣化のない固体電解
コンデンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による固体電解コンデンサを示す正断面
図である。
【図2】固体電解コンデンサのはんだ浸漬試験回数−漏
れ電流特性曲線図である。
【符号の説明】
1 陽極体 2 陽極リード線 3 陽極酸化皮膜 4 半導体層 5 グラファイト層 6 銀塗料層 7 コンデンサ素子 8 リードフレーム陽極部 9 リードフレーム陰極部 10 導電性接着剤 11 樹脂外装

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極リード線を植立した弁作用金属から
    なる陽極体に順次、酸化皮膜層,半導体層,グラファイ
    ト層,陰極導電体としての銀塗料層を形成して構成した
    コンデンサ素子にリードフレームを接着し、かつ樹脂外
    装を施してなる固体電解コンデンサにおいて、前記グラ
    ファイト層が黒鉛粉末、水溶性又は非水溶性高分子材、
    グラファイトファイバーの混合物からなることを特徴と
    する固体電解コンデンサ。
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