JP3171623B2 - セラミックの焼結方法 - Google Patents

セラミックの焼結方法

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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミック成形物の焼結
方法に関する。詳しくは特定の方法でセラミック成形物
を焼結することからなるセラミックの焼結方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】セラミック粉とバインダーからなる組成
物をシート状に成形しついで焼結してセラミックの成形
物を作ることは広く行われており、特に易熱分解性のポ
リマーをバインダーとすることで多層の成形物も製造可
能となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】易熱分解性のバインダ
ーとしてはポリアルキレンカーボネートが代表的なもの
であるが、これらのポリマーを用いると確かに低温で脱
脂が可能であり、低温で融解する低融点ガラスでも極め
て残炭の少ない成形物が得られる。しかしこの場合の問
題としてスラリーの安定性は悪く成形性が悪いという問
題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決して、低温分解性のバインダーの特性を生かししか
も成形性に問題がない焼結方法について鋭意探索し本発
明を完成した。
【0005】即ち本発明は、セラミック粉とポリアルキ
レンカーボネートと1,3-ジメチル-2- イミダゾリジノン
からなるスラリーを成形した後、乾燥、脱脂、焼成する
ことを特徴とするセラミックの焼結方法である。
【0006】本発明においてセラミック粉としてはアル
ミナ、シリカなど酸化物の他にさらに種々の酸化物を混
合した種々のガラスが挙げられ、特に低温で融解する低
融点ガラスに利用すると効果的である。
【0007】本発明において、ポリアルキレンカーボネ
ートとしては、触媒を用いて炭素数2〜10のアルキレン
オキサイドと二酸化炭素を共重合して得られるものが挙
げられ、分子量としては、1000〜1000000 、通常5000〜
500000程度のものが利用できる。
【0008】本発明においてスラリーを成形する場合に
は、上記ポリマーを溶解した溶液にセラミック粉を分散
することでスラリーを製造し利用する。この場合ポリマ
ーの濃度としては1〜50重量%で、セラミックとポリマ
ー(可塑剤を用いる場合はポリマーと可塑剤の合計。)
の比率としては1:0.01〜1:0.5 程度である。
【0009】本発明において重要なのは溶媒として1,3-
ジメチル-2- イミダゾリジノンを使用することにある。
ここで分散性の改良などを目的として1,3-ジメチル-2-
イミダゾリジノンの50wt%以下を他の溶媒に変えること
もできその様な溶剤としては、炭化水素化合物、ハロゲ
ン化炭化水素化合物、エーテル、エステル、アルコール
などが利用される。また溶媒を除いたあとの成形物の物
性を改良するため可塑剤を併用することもできる。
【0010】こうして得たスラリーはドクターブレード
法などによって厚さ0.01〜5mm程度のシート状に成形さ
れる。溶媒を乾燥除去した後シートは所望の形状に加工
したり、重ね合わせたりして利用される。
【0011】本発明において、上記方法で得たシートは
ついで脱脂、焼成される。脱脂、焼成の条件については
制限は無く通常行われる条件、即ち、酸素雰囲気下、不
活性ガス雰囲気下、あるいは還元雰囲気下の何れの雰囲
気でも脱脂焼成可能であり、セラミックの性質に応じて
選べば良い。脱脂の温度としては本発明のシートは比較
的低温で脱脂可能であり、通常 300℃〜セラミックの焼
成温度以下、通常 600℃で数分〜数十時間かけて行われ
る。次いで焼成が行われるが焼成は、脱脂温度〜2000℃
で焼成可能な限り低い温度で行うのがエネルギーの無駄
がなく好ましい。焼成は形状の変形が起こらない限り短
時間に昇温してもよいが通常数分〜数十時間で行われ
る。
【0012】
【実施例】以下に実施例を示しさらに本発明を説明す
る。
【0013】実施例1 融点が約400 ℃の酸化鉛を主成分とするセラミック粉 1
00重量部に対し、プロピレンオキサイドと二酸化炭素
を、触媒としてジエチル亜鉛を用いて重合して得た分子
量 80000のポリプロピレンカーボネート5重量部、1,3-
ジメチル-2- イミダゾリジノン40重量部を良く混合して
スラリーとし、ドクターブレード法で成形し乾燥して、
厚さ 0.1mmのシートを得た。このシートを5枚重ね圧着
したものを、電気炉で30℃から 400℃まで10時間かけて
昇温し、さらに 300℃で5時間保持した後、650 ℃に昇
温して1時間加熱して焼結した。得られた焼結体は分解
残渣はなくまたソリなどのカーリングもなかった。スラ
リーを1週間保存した後同様な操作をしたが全く問題は
なかった。
【0014】比較例1 溶媒としてフェニルプロピレングリコール40重量部を用
いた他は実施例1と同様にしたところスラリーを製造後
直ぐに成形した場合には全く問題はなかったが、1週間
後に成形しようとしたところ、スラリーが流れず成形で
きなかった。
【0015】実施例2 ポリプロピレンカーボネートに変えて分子量8万のポリ
−イソブチレンオキサイドを用いた他は実施例1と同様
にしたところ成形性、1週間後の成形性および焼結体の
構造にまったく問題はなかった。
【0016】比較例2 溶媒としてフェニルプロピレングリコール40重量部を用
いた他は実施例2と同様にしたところスラリーは1日後
ですでに流動性を失ってしまった。
【0017】
【発明の効果】本発明の方法によりスラリーの安定性が
良くしかも焼結体に変形などがない焼結体を製造するこ
とができ工業的に極めて価値がある。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック粉とポリアルキレンカーボネー
    トと1,3-ジメチル-2- イミダゾリジノンからなるスラリ
    ーを成形した後、乾燥、脱脂、焼成することを特徴とす
    るセラミックの焼結方法。
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