JP3171266B2 - フェノール性水酸基を有する樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

フェノール性水酸基を有する樹脂組成物の製造方法

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JP3171266B2 JP09599691A JP9599691A JP3171266B2 JP 3171266 B2 JP3171266 B2 JP 3171266B2 JP 09599691 A JP09599691 A JP 09599691A JP 9599691 A JP9599691 A JP 9599691A JP 3171266 B2 JP3171266 B2 JP 3171266B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱的諸特性に優れ、し
かも成形加工性および耐衝撃性等の機械的物性が経時的
に低下しないフェノール性水酸基を有する樹脂(以下、
フェノール系樹脂と略称する)組成物の新規な製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】フェノール系樹脂は、硬化性、成形性な
どが比較的良好であり、その硬化物は電気特性、機械的
特性に優れ、バランスのとれた材料として成形材、積層
材、ブレーキライニング等の摩擦材、シェルモールド、
注形材、発泡材等に幅広く利用されており、工業的に価
値のある材料である。
【0003】しかし、フェノール系樹脂は、本質的に脆
いため成形材や積層材として使用した場合、寒熱繰り返
しのような急激な温度変化に対してクラックが入りやす
い。また、金属をインサートした成形体を製造する場
合、成形後金属とフェノール系樹脂との接触面でクラッ
クが発生し、生産の歩留が低下することがある。
【0004】また、ブレーキライニング等の摩擦材やシ
ェルモールド材などの結合材として使用する場合にも、
フェノール系樹脂が硬くて脆いため、割れ、かけ等が生
じる事がある。
【0005】このようなフェノール系樹脂の欠点を改良
するため、フェノール系樹脂にニトリルゴムやアクリル
系重合体を混合する方法が提案されている。
【0006】しかし、ニトリルゴムやアクリル系重合体
は本質的にフェノール系樹脂よりも耐熱性が低いため、
上記方法により得られるフェノール系樹脂からなる成形
体や積層体を、過酷な温度条件、例えば200℃以上の
高温で連続使用すると、機械的強度が低下することがあ
る。また、摩擦材として使用する場合、高温時の摩擦係
数が低下するなど用途面での制約を受けている。
【0007】このような問題点を解決する方法として、
例えば、特開昭63−251452号公報および特開平
1−230661号公報には機械的強度、耐クラック
性、耐熱衝撃性及び耐熱劣化性等を改善するために、樹
脂中にシリコーンを微小粒子として分散させたフェノー
ル系樹脂組成物が提案されている。
【0008】しかし、これらに開示されるフェノール系
樹脂組成物中に分散するシリコーンゴムは、粒子径が大
きく、かつ、架橋反応が充分に進んでいないため上記物
性の改良効果が不充分である。
【0009】具体的には、フェノール系樹脂中でシリコ
ーンゴムの架橋が不充分であると、未架橋のシリコーン
が樹脂表面に分離析出し、液状フェノール系樹脂組成物
の場合には粘度、流動性等に悪影響を及ぼし、また、固
形フェノール系樹脂の場合には、樹脂の硬化特性である
流れ特性の経時的低下と機械的強度、耐クラック性、耐
熱衝撃性及び耐熱劣化性等の経時的低下を招き問題であ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決し、流れ特性の経時的低下と機械的強
度、耐クラック性、耐熱衝撃性及び耐熱劣化性等の経時
的低下のないフェノール系樹脂組成物を製造する方法を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、フェノール系樹脂
中に架橋反応が充分に進んだシリコーンゴムを微小粒子
として分散させることにより上記課題が解決できること
を見出し本発明に到った。
【0012】すなわち、本発明は、加熱、溶融したフェ
ノール性水酸基を有する樹脂に、乳化剤、分子の両末端
にシラノール基を有するオルガノポリシロキサン、シラ
ノール縮合用架橋剤およびシラノール縮合用触媒を添加
して混合した混合物に水を連続的または断続的に装入
し、該フェノール性水酸基を有する樹脂中で該オルガノ
ポリシロキサンの架橋反応を行い、反応終了後水を除去
することを特徴とするフェノール性水酸基を有する樹脂
組成物の製造方法である。
【0013】本発明の特徴は、フェノール性水酸基を有
する樹脂中で、特定の乳化剤、架橋剤および触媒の存在
下、水を共存させて特定のシリコーン化合物を架橋反応
させ、得られる該シリコーンゴムを微小粒子としてフェ
ノール性水酸基を有する樹脂中に分散させることにあ
る。
【0014】以下、本発明について詳細に説明する。
【0015】本発明に用いられるフェノール性水酸基を
有する樹脂(以下、フェノール系樹脂と略称する)は、
フェノール,クレゾール、キシレノール、レゾルシノー
ル、ビスフェノールA、パラターシャリーブチルフェノ
ール、パラオクチルフェノール等のフェノール類、α−
ナフトール、β−ナフト−ル等のナフトール類からなる
群より選ばれた一種あるいは二種以上のフェノール性水
酸基を有する化合物(以下、フェノール性化合物と略称
する)とホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ト
リオキサン等のアルデヒド源等のアルデヒド類とを酸性
触媒を用いて反応させて得られるノボラック樹脂、およ
び、上記フェノール性化合物とアルデヒド類とをアルカ
リ性触媒を用いて反応させて得られるレゾール樹脂があ
り、更には、上記フェノール性化合物と二塩化パラキシ
レン等のパラキシリレンジハライドまたはパラキシリレ
ンジメチルエーテル等のパラキシリレンジアルキルエー
テルから誘導されるフェノールアラルキル樹脂(例え
ば、商品名「ミレックスXL−225」三井東圧化学
(株)製)、ナフトールアラルキル樹脂等がある。
【0016】これらのフェノール系樹脂は本発明のフェ
ノール系樹脂組成物の製造にあたっては何ら制限を受け
ず、一種または二種以上併用しても良い。
【0017】本発明に用いる乳化剤は、一般式(1)
〔化5〕
【0018】
【化5】 (式中、R’,R’’は同種または異種のC〜C
2価の炭化水素基、POAはエチレンオキシドおよび/
またはプロピレンオキシドの付加物よりなるポリオキシ
アルキレン基、xは200〜990の整数、y+z=1
0〜800、かつ、x+y+z<1000である)で表
される側鎖にエポキシ基および/またはポリオキシアル
キレン基を有する変性シリコーンオイルが用いられる。
【0019】この乳化剤として使用する変性シリコーン
の分子量、つまり上記一般式(1)中のx,y,zの
値、あるいは、ポリオキシアルキレン基の鎖長に特に制
限はないが、zの値(ポリオキシアルキレン基の数)が
増し、鎖長が長くなるとフェノール系樹脂に対する分子
の両末端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサ
ンの相溶性が増大して樹脂中に含まれるシリコーンの分
散粒子径が微小となり、また、zの値を減らし鎖長が短
くなると逆に相溶性が低下してくるという性質がある。
【0020】即ち、x,y,zの値を適度に選択するこ
とにより、フェノール系樹脂中に分散するシリコーンゴ
ムの粒子径を0.1〜10μmの範囲に制御することが
可能となる。
【0021】また、本発明に用いられる他の乳化剤は、
一般式(2)〔化6〕
【0022】
【化6】 (式中、RはC〜C12のアルキル基、nは平均で1
〜20の整数、EOはエチレンオキシド、POはプロピ
レンオキシドがそれぞれ付加していることを示し、xお
よびyは0〜100の整数、かつ、5≦x+y≦100
である)で表されるアルキルフェノール−ホルマリン縮
合物のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキ
シドの付加物が用いられる。
【0023】上記一般式(2)中のRはC〜C12
ブチル基、ヘキシル基、ノニル基、ドデシル基などのア
ルキル基が好ましい。RがC以下であるとフェノール
系樹脂中に分散させるシリコーンゴムの分散粒子径の制
御が困難となり、RがC13以上の場合はアルキルフェ
ノールの入手が困難となり経済的でない。nは平均で1
〜20、つまり、平均核体数で3核体から22核体であ
る。この場合も、nが平均で1未満であると、同様にシ
リコーンゴムの分散粒子径の制御が困難となる。nが平
均で21以上であるとアルキルフェノール−ホルマリン
縮合物の合成が困難となる。
【0024】また、エチレンオキシド、プロピレンオキ
シドの付加物モル数はエチレンオキシドのモル数をx、
プロピレンオキシドのモル数をy(それぞれ平均)とす
ると、xとyの合計が5〜100でありxが0、また
は、yが0の場合もあり得る。
【0025】この乳化剤として使用するアルキルフェノ
ール−ホルマリン縮合物のエチレンオキシドおよび/ま
たは、プロピレンオキシドの付加物のxとy、即ちエチ
レンオキシドの付加モル数とプロピレンオキシドの付加
モル数を適度に選択することにより、フェノール系樹脂
中のシリコーンゴムを0.1〜10μmの範囲の微小粒
子として制御可能となる。
【0026】これらの乳化剤の添加量は、フェノール系
樹脂100重量部に対して0.01〜25重量部とする
のが好ましい。0.01重量部未満では、フェノール系
樹脂中のシリコーンゴムを0.1〜10μmの範囲に分
散粒子径を制御することが困難となる。また、25重量
部を越えるとコスト高となり好ましくない。
【0027】本発明に用いられる分子の両末端にシラノ
ール基を有するオルガノポリシロキサンは、一般式
(3)〔化7〕
【0028】
【化7】 (式中、R1、R2は同種または異種の1価の炭化水素
基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のア
ルキル基、フェニル基、キシリル基等のアリール基、γ
−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピ
ル基等のハロゲン化1価炭化水素基、nは4〜5405
の整数を示す)で表される化合物である。
【0029】分子の両末端にシラノール基を有するオル
ガノポリシロキサンのシラノール基は、水酸基当量で5
00〜200000が好ましく、500未満であると耐
クラック性、耐熱衝撃性を有するフェノール系樹脂組成
物が得られない。逆に200000を越えるとシリコー
ンゴムの分散粒子径の制御が困難となる。
【0030】また、分子の両末端にシラノール基を有す
るオルガノポリシロキサンは、フェノール系樹脂100
重量部に対して、3〜50重量部添加することが好まし
い。3重量部未満では、得られるフェノール系樹脂組成
物の耐クラック性、あるいは、耐熱衝撃性等の改良に効
果がなく、50重量部を越えると機械的強度等が低下す
るので好ましくない。
【0031】本発明に用いられるシラノール縮合用架橋
剤は、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトオキシム
基、アルケニルオキシ基、アミノオキシ基、アミノ基、
水素基等の官能基を3個以上けい素原子に直結して有す
る多官能シラン類、および、多官能ポリシロキサン類で
ある。
【0032】多官能シラン類としては、例えば、メチル
トリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−
クロロプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン、メチル
トリス(ジメチルオキシム)シラン、メチルトリス(メ
チルエチルケトオキシム)シラン等のケトオキシムシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリアセトキ
シシラン等のアシルオキシシラン、ビニルトリプロペニ
ルオキシシラン、メチルトリイソブテニルシラン等のア
ルケニルオキシシラン、メチルトリス(N,N−ジアミ
ルアミノオキシ)シラン等のアミノオキシシラン、ビニ
ルトリス(N−ブチルアミノ)シラン等のアミノシラン
が挙げられる。
【0033】また、多官能ポリシロキサン類としては、
一般式(4)〔化8〕
【0034】
【化8】 (式中、nは3〜10000の整数である)で表される
メチルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられる。
【0035】これらのシラノール縮合用架橋剤は、フェ
ノール系樹脂100重量部に対して0.05〜5重量部
添加することが好ましい。0.05重量部未満では、シ
リコーンゴムの架橋が不充分となり、フェノール系樹脂
組成物の耐クラック性、あるいは、耐熱衝撃性の改良に
効果がない。5重量部を越えるとコスト高となり好まし
くない。上記のシラノール縮合用架橋剤は一種または二
種以上併用することができる。
【0036】本発明に用いられるシラノール縮合用触媒
としては、従来からシリコーンゴムを生成するために使
用されているジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジア
セテート、オレイン酸錫、ナフテン酸錫等の有機錫化合
物が挙げられる。
【0037】これらのシラノール縮合用触媒は分子の両
末端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサン1
00重量部に対して5重量部以下を添加することが好ま
しい。それを越えるとコスト高となり好ましくない。
【0038】上記有機錫化合物は比較的不安定な化合物
であり、水により容易に加水分解を受ける。そして、そ
の加水分解物がシリコーンゴムの真の触媒となる。よっ
て、シリコーンゴムの架橋反応を充分に進めるために
は、反応系への水の装入が必須条件となる。
【0039】つまり、加熱、溶融したフェノール系樹脂
に、乳化剤を加え、次に分子の両末端にシラノール
基を有するオルガノポリシロキサン、シラノール縮合
用架橋剤、シラノール縮合用触媒を添加し、充分に混
合した後に、この混合物に水を連続的、又は断続的に装
入しフェノール系樹脂中でシリコーンゴムの架橋反応を
進める。
【0040】用いる水は不純物を含んでいてもかまわな
いが、できる限り不純物を取り除いた、除濁水、蒸留
水、清浄水、イオン水、または、水蒸気であることが好
ましい。この水は、フェノール系樹脂100重量部に対
して0.1〜100重量部を加えることが必要である。
0.1重量部未満では本発明の特徴であるシリコーンゴ
ムの架橋反応が充分に進まず、100重量部を越えると
その反応後の脱水工程が困難となり好ましくなく、しか
も突沸、水蒸気爆発等が起こり易く危険である。
【0041】したがって、この水は、フェノール系樹脂
100重量部に対して0.1〜100重量部を1〜15
時間で連続的に、あるいは、断続的に加えることが好ま
しい。
【0042】また、この水を装入する効果としては、シ
リコーンゴムのシラノール縮合用触媒を活性化する以外
に、縮合反応により生成、発生する低分子縮合物が水に
より同伴され反応系外に留出、排除できるという利点が
ある。そのために、より一層シリコーンゴムの架橋反応
が進むものと考えられる。
【0043】本発明のフェノール系樹脂組成物の製造方
法は、具体的には溶剤の存在下に、または、不存在下
に、フェノール系樹脂100重量部を60〜200℃に
加熱、溶融させた後、撹拌下に乳化剤0.01〜25
重量部を添加し、充分に混合する。
【0044】この際、用いる乳化剤は、シリコーンゴム
が目的の粒径となってフェノール系樹脂の中に分散する
ように、前記一般式(1)のx,y,zの値、または、
前記一般式(2)のx、yの値を選択する。次いで、
分子の両末端にシラノール基を有するオルガノポリシロ
キサン3〜50重量部、シラノール縮合用架橋剤0.
05〜5重量部、シラノール縮合用触媒を分子の両末
端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサン10
0重量部に対し5重量部以下を添加し、良く混合した後
に、水を1〜15時間かけて連続的または断続的にフ
ェノール系樹脂100重量部に対し0.1〜100重量
部添加し、60〜200℃においてフェノール系樹脂中
でシリコンゴムの架橋反応を行う。
【0045】これらの添加方法は分子の両末端にシラ
ノール基を有するオルガノポリシロキサン、シラノー
ル縮合用架橋剤、シラノール縮合用触媒の3成分を予
め一括して均一に混合して添加すると、添加途中で架橋
反応が進行するために好ましくない。各成分のうち少な
くとも一成分を分離して添加することが好ましい。
【0046】そして、シリコーンゴムを形成する各成分
をフェノール系樹脂に添加した後に、この混合物に水を
連続的、または断続的に装入しながらフェノール系樹脂
中で、シリコーンゴムの架橋反応を行い、その反応終了
後に系内の不要な水を常圧下、または、減圧下で脱水し
てフェノール系樹脂組成物を得る。
【0047】このようにして製造されたフェノール系樹
脂組成物中のシリコーンゴムの分散粒子径は、電子顕微
鏡又は光学顕微鏡等により容易に観察することができ
る。
【0048】本発明によれば、フェノール系樹脂中でシ
リコーンゴムの架橋反応を充分に進行させることがで
き、さらに、該ゴムを微小粒子としてフェノール系樹脂
中に均一に分散させることができる。
【0049】従って、本発明の製造方法によって得られ
るフェノール系樹脂組成物は、フェノール系樹脂材料の
特徴である優れた機械的強度を有し、かつ、シリコーン
ゴムの持つ耐クラック性および耐熱劣化性をも有する。
さらに、これらの特性および成形加工性の経時的な低下
もない。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例及び試験例によりさら
に具体的に説明する。各例中の「部」は「重量部」を表
す。
【0051】なお、一般式(2)で表される乳化剤は、
各種フェノールを常法により硫酸触媒下でホルマリン橋
かけしたものを使用し、同式中のnの平均値はゲルパー
ミエーションクロマトグラフ(以下、GPCという)分
析より求めた平均核体数から算出し、エチレンオキシ
ド、プロピレンオキシドは高温、加圧下で目的の乳化剤
ができるように調製した。一般式(3)で表され、
1 、R 2 がメチル基である、分子の両末端にシラノール
基を有するオルガノポリシロキサンは、市販品又は調製
品を用いた。 調製例1 触媒である水酸化ナトリウム0.63重量部の存在下、
80℃において、ヘキサメチルシクロトリシロキサン2
2.2重量部を開環重合した。反応生成物をトルエンに
溶解した後、希塩酸を用いて中和・洗浄した。次いで、
50℃において減圧乾燥し、一般式(3)で表され、R
1 、R 2 がメチル基である水酸基当量1500の分子の両
末端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサンA
を得た。 調製例2 水酸化ナトリウムの使用量を0.25重量部に替えた以
外、調製例1と同様にして水酸基当量が4000のオル
ガノポリシロキサンBを得た。 調製例3 水酸化ナトリウムの使用量を0.22重量部に替えた以
外、調製例1と同様にして水酸基当量が5000のオル
ガノポリシロキサンCを得た。
【0052】実施例1 フェノールノボラック樹脂(三井東圧化学(株)製、ノ
ボラック#2000)100部を170℃の温度で加
熱、溶融させた。次にこれを撹拌しながら一般式(1)
で表され、エポキシ基、POA基の両方を持ち25℃に
おける粘度が、3500センチストークスでエポキシ基
当量が6400の変性シリコーンオイル(東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン社製、商品名SF8421)を3
部加え30分間撹拌を行った。
【0053】次に、一般式(3)で表され、R1、R2
メチル基である水酸基当量2000の分子の両末端にシ
ラノール基を有するオルガノポリシロキサン{東芝シリ
コーン(株)製、商品名:YF3800〕10部を添加
し、1時間撹拌を続け、更に、メチルトリメトキシシラ
ン0.25部とジブチル錫ジアセテート0.02部の混
合物を加え30分間撹拌した。
【0054】次に、この混合物に水を、フェノールノボ
ラック樹脂100部に対し2.4部/hrを加え、発生
する縮合物等を系外に留出させながら170℃において
5時間、シリコーンゴムの架橋反応を行った後、系内に
残る不要な水分を減圧脱水で取り除き、シリコーンゴム
の平均分散粒径が10μmのフェノール系樹脂組成物を
得た。
【0055】実施例2 フェノールアラルキル樹脂(三井東圧化学(株)製、商
品名:ミレックスXL−225)100部を170℃の
温度で加熱、溶融させた。次に、これを撹拌しながら一
般式(1)で表され、POA基のみを持ち25℃におけ
る粘度が2900センチストークスの変性シリコーンオ
イル(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、商品
名:SF8410)を10部加え30分間撹拌を行っ
た。
【0056】次に、調製例2で得られたオルガノポリシ
ロキサンB20部と一般式(4)で表され25℃におけ
る粘度が30センチストークスのメチルハイドロジェン
ポリシロキサン〔東・ダウコーニング・シリコーン
(株)製、商品名:SH1107〕0.2部の混合物を
加え、2時間撹拌を続け、更に、ジブチル錫ジラウレー
ト0.15部加え30分間撹拌した。
【0057】次に、この混合物に蒸気をフェノールアラ
ルキル樹脂100部に対し6.3部/hrを加え、発生
する縮合物等を系外に留出させながら170℃において
2時間シリコーンゴムの架橋反応を行った後、系内に残
る不要な水分を減圧脱水で取り除き、シリコーンゴムの
平均分散粒径が0.1μmのフェノール系樹脂組成物を
得た。
【0058】実施例3 フェノールノボラック樹脂(三井東圧化学(株)製、商
品名:ノボラック#2000)100部を170℃の温
度で加熱、溶融させた。次に、これを撹拌しながら一般
式(1)で表され、エポキシ基のみを持ち25℃におけ
る粘度が、8000センチストークスでエポキシ基当量
が、3000の変性シリコーンオイル(東レ・ダウコー
ニング・シリコーン社製、商品名:SF8411)を
0.5部加え30分間撹拌を行った。
【0059】次に、調製例1で得られたオルガノポリシ
ロキサンA10部を添加し、1時間撹拌を続け、更に、
テトラ(n−プロポキシ)シラン1.25部とジブチル
錫ジアセテート0.25部の混合物を加え、30分間撹
拌した。
【0060】次に、この混合物に水を、フェノールノボ
ラック樹脂100部対し、3.13部/hrを加え、発
生する縮合物等を系外に留出させながら170℃におい
て2時間シリコーンゴムの架橋反応を行った後、系内に
残る不要な水分を減圧脱水で取り除き、シリコーンゴム
の平均分散粒径が8μmのフェノール系樹脂組成物を得
た。
【0061】実施例4 フェノールレゾール樹脂(群栄化学(株)製、商品名:
PS−4104)100部にアセトン120部を加え6
0℃の温度で加熱、溶融させた。次に、これを撹拌しな
がら一般式(1)で表され、POA基を持ち25℃にお
ける粘度が320センチストークスの変性シリコーンオ
イル(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、商品
名:SH3771)を7部加え30分間撹拌を行った。
【0062】次に、調製例3で得られたオルガノポリシ
ロキサンC30部を加え、2時間撹拌を続け、更に、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン0.2部とジブチ
ル錫ジオクタノエート0.02部の混合物を加え30分
間撹拌した。
【0063】次に、この混合物に水を、フェノールレゾ
ール樹脂100部に対し2.4部/hrを加え、発生す
る縮合物等を系外に留出させながら60℃において2時
間シリコーンゴムの架橋反応を行った後、系内に残る不
要な水分を常圧脱水で取り除き、シリコーンゴムの平均
分散粒径が1μmのフェノール系樹脂組成物を得た。
【0064】実施例5 フェノールノボラック樹脂(三井東圧化学(株)製、商
品名:ノボラック#2000)100部を170℃の温
度で加熱、溶融させた。次に、これを撹拌しながら一般
式(2)で表され、RがCのパラセカンダリーブチル
フェノール−ホルマリン縮合物にエチレンオキシドを活
性水素当たり平均で10.5モル付加した乳化剤2部を
加え30分間撹拌を行った。
【0065】次に、一般式(3)で表され、R1、R2
メチル基である水酸基当量2000の分子の両末端にシ
ラノール基を有するオルガノポリシロキサン〔東芝シリ
コーン(株)製、商品名:YF3800〕10部を添加
し、1時間撹拌を続け、更に、メチルトリメトキシシラ
ン0.2部とジブチル錫ジアセテート0.01部の混合
物を加え、30分間撹拌した。
【0066】次に、この混合物に水を、フェノールノボ
ラック樹脂100部に対し5.2部/hrを加え、発生
する縮合物等を系外に留出させながら170℃において
12時間シリコーンゴムの架橋反応を行った後、系内に
残る不要な水分を減圧脱水で取り除き、シリコーンゴム
の平均分散粒径が10μmのフェノール系樹脂組成物を
得た。
【0067】実施例6 フェノールアラルキル樹脂(三井東圧化学(株)製、商
品名:ミレックスXL−225)100部を170℃の
温度で加熱、溶融させた。次にこれを撹拌しながら一般
式(2)で表され、RがCのノニル基であり、nが2
のノニルフェノール−ホルマリン縮合物にエチレンオキ
シドを、活性水素当たり平均で31.5モル付加した乳
化剤3部を加え30分間撹拌を行った。
【0068】次に、調製例3で得られたオルガノポリシ
ロキサンC20部と一般式(4)で表され25℃におけ
る粘度が30センチストークスのメチルハイドロジェン
ポリシロキサン〔東・ダウコーニング・シリコーン
(株)製、商品名:SH1107〕0.3部の混合物を
加え、2時間撹拌を続け、更に、ジブチル錫ジラウレー
ト0.1部を加え30分間撹拌した。
【0069】次に、この混合物に水を、フェノールアラ
ルキル樹脂100部に対し1.33部/hrを加え、発
生する縮合物等を系外に留出させながら170℃におい
て2時間シリコーンゴムの架橋反応を行った後、系内に
残る不要な水分を減圧脱水で取り除き、シリコーンゴム
の平均分散粒径が6μmのフェノール系樹脂組成物を得
た。
【0070】実施例7 フェノールアラルキル樹脂(三井東圧化学(株)製、商
品名:ミレックスXL−225)100部を170℃の
温度で加熱、溶融させた。次に、これを撹拌しながら一
般式(2)で表され、RがCのノニル基であり、nが
8のノニルフェノール−ホルマリン縮合物にエチレンオ
キシドを、活性水素当たり平均で60モル付加した乳化
剤5部を加え30分間撹拌を行った。
【0071】次に、調製例1で得られたオルガノポリシ
ロキサンA30部とテトラ(n−プルポキシ)シラン1
部の混合物を加え、1時間撹拌を続け、更にジブチル錫
ジラウレート0.02部を加え30分間撹拌した。
【0072】次に、この混合物に水を、フェノールアラ
ルキル樹脂100部に対し2.44部/hrを加え、発
生する縮合物等を系外に留出させながら170℃におい
て3時間シリコーンゴムの架橋反応を行った後、系内に
残る不要な水分を減圧脱水で取り除き、シリコーンゴム
の平均分散粒径が0.1μmのフェノール系樹脂組成物
を得た。
【0073】実施例8 フェノールノボラック樹脂(三井東圧化学(株)製、商
品名:ノボラック#2000)100部を170℃の温
度で加熱、溶融させた。次に、これを撹拌しながら一般
式(2)で表され、RがC12のドデシル基であり、n
が8のドデシルフェノール−ホルマリン縮合物に活性水
素基当たりエチレンオキシドを平均で40モル、プロピ
レンオキシドを平均で20モル付加した乳化剤0.3部
を加え30分間撹拌を行った。
【0074】次に、一般(3)式で表され、R1、R2
メチル基である水酸基当量8000の分子の両末端にシ
ラノール基を有するオルガノポリシロキサン〔東芝シリ
コーン(株)製、商品名:XF3905〕5部を添加
し、更に、一般式(4)で表され、25℃における粘度
が30センチストークスのメチルハイドロジェンポリシ
ロキサン〔東・ダウコーニング・シリコーン(株)製、
商品名:SH1107〕5部とジブチル錫ジオクタノエ
ート0.01部の混合物を加え30分間撹拌した。
【0075】次に、この混合物に水を、フェノールノボ
ラック樹脂100部に対し0.9部/hrを加え、発生
する縮合物等を系外に留出させながら170℃において
5時間シリコーンゴムの架橋反応を行った後、系内に残
る不要な水分を減圧脱水で取り除き、シリコーンゴムの
平均分散粒径が0.4μmのフェノール系樹脂組成物を
得た。
【0076】実施例9 α−ナフトールとパラキシリレンジメチルエーテルより
得られたナフトールアラルキル樹脂(軟化点105℃)
100部を170℃の温度で加熱、溶融させた。次に、
これを撹拌しながら一般式(1)で表され、エポキシ
基、POA基の両方を持ち25℃における粘度が、35
00センチストークスでエポキシ基当量が6400の変
性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング・シリコー
ン社製、商品名:SF8421)を2部加え30分間撹
拌を行った。
【0077】次に、一般(3)式で表され、R1、R2
メチル基である水酸基当量2000の分子の両末端にシ
ラノール基を有するオルガノポリシロキサン〔東芝シリ
コーン(株)製、商品名:YF3800〕10部を添加
し、1時間撹拌を続け、更に、メチルトリメトキシシラ
ン0.25部とジブチル錫ジアセテート0.02部の混
合物を加え30分間撹拌した。
【0078】次に、この混合物に水を、該フェノール系
アラルキル樹脂100部に対し2.0部/hrを加え、
発生する縮合物等を系外に留出させながら170℃にお
いて5時間、シリコーンゴムの架橋反応を行った後、系
内に残る不要な水分を減圧脱水で取り除き、シリコーン
ゴムの平均分散粒径が10μmのフェノール系樹脂組成
物を得た。
【0079】比較例1 フェノールノボラック(三井東圧化学(株)製、商品
名:ノボラック#2000)100部を170℃の温度
で加熱、溶融させた。次に、これを撹拌しながら一般式
(1)で表され、エポキシ基、POA基の両方を持ち2
5℃における粘度が、3500センチストークスでエポ
キシ基当量が6400の変性シリコーンオイル(東レ・
ダウコーニング・シリコーン社製、商品名:SF842
1)を3部加え30分間撹拌を行った。
【0080】次に、一般式(3)で表され、R1、R2
メチル基である水酸基当量2000の分子の両末端にシ
ラノール基を有するオルガノポリシロキサン〔東芝シリ
コーン(株)製、商品名:YF3800〕10部を添加
し、1時間撹拌を続け、更に、メチルトリメトキシシラ
ン0.25部とジブチル錫ジアセテート0.02部の混
合物を加え撹拌下、170℃において5時間シリコーン
ゴムの架橋反応を行い、シリコーンゴムの平均分散粒径
が10μmのフェノール系樹脂組成物を得た。
【0081】比較例2 フェノールアラルキル樹脂(三井東圧化学(株)製、商
品名:ミレックスXL−225)100部を170℃の
温度で加熱、溶融させた。次に、これを撹拌しながら一
般式(1)で表され、POA基のみを持ち25℃におけ
る粘度が2900センチストークスの変性シリコーンオ
イル(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、商品
名:SF8410)を10部加え30分間撹拌を行っ
た。
【0082】次に、調製例2で得られたオルガノポリシ
ロキサンB20部と一般式(4)で表され25℃におけ
る粘度が30センチストークスのメチルハイドロジェン
ポリシロキサン〔東・ダウコーニング・シリコーン
(株)製、商品名:SH1107〕0.2部の混合物を
加え、2時間撹拌を続け、更に、ジブチル錫ジラウレー
ト0.15部加え撹拌下、170℃において2時間シリ
コーンゴムの架橋反応を行い、シリコーンゴムの平均分
散粒径が、0.1μmのフェノール系樹脂組成物を得
た。
【0083】比較例3 一般式(1)で表される乳化剤および水を使用しなかっ
た以外、実施例1と同様にして、フェノール系樹脂組成
物を得た。該組成物中に分散するシリコーンゴムの平均
分散粒径は30μmであった。
【0084】試験例1 実施例1〜3、5〜9および比較例1〜3で得られた各
々のフェノール系樹脂組成物100部にそれぞれヘキサ
ミン10部を加え粉砕混合したもの、および実施例4で
得られたフェノール系樹脂組成物を粉砕したものを室温
にて、〔表1〕に示す時間放置した後、JIS K−6
910に定める方法により、流れ性の経時変化を評価し
た。
【0085】各実施例で得られたフェノール系樹脂組成
物の流れ性の経時変化は、殆ど認められず、成形加工性
が経時的に安定していることを示した。得られた結果を
〔表1〕に示す。
【0086】
【表1】
【0087】試験例2 実施例1〜3、5〜9および比較例1〜3で得られた各
々のフェノール系樹脂組成物100部にそれぞれヘキサ
ミン12部、ガラス繊維120部、クレー60部、ステ
アリン酸2部、カーボンブラック3部を添加し、110
〜120℃の熱ロールで3分間混練後、粉砕して成形粉
とした。次に、実施例4で得られたフェノール系樹脂組
成物100部に対して、ヘキサミンを添加しなかった以
外は、上記と同様にして成形粉を得た。
【0088】これらの成形粉を各々2分割し、一方は直
ちに、他方は180日経過後に下記の試験を実施した。
【0089】 各成形粉を圧縮成形機により、温度17
0℃、圧力100kg/Cmの条件で10分間圧縮し
て成形体を得、次の各評価試験に供した。
【0090】(1) シャルピー衝撃試験(JIS K
6911) (2) 曲げ試験(JIS K6911) (3) 耐熱衝撃性試験 は次の方法による。
【0091】底辺が一辺30mmの正方形で厚さ5mm
の鉄製パネルをインサートした直径60mm、厚み10
mmの成形体を作成し、この成形体を400℃の定温乾
燥機に30分間放置、次 いで水中に10分間浸漬し
た。この操作を1サイクルとしてクラックが発生するま
でのサイクル数を調べた。
【0092】各評価試験の結果、各実施例で得られたフ
ェノール系樹脂組成物より調製した成形体は、各特性と
も経時的低下が認められなかった。得られた結果を〔表
2〕に示す。
【0093】
【表2】
【0094】
【発明の効果】本発明により得られるフェノール系樹脂
組成物は成形性に経時変化がない。その上、これより得
られる成形体の耐衝撃性、曲げ強度および耐熱衝撃性
(耐熱クラック性)にも経時的低下がなく安定してい
る。
【0095】そのため、該フェノール系樹脂組成物は優
れた機械的強度、耐クラック性、耐熱衝撃性、応力緩和
性または耐摩擦性を必要とする各種の成形材料または摩
擦材料等として使用することができ、産業上極めて有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−230661(JP,A) 特開 昭56−136822(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 61/00 - 61/34 C08L 83/04 - 83/08

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱、溶融したフェノール性水酸基を有
    する樹脂に、乳化剤、分子の両末端にシラノール基を有
    するオルガノポリシロキサン、シラノール縮合用架橋剤
    およびシラノール縮合用触媒を添加して混合した混合物
    に水を連続的または断続的に装入し、該フェノール性水
    酸基を有する樹脂中で該オルガノポリシロキサンの架橋
    反応を行い、反応終了後水を除去することを特徴とする
    フェノール性水酸基を有する樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 フェノール性水酸基を有する樹脂が、フ
    ェノ−ル性水酸基を有する化合物とホルムアルデヒドと
    から得られるノボラック型フェノール樹脂、レゾール型
    フェノール樹脂、上記フェノ−ル性水酸基を有する化合
    物とパラキシリレンジハライドまたはパラキシリレンジ
    アルキルエーテルとの重合体であるフェノールアラルキ
    ル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、からなる群より選
    ばれたフェノール性水酸基を有する樹脂である請求項1
    記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 乳化剤が一般式(1)〔化1〕 【化1】 (式中、R’,R’’は同種または異種のC〜C
    2価の炭化水素基、POAはエチレンオキシドおよび/
    またはプロピレンオキシドの付加物よりなるポリオキシ
    アルキレン基、xは200〜990の整数、y+z=1
    0〜800、かつ、x+y+z<1000である)で表
    される化合物または一般式(2)〔化2〕 【化2】 (式中、RはC〜C12のアルキル基、nは平均で1
    〜20の整数、EOはエチレンオキシド、POはプロピ
    レンオキシドがそれぞれ付加していることを示し、xお
    よびyは0〜100の整数、かつ、5≦x+y≦100
    である)で表される化合物である請求項1記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 フェノール性水酸基を有する樹脂100
    重量部に対し、前記一般式(1)または一般式(2)で
    表される乳化剤を0.01〜25重量部添加する請求項
    3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 分子の両末端にシラノール基を有するオ
    ルガノポリシロキサンが一般式(3)〔化3〕 【化3】 (式中、R1 、R2 は同種または異種の1価の炭化水素
    基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基を含む
    アルキル基、フェニル基、キシリル基を含むアリール
    基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロ
    プロピル基を含むハロゲン化1価炭化水素基、nは4〜
    5405の整数である)で表される化合物である請求項
    1記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 フェノール性水酸基を有する樹脂100
    重量部に対し、前記一般式(3)で表される分子の両末
    端にシラノール基を有するオルガノポリシロキサンを3
    〜50重量部添加する請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 シラノール縮合用架橋剤が、アルコキシ
    基、アシルオキシ基、ケトオキシム基、アルケニルオキ
    シ基、アミノオキシ基、アミノ基および水素基からなる
    群から選ばれた官能基を3個以上けい素原子に直結して
    有する多官能シラン、または、一般式(4)〔化4〕 【化4】 (式中、nは3〜10000の整数である)で表される
    メチルハイドロジェンポリシロキサンである請求項1記
    載の製造方法。
  8. 【請求項8】 フェノール性水酸基を有する樹脂100
    重量部に対し、前記一般式(4)で表されるシラノール
    縮合用架橋剤を0.05〜5重量部添加する請求項7記
    載の製造方法。
  9. 【請求項9】 シラノール縮合用触媒が有機錫化合物で
    ある請求項1記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 分子の両末端にシラノール基を有する
    オルガノポリシロキサン100重量部に対し、有機錫化
    合物を5重量部以下添加する請求項9記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 フェノール性水酸基を有する樹脂10
    0重量部に対し、水を0.1〜100重量部添加する請
    求項1記載の製造方法。
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