JPH0678473B2 - フェノール系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

フェノール系樹脂組成物の製造方法

Info

Publication number
JPH0678473B2
JPH0678473B2 JP28251488A JP28251488A JPH0678473B2 JP H0678473 B2 JPH0678473 B2 JP H0678473B2 JP 28251488 A JP28251488 A JP 28251488A JP 28251488 A JP28251488 A JP 28251488A JP H0678473 B2 JPH0678473 B2 JP H0678473B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
parts
phenolic resin
resin composition
phenolic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP28251488A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01230661A (ja
Inventor
正彦 浅野
茂 飯室
義雄 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Publication of JPH01230661A publication Critical patent/JPH01230661A/ja
Publication of JPH0678473B2 publication Critical patent/JPH0678473B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、フェノール性OH基を含有する樹脂に乳化剤を
添加し、続いて末端シラノール基含有オルガノポリシロ
キサンとシラノール縮合用架橋剤及びシラノール縮合用
触媒からなるシリコーンセグメントを0.1〜10μmの球
状微粒子として分散させてなる新規なフェノール系樹脂
組成物の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
フェノール系樹脂は、硬化性、成形性などが比較的良好
であり、その硬化物は電気特性、機械的特性に優れ、バ
ランスのとれた材料として成形材、積層材、ブレーキラ
イニング等の摩擦材、シェルモールド、注形材、発泡材
等に幅広く利用されており、工業的に価値のある材料で
ある。
しかし、フェノール系樹脂は、本質的に脆いため成形材
や積層材に使用した場合、寒熱繰り返しのような急激な
温度変化に対してクラックが入りやすく、また金属をイ
ンサートした成形体を製造する場合、成形後金属とフェ
ノール系樹脂との接触面でクラックが発生し、生産歩留
の低下を招いていた。またブレーキライニング等の摩擦
材やシェルモールド材などの結合剤として使用する場合
にも、フェノール系樹脂が硬くて脆いため、割れ、かけ
等の問題を生じる事があった。
このようなフェノール系樹脂の欠点を改良するため、従
来、フェノール系樹脂にニトリルゴムやアクリル系重合
体を混合させる方法が提案されてきたが、ニトリルゴム
やアクリル系重合体は本質的にフェノール系樹脂よりも
耐熱性が悪いため、上記方法を用いた場合、過酷な温度
条件、例えば成形体や積層体を200℃以上の高温で連続
使用する場合機械的強度の低下を招き、また摩擦材に使
用する場合、高温時の摩擦係数が低下するなど用途面で
の制約を受けていた。
近年、エポキシ系樹脂組成物、特に電子部品の封止材料
分野において、可撓性付与剤としてシリコーン化合物が
数多く利用されている。例えば、特開昭58−69244号公
報、特開昭59−81328号公報、特開昭60−101520号公報
等にはシリコーンオイルを、また特開昭58−219218号公
報、特開昭60−206824号公報にはシリコーンゴムを使用
した例が記載されている。このようなシリコーン系化合
物は上記のニトリルゴムやアクリル系重合体に比較する
と、明らかに耐熱性、耐寒性に優れている。
しかし、前者のシリコーンオイルを使用したものについ
ては、成形材料の流動性等の向上はみられるものの、耐
クラック性、耐熱衝撃性等の改良は認められず、後者の
シリコーンゴムを使用したものについても、別途硬化さ
せたゴムをミキサー、ロール等で混合する手段をとって
いるためシリコーン硬化物が球状微粒子とはなり得ず、
充分な性能が出ていない。
このような問題点を解決する手段、つまり機械的強度、
耐クラック性、耐熱衝撃性及び耐熱劣化性に優れたフェ
ノール系樹脂組成物として特願昭62−084698号公報等が
提案され、その効果が見出されているが、フェノール系
樹脂中のシリコーンセグメントの分散粒径が幅広い分布
を持つゆえにその効果が発現しにくい面があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、機械的強度、耐クラック性、耐熱衝撃
性及び耐熱劣化性により優れたフェノール系樹脂組成物
をシリコーンセグメントの分散粒径を制御し製造する方
法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討し、
遂に本発明に到った。
即ち本発明は、フェノール性OH基を含有する樹脂100
重量部に、乳化剤0.01〜25重量部を添加し、次にこの
混合物に末端シラノール基含有オルガノポリシロキサ
ン3〜50重量部を加え、該フェノール性OH基を含有する
樹脂のシリコーンセグメントを0.1〜10μmの球状微粒
子として分散させることを特徴とするフェノール系樹脂
組成物の製造方法である。
また、シラノール縮合用触媒を、末端シラノール基
含有オルガノポリシロキサン100重量部に対し、5重量
部以下を加えてなるフェノール系樹脂組成物の製造方法
である。
本発明に用いられるフェノール性OH基を含有する樹脂
(以下、フェノール系樹脂と略称)には、フェノール,
クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ビスフェ
ノールA、パラターシャリーブチルフェノール、パラオ
クチルフェノール等のフェノール類とホルムアルデヒド
水溶液、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホル
ムアルデヒドとを酸性触媒を用いて反応させて得られる
ノボラック樹脂及びアルカリ性触媒を用いて反応させて
得られるレゾール樹脂があり、更にはフェノール性OH基
を有する化合物と二塩化パラキシレン等のパラキシリレ
ンジハライド、及びフェノール性OH基を有する化合物と
パラキシリレンジメチルエーテル等のパラキシリレンジ
アルキルエーテルから誘導されるフェノールアラルキル
樹脂(例えば、商品名「ミレックスXL−225」三井東圧
化学株式会社製)等がある。これ等フェノール系樹脂は
本発明のフェノール系樹脂組成物の製造にあたっては何
ら制限を受けず、一種又は二種以上併用しても良い。
本発明に使用できる乳化剤は、式(1)で表されるよう
な側鎖にエポキシ基及び/又はポリオキシアルキレン基
を含有する変性シリコーンオイルが用いられるが、式
(1)中のR1及びR2は同種又は異種のC2〜C5の二価の炭
化水素基であり、 エポキシ基のみを含有する変性シリコーンオイルの場合
式(1)中のzの値は0となり同様にポリオキシアルキ
レン基のみを含有する変性シリコーンオイルの場合はy
の値は0となる。
この乳化剤として使用する変性シリコーンの分子量、つ
まり式(1)中のx,y,zの繰り返し数あるいは、ポリオ
キシアルキレン基の鎖長に特に制限はないが、zの繰り
返し数(ポリオキシアルキレン基の数)が増し鎖長が長
くなるとフェノール系樹脂に対する末端OH基含有オルガ
ノポリシロキサンの相溶性が向上して樹脂中に含まれる
シリコーンセグメントの分散粒径が微小となり、またz
の繰り返し数を減らし鎖長が短くなると逆に相溶性が低
下してくる。
即ち、x,y,zの繰り返し数を適度に選択することにより
本発明の特徴であるフェノール系樹脂中のシリコーンセ
グメントを0.1〜10μmの範囲に制御することができ
る。
また、本発明に使用できる乳化剤は、式(2)で表され
ようなアルキルフェノール−ホルマリン縮合物のエチレ
ンオキシド及び/又は、プロピレンオキシドの付加物が
用いられるが、式(2)中のR はC4〜C12のブチル基、ヘキシル基、ノニル基、ドデシ
ル基などのアルキル基が好ましく、RがC3以下であると
本発明の特徴であるシリコーンセグメントの分散粒径の
制御が困難となり、RがC13以上の場合はアルキルフェ
ノールの入手が困難となり経済的でない。nは平均で1
から20、つまり平均核体数で3核体から22核体である
が、この場合も、nが平均で1未満であると、同様にシ
リコーンセグメントの分散粒径の制御が困難となり、n
が平均で21以上であるとアルキルフェノール−ホルマリ
ン縮合物の合成が困難となる。また、エチレンオキシ
ド、プロピレンオキシドの付加物はエチレンオキシドの
モル数をx、プロピレンオキシドのモル数をy(それぞ
れ平均)とすると、xとyの合計が5〜100でありx=
0または、y=0の場合もあり得る。
この乳化剤として使用するアルキルフェノール−ホルマ
リン縮合物のエチレンオキシド及び/又は、プロピレン
オキシドの付加物のxとy、即ちエチレンオキシド付加
モル数とプロピレンオキシドの付加モル数を適度に選択
することで、本発明の特徴であるフェノール系樹脂中の
シリコーンセグメントを0.1〜10μmの範囲に制御可能
となる。
つまり、フェノール系樹脂中のシリコーンセグメントを
0.1μm程度の微粒子として均一分散させるためには、
xとyの付加モル数の合計を多くすることによりフェノ
ール系樹脂に対する末端OH基含有オルガノポリシロキサ
ンの相溶性が向上し、目的分散粒径を得ることができ
る。また、10μm程度の微粒子として均一分散させるた
めには、逆にxとyの付加モル数の合計を少なくして相
溶性を低下させることにより、目的分散粒径を得ること
が可能となる。
また、この乳化剤の添加量はフェノール系樹脂100重量
部に対して0.01〜25重量部添加する必要がある。0.01重
量部未満では、本発明の特徴であるフェノール系樹脂中
のシリコーンセグメントを0.1〜10μmの範囲に制御す
ることが困難となり、また25重量部を超えるとコスト高
となり好ましくない。従って、前記範囲内であることが
必要である。
本発明に使用できる末端シラノール基含有オルガノポリ
シロキサンは、式(3)で表され、 式(3)中のRは、同種又は異種の一価の炭化水素基で
あり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など
のアルキル基、フェニル基、キシリル基などのアリール
基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロ
ピル基などのハロゲン化一価炭化水素基などである。
この末端シラノール基含有オルガノポリシロキサンのシ
オラノール基はOH基当量で500〜200000が好ましく、500
未満であると耐クラック性、耐熱衝撃性を有する組成物
が得られず、逆に200000以上であると本発明の特徴であ
るシリコーンセグメントの分散粒径の制御が困難とな
る。
また、この末端シラノール基含有オルガノポリシロキサ
ンは、フェノール系樹脂100重量部に対して、3〜50重
量部添加することが必要である。3重量部未満では、得
られたフェノール系樹脂組成物の耐クラック性或いは耐
熱衝撃性等に効果がなく、50重量部を超えると機械的強
度等に効果がなく好ましくない。従って、前記範囲内で
あることが必要である。
次にシラノール縮合用架橋剤としては、アルコキシ基、
アシルオキシ基、ケトオキシム基、アルケニルオキシ
基、アミノオキシ基、アミノ基、水素基などの官能基を
3個以上有する多官能シラン類や多官能ポリシロキサン
類がある。
多官能シラン類としては、例えばメチルトリメトキシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルト
リメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、テトラ(n−プロポキシ)シラン、テトラ(i
−プロポキシ)シランなどのアルコキシシラン、メチル
トリス(ジメチルオキシム)シラン、メチルトリス(メ
チルエチルケトオキシム)シランなどのケトオキシムシ
ラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリアセト
キシシランなどのアシルオキシシラン、ビニルトリプロ
ペニルオキシシラン、メチルトリイソブテニルシランな
どのアルケニルオキシシラン、メチルトリス(N,N−ジ
アミルアミノオキシ)シランなどのアミノオキシシラ
ン、ビニルトリス(N−ブチルアミノ)シランなどのア
ミノシランが挙げられる。
また、多官能ポリシロキサン類としては、メトキシ基当
量が130〜300のシリコーン中間体(例えば、信越化学工
業社製,商品名KR213,KR9218など)や、式(4)(nは
3以上の整数)で表される メチルハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
これらのシラノール縮合用架橋剤はフェノール系樹脂10
0重量部に対して、0.05〜5重量部添加することが必要
である。0.05重量部未満では、シリコーンエラストマー
の架橋が不充分で、得られたフェノール系樹脂組成物の
耐クラック性或いは耐熱衝撃性等に効果がなく、5重量
部を超えると、コスト高となり好ましくない。従って、
前記範囲内てあることが必要である。
以上のシラノール縮合用架橋剤は一種又は二種以上併用
することができる。
次にシラノール縮合用触媒としては、従来からシリコー
ンエラストマーを生成するために使用されているジブチ
ル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル
錫ジアセテート、オレイン酸錫、ナフテン酸錫などの有
機錫化合物、亜鉛−2−エチルヘキソエート、ナフテン
酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛などの有機亜鉛化合物、コバ
ルト2−エチルヘキソエート、ナフテン酸コバルトなど
の有機コバルト化合物、テトラブチルチタネート、ナフ
テン酸チタン、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート
などの有機チタン化合物などが例示される。これらの触
媒は一種又は二種以上併用して使用できる。また、これ
らのシラノール縮合用触媒は、末端シラノール基含有オ
ルガノポリシロキサンとシラノール縮合用架橋剤の種類
によっては全く使用しない場合もあり得るが、これらの
シラノール縮合用触媒を使用する場合の添加量は、末端
シラノール基含有オルガノポリシロキサン100重量部に
対して5重量部以下を添加することが必要であり、それ
を超えるとコスト高となり好ましくない。
フェノール系樹脂組成物の製造方法は、具体的には溶剤
の存在又は不存在下に、のフェノール系樹脂100重量
部を60〜200℃に加熱、溶融させた後、撹拌下にの乳
化剤0.01〜25重量部を目的のシリコーンセグメントの分
散粒径になるように、前記式(1)のx,y,zの繰り返し
数を選択して添加、又は式(2)のxとyのモル比を選
択して付加した乳化剤を添加し、充分に混合した後に
の末端シラノール基含有オルガノポリシロキサン、の
シラノール縮合用架橋剤、及びある場合にはのシラノ
ール縮合用触媒を添加することにより容易に製造できる
が、これらの添加方法は〜を予め一括して均一に混
合して添加すると、添加途中で硬化反応が進行するため
に好ましくないので、各成分のうち少なくとも一成分を
分離して添加するのが良い。このようにして製造された
フェノール系樹脂組成物のシリコーンセグメントの分散
粒径は、電子顕微鏡又は光学顕微鏡等により容易に観察
することができる。
本発明の特徴は、縮合反応でシリコーンエラストマーを
形成する成分を、乳化剤を使用して粒径分布範囲の小さ
な均一球状粒子を製造する方法にあり、その範囲は0.1
〜10μmである。従って本発明の製造方法によって得ら
れるフェノール系樹脂組成物は、フェノール系樹脂材料
の特徴である機械的強度を損なうことなく、シリコーン
エラストマーの持つ耐クラック性及び耐熱劣化性を発揮
することがでる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例及び試験例によりさらに具体的に
説明する。各例中の『部』は『重量部』を表す。
なお、(2)式の乳化剤は、各種フェノールを常法によ
り硫酸触媒下でホルマリン橋かけしたものを使用し、n
の平均値はGPCより求めた平均核体数から算出し、エチ
レンオキシド、プロピレンオキシドは高温、加圧下で目
的の乳化剤ができるように調製した。
実施例1 フェノールノボラック(三井東圧化学(株)製、ノボラ
ック#2000)100部を170℃の温度で加熱、溶融させた。
つぎにこれを撹拌しながら式(1)で表され、エポキシ
基、POA基の両方を持ち25℃における粘度が、3500セン
チストークスでエポキシ基当量が6400の変性シリコーン
オイル(トーレ・シリコーン社製、商品名SF8421)を3
部加え30分間撹拌を行い、次に(3)式で表され、Rが
メチル基であるOH基当量2000の末端シラノール基含有オ
ルガノポリシロキサン10部を添加し、1時間撹拌を続
け、さらにメチルトリメトキシシラン0.25部とジブチル
錫ジアセテート0.02部の混合物を加え30分間撹拌した
後、平均分散粒径0.5μmのフェノール系樹脂組成物を
得た。
このようぬして得られた樹脂中のシリコーンセグメント
の顕微鏡観察結果を第1表に示す。
実施例2 フェノールアラルキル樹脂(三井東圧化学(株)製、ミ
レックス『XL−225』)100部を170℃の温度で加熱、溶
融させた。つぎにこれを撹拌しながら式(1)で表さ
れ、POA基のみを持ち25℃における粘度が2900センチス
トークスの変性シリコーンオイル(トーレ・シリコーン
社製、商品名SF8410)を10部加え30分間撹拌を行い、次
に(3)式で表され、Rがメチル基であるOH基当量4000
の末端シラノール基含有オルガノポリシロキサン20部と
(4)式で表され25℃における粘度が30センチストーク
スのメチルハイドロジェンポリシロキサン0.2部の混合
物を加え、2時間撹拌を続け、さらにジブチル錫ジラウ
レート0.15部加え30分間撹拌した後、平均分散粒径0.1
μmのフェノール系樹脂組成物を得た。実施例1と同様
にして顕微鏡観察結果を第1表に示した。
実施例3 フェノールノボラック(三井東圧化学(株)製、ノボラ
ック#2000)100部を170℃の温度で加熱、溶融させた。
つぎにこれを撹拌しながら式(1)で表され、エポキシ
基のみを持ち25℃における粘度が8000センチストークス
でエポキシ基当量が3000の変性シリコーンオイル(トー
レ・シリコーン社製、商品名SF8411)を0.5部加え30分
間撹拌を行い、次に(3)式で表され、Rがメチル基で
あるOH基当量1500の末端シラノール基含有オルガノポリ
シロキサン10部を添加し、1時間撹拌を続け、さらにメ
トキシ基当量が160のシリコーン中間体(信越化学工業
(株)KR213)1.25部とジブチル錫ジアセテート0.25部
の混合物を加え30分間撹拌した後、平均分散粒径8μm
のフェノール系樹脂組成物を得た。
実施例1と同様にして顕微鏡観察結果を第1表に示し
た。
実施例4 フェノールレゾール樹脂(群栄化学(株)製、PS−410
4)100部にアセトン120部を加え60℃の温度で加熱、溶
融させた。つぎにこれを撹拌しながら式(1)で表さ
れ、POA基のみを持ち25℃における粘度が、320センチス
トークスの変性シリコーンオイル(トーレ・シリコーン
社製、商品名SH3771)を7部を加え30分間撹拌を行い、
次に(3)式で表され、Rがメチル基であるOH基当量50
00の末端シラノール基含有オルガノポリシロキサン30部
を加え、2時間撹拌を続け、さらにγ−アミノプロピル
トリメトキシシラン0.2部を加え1時間撹拌した。この
ものを室温にて24時間減圧乾燥し、平均粒径5μmのフ
ェノール系樹脂組成物を得た。
実施例1と同様にして顕微鏡観察結果を第1表に示し
た。
実施例5 フェノールノボラック(三井東圧化学(株)製、ノボラ
ック#2000)100部を170℃の温度で加熱、溶融させた。
つぎにこれを撹拌しながら式(2)で表され、RがC4
パラ−セカンダリーブチル基を持ち、n=4のパラ−セ
カンダリーブチルフェノール−ホルマリン縮合物にエチ
レンオキシドを活性水素基当たり平均で10.5モル付加し
た乳化剤2部加え30分間撹拌を行い、次に(3)式で表
され、Rがメチル基であるOH基当量2000の末端シラノー
ル基含有オルガノポリシロキサン10部を添加し、1時間
撹拌を続け、さらにメチルトリメトキシシラン0.2部と
ジブチル錫ジアセテート0.01部の混合物を加え30分間撹
拌した後、平均分散粒径10μmのフェノール系樹脂組成
物を得た。実施例1と同様にして顕微鏡観察結果を第1
表に示した。
実施例6 フェノールアラルキル樹脂(三井東圧化学(株)製、ミ
レックス『XL−225』)100部を170℃の温度で加熱、溶
融させた。つぎにこれを撹拌しながら式(2)で表さ
れ、RがC9のノニル基を持ち、n=2のノニルフェノー
ル−ホルマリン縮合物にエチレンオキシドを、活性水素
基当たり平均で31.5モル付加した乳化剤3部を加え30分
間撹拌を行い、次に(3)式で表され、Rがメチル基で
あるOH基当量5000の末端シラノール基含有オルガノポリ
シロキサン20部と(4)式で表され25℃における粘度が
30センチストークスのメチルハイドロジェンポリシロキ
サン0.3部の混合物を加え、2時間撹拌を続け、さらに
ジブチル錫ジラウレート0.1部を加え30分間撹拌した
後、平均分散粒径6μmのフェノール系樹脂組成物を得
た。実施例1と同様にして顕微鏡観察結果を第1表に示
した。
実施例7 フェノールアラルキル樹脂(三井東圧化学(株)製、ミ
レックス『XL−225』)100部を170℃の温度で加熱、溶
融させた。つぎにこれを撹拌しながら式(2)で表さ
れ、RがC9のノニル基を持ち、n=8のノニルフェノー
ル−ホルマリン縮合物に活性水素当たりエチレンオキシ
ドを平均で60モル、プロピレンオキシドを平均で20モル
付加した乳化剤5部を加え30分間撹拌を行い、次に
(3)式で表され、Rがメチル基であるOH基当量1500の
末端シラノール基含有オルガノポリシロキサン30部とメ
トキシ基当量が160のシリコーン中間体(信越化学工業
(株)KR213)1部の混合物を加え、1時間撹拌を続
け、さらにジブチル錫ジラウレート0.02部を加え30分間
撹拌した後、平均分散粒径0.1μmのフェノール系樹脂
組成物を得た。実施例1と同様にして顕微鏡観察結果を
第1表に示した。
実施例8 フェノールノボラック(三井東圧化学(株)製、ノボラ
ック#2000)100部を170℃の温度で加熱、溶融させた。
つぎにこれを撹拌しながら式(2)で表され、RがC12
のドデシル基を持ち、n=8のドデシルフェノール−ホ
ルマリン縮合物に活性水素基当たりエチレンオキシドを
平均で40モル、プロピレンオキシドを平均で20モル付加
した乳化剤0.3部加え30分間撹拌を行い、次に(3)式
で表され、Rがメチル基であるOH基当量8000の末端シラ
ノール基含有オルガノポリシロキサン5部を添加し、1
時間撹拌を続け、さらに(4)式で表され25℃に置ける
粘度が30センチストークスのメチルハイドジェンポリシ
ロキサン0.5部とγ−アミノプロピトリメトキシシラン
0.5部の混合物を加え30分間撹拌した後、平均分散粒径
0.4μmのフェノール系樹脂組成物を得た。実施例1と
同様にして顕微鏡観察結果を第1表に示した。
比較例1 フェノールノボラック(三井東圧化学(株)製、ノボラ
ック#2000)100部を170℃の温度で加熱、溶融させた。
つぎに、これを撹拌しながら式(3)で表され、Rがメ
チル基であるOH基当量1500未満のシラノール基含有オル
ガノポリシロキサン5部を添加、さらにメチルトリメト
キシシラン0.5部を加え2時間撹拌を続け、ジブチル錫
ジアセテート0.02部を加えて30分間撹拌し、分散粒径0.
1〜20μmのフェノール系樹脂組成物を得た。実施例1
と同様にして顕微鏡観察結果を第1表に示した。
比較例2 フェノールアラルキル樹脂(三井東圧化学(株)製、ミ
レックス『XL−225』)100部を170℃の温度で加熱、溶
融させた。つぎに、これを撹拌しながら式(3)で表さ
れ、Rがメチル基であるOH基当量8000の末端シラノール
基含有オルガノポリシロキサン10部を添加、さらに式
(4)で表される25℃における粘度が30センチストーク
スのメチルハイドロジェンポリシロキサン0.2部および
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.2部を加え
て、2時間撹拌し、分散粒径0.05〜10μmのフェノール
系樹脂組成物を得た。実施例1と同様にして顕微鏡観察
結果を第1表に示した。
第1表より本発明によるフェノール系樹脂組成物は樹脂
中のシリコーンセグメントが0.1〜10μmの球状微粒子
として存在していることがわかる。
試験例1 実施例1〜3、5〜8、比較例1〜2で得たフェノール
系樹脂組成物100部にそれぞれヘキサミン12部、ガラス
繊維120部、クレー60部、ステアリン酸2部、カーボン
ブラック3部を加え、110〜120℃の熱ロールで3分間混
練後、粉砕して成形粉とした。次に実施例4で得たフェ
ノール系樹脂組成物100部に対して、ヘキサミン12部を
除いた他は、上記と同様にして成形粉を得た。
これら成形粉を圧縮成形機により、温度170℃圧力100Kg
/cm2の条件で10分間圧縮して成形体を得、次の各試験に
供した。
(1)シャルピー衝撃試験(JIS K6911) (2)曲げ試験(JIS K6911) (3)耐熱衝撃性試験は次の方法による。
底辺が一辺30mmの正方形で厚さ5mmの鉄製パネルをイン
サートした直径60mm、厚み10mmの成形体を作成し、この
成形体を400℃の定温乾燥機に30分間放置、次いで水中
に10分間浸漬した。この操作を1サイクルとしてクラッ
ク発生までのサイクル数を調べた。以上の結果を第2表
に示す。
〔本発明の効果〕 本発明のフェノール系樹脂組成物の製造方法により得ら
れる樹脂は、成形材料または、摩擦材料として使用する
場合、優れた機械的強度、耐クラック性、耐熱衝撃性、
応力緩和性、また摩擦係数の低下が小さく、摩耗率が低
いなどの特徴を有しているため、成形材料や摩擦材料の
例にとどまらず、積層材やシェルモールド、砥石等の結
合材、注型材、発泡材等のフェノール系樹脂の広汎な用
途に応用できるものである。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール性OH基を含有する樹脂100重
    量部に、乳化剤0.01〜25重量部を添加し、次にこの混
    合物に末端シラノール基含有オルガノポリシロキサン
    3〜50重量部、及びシラノール縮合用架橋剤0.05〜5
    重量部を加え、該フェノール性OH基を含有する樹脂中の
    シリコーンセグメントを0.1〜10μmの球状微粒子とし
    て分散させることを特徴とするフェノール系樹脂組成物
    の製造方法。
  2. 【請求項2】シラノール縮合用触媒を、末端シラノ
    ール基含有オルガノポリシロキサン100重量部に対し、
    5重量部以下を加える請求項1記載のフェノール系樹脂
    組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】乳化剤がオルガノポリシロキサン側鎖にエ
    ポキシ基及び/又はポリオキシアルキレン基を含有する
    変性シリコーンオイルである請求項1又は2記載のフェ
    ノール系樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】乳化剤がアルキルフェノール−ホルマリン
    縮合物のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシ
    ドの付加物である請求項1又は2記載のフェノール系樹
    脂組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】フェノール性OH基を含有する樹脂がノボラ
    ック型フェノール樹脂又は、レゾール型フェノール樹脂
    である請求項1又は2記載のフェノール系樹脂組成物の
    製造方法。
  6. 【請求項6】フェノール性OH基を含有する樹脂がフェノ
    ール性化合物とパラキシリレンジハライドとの重合体又
    は、フェノール性化合物とパラキシリレンジアルキルエ
    ーテルとの重合体のフェノールアラルキル樹脂である請
    求項1又は2記載のフェノール系樹脂組成物の製造方
    法。
  7. 【請求項7】シラノール縮合用架橋剤がけい素に結合し
    たアルコキシ基、アシルオキシ基、ケトオキシム基、ア
    ルケニルオキシ基、アミノオキシ基、アミノ基、水素基
    などの官能基を3個以上有する多官能シランである請求
    項1又は2記載のフェノール系樹脂組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】シラノール縮合用架橋剤がメトキシ基当量
    130〜300のシリコーン中間体である請求項1又は2記載
    のフェノール系樹脂組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】シラノール縮合用架橋剤がメチルハイドロ
    ジェンポリシロキサンである請求項1又は2記載のフェ
    ノール系樹脂組成物の製造方法。
JP28251488A 1987-11-27 1988-11-10 フェノール系樹脂組成物の製造方法 Expired - Lifetime JPH0678473B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29776487 1987-11-27
JP62-297765 1987-11-27
JP29776587 1987-11-27
JP62-297764 1987-11-27

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01230661A JPH01230661A (ja) 1989-09-14
JPH0678473B2 true JPH0678473B2 (ja) 1994-10-05

Family

ID=26561226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28251488A Expired - Lifetime JPH0678473B2 (ja) 1987-11-27 1988-11-10 フェノール系樹脂組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0678473B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5132349A (en) * 1990-05-09 1992-07-21 Mitsui Toatsu Chemicals, Inc. Preparation process of resin composition having phenolic hydroxyl groups
EP0934967A1 (en) * 1998-02-09 1999-08-11 M3D Société Anonyme A polymeric composition for friction elements
JP2001089634A (ja) * 1999-09-22 2001-04-03 Mitsui Chemicals Inc フェノール樹脂成形材料
JP4570817B2 (ja) * 2000-06-12 2010-10-27 三井化学株式会社 フェノール系樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01230661A (ja) 1989-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100460680B1 (ko) 페놀계 수지조성물
US20090137434A1 (en) Binder resin for friction material, binder resin composition for friction material, composite material for friction material containing the same, friction material and production method thereof
JP5547621B2 (ja) コイル部品
US5132349A (en) Preparation process of resin composition having phenolic hydroxyl groups
JPH0680142B2 (ja) フエノ−ル系樹脂組成物
JPH0678473B2 (ja) フェノール系樹脂組成物の製造方法
JP3171266B2 (ja) フェノール性水酸基を有する樹脂組成物の製造方法
WO2005005541A1 (ja) フェノール樹脂組成物
JP5236955B2 (ja) 摩擦材用バインダー樹脂組成物、それを含む熱硬化性樹脂複合材料および摩擦材
JPS63251453A (ja) フエノ−ル系樹脂組成物
JP3912936B2 (ja) フェノール性水酸基を有する樹脂組成物の製造方法
JP6718756B2 (ja) コンミテータ、およびコンミテータの製造方法
JP4570817B2 (ja) フェノール系樹脂組成物
JP2001089634A (ja) フェノール樹脂成形材料
JPH0532863A (ja) 衝撃強度に優れるフエノール樹脂組成物
JPH0940844A (ja) 摩擦材用熱硬化性樹脂組成物及び摩擦材
JP3545800B2 (ja) フェノール樹脂組成物の製造方法
WO2021246213A1 (ja) 摩擦材用フェノール樹脂組成物
JP5901568B2 (ja) 樹脂組成物
JP2001139767A (ja) ノボラック型フェノール樹脂組成物及び摩擦材
JP3342962B2 (ja) 球状化フェノール樹脂、その製造方法およびそれを用いた樹脂組成物
JPH083422A (ja) フェノール樹脂組成物
JPH05295233A (ja) フェノール系樹脂組成物
JP2001049079A (ja) フェノール樹脂組成物及びその製造方法
JP2003172433A (ja) 樹脂製プーリー

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 14

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081005

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091005

Year of fee payment: 15

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091005

Year of fee payment: 15