JP3342962B2 - 球状化フェノール樹脂、その製造方法およびそれを用いた樹脂組成物 - Google Patents

球状化フェノール樹脂、その製造方法およびそれを用いた樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、球状化フェノール樹脂
に関するものである。さらに詳しくは、真球状のフェノ
ール−トリシクロデカン樹脂に関するものである。本発
明において得られる真球状のフェノール樹脂は、他の構
成成分、例えば、エポキシ樹脂やヘキサミンおよびフィ
ラーと混合、更に溶融混練して均一な混合物とする際、
加熱が均一に成され溶融むらを防ぐことに大きな効果を
発揮するものである。また、その用途によっては、溶融
混練の様な煩雑な操作ではなく、樹脂が真球状である故
に生じる低摩擦性を利用し、ドライブレンドにより均一
に混練され、十分に目的とする用途に使用可能とするこ
とが可能である。また、均一で微細な真球状であること
から、保存性にも優れるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フェノール樹脂は、性能のバラン
スに優れ、且つ、安価な材料として、マトリックス樹脂
や各種成形材料として工業的に利用されてきた。例え
ば、ICの封止材分野においては、従来からエポキシ樹
脂組成物を用いて素子を封止する方法が広く用いられ、
そのエポキシ樹脂原料として、また硬化剤としてフェノ
ール樹脂が利用されている。また、ブレーキ材等の摩擦
材として用いられる成形材の分野においても、ヘキサミ
ン等を硬化剤として得られるフェノール硬化物が広く用
いられている。
【0003】ところで、フェノール樹脂は、一般に、製
造時には加熱溶融状態で得られ、これを冷却後ブロック
状に砕いた形やペレット状でユーザーに供給されてい
る。このため、上記の様な目的においては、その使用に
際して、他の構成成分とともに溶融混練し、均一な組成
物としてから硬化させる必要がある。この時、先に述べ
たような従来の形状では、樹脂全体に熱が均一に伝わる
までの時間が長く、結果的に部分的な溶融状態となる時
間が長いため、他の成分と不均一な組成物と成り易い。
このことは、均一な組成とするためには長い混練時間を
必要とすることを示しており、エポキシ樹脂組成物とし
ても使用する際、また、成形材としてヘキサミンと硬化
させる際に、フェノール樹脂が熱硬化性であるために、
混練時に不必要に硬化を進行させてしまう結果となる。
また、この様な長時間の混練を防ぐために、樹脂を一旦
微粉砕して用いる方法も取られているが、この方法の問
題点としては、粉砕時に発生する静電気による微粉末の
飛散およびその処理や、静電気による火花の発生に由来
する危険性、さらには一旦粉砕した樹脂が加熱溶融の途
中段階で再びブロック状に固まり、同じ溶融むらの問題
が生じること等が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フェ
ノール樹脂として該当する使用分野において有用な性能
を示すフェノール−トリシクロデカン樹脂を、他の配合
成分と混練する際に余計な加熱を必要としない様に、そ
の形状を工夫することであり、具体的には、真球状のD
PR樹脂を得ることにある。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意検討した結果、フェノール−トリシ
クロデカン樹脂をある種の分散剤の存在下、熱水中にお
いて溶融分散させることにより球状化できることを見出
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、一般
式(I)(化2)で示されるフェノール−トリシクロデ
カン樹脂(以下、DPR樹脂と略す)を、分散剤の存在
下に、水中で分散させる球状化フェノール樹脂の製造方
法、分散剤が、ポリビニルアルコール系分散剤、セルロ
ース系分散剤、ゼラチン、またはアラビアゴムであり、
得られる粒径が10〜1000μである球状化フェノー
ル樹脂の製造方法に関するものである。また、本発明
は、前記の方法で得られる球状化フェノール樹脂、一分
子中に二個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の硬
化剤として前記の球状化フェノール樹脂を用いて得られ
るエポキシ樹脂組成物、該エポキシ樹脂組成物に全重量
中に50重量%〜92重量%の無機および/または有機
充填剤を含む半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関する
ものである。
【0006】
【化2】 (式中、Rは水素原子、メチル基、または水酸基を示
し、nは0〜15の自然数を示す)
【0007】本発明で用いるDPR樹脂は、特公昭41
−14099号、特開昭61−168624号等に記載
された方法により製造される。例えば、ジシクロペンタ
ジエンと過剰量のフェノールとを、三弗化ホウ素やメタ
ンスルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸等の触媒の
存在下に反応させ、過剰のフェノールを留去した後、必
要により残存触媒を水洗して得られる。通常、DPR樹
脂は、軟化点以上に加熱された溶融状態の樹脂を排出
し、冷却して得られるため、その製品形態はブロック状
である。本発明は、溶融状態のDPR樹脂を、熱水中に
おいて、分散剤を用いて分散させた後、冷却することに
より真球状として得られることを見いだして成されたも
のである。従って、本発明で得られるDPR樹脂は、真
球状の球状化DPR樹脂である。
【0008】本発明の方法で用いられる分散剤として
は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルの部分ケン
化物、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリド
ン、ゼラチン、ビニルメチルエーテルと無水マレイン酸
の共重合体、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイ
ドのブロック共重合体、アラビアゴム等の高分子系分散
剤や第三燐酸カルシウム、第二燐酸カルシウム、炭酸カ
ルシウム、水酸化カルシウム、硫酸バリウム、タルク、
アルミナ、酸化チタン等の無機系分散剤等が挙げられ
る。好ましくは、ポリビニルアルコール系分散剤、セル
ロース系分散剤、ゼラチン、またはアラビアゴムであ
る。分散剤の使用量はその種類にもよるが、一般に、樹
脂に対して0.01重量%〜25重量%であり、経済的
および廃水中への留出の低減を考えたとき、好ましくは
0.01〜15重量%、さらに好ましくは0.01〜1
0重量%の範囲である。
【0009】樹脂を分散させる水の使用量は、樹脂に対
し、1重量倍〜20重量倍の範囲であり、好ましくは2
〜10重量倍、更に好ましくは2〜5重量倍の範囲であ
る。水中において樹脂を溶融分散させる際の温度として
は、基本的には樹脂の軟化点以上であることが望まし
く、更に言えば、軟化点プラス5℃以上の温度が好まし
い。樹脂の軟化点が95〜100℃以上である場合に
は、この条件は不可能であるが、そのような条件が可能
となるように加圧状態において分散させるか、樹脂の本
質を変化させないような軟化点降下剤を添加することに
より、充分な分散状態を得ることが可能である。軟化点
の降下剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルセロソルブ、エチルセロソルブ、メタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、トルエン、ベンゼ
ン、ヘキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、N,Nジメチル−2−
イミダゾリジノン、N−メチル−ピロリドン等の樹脂を
溶解する溶剤や、フェノール等を用いることができる。
その使用量は、樹脂に対して、1重量部〜100重量
部、好ましくは2〜50重量部、更に好ましくは5〜2
5重量部の範囲である。
【0010】本発明の球状DPR樹脂を製造する方法と
しては、具体的には、分散剤を加えた熱水中に、DPR
樹脂、または、軟化点降下剤により低軟化点化されたD
PR樹脂を溶融滴下する方法、加熱により溶融状態にし
たDPR樹脂に、分散剤および水または熱水を滴下して
いく方法、あるいは、樹脂、分散剤、その他を一括して
水に装入し、撹拌しながら加熱していく方法等があり、
樹脂の軟化点や反応装置の形状などに合わせて臨機応変
な対応を取ることが可能である。分散に必要な撹拌時間
は、必要最小限で充分であり、10分〜5時間、好まし
くは30分〜2時間の範囲である。それ以上の長時間の
撹拌は、一度球状として形成された樹脂が破砕する原因
となり好ましくはない。分散し、球状となった樹脂は、
放冷、水冷、氷冷等、外部からの冷却や、水、氷等の装
入などの内部からの冷却等、任意の方法で軟化点以下に
冷却することにより、真球状の球状化樹脂として濾過に
より取り出すことが可能となる。得られた球状のDPR
樹脂は、過剰の分散剤等を充分に洗い流すことが好まし
い。
【0011】この様にして得られた球状DPR樹脂の粒
径は、分散剤の種類や量、撹拌速度や撹拌装置の形状等
の撹拌効率に大きく左右され、条件により10μm〜1
000μmの範囲に分布するが、好ましくは20〜10
00μm、さらに好ましくは50〜500μmの範囲で
ある。また、1ロット中においては、粒径のばらつきは
少ない方が望ましく、30〜100重量%、好ましくは
50〜100重量%、さらに好ましくは70〜100重
量%が、ほぼ同程度の粒径である。
【0012】本発明の方法で得られる球状DPR樹脂
は、その化学的な構造は通常のフェノール樹脂であるD
PR樹脂であり、前述したようなエポキシ樹脂用硬化剤
としてIC封止材用途に用いたり、ヘキサミンを硬化剤
として成形材用途に用いることができる。かかる用途で
は、樹脂の性能を充分に引き出すためには、各成分を溶
融混練させる際に、如何に速く、かつ、均一に混ぜ合わ
せることができるかに依存する部分が大きい。従来のフ
ェノール樹脂はブロック状であったために、ブロックの
大きさにより溶融する速度が異なり、全てが溶融するま
でにかかる時間が長く、そのため部分的には硬化反応が
進みすぎてしまい、硬化物全体としては硬化密度にばら
つきが出て、充分な性能を引き出せない場合が生じる可
能性が高いものであった。しかし、本発明により得られ
るDPR樹脂は、粒径がほぼ均一に揃った真球状である
ため、樹脂にかかる熱が全てに均一になり、ほぼ同じペ
ースで溶融するため前記の様な問題は生じない。
【0013】本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ
樹脂と、球状化DPR樹脂を含有する樹脂組成物であ
る。エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポ
キシ基を有するものであれば全て用いることができる
が、好ましいものは次に挙げるものである。例えば、ビ
スフェノールA、ビスフェノールF、チオジフェノー
ル、ビフェノール、置換ビフェノール、レゾルシン、カ
テコール、ジヒドロキシナフタレン等のビスフェノール
類や2価フェノール類をエポキシ化したもの、更にこれ
らのフェノール類やフェノール、クレゾール、キシレノ
ール等をフェノール成分とし、ホルムアルデヒド、アセ
トアルデヒド、プロピオンアルデヒド、サリチルアルデ
ヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒の存在下において縮
合させて得られる、いわゆるノボラック型フェノール樹
脂のエポキシ化物、フェノール、ナフトール等がキシリ
レン基によって連結されているフェノール−アラルキル
樹脂や本願において用いられるDPR樹脂のエポキシ化
物、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルス
ルホン、イソシアヌル酸等のポリアミン類のエポキシ化
物、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸のエポキシ化物
などである。これらは単独で、あるいは数種類を混合し
て用いることも可能である 本発明のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂と
硬化剤となるDPR樹脂との比は、エポキシ基に対して
DPR樹脂の水酸基が0.5〜1.5当量の範囲、好ま
しくは0.7〜1.3当量の範囲、さらに好ましくは
0.8〜1.2当量の範囲であり、現実の使用にあたっ
ては、予め最適配合量を求めることが好ましい。また、
本発明のエポキシ樹脂組成物は、無機および/または有
機充填剤を含有していてもよい。これらの充填剤として
は、具体的には、シリカ、アルミナ、窒化珪素、炭化珪
素、タルク、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、マイ
カ、クレー、チタンホワイト、ガラス繊維、カーボン繊
維、さらにはアラミド繊維、ボロン繊維、紙等を挙げる
ことができる。この無機および/または有機充填材の配
合量は、全樹脂組成物中の50〜92重量%の範囲であ
る。
【0014】さらに、本発明におけるエポキシ樹脂組成
物には、耐熱性や機械的強度等の向上を図る目的で、各
種の添加剤を配合することが可能である。例えば、本発
明のエポキシ樹脂組成物を半導体集積回路用の封止材と
して用いる場合、樹脂成分と充填材成分の接着性向上を
目的としてカップリング材を用いることは既に公知慣用
の技術である。このようなカップリング材としては、シ
ラン系、チタネート系、アルミネート系、およびジルコ
アルミネート系などのカップリング材を用いることがで
きる。中でもシラン系のカップリング材が好ましく、特
に、エポキシ樹脂と反応する官能基を有するシラン系カ
ップリング材が最も好ましい。
【0015】このようなシラン系カップリング材を具体
的に例示すれば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、N−(2−アミノメチル)−3−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミ
ノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アニリノ
プロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクロキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン等を挙げることができる。これらの
カップリング材は単独で、あるいは2種類以上を併用し
て用いられるが、使用に際しては、予め充填材の表面に
吸着、あるいは反応により固定化されていることが望ま
しい。
【0016】また、このようなエポキシ樹脂組成物を硬
化させるにあたっては、適当な硬化促進剤を用いること
が好ましい。かかる用途における硬化促進剤としては、
2−メチルイミダゾール、2−メチル−4−エチルイミ
ダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾ
ール類、トリエアノールアミン、トリエチレンジアミ
ン、N−メチルモルホリン等のアミン類、トリブチルホ
スフィン、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフ
ィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウ
ムテトラフェニルボレート、トリエチルアンモニウムテ
トラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン類、
1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7およびその誘導体等がある。これらの硬化促進剤は単
独、あるいは2種以上を併用して用いられるが、その使
用量はエポキシ樹脂および硬化剤の総使用量の0.01
〜10重量%である。
【0017】本発明のDPR樹脂は、また、ヘキサメチ
レンテトラミンを硬化剤成分とする樹脂組成物として用
いることもできる。この場合、球状DPR樹脂に対し
て、ヘキサメチレンテトラミンは、2〜20重量%が用
いられる。この際、前記のエポキシ樹脂組成物と同様、
無機および/または有機充填剤を用いるが、その使用量
は樹脂成分に対して50〜90重量%の範囲である。無
機および/または有機充填材として用いられるものは、
例えば、アスベスト、雲母、ガラス繊維、カーボン繊
維、アラミド繊維、金属繊維、シリカ、アルミナ、炭酸
カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、
木粉、木炭、カオリン、クレー、紙、珪藻土、マイカ、
カーボンブラック等であり、顔料や潤滑剤等を添加する
ことは制限されない。
【0018】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。しかし、本発明はこれら実施例によって何ら限定さ
れるものではない。 実施例1 撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えたガラス製反応容
器に、フェノール470g(5モル)、トリフロロメタ
ンスルホン酸0.3gを装入し、内温40℃において溶
融撹拌しながら、ジシクロペンタジエン132g(1モ
ル)を約1時間かけて滴下した。そのまま温度を保ち、
1時間撹拌した後、徐々に昇温し、150℃において4
時間撹拌を行った。反応終了後、未反応のフェノールを
減圧蒸留により留去し、赤褐色のフェノール−ジシクロ
ペンタジエン共縮合樹脂285gを得た。この樹脂の高
速クロマトグラフィー(GPC)による組成(Area%)
は、式(I)において、n=0が47.2%、n=1が
27.1%、n=2が14.6%、n≧3が11.0で
あった。また、この樹脂のJIS−K−2548による
軟化点は103℃であり、水酸基当量は179g/eq
であった。
【0019】実施例2 実施例1により得られた樹脂100gに対し、10gの
メチルセロソルブを加え、100〜120℃において溶
融させた。これを80℃以上に保温しながら、ポリビニ
ルアルコール系分散剤(商品名;ゴーセラン3266、
日本合成化学工業社製)を1.5g含む80℃以上の熱
水400g中に、系内が80℃以下にならない様に加熱
しながら、溶融滴下した。滴下終了後、1時間撹拌した
後、30℃まで冷却して樹脂を固化させた後、濾過によ
り取り出した。得られた樹脂は真球状であり、80%以
上が80〜120μmの粒系を持つものであった。この
ものの顕微鏡写真を図−1(図1)に示した。
【0020】実施例3 実施例2において、分散剤の量を、3.0gに代えた他
は、実施例2と同様にして、真球状の樹脂を得た。この
樹脂は80%以上が30〜60μmの粒系を持つもので
あった。
【0021】実施例4 実施例1により得られた樹脂100gに対し、10gの
メチルセロソルブを加え、100〜120℃において溶
融させた。これに、80℃以上に保温したポリビニルア
ルコール系分散剤(商品名;ゴーセラン3266、日本
合成化学工業社製)の30%水溶液を5g加え、さらに
80℃以上の熱水400gを、系内に10分間で加え
た。その後、内温を90℃まで昇温し、1時間撹拌した
後、30℃まで冷却して樹脂を固化させた後、濾過によ
り取り出した。得られた樹脂は真球状であり、80%以
上が80〜120μmの粒系を持つものであった。
【0022】実施例5 撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えたガラス製反応容
器に、フェノール940g(10モル)、トリフロロメ
タンスルホン酸0.3gを装入し、内温40℃において
溶融撹拌しながら、ジシクロペンタジエン132g(1
モル)を約1時間かけて滴下した。そのまま温度を保
ち、1時間撹拌した後、徐々に昇温し、150℃におい
て4時間撹拌を行った。反応終了後、未反応のフェノー
ルを減圧蒸留により留去し、赤褐色のフェノール−ジシ
クロペンタジエン共縮合樹脂305gを得た。この樹脂
の高速クロマトグラフィー(GPC)による組成は、n
=0が65.2%、n=1が17.1%、n=2が9.
6%、n≧3が8.3であった。また、この樹脂のJI
S−K−2548による軟化点は90℃であった。
【0023】実施例6 実施例5において得られた樹脂100gを、ポリビニル
アルコール系分散剤(商品名;ゴーセラン3266、日
本合成化学工業社製)1.5gを含む水400g中に装
入し、撹拌しながら昇温し、内温を95℃とした。この
ままの温度を保ちながら、1時間撹拌した後、室温まで
冷却して樹脂を固化させた後、濾過により取り出した。
得られた樹脂は真球状であり、80%以上が50〜10
0μmの粒系を持つものであった。
【0024】実施例7 実施例2において得られた真球状DPR樹脂10gを、
120℃の鉄板上において溶融するまでの時間を測定し
た結果、20秒で完全に溶融した。 比較例1 実施例6において、樹脂を、実施例1において得られた
ブロック状の樹脂に代えて行ったところ、完全に溶融す
るまでに1分30秒を要した。
【0025】実施例8 実施例2において得られた樹脂を、o−クレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂(商品名;EOCN102S、エ
ポキシ当量193g/eq、日本化薬製)に対する硬化
剤として用い、トリフェニルホスフィンを硬化促進剤、
さらに無機充填剤として球形シリカ〔商品名;ハリミッ
クスS−CO、(株)マイクロン製〕と不定型溶融シリ
カ〔ヒューズレックスRD−8、(株)龍森製〕の1:
1重量比の混合物、その他の添加剤として、シランカッ
プリング剤〔SZ−6083、東レダウコーニングシリ
コーン(株)製〕、カルナバワックス、カーボンブラッ
ク、酸化アンチモン等を表−1(表1)に示す割合で配
合し、120℃において溶融混練した。この際、目視に
より完全に均一に溶融するまでの時間を測定したとこ
ろ、約45秒であった。このエポキシ樹脂組成物を注型
加工して得られる硬化物の物性を測定した。表−1に結
果を示した。尚、物性測定用の試験片は、エポキシ樹脂
組成物をトランスファー成形(180℃、30Kg/c
2 、3min)により得た。
【0026】比較例2 実施例8における硬化剤を、実施例1により得られたブ
ロック状のDPR樹脂に代え、同様にロール混練した。
この時、目視により観察した完全に均一に溶融するまで
の時間は約2分15秒であった。
【0027】
【表1】
【0028】実施例9 実施例2のDPR樹脂を、ヘキサメチレンテトラミンを
硬化剤とし、さらにその他の充填剤、添加剤として、ガ
ラス繊維、ウオラスナイト、酸化マグネシウム、ステア
リン酸カルシウム、カーボンブラック、シランカップリ
ング剤等を表−2(表2)の様な割合で配合し、120
℃においてロール混練して成型材用組成物を得た。この
時、目視にて、DPRが完全に溶融し、組成物が均一に
混合されるまでの時間を観察したところ、約25秒であ
った。
【0029】比較例3 実施例9におけるDPR樹脂を、実施例1により得られ
たブロック状の樹脂に代えた以外は、同様にしてロール
混練を行った。この時、目視にて、DPRが完全に溶融
し、組成物が均一に混合されるまでの時間を観察したと
ころ、約2分であった。
【0030】
【表2】
【0031】以上実施例で述べてきたが、実際にエポキ
シ樹脂の硬化剤としてDPR樹脂を用いる際や、DPR
樹脂を成形材として用いるためにヘキサミンを硬化剤と
して使用する際、DPR樹脂が溶融するまでの時間が短
い本発明の真球状の形状を持つ球状化DPR樹脂の方
が、溶融混練に際して加熱に要する時間を短くすること
が可能であることが判った。このことは、即ち、溶融混
練時に不必要に硬化反応が進行することを防ぐことが可
能であることを示している。例えば、表−1に示した様
に、エポキシ樹脂組成物がロール混練により、完全に溶
融し、均一に混合されるまでの時間が、本発明の真球状
である球状DPR樹脂を用いた場合(実施例8)は45
秒であったのに対し、同じ組成のブロック状のDPR樹
脂を用いた場合(比較例2)では135秒であり、大き
な相違が認められる。また、同様に、表−2に示したD
PR樹脂をヘキサメチレンテトラミンにより硬化させる
場合も、完全に溶融し均一に混合されるまでの時間が、
本発明の球状DPR樹脂を用いた場合(実施例9)は2
5秒であるのに対し、ブロック状DPR樹脂を用いた場
合(比較例3)は120秒であった。ブロック状で得ら
れるDPR樹脂を用いてこの様な溶融混練を行う際は、
通常、この様な樹脂が溶融するまでの時間を短縮するた
めに、一度粉砕することが必要であり、この様な作業性
の観点からも本発明により樹脂の形状をコントロールす
ることの効果は大きい。
【0032】
【発明の効果】本発明により、溶融混練に際して加熱に
要する時間を短くすることが可能なDPR樹脂を提供す
ることが出来、その結果、樹脂組成物の硬化に際して、
より均一な溶融状態を達成し、より均一な硬化物を得る
ことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で得られた球状化フェノール−トリシ
クロデカン樹脂の顕微鏡写真
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 61/02 C08L 65/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)(化1)で示されるフェノ
    ール−トリシクロデカン樹脂を、分散剤の存在下に、水
    中で分散させる形状が真球状である球状化フェノール樹
    脂の製造方法。 【化1】 (式中、Rは水素原子、メチル基、または水酸基を示
    し、nは0〜15の自然数を示す)
  2. 【請求項2】 分散剤が、ポリビニルアルコール系分散
    剤、セルロース系分散剤、ゼラチン、またはアラビアゴ
    ムであり、得られる粒径が10〜1000μである請
    求項1記載の球状化フェノール樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の方法により得ら
    れる形状が真球状である球状化フェノール樹脂。
  4. 【請求項4】 一分子中に二個以上のエポキシ基を有す
    るエポキシ樹脂の硬化剤として、請求項3記載の球状化
    フェノール樹脂を用いて得られるエポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のエポキシ樹脂組成物に、
    全重量中に50重量%〜92重量%の無機および/また
    は有機充填剤を含んでなる、半導体封止用エポキシ樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の球状化フェノール樹脂
    と、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンとを含有す
    る樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の樹脂組成物に、全重量中
    に50重量%以上の無機および/または有機充填剤を含
    んでなる成形材用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項5または7記載の樹脂組成物から
    得られる硬化物。
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