JP3170817B2 - 分散性の改善された中空繊維膜およびその製法 - Google Patents

分散性の改善された中空繊維膜およびその製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、中空繊維膜、特に医療用血液処
理装置等に使用される中空繊維膜に関する。
【0002】
【従来技術】近年、医療用血液処理装置等の半透膜とし
ては、効率のすぐれた中空繊維が多く用いられている。
中空繊維膜を内蔵する血液処理装置を製造する場合、紡
糸して得た中空繊維は、水で洗浄した後にグリセリンに
代表される可塑剤の水溶液に浸漬する。そして、過剰な
可塑剤を除去して乾燥し、水分の除去された可塑剤を含
む中空繊維を得る。これを所定長にカットして血液処理
装置のハウジング(外筒部)に収納し、繊維の両端にウ
レタン樹脂などの接着剤を付与して、両端を接着固定す
ることが行われている。
【0003】以上のような一連の製造工程において、中
空繊維に対する接着剤の接着性を良好に維持するために
は、繊維が乾燥状態にあることが必要である。ところ
が、繊維に何も付与せずに乾燥すると、細孔径が縮小し
て膜としての機能が著しく損なわれる。又、使用に際し
て水または水溶液を流すと、水との親和性が失われてい
るために、細孔内への水の侵入が阻害され、使用可能な
状態にするのに大量の水または水溶液を流すことが必要
になる。さらに、乾燥すると繊維の粘着あるいは固着が
著しくなることがあるが、このような状態になると接
着、例えば遠心接着の際に繊維間に接着剤が進入しにく
く、しばしば接着不良を生じる。また、固着したままの
状態で使用すると、その部分では外表面に血液が接触せ
ず、膜の性能低下を起こす。そこで、この固着部分の繊
維をほぐそうとすると、繊維の潰れや折れを生じてしま
う。そこで、可塑剤を付与して乾燥し、遠心接着などの
工程を終了した後に無菌水や生理食塩液などで洗浄して
可塑剤を除去し、繊維を湿潤状態にして出荷するか、あ
るいは乾燥状態のままで出荷し、使用前に生理食塩液で
洗浄して可塑剤を除去する方法が採られている。可塑剤
としては、生体に対して安全性の高いものであることが
必要あり、通常、グリセリンが用いられているが、繊維
同志が粘着または固着しやすく、繊維の分散性が十分で
ない。
【0004】
【目的】本発明は、可塑剤にシリコーンオイルを添加す
ることにより、前記のような従来技術の問題を解決し、
粘着や固着が少ない分散性の良好な中空繊維膜の提供を
目的とする。
【0005】
【構成】本発明は、高分子化合物からなる中空繊維膜、
特に人口腎臓あるいは血漿分離器等の半透膜に用いられ
る分散性の改善された中空繊維膜に関する。本発明の中
空繊維膜は、シリコーンオイル含有可塑剤を含浸させた
中空繊維で構成される。
【0006】本発明で使用する中空繊維としては、各種
素材で作製したものがあげられるが、例えば、セルロー
ス、セルロースアセテート、ポリビニルアルコール、ポ
リメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリスルホ
ン、ポリペプチド、コラーゲン、ポリアクリロニトリル
等がある。これらの中でもセルロースおよびセルロース
アセテートにおいて、本発明の効果が顕著に発現する。
これ等素材の中空繊維膜は、従来法と同様な方法、例え
ば、前記素材の溶液または溶融物を2重管ノズルの外管
から押し出し、内管から液体またはN2ガス等の不活性
ガスを吐出し、紡糸することによって製造される。
【0007】本発明において、中空繊維膜の分散性の改
善のために可塑剤へ添加されるシリコーンオイルの量
は、その添加量が少ないと本発明の目的である分散性の
改善という効果が発現せず、逆に多すぎると膜自体の性
能が低下する。可塑剤水溶液における可塑剤の濃度は、
30〜70%程度が適当である。このようなシリコーン
オイル含有可塑剤の中空繊維膜への付与量は、中空繊維
膜の種類およびその空孔率によって異なるが、その空孔
部分に前記可塑剤が充填された状態を飽和付与量とする
と、それ以下の量が適用され、通常は中空繊維膜重量に
対して0.5〜1.5の範囲である。好ましくは、中空
繊維膜の乾燥重量に対して、重量百分率で表わして、
0.01〜0.5%付与され、特に好ましいのは0.0
5〜0.3%である。
【0008】使用するシリコーンオイルは、一般に無色
透明、無味無臭で、水のようにさらさらしたものから、
水飴のように粘稠なものにいたるまで、各種のものがあ
るが、特にその種類は限定されるものではない。例え
ば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロ
キサン、ポリジメチル−ジフェニルシロキサン、ポリメ
チルハイドロジエンポリシロキサン等があげられる。ま
た、可塑剤としては、生体への安全性を考慮すると、グ
リセリンが好ましい。
【0009】シリコーンオイル含有可塑剤の中空繊維膜
への含浸は、中空繊維膜をシリコーンを添加した可塑剤
水溶液中に浸漬して行うことができる。例えば、界面活
性剤好ましくはショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪
酸エステル等の生体に無害な界面活性剤を使用して、液
状のシリコーンオイルをエマルジョン化した水溶液を調
製し、これを可塑剤を約30〜70%程度含有する可塑
剤水溶液に混合したものがあげられる。
【0010】前記のようにして得られたシリコーン含有
可塑剤を含浸させた中空繊維膜を多数本を束ね、アクリ
ロニトリル−スチレン共重合体、アクリル樹脂、ポリカ
ーポネート等のプラスチックにより形成された血液処理
装置等のケース内に配置し、該繊維束の両端部をエポキ
シ樹脂等の接着剤で固着した後、切断し、装置の組立て
が行われる。該装置は、慣用の滅菌法、例えば滅菌剤、
高圧蒸気あるいはγ線照射によって滅菌を行うことがで
きる。以下、本発明を実施例に基づいて、具体的に説明
する。但し、本発明は、この実施例に限定されるもので
はない。
【0011】
【実施例】
実施例1 濃度55%のグリセリン水溶液100(重量)部に、市
販のシリコーンオイル・エマルジョン(東芝シリコーン
社製TSA737,シリコーンオイル含有量31%)を
0.25部を混合し、シリコーンオイル添加グリセリン
水溶液を調製した。セルロースアセテートからなる中空
繊維状の透析膜を前記シリコーンオイル添加グリセリン
水溶液に浸漬し、過剰の液を空気を吹き付けて除去し、
20℃で12時間乾燥した。得られた中空繊維は分散性
が良好であった。この繊維10000本を束ねてハウジ
ング内に収納し、両端をウレタン樹脂で遠心接着して、
血液透析装置を多数個作製した。得られた血液透析装置
のウレタン樹脂接着部を観察したところ、接着不良部は
認められなかった。また、尿素とビタミンB12のクリア
ランスを測定したところ、それぞれ165〜170ml
/min.と60〜85ml/min.であった。 比較例1 シリコーンオイル・エマルジョンを添加することなく、
他は実施例1と同様にして中空繊維を処理した。その結
果、乾燥後に得られた中空繊維束は分散性が不良であっ
た。これから同様にして血液透析装置を作製し、ウレタ
ン樹脂接着部を観察したところ、多数の試料に繊維間に
ウレタン樹脂が進入していない接着不良部分が認められ
た。また、乾燥後に繊維を手でほぐしてから、血液透析
装置を製造したところ、ウレタン樹脂の接着不良は減少
したが、繊維の潰れや折れが発生した。この血液透析装
置の尿素とビタミンB12のクリアランスを測定したとこ
ろ、それぞれ130〜170ml/min.と40〜6
0ml/min.であった。
【0012】
【効果】本発明によると、分散性の改善された中空繊維
膜が得られる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液処理装置に使用するシリコーンオイ
    ル含有可塑剤を含浸させた中空繊維膜。
  2. 【請求項2】 シリコーンオイル含有可塑剤の中空繊維
    膜への付与量が、中空繊維膜の乾燥重量に対し0.01
    〜0.5%である請求項1記載の中空繊維膜。
  3. 【請求項3】 中空繊維膜を、シリコーンオイルを添加
    した可塑剤水溶液に浸漬して、該中空繊維膜にシリコー
    ンオイル含有可塑剤を含浸させることを特徴とする請求
    項1または2記載の中空繊維膜の製法。
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