JP3170607B2 - ケーブル用遮水材 - Google Patents

ケーブル用遮水材

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JP3170607B2
JP3170607B2 JP25555191A JP25555191A JP3170607B2 JP 3170607 B2 JP3170607 B2 JP 3170607B2 JP 25555191 A JP25555191 A JP 25555191A JP 25555191 A JP25555191 A JP 25555191A JP 3170607 B2 JP3170607 B2 JP 3170607B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はケーブル用遮水材に関
し、さらに詳しくはケーブル中への水の浸入を好適に防
止し、かつ、遮水材が吸湿してもべとつきがなく、また
遮水材同士または遮水材とテープ心線が接着しないケー
ブル用遮水材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、遮水材は、ケーブル内の遮水な
ど、色々な用途に使用されているが、特に通信ケーブ
ル、その中でも光ファイバーケーブルに好適に使用され
ている。光ファイバケーブルの障害のほとんどは、ケー
ブル内に水が浸入して起こるもので、水が浸入すると、
光ファイバーの強度が劣化し、浸入した水が凍結して光
ファイバーが圧迫され、伝送損失が発生する等の問題が
生じる。このために、光ファイバーケーブル内に遮水材
を使用して水の浸入を防止したり、水の浸入長さを短く
して問題の解決を図っている。このような遮水材として
色々なものが知られている。
【0003】例えば、特開平1−207377号公報に
は、フィルム状柔軟基材の少なくとも一面に、スチレン
・ブタジエン・スチレン樹脂および/または水素添加型
スチレン・ブタジエン・スチレン樹脂からなるバインダ
ーによって吸水膨潤物質層を形成した遮水テープが開示
されている。また特開平1−240547号公報には、
ゴム系バインダーと高イオン水吸水性組成物を織物また
は不織布シート表面にコーティングした遮水用材料が開
示されている。しかし、これらは吸湿時にコーティング
層がべとつき、遮水材同士が接着して遮水材テープパッ
トからの解除がスムースにできず、また光ファイバーケ
ーブル内で遮水材テープ同士が接着すると、ケーブルの
コネクト作業時の作業性が低下し、さらに遮水材テープ
と光ファイバー心線が接着して伝送損失が発生するとい
う問題がある。
【0004】特開昭61−163511号公報には、
(1) パルプ繊維等の母体内に吸水膨潤剤を含有させた吸
水膨潤層を100メッシュ以下の粗いメッシュ体で補強
した吸水膨潤テープ、(2) 100メッシュ以下の粗いメ
ッシュ体の両側にパルプ繊維等の母体内に吸水膨潤剤を
含有させた吸水膨潤層を有する吸水膨潤テープおよび
(3) 高吸水ポリマーを両側からティッシュ等の表皮層で
カバーし、表皮層の一方をメッシュ体で補強した吸水膨
潤テープが開示されている。
【0005】(1) の吸水膨潤テープは、メッシュ体とパ
ルプ繊維等の母体内に吸水膨潤剤を含有させた吸水膨潤
層の二層構造であるため、メッシュ体のない側では吸水
膨潤剤の保持が十分でなく、ケーブル作製時またはケー
ブルのコネクト作業時に吸水膨潤剤が脱落しやすい欠点
がある。一方、メッシュ体で補強した側は、走水防止性
能が低下しないように100メッシュ以下の粗いメッシ
ュ体を使用しているため、吸水膨潤剤の保持が十分でな
く、吸水膨潤剤がケーブル作製時またはケーブルのコネ
クト作業時に脱落しやすく、また吸湿時に吸水膨潤テー
プがべとつくという問題がある。また(2) の吸水膨潤テ
ープは、(1) の吸水膨潤テープのメッシュ体を吸水膨潤
テープの中心部に設置した両面タイプであり、(1) と同
様の問題がある。さらに(3) の吸水膨潤テープは、ティ
ッシュ等の表皮層の目が詰まっている場合には吸水して
も吸水膨潤剤が脱落しないため遮水性がなく、目が粗い
場合には吸水膨潤剤がケーブル作製時またはケーブルの
コネクト作業時に脱落しやすい欠点がある。
【0006】このように、従来においては、カバークロ
スを使用してケーブル作製時またはケーブルコネクト作
業時の作業性を改良し、さらにケーブル内での遮水材同
士の接着、遮水材と心線の接着を防止するためには、カ
バークロスの目の詰まったものほどその効果が向上する
が、遮水性が悪くなり、一方、光ケーブルのスロットの
ような微小間隙の遮水性を向上させるためには、目の粗
いカバークロスを使用するのがよいが、遮水材のべとつ
き性および接着性が悪くなるという相反する問題があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の欠点をなくし、ケーブル、特に光ケーブルの
スロットのような微小間隙の遮水性能に優れるととも
に、ケーブル作製時およびケーブルコネクト作業時の作
業性に優れ、かつ、ケーブル内での遮水材同士の接着お
よび遮水材と心線の接着を防止することができるケーブ
ル用遮水材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のケーブル用遮水
材は、高吸水ポリマー粒子を含有するコーティング層を
支持体に保持させたケーブル用遮水材において、前記高
吸水ポリマーが粒子径45〜425μmの粒子を55〜
95重量%含有するとともに45μm未満の粒子を5重
量%以上含有し、前記コーティング層の表面に流速32
cm/sec の空気の圧力損失が0.01〜0.8mmH2
であるシート状物からなるカバークロスを貼り付けたこ
とを特徴とする。
【0009】本発明の電力または通信用ケーブルは、前
記ケーブル用遮水材を用いて得られる。以下、本発明を
図面により詳しく説明する。図1は、本発明のケーブル
用遮水材の一例を示す拡大断面図、図2は、図1のケー
ブル用遮水材の顕微鏡写真に基づいた拡大平面図であ
る。
【0010】図1において、遮水材1は、固体支持体3
と、該固体支持体3上に配置された複数の高吸水ポリマ
ー粒子4およびゴム系バインダー6を有するコーティン
グ層2と、該コーティング層2上に配置されたカバーク
ロス5とからなる。このような構成において、遮水材1
が水と接触すると、高吸水ポリマー粒子4が吸水して膨
潤し、カバークロス5を通過して脱落する。本発明にお
いては、高吸水ポリマー粒子4の粒子径および含有量を
特定し、かつカバークロス5の間隙を特定の圧力損失
設定しているため、遮水性を低下させずに、遮水材の
べとつき性と接着性を改良することができる。
【0011】図3は、本発明の一実施例による遮水材を
用いたスロットタイプの水走り防止型光ファイバーケー
ブルの拡大断面図である。図において、光ファイバーケ
ーブルは、最中心部のテンションメンバー8と、その周
りに設けられたスロット11aを有するスロット型スペ
ーサー11と、スロット11a内に設置される光ファイ
バー10を有する光ファイバー心線テープ9と、スロッ
ト型スペーサー11の周りにカバークロス5(図1参
照)を内側にして押さえ巻きした、本発明の遮水材から
なる遮水テープ7と、外皮12とからなる。このような
構造の光ファイバーケーブルは、外皮12にクラックが
生じて水が浸入すると、浸入してきた水により、遮水テ
ープ7に保持された高吸水ポリマー粒子4が水を吸収し
て速やかに膨潤し、スロット11a内に脱落して広が
り、遮水する。したがって、水の浸入を長時間にわたっ
て防ぐことができる。
【0012】
【作用】カバークロスから高吸水ポリマー粒子が吸水膨
潤して脱落するためには、カバークロスの目の粗いもの
がよいが、この目の粗さは、例えばカバークロスの上か
ら光を投影して調べている。この方法では間隙のあまり
見えないものでも、良好な遮水性を示すものがあり、特
に不織布にこのような傾向がある。この理由は、不織布
が三次元構造を有するのに対し、光の投影が二次元であ
るためである。すなわち、カバークロスを構成する繊維
が平面方向にわずかにずれて厚み方向に重なりあい、光
の投影でその間隙が見えなくても、三次元構造による厚
み方向の間隙を高吸水ポリマーが通り抜けて脱落するた
めである。
【0013】また目が粗い場合、目の粗さのみを尺度に
すると、太デニールの繊維の場合やフィルムに小孔をあ
けたシート状物の場合に、一定面積のカバークロスにお
いて、高吸水ポリマー粒子の通過できる間隙の部分とシ
ート状物で塞がれた部分が存在し、シート状物で塞がれ
た部分の比率が多くなると、カバークロスの目が粗くて
も、高吸水ポリマーの通り抜ける間隙が少なくなり、結
果として脱落性が悪くなる。
【0014】このようにカバークロスの構造と遮水材特
性には相反する関係が存在するが、本発明者等は、カバ
ークロスの圧力損失と脱落性には相関関係があり、高吸
水ポリマーが粒子径45〜425μmの粒子を55〜9
5重量%含有するとともに45μm未満の粒子を5重量
%以上含有し、カバークロスの圧力損失が0.01〜
0.8mmH2 Oの場合には、脱落性(すなわち遮水性)
が良好であり、かつ、遮水材のべとつき性および接着性
を改良できることを見出した。同じ圧力損失の時は、不
織布などの三次元構造より織物などの二次元構造の方が
遮水性が良好である。その理由は三次元構造は間隙が厚
み方向にもあり、高吸水ポリマー粒子が脱落してでてく
るのが遅くなり、遮水性がその分悪くなるためである。
【0015】本発明において、圧力損失の測定は、圧力
損失測定機(アトラス精機製作所製)を使用し、試料を
1枚または2〜10枚重ねて流速32cm/sec の空気で
測定し、使用した枚数で除する方法で測定した。本発明
に用いられるカバークロスは、32cm/sec の流速の空
気の圧力損失が0.01〜0.8mmH2 O、好ましくは
0.05〜0.5mmH2 O、さらに好ましくは0.07
〜0.35mmH2 Oのものである。圧力損失が0.8mm
2 Oを超えると高吸水ポリマーが吸水膨潤して脱落す
る脱落量が少なくなり、遮水性が悪くなる(すなわち、
水走り長さが長くなる)。また0.01mmH2 O未満で
は遮水材のべとつき性および接着性が改良されない。
【0016】カバークロスとしては不織布、織物、編物
等が用いられる。その材料としては、例えば繊度が1〜
20デニールである、ポリエステル繊維、ポリアミド繊
維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリル繊維、ポリエチ
レン繊維、ポリビニルアルコール繊維等の合成繊維、ま
たはこれら合成繊維の任意の2種類からなる鞘芯構造の
長繊維および/または短繊維などが挙げられる。これら
は併用してもよい。ジアセテートやトリアセテート等の
半合成繊維またレーヨン等のセルロース系の繊維も使用
できるが、セルロース系の繊維は腐食するため、防腐処
理を行ってから用いるのが好ましい。
【0017】不織布としては、長繊維からなるものとし
て5〜50g/m2のノーバインダー不織布シートが挙げ
られ、また短繊維からなるものとして低融点の合成繊維
からなるバインダー用繊維を20重量%以上混用した不
織布シート、短繊維100重量%使用し、カードで5〜
50g/m2のウェッブを作り、熱ローラーで圧着した不
織布シートなどが挙げられる。これらの不織布の繊度は
1〜10デニールが好ましい。不織布は、複数の単繊維
の表面で相互に融着して一体化した交絡点が不規則に点
在し、かつそれぞれの交絡点において複数の単繊維が舌
状にまたは水かき状に接合しているため、これをカバー
クロスとして用いると高吸水ポリマー粒子の脱落性が向
上する。これは、吸水膨潤した高吸水ポリマー粒子が不
織布の間隙を通過しようとして、部分的に繊維に力が加
わると、その反対の繊維が部分的にゆるみ、高吸水ポリ
マー粒子が通過しやすくなるためと考えられる。このよ
うな不織布は、繊度、目付けおよび構造により圧力損失
に差がでてくるため、本発明においては圧力損失を0.
01〜0.8mmH2 Oとする必要があるが、不織布を用
いる場合には、二次元的に見たときの目の大きさである
多角形の辺の長さの総和が0.1mm以上のものが50%
以上であり、かつ15mm以下のものが90%以上あるも
のが好ましい。
【0018】織物または編物には上記長繊維が用いられ
る。その繊度は5〜20デニールが好ましく、またマル
チフィラメントでもモノフィラメントでもよい。織物ま
たは編物の組織は、後述する理由によりその厚みが35
0μm以下であればどのようなものでもよいが、織物で
は平織り、編み物では天竺およびトリコットハーフが好
ましい。
【0019】本発明に用いられる高吸水ポリマー粒子
は、水と接触した時バラバラになって分離し、カバーク
ロスを通過して脱落しなければならないが、その粒子形
状には特に限定はなく、エマルジョン重合によって得ら
れる真円形のものでも、粉砕機によって粉砕されたラン
ダムでいびつな形状のものでもよい。高吸水ポリマー粒
子の吸水倍率(CB法で測定した吸水倍率をいう)は、
遮水性能の点から、10倍以上であることが好ましい。
【0020】高吸水ポリマーの粒子径は、カバークロス
の間隙から素早く脱落し、光ケーブルのスロットなどの
微小間隙に到達して遮水するため、カバークロスの間隙
と重要な相関関係があり、高吸水ポリマー粒子が大きす
ぎても、小さすぎてもよくない。本発明においては、脱
落速度および遮水性の点から、粒子径45〜425μm
の粒子を高吸水ポリマー粒子中に55〜95重量%含有
し、かつ45μm未満の粒子を5重量%以上含有する。
高吸水ポリマー粒子径が425μmを超えると、カバー
クロスの圧力損失が0.5〜0.8mmH2 Oと大きい場
合は、カバークロスを通過して脱落する量が少なくな
遮水性が低下し、また粒子径が45μm未満の場合
は、吸水膨潤速度が遅くなり遮水性が低下する。また高
吸水ポリマー粒子中に45μm未満の高吸水ポリマー粒
子が少なくとも5重量%存在しないと、光ケーブルのス
ロットなどの微小間隙の遮水性が悪くなる。
【0021】高吸水ポリマーとしては、例えばポリアク
リロニトリルグラフト重合体架橋加水分解物、ポリアク
リル酸ソーダ架橋体、メチールメタクリル酸−酢酸ビニ
ール共重合体架橋加水分解物、ポリビニールアルコール
架橋重合体物、ポリアクリロニトリル架橋体加水分解
物、ポリエチレンオキサイド架橋重合体物、ポリアクリ
ルアミド架橋重合体物、アクリルアミド−アクリル酸架
橋共重合体物、スルホアルキル(メタ)アクリレート−
アクリル酸架橋重合体物、イソブチレン−無水マレイン
酸架橋重合体物が用いられる。また腐敗して水素ガスを
発生するデンプン−ポリアクリロニトリルグラフト重合
体架橋加水分解物、デンプン−アクリル酸グラフト共重
合体架橋物、カルボキシメチールセルロース架橋重合体
物、セルロース−ポリアクリロニトリルグラフト重合体
架橋加水分解等も腐敗防止処理をして使用することがで
きる。
【0022】本発明に用いられるゴム系バインダーは、
高吸水ポリマー粒子を固体支持体に保持するバインダー
であり、例えばトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エ
チル等の有機溶剤に可溶で、水と接したときに高吸水ポ
リマー粒子を容易に脱離させ、かつ遮水材に可撓性を与
え、腐敗により水素ガスを発生させないものが好まし
い。
【0023】ゴム系バインダーとしては、例えば、スチ
レンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴ
ム、ハロプレンゴム、イソブチレンゴム、ブチルゴム、
エチレン・プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチ
レンゴム、シリコンゴム、トリフロロ・クロロエチレン
ゴム、ビニリデン・フロライドゴム、ジヒドロ・パーフ
ロロ・アルキルアクリレートゴム、ポリウレタンゴム、
ビニール系ゴム等が用いられる。これらのうちスチレン
ブタジエンゴムおよびブチルゴムが好ましい。スチレン
ブタジエンゴムは、支持体への接着力、ポリマーの保持
性、脱落性、カール防止性および可撓性等の点より、ス
チレン5重量%以上、好ましくは10〜40重量%をブ
ロック共重合したものが好ましい。またスチレンブタジ
エンゴムは不飽和タイプでも飽和タイプでもよいが、耐
久性の点から飽和タイプが好ましい。またスチレンブタ
ジエンゴムは単独でも二種類以上併用してもよく、さら
にランダム重合されたスチレンブタジエンゴム、ブタジ
エンゴム等を混合して用いてもよい。
【0024】本発明において、ゴム系バインダーと高吸
水ポリマー粒子の総量のコーティング層に占める割合は
90重量%以上であり、コーティング層の密度は0.6
5〜1.00g/cm3 であり、さらにゴム系バインダー
の使用割合は高吸水ポリマー粒子とゴム系バインダーの
総量に対して10〜50重量%の範囲であることが好ま
しい。またコーティング層中には高吸水ポリマー粒子と
ゴム系バインダー以外の充填物を加えることができる
が、その使用量は遮水性の点から10重量%以下とする
のが好ましい。
【0025】本発明で用いるゴム系バインダーは疎水性
であるため、水をはじいて遮水性が低下する場合があ
る。その場合は、アルキルホスフェートのアルカリ金属
塩等の親水化剤を併用することにより遮水性を向上させ
ることができる。またゴム系バインダーは熱により劣化
して変色、硬化する場合がある。その場合は、一次酸化
防止剤および二次酸化防止剤を添加することにより劣化
を防止することができる。
【0026】本発明に用いられる固体支持体としては、
耐久性が良好で、腐敗して水素ガスを発生させないもの
であれば特に制限はなく、例えば、アクリル系合成繊
維、ポリエステル系合成繊維、ポリアミド系合成繊維、
ポリプロピレン系合成繊維、これらの合成繊維の任意の
二種類からなる鞘芯構造の合成繊維等からなる、織物、
編み物、不織布、メッシュ状織物、メッシュ状編み物、
フィルム等が用いられる。これらの合成繊維やフィルム
を製造する際に難燃剤を練り込んでLOIが26以上で
ある難燃性の遮水テープを作製することができる。これ
らに用いられる難燃剤としては、例えばノンハロゲンの
燐系の難燃剤が好ましい。
【0027】本発明に用いられる遮水材は、図1に示し
たように固体支持体3と、高吸水ボリマー粒子4および
ゴム系バインダー6を有するコーティング層2とカバー
クロス5とからなり、その厚さは、ケーブルの取扱性お
よび作業性の点から、800μm以下、好ましくは60
0μm以下、より好ましくは300μm以下の薄いもの
が好ましい。またカバークロス5の厚みは、一定径にお
ける遮水テープの巻き量を多くし、ケーブル生産時の生
産性を向上させるためには100μm以下のものが好ま
しい。
【0028】本発明の遮水材は、例えば、有機溶剤に溶
解したゴム系バインダー中に高吸水ポリマー粒子を均一
に分散させてコーティング液を調整し、これを固体支持
体の少なくとも一面にコーティングして溶剤を蒸発させ
た後、コーティング層にカバークロスを重ね、高圧カレ
ンダープレス等によってカバークロスを圧着することに
よって得られ、さらにこれをスリットして遮水テープが
得られる。高圧カレンダープレスは目的とする密度をコ
ーティング層に与えるのに役立つ。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中の%および部は重量%および重量部
を意味する。また実施例中の圧力損失、遮水性、脱落性
および接着性は次の方法で測定した。 (1)圧力損失 圧力損失測定機(アトラス精機製作所製)を使用し、試
料を1枚または2〜10枚重ねて流速32cm/sec の空
気で測定し、使用した枚数で除する方法で測定した。 (2)遮水性 図4にL字法の遮水性測定装置の斜視図を示し、図5に
遮水性測定装置に用いられる棒17の断面図を示す。図
4に示すように直径1.5cmのポリアセタール製の円柱
状の棒17に長さ方向に沿って幅1.6mm、深さ2.0
mmの溝(スロット)を掘る。このスロット棒の溝にまず
厚さ0.4mm、幅1.1mmの光ファイバー心線テープ9
を4枚入れる。全体を押さえ巻き遮水テープ7のカバー
クロス側を内側にして棒17を巻き付けて覆い、さらに
その上をシール用ビニールテープ16で覆い、光ファイ
バーケーブルと似た構造のもの(疑似ケーブル)を作製
する。両端をオープンにして水平に置き、その片方の先
端に垂直に立てた内径10mmのガラス管13をゴム管1
4およびL字ガラス管15を用いてつなぎ、水平に置い
た疑似ケーブルから1mの高さのところまで水を満た
し、24時間後に水平に置いた疑似ケーブル中の遮水テ
ープへの水の浸入長さを測定する。水の浸入長さの短い
ものが遮水性が良好である。
【0030】(3)脱落率 20℃×65%RHの雰囲気で24時間調整した遮水材
の直径4cmの大きさのものを2枚サンプリングして重量
(A)を測定した後、その内の1枚を直径5cmの大きさ
のアルミニウム製メッシュ版(厚さ1.5mm、菱形のメ
ッシュのアルミニウム線の太さが1mmで対角線が5.7
mmと3mm)の金網2枚の中央にサンプルを挟み、2つの
クリップで止め、サンプルと金網を固定する。次いで2
3℃の市販の精製水200ccのビーカーの中にクリッ
プで止めたサンプルと金網を10分間浸漬後取り出し、
サンプルの表面や金網に付着した吸水した高吸水ポリマ
ーを落とし、ビーカー中の脱落した高吸水ポリマーを3
30メッシュのふるいで濾過して重量(B)を測定す
る。別に、残りの1枚を23℃の市販の精製水200c
cのビーカーの中に30分浸漬し、次いで330メッシ
ュのふるいで濾過して重量(C)を測定し、次式により
脱落率を算出する。 脱落率(%)=〔(B/A)/(C/A)〕×100 =(B/C)×100
【0031】(4)接着性(べとつき性) 20℃×65%RHで24時間調整した遮水材を、30
℃×80%RHの雰囲気中で1時間調整し、幅1.0c
m、長さ10cmのものを2枚サンプリングし、この2枚
のテープのコーティング面同士を長さ方向に4cm重ね、
その重ねた部分と同じ大きさのプラスチック版を張りつ
けた厚み3mmのシリコンゴム製の板を、プラスチック面
と遮水材が接触するように上下に置き、その上から45
0gの荷重をかけて5分間放置した後、テンシロン(オ
リエンテック社製)を用いてチャック間距離100mm、
クロスヘッドスピード10mm/minで剪断力を測定
し、接着性の強さとする。
【0032】実施例1〜5および比較例1〜2 繊度10デニール、単糸破断伸度350%のポリエステ
ルフィラメント製のウエッブを、一方の表面に凹凸模様
を有する一対のエンボスロールを用いて部分熱圧着を行
った。この時のエンボスロールの凸部の単位面積が2mm
2 、圧着面積比率18%であり、上下ロール温度80℃
の下でロール線圧20kg/cmにて部分熱圧着した目付
け50g/m2 の不織布のカバークロス(実施例4、以
下不織布Aという)を得た。次いで不織布Aをフェルト
カレンダー(ドラム直径1,500mm、温度105℃、
加工速度10m/分)で熱処理を行い、その直後、一対
のニップロール(熱ロール温度105℃)で、縦1.7
倍延伸することにより30g/m2 の不織布のカバーク
ロス(実施例3)を得た。また50g/m2 の不織布A
を縦に3倍に延伸し、幅方向に1.7倍の幅出しを行
い、10g/m2 の不織布のカバークロス(実施例2)
を得た。さらに50g/m2 の不織布Aを、縦に4倍に
延伸し、幅方向に2.1倍の幅出しを行い、6g/m2
の不織布のカバークロス(実施例1)を得た。さらに不
織布Aと同様にして作った70g/m2 の不織布のカバ
ークロス(実施例5)および100g/m2 の不織布の
カバークロス(比較例2)を得た。得られたカバークロ
スの圧力損失を測定し、その表1に示した。
【0033】次にタフデン1,000(旭化成工業社製
商品名、スチレンブタジエン系ゴム)15部、タフプレ
ンA(旭化成工業社製商品名、スチレンブタジエン系ゴ
ム)15部、KIゲル201K(クラレ社製商品名、高
吸水ポリマー、20メッシュパス、吸水倍率は海水で1
5倍)を100メッシュのふるいを用いて150μm以
下にしたもの70部、オクチルホスフェートカリウム
0.7部、スミライザーBP76(フェノール系一次酸
化防止剤、住友化学工業社製商品名)0.05部、スミ
ライザーTPO(有機硫黄系二次酸化防止剤、住友化学
工業社製商品名)0.05部および希釈液としてトルエ
ン90部を混合して均一溶液とし、これを、ポリエステ
ルスパンボンドE−5060(旭化成工業社製商品名、
ポリエステルスパンボンド)に、高吸水ポリマーの付着
量が100g/m2 になるようにコーティングして乾燥
し、次いでコーティング面に上記で得たそれぞれのカバ
ークロスを当てて、50℃に調節した線圧70kg/cm
の高圧カレンダーで処理した。得られた布帛を2.5cm
幅にスリットし、それぞれの遮水テープ(実施例1〜
5、比較例2)を作製した。
【0034】また比較例1として、カバークロスを用い
ずに高圧カレンダーで処理した遮水テープを作製した。
得られた遮水テープの遮水性、脱落性および接着性を測
定し、さらに接着面の剥離後の状態およびケーブル作
製、コネクト時の作業性を次のようにして調べ、結果を
表1に示した。
【0035】<接着面の剥離後の状態>上記(4)の接
着性の測定時に、2枚のテープを剥離した後の接着面の
状態を目視で観察した。 <ケーブル作製、コネクト時の作業性>ケーブル作製時
に遮水テープを巻きつける工程で、テープガイド通過時
にコーティング層が傷つかず、ガイドに剥離して落ちな
いかどうかを観察し、またコネクト時にシースおよび遮
水テープをカット除去する際に、吸湿したテープが手に
べとついて手が汚れたり、心線テープが剥がれることが
ないかどうかを観察し、これらが観察されなかった場合
を作業性良好とした。
【0036】実施例6 繊度8デニール、目付け15g/m2 のポリプロピレン
フィラメント製極薄不織布シンテックス(三井石油化学
工業社製)をカバークロスとして使用し、実施例1と同
様にしてカバークロスを貼り付けた遮水テープを作製し
た。このカバークロスの圧力損失、遮水テープ特性等を
実施例1と同様にして調べ、その結果を表1に示した。 実施例7 繊度15デニール/3フィラメント、目付け17g/m
2 のポリアミド繊維を使用した、密度がコース25本/
インチ、ウエル31本/インチのトリコットハーフをカ
バークロスとして使用し、実施例1と同様にしてカバー
クロスを貼りつけた遮水テープを作製した。このカバー
クロスの圧力損失、遮水テープ特性等を実施例1と同様
にして調べ、その結果を表1に示した。
【0037】実施例8 繊度20デニールのポリエステルモノフィラメントの極
薄織物で、密度が経、緯共に61本/インチ、目付け1
7.8g/m2 のものをカバークロスとして使用し、実
施例1と同様にしてカバークロスを貼りつけた遮水テー
プを作製した。このカバークロスの圧力損失、遮水テー
プ特性等を実施例1と同様にして調べ、その結果を表1
に示した。 実施例9 ポリエステル短繊維3デニール×51mmを50%と、バ
インダー繊維としてメルティ(低沸点のポリエステル短
繊維、ユニチカ社製商品名)3デニール×51mmを50
%混用して10g/m2 のウエッブを作り、熱ローラー
で圧着して短繊維不織布のカバークロスを作り、実施例
1と同様にしてカバークロスを貼りつけた遮水テープを
作製した。このカバークロスの圧力損失、遮水テープ特
性等を実施例1と同様に測定し、その結果を表1に示し
た。
【0038】
【表1】
【0039】表1の結果から、本発明のカバークロスを
用いた遮水テープは、遮水性も良好で、べとつきもな
く、またケーブルコネクト作業性も良好であることが示
される。
【0040】
【発明の効果】本発明のケーブル用遮水材によれば、特
定のカバークロスを用いているため、微小間隙の遮水性
能に優れるとともに、ケーブル内での遮水材同士の接着
および遮水材と心線の接着を防止することができ、ケー
ブル作製時およびケーブルコネクト作業時の作業性に優
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のケーブル用遮水材の一例を示
す拡大断面図である。
【図2】図2は、図1のケーブル用遮水材の顕微鏡写真
に基づいた拡大平面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施例による遮水材を用い
たスロットタイプの水走り防止型光ファイバーケーブル
の拡大断面図である。
【図4】図4は、L字法の遮水性測定装置の斜視図であ
る。
【図5】図5は、図4の装置で用いた棒17の拡大断面
図である。
【符号の説明】 1…遮水材、2…コーティング層、3…固体支持体、4
…高吸水ポリマー粒子、5…カバークロス、6…ゴム系
バインダー、7…遮水テープ、8…テンションメンバ
ー、9…光ファイバー心線テープ、10…光ファイバ
ー、11…スロット型スペーサー、11a…スロット、
12…外皮、13…ガラス管、14…ゴム管、15…L
字ガラス管、16…シール用ビニールテープ、17…
棒。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高吸水ポリマー粒子を含有するコーティ
    ング層を支持体に保持させたケーブル用遮水材におい
    て、前記高吸水ポリマーが粒子径45〜425μmの粒
    子を55〜95重量%含有するとともに45μm未満の
    粒子を5重量%以上含有し、前記コーティング層の表面
    流速32cm/sec の空気の圧力損失が0.01〜0.
    8mmH2 Oであるシート状物からなるカバークロスを貼
    り付けたことを特徴とするケーブル用遮水材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のケーブル用遮水材を使用
    した電力または通信用ケーブル。
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