JPH09245537A - ケーブル用遮水材およびこれを用いたケーブル - Google Patents

ケーブル用遮水材およびこれを用いたケーブル

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JPH09245537A
JPH09245537A JP8044486A JP4448696A JPH09245537A JP H09245537 A JPH09245537 A JP H09245537A JP 8044486 A JP8044486 A JP 8044486A JP 4448696 A JP4448696 A JP 4448696A JP H09245537 A JPH09245537 A JP H09245537A
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JP
Japan
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water
cable
cover cloth
water barrier
polymer particles
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Withdrawn
Application number
JP8044486A
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Inventor
Naomi Hirota
尚美 廣田
Noriyuki Kuramoto
憲幸 倉本
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明のケーブル用遮水材およびそれを用い
たケーブルは、親水加工を施し、特定の圧力損失を有し
ている熱可塑性合成繊維布帛をカバークロスに用いてい
るため、ケーブルスロットに挿入する芯線枚数が少な
く、高遮水性が要求される場合でも遮水性に優れ、また
熱可塑性合成繊維を使用しているため腐敗せず良好な耐
久性を有し、また被覆緩衝性およびケーブルコネクト作
業性および製造時の取扱性に優れる。 【解決手段】 流速32cm/secの空気の圧力損失
が、0.01〜0.8mmH2Oである高吸水ポリマー
粒子を含有するコーテイング層ならびに固体支持体に構
成されたケーブル用遮水材であって、該カバークロスが
熱可塑性合成繊維布帛に親水加工を施したことを特徴と
するケーブル用遮水材およびこれを用いたケーブル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はケーブル用遮水材お
よびこれを押さえ巻きテープとして用いたケーブルに関
し、さらに詳しくはイオン性の低い水に対する遮水性の
みならず、例えば海水のようなイオン性の高い遮水困難
な水に対しても、かつスロットに挿入する芯線枚数が少
なく高遮水性が要求される場合でも優れた遮水性を有
し、同時に遮水材が吸湿してもべとつきがなく、また腐
敗せず耐久性を有する、特に光ファイバーケーブルに好
適な遮水材およびこれを用いたケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイバーケーブル等のケーブ
ルが地下に埋設されるケースが増加している。特に、こ
れらのケーブルに対し、ケーブル作製時の作業性や取扱
性である充填容易性、通信ケーブル芯線とケーブル外力
から保護する被覆緩衝性、ケーブル長期使用時の耐久性
や非腐敗性等の充填材料としての要求特性のほか、ケー
ブル外皮が何らかの外力により破れて水が侵入してきた
場合、ケーブルの長手方向の浸水を短くくいとめ、伝送
損失発生を防止する遮水性を有する材料が要求されてい
る。このような材料として、フィルムや不織布などのシ
ート状の固体支持体の上に高吸水ポリマー粒子を含有し
てなるコーテイング層を有し、ケーブル内に浸水した際
にすばやく吸水膨潤した高吸水ポリマー粒子がスロット
空隙部に脱落充填して遮水する、押さえ巻きテープとい
われる遮水材が好適に使用されている。このタイプの遮
水材は固体支持体上に形成されたコーテイング層の上に
さらに薄手のカバークロスなる布帛を貼り付けた構造を
とっているものが多い。カバークロスがなければ、コー
テイング層中の高吸水ポリマー粒子がケーブル作業時等
に飛散し、また高吸水ポリマー粒子を固体支持体に接着
するためのバインダーの粘着性や、吸湿下での高吸水ポ
リマー粒子自身のべとつき性によって、ケーブル作業時
の取扱性が非常に困難になるためである。そこでこの取
扱性改善のために通常はカバークロスが必要となる。
【0003】カバークロスの選定においては、スロット
に高吸水ポリマー粒子が脱落できるように、膨潤した高
吸水ポリマー粒子が通り抜けられる程度の大きさの開孔
部(開孔面積)を有し、かつカバークロスシート全体と
して開孔部の割合も多いことが遮水性にとって重要とな
る。しかし開孔部の割合が多くなりすぎるとコーテイン
グ層表面がむきだしの傾向となり、カバークロスの効果
がうすれ、高吸水ポリマー粒子が飛散しやすくなる等、
取扱性が悪くなる。
【0004】特開平5−92525号公報で開示されて
いるように、適度なカバークロスの開孔部の割合は、圧
力損失と相関性があり、カバークロスに垂直に流速32
cm/secの空気を通過させたとき、その圧力損失が
0.01〜0.8mmH2Oであることが必要である。ま
た、この公報においてカバークロスの形態としては、不
織布、織物、編物等があり、その素材としては、例えば
1〜20デニールのポリエステル繊維、ポリアミド繊
維、ポリプロピレン繊維等の合成繊維や半合成繊維、ま
たは、レーヨン等のセルロース系の繊維も使用できる
が、セルロース系の繊維は腐食(腐敗)するため防腐処
理を行ってから用いることが好ましいと開示されてい
る。同様に特開平3−224729号公報では芳香族ポ
リエステル長繊維から成るノーバインダー不織シートが
開示されている。このように、実際に遮水材には非腐敗
性が必須であるため、このカバークロスにも腐敗性に対
して耐久性のあるポリエステルやポリプロピレン等の熱
可塑性合成繊維を用いることが多い。
【0005】しかし、これら熱可塑性合成繊維は一般的
に疎水性であるため、カバークロスに接した水が、カバ
ークロスを通過してコーテイング層に達するまでに時間
を要し、特にスロットに挿入する芯線枚数が少なく高遮
水性が要求される場合には、遮水性を発現する高吸水ポ
リマー粒子が吸水膨潤してスロットを充填する前に、ス
ロットの長手方向への走水が進み、走水長が長くなる
(遮水性が悪くなる)という欠点があった。また半合成
繊維やセルロース繊維は腐敗し、水素ガスを発生するた
め、光ファイバーケーブルでの使用は不可能であり、防
腐処理を行っても吸水性のため繊維自身が膨潤し、開孔
面積が小さくなるため、吸水膨潤した高吸水ポリマー粒
子がスロットへ脱落することを妨げ、充分な遮水性の発
現を妨げてしまうという問題があった。
【0006】また、特開平7−104159号公報で
は、水可溶性のPVAフィルム、または、それに孔の開
いたものが開示されているが、PVAは腐敗し、湿気で
フィルムがべとついて取扱性が悪く、遮水性に関して
も、フィルム自身が十分に膨潤した後に水がコーテイン
グ層に達するため、コーテイング層の膨潤、遮水効果発
現までに時間がかかり、十分な遮水性能を発揮できない
という欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を解決し、優れた遮水性、非腐敗性、
ならびにケーブル製造時の取扱性、成形性に優れた高遮
水性ケーブル用遮水材およびこれを用いたケーブルを提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、流速32cm
/secの空気の圧力損失が、0.01〜0.8mmH
2Oであるカバークロスと高吸水ポリマー粒子を含有す
るコーテイング層ならびに固体支持体で構成されたケー
ブル用遮水材であって、該カバークロスが熱可塑性合成
繊維布帛に親水加工を施したものであることを特徴とす
るケーブル用遮水材である。また、本発明は、このケー
ブル用遮水材を押さえ巻きテープして用いたケーブルで
ある。
【0009】以下に本発明のケーブル用遮水材およびこ
れを用いたケーブルを図面により詳述する。図1は、本
発明の遮水材の一例を示す断面拡大図である。図におい
て遮水材1は、固体支持体3と、該固体支持体上に配置
された複数の高吸水ポリマー粒子4とゴム系バインダー
5を含んでなるコーテイング層2で構成され、該コーテ
イング層2上に配置されたカバークロス6とからなる。
このような構成において、遮水材1が水と接触すると高
吸水ポリマー粒子4が速やかに膨潤し、ゴム系バインダ
ー5から離れ、カバークロス6を通過、脱落して遮水性
を発現する。本発明においては、カバークロス6に親水
加工を施し、さらに圧力損失を特定の値に設定している
ため高吸水ポリマー粒子4の吸水膨潤に要する時間を短
縮できて遮水性を向上できるとともに、遮水材の取扱
性、耐久性も保持することができる。
【0010】図2は、スロットタイプの水走り防止型光
ファイバーケーブルに本発明の遮水材を押さえ巻きテー
プとして用いた場合の一例を示す拡大断面図である。こ
の光ファイバーケーブルは、最中心部に設けられたコア
としてのテンションメンバー7とその周りに設けられ、
スロット10aを有するスロット型スペーサ10と、ス
ロット10a内に設置される光ファイバー芯線テープ8
と、該光ファイバー芯線テープ8内に収められた光ファ
イバー9と、前記スロット型スペーサ10の周りに設け
られる遮水材を用いた遮水テープ(押さえ巻きテープ)
12と、外皮11とからなる。このような構造の光ファ
イバーケーブルは、外皮11にクラックが生じて水が侵
入すると、侵入してきた水により、遮水テープ12に保
持された高吸水ポリマー粒子4が水を吸水膨潤した後、
スロット10a内に脱落し、スロットを充填し、該高吸
水ポリマー粒子4のゲルが水を封じ込めた状態で拡が
る。したがってこれにより水の侵入を長時間にわたって
防ぐことができる。
【0011】ここで本発明に用いられる遮水材のカバー
クロスは特開平5−92525号公報で開示されるよう
に、カバークロスの圧力損失と遮水性能またはケーブル
製造時の高吸水ポリマー粒子の飛散性防止や吸湿時のべ
とつき性防止等の取扱性とは相関性があり、カバークロ
スに流速32cm/secの空気を通過させたときの圧
力損失は0.01〜0.8mmH2O、好ましくは0.
05〜0.5mmH2O、さらに好ましくは0.07〜
0.35mmH2Oである。圧力損失はカバークロスの
目の粗さ(一開孔部の面積)のみに規定されるのではな
く、カバークロスシート中の開孔部の割合で決定され
る。圧力損失が0.8mmH2Oを超えると製造した遮
水材は高吸水ポリマー粒子が吸水膨潤してもカバークロ
スの開孔部を通過する高吸水ポリマー粒子の割合が少な
く、遮水性が悪くなる。また0.01mmH2O未満で
はカバークロス中の開孔部の割合が大きすぎて、製造し
た遮水材はケーブル製造時に遮水材中の高吸水ポリマー
粒子が飛散しやすく、吸湿すると遮水材の表面がべとつ
いたり、一部のバインダーがむきだしになるため遮水材
表面の粘着性が高く、取扱性が悪くなる。
【0012】また本発明に用いられる遮水材のカバーク
ロスは熱可塑性合成繊維布帛で親水加工を施したもので
なければならない。熱可塑性合成繊維は、非腐敗性の熱
可塑性合成繊維であれば特に限定はない。例えば繊度が
1〜20デニールであるポリエステル繊維、ポリアミド
繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリロニトリル系繊
維、ポリエチレン繊維等の合成繊維、またはこれら合成
繊維の任意の2種類からなる鞘芯構造の長繊維および/
または短繊維などが挙げられ、またこれらは併用しても
よいが、なかでもポリエステル繊維、ポリプロピレン繊
維は好ましく用いられる。しかし、ジアセテートやトリ
アセテートなどの半合成繊維、またはレーヨン等のセル
ロース系の繊維ではケーブル使用時の耐久性が乏しく、
腐敗して水素を発生し、伝送損失を発生してしまうため
使用できない。またこれらに防腐処理を行ったとして
も、水が侵入したときまずこれらの素材自身が吸水膨潤
してしまい、高吸水ポリマー粒子が通り抜けるための開
孔面積が小さくなって結果的に遮水性が悪くなる。また
繊維布帛ではなく水可溶性のPVAフィルムやそれに穴
が開いたもの等は親水性であるが、フィルム自身が十分
吸水膨潤した後、コーテイング層の高吸水ポリマー粒子
がようやく吸水膨潤するので遮水効果発現までに時間が
かかり、遮水性が悪くなる。またケーブル製造作業時に
吸湿してべとつき取扱性が悪く、さらにPVAは腐敗す
るので実質上ケーブルに使用できない。
【0013】次に、布帛としては、不織布、織物、編物
等が使用できるが、特に不織布が好適に使用される。こ
の不織布としては、長繊維からなるものとして5〜50
g/m2のノーバインダー不織布シートが挙げられ、ま
た短繊維からなるものとして低融点の合成繊維からなる
バインダー用繊維を20重量%以上混用した不織布シー
ト、短繊維100重量%使用し、カードで5〜50g/
2のウェッブを作り、熱ローラで圧着した不織布シー
トなどが挙げられるが、特にスパンボンド法やメルトブ
ロー法で製造された長繊維不織布シートが好ましい。該
不織布の繊度はスパンボンド法では1〜10デニール、
メルトブロー法では0.01〜1デニールが好ましい。
不織布は、複数のフィラメントの表面で相互に融着して
一体化した交絡点が不規則に点在し、かつそれぞれの交
絡点において複数のフィラメントが水掻き状に接合して
いるため、これをカバークロスとして用いると高吸水ポ
リマー粒子の脱落性が向上する。これは、吸水膨潤した
高吸水ポリマー粒子が不織布の間隙を通過しようとし
て、部分的に繊維に力が加わると、その反対の繊維が部
分的にゆるみ、高吸水ポリマー粒子の通過が容易になる
ためと考えられる。
【0014】このような不織布は、繊度、目付および構
造により圧力損失に差がでてくるため、本発明において
は圧力損失を0.01〜0.8mmH2Oとする必要が
あるが、不織布を用いる場合には、二次元的に見たとき
の目の大きさである多角形の辺の長さの総和が、0.1
mm以上のものが50%以上であり、かつ15mm以下
のものが90%以上あるものが好ましい。織物または編
物の場合も長繊維が好適に用いられる。その繊度は、5
〜20デニールが好ましく、またマルチフィラメントで
もモノフィラメントでもよい。織物または編物の組織
は、どのようなものでもよいが、織物では平織り、編物
では天竺およびトリコットハーフが好ましい。
【0015】次に、カバークロスの親水加工は熱可塑性
合成繊維布帛表面を親水性にするものであればよく、例
えばプラズマ処理等により、熱可塑性合成繊維表面を直
接親水化する方法、親水性物質を熱可塑性合成繊維表面
に付着させる方法等が挙げられが、簡便で高い親水性が
得られる方法として、親水性物質を熱可塑性合成繊維表
面に付着させる方法が好ましい。親水性物質としては、
親水性を付与するものなら特に限定はなく、一般的な親
水性物質である界面活性剤、例えばアルキルリン酸エス
テル塩型等のアニオン系、第4級アンモニウム塩型等の
カチオン系、ベタイン型等の両性系、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル型等の非イオン系等いずれでもよい
が、特に非イオン系の界面活性剤が好ましく用いられ
る。この親水性物質を付着させる方法としては、Pad
−Dry−Cure法、スプレー法、吸尽法等いずれで
もよいが、簡便なPad−Dry−Cure法が好まし
い。界面活性剤のほかに、使用する熱可塑性合成繊維素
材により、異なる親水性物質、親水加工方法を行うこと
ができる。
【0016】例えばポリエステル繊維であれば、ポリエ
ステルポリエーテル樹脂等を吸尽法で加工する方法、ポ
リエチレングリコール系化合物で処理した後低温プラズ
マ処理を行う方法、ポリアルキレングリコールを含むア
クリレートまたはジアクリレートをモノマーを利用し、
触媒、架橋性モノマー、共重合可能アクリルモノマー等
を用いて、吸尽法かまたはPad−Dry−Steam
法にて繊維上でポリマー化させる方法、ポリエチレング
リコール、ポリアミン、ポリカルボン酸といった親水性
ポリマーをコーテイングし、さらにこれを架橋剤などで
不溶化する方法等を行うことができる。また例えばポリ
アミド繊維であれば、N−メトキシメチルポリアミドの
乳化液を用いてPad−Dry−Cureを行う方法、
線状ポリエステルのアルコール乳剤により処理する方
法、エチレンオキシドにより処理する方法等がある。カ
バークロスは親水加工を施せば充分親水性になるが、そ
の親水性は、JIS L 1096の吸水性試験で、滴
下法による水滴下時の水のしみ込み時間測定により確認
することができる。
【0017】一般的に親水性とは、該試験法において、
しみこみ時間が300秒以内のものをいうが、本発明に
おける好ましい親水性の範囲は、人工海水での水のしみ
込み時間が0秒以上30秒以内、より好ましくは0秒以
上15秒以内の範囲のものが好適である。カバークロス
である熱可塑性合成繊維布帛に親水加工を施してなけれ
ば、疎水性のため、水がカバークロス側から侵入しても
カバークロスが浸水するのに時間を要し、スロットに挿
入する芯線枚数が少なく高遮水性が要求される場合は、
遮水性を発現する高吸水ポリマー粒子の吸水膨潤が始ま
る前にスロットの長手方向へどんどん走水して遮水性が
悪くなる。
【0018】本発明に用いられる高吸水ポリマー粒子
は、水と接触した時吸水膨潤してカバークロスの目を通
過してスロットに脱落しなければならないが、その粒子
形状に特に限定はなく、エマルジョン重合によって得ら
れる真円形のもの、通常粉砕機によって粉砕されたラン
ダムでいびつな岩状のものでもいずれでもよいが、表面
積が大きく吸水スピードの速い岩状のものが好ましい。
高吸水ポリマー粒子の吸水倍率は、MB法で測定した人
工海水での吸水倍率が、5倍以上、より好ましくは6倍
以上が好適である。吸水倍率が5倍未満では水と接触し
ても膨潤しにくいか膨潤不足のため、ゴム系バインダー
から脱落しにくく遮水性が悪くなる。ここで示すMB法
による高吸水ポリマー粒子の吸水倍率は、105℃で2
時間で絶乾した試料(重量X)をデシケーター中で1時
間以上放置した後、23℃に制御した市販の人工海水に
1時間浸漬し、150メッシュの網ふるいに試料を入れ
て3分間濾過後、網ふるいの重量を差し引いた吸水後の
試料重量(Y)を測定し、次式により算出した値であ
る。 吸水倍率(倍)=(Y−X)/X−1
【0019】また本発明に用いられる高吸水ポリマー粒
子の総重量の15重量%以上、より好ましくは30重量
%以上は、ゲル強度が10,000dyne/cm2
下、好ましくは3,000dyne/cm2以下の範囲
にあることが好ましい。高吸水ポリマー粒子のゲル強度
が10,000dyne/cm2を超えると高吸水ポリ
マー粒子が膨潤脱落しても水の流れを阻止できるほどに
は高吸水ポリマー粒子の吸水ゲル同士の間隙が充分に狭
くならないため、そこから水がリークしやすく、充分な
遮水性が得られない。このようなゲル強度を有する高吸
水ポリマー粒子の含有量が高吸水ポリマー粒子総量の1
5重量%未満では遮水性が不充分である。ここで高吸水
ポリマー粒子のゲル強度は、105℃で2時間絶乾後、
デシケーター中で1時間以上放置した試料5gを、市販
の人工海水95gをスターラーによって撹拌していると
ころへ少しずつ添加して混合し、ゲルを形成させ、この
ゲルのゲル強度をネオカードメーターを用いて測定した
値である。
【0020】高吸水ポリマー粒子の粒子径は、カバーク
ロスの目である開孔部からすばやく脱落し、光ケーブル
のスロットなどの微少間隙に到達して充填し、遮水する
ため、カバークロスの目の粗さと重要な相関性があり、
高吸水ポリマー粒子が大きすぎても小さすぎてもよくな
い。本発明においては、脱落速度、および遮水性の点か
ら、粒子径45μm〜425μm、より好ましくは固体
支持体への付着性の点から45μm〜300μmの粒子
を、高吸水ポリマー粒子中に55〜95重量%、より好
ましくは80〜90重量%含有し、かつ45μm以下の
粒子を5重量%以上含有することが好ましい。高吸水ポ
リマー粒子径が425μmを超えると、カバークロスの
圧力損失が0.5〜0.8mmH2Oと大きい場合は、
カバークロスを通過して脱落する量が少なくなり遮水性
が低下し、また粒子径が45μm未満の割合が非常に多
いと大部分の粒子がコーテイング層の中に閉じ込めら
れ、粒子間の間隙が非常に少なくなるため、遮水材が水
と接触しても、高吸水ポリマー粒子に水が直接接触する
のに時間がかかり吸水膨潤速度が遅くなり、また膨潤し
てもコーテイング層から飛び出す力がなく、高吸水ポリ
マー粒子が脱落することができず遮水性が不足する場合
がある。しかし高吸水ポリマー粒子中に45μm未満の
高吸水ポリマー粒子が少なくとも5重量%存在しない
と、光ケーブルのスロット等の微少間隙の遮水性が不足
する場合がある。高吸水ポリマー粒子の粒子径は、JI
S Z 8801(標準ふるい)に規定する網ふるいを
使用し、JIS Z 8815(ふるい分け試験方法)
に従って測定することができる。即ち試料(高吸水ポリ
マー粒子)の粒子径に応じて必要な大きさの目開きを持
ったふるいを上から大きい目開きの順に重ね、一番上に
試料を入れ、一番下に受け皿を置き、JISの規定に従
って振動を与えふるい分ける。ふるい分けた後、各目開
きのふるいの上に残った粒子の重量を測定し、粒度分布
を算出する。
【0021】高吸水ポリマー粒子としては、例えばポリ
アクリロニトリルグラフト重合体加水分解物、ポリアク
リル酸ソーダ、メチルメタクリル酸−酢酸ビニール共重
合体加水分解物、ポリアクリロニトリル架橋体加水分解
物、ポリエチレンオキサイド架橋重合体物、ポリアクリ
ルアミド架橋重合物、アクリルアミド−アクリル酸架橋
共重合体物、スルホアルキル(メタ)アクリレート−ア
クリル酸架橋重合体物、イソブチレン−無水マレイン酸
架橋重合体物等が挙げられる。特に人工海水などのイオ
ン性の高い水に対しては、イソブチレンー無水マレイン
酸架橋物重合体、アクリル酸ソーダ、スルホアルキル
(メタ)アクリレート−アクリル酸架橋物重合体が好ま
しく用いられる。また、腐敗して水素ガスを発生するデ
ンプン−ポリアクリロニトリルグラフト重合加水分解
物、デンプン−アクリル酸グラフト共重合物、カルボキ
シメチルセルロース架橋重合物、セルロース−ポリアク
リロニトリルグラフト重合体加水分解物なども、腐敗防
止処理をして使用することができる。
【0022】本発明に用いられるゴム系バインダーとし
ては、例えばトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチ
ル等の有機溶剤に可溶で、水と接触したとき高吸水ポリ
マー粒子を容易に脱離し、かつ遮水材に可とう性を与
え、また腐敗により水素ガスを発生しないものが好まし
い。このようなゴム系バインダーとしては、スチレンブ
タジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ハロ
プレンゴム、イソブチレンゴム、ブチルゴム、エチレン
・プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴ
ム、シリコンゴム、トリフロロ・クロロエチレンゴム、
ビニリデン・フロライドゴム、ジヒドロ・パーフロロ・
アルキルアクリレートゴム、ポリウレタンゴム、ビニー
ル系ゴム等が挙げられる。これらのゴム系バインダーは
単独でも2種以上ブレンドしてもよい。スチレンブタジ
エンゴムは、固体支持体への接着力、ケーブル製造時や
敷設時のポリマーの保持性、遮水材の遮水性、被覆緩衝
性およびカール防止性等の点にも優れているため、遮水
材に好適に使用されるが、スチレン5重量%以上、好ま
しくは10〜40重量%をブロック共重合したものが好
ましい。また不飽和タイプでも飽和タイプでもよいが、
耐久性の面から飽和タイプのものが好ましい。スチレン
ブタジエンゴムは単独でも2種以上併用してもよく、ラ
ンダム重合されたスチレンブタジエンゴム、ブタジエン
ゴム等を混合して用いてもよい。また、ブチルゴムは高
い耐熱性を有しており、これを利用して、例えば前述の
スチレンブタジエンゴムと混合して使用するとより好ま
しい。
【0023】本発明のコーテイング層には、前述の高吸
水ポリマー粒子およびゴム系バインダーのほか、例え
ば、ゴム系バインダーは疎水性であるため、水をはじい
て遮水性が低下する場合があるが、その場合はアルキル
ホスフエートのアルカリ金属塩等の一般的な親水化剤を
併用することにより、親水性を向上させ、遮水性を向上
させることができる。またゴム系バインダーは熱により
劣化して変色、硬化する場合があるが、一次酸化防止剤
および二次酸化防止剤を添加することにより劣化を防止
することができる。その他無機物、界面活性剤等の充填
物を添加してもよいが、その使用量は遮水性の点から1
0重量%未満が好ましい。
【0024】本発明に用いられる固体支持体としては、
耐久性が良好で、腐敗して水素ガスを発生しないもので
あればよく、特に制限はない。例えばアクリル系合成繊
維、ポリエステル系合成繊維、ポリアミド系合成繊維、
ポリプロピレン系合成繊維等の織物、編物、不織布、メ
ッシュ状織物、メッシュ状編物、フィルム等いずれでも
よいが、強度、耐久性、価格等の点からポリエステル系
合成繊維からなる不織布がより好ましい。
【0025】本発明の遮水材は、例えば有機溶剤に溶解
したゴム系バインダー中に高吸水ポリマー粒子を均一に
分散させて得られるコーテイング液を、固体支持体の少
なくとも一面にコーテイングし、次に前記溶剤を蒸発さ
せて熱固着させた後、コーテイング層にカバークロスを
重ね、高圧カレンダープレス等によってカバークロスを
圧着すること(ドライラミネート)によって得られ、さ
らにこれをスリットして遮水テープが得られる。高圧カ
レンダープレスは、コーテイング量が多いと遮水材の厚
みが大きくなった場合に取扱性等の実用上問題が生じる
ため、遮水材の厚みをコントロールすることにも好適で
ある。また、カバークロスが接着しにくい場合、コーテ
イング後乾燥前の湿潤状態のままカバークロスを貼り合
わせた後乾燥させて加熱加圧下で圧縮する方法(ウェッ
トラミネート)も行うことができる。
【0026】本発明のケーブル用遮水材は、これを押さ
え巻きテープとして、様々なタイプのケーブルに用いる
ことが可能である。特に、スロットタイプの光ファイバ
ー用ケーブルに好適に用いることが可能である。スロッ
トとしては、シングルスロットロッド(図2のタイプ)
構造、マルチスロットロッド構造のどちらのタイプのケ
ーブルにも好ましく用いることができ、シングルスロッ
トロッド構造のケーブルには、図2に示すように押さえ
巻きテープを用いることが好ましく、マルチスロットロ
ッド構造のケーブルの場合は、外被内の各スロットロッ
ドの周りと外被の内側に押さえ巻きテープを用いること
が好ましい。この本発明においては、ほとんどのタイプ
の光ファイバーケーブルの水走り防止が、図2に示す本
発明の遮水材としての遮水テープだけで可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お例中の%および部はそれぞれ重量%および重量部を意
味する。また実施例中の圧力損失、遮水テストおよび腐
敗性テスト、滴下法による親水性の評価は下記の方法で
行った。
【0028】(1)圧力損失 圧力損失測定機(アトラス精機製作所製)を使用し、試
料を1枚または2〜10枚重ねて流速32cm/sec
の空気で測定し、使用した枚数で除する方法で測定し
た。 (2)遮水テスト 図3はL字法の遮水性測定装置の斜視図を示し、図4に
遮水性測定装置に用いられる棒16の断面図を示す。図
3に示すように直径1.2cmのポリアセタール樹脂製
の円柱状の棒16の長さ方向に沿って幅1.6mm、深
さ2.5mmの溝(スロット)を掘る。この溝全体を遮
水テープ12で覆い、さらにその上をシール用ビニール
テープ15で覆った後、上記溝に厚さ0.4mm、幅
1.1mmの光ファイバー芯線テープ8を2枚入れて光
ファイバーケーブルと似た構造のもの(疑似ケーブル)
を作製する。両端をオープンにして水平に置き、その片
方の先端に垂直に立てた内径10mmのガラス管13に
ゴム管14でつなぎ、水平に置いた疑似ケーブルから1
mの高さのところまでガラス管13に人工海水を満た
し、24時間後に水平に置いた疑似ケーブル中の遮水テ
ープ12へのスロットの長さ方向への海水の侵入長さを
測定する。海水の侵入長さの短いものが遮水性が良好で
ある。
【0029】(3)腐敗テスト ガラス製三角フラスコに、テストサンプル4gおよびリ
ン酸二水素アンモニウム0.4gを入れ、土壌抽出液を
200cc入れて混合し、30℃で日陰に保存し、30
日経過後に容器のコックを開き、空気の部分から2〜3
cc空気を抜き取り、ガスクロマトグラフで発生ガスを
分析するとともに肉眼で溶液の色や状態を調べる。な
お、上記土壌抽出液の作製は以下のように行う。 a)土壌は落ち葉等のある草の生えているところから採
取する。 b)500gの土を2000ccの精製水に混ぜて撹拌
する。 c)6〜12時間放置後、上澄み液を濾過し、濾過後5
0ccに精製水を150cc加え土壌抽出液とする。 d)土および土壌抽出液は試験のバッチごとに新しく採
取、抽出する。 (4)滴下法による親水性の評価 JIS L 1096の吸水性試験の中でもA法(滴下
法)に従う。ただし本試験では試験水に人工海水を使用
する。方法は試料を約20cm×20cmに採取し、金
属製リング(直径15cm)に取り付ける。次に1ml
を25±3滴に分割できるビュレットを用い、ビュレッ
トの先端が試験片の表面から1cmの高さになるように
して人工海水の水滴を1滴落下させ、ストップウオッチ
により水滴が試験片上に達したときからその水滴が特別
な反射をしなくなるまでの時間(秒)を測定する。試験
回数は10回とし、その平均値で表す。
【0030】
【実施例1】繊度10デニール、単糸破断伸度350%
のポリエステルフィラメント製のウェッブを、一方の表
面に凹凸模様を有する一対のエンボスロールを用いて部
分熱圧着を行った。この時のエンボスロールの凸部の単
位面積が2mm2、圧着面積比率18%であり、上下ロ
ール温度80℃の下で線圧20kg/cmにて部分熱圧
着した目付50g/m2の不織布を得た。この不織布を
ナイスポールPR−333(日華化学工業(株)アニオ
ン性自己乳化性ポリエステル樹脂)5%水溶液に浸漬
し、マングルにて絞り、110℃、3分でDry、18
0℃、30秒でCureにより親水加工を施してカバー
クロスとした。このカバークロスの圧力損失、滴下法に
よる水のしみ込み時間を測定し、結果を表1に示した。
遮水材の作製は、ゴム系バインダーとしてブチル268
(ブチル系ゴム、日本合成ゴム(株)製商品名)7部、
ソルプレンT−411(スチレンブタジエン系ゴム、旭
化成工業(株)製商品名)5部、高吸水ポリマー粒子と
してKIゲル201K F3(イソブチレン−無水マレ
イン酸系吸水ポリマー、(株)クラレ製商品名、ゲル強
度400dyne/cm2、粒子径75〜250μmが
74.4%)28部、オクチルホスフェートカリウム
0.28部、スミライザーBP76(フェノール系一次
酸化防止剤、住友化学工業(株)製商品名)0.06
部、スミライザーTPO(有機硫黄系二次酸化防止剤、
住友化学工業(株)製商品名)0.06部、および希釈
液としてトルエン60部を混合し、均一に分散させた。
この分散液をポリエステルスパンボンドES−5045
(ポリエステルスパンボンド、旭化成工業(株)製商品
名)にポリマーの付着量が100g/m2になるように
コーテイングし、乾燥した。次いでコーテイング面に上
記で得たカバークロスをあてて、100℃に調節した線
圧70kg/cmの高圧カレンダーで処理した。この得
られた遮水材を4cm幅にスリットし、遮水テープを得
た。得られたテープの遮水性を調べ、結果を表1に示
す。カバークロスが、親水加工を施しているため滴下法
での水のしみ込み時間が短く、本発明で規定した圧力損
失を有しており、これを用いた遮水テープは良好な遮水
性を示すことがわかった。またこの遮水テープはケーブ
ルコネクト作業性、被覆緩衝性ともに良好であり、腐敗
テストによる水素ガスの発生は認められなかった。
【0031】
【実施例2】実施例1の不織布を親水加工する前に、フ
エルトカレンダー(ドラムの直径が1,500mm、温
度105℃、加工速度10m/分)で熱処理を行い、そ
の直後、一対のニップロール(熱ロール温度105℃)
で、縦1.7倍延伸することにより30g/m2の不織
布を得た。この不織布を実施例1と同じ方法で親水加工
を施し、圧力損失、滴下法による水のしみ込み時間を測
定し、結果を表1に示した。遮水材の作製も実施例1と
同様にして行い、遮水テープを得た。得られたテープの
遮水性を調べ、結果を表1に示す。カバークロスが、親
水加工を施しているため滴下法での水のしみ込み時間が
短く、本発明で規定した圧力損失を有しており、これを
用いた遮水テープは良好な遮水性を示すことがわかっ
た。またこの遮水テープはケーブルコネクト作業性、被
覆緩衝性ともに良好であり、腐敗テストによる水素ガス
の発生は認められなかった。
【0032】
【実施例3】繊度4デニール、目付12g/m2のポリ
プロピレンフィラメント製極薄不織布シンテックスPK
−102(三井石油化学工業(株)製)を親水化剤トラ
イトンX−100(非イオン系界面活性剤、東邦化学
(株)製)の5%水溶液に浸漬し、マングルを用いて絞
り、120℃で1分間乾燥して親水加工を行ったカバー
クロスを得た。このカバークロスの圧力損失、滴下法に
よる水のしみ込み時間を実施例1と同様にして調べ、そ
の結果を表1に示した。その後実施例1と同様にしてカ
バークロスを用いた遮水テープを作製し、遮水性を測定
し、結果を表1に示した。このカバークロスは、親水加
工を施しているため水のしみ込み時間が短く、本発明で
規定した圧力損失を有しており、これを用いた遮水テー
プは、良好な遮水性を示すことがわかった。また、この
遮水テープはケーブルコネクト作業性、被覆緩衝性とも
に良好であり、腐敗テストによる水素ガスの発生は認め
られなかった。
【0033】
【比較例1】実施例1の不織布を親水加工を施さなかっ
た他は、実施例1と同様の方法でカバークロスの圧力損
失、滴下法による水のしみ込み時間を測定した。そして
実施例1と同様の方法で遮水テープを作製し、遮水性を
測定した。結果を表1に示す。カバークロスに親水加工
を施していないため滴下法による水のしみ込み時間が長
く、これを用いた遮水テープの遮水性は不充分であっ
た。なお、この遮水テープはケーブルコネクト作業性、
被覆緩衝性ともに良好であり、腐敗テストによる水素ガ
スの発生は認められなかった。
【0034】
【比較例2】実施例2の不織布を、親水加工を施さなか
った他は実施例1と同様の方法でカバークロスの圧力損
失、滴下法による水のしみ込み時間を測定した。そして
実施例1と同様の方法で遮水テープを作製し、遮水性を
測定した。結果を表1に示す。カバークロスに親水加工
を施していないため滴下法による水のしみ込み時間が長
く、これを用いた遮水テープの遮水性は不充分であっ
た。なお、この遮水テープはケーブルコネクト作業性、
被覆緩衝性ともに良好であり、腐敗テストによる水素ガ
スの発生は認められなかった。
【0035】
【比較例3】実施例1の不織布と同様の方法で目付10
0g/m2のポリエステル不織布を得た。次いでこれを
実施例1と同様の方法で親水加工を施し、カバークロス
とした。このカバークロスを実施例1と同様の方法で圧
力損失と滴下法による水のしみ込み時間を測定し、この
カバークロスを用いて実施例1と同様の方法で遮水テー
プを作製し、遮水性を測定した。結果を表1に示す。親
水加工を施しているためカバークロスの水のしみ込み時
間は短いが、圧力損失が本発明の範囲に入っておらず、
これを用いた遮水テープは高吸水ポリマー粒子がカバー
クロスの開孔部を通過しにくいため、遮水性は不充分で
あった。なお、この遮水テープはケーブルコネクト作業
性、被覆緩衝性ともに良好であり、腐敗テストによる水
素ガスの発生は認められなかった。
【0036】
【比較例4】実施例3のカバークロスを親水加工を施さ
なかった他は、実施例1と同様にして圧力損失、水のし
み込み時間を測定し、このカバークロスを用いて実施例
1と同様の方法で遮水テープを作製し、遮水性を測定し
た。結果を表1に示す。カバークロスに親水加工を施し
ていないため滴下法による水のしみ込み時間が長く、遮
水性が悪かった。なお、この遮水テープはケーブルコネ
クト作業性、被覆緩衝性ともに良好であり、腐敗テスト
による水素ガスの発生は認められなかった。
【0037】
【比較例5】繊径10メッシュ、目付50g/m2のベ
ンベルグ製不織布ベンリーゼRE500(ベンリーゼ、
旭化成工業(株)製商品名)をカバークロスとして実施
例1と同様にして圧力損失、滴下法による水のしみ込み
時間を調べ、その結果を表1に示した。その後実施例1
と同様にしてこのカバークロスを用いた遮水テープを作
製し、遮水性を測定し、結果を表1に示した。このカバ
ークロスは親水加工を施さなくても滴下法での水のしみ
込み時間が短く充分親水性であるが、ベンリーゼの繊維
自身が吸水膨潤して開孔面積が小さくなり、高吸水ポリ
マーがカバークロスの間隙から脱落しにくく、遮水性は
不充分であった。またこの遮水テープはケーブルコネク
ト作業性、被覆緩衝性ともに良好であったが、腐敗テス
トによる水素ガスの発生が認められ、実質上ケーブル内
には使用できなかった。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明のケーブル用遮水材およびそれを
押さえ巻きテープとして用いたケーブルは、親水加工を
施し、特定の圧力損失を有している熱可塑性合成繊維布
帛をカバークロスに用いているため、ケーブルスロット
に挿入する芯線枚数が少なく、高遮水性が要求される場
合でも遮水性に優れ、また熱可塑性合成繊維を使用して
いるため腐敗せず良好な耐久性を有し、また被覆緩衝性
およびケーブルコネクト作業時および製造時の取扱性に
優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遮水材の一例を示す拡大断面図
【図2】スロットタイプの水走り防止型光ファイバーケ
ーブルに本発明の遮水材を用いた場合の一例を示す拡大
断面図
【図3】L字法で用いた遮水性測定装置の一部切欠斜視
【図4】図3の棒16の断面図
【符号の説明】
1・・・遮水材 2・・・コーテイング層 3・・・固体支持体 4・・・高吸水ポリマー粒子 5・・・ゴム系バインダー 6・・・カバークロス 7・・・テンションメンバー 8・・・光ファイバー芯線テープ 9・・・光ファイバー 10・・・スロット型スペーサー 10a・・・スロット 11・・・外皮 12・・・遮水テープ 13・・・ガラス管 14・・・ゴム管、 15・・・シール用ビニールテープ 16・・・棒

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流速32cm/secの空気の圧力損失
    が、0.01〜0.8mmH2Oであるカバークロスと高
    吸水ポリマー粒子を含有するコーテイング層ならびに固
    体支持体で構成されたケーブル用遮水材であって、該カ
    バークロスが熱可塑性合成繊維布帛に親水加工を施した
    ものであることを特徴とするケーブル用遮水材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のケーブル用遮水材を押さ
    え巻きテープとして用いたケーブル。
JP8044486A 1996-03-01 1996-03-01 ケーブル用遮水材およびこれを用いたケーブル Withdrawn JPH09245537A (ja)

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