JP3170471B2 - 工具交換装置 - Google Patents

工具交換装置

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JP3170471B2
JP3170471B2 JP08251297A JP8251297A JP3170471B2 JP 3170471 B2 JP3170471 B2 JP 3170471B2 JP 08251297 A JP08251297 A JP 08251297A JP 8251297 A JP8251297 A JP 8251297A JP 3170471 B2 JP3170471 B2 JP 3170471B2
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勉 杉原
久雄 佐々木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、工具マガジン上
の複数の保持部に保持された工具のうちから1つの工具
を選択して、主軸に装着された工具と交換するようにし
た工具交換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の工具交換装置において
は、複数の工具を待機のために保持する回転型の工具マ
ガジンが備えられている。そして、工具交換アームによ
り必要に応じて、工具マガジンに保持された工具と主軸
上の工具とが交換される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この従来の工具交換装
置においては、例えば、加工中に破損した工具を交換す
る場合、その交換が通常主軸もしくは工具マガジンを介
して行われていた。主軸で工具交換する場合、機械の運
転を停止させる必要があるとともに、作業のためカバー
を外したりしなければならず、多大な時間を浪費してし
まう。複数の工具交換では工具マガジンから工具を呼び
出す都合上、前述の作業を繰り返し行う必要があった。
また、工具マガジンにて工具交換する場合も、工具マガ
ジンを割出し回転させて空の保持部を工具入替位置に割
出し、この位置で作業者が新しい工具を差し込む。また
は、工具マガジンにある旧工具を工具入替位置に割出
し、新工具と差し替え交換する。その後、再び工具マガ
ジンを割出し回転させて、新しい工具を工具交換のため
の取出し位置に割出し、そこから工具交換位置へ取り出
すことで、始めて工具交換アームによる工具交換動作が
行われるものであった。このため、交換に要する時間が
長くなるとともに、いずれの場合も、工具マガジンを介
しての作業のため、例えば機械の電源を切るなどして機
械を停止させた状態で工具交換を行う必要があり、工具
交換の作業中は機械を作動できず、加工作業の能率向上
の障害になった。
【0004】また、メインの工具マガジンの外にサブの
工具マガジンを設けて、両工具マガジン間において工具
の受け渡しを行うようにした工具交換装置も具体化され
ている。しかしながら、この工具交換装置においても、
主軸との間の工具交換はメインのマガジンを経て行われ
るため、前述した加工作業の能率の問題を有するもので
あった。
【0005】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的
は、工具マガジンを経由する通常の工具交換動作の他
に、工具入替位置から工具マガジンを経由せずに工具交
換アームに対して工具を直接搬入出することができて、
工具交換を短時間に行うことができる工具交換装置を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の工具交換装置の発明では、主軸
と、複数の保持部を有する工具マガジンと、この工具マ
ガジンの1つの保持部から工具交換位置に取り出された
工具と前記主軸上の工具とを交換する工具交換アームと
を備えた工具交換装置において、フレームの上方に固定
された前記工具マガジンには各保持部が一方向に開口し
た状態で直線上に配列され、この工具マガジンの一端側
に前記工具交換位置、他端側に工具マガジンに対し取り
替えるべき工具を収容する工具収容部材を配置し、前記
工具交換位置と工具マガジンの各保持部に対応する位置
と前記工具収容部材の位置との間を移動して工具交換ア
ームと工具マガジンの保持部と工具収容部材との間で工
具の受け渡しを行う工具ローダを、前記工具収容部材は
工具ローダとの間で工具の受け渡しをする位置と、そこ
から離れた工具入替位置との間を移動可能に構成し、前
記工具入替位置から移動して工具収容部材に保持された
工具を、前記工具ローダにより取り出して前記工具マガ
ジンを介さないで直接前記主軸上の工具と工具交換位置
において交換可能にしたものである。
【0007】請求項2に記載の発明では、請求項1記載
の工具交換装置において、前記工具入替位置に対応し
て、工具を保持するための複数の保持部を有する補助工
具マガジンを配設し、工具収容部材を補助工具マガジン
の各保持部と対応する位置に移動させて、工具収容部材
と補助工具マガジンの各保持部との間で工具を入れ替え
るようにしたものである。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】従って、請求項1に記載の工具交換装置に
おいて、工具交換位置、工具マガジンの各保持部及び工
具収容部材が略一直線上に整然と配置され、これらに沿
って1つの工具ローダが迅速に移動でき、工具が工具交
換アームと工具マガジンとの間、工具マガジンと工具収
容部材との間、工具収容部材と工具交換アームとの間で
短時間で交換される。これにより、加工中でも、工具マ
ガジンへの工具の取り替えが可能となる。また、工具マ
ガジンが加工機械の上部の高い位置に装設されていて、
工具ローダが高い位置にある場合でも、工具収容部材を
受け渡し位置からさらに低い位置に移動して工具の入れ
替えを作業し易い低い位置にて行うことができる。
【0024】請求項2に記載の工具交換装置において
は、工具マガジンの各保持部に対応する全ての工具を補
助工具マガジンに保持しておくことができ、工具収容部
材に対し補助工具マガジンから自動的に工具の入れ替え
が行える。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、この発明の第1実施形態を、図
1〜図9に基づいて詳細に説明する。
【0042】図1に示すように、加工機械Mのベース2
1上にはコラム22が前後方向及び左右方向へ移動可能
に配設され、このコラム22には主軸ヘッド23が上下
動可能に支持されている。主軸24は主軸ヘッド23に
回転可能に支持され、その先端にはドリル等の工具25
が着脱可能に装着される。そして、主軸ヘッド23が図
1に鎖線で示す下方の加工位置に配置された状態で、主
軸24が回転されながら、コラム22が図示しないテー
ブル上のワークに対して移動され、工具25によりワー
クに所定の加工が施される。
【0043】フレーム26は前記ベッド21上に立設さ
れている。工具交換アーム27は主軸24の上方に位置
するように、フレーム26の側面に主軸24の軸線と平
行な軸線の周りで回動可能及び軸線方向へ進退可能に支
持され、その両端には工具把持部28が形成されてい
る。そして、主軸ヘッド23が図1に実線で示す上方位
置に配置された状態で、この工具交換アーム27が軸線
の周りで回動及び軸線方向へ移動されることにより、主
軸24側の工具25と工具マガジン29(以下、主工具
マガジンと称す。)側から工具交換位置P3に移送され
た工具25とが工具把持部28にて把持されて同時に脱
着交換される。
【0044】横長平板状の主工具マガジン29は前記工
具交換アーム27の後方に位置するように、フレーム2
6上に固定され、主軸24の前後方向へ延びている。複
数の保持部としての保持溝30は主工具マガジン29の
上側縁に沿って前後に延びる水平な直線上に所定ピッチ
で配列形成され、それぞれ同一方向の上方に向かって開
口されている。尚、複数の保持溝30のうち一部におい
て例えばフライス工具等の大径工具を保持する保持溝3
0は隣接する保持溝30とのピッチを所定ピッチより大
きくとって形成されている。
【0045】図5〜図8に示すように、工具ポット31
は前記主工具マガジン29の各保持溝30に着脱可能に
保持され、その外面には保持溝30の両側縁に係合する
第1係合溝32が形成されるとともに、その第1係合溝
32と離隔した位置にはこの第1の係合溝32と溝方向
が90°違う第2係合溝33が形成されている。テーパ
孔34は工具ポット31の中心に形成され、このテーパ
孔34に工具25のホルダーHが着脱可能に嵌挿され
る。また、工具ポット31の端部には4ヶ所より中心に
向ってばね付勢された4コのロックボール31aが取付
けられ、工具25が工具ポット31に挿入されたとき、
図5に示すようにホルダーH先端のプルスタッドHaの
部分にて前記ロックボール31aにより抜け止め係止さ
れている。また、工具ポット31には後述する工具ロー
ダLのフック部材56に係脱するピン35が突設されて
いる。
【0046】図1及び図4に示すように、昇降体36は
前記フレーム26の後部、すなわち、主工具マガジン2
9を介して交換アーム27の反対側にガイドレール37
を介して案内支持され、図示しない昇降用モータにより
ボールねじ38を介して昇降動作される。この昇降体3
6上には工具収容部材41が取り付けられていて、昇降
体36の昇降により工具収容部材41が補助工具マガジ
ン58の所要の保持部としての保持溝60に対向され
る。そして、図1に実線で示すように、昇降体36が最
上方位置に移動されたとき、この工具収容部材41が主
工具マガジン29とほぼ水平線上に配置されるようにな
っている。
【0047】図4、図6〜図8に示すように、前記工具
収容部材41は、下部レール42aと側部レール42b
とよりなる収容板42と、その収容板42より後方にお
いて、工具ポット31の後部側面に嵌合する上下方向の
溝43aを形成したシフト部材43とから構成され、そ
のシフト部材43は昇降体36に固定されたシフト用シ
リンダ39のピストンロッド39aに連結されている。
常時ピストンロッド39aは縮退位置にあり、このとき
シフト部材43は図4のように、収容板42と同じ位置
にあり、この状態でシフト部材43の溝43aと収容板
42の各レール42a,42bとで、工具25が嵌挿さ
れた工具ポット31を第1係合溝32と下部の第2係合
溝33と工具ポット31の後部にて係合収容するための
収容部46が形成される。このときの収容部46は上方
が開放され、主工具マガジン29の保持溝30に対して
と同様にして前記工具ローダLのフック部材56による
工具ポット31の脱着を可能としている。また、シフト
用シリンダ39によってピストンロッド39aを伸縮動
作することによって補助工具マガジン58の保持溝60
との間で工具ポット31の入替えを可能としている。
【0048】図1〜図3に示すように、工具ローダLを
構成する移動体47は前記最上方位置の工具収容部材4
1に対する工具受け渡し位置P1と工具交換アーム27
に対応する工具交換位置P3との間においてボールねじ
48およびガイドレール80を介してフレーム26上に
前後方向に直線移動可能に支持されている。ボールねじ
48はフレーム26上に回転可能に支持され、このボー
ルねじ48が移動用モータ49にて回転されることによ
り、移動体47が前後方向に移動される。
【0049】工具ローダLを構成する回動体50は前記
移動体47上に回動可能に支持され、その一部には係合
ピン51が突設されている。カム溝52はボールねじ4
8に沿って延びるようにフレーム26上に形成され、工
具交換アーム27と対応する側の一端部には湾曲部52
aが形成されている。そして、このカム溝52には回動
体50上の係合ピン51が係合され、移動体47が工具
交換位置P3と対応する一端部側に移動されたとき、湾
曲部52aの作用により、係合ピン51を介して回動体
50に図2の反時計方向の回動力が生起される。
【0050】図1、図3、図4及び図6に示すように、
前記フック部材56とともに工具把持部を構成する一対
の把持アーム53は前記回動体50に垂設され、移動体
47の移動方向に所定の間隔をおいて配置されている。
そして、移動体47が主工具マガジン29の各保持溝3
0または工具収容部材41の収容部46と対応する位置
に移動されたとき、各保持溝30または収容部46に保
持された工具ポット31の第1係合溝32に対して、こ
の把持アーム53が上方から対応配置される。
【0051】受け渡し用シリンダ54は前記回動体50
上に配設されている。フック部材56は受け渡し用シリ
ンダ54のピストンロッド55に固定され、その前面に
は前後方向に延びる係合溝57が形成されている。そし
て、シリンダ54によりフック部材56が下方位置に配
置された状態で、移動体47が主工具マガジン29の各
保持溝30または工具収容部材41の収容部46と対応
する位置に移動されたとき、工具ポット31上のピン3
5がフック部材56の係合溝57に進入して係合され
る。その後、受け渡し用シリンダ54にてフック部材5
6が上昇されることにより、工具ポット31が保持溝3
0または収容部46から抜き取られて、把持アーム53
間に挿入把持される。
【0052】また、工具ローダLがこの工具ポット31
を把持した状態で、移動体47の移動により主工具マガ
ジン29の保持溝30または工具収容部材41の収容部
46と対応する位置に移動された後、受け渡し用シリン
ダ54にてフック部材56が下降されることにより、工
具ポット31が保持溝30または収容部46に嵌挿保持
される。その後、工具ローダLが移動体47の移動によ
り保持溝30または収容部46と対応する位置から離間
移動されることにより、工具ポット31のピン35がフ
ック部材56の係合溝57から離脱される。
【0053】さらに、工具ローダLがフック部材56に
て工具ポット31を把持した状態で、移動体47の移動
により工具交換位置P3と対応する前進位置に移動され
たときには、前記のように係合ピン51とカム溝52の
湾曲部52aとの係合により、工具ローダLの回動体5
0が図2の反時計方向に回動される。これにより、工具
25はその軸線が主軸24の軸線方向と合致した工具交
換位置P3に位置される。次いで、図1に示す工具交換
アーム27の進退動作と回転動作により、主軸24と工
具ローダLの工具ポット31との間で、工具25が同時
に脱着交換される。その後、工具ローダLが移動体47
の移動により後方位置に復帰すると、カム溝52の作用
により、工具ローダL上の工具25はその軸線が横向き
になるように回動体50とともに回動される。
【0054】図1、図6、図7及び図8に示すように、
工具入替位置P2において、縦長平板状の補助工具マガ
ジン58は前記工具収容部材41と対応するように、ブ
ラケット59を介してベース21上に配設され、工具収
容部材41の移動方向に沿って上下方向に延びている。
複数の保持部としての保持溝60は補助工具マガジン5
8の一側縁に上下に延びる直線上に主工具マガジン29
の保持溝30と略同一ピッチで配列形成され、それぞれ
同一方向の前方に向かって開口されている。この補助工
具マガジン58の各保持溝60には、工具25が、工具
ポット31の第2係合溝33との係合により保持されて
いる。
【0055】そして、この補助工具マガジン58の保持
溝60に保持された工具25を取り出す場合には、シフ
ト用シリンダ39によりピストンロッド39aを伸長さ
せシフト部材43を収容部46に対応する位置から補助
工具マガジン58の保持溝60に対応する位置に移動さ
せた後、前記昇降体36がボールねじ38によって補助
工具マガジン58の所定の保持溝60と対応する位置に
下降される。このとき、図7及び図8に示すように、シ
フト部材43はその保持溝60内の工具ポット31の後
部に対しシフト方向に係合する。この状態で、シフト用
シリンダ39によりピストンロッド39aが縮退され、
シフト部材43が保持溝60から工具収容部材41のレ
ール42aに案内されて前方に移動され工具収容部材4
1の収容部46に受け渡される。
【0056】また、昇降体36が最上方位置に移動され
た状態で、工具ローダLのフック部材56上から工具収
容部材41の収容部46に受け渡された工具25を、補
助工具マガジン58の保持溝60に格納する場合には、
昇降体36が空の保持溝60と対応する位置まで下降さ
れる。この状態で、シフト用シリンダ39によりシフト
部材43が工具ポット31を嵌合した状態でレール42
a、保持溝60に案内されて後方に移動され、工具25
を嵌挿した工具ポット31が、工具収容部材41の収容
部46から補助工具マガジン58の保持溝60に受け渡
される。この状態からさらに昇降体36の移動によって
次の取出すべき工具25を保持した保持溝60に対応し
て工具収容部材41を移動し、その保持溝60内の工具
ポット31にシフト部材43を係合させ、その位置で、
工具ポット31をつかんだままシフト部材43を収容部
46へ移動させることで、工具収容部材41は次の工具
25を補助工具マガジン58から受け取ることができ
る。
【0057】図1及び図9に示すように、複数のセンサ
61は前記主工具マガジン29の各保持溝30に保持さ
れた工具25の先端と対応するように、フレーム26上
に所定間隔おきで配設されている。すなわち、複数の取
付板62はフレーム26の上面に、長孔63を介してね
じ64により、工具25の軸線方向へ位置調節可能に取
り付けられている。また、前記センサ61は各取付板6
2に貫通された状態で、一対のナット65により工具2
5の軸線と直交する方向へ位置調節可能に固定されてい
る。
【0058】このため、図9に示すように、主工具マガ
ジン29の各保持溝30に保持された工具25の長さ及
び太さが異なる場合でも、その長さ及び太さに応じて、
取付板62の取付位置及びセンサ61の取付位置を予め
調節することができる。よって、センサ61の先端検出
部を工具25の先端外周から所定間隔をおいた位置に正
確に対向配置することができる。
【0059】そして、加工機械Mの運転時に、主工具マ
ガジン29の各保持溝30に保持された工具25が折損
等により短くなっていたり、各保持溝30に工具25が
正確に保持されていなかったりした異常発生時には、そ
の状態が対応するセンサ61により検出される。また、
このセンサ61からの検出信号に基づいて、工具25の
交換予告或いは警告が出されるようになっている。
【0060】図1に示すように、カバー66は工具交換
装置のほぼ全体を覆うように、前記ベース21上に装着
されている。入替用窓67は補助工具マガジン58と対
応するように、カバー66の前面に形成され、この入替
用窓67を通して、補助工具マガジン58の各保持溝6
0に対し、新旧の工具25を入れ替えるようになってい
る。
【0061】発光ダイオードよりなる複数の表示ランプ
68は、前記補助工具マガジン58の各保持溝60に対
応するように、カバー66の前面に配設されている。そ
して、これらの表示ランプ68は、例えば、対応する保
持溝60に新しい工具25が収容されている場合には青
色に点灯され、保持溝60に使用後の古い工具25が収
容されている場合には赤色に点灯され、保持溝60が空
になっている場合には黄色に点灯される。
【0062】次に、前記のように構成された工具交換装
置について図1および図12ないし図14に基づいて各
種動作を説明する。
【0063】さて、この工具交換装置を備えた加工機械
においては、フック部材56を支持した工具ローダLが
移動体47によって、工具受け渡し位置P1から主工具
マガジン29と工具交換位置P3との対応位置間で直線
的に移動される。
【0064】(1) 通常ATC(自動工具交換)動作
…図12 図12において、工具交換アーム27によるATC動作
によって工具交換位置P3に待機している工具ローダL
に把持された工具ポット31と主軸24との間で工具交
換が行われ、使用後の工具25を受取った工具ローダL
は、移動体47の直線移動とともに回動体50が工具交
換位置P3から主工具マガジン29側へ向きを変えてさ
らに直線移動し主工具マガジン29の空の保持溝30に
対向する位置へ移動される。(〈1〉、〈2〉) この位置で工具ローダLはフック部材56が伸長し保持
溝30内へ工具ポット31を収納させる。(〈3〉)こ
の状態から移動体47の移動とともにフック部材56は
各保持溝30内の工具ポット31のピン35をすり抜け
て工具ローダLは次に使用される工具25に対応する保
持溝30に位置決めされる。(〈4〉) そして、この位置でフック部材56が縮退され工具ロー
ダLは保持溝30内の工具ポット31をそのピン35を
把持した状態で保持溝30から取出す。(〈5〉)その
後工具ローダLは移動体47の直線移動によって再び工
具交換位置P3へ移動され、次使用工具25を保持した
状態で工具交換アーム27による次のATC動作まで待
機する。(〈6〉、 〈7〉) (2) 工具取替動作(マニュアル指令)…図13
(a)及び(b) 加工機械の運転中に、主工具マガジン29に収納されて
いる工具25の中に工具破損が検出されたり、また予定
使用回数または時間を経過して新工具との取替えを必要
とした場合、交換予告や警報が出され、これに基づい
て、例えば作業者によって取替指令を行うことにより、
工具取替動作が割込まれる。
【0065】図13(a)において、次使用工具25を
保持して工具交換位置P3で待機している工具ローダL
は工具取替のために呼び出され、まず、主工具マガジン
29へ戻され、空の保持溝30に対し工具ポット31を
返却する。(〈1〉、〈2〉、〈3〉)この位置から工
具ローダLは工具取替すべき旧工具25に対する保持溝
30へ移動し、この保持溝30内の工具ポット31を保
持溝30から取出し、工具受け渡し位置P1へ移動す
る。(〈4〉、〈5〉、〈6〉)そして、この位置で待
機している空の工具収容部材41の収容部46に対し工
具ポット31を払い出す。(〈7〉)この後、工具ロー
ダLは移動体47の直線移動とともに主工具マガジン2
9の保持溝30へ移動され、収容部46内の工具ポット
31のピン35との係合が解かれる。工具ローダLはそ
の位置で待機する。(〈8〉) この後、工具収容部材41は昇降体36とともに補助工
具マガジン58の空の保持溝60に対応する位置へ下降
され、その位置より図8、図9に示すようにシフト用シ
リンダ30によって工具収容部材41の収容部46から
工具ポット31が補助工具マガジン58の保持溝60へ
移載される。工具収容部材41は続いて昇降体36とと
もに補助工具マガジン58内の対応する新工具25が収
容された保持溝60へ移動され、この位置で再びシフト
用シリンダ39によって新工具25が工具ポット31ご
と工具収容部材41の収容部46へ収容される。その
後、工具収容部材41は昇降体36とともに上昇され、
工具受け渡し位置P1に対応する位置へ戻る。図13
(b)において、工具受け渡し位置P1に対し新工具2
5をもった工具収容部材41が位置したことが検知され
ると、次に、工具ローダLがその工具ポット31を受け
取りに再び直線移動して工具受け渡し位置P1の工具収
容部材41の工具ポット31のピン35に係合する。
(〈9〉) そして、フック部材56の縮退動作によって工具ローダ
Lは工具収容部材41から工具ポット31を取り出し、
主工具マガジン29の先程取出した空の保持溝30に対
応する位置へ移動され、この位置より新工具25を保持
した工具ポット31を保持溝30へ収納させる。(〈1
0〉、〈11〉、〈12〉) これにより、新旧工具25の取替動作が完了し、続い
て、工具ローダLは工具取替えのための呼び出しによっ
て主工具マガジン29に一旦返却された次使用工具25
の位置へ移動され、次使用工具25を保持した工具ポッ
ト31を取り出して再び工具交換位置P3へ移動し、A
TC動作のために待機する。(〈13〉、〈14〉、
〈15〉、〈16〉) (3) 工具取替動作(自動)I…図14(a)及び
(b) 次のATCにて主軸24に装着されて加工を行うべき次
使用工具25が主工具マガジン29内においてセンサ6
1によって工具破損状態であることが検出されたり、ま
た予定使用回数または時間を経過して新工具との取替え
を必要としているような交換予告が出された場合、第1
の交換指令が出され、図14(a)及び(b)で示す取
り込み優先の交換動作が自動的に行われる。
【0066】ATC指令に基づく次工具呼び出し信号に
よって工具収容部材41は補助工具マガジン58内の交
換すべき所定の新工具25の収容された保持溝60へ移
動し、ここで新工具25を受け取った後、上昇し、工具
受け渡し位置P1に対応する位置へ移動して、待機す
る。
【0067】一方、図14(a)において、ATC直
後、使用後の工具25を受取った工具ローダLは、工具
交換位置P3から主工具マガジン29へ戻され、空の保
持溝30に対し工具ポット31を返却する。(〈1〉、
〈2〉、〈3〉) 工具受け渡し位置P1に対し工具収容部材41が新工具
25をもって待機していることが検知されると、工具ロ
ーダLはその位置から移動体47による直線移動して工
具受け渡し位置P1での工具収容部材41内の工具ポッ
ト31のピン35に係合する。(〈4〉) そして、この工具受け渡し位置P1において、フック部
材56の縮退動作によって工具ローダLは工具収容部材
41から工具ポット31を取り出す。(〈5〉)その
後、すぐに工具ローダLは移動体47による直線移動に
よってその工具ポット31を直接工具交換位置P3へ搬
入する。(〈6〉、〈7〉)そして、この工具交換位置
P3において工具交換アーム27によってATC動作が
行われると、図14(b)において、使用後の工具25
を受取った工具ローダLは主工具マガジン29へ戻さ
れ、空の保持溝30に対し工具ポット31を返却する。
(〈8〉、〈9〉、〈10〉)この位置から工具ローダ
Lは前記新工具25に対する旧工具25の収納された保
持溝30へ移動し、旧工具25を取出して、工具受け渡
し位置P1へ移動する。(〈11〉、〈12〉、〈1
3〉)そして、この位置で待機している空の工具収容部
材41に対し、工具ポット31を払い出す。(〈1
4〉) この後、工具ローダLは移動体47の直線移動によって
主工具マガジン29の次使用工具25を収納した保持溝
30へ移動する。(〈15〉)この位置にて、工具ロー
ダLは次使用工具25の工具ポット31を取り出して、
工具交換位置P3へ移動し、次のATC動作まで待機す
る。(〈16〉、〈17〉、〈18〉) 一方、旧工具25を受け取った工具収容部材41は、補
助工具マガジン58へ移動し、旧工具25に対応する空
の保持溝60へ旧工具25を返却する。このとき、対応
する表示ランプ68は旧工具25を示す赤色に点灯す
る。作業者は適宜時に、この旧工具25を取出して修理
或いは新工具25との入替えを行えばよい。
【0068】尚、現在使用している工具25が折れたり
して、補助工具マガジン58からの新工具25とすぐに
交換する必要がある場合には、図14(a)と同様な工
具ローダLの動きによって新工具25を工具受け渡し位
置P1の工具収容部材41から直ちに工具交換位置P3
へもっていくことができ、短時間で工具交換がなされる
ことになる。
【0069】(4) 工具取替動作(自動)II…図15
(a)及び(b) 主工具マガジン29に設けられたセンサ61からの工具
異常の検出信号或いは各工具25について使用予定回数
または時間が経過して新工具との取替えを必要としてい
るような交換予告が出され、かつその工具25による加
工がまだ次の加工にすぐには使用されないとき、第2の
交換指令が出され図15(a)及び(b)で示す払い出
し優先の交換動作が行われる。
【0070】図15(a)において、ATC直後、使用
後の工具25を受取った工具ローダLは、工具交換位置
P3から主工具マガジン29へ戻され、空の保持溝30
に対し工具ポット31を返却する。(〈1〉、〈2〉、
〈3〉)この位置より工具ローダLは移動体47の直線
移動とともに取替えるべき旧工具25の収容された工具
ポット31の位置へ移動され、その工具ポット31のピ
ン35に係合する。(<4>) そして、フック部材56の縮退動作によって工具ローダ
Lは主工具マガジン29の保持溝30から旧工具25を
取り出し、移動体47による直線移動によって工具受け
渡し位置P1へ移動する。(〈5〉、〈6〉)そして、
この位置で待機している空の工具収容部材41に対し、
旧工具25を工具ポット31ごと払い出す。(〈7〉)
この後、工具ローダLは主工具マガジン25の次使用工
具25を収納した保持溝30へ移動し、次使用工具25
の工具ポット31を取り出して、工具交換位置P3へ移
動し、次のATC動作まで待機する。(〈8〉、
〈9〉、〈10〉、〈11〉) 工具収容部材41は、工具ローダLから旧工具25を受
け取ると、昇降体36によって補助工具マガジン58の
空の保持溝60に対応する位置へ移動し、旧工具25を
返却する。このとき、対応する表示ランプ68は旧工具
25を示す赤色に点灯する。
【0071】続いて、工具収容部材41は取替えるべき
旧工具25に対応する新工具25を収容している保持溝
60へ移動し、その保持溝60より新工具25を工具ポ
ット31とともに取り出し、工具受け渡し位置P1へ戻
って、待機する。以降は通常ATC動作が行われる。
【0072】次に、図15(b)において、工具交換位
置P3にて次のATC動作が終了すると、使用後の工具
25を受け取った工具ローダLは、工具交換位置P3か
ら主工具マガジン29へ戻って、空の保持溝30に対
し、工具ポット31を返却する。(〈1〉、〈2〉、
〈3〉)ここで、工具受け渡し位置P1に工具収容部材
41が新工具25をもって待機していることが検知され
ると、工具ローダLはその位置から移動体47による直
線移動して工具受け渡し位置P1の工具収容部材41内
の工具ポット31のピン35に係合する。(〈4〉) そして、フック部材56の縮退動作によって工具ローダ
Lは工具収容部材41から工具ポット31を取り出す。
(〈5〉) 次に、工具ローダLは主工具マガジン29の先程旧工具
25を取り出して空になった保持溝30に対応する位置
へ移動し、この位置で保持溝30に対し、新工具25の
工具ポット31を収納させ、新工具25の取り込みを完
了する。(〈6〉、〈7〉) その後、工具ローダLは次使用工具25を収納した保持
溝30へ移動し、次使用工具25の工具ポット31を取
り出して、工具交換位置P3へ移動し、次のATC動作
まで待機する。(〈8〉、〈9〉、〈10〉、〈1
1〉) 以上のような動作が、工具取替えのための検出信号に基
づく第2の交換指令によって繰り返し行われ、主工具マ
ガジン29内の工具25を常に使用可能な工具25に自
動的に入替えておく。
【0073】前記の第1実施形態によって期待できる効
果について、以下に記載する。
【0074】(a) この実施形態の工具交換装置にお
いては、工具ローダLが主工具マガジン29を経由せず
に、工具交換アーム27に対する工具交換位置P3と工
具収容部材41との間で直接移動することができる。従
って、加工工程においてすぐに新工具が必要な場合など
には、従来とは異なり、工具マガジンの割り出し動作等
を介在させることなく、工具収容部材41から工具交換
位置P3へ新工具25を直ちに搬入できるとともに、新
旧工具25の入れ替えを短時間に行うことができるた
め、加工効率が大幅に向上される。
【0075】(b) 直線的な主工具マガジン29を用
いたことにより、工具マガジンの割り出し機構も要らず
装置全体を小型化することができ、加工機械Mの小さな
空きスペースにも簡単に装設することができる。
【0076】(c) 工具交換アーム27と主工具マガ
ジン29と工具収容部材41との各相互間における工具
25の受け渡しを、1つの工具ローダLにより行うこと
ができるため、工具25の搬送構造が簡単で、製造コス
トを低減することができる。
【0077】(d) 主工具マガジン29の保持溝30
を等ピッチとすることにより、工具マガジンの構成及び
工具ローダLの送り制御が簡単になる。また、保持溝3
0のピッチを異にし、工具25の大きさに合わせた間隔
で保持溝30を形成することにより、大きな工具25を
保持する場合に、その両隣の保持溝30が使用不能にな
るということがなく、保持される工具25の間隔を最小
にでる。したがって、工具25の収納効率が向上して、
多くの工具25を収納できるとともに、工具選択のため
の工具ローダLの移動ストロークを小さくでき、工具交
換に要する時間をさらに短くできる。
【0078】(e) 工具収容部材41が主工具マガジ
ン29を介して工具交換アーム27の反対側に配置され
ているため、工具交換アーム27、主工具マガジン2
9、工具収容部材41が前後方向にほぼ直線上に列設さ
れる。従って、これらの機構を整然と配置して、加工機
械M全体の大型化を抑制できるとともに、作業者による
新旧工具の差替え位置が加工部から離隔した後部位置に
なるため、クーラント等で汚れることなく作業を容易に
行うことができる。
【0079】(f) 工具交換アーム27と主工具マガ
ジン29と工具収容部材41との各相互間で、1つの工
具ローダLにより工具25の脱着を行うようになってい
る。このため、工具25の搬送構造が簡単で、製造コス
トを低減することができる。
【0080】(g) 工具収容部材41に対応して補助
工具マガジン58が配設され、その側縁に複数の保持溝
60が形成されている。従って、この補助工具マガジン
58の各保持溝60に新しい工具25を予め保持してお
くことにより、工具25が損耗等により使用不能になっ
た場合に、補助工具マガジン58上の新しい工具25と
容易かつ自動的に入れ替えることができる。このため、
その都度作業者が取替えるべき新しい工具を取付け取外
しする作業が要らず、作業効率のよいものとなる。
【0081】(h) 主工具マガジン29の各保持溝3
0に対応して、複数のセンサ61が配設されている。こ
のため、各保持溝30に保持された工具25が損耗等に
より使用不能になったり、各保持溝30に工具25が正
確に保持されていなかったりした異常発生時には、その
状態を容易に検出して、速やかに工具25の入れ替えを
行うことができる。
【0082】(i) 主工具マガジン29の各保持溝3
0に保持された工具25の長さ及び太さに応じて、各セ
ンサ61の取付位置を予め調節設定できるようになって
いる。このため、外周に複数の保持溝を形成した円板状
の工具マガジンの所定割り出し位置に対応して、1つの
センサを配設した従来構成とは異なり、工具が所定割り
出し位置に配置されるごとに、その工具の長さ及び太さ
に応じてセンサの位置を移動調節するための調節機構を
装備する必要がない。従って、検出機構の構成を簡略化
することができて、製造コストを低減することができ
る。
【0083】(j) 補助工具マガジン58の各保持溝
60に対応して、複数の表示ランプ68が配設され、各
保持溝60内の工具25の状態を保持するようになって
いる。このため、各保持溝60内に保持された工具25
が、新しいものであるか古いものであるか、あるいは、
保持溝60が空になっているかを容易に認識することが
できる。
【0084】(第2実施形態)次に、この発明の第2実
施形態を、図10に基づいて説明する。
【0085】さて、この実施形態の工具交換装置では、
前記第1実施形態における補助工具マガジン58が省略
されている。また、工具収容部材71はフレーム26の
側部にガイドレール72を介して昇降可能に支持され、
その上面には2つの収容部としての収容溝73が形成さ
れている。そして、この工具収容部材71は、常には図
10に実線で示す上方の工具受け渡し位置P1に移動さ
れて、主工具マガジン29とほぼ一線上に配置され、必
要に応じて手動操作により、ガイドレール72に沿って
鎖線で示す下方の工具入替位置P2に移動配置できるよ
うになっている。
【0086】すなわち、例えば、図10で示すように、
工具収容部材71にはハンドル76が左右方向に揺動自
在に取付けられ、工具収容部材26を昇降および位置ロ
ックさせる際に操作される。このハンドル76の中間部
はフレーム26に固定した上下方向のガイドレール72
に対し固定された位置決め用のカム板77のコ字状カム
溝78に係合されている。そして、このカム溝78の上
下2位置の水平方向の溝部分にハンドル76を倒して係
合させたとき、工具収容部材71が上部の工具受け渡し
位置P1と下部の工具入替位置P2とにそれぞれ位置ロ
ックされるようになっている。尚、工具収容部材71に
は図示しないがフレーム26に軸支されたプーリに巻回
したワイヤが連結され、このワイヤの先端に吊下げたウ
エイトによって、工具25を含む工具収容部材26の重
量が相殺されて、工具収容部材26を手動により容易に
昇降動できるようになっている。そして、工具ローダL
は前記した第1実施形態と同様、工具受け渡し位置P1
での工具収容部材71の収容溝73に対応する位置(こ
こでは2位置)と、主工具マガジン29の複数の保持溝
30に対応する位置と、工具交換アーム27に対応する
工具交換位置P3との間を直線往復移動できるようにな
っている。
【0087】次に、この第2実施形態の動作を説明す
る。この実施形態の工具交換装置においては、作業者が
工具収容部材71を上方の工具受け渡し位置P1から下
方の工具入替位置P2に離間移動させて、その工具収容
部材71の収容溝73に交換予告に基づいて取替えるべ
き工具25に対応する2本の新工具25を予め同時に入
れ替えておくことができる。このため、主工具マガジン
29が加工機械Mの上部の高い位置に装設されていて、
工具受け渡し位置P1が高い位置にある場合でも、工具
入替位置P2を作業し易い低い位置に設定して、工具収
容部材71の収容溝73に対し、工具25を容易に入れ
替えることができるものである。
【0088】通常ATC動作およびマニュアル指令によ
る工具取替動作における工具ローダLの動きは、前述し
た第1実施形態の図12および図13(a)、(b)に
基づく説明と同様であるため、説明を省略する。ただ
し、図13(a)及び(b)における〈6〉、〈9〉の
移動時、工具収容部材26の2つの収容溝73のうち
〈6〉についてはいずれか空の収容溝73へ、〈9〉に
ついては所要の新工具25を収容している方の収容溝7
3へ工具ローダLが移動されるようになっている。
【0089】一方、主工具マガジン29に収容されてい
る工具25が折れていたり、使用予定回数または時間が
経過していて、工具25を新工具25と取替える必要が
生じているような場合、その検出信号に基づいて、表示
装置79により作業者に工具25の新旧交換時期等の交
換予告が出される。
【0090】これにより、交換予告された工具25の取
替動作が行われる。図16(a)において、ATC直
後、使用後の工具25を受取った工具ローダLは、工具
交換位置P3から主工具マガジン29へ戻され、空の保
持溝30に対し工具ポット31を返却する。(〈1〉、
〈2〉、〈3〉)この位置より工具ローダLは移動体4
7の直線移動とともに、取替えるべき旧工具25の収容
された工具ポット31の位置へ移動され、その工具ポッ
ト31のピン35に係合する。(〈4〉) そして、フック部材56の縮退動作によって工具ローダ
Lは主工具マガジン29の保持溝30から旧工具25を
取り出し、移動体47による直線移動によって工具受け
渡し位置P1へ移動する。(〈5〉、〈6〉)そして、
この位置で待機している工具収容部材41の空いている
側の収容溝71に対し、旧工具25を工具ポット31ご
と払い出す。(〈7〉)この後、工具ローダLは主工具
マガジン25の次使用工具25を保持した保持溝30へ
移動し、そこから工具ポット31を取り出して、工具交
換位置P3へ移動し、次のATC動作まで待機する。
(〈8〉、〈9〉、〈10〉、〈11〉) この間に、作業者は工具収容部材41に旧工具25が払
い出されたことを確認すると、ハンドル32によって工
具収容部材72を下方へ移動させ、工具入替位置P2へ
位置決めする。この位置で、旧工具25を抜き取り、こ
の工具25に対応する新工具25を差し込んで、再びハ
ンドル32によって工具収容部材72を上方へ移動さ
せ、工具受け渡し位置P1に待機させておく。以降は通
常ATC動作が行われる。
【0091】次に、この新工具25がまだ次の加工には
すぐに使用されないとき、図16(b)の動作により新
工具25の取込みが行われる。図16(b)において、
工具交換位置P3にて次のATC動作が終了すると、使
用後の工具25を受け取った工具ローダLは、工具交換
位置P3から主工具マガジン29へ戻って、空の保持溝
30に対し、工具ポット31を返却する。(〈1〉、
〈2〉、〈3〉)ここで、工具受け渡し位置P1に工具
収容部材41のいずれかの収容溝73が新工具25をも
って待機していることが検知されると、工具ローダLは
その位置から移動体47により直線移動して、工具受け
渡し位置P1での検知された収容溝73における新工具
25を保持した工具ポット31のピン35に係合する。
(〈4〉) そして、フック部材56の縮退動作によって工具ローダ
Lは工具収容部材41から工具ポット31を取り出す。
(〈5〉) 次に、工具ローダLは主工具マガジン29の先程旧工具
25を取り出して空になった保持溝20に対応する位置
へ移動し、この位置で保持溝30に対し、新工具25の
工具ポット31を収納させ、新工具25の取り込みを完
了する。(〈6〉、〈7〉) 一方、図16(a)において説明した旧工具25の払い
出しの後、差し替えた新工具25が次工程ですぐに使用
される場合には、図16(c)のように、ATC直後、
図16(b)における〈1〉、〈2〉、〈3〉、
〈4〉、〈5〉と同様にして、工具ローダLは使用後工
具25を主工具マガジン29へ戻した後、工具収容部材
56の新工具25を取り出す(〈1〉、〈2〉、
〈3〉、〈4〉、〈5〉)が、その後すぐに、工具ロー
ダLは移動体47による直線移動によって新工具25を
直接工具交換位置P3へ搬入する。(〈6〉、〈7〉) これによって、次のATC動作により、この新工具25
が主軸24に装着され、新工具25による加工が行われ
る。
【0092】また、この第2実施形態の工具交換装置に
おいては、図16(a)の動作が終了後、作業者が工具
入替位置P2に不在で、払い出された旧工具25が工具
収容部材56から抜き取られず、工具受け渡し位置P1
に置かれたままであるにもかかわらず、次のATC動作
が行われて、払い出されている旧工具25に対応する新
工具25を使用しての次加工工程が待っていた場合に、
交換装置は新工具25の差し替えがなされていないこと
を検知すると、図16(d)で示す動作に自動的に移行
する。
【0093】すなわち、工具収容部材71へ払い出され
ていた旧工具25を再び取り出して、工具交換位置P3
へ搬入し、加工を止めることなくとりあえずその旧工具
25を次加工に間に合せようとするものである。
【0094】図16(d)において、ATC直後の使用
後工具25を主工具マガジン29の空の保持溝30へ戻
すとすぐに、工具ローダLは工具収容部材41へ移動
し、そこに収容されたままの旧工具25を取出し
(〈5〉)、その後直接工具交換位置P3へ搬入する。
(〈6〉、〈7〉) これによって、工具収容部材71に対し作業者による新
旧工具25の入替え作業がなされないでいた場合にも、
旧工具25の使用が許せる限り、払い出された旧工具2
5をまた機械に戻して使用するようになっているため、
加工をストップさせることなく、加工運転を続行させる
ことができる。
【0095】このようにして、払い出し優先の工具取替
動作が行われ、作業者は、払い出された旧工具25を確
認してからそれに対応する新工具25と入替えることに
なるため、違った工具25の差替えをするようなことが
防止される。
【0096】そして、この実施形態においても、この工
具収容部材71に収容した工具25を、主工具マガジン
29を介さずに直接工具交換位置P3へ搬入することが
でき、新たな工具25が加工にすぐに必要な場合、短時
間で工具交換を行うことができる。
【0097】また、この実施形態の工具交換装置におい
ては、工具収容部材71の収容溝73を2コ設けている
ため、次に交換すべき予告された工具25に対する新工
具25をも同時に収容しておくことができ、その分作業
者はその場所から離れていることができ、作業性のよい
ものとなる。尚、収容溝73は1コでも3コ以上でもよ
い。
【0098】2コ以上の収容溝73を設けた場合には、
前述のようにいずれも新旧工具25の入れ替えを行える
ようにする他、一方の収容溝73を旧工具25の払い出
し用に、他方を新工具25の差し込み用に専用に設定し
ておくこともできる。この場合には、工具ローダLの移
動送りを払い出しと取り込みに応じてそれぞれの停止位
置が決まるため制御が簡単になるとともに、作業者にと
っても旧工具25の抜き取り忘れや新工具25の差し込
み忘れ等がなく、確実な作業が行える。
【0099】さらに、主工具マガジン29の工具収容部
材71に一番近い端部の保持溝30を仮置き用の保持溝
30Aとして設定する使用方法もある。例えば、次AT
C動作のために工具ローダLが次工具25を持って工具
交換位置P3で待機している時間内に主工具マガジン2
9内の工具25の新旧入れ替えが必要なとき、作業者が
工具収容部材71に取り替えるべき新工具25を収容さ
せることで、工具ローダLによって主工具マガジン29
内の工具25の新旧入れ替えを自動的に効率よく行うこ
とができる。その場合の動作を、図17(a)により説
明する。
【0100】図17(a)において、次使用工具25を
保持して工具交換位置P3で待機している工具ローダL
は工具取替のために呼び出され、まず、主工具マガジン
29へ戻され、空の保持溝30に対し工具ポット31を
返却する。(〈1〉、〈2〉、〈3〉)この位置から工
具ローダLは工具取替すべき旧工具25に対する保持溝
30へ移動し、この保持溝30内の工具ポット31を保
持溝30から取出し、仮置き用の保持溝30Aに対向す
る位置へ移動する。(〈4〉、〈5〉、〈6〉)そし
て、この位置で仮置き用の保持溝30Aに対し工具ポッ
ト31を仮置きする。(〈7〉)この後、工具ローダL
は移動体47の直線移動とともに工具収容部材71の収
容溝73へ移動され、保持溝30A内の工具ポット31
のピン35との係合が解かれ、収容溝73内の新工具2
5を保持した工具ポット31のピン35に係合する。
(<8>)次いで工具ローダLは上昇して収容溝73か
ら工具ポット31を取り出し、主工具マガジン29側へ
移動して先に取り出して空きになった主工具マガジン2
9の保持溝30に対し工具ポット31を取り込む。(<
9>、<10>、<11>)この後、すぐに工具ローダ
Lは仮置き用の保持溝30Aへ移動し、旧工具を保持し
た工具ポット31を仮置き用の保持溝30Aから取り出
して工具受け渡し位置P1へ移動し、工具収容部材71
の収容溝73へ払い出す。(〈12〉、<13>、<1
4>、<15>)工具ローダLは、その位置から先ほど
主工具マガジン29に一旦返却された次使用工具25の
位置へ移動され、次使用工具25を保持した工具ポット
31を取り出して再び工具交換位置P3へ移動し、AT
C動作のために待機する。(〈16〉、〈17〉、〈1
8〉、〈19〉)この動作によれば、図13で説明した
動作に比較し、工具ローダLが途中での待機時間がなく
効率的に交換動作を行うことができる。
【0101】また、図17(b)(c)の動作も可能で
ある。例えば、次ATC動作のために工具ローダLが次
工具25を持って工具交換位置P3で待機している時間
内に主工具マガジン29内の工具25のチェックや修理
が必要なとき、工具収容部材71に新工具25が準備さ
れているにも拘らず、工具ローダLによって主工具マガ
ジン29内の工具25の出し入れを自動的に行うことが
できる。
【0102】図17(b)において、次使用工具25を
保持して工具交換位置P3で待機している工具ローダL
は工具チェックのために呼び出され、まず、主工具マガ
ジン29へ戻され、空の保持溝30に対し工具ポット3
1を返却する。(〈1〉、〈2〉、〈3〉)この位置か
ら工具ローダLは工具収容部材71の収容溝73へ移動
し、収容溝73内の新工具25を保持した工具ポット3
1を取り出して仮置き用の保持溝30Aへ一旦仮置きす
る。(<4>、<5>、<6>、<7>)次に、工具ロ
ーダLは、チェックすべき旧工具25に対する保持溝3
0へ移動し、この保持溝30内の工具ポット31を保持
溝30から取出して工具受け渡し位置P1へ移動し、工
具収容部材71の収容溝73へ払い出す。(<8>、<
9>、<10>、<11>)払い出し後、工具ローダL
は収容溝73内の工具ポット31から抜け出て主工具マ
ガジン29内にて待機する。(<12>) この状態にて、作業者は工具収容部材71を工具入替位
置P2に移動させるなどして工具25をチェックまたは
修理する。図17(c)は、チェック後の工具25を工
具収容部材71に再び収容し、工具受け渡し位置P1に
戻した後の動作を示す。
【0103】図17(c)において、待機中の工具ロー
ダLは、工具取り込み指令によって、移動体47の直線
移動とともに工具収容部材71の収容溝73へ移動さ
れ、収容溝73内のチェック後工具25を保持した工具
ポット31のピン35に係合する。(<13>)次いで
工具ローダLは上昇して収容溝73から工具ポット31
を取り出し、主工具マガジン29側へ移動してもとの保
持溝30に対し工具ポット31を取り込む。(<14
>、<15>、<16>)この後、すぐに工具ローダL
は仮置き用の保持溝30Aへ移動し、新工具25を保持
した工具ポット31を仮置き用の保持溝30Aから取り
出して、工具収容部材71の収容溝73へ戻す。(〈1
7〉、<18>、<19>、<20>)工具ローダL
は、その位置から先ほど主工具マガジン29に一旦返却
された次使用工具25の位置へ移動され、次使用工具2
5を保持した工具ポット31を取り出して再び工具交換
位置P3へ移動し、ATC動作のために待機する。
(〈21〉、〈22〉、〈23〉、〈24〉) (第3
実施形態)次に、この発明の第3実施形態を、図11に
基づいて説明する。
【0104】さて、この実施形態の工具交換装置におい
ても、前記第2実施形態と同様に、補助工具マガジン5
8が省略されている。また、主工具マガジン29は上下
方向に所定間隔をおいて2段分配設され、それらの上側
縁には複数の保持溝30が例えば所定ピッチで配列形成
されている。
【0105】さらに、工具収容部材71はフレーム26
の側部にガイドレール72を介して昇降可能に支持さ
れ、その上面には1つの収容溝73が形成されている。
そして、この工具収容部材71は、第2実施形態と同様
に、常には上方の工具受け渡し位置P1に移動されて、
下段の主工具マガジン29とほぼ一線上に配置され、必
要に応じて手動操作により、下方の工具入替位置P2に
移動配置できるようになっている。
【0106】一方、工具ローダLの移動体47は工具収
容部材71と主工具マガジン29と工具交換アーム27
に対する工具交換位置P3との対応位置間で直線移動さ
れ、この移動体47上には、上下切換用シリンダ74が
配設されている。切換板75は切換用シリンダ74のピ
ストンロッドに取り付けられ、この切換板75上に回動
体50が回動可能に支持されている。そして、前記第1
実施形態と同様に、この回動体50上に把持アーム53
及び受け渡し用シリンダ54が配設され、その受け渡し
用シリンダ54のピストンロッドにフック部材56が固
定されている。これにより、工具ローダLは工具収容部
材71に対応する工具受け渡し位置P1と主工具マガジ
ン29の上下2段の各保持溝30に対応する位置及び工
具交換位置P3へと適宜経路を選択して移動できるよう
になっている。
【0107】さらに、この実施形態においては、工具交
換位置P3と工具交換アーム27の把持部28の高さが
ちがっているため、工具交換位置P3からさらに下方へ
所定量移動させた位置で工具交換を行っている。
【0108】従って、この実施形態の工具交換装置にお
いては、上下2段の主工具マガジン29の各保持溝30
に、多種類の工具25を容易に保持することができ、そ
れらの工具25を順に交換使用して各種の加工を行うこ
とができる。この主工具マガジン29の保持溝30に対
する工具25の脱着時には、工具ローダLが、切換用シ
リンダ74により所定段の主工具マガジン29と対応す
る高さ位置に移動配置された状態で、所定の保持溝30
と対応する位置まで直線移動される。
【0109】そして、この状態で受け渡し用シリンダ5
4によりフック部材56が昇降されて、各保持溝30に
対し工具25が脱着される。このため、主工具マガジン
29に多種類の工具25を保持するように構成した工具
交換装置においても、工具交換アーム27と主工具マガ
ジン29と工具収容部材41との各相互間で、工具25
を円滑に脱着することができる。しかも、工具収容部材
41に収容した工具25を主工具マガジン29を介さず
に直接工具交換位置P3へ搬入することができるため、
主工具マガジン29にない新たな工具25或いは主工具
マガジン29内の旧工具25に対応する新工具25によ
る加工を行う場合に、短時間で主軸24との間で工具交
換が可能となる。
【0110】(第4実施形態)次に、この発明の第4実
施形態を、図18〜図20に基づいて説明する。
【0111】この実施形態は、第1実施形態、第2実施
形態または第3実施形態に示すいずれの構成を用いても
実施できるものであり、各実施形態と対応する同一構造
のものは同一符号を付して、その説明を省略する。
【0112】図18は本発明の工具交換装置を備えた加
工機械Mを上方から見た平面図である。主工具マガジン
29及び工具収容部材71(または41)を工具交換位
置P3での工具軸線lに対し両側に線対称となるように
平行に一対配置し、前記工具軸線l上を1個の工具ロー
ダLが移動して両側の主工具マガジン29及び工具収容
部材71に対し選択的に工具25の受け渡しを行うよう
にしたものである。
【0113】前記第1〜第3実施形態においては、工具
ローダLによる工具の姿勢変更機構を図2で示すように
回動体50上の係合ピン51とフレーム26上のカム溝
52によって構成し、その湾曲部52aの作用により、
工具ローダLの移動とともに主工具マガジン29端から
工具交換位置P3間で工具25の向きを変更させてい
た。これに代えて、本実施形態では、図19及び図20
で示すような姿勢変更機構を工具ローダL上に設け、工
具ローダLの回動体50を両側における主工具マガジン
29及び工具収容部材71と工具交換位置P3にそれぞ
れ対応するように180度の範囲で回動可能としてい
る。
【0114】図19及び図20において、工具ローダL
の移動体47は主工具マガジン29の長手方向に平行な
一対のガイドレール80に沿って、移動用モータ49に
よってボールねじ48を介し移動される。この移動体4
7上の支軸47aを中心に回動体50が回転自在に設け
られ、この支軸47aに固定ギヤ81が同心的に固定さ
れている。回動体50には工具把持アーム53及びフッ
ク部材56でなる工具把持部が設けられている他、一側
においてモータ取付プレート82がボルト等により固定
され、このプレート82上に姿勢変更用のモータ83が
取り付けられている。そして、このモータ83のモータ
軸83aには、前記固定ギヤ81と噛み合う小径ギヤ8
4が取り付けられている。モータ83の駆動によって小
径ギヤ84が回転され、固定ギヤ81との噛合を介して
固定ギヤ81の周りを旋回することになる。これにより
回動体50が支軸47aを中心に回動される。すなわ
ち、モータ83の制御により、一方の主工具マガジン2
9側から工具交換位置P3への移動時には90度、また
工具交換位置P3から他方の主工具マガジン29へさら
に90度、或いは一方の主工具マガジン29側から他方
の主工具マガジン29側へは180度の動きで工具25
の向きを180度の範囲で正逆方向に自由に変更させる
ことができる。
【0115】また、本実施形態では図20において、第
1〜第3実施形態における受け渡し用のシリンダ54を
回動体50に固定した支持アーム85により水平状態に
支持し、そのピストンロッド55を支持アーム85の基
部に支持した揺動アーム86に回動自在に連結して、こ
の揺動アーム86の他端にフック部材56を回動自在に
連結することにより、フック部材56の上下動駆動機構
を構成している。尚、回動体50には取付アーム87を
介して一対の把持アーム53が固定され、この把持アー
ム53に沿ってフック部材56が上下移動される。
【0116】さらに、図18及び図20に示すように、
フレーム26の両側面には工具交換位置P3における工
具軸線lに対し線対称位置にそれぞれマガジン取付部8
8及び工具収容部材支持部89が形成され、マガジン取
付部88には主工具マガジン29がボルト等によって着
脱自在に取り付けられ、工具収容部材支持部89には工
具収容部材71を案内支持するガイドレール72(また
は37)や移動機構等がボルト等によって着脱自在に取
り付けられている。すなわち、必要に応じ、両側或いは
いずれか一側に主工具マガジン29及び工具収容部材7
1を選択配置して使用することを可能としている。
【0117】したがって主工具マガジン29等を両側配
置することによって、主工具マガジン29の全長を延ば
すことなく保持する工具数を倍増でき、多種の加工に対
応できるものとなる。しかも、1つの工具ローダLによ
りいずれの側の主工具マガジン29及び工具収容部材7
1に対しても工具25の移送、受け渡しが容易にでき、
各側専用の工具ローダLを設ける必要がない。
【0118】また、例えば図21で示すように複数台の
加工機械Mを配列して加工ラインを構成するような場
合、加工機械Mへの主工具マガジン29及び工具収容部
材71の取り付け側をワークWの流れ方向Fに対し全て
下流側に統一させるなどワークチェックや工具交換等の
ための作業者の動きに都合の良い側に設けることがで
き、レイアウト上或いは作業上の要求に容易に対応でき
るものである。
【0119】なお、この発明は、次のように変更して具
体化することも可能である。
【0120】(1) 前記第1実施形態の工具交換装置
において、主工具マガジン29を第3実施形態のように
複数段配設すること。
【0121】(2) 前記第2実施形態の工具交換装置
において、工具収容部材71に3つ以上の複数の収容部
としての収容溝73を形成すること。
【0122】(3) 前記第3実施形態の工具交換装置
において、主工具マガジン29を3段以上の複数段配設
すること。
【0123】(4) 前記第1実施形態、第2実施形態
または第3実施形態の工具交換装置において、係合ピン
51とカム溝52とでなる姿勢変更機構を、第4実施形
態で示すモータ83とギヤ84、81とでなる姿勢変更
機構に変更すること。
【0124】(5) 前記第1実施形態、第2実施形態
または第3実施形態の工具交換装置において、フック部
材56の駆動機構を第4実施形態で示す揺動アーム86
等でなるリンク機構に変更すること。
【0125】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。
【0126】請求項1に記載の発明によれば、工具交換
位置、工具マガジンの各保持部及び工具収容部材が略一
直線上に整然と配置され、これらに沿って1つの工具ロ
ーダが迅速に移動でき、工具が工具交換アームと工具マ
ガジンとの間、工具マガジンと工具収容部材との間、工
具収容部材と工具交換アームとの間で短時間で交換され
る。これにより、加工中でも、工具マガジンへの工具の
取り替えが可能となる。しかも、工具収容部材に収容さ
れた工具が、工具マガジンを経由することなく、工具交
換アームに対して工具を直接搬入出することができて、
工具の入れ替えを短時間に行うことができ、作業効率の
向上に寄与できる。
【0127】直線的な工具マガジンを用いたことによ
り、工具マガジンの割り出し機構も要らず装置全体を小
型化することができ、加工機械のフレーム上方の小さな
空きスペースにも簡単に装設することができる。
【0128】また、この発明によれば、工具交換アーム
と工具マガジンと工具収容部材との各相互間における工
具の受け渡しを、1つの工具ローダにより行うことがで
きるため、工具の搬送構造が簡単で、製造コストを低減
することができる。又、工具マガジンが加工機械の上方
の高い位置に装設され、工具ローダが高い位置でも、工
具収容部材を受け渡し位置からさらに低い位置に移動し
て工具の入れ替え作業をし易い低い位置にて行うことが
できる。
【0129】請求項2に記載の発明によれば、工具マガ
ジンの各保持部全てに対応する新しい工具を補助工具マ
ガジンに予め保持しておくことができ、工具収容部材に
対し補助工具マガジンから自動的に工具の入れ替えが行
える。
【0130】
【0131】
【0132】
【0133】
【0134】
【0135】
【0136】
【0137】
【0138】
【0139】
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
【0144】
【0145】
【0146】
【0147】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の工具交換装置の第1実施形態を示
す正面図。
【図2】 その工具交換装置の要部平面図。
【図3】 工具ローダを拡大して示す部分正面図。
【図4】 工具収容部材を拡大して示す部分正面図。
【図5】 主工具マガジンに収納状態の工具ポットを示
す平面図。
【図6】 工具収容部材に収納状態の工具ポットを示す
側面図。
【図7】 補助工具マガジンと工具収容部材との間の工
具ポットの受け渡し動作を示す正面図。
【図8】 同じく補助工具マガジンと工具収容部材との
間の工具ポットの受け渡し動作を示す背面図。
【図9】 工具検出用センサの配設構成を示す部分斜視
図。
【図10】 この発明の工具交換装置の第2実施形態を
示す正面図。
【図11】 この発明の工具交換装置の第3実施形態を
示す正面図。
【図12】 第1実施形態の自動工具交換動作に関する
説明図。
【図13】 第1実施形態のマニュアル指令による工具
交換動作に関する説明図。
【図14】 第1実施形態の取り込み優先の工具交換動
作に関する説明図。
【図15】 第1実施形態の払い出し優先の工具交換動
作に関する説明図。
【図16】 第2実施形態の工具交換動作に関する説明
図。
【図17】 第2実施形態のさらに他の工具交換動作に
関する説明図。
【図18】 この発明の工具交換装置の第4実施形態を
示す平面図。
【図19】 第4実施形態の工具ローダを示す平面図。
【図20】 図19の矢印A方向から見た一部破断側面
図。
【図21】 第4実施形態の工具交換装置を備えた加工
機械を複数台配列した場合の平面図。
【符号の説明】
24…主軸、25…工具、27…工具交換アーム、29
…工具マガジンとしての主工具マガジン、30…保持部
としての保持溝、30A…仮置き用の保持溝、31…工
具ポット、32…第1係合溝、33…第2係合溝、35
…ピン、36…昇降体、41…工具収容部材、46…収
容部、47…移動体、49…移動用モータ、50…回動
体、51、52…姿勢変更機構を構成する係合ピンとカ
ム溝、53…工具把持部を構成する把持アーム、54…
受け渡し用シリンダ、56…工具把持部を構成するフッ
ク部材、58…補助工具マガジン、60…保持部として
の保持溝、61…センサ、71…工具収容部材、73…
収容部としての収容溝、81、83、84…姿勢変更機
構を構成する固定ギヤとモータと小径ギヤ、88…マガ
ジン取付部、89…工具収容部材取付部、L…工具ロー
ダ、M…加工機械、P1…工具受け渡し位置、P2…工
具入替位置、P3…工具交換位置、l…工具交換位置P
3での工具軸線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−32238(JP,A) 特開 昭61−226241(JP,A) 特開 平6−741(JP,A) 実開 平3−113740(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 3/155 B23Q 3/157 B23Q 17/09

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸と、複数の保持部を有する工具マガ
    ジンと、この工具マガジンの1つの保持部から工具交換
    位置に取り出された工具と前記主軸上の工具とを交換す
    る工具交換アームとを備えた工具交換装置において、フレームの上方に固定された 前記工具マガジンには各保
    持部が一方向に開口した状態で直線上に配列され、この
    工具マガジンの一端側に前記工具交換位置、他端側に工
    具マガジンに対し取り替えるべき工具を収容する工具収
    容部材を配置し、前記工具交換位置と工具マガジンの各
    保持部に対応する位置と前記工具収容部材の位置との間
    を移動して工具交換アームと工具マガジンの保持部と工
    具収容部材との間で工具の受け渡しを行う工具ローダを
    設け 前記工具収容部材は工具ローダとの間で工具の受け渡し
    をする位置と、そこから離れた工具入替位置との間を移
    動可能に構成し、 前記工具入替位置から移動して工具収容部材に保持され
    た工具を、前記工具ローダにより取り出して前記工具マ
    ガジンを介さないで直接前記主軸上の工具と工具交換位
    置において交換可能にした ことを特徴とする工具交換装
    置。
  2. 【請求項2】 前記工具入替位置に対応して、工具を保
    持するための複数の保持部を有する補助工具マガジンを
    配設し、工具収容部材を補助工具マガジンの各保持部と
    対応する位置に移動させて、工具収容部材と補助工具マ
    ガジンの各保持部との間で工具を入れ替えるようにした
    請求項1記載の工具交換装置。
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