JP3170396B2 - 半導体式のアンモニアガスセンサ及びその製造方法 - Google Patents

半導体式のアンモニアガスセンサ及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素、一酸化炭素、炭
化水素、及びメタノール、エタノール、アセトン、トル
エン等の有機溶剤に対して選択性のあるアンモニアガス
センサとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アンモニアを検知するセンサとし
ては、隔膜電極を用いた電解方式のもの、アンモニアイ
オン電極を用いたもの、PH電極を用いたもの等がある
が、何れも電解液等液体を用いるため、装置が大型、複
雑となり、液の補充、交換等の保守管理を頻繁に行わな
ければならない等の問題があった。そこで、最近、金属
酸化物半導体を用いたアンモニアガスセンサが提案され
ている。このセンサは、原子価制御された酸化スズ半導
体にバナジウムと鉛、あるいはバナジウム、ランタンと
鉛を添加したものであり、アンモニアガスに対して高感
度で、水素、一酸化炭素、炭化水素に優れたガス選択性
を有する。更に、特開平5−45318及び特開平5−
45319で提案されているセンサにおいては、上記の
構造において、センサの外周部にアルミナ、シリカ、シ
リカアルミナ、ゼオライトの中から選択された少なくと
も一種を担体とし、タングステンの酸化物もしくはモリ
ブデンの酸化物の一方もしくは両方を担持物として担持
した触媒層を設け、この触媒層のもつ脱水作用によりエ
タノールを感度の低いエチレンに変換しエタノールに対
する選択性を得ている。一方、前者の流れとは別に、酸
化スズ半導体をベースとし、バナジウム、鉛等を添加す
ることなくパラジウムを添加して構成した半導体式ガス
センサが、可燃性ガスに対するセンサとして提案されて
いる。このセンサの構成を模式的に示すと、図5に示す
構成となり、基板2の一面に電極3を、他面にヒータ4
を形成し、ガス感応部である酸化スズを主成分とする金
属酸化物半導体部5が、前記電極3側に設けられる。こ
こで、この金属酸化物半導体部5にはほぼ均等にパラジ
ウムが添加される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
5−45318及び特開平5−45319で提案されて
いるものは、検知対象ガスとしてはアンモニアを対象と
するものの、脱水反応により分解されないエタノール以
外の有機溶剤、例えばメタノール、アセトン等に対して
高感度であり、検知対象ガスであるアンモニアガスと妨
害ガスであるこれらのガスとを識別検知できない。一
方、酸化スズ半導体をベースとし、これにパラジウムを
添加した半導体式ガスセンサにおいては、本来、これ
が、可燃性ガス(例えば、水素、一酸化炭素、炭化水
素、エタノール、及び脱水反応により分解されないメタ
ノール、アセトン、トルエン等の有機溶剤)の検知を目
的とするため、これらに対しては高感度であるが、アン
モニアのみを選択的に検知できない。具体的には、この
構成のセンサでは、動作温度を300℃に設定するとア
ンモニアに対して感度が生じ、メタンに対しては選択性
を備えることができるが、一酸化炭素、イソブタンに対
しては選択性が悪く、特に水素、アルコールをはじめと
する有機溶剤に対しては選択性を得られず、アンモニア
ガスセンサとしては不充分である。
【0004】従って、本願の目的は、従来型のパラジウ
ム添加の酸化スズ半導体を主成分とする金属酸化物半導
体式ガスセンサにおいて、アンモニアガスに対して高感
度であり、かつ、有機溶剤をはじめとする可燃性ガスに
対して選択性を有する半導体式のアンモニアガスセンサ
を得、さらにこういった特性を有するセンサの製造方法
を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明による酸化スズを主成分とし、金属または酸化
物もしくはそれらの混合物の形態でパラジウムを添加さ
れた金属酸化物半導体部と、金属酸化物半導体部に電気
的に接続された検出電極とを備えて構成される半導体式
のアンモニアガスセンサの特徴構成は、金属酸化物半導
体部が、パラジウムとスズとの原子分率(Pd/Sn×
100)が4〜20%に調整されたパラジウム富化表面
層と、パラジウム富化表面層におけるパラジウム濃度に
対し、添加されるパラジウムの濃度が1/20〜1/4
に調整された金属酸化物半導体内部とを備えて構成され
ることにある。一方、検出電極を備え、検出電極と電気
的に接続され、且つ金属または酸化物もしくはそれらの
混合物の形態でパラジウムを添加された酸化スズを主成
分とする金属酸化物半導体部を備えさせた半導体式のア
ンモニアガスセンサを製造する製造方法の特徴手段は、
金属酸化物半導体部の表面に電析担持法によりパラジウ
ムを担持させて金属酸化物半導体部の表面にパラジウム
富化表面層を形成する、あるいは、金属酸化物半導体部
を所定温度以上に維持しながら、金属酸化物半導体部に
パラジウムを含む水溶液を含浸担持し、金属酸化物半導
体部の表面にパラジウム濃度の高いパラジウム富化表面
層を形成することにある。そして、これらの作用、効果
は以下のとうりである。
【0006】
【作用】本願のアンモニアガスセンサは従来の半導体ガ
スセンサの構成にほぼ等しく、金属酸化物半導体部であ
る酸化スズを主成分とする半導体に添加物を添加した感
応部が主要構成部となっている。この構成のセンサは、
検知対象ガスに曝露されるとこの感応部の電気伝導度が
変化し、この変化を検出電極により電気的に取り出すこ
とによりガスの検出が可能となる。ここで本発明のアン
モニアガスセンサにおいては添加物としてパラジウム触
媒を用いている。先ず、図4に基づいてパラジウム添加
によるセンサ感度の変化について説明する。ここでは、
水素を妨害ガスの代表として説明する。図4aには、パ
ラジウムの添加量を変化させた場合のアンモニア感度
が、添加量をパラメータとして示されている。ここで、
各感度曲線に付けた番号が大きいものが、添加濃度が高
く、0番のものは何も添加しない場合を示している。一
方、図4bには、パラジウムの添加量を変化させた場合
の水素感度が、同様に添加量をパラメータとして示され
ている。横軸はセンサ温度を示し、縦軸に任意単位でセ
ンサ感度を示す。図4aから明らかなようにパラジウム
の添加によりアンモニア感度は増感される。特に400
℃より低温ではパラジウムの添加量が増すと、アンモニ
ア感度も増している。一方、図4bから明らかなよう
に、パラジウムの添加により水素感度も増すが、パラジ
ウムの添加量が増すと高温側で水素感度は低下し、パラ
ジウムを添加しない場合より水素感度は低くなる。これ
はパラジウムにより水素が燃焼除去された結果であると
考えられる。またパラジウムの添加量が増すと感度が低
下する温度が低温側に、大きく移動する。そして、この
ようなパラジウム添加による水素感度の変化は、他の可
燃性ガス(例えば、水素、一酸化炭素、炭化水素、エタ
ノール、特に脱水反応により反応除去されないメタノー
ル、アセトン、トルエン等の有機溶剤)に対しても起こ
る。従って、以上の結果から、酸化スズを主成分とする
金属酸化物半導体に担持されたパラジウムは二つの作用
があると考えられる。一つはアンモニア感度を高める作
用であり、二つは可燃性ガスを燃焼除去する作用であ
る。よって、本願のアンモニアガスセンサにおいては最
も有効にこれらの作用が利用される。即ち、半導体式ガ
スセンサの金属酸化物半導体部の表面におけるパラジウ
ム濃度及び内部における濃度を適切に選択することによ
り、表面において、可燃性ガス(水素、一酸化炭素、炭
化水素、エタノール、さらには、脱水反応により反応除
去されないメタノール、アセトン、トルエン等の有機溶
剤をも含む)を有効に燃焼除去し、金属酸化物半導体内
部において、アンモニアガスを高い感度で検知して、選
択性に優れ、信頼性高くアンモニアガスが検知できる
(後述の図2、表1、表2参照)。さらに上記のような
特性を有する半導体式のアンモニアガスセンサを製造す
る場合は、電析担持法、もしくは加温状態下でパラジウ
ムの含浸をおこなうことにより、パラジウム濃度の高い
パラジウム富化表面層を備えた半導体式のアンモニアガ
スセンサを得ることができる。
【0007】
【発明の効果】結果、アンモニアガスに対して高感度で
あり、かつ、有機溶剤をはじめとする可燃性ガス(例え
ば、水素、一酸化炭素、炭化水素、エタノール及び脱水
反応により分解されないメタノール、アセトン、トルエ
ン等の有機溶剤)に対して選択性を有する半導体式のア
ンモニアガスセンサを得ることができた。本願のガスセ
ンサは、従来、脱水反応により反応除去できなかった有
機溶剤に対しても、アンモニアの選択性が確保される。
これは従来のアンモニアガスセンサにはなかった優れた
特性である。更にこのセンサは、従来の半導体式ガスセ
ンサの構成をほぼそのまま踏襲したものであるため、構
造が簡単で、保守・点検も非常に簡単なものになってい
る。また、本願の製造方法を採用することにより、効率
的且つ確実にパラジウム富化表面層を形成して、上記の
様々な利点を備えて半導体式のアンモニアガスセンサを
得ることができる。
【0008】
【実施例】本願の実施例を図面に基づいて説明する。説
明にあたっては、センサの構造、センサの作成方法、セ
ンサの性能の順に説明する。
【0009】〔センサの構造〕図1に本願の実施例のア
ンモニアガスセンサ1の断面図が示されている。本願の
半導体式のアンモニアガスセンサは、アルミナ絶縁体基
板2の一面に検出電極としての白金薄膜櫛形電極3を、
他面に白金薄膜ヒータ4を形成し、ガス感応体である酸
化スズを主成分とする金属酸化物半導体部5を、前述の
櫛形電極の上に形成したものである。さらに、この金属
酸化物半導体部5は、パラジウムとスズとの原子分率
(Pd/Sn×100)が4〜20%に調整されたパラ
ジウム富化表面層6と、パラジウム富化表面層における
パラジウム濃度に対し、添加されるパラジウムの濃度が
1/20〜1/4に調整された金属酸化物半導体内部7
とを有して構成されており、パラジウム濃度は金属酸化
物半導体部5の表面で高濃度に、内部では低濃度になる
ように調整されている。この構造においては、センサ内
部に担持されたパラジウム、特に櫛形電極3近傍に担持
されたパラジウムによりアンモニアに対するセンサの感
度が高められ、主としてセンサ表面(パラジウム富化表
面層6)に担持されたパラジウムにより、水素、一酸化
炭素、炭化水素、エタノール及び脱水反応により分解さ
れないメタノール、アセトン、トルエン等の有機溶剤等
の可燃性ガスが燃焼除去され、可燃性ガスに対するアン
モニアの選択性が高められる。
【0010】〔センサの作製方法〕次に、上記の構成の
半導体式のアンモンアガスセンサ1の作成方法について
説明する。所定量のパラジウムを添加した酸化スズを主
成分とする微粉末を水で練ってペースト状にし、ガスセ
ンサの白金薄膜櫛形電極3に塗布し、乾燥後、700℃
で15時間焼成する。次に、パラジウム濃度が富化され
たパラジウム富化表面層6を形成する。この過程におい
ては電析担持法が採用される。即ち、塩化パラジウムの
水溶液を電解液とし、陽極に白金線を陰極にセンサ素子
をつないで電析する。電解電圧は2〜4ボルトである。
なお本願の場合は、単に電解液への浸漬だけでも電析
(接触メッキ)できる。即ち、白金薄膜櫛形電極3の両
端は白金線によりニッケルピンに固定されているため、
塩酸性溶液にセンサ素子を浸漬すると、白金電極とニッ
ケルピンの間に電池が形成され、その電池作用により陰
極の白金薄膜櫛形電極3上にある金属酸化物半導体部5
表面にパラジウムが析出する。いずれの手法をとる場合
においても、電析を完了した後、室温で乾燥し、その後
600℃で30分焼成し金属酸化物半導体部5の作成を
完了する。
【0011】〔センサ性能の説明〕次に、センサの性能
について説明する。図2に本願の半導体式のアンモニア
ガスセンサ(パラジウム添加量、表面12%、内部(半
導体内部)表面の1/10)の、各種ガスに対する動作
温度365℃における濃度依存性カーブを示す。同図か
らも明らかなように低濃度アンモニアに対して高感度で
あり1ppmのアンモニアガスをも検知できる。また水
素(H2)、エタノール(C25OH)及びメタノール
(CH3OH)、アセトン(CH3COCH3)、トルエ
ン(C78)等の有機溶剤に対しても十分な選択性を示
しており信頼性の高いセンサが得られている。
【0012】次に、図3に本願のアンモニアガスセンサ
1のセンサ動作温度とアンモニアガス及び妨害ガスの代
表としての水素ガスの感度の関係を示す。同図には30
ppmアンモニアと300ppm水素に対する感度が示
されており、図3(a)に本願のセンサの感度特性が、
図3(b)に従来のセンサ(これは特にアンモニア検知
を目的としたものではなく可燃性ガスを検知対象とし、
酸化スズ半導体にパラジウムを添加した構成のもの)の
感度特性が示されている。実線がアンモニアガスに関す
るものであり、破線が水素ガスに関するものである。以
下、それぞれのセンサの特徴を整理して示す。 本願のセンサ 従来型センサ パラジウム濃度比較 金属酸化物半導体部5 パラジウム分布 表面にPd富化分布 半導体内部均等分布 パラジウム富化表面層6 4〜20% 0.8% 金属酸化物半導体内部7 表面の1/20〜1/4 0.8% センサ特性比較 アンモニア検知最適温度 365℃ 390℃ アンモニアと水素との感度比〔アンモニア300ppm/水素30ppm〕 2.3 0.65 以上説明した図3に示すように、この構成のセンサにお
いては、アンモニア及び水素に対して、それぞれ感度が
最大となる温度域が存在し、この温度以上では感度は大
きく減少する。即ち、本願のセンサにおいては、アンモ
ニアに対する感度は365℃付近で最も高くそれ以上の
温度領域では急激に低下する。これはアンモニアに対し
てパラジウム富化表面層において燃焼除去が始まってい
ることによると考えられる。さらに、水素に対する燃焼
除去は、これよりやや低温の335℃から始まってい
る。そして、最大感度を与える温度を従来のセンサと比
較すると、従来のものがほぼ両方のガスに対して390
度近傍であるのに対して、本願のセンサにおいては、ア
ンモニアに対しては最大感度を与える温度の温度低下が
少なく、また感度の大幅な増加が得られているのに対し
て、水素に対しては最大感度を与える温度の温度低下は
低温側に移動するとともに、感度も低下している。従っ
て、この特徴を利用して本願のセンサにおいては、水素
に対するアンモニアの選択性が確保される。この状況
は、他の妨害ガスに対してもほぼ同様な状況であり、結
果的に良好なアンモニアガスセンサが得られている。
【0013】次にパラジウム富化表面層6におけるパラ
ジウム濃度Pd(表面)と、金属酸化物半導体内部7に
おけるパラジウム濃度Pd(内部)との比(Pd(内
部)/Pd(表面))を変えた場合の、30ppmアン
モニアに対するアンモニア感度と300ppm水素、3
00ppmエタノールそれぞれに対する感度の比の変化
を表1〜2に示す。パラジウム(Pd)濃度はパラジウ
ムとスズとの原子分率で表しており、X線マイクロアナ
ライザーにより測定されている。ここで、本願における
表現のうちパラジウム富化表面層6は表面分析機器で分
析する場合の表面であり、内部は電極近傍の位置(例え
ば電極上50μm)をその代表点としている。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】上記の結果の評価において、感度比が1で
あってもアンモニアガスに対する感度は他ガスの10倍
の感度がある。この感度比が1以上すなわちアンモニア
ガスに対する感度が他ガスの10倍以上の感度があるこ
とがアンモニアガスセンサとして有効な条件といえる。
従って、表1〜2の結果より、パラジウム富化表面層6
におけるパラジウム濃度Pd(表面)が4〜20%で、
金属酸化物半導体内部7におけるパラジウム濃度Pd
(内部)との比(Pd(内部)/Pd(表面))が1/
20〜1/4の範囲にある場合が、良好な結果である。
なおパラジウム富化表面層6におけるパラジウム濃度P
d(表面)が25%以上では、センサ動作温度で清浄空
気中における金属酸化物半導体部5の抵抗値が個々のセ
ンサによって大きくバラつくため実用的でない。これは
パラジウム(Pd)濃度が高濃度になったため表面パラ
ジウム(Pd)において一部電気的にパスができるため
と考えられる。
【0017】〔別実施例〕以下、本願の別実施例につい
て説明する。 (イ) 上記の実施例においては、パラジウム濃度が富
化されたパラジウム富化表面層6を得るために、いわゆ
る電析担持法を採用しているが、含浸法においてもパラ
ジウム富化表面を得ることは可能である。即ち、白金薄
膜ヒータにより素子の温度を200℃以上にした状態で
塩化パラジウム水溶液を含浸しても、金属酸化物半導体
の表面にパラジウム(Pd)を局所的に担持することが
できる。この手法においては、処理温度とパラジウム溶
液の滴加量が重要なファクターである。さらに、金属酸
化物半導体内部7のパラジウム添加法としては、ペース
トの段階で所定量のパラジウムを金属酸化物半導体に加
えてもよく、また、酸化スズを主成分とする焼結体に所
定温度に希釈された塩化パラジウム水溶液を室温で含浸
し、乾燥後600℃で30分焼成してもよい。
【0018】(ロ) さらに、上記の実施例においては
図1に示すよう白金薄膜櫛形電極3をもつ基板2上に金
属酸化物半導体部5を形成した基板型のセンサ構成を示
したが、本願は金属酸化物半導体部5に関するものであ
りセンサ構成によらず有効である。例えば、電極とヒー
タとを兼ねているコイルに金属酸化物半導体部を形成し
た熱線型半導体式センサでもよく、また基板上に電極と
ヒータを兼ねた抵抗体を形成しその上に金属酸化物半導
体部を形成した基板型の熱線型半導体式センサでもよ
い。その他のセンサ構成でもよい。また実施例では白金
薄膜櫛形電極を用いているが、電極の材料、形状によら
ず本願は有効である。
【0019】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願のアンモニアガスセンサの構造を示す図
【図2】本願のアンモニアガスセンサの各種ガスに対す
る感度特性を示す図
【図3】アンモニア及び水素ガスに対する本願及び従来
のセンサの感度変化を示す図
【図4】パラジウム添加によるアンモニア及び水素ガス
に対する感度変化の説明図
【図5】従来のアンモニアガスセンサの構造を示す図
【符号の説明】 3 検出電極 5 金属酸化物半導体部 6 パラジウム富化表面層 7 金属酸化物半導体内部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化スズを主成分とし、金属または酸化
    物もしくはそれらの混合物の形態でパラジウム(Pd)
    を添加された金属酸化物半導体部(5)と、前記金属酸
    化物半導体部(5)に電気的に接続された検出電極
    (3)とを備えて構成される半導体式のアンモニアガス
    センサであって、前記金属酸化物半導体部(5)が、パ
    ラジウムとスズとの原子分率(Pd/Sn×100)が
    4〜20%に調整されたパラジウム富化表面層(6)
    と、前記パラジウム富化表面層(6)におけるパラジウ
    ム濃度に対し、添加されるパラジウムの濃度が1/20
    〜1/4に調整された金属酸化物半導体内部(7)とを
    備えて構成される半導体式のアンモニアガスセンサ。
  2. 【請求項2】 検出電極(3)を備え、前記検出電極
    (3)と電気的に接続され、且つ金属または酸化物もし
    くはそれらの混合物の形態でパラジウム(Pd)を添加
    された酸化スズを主成分とする金属酸化物半導体部
    (5)を備えさせた半導体式のアンモニアガスセンサを
    製造するに、前記金属酸化物半導体部(5)の表面に電
    析担持法によりパラジウム(Pd)を担持させてパラジ
    ウム富化表面層(6)を形成する半導体式のアンモニア
    ガスセンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 検出電極(3)を備え、前記検出電極
    (3)と電気的に接続され、且つ金属または酸化物もし
    くはそれらの混合物の形態でパラジウム(Pd)を添加
    された酸化スズを主成分とする金属酸化物半導体部
    (5)を備えさせた半導体式のアンモニアガスセンサを
    製造するに、前記金属酸化物半導体部(5)を所定温度
    以上に維持しながら、前記金属酸化物半導体部(5)に
    パラジウムを含む水溶液を含浸担持し、前記金属酸化物
    半導体部(5)の表面にパラジウム濃度の高いパラジウ
    ム富化表面層(6)を形成する半導体式のアンモニアガ
    スセンサの製造方法。
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