JP3169342B2 - 横向き多層盛りの自動溶接方法 - Google Patents

横向き多層盛りの自動溶接方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄骨の柱一梁フラ
ンジの溶接などに適用される多層盛りの自動溶接方法に
係り、特に横向き姿勢で全自動によって溶接を行う多層
盛りの自動溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】横向き姿勢で多層盛りを行う自動溶接
は、従来、予め実験により適正な溶接条件を求めてお
き、これをデータベースとして記憶しておき、板厚や開
先角度に応じて最適なデータを呼び出して溶接条件を決
定して溶接する方法がとられてきた。その代表的な例と
して、長菱エンジニアリングの直行型ロボット「BOX 石
松」がある。このロボットに記憶されているデータベー
スは、全パスをストレート溶接で行い、融合不良などの
欠陥が発生しやすい前パスビードの凹部をアークが通過
するようにトーチの位置を調整するものである。
【0003】しかし、この方法では、ルートギャップが
溶接方向に変動した場合にビード形状が変化するため、
トーチ位置もそれに応じて変化させる必要があり、広範
囲のルートギャップ変動に対応可能にさせるためには、
大きなデータベースが必要となり、データベースの作成
に莫大な負荷が掛かるという問題があった。なお、トー
チ位置をデータベースとして持つのではなく、ルートギ
ャップに応じて、あるロジックによりそのつど算出する
方式にするとしても、算出結果を実験に基づいた値と一
致させるには計算式が非常に複雑となり、このロジック
の開発に手間が掛かることに変わりはない。また、この
方法では、溶接は全てストレート溶接であるので、溶着
断面積が大きくなるとビードが垂れやすく、ビード形状
が不良となり、アークが前ビードの凹部を通過せず、欠
陥が発生しやすいという問題もあった。
【0004】このように、予め記憶したデータベースに
基づいてトーチ位置を決定する方法の欠点を改善するも
のとして、トーチ位置を前パスビード形状に基づいて算
出する方法がある。この方法は、トーチ位置のデータベ
ースを必要とせず、ビード形状のバラツキにも対応し易
い利点がある。例えば、特開昭62−173077号公報に開示
の方法は、各パスの溶接条件に基づいて1パス当たりの
溶着断面積、ビード高さ、ビード幅を算出し、これらの
算出値と非接触型センサーなどにより検出した前パスビ
ード位置の検出値に基づいて適正なトーチ位置を決定す
るものである。この方法では、前パスビードの形状を非
接触型センサ等により検出してからトーチ位置を決定す
るので、アークが前ビードの凹部を確実に通過するよう
制御することができる。また、特開平6 −640 号公報に
開示の方法は、開先に接するパスの溶接時は高速回転ア
ーク溶接によりアークセンサ方式の開先倣い制御のもと
で溶接し、開先壁に接しない中間パスの溶接時は前パス
における開先倣い制御データを再生して溶接する方法を
採用している。この方法でも、アークセンサにより前パ
スビードの形状を倣うのでアークが前ビードの凹部を確
実に通過するように制御することができる。
【0005】しかしながら、上記特開昭62−173077号公
報、特開平6 −640 号公報の技術は、いずれも非接触型
センサやアークセンサのような特別な装置を必要とし、
費用が高くなるという欠点があった。また、特に特開昭
62−173077号公報においては、トーチ位置決定のための
計算が複雑でソフト開発のための工数が大きくなるとい
う問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来技術
では、制御に必要なデータベースの作成に大きな負荷を
必要としたり、センサー等の設備費が過大になるなどの
難点があり、また特に溶接方向でのギャップ変動がある
場合にはこれらの影響が顕著にあらわれるという問題が
残っていた。そこで、本発明の目的は、従来技術が抱え
ていた従来技術の問題点を解決するための横向き多層盛
りの自動溶接方法を提供することにある。すなわち、本
発明の目的は、特別なセンサーを必要とせず、制御に必
要なデータベースが容易に作成でき、溶接条件を決定す
るためのソフトが単純になる、横向き多層盛りの自動溶
接方法を提供することにある。さらに本発明の目的は、
上記の利点が、溶接方向にギャップ変動が存在する場合
に効果的に発揮され、しかも溶接部の内部欠陥がなく、
ビード外観が良好な横向き多層盛りの自動溶接方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、開先内を横向
き姿勢で多層盛りの自動溶接を行う方法において、複数
パス溶接となる第2層以降の溶接に当たり、開先断面に
おけるトーチの狙い位置を、同一層内のパスは同一の直
線上にあり、第2層から(最終−1)層までは、前記直
線上の各パスは等間隔であって、層内のパスを結ぶ各直
線は互いに平行かつ等間隔になるように設定し、第2層
の第1パスから(最終−1)層の最終パスまでの各パス
の溶着断面積が等しくなるように溶接条件を設定し、さ
らに、開先下面に接するパス以外のパスではウィビング
しながら溶接することを特徴とする横向き多層盛りの自
動溶接方法。
【0008】また本発明は、溶接方向のルートギャップ
が変動する開先の溶接に際して、上記構成要件に加え
て、予め、ルートギャップとトーチ位置および溶接速度
との間の関係を求めておき、この関係を用いて、溶接時
のルートギャップの変動に応じて、トーチ位置と溶接速
度を制御することにより、溶接方向における溶接層数及
びパス数を増減させることなく溶接することを特徴とす
る請求項1に記載の横向き多層盛りの自動溶接方法。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態を
説明する。図1は、開先断面における本発明法における
のトーチ位置(溶接チップ先端より突出したワイヤの先
端位置をさすものとする。以下同じ)の設定方法を示す
ものである。図1のごとく、開先の横断面におけるトー
チ位置は、第2層以降の同一層内における第1パスから
最終パスまでの間の各パスは同一の直線上にあるよう
に、また第2層目から(最終−1)層すなわち仕上げ層
直前の層までの各層では、前記直線上の各パスは等間隔
であって、しかも層内のパスを結ぶ各直線は互いに平行
(すなわち同じ傾斜角度)かつ等間隔になるように設定
する。また、第2層から(最終−1)層までの各パスの
溶着断面積はすべて等しくする。具体的には、これら各
パスの溶着断面積を、(全溶着断面積から初層と最終層
の溶着断面積を差し引いた値)/(第2層から(最終−
1)層までの全パス数)で表される一定の値とし、各パ
スの溶着断面積が等分となるように溶接条件を設定す
る。ここに、溶着断面積を制御するために操作しうる溶
接条件としては、溶接ワイヤ送給速度と溶接速度が挙げ
られ、溶け込み量、ビード形状、溶接能率等の諸要件を
考慮しつつ、必要な溶着断面積が得られるように適宜決
定すればよい。ただし、後述するように、ルートギャッ
プが溶接方向で変動する場合には、各パスの溶着断面積
も溶接方向に変動するので、溶接条件を連続的に変化さ
せる必要があるが、溶接ワイヤ送給速度を変化させると
溶接電流が変化し、アークを安定させるには溶接電圧の
調整も必要となり、溶接条件制御が複雑となるので、溶
接速度のみを変化させて制御するのが望ましい。
【0010】本発明におけるこのような積層パターンを
採用すると、トーチ位置を全て数学的な等分割で設定す
るので、その算出が極めて簡単であり、従来技術におけ
る複雑な計算や前パスビードの形状を検出するための特
別なセンサなどを必要とすることなく、比較的安価な装
置で良好な溶接が可能となる。というのは、本発明法で
は、従来法で行っていた、前パスビードの凹部とトーチ
位置を一致させるための配慮を行わないからである。
【0011】ただし、この方法では、実際のビード形状
の凹部と溶接狙い位置とが一致せず、それがブローホー
ルや融合不良といった欠陥を生ずることが懸念される。
そこで本発明は、上記積層パターンにウィビングを組み
合わせることにより、溶接欠陥を発生しないようにす
る。
【0012】ウィビングを併用する理由は次のとおりで
ある。横向きの積層溶接においては、溶接部の内部欠陥
とビード形状の垂れが生じやすく、これらの発生を抑え
ることが必要となる。発明者らは、この対策としてウィ
ビングについての検討を行った。板厚19mm、ルートギャ
ップ5mmの試験体において、ウィビングを行わない場合
と、各層中間パスは3mmの幅、各層最終パスは2mmの幅
でウィビングを行った場合とで内部欠陥の発生個数を調
査した。その結果を表1に示す。
【表1】
【0013】表1から、ウィビングの実施はブローホー
ルの低減に大きな効果があることが判る。このような現
象は、ウィビングすることにより、溶融池表面幅の拡大
と溶融池の攪拌が起こり、ブローホールの離脱を促進す
ることによって得られると考えられる。また、ウィビン
グは入熱の分散によりビード形状の垂れを軽減する効果
もある。さらに、従来技術では、前パスまでの溶接で得
られたビードの凹部に、確実にアークを通過させないと
その部分は融合不良の欠陥となりやすかったが、本発明
法では、図2に示すように、ウィビングを行うことによ
り、アークは確実にビードの凹部を通過するので、その
様な問題も回避される。
【0014】ここで、ウィビング幅は、前パスビードの
凹部の発生位置のバラツキ範囲をアークが十分カバーす
ることに配慮するとともに、溶着断面積と溶接の溶け込
み探さの兼ね合いから適切な範囲を決定すればよい。こ
こに、ウィビング幅が過小であると、溶着断面積が大き
い場合に、ビードが垂れやすく形状不良になり、逆にウ
ィビング幅が過大になると、入熱が分散して溶け込み量
が減少するので前パスビードの凹部を十分に溶かすこと
ができず、欠陥が発生する恐れがある。ただし、開先下
面の壁に接するバスでは溶融池が開先下面の壁によって
支えられるため、開先上面の壁に接するパスや壁に接し
ないパスに比べ、ビード形状の垂れは少ないので、ウィ
ビングは必ずしも必要としない。
【0015】また、本発明において、トーチ位置および
溶着断面積を定める範囲を、第2層から(最終−1)層
までを対象としているのは次のような理由による。第1
層は、裏当て金と下板との間の空気が膨張、噴出して他
の層に比べてブローホールが発生しやすく、他の層と同
一の条件では良好な溶接が行えないことが多く、また最
終層は開先の外へ余盛りを行う溶接となるのでビードが
垂れやすく、他の層と同一条件ではビードの外観が不良
となる場合が多いからである。なお、開先や裏当て金の
条件などによって良好な溶接が得られる場合には、当
然、第1層から最終層までの全パスに亘り、本発明法に
従って、トーチ位置および溶着断面積を決定してもよ
い。
【0016】次に、ルートギャップが変動する開先、い
わゆるテーパギャップのある開先を溶接する場合におけ
る本発明法について説明する。本発明法では、テーパギ
ャップであっても溶接層数及びパス数を一定に保って溶
接を行うので、溶接長さ方向の途中の位置で、パス数の
増減のためのアークの中断を行う必要がなく、テーパギ
ャップ内を連続して溶接することが可能となる。この場
合、ギャップの増減による溶着金属量の変化には、1パ
ス当たりの溶着金属量を変化させることにより対応させ
るので、従来技術のようにルートギャップに応じてパス
数を変化させる方法に比べて溶着量の変動幅が大きくな
る。このため、溶着量が少ない部分では溶け込み不足、
溶着量が多い部分ではビードの垂れが発生する恐れが大
となる。そこで本発明においては、テーパギャップ内を
溶接する際に、溶接層数およびパス数を溶接方向では変
化させず、一定の溶接層数およびパス数で溶接すること
に加えて、ウィビングを併用することにより、溶接欠陥
を発生しないようにする。すなわち、前述したように、
所定のパスでウィビングすることにより、アークは確実
にビードの凹部を通過するので、融合不良が回避できる
とともに、入熱の分散によりビード形状の垂れを軽減す
るという両方の効果が得られるのである。
【0017】次に、このような溶接を実現するための具
体的な方法を説明する。まず、所定の板厚について、予
め、一定ルートギャップにおける、ルートギャップとト
ーチ位置および溶接速度をはじめとする溶接条件との間
の関係を求め、これをデータベースとして記憶装置に保
存しておく。そして、溶接時のルートギャップの値(測
定値または予測値)の変動に対しては、まず、各ギャッ
プ位置でのルートギャップを測定する。次に測定値に近
接したルートギャップ値に対応したトーチ位置および溶
接条件を上記データベースより呼出し、これに基づき該
当するルートギャップ値に対応するトーチ位置および溶
接条件を内挿して求め、この条件を満足するように、溶
接ロボットの動作を行うことによってトーチ位置および
溶接条件を制御する。このような制御により、溶接長さ
方向にルートギャップが変動した場合であっても、溶接
層数及びパス数を溶接方向で増減させることなく、一定
のパス数で健全な溶接を行うことが可能となる。
【0018】
【実施例】本発明法を、鉄骨の柱一梁フランジに適用し
た実施例を示す。梁フランジ板厚は19mmと40mmであり、
開先角度35°のレ型開先とし、本発明法によるガスシ
ールドアーク自動溶接による横向き多層盛りの自動溶接
を行った。ルートギャップは5〜11mmの間で変動してい
た。溶接材料は490 N/mm2 級ソリッドワイヤとし、シ
ールドガスにCO2 20%−Ar80%の混合ガスを用いた。
【0019】本発明法を適用するに当たって、まず、19
mm厚の積層パターンは5層13パス、40mm厚の積層パター
ンは10層39パスとして溶接条件を作成した。溶接条件の
基本方針として、電流は固定して、溶接速度の調整によ
り溶着金属量を変化させ、溶接速度が遅くなるにつれウ
ィビング幅を増して、ビードの垂れを防止するようにし
て溶接条件出しを行った。上記方針に従い、板厚19mmと
40mm、ルートギャップ5mmと11mmの場合の各組み合わせ
の場合について、トーチ狙い位置(いずれも層内パスを
結ぶ線は直線上にあるように配置)、電流、電圧、溶接
速度、ウィビング幅等の溶接条件を設定した。その結果
をそれぞれ、表2(板厚19mm、ルートギャップ5mm)、
表3(板厚19mm、ルートギャップ11mm)、表4(板厚40
mm、ルートギャップ5mm)、表5(板厚40mm、ルートギ
ャップ11mm)に示す。なお、これら表中のトーチ位置欄
におけるY、Zは、それぞれ図1の開先断面における水
平軸、垂直軸方向の座標を表すものとする。
【0020】なお、各パス当たりの溶着断面積は、板厚
19mmの場合に、ルートギャップ5mmで19 mm2、ルートギ
ャップ11mmで33 mm2であり、第2層〜第4層においては
層内パスを結ぶ直線は互いに平行とし、層間距離はいず
れも4.2 mm一定とした。また、板厚40mmの場合には、ル
ートギャップ5mmで23 mm2、ルートギャップ11mmで30 m
m2であり、第2層〜第9層においては層内パスを結ぶ直
線は互いに平行とし、層間距離はいずれも4.9 mm一定と
した。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】これらの表で示されるように、例えば、板
厚19mmの第5パスでは、ルートギャップ5mmの場合に、
溶接速度61cm/min でウィビング幅3mm、ルートギャッ
プ11mmの場合に、溶接速度35cm/min でウィビング幅5
mmの条件であれば、いずれも溶け込み不足やビードの垂
れを発生することなく溶接が可能であることがわかっ
た。なお、この時のパス数はルートギャップ5、11mmの
場合のいずれでも13パスで溶接が可能であった。
【0026】次に、上記一定ルートギャップにおける各
条件データを用いて、溶接方向にルートギャップが変動
した柱一梁フランジを横向き多層盛りの自動溶接した。
ここで、板厚19mmは13パス、板厚40mmは39パスで、溶接
方向の層数およびパス数を一定にして、横向き多層盛り
の自動溶接を行った。具体的な、ルートギャップ値の求
め方、これに対応するトーチ位置と溶接速度の制御方法
は、まず、ルートギャップ5, 6, 7, 8, 9, 10, 11 mmに
対応するトーチ位置と溶接条件を予めデータベースに記
憶しておく。次に、溶接する試験体の溶接線全長を9等
分し、溶接開始点から終了点へ向かって各点を P1, P2,
P3,・・・P10 とし、それぞれの点口におけるルートギ
ャップを G1, G2, G3,・・・G10 とする。溶接ロボット
のタッチセンシング機能を用い、 G1, G2, G3,・・・G
10 を測定し、これを記憶しておく。G1 に対応するト
ーチ位置および溶接条件の決め方は、G1 の値に近接す
るルートギャップの値に対応するトーチ位置および溶接
条件をデータベースより呼出し、これらの値に基づいて
内挿法により計算して求めるのである。例えば、G1
7.2 mmとすると、呼び出すデータベースはルートギャッ
プ7mmと8mmの場合のトーチ位置および溶接条件であ
る。これが例えば、ルートギャップ7mmのときの5パス
目のトーチ位置座標 (11.2, 5.4), 同じく溶接速度48cm
/min であり、ルートギャップ8mmのときの5パス目の
トーチ位置座標が (11.2,5.8), 同じく溶接速度44cm/m
in とすれば、ルートギャップ7.2 mmのときのトーチ位
置および溶接条件は直線で内挿して 0.2/1 × (5.8 −5.4)+5.4 = 5.48 48 − 0.2/1 × (48−44) = 47.2 従って、(11.2, 5.48) および47.2cm/min となる。こ
の例では、直線で内挿したが、場合によっては適当な式
を用いて内挿法を適用すればよい。その結果、いずれの
板厚の場合とも、溶け込み不足やビードの垂れを発生す
ることなく、パス数を変動させることなく良好な溶接が
可能であった。
【0027】以上の実施例で示されたように、本発明方
法を用いれば、ルートギャップが溶接方向に変化した場
合であっても、層数、パス数を一定にして良好な溶接が
可能であり、しかも板厚に応じて1種類の(例えば、板
厚19mmの場合で13パス)の基本条件を元にデータベース
を作成できるので条件作成も簡単になる。
【0028】
【発明の効果】以上に述べたところから明らかなよう
に、本発明によれば、前パスビード形状検出センサやア
ークセンサなどの特別な装置を必要とせず比較的安価な
装置のみで、溶接条件の算出ソフトも簡単なもので、横
向き姿勢の多層盛り自動溶接を、内部欠陥がなく、ビー
ド外観も良好に行うことが可能となる。また、本発明に
よれば、ルートギャップが変動したいわゆるテーパギャ
ップの場合も、広いルートギャップ範囲まで、溶接方向
に同じパス数で連続して溶接でき、制御のための溶接条
件データベースも容易に作成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う開先断面におけるトーチ位置を示
す図である。
【図2】溶接時の積層状況を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 松重 香川県丸亀市昭和町18番地 川鉄メタル ファブリカ株式会社 内 (56)参考文献 特開 平8−215851(JP,A) 特開 平8−90235(JP,A) 特開 平9−108838(JP,A) 特開 平2−70384(JP,A) 特開 平4−344872(JP,A) 特開 平4−305370(JP,A) 特開 平8−257747(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/095 501 B23K 9/04 B23K 9/00 501 B23K 9/022

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開先内を横向き姿勢で多層盛りの自動溶
    接を行う方法において、 複数パス溶接となる第2層以降の溶接に当たり、開先断
    面におけるトーチの狙い位置を、同一層内のパスは同一
    の直線上にあり、第2層から(最終−1)層までは、前
    記直線上の各パスは等間隔であって、層内のパスを結ぶ
    各直線は互いに平行かつ等間隔になるように設定し、第
    2層の第1パスから(最終−1)層の最終パスまでの各
    パスの溶着断面積が等しくなるように溶接条件を設定
    し、さらに、開先下面に接するパス以外のパスではウィ
    ビングしながら溶接することを特徴とする横向き多層盛
    りの自動溶接方法。
  2. 【請求項2】 溶接方向のルートギャップが変動する開
    先の溶接に際し、予め、ルートギャップとトーチ位置お
    よび溶接速度との間の関係を求めておき、この関係を用
    いて、溶接時のルートギャップの変動に応じて、トーチ
    位置と溶接速度を制御することにより、溶接方向におけ
    る溶接層数及びパス数を増減させることなく溶接するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の横向き多層盛りの自動
    溶接方法。
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