JP3077714B2 - 自動溶接方法 - Google Patents

自動溶接方法

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JP3077714B2
JP3077714B2 JP04106100A JP10610092A JP3077714B2 JP 3077714 B2 JP3077714 B2 JP 3077714B2 JP 04106100 A JP04106100 A JP 04106100A JP 10610092 A JP10610092 A JP 10610092A JP 3077714 B2 JP3077714 B2 JP 3077714B2
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成夫 藤森
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば鉄骨建造物の柱
と梁との接合に使用される仕口コア等のように溶接線と
して直線部と曲線部とを有する被溶接物の自動溶接方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄骨構造物に使用する仕口コアは、溶接
線として直線部と曲線部とを有する。かかる仕口コアの
溶接線を鉛直平面内に配置して自動溶接する場合、直線
部と曲線部とで、溶接速度や溶接電流等の溶接条件が同
じであると、曲線部を溶接するときに、溶接プールの重
心位置がアーク点より後方にずれる。このため曲線部に
おいては、溶接プールが上進溶接の状態となり、溶融し
たメタルが下方に流出してビードの断面形状が凸状にな
り、ビード形状が平滑でなくなる。したがって通常、曲
線部では直線部に比べて溶接電流を低くする等、溶接条
件を変更し、溶接プールを小さくしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では、直線部から曲線部への溶接条件の変更を直線
部から曲線部に変わる境界点で行っていたので、直線部
を溶接するときの大きな溶接プールが曲線部にかかり、
溶融メタルが流出し易いという問題があった。また、曲
線部から直線部への溶接条件の変更を曲線部から直線部
に変わる境界点で行っていたので、直線部を溶接する大
きな溶接プールの後部が曲線部にかかり、溶融メタルが
流出し易いという問題があった。
【0004】本発明は上記事情に基づいてなされたもの
であり、直線部と曲線部との境界部分において、溶融メ
タルの流出を防止して、溶接ビードの形状を平滑に仕上
げることができる自動溶接方法を提供することを目的と
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明の自動溶接方法は、溶接電極
棒の位置制御を行う溶接ロボットと、直線部と曲線部と
を含む溶接線が鉛直平面内に配置された被溶接物を回転
するポジショナとを有し、前記曲線部の頂部位置で溶接
する自動溶接方法において、前記直線部から前記曲線部
に変わる境界点よりも、溶接プール長だけ手前の位置
で、前記直線部の溶接条件から前記曲線部の溶接条件に
変更することを特徴とするものである。
【0006】上記の目的を達成するために、請求項2記
載の発明の自動溶接方法は、溶接電極棒の位置制御を行
う溶接ロボットと、直線部と曲線部とを含む溶接線が鉛
直平面内に配置された被溶接物を回転するポジショナと
を有し、前記曲線部の頂部位置で溶接する自動溶接方法
において、前記曲線部から前記直線部に変わる境界点よ
りも、溶接プール長だけ先の位置で、前記曲線部の溶接
条件から前記直線部の溶接条件に変更することを特徴と
するものである。
【0007】
【作用】請求項1記載の発明の自動溶接方法は前記の構
成によって、直線部から曲線部に変わる境界点よりも、
溶接プール長だけ手前の位置で、直線部の溶接条件から
曲線部の溶接条件に変更することにより、直線部から曲
線部に変わる境界部分において直線部の大きな溶接プー
ルが曲線部にかかるのを防止する。
【0008】請求項2記載の発明の自動溶接方法は前記
の構成によって、曲線部から直線部に変わる境界点より
も、溶接プール長だけ先の位置で、曲線部の溶接条件か
ら直線部の溶接条件に変更することにより、曲線部から
直線部に変わる境界部分において、直線部の大きな溶接
プールが曲線部にかかるのを防止する。
【0009】
【実施例】以下に本発明の一実施例である自動溶接方法
について図面を参照して説明する。図1は本実施例の自
動溶接方法に使用する自動溶接装置の概略斜視図であ
る。図1に示す自動溶接装置は、多関節の溶接ロボット
10と、仕口コア30を取り付けて溶接ロボット10と
同期動作を行うポジショナ20とを備えて構成される。
【0010】溶接ロボット10は、多関節のアーム11
と、多関節のアーム11によって支持される溶接トーチ
12とを備える。溶接トーチ12は溶接電極棒13を支
持するとともに、溶接電極棒13を振幅させる。ポジシ
ョナ20は、仕口コア30を水平に片持ち状に取り付け
る回転テーブル21を有し、この回転テーブル21によ
り仕口コア30を所定の角度回転させる。
【0011】図2は仕口コアの斜視図、図3は仕口コア
における開先部の断面図である。鉄骨建造物の柱と梁と
の接合に使用される仕口コア30は、一般に四角形状の
角型のコラム31と、このコラム31の両端に溶接さ
れ、梁からの応力を伝達するためのダイヤフラム32と
により構成される。コラム31とダイヤフラム32との
溶接部分である開先部33は、通常、図3に示すように
レ字状であり、この断面形状は、仕口コアの全周に渡っ
て略同一である。このような開先部33に多層溶接を施
して仕口コア30を作製する。尚、図3において、34
は裏当て板である。
【0012】図4は本実施例の自動溶接方法を説明する
ための図である。溶接線40は直線部41と曲線部42
とを含み、同一鉛直平面内に配置されている。溶接トー
チ12は、図3に示すようにダイヤフラム32に対して
傾斜して配置され、また直線部41では溶接線40に対
して垂直となるように配置される。ところで、ティーチ
ングロボット型自動溶接装置の場合、溶接部分の始点及
び終点の位置情報を教えなければならない。本実施例で
は、溶接開始点Aは水平な直線部41の任意の位置に設
定する。曲線部42では曲線部42を6分割して各点の
位置情報をティーチングにより図示しない制御部の記憶
部に記憶する。尚、ティーチング制御では、2つの点を
指示し、その間を直線なり円弧で補完することにより溶
接を行う。
【0013】次に、本実施例の自動溶接方法の手順につ
いて説明する。溶接開始点Aから境界点Bまでの直線部
41を溶接するときには、予め両点の位置をティーチン
グする。ポジショナ20は直線部41が水平となるよう
に仕口コア30を支持し、溶接ロボット10は溶接トー
チ12の中心軸が直線部41に垂直になるように制御す
る。ここで、境界点Bをティーチングするときには、図
4に示すように溶接プール長Lだけ手前の位置B’を指
示する。したがって、本実施例の方法では、直線部41
を溶接しているときに、境界点Bの溶接プール長Lだけ
手前の位置B’から曲線部の溶接条件に変更する。例え
ば、溶接電流、溶接速度、溶接電極棒の送り速度を小さ
くして、溶接プールを小さくする。
【0014】曲線部を溶接する際には、ティーチングロ
ボット型自動溶接装置の場合、その曲線部42の開始点
及び終了点の位置情報を教えなければならない。曲線部
42の開始点は上記のようにB’点であり、曲線部42
の終了点は直線部41と曲線部42との境界点であるH
点から溶接プール長Lだけ先の位置H’である。ここ
で、溶接プール長Lさは、 L=(溶接電流÷溶接速度)×k で表すことができる。なお、kは一定の定数である。し
たがって、点B’、点H’は計算により容易に算出する
ことができる。また、本実施例では点Bから点Hまでの
曲線部42を6分割して位置情報を教える。
【0015】他の3つの曲線部についても、同様にして
各点を指示する。また、一層目の各点を指示をすれば、
二層目以降は一層目の各点を外側に所定の距離だけずら
すように指示すれば各点の指示を行うことができる。こ
のように、曲線部を6分割してティーチングすることに
より、曲線部における曲率の変化にも対応して、自動溶
接を行うことができる。
【0016】溶接時には、ポジショナ20により直線部
41が水平となるように仕口コア30を支持し、溶接ロ
ボット10により溶接トーチ12を直線移動して直線部
41の溶接を行う。この際、境界点Bよりも溶接プール
長Lだけ手前の位置から、曲線部の溶接条件に変更して
溶接する。これにより、直線部と曲線部の境界部分にお
いて、直線部を溶接するときの大きな溶接プールが曲線
部にかかるのを防止することができる。したがって、本
実施例の方法によれば、直線部から曲線部に変わる境界
部分において、溶融メタルの流出を防止して、溶接ビー
ドの断面形状を平滑にすることができる。
【0017】境界点Bに電極溶接棒が位置した時点から
回転テーブル21を回転することにより仕口コア30を
図4の矢印の方向に回転する。また、回転テーブル21
の回転に同期して、溶接ロボット10により溶接トーチ
12の位置制御を行い、溶接線である曲線部に沿って溶
接トーチ12に支持された溶接電極棒13を移動させ
て、曲線部42の溶接を行う。溶接電極棒13が境界点
Hに位置した時点で、回転テーブル21の回転を停止す
る。このとき、溶接条件も曲線部から直線部のものに変
更すると、直線部の大きな溶接プールの後部が曲線部に
かかり、溶融メタルが流出する。本実施例では、境界点
Hから点H’までは、曲線部の溶接条件で直線部の溶接
を行う。これにより、直線部の大きな溶接プールが曲線
部にかかるのを防止して、曲線部から直線部に変わる境
界部分においても、溶接ビードの断面形状を平滑にする
ことができる。そして、直線部41と曲線部42の一層
目の溶接が終わると、更に2層目以降についても同様に
して溶接を行う。
【0018】尚、上記の実施例では、ティーチング制御
により溶接する場合について説明したが、溶接の制御の
方法はこれに限らず、例えば仕口コアの寸法を予め記憶
して溶接するようにしてもよい。また、上記の実施例で
は、仕口コアを自動溶接する場合について説明したが、
本発明方法はこれに限定されるものではなく、溶接線に
直線部と曲線部とを含む被溶接物に広く用いることがで
きる。更に、上記の実施例では溶接線が直線部から曲線
部に変更する場合と、逆に曲線部から直線部に変更する
場合の双方について説明したが、被溶接物に応じて、い
ずれか一方のみの溶接であってもよい。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、直線部から曲線部に変わる境界点よりも、溶
接プール長だけ手前の位置で、直線部の溶接条件から曲
線部の溶接条件に変更することにより、直線部から曲線
部に変わる境界部分における溶融メタルの流出を防止し
て、直線部から曲線部に変わる境界部分における溶接ビ
ードの断面形状を平滑にすることができ、したがって鉄
骨コラムコア等の自動溶接に好適な自動溶接方法を提供
することができる。
【0020】以上説明したように請求項2記載の発明に
よれば、曲線部から直線部に変わる境界点よりも、溶接
プール長だけ先の位置で、曲線部の溶接条件から直線部
の溶接条件に変更することにより、曲線部から直線部に
変わる境界部分における溶融メタルの流出を防止して、
曲線部から直線部に変わる境界部分における溶接ビード
の断面形状を平滑にすることができ、したがって鉄骨コ
ラムコア等の自動溶接に好適な自動溶接方法を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の自動溶接方法に使用する自動溶接装
置の概略斜視図である。
【図2】仕口コアの斜視図である。
【図3】仕口コアにおける開先部の断面図である。
【図4】本実施例の自動溶接方法を説明するための図で
ある。
【符号の説明】
10 溶接ロボット 13 溶接電極棒 20 ポジショナ 30 仕口コア 40 溶接線 41 直線部 42 曲線部
フロントページの続き (72)発明者 青木 俊雄 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (72)発明者 藤森 成夫 千葉県習志野市東習志野7−6−1 日 鐵溶接工業株式会社 機器事業部内 (72)発明者 野田 徹 千葉県習志野市東習志野7−6−1 日 鐵溶接工業株式会社 機器事業部内 (56)参考文献 特開 平2−307678(JP,A) 特開 昭61−214005(JP,A) 特開 昭57−4385(JP,A) 特開 昭60−154878(JP,A) 特開 昭61−63359(JP,A) 実開 平2−99407(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/095 B23K 9/00 B23K 9/127

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接電極棒の位置制御を行う溶接ロボッ
    トと、直線部と曲線部とを含む溶接線が鉛直平面内に配
    置された被溶接物を回転するポジショナとを有し、前記
    曲線部の頂部位置で溶接する自動溶接方法において、前
    記直線部から前記曲線部に変わる境界点よりも、溶接プ
    ール長だけ手前の位置で、前記直線部の溶接条件から前
    記曲線部の溶接条件に変更することを特徴とする自動溶
    接方法。
  2. 【請求項2】 溶接電極棒の位置制御を行う溶接ロボッ
    トと、直線部と曲線部とを含む溶接線が鉛直平面内に配
    置された被溶接物を回転するポジショナとを有し、前記
    曲線部の頂部位置で溶接する自動溶接方法において、前
    記曲線部から前記直線部に変わる境界点よりも、溶接プ
    ール長だけ先の位置で、前記曲線部の溶接条件から前記
    直線部の溶接条件に変更することを特徴とする自動溶接
    方法。
  3. 【請求項3】 溶接電極棒の位置制御を行う溶接ロボッ
    トと、直線部と曲線部とを含む溶接線が鉛直平面内に配
    置された被溶接物を回転するポジショナとを有し、ティ
    ーチング制御により前記曲線部の頂部位置で溶接する自
    動溶接方法において、前記直線部の溶接条件から前記曲
    線部の溶接条件に変更する位置として、前記直線部から
    前記曲線部に変わる境界点から溶接プール長だけ手前の
    位置をティーチングすることを特徴とする自動溶接方
    法。
  4. 【請求項4】 溶接電極棒の位置制御を行う溶接ロボッ
    トと、直線部と曲線部とを含む溶接線が鉛直平面内に配
    置された被溶接物を回転するポジショナとを有し、ティ
    ーチング制御により前記曲線部の頂部位置で溶接する自
    動溶接方法において、前記曲線部の溶接条件から前記直
    線部の溶接条件に変更する位置として、前記曲線部から
    前記直線部に変わる境界点から溶接プール長だけ先の位
    置をティーチングすることを特徴とする自動溶接方法。
  5. 【請求項5】 前記曲線部を6分割し、その間を円弧補
    完することにより、前記曲線部の溶接位置情報を指示す
    る請求項3又は4記載の自動溶接方法。
  6. 【請求項6】 前記溶接電極棒は前記被溶接物の動きに
    同期して前記被溶接物の溶接線の形状に対応して移動す
    る請求項1,2,3,4,又は6記載の自動溶接方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102427086B1 (ko) * 2019-12-24 2022-07-29 김선철 마스크팩 보관용 파우치
WO2022167976A1 (de) 2021-02-03 2022-08-11 Fm Marketing Gmbh Fernsteuerungs-verpackung und ein verfahren zu deren herstellung

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102427086B1 (ko) * 2019-12-24 2022-07-29 김선철 마스크팩 보관용 파우치
WO2022167976A1 (de) 2021-02-03 2022-08-11 Fm Marketing Gmbh Fernsteuerungs-verpackung und ein verfahren zu deren herstellung

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JPH05277733A (ja) 1993-10-26

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