JP3169288B2 - 消耗電極式ガスシールドアーク溶接の出力制御方法およびその溶接装置 - Google Patents

消耗電極式ガスシールドアーク溶接の出力制御方法およびその溶接装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、消耗電極式ガスシール
ドアーク溶接の出力制御方法およびその溶接装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】CO2あるいはマグ溶接などの消耗電極
式ガスシールドアーク溶接では、作業状況やワーク形状
に応じて溶接電流値を選定する。ところで、良好な溶接
結果を得るためには、溶接電流値に応じた適切なアーク
電圧が得られるように溶接機の出力電圧を設定する必要
がある。しかし、適切なアーク電圧は溶接電流値だけで
なく、作業環境や形態によっても異なる。このため、選
定した溶接電流値に対し、適正なアーク電圧が得られる
ように溶接機の出力電圧を設定するにはかなりの熟練と
技能の向上とが必要であり、初心者が容易に修得できる
ものではない。◆そこで、初心者でも熟練者と同等の溶
接結果が得られるようにするため、特開昭56−158
281号公報(以下、第1の従来技術という)には、予
め溶接電流と適正出力電圧の関係をデータベース化して
おき、溶接電流が選定されると溶接機の出力電圧が一元
的に設定される機能を設けた技術が開示されている。ま
た、特開昭60−128340号公報(以下、第2の従
来技術という)ならびに特開昭60−162577号公
報(以下、第3の従来技術という)には、溶接中の電流
と電圧波形の観測結果を所定の関数で演算し、演算した
値が最小となるように出力電圧を設定する技術が開示さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】たとえば大形構造物を
溶接する時には、溶接ケーブルを延長することが多い。
この場合、適切なアーク電圧とするためには、溶接機の
出力電圧を高くし、延長した溶接ケーブルで発生する電
圧降下の影響を補正する必要がある。◆しかし、上記第
1の従来技術の場合、適切なアーク電圧として自動設定
される出力電圧は、所定の基準条件ならびに標準作業環
境のもとでデータとして選定されたものであるため、標
準作業環境から外れる場合は適正値とはならない。な
お、アーク電圧を検出するための検出線を溶接部まで配
線すれば適正値を得ることができるが、配線が増加する
と操作性は低下する。さらに、データとして選定された
ものは特定の熟練溶接作業者によって選定されたもので
あり、必ずしも不偏的な適正値であるとは言えない。◆
また、上記第2ないし第3の従来技術の場合、延長ケー
ブル使用時の電圧降下を補正することは可能であるが、
所定の関数で演算される値を最小とするには、出力電圧
を操作して少なくとも3個の演算値を求める必要があ
り、適正なアーク電圧を得る迄に時間を要する。◆本発
明の目的は、上記した課題を解決し、作業環境や形態の
変化あるいは作業者の熟練の程度に拘らず、常に良好な
溶接結果を得ることのできる消耗電極式ガスシールドア
ーク溶接の出力制御方法、ならびにその方法を実行する
ための溶接装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、ワイヤ
を略定速度で送給し、溶接中に測定される少くとも2種
類の溶接波形因子の値を前件部、また出力電圧の操作量
を後件部として予め定めた制御規則に従い所定のアーク
状態を得るための出力電圧の操作量を推論するファジィ
推論を実行することにより出力電圧設定の増減操作量を
決定し、決定された今回の操作量が前回の操作量に関し
て方向が反対でかつ大きさが略等しい場合には今回の操
作量の半分を実際の操作量とすることにより解決され
る。
【0005】
【作用】外部特性を定電圧特性とした溶接装置では、ワ
イヤ送給速度すなわち溶接電流の設定値を一定に維持し
た状態で溶接機の出力電圧すなわちアーク電圧を変える
と、アーク電圧の変化に対応して短絡期間およびアーク
期間の標準偏差もそれぞれ変化する。そこで、短絡期間
およびアーク期間を測定してそれぞれの標準偏差を求
め、求めた標準偏差を所定のファジィ関数と推論規則に
より処理して適正アーク電圧とするための操作量を決定
すれば、出力電圧は適切なものとなる。◆そして、万一
特異なアーク現象の発生あるいは推論規則の不備により
今回の操作量が前回の操作量に関して方向が反対でかつ
大きさが略等しい場合、すなわち適正値を間に挾んで操
作量が振動する場合にも短時間で適切な値に収束させる
ことができる。
【0006】
【実施例】図1は、本発明を実施するための溶接装置の
構成例図である。◆同図において、1は商用交流を直流
に変換するための入力側整流器、2はパワー半導体素子
で構成されたインバータ回路で、上記直流を高周波交流
に変換する。3は溶接トランスでその入力側はインバー
タ回路2に接続されている。4は溶接トランス3の出力
側に接続された出力側整流器で、上記インバータ回路2
で作り出す高周波交流を再び直流に変換する。5は直流
リアクタで、出力側整流器4で整流された直流出力を平
滑する。6はワイヤで、ワイヤ送給装置7により溶接部
に供給される。8は母材。9は溶接電流設定器で、ワイ
ヤ6の送給速度を設定するためのものである。なお、イ
ンバータ回路2は外部特性が定電圧特性となるように制
御される。◆10は出力電圧設定器で、出力電圧V0
設定するためのものである。11は加減算回路で、出力
電圧設定器10で設定される出力電圧V0と後述する出
力電圧の実際の操作量△VLとを合成し、その結果を新
たな出力電圧V0として記憶すると共にパルス幅制御回
路12に出力する。パルス幅制御回路12は加減算回路
11からの信号に基づき駆動回路13を介してインバー
タ回路2の出力を制御する。14は電圧検出器。415
は電圧検出器14のサンプリング条件設定器。16は判
定電圧設定器。17は短絡かアークかを判定する判定器
で、サンプリング条件設定器415で設定されるサンプ
リング間隔およびサンプリング時間に従って、電圧検出
器14で計測される溶接電圧υと判定電圧設定器16で
設定された判定電圧Vjの大小を比較する。そして、判
定器17は、υ≦Vjのときには短絡期間であることの
判定信号をTs測定器18へ、またυ>Vjのときには、
アーク期間であることの判定信号をTa測定器19へ、
それぞれ出力する。◆上記Ts測定器18およびTa測
定器19は、短絡とアークが交互に繰返される各短絡周
期毎に、それぞれの時間の計測値(TsおよびTaの
値)を、短絡期間の標準偏差sTsの演算器20ならびに
アーク期間の標準偏差sTaの演算器21へ入力する。な
お、演算器20は、上記Ts測定器18の出力を用い
て、Tsの総和ΣTsおよびTsの平方和ΣTs2の演
算、ならびにTsの個数Nのカウントを行い、標準偏差
Tsの値を下記の式1により算出し、その値をファジィ
制御器422へ出力する。演算器21も上記演算器20
と同様にして標準偏差sTaの値を下記の式2により算出
し、その値をファジィ制御器422へ出力する。◆
【0007】
【数1】
【0008】設定器23は、ファジィ推論の前件部を構
成する因子である標準偏差sTs、sTaおよび後件部を構
成する因子△V(出力電圧操作量)のメンバシップ関
数、ならびにこれらの因子についての推論規則を入力す
るためのものである。そして、ファジイ制御器422
は、上記設定器23により設定されるメンバシップ関数
と推論規則に基づき、入力された標準偏差sTsおよび標
準偏差sTaの推論規則への適合度を求め、その適合度に
見合った推論結果を各規則ごとに算出する。そして、各
推論規則ごとに得られた推論結果を総合し、全体として
の推論結果△Vを重心法で求め、判定器423へ出力す
る。判定器423は内部にカウンタとメモリと許容値α
の設定器と演算回路とを備えている。なお、判定器42
3内部のメモリは2個あればよい。424はスイッチ
で、a接点側は判定器423と加減算回路11とを直
接、またb接点側は半減回路425を介して判定器42
3と加減算回路11とを接続する。なお、半減回路42
5は判定器423の出力すなわち推論により得られた操
作量△Vを1/2にするものである。
【0009】以下、ファジィ制御器422における推論
方法をさらに詳しく説明する。◆ (1)ワイヤ先端に形成される溶滴の母材への移行形態
が短絡移行の場合。◆ 溶滴の移行形態が短絡移行の場合、ワイヤ送給速度は比
較的遅く、溶接電流は比較的小さい。そして、この時の
標準偏差sTsおよび標準偏差sTaは、アーク電圧に応じ
てそれぞれ図2および図3に示すように変化する。◆そ
こで、標準偏差sTsおよび標準偏差sTaおよび出力電圧
の操作量△Vのメンバシップ関数を、それぞれ図4〜図
6のように定めるとともに、表1に示す合計15個の推
論規則を設定する。◆
【0010】
【表1】
【0011】なお、表1における推論規則のうち、
1,R2,R3を代表例にとり、以下に説明する。な
お、括弧内の記号は表1に示すものである。◆ R1; もしsTsが小さく(S)、かつsTaがやや小さ
い(SM)ときには出力電圧を変化させない(△V=Z
0)◆ R2; もしsTsが小さく(S)、かつsTaが極めて大
きい(BB)ときには出力電圧を大幅に低下させる(△
V=NB)◆ R3; もしsTsが大きく(B)、かつsTaがやや大き
い(MB)ときには出力電圧を大幅に上昇させる(△V
=PB)◆ すなわち出力電圧設定器10で設定された出力電圧V0
が適正電圧に対して低過ぎた場合、上記図2および図3
に示したように、sTsの値が大きくまたsTaの値がやや
大きくなるため、上記の推論規則R3が適用されて出力
電圧を大幅に上昇させるという推論結果(△V=PB)
を得る。◆また、出力電圧設定器10で設定された出力
電圧V0が適正であった場合、sT sの値が小さくまたs
Taの値がやや小さくなるため、上記の推論規則R1が適
用され、出力電圧を変化させないという推論結果(△V
=Z0)を得る。◆さらに、出力電圧設定器10で設定
された出力電圧V0が適正電圧に対して高過ぎた場合、
Tsの値が小さくまたsTaの値が極めて大きくなるた
め、上記推論規則R2が適用され、出力電圧を大幅に低
下させるという推論結果(△V=NB)を得る。◆な
お、その他のケースの場合も上記R1,R2,R3の場合
と同様に、出力電圧の設定値が適正電圧より低い場合に
は、適正電圧からのズレ量に応じた出力電圧の増加量
が、また出力電圧の設定値が適正電圧より高い場合に
は、その程度に応じた出力電圧の減少量がファジィ推論
結果△Vとして与えられる。すなわち、当初の出力電圧
の設定がどのような値であっても、その設定値のもとで
所定の時間テスト溶接を行い、その時のsTsおよびsTa
の値を用いて上述のファジィ推論を行えば、出力電圧を
常に適正な値に設定できる。
【0012】(2)ワイヤ先端に形成される溶滴の母材
への移行形態がグロビュール移行の場合。◆ 溶滴の移行形態がグロビュール移行の場合、ワイヤ送給
速度は比較的速く、溶接電流は中程度ないし比較的大き
い。そして、この時の標準偏差sTsおよび標準偏差sTa
は、アーク電圧に応じてそれぞれ図7および図8に示す
ように変化する。◆そこで、標準偏差sTsおよび標準偏
差sTaおよび出力電圧の操作量△Vのメンバシップ関数
を、それぞれ図9〜図11のように定めるとともに、表
2に示す推論規則を設定すると、上記(1)の短絡移行
の場合と同様に、当初の出力電圧の設定がどのような値
であっても、その設定値のもとで所定の時間テスト溶接
を行い、その時のsTsおよびsTaの値を用いて上述のフ
ァジィ推論を行えば、出力電圧を常に適正な値に設定で
きる。◆
【0013】
【表2】
【0014】以下(A),(B)に、良好な結果が得ら
れたメンバシップ関数の例を、図4〜6ならびに図9〜
11に基づいて示す。なお、この例はワイヤの材質が軟
鋼で、直径が1.2mmのソリッドワイヤを用いてCO
2溶接をした場合である。◆ (A)溶滴の母材への移行形態が短絡移行の場合。◆ なお、ワイヤ送給速度は3m/minである。◆図4に
おいて、◆a1=1.2ms、a2=1.5ms、a3=2.
0ms、a4=2.4ms、◆a5=2.7ms、a6=3.
2ms、a7=3.5ms、◆図5において、◆b1=−
0.3ms、b2=0.5ms、b3=3.0ms、b4
3.8ms、◆b5=4.7ms、b6=7.2ms、b7
8=8.0ms、b9=11.3ms、b10=13.0m
s、b11=15.5ms、b12=18.0ms、◆b13
19.7ms◆図6において、◆c1=c2=−6.5V、
3=c4=c5=−4.3V、c6=c7=c8=−2.2
V、c9=c10=c11=0V、c12=c13=c14=2.2
V、◆c15=c16=c17=4.3V、c18=c19=6.5
V (B)溶滴の母材への移行形態がグロビュール移行の場
合。◆ なお、ワイヤ送給速度は7.5m/minである。◆図
9において◆a´1=1.3ms、a´2=1.4ms、a´
3=a´4=a´5=1.6ms、◆a´6=1.8ms、a
´7=1.9ms◆図10において◆b´1=6ms、b´2
=7ms、b´3=10ms、b´4=12ms、◆b´5
13ms、b´6=17ms、b´7=18ms、b´8=2
0ms、◆b´9=23ms、b´10=24ms、b´11
25ms、b´12=28ms、b´13=29ms◆図11
において◆c´1=c´2=−4.3V、c´3=c´4
c´5=−2.2V、◆c´6=c´7=c´8=0V、c
´9=c´10=c´11=2.2V、◆c´12=c´13=c
´14=4.3V、c´15=c´16=6.5V◆である。
【0015】溶接作業をするときの外部環境は一定でな
いことが多いが、上記した制御により常に適切な溶接条
件を得ることができる。しかし、極めて希ではあるが特
異な現象が連続して発生した場合、あるいは推論規則に
不備があった場合、方向が反対でかつ大きさが略等しい
操作量△Vが繰り返して指示される結果、適正な溶接条
件を得るのに時間がかかることがある。◆以下、図1お
よび図12を参照しながら、さらに具体的に説明する。
なお、図12は動作のフローチャートである。また、電
源がオンされたときおよび前回の溶接終了時に判定器4
23内部のカウンタおよびメモリはリセットされ、カウ
ンタの初期値はn=1、メモリの値は総てゼロになって
いる。◆作業に先立ち、溶接電流設定器9により溶接電
流Iを、出力電圧設定器10により出力電圧V0を設定
する(S100)。溶接を開始すると(S110)、溶
接波形データがサンプリングされ(S120)、短絡時
間Tsとアーク時間Taが計測されて標準偏差sTsおよ
び標準偏差sTaが求められる(S130,S140)。
ファジイ制御器422はこれらの値を用いてファジィ推
論を実行し、操作量△Vnを演算する(S150)。◆
判定器423は、nが1かどうかを確認し(S16
0)、n=1の場合には操作量△V1を記憶し、スイッ
チ424のa接点を接続して実際の操作量△VL=△V1
とすることにより出力電圧を変更し(S170)、n=
n+1とする(S180)。そして、溶接終了でない場
合には、S120に戻る。(S190)◆n≠1の場合
には、今回の操作量△Vnを記憶するとともに、前回の
操作量△Vn-1の符号と比較し(S200)、符号が同
じときはS170に戻る。また、今回の操作量△Vn
符号が前回の操作量△Vn-1の符号と異なる場合には、
(△Vn+△Vn-1)を演算する(S210)。そして、
(△Vn+△Vn-1)の絶対値>αの場合には、S170
に戻る。また、(△Vn+△Vn-1)の絶対値<αの場合
には、スイッチ424のb接点を接続する(S22
0)。この結果、加減算回路11に入力される実際の操
作量△VLは半減回路425により△VL=1/2・△V
nとなる(S230)。そして、ファジイ推論を停止す
る(S240)。◆なお、上記判定に用いたαの値は小
さい方がよいが、例えば、ワイヤの材質が軟鋼で、直径
が1.2mmのソリッドワイヤを用いて溶接電流80〜
300AのCO2溶接をする場合、α=0.5Vに設定
すれば実用的であることを確認した。 また、上記の実
施例では、S210でファジイ推論を停止させたが、引
続き動作させてもよいし、判定器423にスイッチ42
4と半減回路425とを組み込むようにしてもよい。◆
さらに、標準偏差sTsおよび標準偏差sTaを前件部とし
てファジィ推論を行う方法について説明したが、前件部
として用いる因子はsTsとsTaにのみ限定されるもので
はなく、アーク電圧の差別化が可能であれば、どのよう
な因子を用いても良い。すなわち、例えば、Ts測定器
18およびTa測定器19で測定される短絡期間Tsお
よびアーク期間Taの標準偏差の代わりにこれらの平均
値を用いても良い。また、溶接電流検出器を設けること
により溶接電流値を検出し、短絡期間Tsにおける溶接
電流の平均値である短絡平均電流の標準偏差sIsおよび
アーク期間Taにおける溶接電流の平均値であるアーク
平均電流の標準偏差sIaを用いても同様の結果を得るこ
とができる。さらに、前件部を構成する因子は2個に限
られるものではなく、例えば、上記のsTs、sTa、sIs
およびsIaの4個などとすれば、推論の精度をさらに向
上できることは言うまでもない。
【0016】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
当初の出力電圧の設定がどのような値であっても、出力
電圧を適正な値に自動的に変更することができる。そし
て、万一特異なアーク現象の発生あるいは推論規則の不
備により今回の操作量が前回の操作量に関して方向が反
対でかつ大きさが略等しいような場合、すなわち適正値
を間に挾んで操作量が振動する場合にも短時間で適切な
値に収束させることができるから、作業性が向上すると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための溶接装置の構成例図。
【図2】短絡移行領域における標準偏差sTsとアーク電
圧の関係を示す図。
【図3】短絡移行領域における標準偏差sTaとアーク電
圧の関係を示す図。
【図4】短絡移行領域を対象としたsTsのメンバシップ
関数の一例。
【図5】短絡移行領域を対象としたsTaのメンバシップ
関数の一例。
【図6】短絡移行領域を対象とした△Vのメンバシップ
関数の一例。
【図7】グロビュール移行領域におけるsTsとアーク電
圧の関係を示す図。
【図8】グロビュール移行領域におけるsTaとアーク電
圧の関係を示す図。
【図9】グロビュール移行領域を対象としたsTsのメン
バシップ関数の一例。
【図10】グロビュール移行領域を対象としたsTaのメ
ンバシップ関数の一例。
【図11】グロビュール移行領域を対象とした△Vのメ
ンバシップ関数の一例。
【図12】動作のフローチャート。
【符号の説明】 2 インバータ回路 6 ワイヤ 10 出力電圧設定器 11 加減算回
路 12 パルス幅制御回路 14 電圧検出
器 16 判定電圧設定器 17 判定器 18 Ts測定器 19 Ta測定
器 20,21 演算器 23 設定器 415 サンプリング条件設定器 422 ファジィ制御器 423 判定器 424 スイッチ 425 半減回
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−258003(JP,A) 特開 平4−322881(JP,A) 特開 平4−322882(JP,A) 特開 平5−42367(JP,A) 特開 平6−55270(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/073 B23K 9/095 B23K 9/12 G05B 13/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤを略定速度で送給し、溶接中に測
    定される少くとも2種類の溶接波形因子の値を前件部、
    また出力電圧の操作量を後件部として予め定めた制御規
    則に従い所定のアーク状態を得るための出力電圧の操作
    量を推論するファジィ推論を実行することにより出力電
    圧設定の増減操作量を決定し、決定された今回の操作量
    が前回の操作量に関して方向が反対でかつ大きさが略等
    しい場合には今回の操作量の半分を実際の操作量とする
    ことを特徴とする短絡とアークを交互に繰返しながら溶
    接をする消耗電極式ガスシールドアーク溶接の出力制御
    方法。
  2. 【請求項2】ワイヤを略定速度で送給し、短絡とアーク
    を交互に繰返しながら溶接をする消耗電極式ガスシール
    ドアーク溶接の溶接装置において、少くとも2種類の溶
    接波形因子の算出手段と、その算出手段の算出結果を入
    力として予め定めた制御規則に従い所定のアーク状態を
    得るための出力電圧の操作量を推論するファジィ制御器
    と、推論により得られた操作量を記憶するとともに今回
    の操作量と記憶してある前回の操作量とを比較して今回
    の操作量が前回の操作量に関して方向が反対でかつ大き
    さが略等しい場合には今回の操作量の半分を操作量とし
    て出力しその他の場合には今回の操作量をそのまま出力
    する操作量変更手段と、操作量変更手段の出力に応じて
    溶接電源の出力電圧設定値の増減を行う手段とを備えた
    ことを特徴とする消耗電極式ガスシールドアーク溶接の
    溶接装置。
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