JP3167991B2 - カーブ進入制御装置 - Google Patents

カーブ進入制御装置

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JP3167991B2 JP26621799A JP26621799A JP3167991B2 JP 3167991 B2 JP3167991 B2 JP 3167991B2 JP 26621799 A JP26621799 A JP 26621799A JP 26621799 A JP26621799 A JP 26621799A JP 3167991 B2 JP3167991 B2 JP 3167991B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前方カーブを走行
する際の許容進入速度を演算し、この許容進入速度を基
に安全なカーブ走行が快適に行えるように制御するカー
ブ進入制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ナビゲーション装置の道路マ
ップデータを用いて前方カーブに対する許容進入速度を
算出し、この許容進入速度以上の速度、すなわち前方カ
ーブに対するオーバスピード状態を検出し、警報或いは
減速制御を行う車両走行システムが、特開平4−236
699号公報等で提案されている。
【0003】本出願人も、特開平11−83501号公
報において、ナビゲーション装置からの自車位置情報と
ノード情報に基づき各ノードでのカーブを推定し、これ
ら各ノードでのカーブ走行が可能な許容進入速度を設定
し、この許容進入速度を自車速と所定に比較して警報や
減速制御を行うカーブ進入制御装置を開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ナビゲーシ
ョン装置からのノード情報は、一つのノードで走行路上
の一部分を代表しているものであり、大きなカーブは複
数のノードにより表現されることが多い。
【0005】上述の先行技術では、各ノード毎に演算し
た許容進入速度を基に、そのノードに対して警報或いは
減速の判定を行い制御することを基本としている。この
ため、複数のノードにより表現された大きなカーブで
は、警報や減速制御が繰り返し連続して実行される可能
性がある。
【0006】しかしながら、形状が単純なカーブでは、
例えば、「カーブです。注意して下さい。」といったよ
うな音声警報やブザー等の警報は一回行えば乗員に報知
するのに十分であり、何度も繰り返すと乗員に対し却っ
て不快感を与えてしまう虞がある。但し、複数のノード
で表現される大きなカーブでも、カーブ奥の屈曲度が急
なカーブ(複合カーブ)の場合は、再度警報した方が安
全上好ましい。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、複数のノードにより表現された大きなカーブでの警
報や減速制御が、乗員に対して不快感を与えることなく
自然に適切なタイミングで行われる一方、カーブ奥の屈
曲度が急な注意を必要とするカーブでは、確実に警報や
減速制御が実行されてより安全運転を喚起させる使用性
に優れたカーブ進入制御装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明による第1のカーブ進入制御装置は、ナビゲ
ーション装置からの自車位置情報とノード情報に基づき
各ノードでのカーブ情報を推定し、これら各ノードでの
カーブに対する自車両の進入状態を推定して警報または
減速制御を行うカーブ進入制御装置において、複数のノ
ードで同一カーブが構成されている場合には、この同一
カーブ上の複数のノードの一のノードに対して警報また
は減速制御が実行された以降は、上記複数のノードの中
の他のノードに対する警報または減速制御を禁止するこ
とを特徴とし、複数のノードにより表現されたカーブで
警報が不必要に繰り返されて警報が乗員に対して不快感
を与えることがなく、警報が自然で適切なタイミングで
行われる。
【0009】また、本発明による第2のカーブ進入制御
装置は、上記第1のカーブ進入制御装置において、上記
他のノードに対して計算された許容進入速度が、上記一
のノードに対して計算された許容進入速度に対して予め
設定した速度範囲内にある場合に、上記他のノードに対
する警報または減速制御を禁止することを特徴とし、カ
ーブ奥の屈曲度が急な複合カーブでは、再度の警報や減
速制御の実行機会が確保され、より安全運転を喚起させ
ることができる。
【0010】更に、本発明による第3のカーブ進入制御
装置は、上記第2のカーブ進入制御装置において、上記
設定速度を、自車速に応じて設定することを特徴とし、
自車の走行状況に応じた木目細かい制御が可能となる。
【0011】また、本発明による第4のカーブ進入制御
装置は、上記第1乃至第3のカーブ進入制御装置におい
て、上記同一カーブは、少なくとも、隣接するノードの
間隔が設定間隔より小さく、且つ、この隣接するノード
でのカーブが同じ方向に屈曲していることを条件に判定
されることを特徴とし、隣接するノードが同一カーブを
成すことを正確に判定することができる。
【0012】更にまた、本発明による第5のカーブ進入
制御装置は、上記第4のカーブ進入制御装置において、
上記設定間隔は、上記隣接するノードでの道路幅に応じ
て設定されることを特徴とし、道路幅の広い道路と道路
幅の狭い道路とでノード間隔が異なることが考慮され、
より正確な同一カーブの判定が可能になる。
【0013】また、本発明による第6のカーブ進入制御
装置は、ナビゲーション装置からの自車位置情報とノー
ド情報に基づき各ノードでのカーブ情報を推定するカー
ブ情報推定手段と、これら各ノードでのカーブ走行が可
能な自車両速度を許容進入速度として設定する許容進入
速度設定手段と、少なくとも上記各許容進入速度を基に
制御対象とする対象ノードを選定し、この対象ノードで
のカーブに対する自車両の進入状態を推定して所定の制
御を実行する判定制御手段とを備えたカーブ進入制御装
置において、上記判定制御手段は、複数のノードで同一
カーブが構成されている際に、この同一カーブを成す複
数のノードの何れかを上記対象ノードに選定した場合
は、上記複数のノードの中の上記対象ノード以外のノー
ドについて、上記対象ノードの許容進入速度から設定速
度範囲内の許容進入速度のノードを以降の対象ノード選
定から除外することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図10は本発明の実施の一
形態に係わり、図1はカーブ進入制御装置の機能ブロッ
ク図、図2はナビゲーション装置からのデータの説明
図、図3は自車位置とノードに関する説明図、図4はノ
ード角度及びカーブ曲率半径の演算に関する説明図、図
5はカーブが一つのノードで構成されている場合の説明
図、図6はカーブが複数のノードで構成されている場合
の説明図、図7は同一カーブと判定された各ノードに対
する処理の一例を示す説明図、図8は対象ノードまでの
距離と警報速度との関係を表す説明図、図9は警報判定
出力ルーチンを示すフローチャート、図10は図9から
続くフローチャートである。
【0015】図1において、符号1はカーブ進入制御装
置を示し、このカーブ進入制御装置1の制御部2には、
ブレーキ圧センサ4、ヨーレートセンサ5、ハンドル角
センサ6、横加速度センサ7、車速センサ8、前後加速
度センサ9等のセンサ類が接続され、各センサで検出さ
れた、ブレーキ圧、ヨーレート、ハンドル角、横加速
度、車速、前後加速度の各信号が入力される。
【0016】また、制御部2には道路形状検出装置3が
接続され、前方の道路形状に関する画像情報が入力され
る。この道路形状検出装置3は、例えば、一対のCCD
カメラを有して構成されており、この一対のCCDカメ
ラでステレオ撮像された画像を処理して前方道路の白
線、ガードレール、路端境界等を認識する。そして、前
方道路のカーブ開始地点までの距離と、そのカーブの度
合いを、例えば、右大カーブ、右中カーブ、ほぼ直進、
左中カーブ、左大カーブの各段階に分類して検出するよ
うになっている。
【0017】更に、上記制御部2にはナビゲーション装
置11が接続され、このナビゲーション装置11から
は、図2に示すように、自車走行ルートに関して送出さ
れるノード数n、自車位置の東経、自車位置の北緯、自
車直後のノードに関するデータ、及び自車前方の設定範
囲内における自車走行ルートのノードに関するデータ
(自車直前のノードに関するデータ、自車前方2点目の
ノードに関するデータ、…、自車前方(n−1)点目の
ノードに関するデータ)が、例えば500ms毎に出力
される。上記各ノードに関するデータには、図示の如
く、自車位置からノードまでの東方向位置、自車位置か
らノードまでの北方向位置、ノード位置に交差点がある
か否かを識別する交差点フラグ、道路種別、道路幅等の
情報が含まれている。
【0018】上記ナビゲーション装置11は、乗員によ
り目的地が入力された場合には、入力された目的地に対
して自車が進むべく最適な案内経路を設定する。そし
て、設定された案内経路上の、例えば自車前方300m
までのノードに関するデータと自車直後のノードに関す
るデータを自車走行ルートのノードに関するデータとし
て制御部2に出力する。
【0019】一方、上記ナビゲーション装置11は、乗
員による目的地の入力がなされていない場合は、例えば
道路種別や道路幅等の情報に基づいて自車が進むであろ
う経路の優先順位を推定し、その中で最も優先順位の高
い経路を推定経路として設定する。そして、設定された
推定経路上の例えば自車前方300mまでのノードに関
するデータと自車直後のノードに関するデータを自車走
行ルートのノードに関するデータとして制御部2に出力
する。
【0020】上記制御部2は、上記各センサ4,5,
6,7,8,9、道路形状検出装置3、及びナビゲーシ
ョン装置11からの入力に基づき、自車が走行路前方の
カーブを充分に安定して曲がれるか否かを演算し、必要
に応じて、ブザー、音声警報、警告灯等からなる警報装
置12を駆動させて、乗員に報知する。又、強制的に減
速させる必要があるときは、減速装置13に対して減速
指令を出力し、トランスミッションのシフトダウン、エ
ンジントルクダウン、ブレーキ作動等により減速制御を
行う。
【0021】こうして、上記制御部2は、路面摩擦係数
推定部21と、車速変化演算部22と、道路勾配推定部
23と、前方道路属性演算記憶部24と、許容減速度設
定部25と、許容横加速度設定部26と、同一カーブ判
定部27と、許容進入速度設定部28と、警報速度演算
記憶部29と、警報判定出力部30と、減速判定出力部
31と、制御実行判断部32とを備えて構成されてい
る。
【0022】先ず、上記路面摩擦係数推定部21は、ヨ
ーレートセンサ5からのヨーレート、ハンドル角センサ
6からのハンドル角、横加速度センサ7からの横加速
度、及び車速センサ8からの車速に基づき、走行中の路
面摩擦係数μ(路面μ)の推定を行い、推定した路面μ
(路面μ推定値)は許容減速度設定部25と許容横加速
度設定部26に出力される。この路面摩擦係数推定部2
1での路面μの推定は、例えば、本出願人が先に提出し
た特開平8−2274号公報に既述した算出方法(適応
制御を用いて路面μを推定する)等を用いて行われる。
【0023】上記車速変化演算部22は、車速センサ8
からの車速をもとに、設定時間毎の車速の変化率の演算
を行うもので、演算結果は道路勾配推定部23に出力さ
れる。
【0024】上記道路勾配推定部23は、前後加速度セ
ンサ9からの前後加速度、及び車速変化演算部22から
の車速の変化率に基づき、道路勾配SLの推定を行うも
ので、演算結果は許容減速度設定部25及び許容横加速
度設定部26に出力される。尚、この道路勾配SLの推
定は、例えば、本出願人による特開平11−83501
号公報に詳述した方法を用いて推定する。
【0025】上記前方道路属性演算記憶部24では、ナ
ビゲーション装置11から送信されたノード毎の位置情
報に基づき、各々のノードについて、1つ手前のノード
との間隔、カーブ曲率半径及びノード角度を演算し、こ
れらをノード属性情報として格納すると共に、交差点識
別、道路種別、道路幅、後述する特異点識別等に関する
情報についても各ノードの属性情報として記憶格納す
る。
【0026】具体的には、前方道路属性演算記憶部24
は、ナビゲーション装置11から送信された、自車位置
を基準としたノード座標(図3参照)を用いて、ノード
Pj(xP[j],yp[j])と1つ手前のノードPj-1 (xp
[j-1],yp[j-1])との間隔Lp[j]を、 Lp[j]=((xP[j]−xp[j-1])2 +(yp[j]−yp[j-
1])2 1/2 (但し、1≦j≦n−1)により各ノードについて演算
する。
【0027】続いて、前方道路属性演算記憶部24は、
例えば図4に示すように、ノード座標に基づいて、各ノ
ードPj におけるノード角度tp[j]を、 tp[j]=sin-1 (((xp[j-1]−xp[j])・(yp[j]−
yp[j+1])−(xp[j]−xp[j+1])・(yp[j-1]−yp
[j]))/(Lp[j]・Lp[j+1])) により演算する。尚、ここで得られたノード角度tp[j]
は、右コーナの場合、正値で表され、左コーナの場合、
負値で表される。
【0028】以上の計算結果に基づいて、前方道路属性
演算記憶部24では、ノードPj でのカーブ曲率半径r
p[j]を、 rp[j]=min (LP[j],Lp[j+1])/2/tan (|tp
[j]|/2) により演算する。ここで、min (Lp[j],Lp[j+1])
は、Lp[j]とLp[j+1]の何れか短い方を選択するとの意
味であり、例えば、図4においては、Lp[j]<Lp[j+1]
であるため、min (LP[j],Lp[j+1])=Lp[j]であ
る。
【0029】また、前方道路属性演算記憶部24では、
ナビゲーション装置11から送信されるデータをそのま
ま用いて(ナビゲーション装置11で予め定義づけられ
ているデータをそのまま用いて)、各ノード毎に交差点
識別(交差点か否か、或いは案内経路上の交差点か)を
設定する。
【0030】例えば、ノード位置に交差点がある場合は
交差点識別ip[j]を”1”に、ノード位置に交差点がな
い場合は交差点識別ip[j]を”0”に、また、乗員によ
り目的地が設定された案内経路上の交差点の場合は交差
点識別ip[j]を”2”に設定する。
【0031】また、前方道路属性演算記憶部24では、
ナビゲーション装置11から送信された道路種別データ
をそのまま用いて(ナビゲーション装置11で予め定義
づけられているデータをそのまま用いて)、道路種別属
性cp[j]を設定する。
【0032】例えば、高速自動車国道の場合は道路種別
属性cp[j]を”5”に、都市高速道路の場合は道路種別
属性cp[j]を”4”に、一般国道の場合は道路種別属性
cp[j]を”3”に、主要地方道の場合は道路種別属性c
p[j]を”2”に、その他の道路の場合は道路種別属性c
p[j]を”1”に設定する。
【0033】また、前方道路属性演算記憶部24では、
ナビゲーション装置11から送信される道路幅に関する
フラグ(ナビゲーション装置11で予め定義づけられて
いるデータ)に基づいて道路幅属性wp[j]を設定する。
【0034】例えば、道路幅が13m以上であることを
示すフラグ”4”が入力された場合は道路幅属性wp[j]
を15mに、道路幅が5.5m〜13mであることを示
すフラグ”3”が入力された場合は道路幅属性wp[j]を
10mに、道路幅が3m〜5.5mであることを示すフ
ラグ”2”が入力された場合は道路幅属性wp[j]を5m
に、道路幅が3m以下であることを示すフラグ”1”が
入力された場合は道路幅属性wp[j]を3mに、道路幅に
ついて未調査であることを示すフラグ”0”が入力され
た場合は道路幅属性wp[j]を5mに設定する。
【0035】更に、前方道路属性演算記憶部24では、
ナビゲーション装置11から送信された各ノードについ
ての特異点判定を行い、ノードPj が特異点であると判
定された場合には、判定されたノードPj を除いた前後
のノードPj-1 ,Pj+1 間におけるノード角度tp[J+
1]、カーブ曲率半径rp[j+1]の再演算を行う。すなわ
ち、隣接するノード間隔が接近しすぎていると演算され
たカーブ曲率半径は実際の道路の曲率半径よりも小さく
なりすぎた値となってしまい、結果として何でもないカ
ーブで過剰に警報や減速制御をしてしまう。これを防止
するため、前方道路属性演算記憶部24では、このよう
なノードを、道路種別属性cp[j]、道路幅属性wp[j]を
考慮した上で、ノード間隔Lp[j]、ノード角度tp[j]に
基づいて、ノード角度、カーブ曲率半径演算時の特異点
として除外する。
【0036】次に、上記許容減速度設定部25は、路面
摩擦係数推定部21からの路面μ推定値と道路勾配推定
部23からの道路勾配SLとに基づいて車両が許容でき
る減速度(許容減速度)XgLimを設定する。具体的に
は、本出願人が特開平11−83501号公報で詳述す
るように、現在の路面μ推定値に基づく基準値XgLim0
を求め、この基準値XgLim0 に道路勾配SLを用いた補
正を行って許容減速度XgLimを設定する。
【0037】そして、許容横加速度設定部26は、路面
摩擦係数推定部21からの路面μ推定値、道路勾配推定
部23からの道路勾配SL、前方道路属性演算記憶部2
4からのカーブ曲率半径rp[j]を基に、各ノードに対す
る自車両が許容可能な横加速度を許容横加速度aylとし
て設定し、許容進入速度設定部28に出力する。
【0038】すなわち、上記許容横加速度設定部26で
は、先ず、カーブでの路面μが現在の路面μのまま一定
であると仮定し、路面μ推定値を基に許容横加速度の基
準値ayl1 を、例えば次式に従って算出する。 ayl1 =(路面μ推定値)・(安全率Kμs)・(重力
加速度g) ここで、安全率Kμsは、路面μの推定精度や、車両特
性(例えば、路面μが0.5でも0.5gの横加速度発
生は不可能)を考慮し、0.5〜1.0程度の値とす
る。
【0039】次いで、上記許容横加速度の基準値ayl1
を次式に従って道路勾配推定部23からの道路勾配SL
で補正し、許容横加速度ayl2 を得る。 ayl2 =(ayl12−(g・sin (SL/100))21/2 ≒(ayl12−(g・SL/100)21/2 すなわち、タイヤ横力が最大となれるのはタイヤ前後力
が0の時であるが、その時、上り坂では減速となり余裕
が出る反面、下り坂では加速してしまうため危険度が増
す。従って、タイヤで発生しうる前後力と横力の合力が
摩擦円として一定であると仮定し、下り坂では、一定速
度で通過するためのブレーキ力を差し引いた許容横加速
度に補正するのである。
【0040】こうして得られた許容横加速度ayl2 に対
し、更に車速により補正して最終的な許容横加速度ayl
を得るようになっている。この最終的な許容横加速度a
ylは、例えば、次式に従って演算される。 ayl=ayl2 ・(車速補正係数Kv) ここで、車速補正係数Kvは、例えば、(ayl1 ・rp
[j])1/2 で演算されるカーブ進入限界速度が大きくな
ると小さな値になるように定められている。すなわち、
高速コーナリング走行時の安全性を高めるため、カーブ
進入限界速度の増加に伴ってカーブでの許容横加速度が
低下するように補正される。
【0041】一方、同一カーブ判定部27は、上記前方
道路属性演算記憶部24からの各ノード毎のノード角度
tp[j]、各ノード間隔Lp[j]、道路幅属性wp[j]の情報
に基づき、各ノードでのカーブは複数連続して大きな同
一カーブを成すか判定する同一カーブ判定手段として設
けられており、この判定結果は許容進入速度設定部28
と警報判定出力部30に出力される。
【0042】具体的には、ノード間隔Lp[j]が設定間隔
(LK ・wp[j]:LK は定数(例えば3.5))よりも
小さく(Lp[j]<(LK ・wp[j]))、且つ、ノードで
のカーブの屈曲方向を示す各々のノード角度tp[j-1],
tp[j]の符号が同じ場合、ノードPj-1 ,Pj が連続し
た同一カーブを成すと判定する。
【0043】ナビゲーション装置11からのノード情報
は、一つのノードで走行路上の一部分を代表するもので
あり、図5に示すように、一つのノードPj で一つのカ
ーブを構成する場合と、図6に示すように、複数のノー
ドPj-1 ,Pj ,…で一つの大きな同一カーブを構成す
る場合とがある。図6に示すノードPj-1 ,Pj ,Pj+
1 ,Pj+2 の例では、これらは、互いに隣接するノード
間隔Lp[j]が設定間隔(LK ・wp[j])より小さく、且
つ、同じ方向に屈曲しており、同一カーブを成すことが
判定できる。
【0044】従って、上述の実際に各ノードが示すカー
ブの形状を、直接そのまま判定条件とすることにより、
各ノードでのカーブは複数連続して大きな同一カーブを
成すか正確に判定するのである。
【0045】また、判定条件のノード間隔Lp[j]の閾値
として道路幅属性wp[j]に応じた設定間隔(LK ・wp
[j])を採用したのは、幅の広い道路ほどカーブの曲率
半径が大きく、そのカーブ上のノードの間隔も大きくな
る傾向に対応させるためである。これにより、同一カー
ブの判定が、より正確に行えるようになっている。
【0046】次いで、許容進入速度設定部28は、前方
道路属性演算記憶部24に記憶格納されたノード属性情
報、許容横加速度設定部26で設定された許容横加速度
ayl及び同一カーブ判定部27での判定結果に基づい
て、各ノードに対する自車の許容進入速度Vapを所定の
補正処理を加えて演算する。
【0047】すなわち、許容進入速度設定部28では、
先ず、許容横加速度aylとカーブ曲率半径rp[j]とを用
いて、 Vap0[j]=(ayl・rp[j])1/2 により各ノードPj への許容進入速度の基準値Vap0[j]
を求める。
【0048】次に、許容進入速度設定部28では、各ノ
ードのカーブ深さtpa(同一カーブに含まれる複数のノ
ードの各ノード以前のノード角度を足し込むことにより
求められる)を求め、このカーブ深さtpaを用いて各ノ
ードにおける許容進入速度の基準値Vap0 を補正し、許
容進入速度Vap1 を求める。尚、ノード1つに対して1
つの独立したカーブが存在する場合、このノードをPj
とすると、カーブ深さtpa[j] は、tpa[j] =tp[j]と
なる。
【0049】この許容進入速度Vap1 は、例えば、 Vap1 =Vap0 ・(カーブ深さ補正係数Kt ) によって求められるもので、カーブ深さ補正係数Kt は
カーブ深さtpaが大きくなると小さな値になるように定
められている。これは、カーブ深さtpaが大きい場合は
コーナリングが困難になるため、カーブ深さtpaの増加
に伴ってカーブでの許容進入速度が低下するように補正
するものである。
【0050】また、許容進入速度設定部28では、各ノ
ードにおけるカーブ曲率半径rp[j]が道路幅wp[j]の所
定割合rwk以下となるタイトカーブであるとき、許容進
入速度が極端に小さくなることを回避するため、許容進
入速度Vap1 をさらに補正して許容進入速度Vap2 を求
める。この許容進入速度Vap2 は、道路幅に応じた所定
値(ayl・wk ・rwk)1/2 と許容進入速度Vap1 とを
比較し、大きい方を選択することにより設定される。す
なわち、許容進入速度Vap2 は、 Vap2 =max (Vap1 ,(ayl・wk ・rwk)1/2 ) によって求められる。
【0051】さらに、許容進入速度設定部28では、同
一カーブを構成するノードの許容進入速度Vap2 につい
て、許容進入速度Vap2 のばらつきを調整するために平
滑化処理を行って、各ノードにおける最終的な許容進入
速度Vapを設定する。
【0052】具体的には、同一カーブを構成するノード
群の対象となるノードPj の許容進入速度Vap2[j]と、
許容進入速度Vap2[j]と次のノードPj+1 における許容
進入速度Vap2[j+1]との平均値と、許容進入速度Vap2
[j]と前のノードPj-1 における許容進入速度Vap2[j-
1]との平均値と、をそれぞれ比較し、3値のうちの中央
値をノードPj の最終的な許容進入速度Vapとして設定
する。
【0053】また、上記警報速度演算記憶部29は、ナ
ビゲーション装置11から送信されたn個のノードのう
ち、自車通過直後のノードP0 ,最遠点のノードPn-1
,特異点ノードを除いた全てのノードについて、ノー
ド間隔Lp[j]、許容減速度XgLim、許容進入速度Vap
[j] を用いて、警報制御の基準となる警報速度Vw[j]を
演算するようになっている。この警報速度Vw[j]は、現
自車位置から対象とするノードPj までの間を自車が、
許容減速度XgLimの、例えば50%で減速した際に、車
速が許容進入速度Vap[j] となるための速度に設定され
ており、 Vw[j]=(Vap[j]2+2・(0.5・XgLim)LL[j]
1/2 で求められる。ここで、LL[j] は自車位置からノード
Pj までの道のりを示し、j=1のとき、 LL[1] =(xp[1]2 +yp[1]2 1/2 2≦j≦n−1のとき、 LL[j] =LL[1] +Lp[2]+Lp[3]+…+Lp[j] で求められる。
【0054】更に、上記警報判定出力部30は、車速セ
ンサ8で検出された自車速Vと、同一カーブ判定部27
からの判定結果と、許容進入速度設定部28で設定され
た各ノードに対する許容進入速度Vap[j] と、警報速度
演算記憶部29で演算された各ノードに対する警報速度
Vw[j]とに基づいて、警報を出力する必要があるか否か
を判定する。そして、後述の図10に示す警報判定出力
ルーチンのフローチャートに示すように、警報判定出力
部30で、警報を出力する必要があると判定し、かつ制
御実行判断部32から警報の実行を許可する信号が入力
されたとき、警報装置12に対して制御信号を出力し、
警報を実行する。
【0055】具体的には、警報判定出力部29は、警報
速度演算記憶部28で演算された警報速度Vw[j]が最小
となるノードを警報を行う際の対象ノードPt として設
定する。
【0056】そして、この対象ノードPt の警報速度V
w[t]と自車速Vとを比較し、図8に示すように、自車速
Vが警報速度Vw[t]よりも大きく、かつ対象ノードPt
における許容進入速度Vap[t] と自車速Vとの差が所定
値Vk1(例えば、5km/h)以上であれば、自車がオーバ
ースピード状態であり警報を出力する必要があると判定
する(例えば図中、大オーバスピード時の警報位置)。
【0057】また、自車速Vと対象ノードPt の許容進
入速度Vap[t] との差が所定値Vk1以上であるが、まだ
自車速Vが警報速度Vw[t]を越えてなく、かつ対象ノー
ドPt までの道のりLL[t] が所定値Vrdxell以下の際
は、自車がオーバースピード状態であり警報を出力する
必要があると判定する(例えば図中、ややオーバスピー
ド時の警報位置)。ここで、所定値Vrdxellは、高速に
なる程大きな値をとる車速の関数とし、例えば、Vrdxe
ll=2・V(=2秒間の空走距離)により設定される。
【0058】ところで、図7に示すカーブの一例におい
て、同一カーブを成す複数のノードa〜e(総称してノ
ードPt1と呼ぶ)の中でノードbが対象ノードPtとな
り、このカーブに関する最初の警報が行われた場合に
は、このノードb以外のノードa,c,d,eに対する
それ以後の警報の必要性を判定する。この警報必要性の
判定は、警報が行われたノードPt以外の同一カーブ上
にある他のノードPt1に関する許容進入速度Vap[t1]
が、対象ノードPt の許容進入速度Vap[t]に対して設
定速度Vk2(例えば、Vk2=2・V)範囲内にある場合
に、そのノードPt1を警報する必要のないノードPt2と
して判定する。
【0059】上記減速判定出力部31は、警報判定出力
部30で警報を出力する必要があると判定された対象ノ
ードPt に対して、さらに強制的な減速を行う必要があ
るか否かを判定する。すなわち、警報判定出力部30で
対象ノードPt に対して警報を出力する必要があると判
定された後に、所定時間(例えば2秒間)運転者の適切
な減速動作が見られないとき、この対象ノードPt に対
する減速を行う必要があると判定する。そして、減速判
定出力部31では、減速を行う必要があると判定し、か
つ制御実行判断部32から減速制御の実行を許可する信
号が入力されたとき、減速装置13に対して制御信号を
出力し、トランスミッションのシフトダウン、エンジン
トルクダウン、ブレーキ作動等の減速制御を実行する。
【0060】制御実行判断部32は、上記警報判定出力
部30で警報対象と判定され、或いは減速判定出力部3
1で減速対象と判定された対象ノードPt に対し、実際
に制御を実行できるか否かを判断する。
【0061】すなわち、先ず、警報対象と判定されたノ
ードPt に対し、この対象ノードPt が実際の道路上に
存在するか否かを、例えば前方道路属性演算記憶部24
に記憶されている道路属性の中から対象ノードPt のカ
ーブ曲率半径rp[t]を読込み、更に警報速度演算記憶部
29に記憶されている対象ノードPt までの道のりLL
[t] を読込み、このカーブ曲率半径rp[t]と道のりLL
[t] とを、道路形状検出装置3にて認識した前方道路の
カーブ具合とカーブ開始点までの距離とに対してそれぞ
れ照合する。この結果、これらが一致した場合は、対象
ノードPt が実際の道路上に存在すると判断し、警報対
象と判定された対象ノードPt に対して実行許可を付与
する。又、一致しない場合は、ナビゲーション装置11
のCD−ROM等の記憶手段に記憶されている地図中の
道路情報が、その後の道路の新設や改修工事などで実際
の道路と異なっていることが考えられるため、対象ノー
ドPt に対する警報の実行はキャンセルする。
【0062】そして、制御実行判断部32で、対象ノー
ドPt に対する警報および減速の実行が許可されると、
警報判定出力部29から、警報装置12に対して警報指
令信号を出力し、運転者に対してカーブに差し掛かって
いることを報知し、減速判定出力部31から減速装置1
3に対して減速指令信号を出力する。
【0063】次に、上記警報判定出力部30で実行され
る制御の具体的な例を、図9及び図10のフローチャー
トで説明する。先ず、ステップ(以下”S”と略称)1
01で、自車速V、ノード情報、演算結果等の各必要な
データを入力する。
【0064】次いでS102に進み、現在の自車位置に
おいて、警報速度Vw[j]が最小であるノードを警報の対
象ノードPt として設定する。この処理により対象ノー
ドPt の各データ(対象ノードPt に関する許容進入速
度Vap[t] 等の各データ)も取得される。
【0065】その後、S103に進み、今回の対象ノー
ドPt が後述する処理により警報する必要のないノード
と判定され、対象ノードPtに対する警報済みフラグin
fpがセット(infp =1)されているか否かが判断され
る。
【0066】このS103においてinfp=1であるこ
とが判断されると、今回の対象ノードPtについては警
報を行わずにルーチンを抜ける、一方、infp=0で警
報対象としてオープンなノードである場合には次のS1
04へ進む。
【0067】ここで、infp=0の場合としては、当該
カーブに対していまだ警報がなされていない場合と、後
述するように、今回の対象ノードがカーブ奥の屈曲度の
急なノード(複合カーブ)であり警報の可能性が保持さ
れている場合がある。
【0068】次に、上記S103からS104へと進む
と、対象ノードPt の警報速度Vw[t]と自車速Vとが比
較され、自車速Vが警報速度Vw[t]より大きい場合(V
w[t]<Vの場合)はS105へと進む。
【0069】S105では、自車速Vに対する許容進入
速度Vap[t] の差(V−Vap[t] )が所定値Vk1以上で
あるか否かの判定が行われる。ここで、差(V−Vap
[t] )が所定値Vk1より小さければ、スピードの超過も
僅かであり、また、警報対象とするカーブ目前での急な
警報となる可能性もあり、警報は不必要であるため、そ
のままルーチンを抜ける。
【0070】一方、上記S105で、差(V−Vap[t]
)が所定値Vk1以上であれば、自車両は警報が必要な
オーバースピード状態であり、S106に進んで制御実
行判断部32による警報許可フラグFWAを参照する。そ
して、S106の結果、警報許可フラグFWAがクリア
(FWA=0)されて警報の実行が不許可であれば、警報
が必要と判定されていても警報の実行がキャンセルさ
れ、ルーチンを抜ける。 逆に、警報許可フラグFWAが
セット(FWA=1)されて警報の実行が許可されていれ
ば、S107に進んで所定の警報(音声、ブザー、ラン
プ)を出力し、その後、S108に進んで、当該対象ノ
ードにおける警報済みフラグinfpをセット(infp←
1)する。
【0071】ところで、前記S104で、対象ノードP
t の警報速度Vw[t]と自車速Vとの比較の結果、自車速
Vが警報速度Vw[t]以下の場合(Vw[t]≧Vの場合)は
S109へと進む。
【0072】S109では、上記S105と同様、自車
速Vに対する許容進入速度Vap[t]の差(V−Vap[t]
)が所定値Vk1以上であるか否かの判定が行われる。
そして、差(V−Vap[t] )が所定値Vk1より小さけれ
ば、対象ノードPt に対して十分安全な速度であり、警
報は不必要であるため、そのままルーチンを抜ける。
【0073】また、上記S109で、差(V−Vap[t]
)が所定値Vk1以上であれば、自車両は警報が必要な
オーバースピード状態ではないが、このまま減速せずに
走行していくと、警報対象とするカーブ目前で急な警報
になる可能性もある。そのため、次のS110におい
て、対象ノードPt までの道のりLL[t] と自車の空走
距離を考慮した所定値Vrdxell(Vrdxell←2・V)と
の比較を行い、対象ノードPt までの道のりLL[t] が
所定値Vrdxell以下(Vrdxell≧LL[t] )の場合に、
S106に進んで警報許可フラグFWAを参照した後、S
107において警報を出力する。
【0074】なお、上記S110において、対象ノード
Pt までの道のりLL[t] が所定値Vrdxellより大きい
(Vrdxell<LL[t] )場合には、対象ノードPt まで
の道のりLL[t] が十分であるので警報は不必要と判定
され、ルーチンを抜ける。
【0075】上記S108において、当該対象ノードP
tに対応する警報済みフラグinfpがセット(infp←
1)された後、以下のステップにおいて、当該対象ノー
ドPtと同一カーブ上にある他のノードPt1に対する今
後の警報の必要性を判断する。
【0076】すなわち、他のそれぞれのノードPt1につ
いて、そのノードPt1に対して計算されている許容進入
速度Vap[t1]を、今回警報が行われた対象ノードPtに
対する許容進入速度Vap[t]と比較し、あまり大きな違
いがなければ、そのノードPt1に対する警報済みフラグ
infp[t1]をセットする。これにより、これ以後にこの
ノードPt1が警報の対象ノードPtとなったとしても、
前述のS103における処理により警報が禁止されるこ
とになる。
【0077】具体的には、まず、S111において、同
一カーブ判定部27からの同一カーブを成すノードの判
定結果を基に、対象ノードPt と同一カーブを構成する
ノードをノードPt1として抽出する。次いで、S112
に進むと、S111の結果に基づいて、対象ノードPt
と同一カーブを構成するノードPt1の存在が確認され
る。そして、対象ノードPt以外に同一カーブを構成す
る他のノードPt1が存在する場合はS113へと進む一
方、ノードPt1が存在せず、対象ノードPt 一つで一つ
のカーブを代表している場合はそのままルーチンを抜け
る。
【0078】上記S112で同一カーブを構成するノー
ドPt1の存在が確認されて、S113に進むと、自車速
Vに応じて設定速度Vk2の設定、すなわち、Vk2←2・
Vが行われる。
【0079】次いで、S114に進むと、対象ノードP
t と同一カーブを構成する他の全てのノードPt1の許容
進入速度Vap[t1]について、対象ノードPt の許容進入
速度Vap[t]に対する差(Vap[t] −Vap[t1])がそれ
ぞれ演算され、この差がVk2より小さいノードがノード
Pt2として抽出される。すなわち、設定速度Vk2はノー
ドPt2を抽出するための閾値であり、ノードPt2は、構
成する同一カーブの中で対象ノードPt とあまり警報す
る条件の違わないノードを意味している。また、設定速
度Vk2は、自車速Vが高速になるほど大きくなるように
設定されるので、自車速Vに応じた木目細かな制御が可
能となる。
【0080】こうして、S115に進むと、S114で
抽出した全ノードPt2の警報済みフラグinfp がセット
される(infp←1)。自車両前方のカーブに対して
は、今回、対象ノードPt による判定結果により警報を
実行すれば、乗員の注意を促すのに十分であり、何度も
警報を繰り返すと乗員に対し却って不快感を与えてしま
う虞がある。従って、対象ノードPt と同様に、抽出ノ
ードPt2についても警報済みフラグinfpをセット(in
fp←1)して次回から警報の対象から除外することによ
り、乗員に対して不快感を与えることなく自然に適切な
タイミングで警報が行われるようになっている。
【0081】なお、同一カーブを構成するノードPt1で
あっても、例えば、カーブ奥の屈曲度が急なノードの場
合(複合カーブ)等、対象ノードPt と警報条件が大き
く異なるノード、すなわち、差(Vap[t] −Vap[t1])
がVk2より大きいノードについては、警報済みフラグi
nfp がそのまま(infp=0)となり、次回以降も警報
対象に設定される可能性が保持される。これにより、運
転状態によっては再度警報可能であり、安全性に優れた
制御となっている。
【0082】以上説明した本発明特有の警報処理を、図
7に示すカーブに適用した場合について詳述する。ま
ず、ノードbが最初に警報の対象ノードPt となった場
合を仮定すると、同一カーブ内のその他のノードa,
c,d,eに対する各々の許容進入速度Vap[a] ,Vap
[c] ,Vap[d] ,Vap[e] が、最初に警報対象となった
ノードbでの許容進入速度Vap[b] と比較される。ノー
ドa,c,eについては許容進入速度がノードbとあま
り違わないので(Vap[a] ,Vap[c] ,Vap[e] がVap
[b] より設定速度Vk2以上小さくないので)、これらノ
ードa,c,eに対しては警報を行わないように、ノー
ドa,c,eの警報済みフラグinfp[a],infp[c],i
nfp[e]がセット(infp[a]←1,infp[c]←1,infp
[e]←1)される。ノードdではカーブ奥の急カーブと
なっており、ここではその許容進入速度Vap[d] がVap
[b] より設定速度Vk2以上小さいので(Vap[d] ≦Vap
[b] −Vk2となるので)、このノードdに対しては以降
も警報を行えるように警報済みフラグinfp[d]はクリア
されたまま(infp[d]=0)とする。
【0083】上述の本発明の実施形態においては、警報
制御を例にとって説明したが、本発明はこれに限ること
なく、減速制御を対象にしてもよい。すなわち、複数の
ノードで構成されるカーブにおいて、一つのノードに対
して減速制御が行われた場合には、同一カーブ上の他の
ノードにおいては減速制御を行わないように設定しても
よい。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
同一カーブを成す複数のノードの何れかを警報の対象ノ
ードに選定した場合、複数のノードの中の対象ノード以
外のノードについて、対象ノードの許容進入速度から設
定速度範囲内の許容進入速度のノードを以後の対象ノー
ド選定から除外し制御するようにしたので、複数のノー
ドにより表現されたカーブで警報が不必要に繰り返され
て警報が乗員に対して不快感を与えることがなく、警報
が自然で適切なタイミングで行われる一方、カーブ奥の
屈曲度が急な複合カーブでは、再度の警報や減速制御の
実行機会が確保され、より安全運転を喚起させることが
できるという優れた効果を奏する。
【0085】この場合、対象ノードの許容進入速度から
の設定速度範囲を自車速に応じて設定するようにすれ
ば、自車の走行状況に応じた木目細かい制御が可能とな
【0086】また、複数のノードによる同一カーブの判
定を、隣接するノードの間隔が設定間隔より小さく、且
つ、この隣接するノードでのカーブが同じ方向に屈曲し
ていることを条件とすることにより、隣接するノードが
同一カーブを成すことを正確に判定することができ、制
御をより精度良く実行することができる。
【0087】この同一カーブの判定で基準とする設定間
隔を、隣接するノードでの道路幅に応じて設定するよう
にすることにより、道路幅の広い道路と道路幅の狭い道
路とでノード間隔が異なることが考慮され、より正確な
同一カーブの判定が可能になり、制御をより精度良く実
行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カーブ進入制御装置の機能ブロック図
【図2】ナビゲーション装置からのデータの説明図
【図3】自車位置とノードに関する説明図
【図4】ノード角度及びカーブ曲率半径の演算に関する
説明図
【図5】カーブが一つのノードで構成されている場合の
説明図
【図6】カーブが複数のノードで構成されている場合の
説明図
【図7】同一カーブと判定された各ノードに対する処理
の一例を示す説明図
【図8】対象ノードまでの距離と警報速度との関係を表
す説明図
【図9】警報判定出力ルーチンを示すフローチャート
【図10】図9から続くフローチャート
【符号の説明】
1 … カーブ進入制御装置 2 … 制御部 11 … ナビゲーション装置 12 … 警報装置 13 … 減速装置 24 … 前方道路属性演算記憶部 25 … 許容減速度設定部 26 … 許容横加速度設定部 27 … 同一カーブ判定部 28 … 許容進入速度設定部 29 … 警報速度演算記憶部 30 … 警報判定出力部 31 … 減速判定出力部 32 … 制御実行判断部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08G 1/00 - 1/16 B60K 31/00 B60T 7/12 - 8/00 B60T 8/32 - 8/96 G01C 21/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナビゲーション装置からの自車位置情報
    とノード情報に基づき各ノードでのカーブ情報を推定
    し、これら各ノードでのカーブに対する自車両の進入状
    態を推定して警報または減速制御を行うカーブ進入制御
    装置において、 複数のノードで同一カーブが構成されている場合には、
    この同一カーブ上の複数のノードの一のノードに対して
    警報または減速制御が実行された以降は、上記複数のノ
    ードの中の他のノードに対する警報または減速制御を禁
    止することを特徴とするカーブ進入制御装置。
  2. 【請求項2】 上記他のノードに対して計算された許容
    進入速度が、上記一のノードに対して計算された許容進
    入速度に対して予め設定した速度範囲内にある場合に、
    上記他のノードに対する警報または減速制御を禁止する
    ことを特徴とする請求項1記載のカーブ進入制御装置。
  3. 【請求項3】 上記設定速度を、自車速に応じて設定す
    ることを特徴とする請求項2記載のカーブ進入制御装
    置。
  4. 【請求項4】 上記同一カーブは、少なくとも、隣接す
    るノードの間隔が設定間隔より小さく、且つ、この隣接
    するノードでのカーブが同じ方向に屈曲していることを
    条件に判定されることを特徴とする請求項1乃至請求項
    3記載のカーブ進入制御装置。
  5. 【請求項5】 上記設定間隔は、上記隣接するノードで
    の道路幅に応じて設定されることを特徴とする請求項4
    記載のカーブ進入制御装置。
  6. 【請求項6】 ナビゲーション装置からの自車位置情報
    とノード情報に基づき各ノードでのカーブ情報を推定す
    るカーブ情報推定手段と、これら各ノードでのカーブ走
    行が可能な自車両速度を許容進入速度として設定する許
    容進入速度設定手段と、少なくとも上記各許容進入速度
    を基に制御対象とする対象ノードを選定し、この対象ノ
    ードでのカーブに対する自車両の進入状態を推定して所
    定の制御を実行する判定制御手段とを備えたカーブ進入
    制御装置において、 上記判定制御手段は、複数のノードで同一カーブが構成
    されている際に、この同一カーブを成す複数のノードの
    何れかを上記対象ノードに選定した場合は、上記複数の
    ノードの中の上記対象ノード以外のノードについて、上
    記対象ノードの許容進入速度から設定速度範囲内の許容
    進入速度のノードを以降の対象ノード選定から除外する
    ことを特徴とするカーブ進入制御装置。
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