JP3167570U - 上着 - Google Patents

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Abstract

【課題】上着を着用して腕や肩を動かす際に生じうる着用時の窮屈感を抑え、良好な着用感を与える上着を提供する。【解決手段】身頃部21と、該身頃部21の左右の袖ぐり22,22に縫着される袖部51,51とを備えた上着10において、上着10は、表地11と裏地12とを備え、裏地12は、上腕裏地66(57,62)を含み、上腕裏地66(57,62)は、伸縮性を有するメッシュ生地で形成されたものであり、上腕裏地66(57,62)は、袖部51の裏側において、袖部51の基端側から二の腕に配設され、肘には配設されていないことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本願考案は、上着、特に、スーツの上衣やブレザーの上着(以下、本願において背広の上着と言う)に関するものである。
一般的に、背広の上着の多くは、上着の表側に用いられる表地と裏側に用いられる裏地とから構成されている。裏地は、上着の着脱のしやすさや着用時の動きやすさのために、また、型崩れや表地の痛みや汚れ等を防ぐために使用されており、滑りや肌触りの良さ、柔軟性を有する素材から形成される生地が用いられている。
しかしながら、上記の特徴を有する裏地は、表地と比べて伸縮性の小さい素材から形成される生地が多く、背広の上着を着用して腕の曲げ伸ばしや上げ下ろし等の腕や肩を動かす際に、表地と裏地とが連動することによって、裏地が突っ張ったりずり上がるなどして、動作の一部が制限され、スムーズに動作を行うことができないでいた。その結果、着用者に窮屈感を与え、着用感の低下を引き起こしていた。このような状態を改善するために、従来から、裏地の一部にタックを設けて動作による表地の伸びに対応させる等の対策が講じられてきが、設けられるタックの量には制限があるほか、場合によっては、設けられるタックが表地の外観に影響を及ぼす恐れがあった。
一方、特許文献1では、スーツの上着において、その関節部の肩部と肘部とに伸縮性を有する伸縮生地の裏地を縫着することによって、着用時の動きやすさを向上させるとともに良好な着心地を与える提案がなされている。詳しくは、上着着用時や上着を着用して腕や肩を動かした際に、上述のように裏地にタックを設けずともその伸縮生地が伸び縮みすることによって、着用時の動きやすさを向上させ良好な着心地を与えようとしたものであるが、伸縮生地は従来の裏地と比較して滑り性が劣るために、上着を着用して腕や肩を動かした際に、特に肘を屈伸させた際に、伸縮裏地が肘に引っ掛かるとともに、肘が後方へ引っ張られるように感じられ、着用感が低下する恐れがあった。
実用新案登録第3155704号公報
本願考案は、上着において、袖部の二の腕には伸縮性を有するメッシュ生地の裏地を配設し、袖部の肘には伸縮性を有するメッシュ生地の裏地を用いず、望ましくは通常裏地として使用される生地を配設することによって、伸縮性を有するメッシュ生地の伸びと肘の滑りとを利用して、上着を着用して腕の曲げ伸ばしや上げ下ろし等の腕や肩を動かす際に生じうる着用時の窮屈感を抑え、良好な着用感を与える上着を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の考案は、身頃部と、上記身頃部の左右の袖ぐりに縫着される袖部とを備えた上着において、上記上着は、表地と裏地とを備え、上記裏地は、上腕裏地を含み、上記上腕裏地は、伸縮性を有するメッシュ生地で形成されたものであり、上記上腕裏地は、上記袖部の裏側において、上記袖部の基端側から二の腕に配設され、肘には配設されていないことを特徴とする上着を提供する。
また、本願の請求項2に記載の考案は、上記上着は、背広の上着であり、上記身頃部は、前身頃と、後身頃とを備え、上記裏地は、背裏地を含み、上記背裏地は、伸縮性を有するメッシュ生地で形成されたものであり、上記背裏地は、上記後身頃の裏側において、背中に配設されるものであり、上記袖部の肘には、上記伸縮性を有するメッシュ生地よりも滑りやすい生地の裏地が配設されることを特徴とする請求項1に記載の上着を提供する。
また、本願の請求項3に記載の考案は、上記裏地は、袖ぐり裏地を含み、上記袖ぐり裏地は、伸縮性を有するメッシュ生地で形成されたものであり、上記袖ぐり裏地は、上記前身頃の裏側において、上記前身頃の左右の袖ぐり周縁に配設されることを特徴とする請求項2に記載の上着を提供する。
本願の請求項1の考案では、上着において、袖部の二の腕には伸縮性を有するメッシュ生地の裏地を配設し、袖部の肘には伸縮性を有するメッシュ生地の裏地を用いず、望ましくは通常裏地として使用される生地を配設することによって、伸縮性を有するメッシュ生地の伸びと肘の滑りとを利用して、上着を着用して腕の曲げ伸ばしや上げ下ろし等の腕や肩を動かす際に袖部に生じる裏地の突っ張りを抑えることができる上着を提供することができたものである。上述の構造により、上着の袖部における着用時の動きやすさを改善するとともに着用時に生じうる袖部の窮屈感を抑え、着用者に良好な着用感を与えることができたものである。
本願の請求項2の考案では、本願の請求項1の考案の効果に加え、背広の上着において、後身頃の背中に伸縮性を有するメッシュ生地の裏地を配設することによって、伸縮性を有するメッシュ生地の伸びを利用して、その上着を着用して腕の曲げ伸ばしや上げ下ろし等の腕や肩を動かす際に背中に生じる裏地の突っ張りを抑えることができる上着を提供することができたものである。また、袖部の肘には、通常裏地として使用される伸縮性を有するメッシュ生地よりも滑りやすい生地の裏地が配設されている。上述の構造により、上着の袖部及び背中における着用時の動きやすさを改善するとともに上着の袖部及び背中の着用時の窮屈感を抑え、着用者に良好な着用感を与えることができたものである。また、上述の構造により、裏地にタックを設ける必要がないため、表地の外観に影響を及ぼす恐れもない。
本願の請求項3の考案では、本願の請求項2の考案の効果に加え、前身頃の左右の袖ぐり周縁に伸縮性を有するメッシュ生地の裏地を配設することによって、上着着用時の動きやすさをさらに向上させ、着用者に快適な着用感を与える上着を提供することができたものである。
本願考案に係る上着全体を示すもので、(A)は正面視した状態を示す説明図、(B)は背面視した状態を示す説明図、(C)は、側面視した状態を示す説明図である。 上着の身頃部を展開し、上着の身頃部の裏側を示す説明図である。 上着の袖部を分解したものであり、(A)は袖谷部の平面図、(B)は袖山部の平面図、(C)は袖山部と袖谷部のそれぞれの要部を示す説明図である。 (A)〜(I)は、それぞれ日常生活において腕や肩を動かす動作の一例を示す説明図である。
以下、図面に基づき本願考案の実施の形態の一例をとりあげて説明する。なお、本願における左右の表現は、着用者から見た方向とする。
本願考案に係る上着10は、図1(A)〜図1(C)に示すように、身頃部21と、身頃部21の左右の袖ぐり22に縫着される左右の袖部51,51とを備えている。
また、本願考案に係る上着10は、上着10の表側に用いられる表地11と、裏側に用いられる裏地12とを備えている。裏地12は、上着10の内側である、表地11の裏側に配設されている。
身頃部21は、図1(A)〜図1(C)及び図2に示すように、左右の前身頃26,26と、後身頃33とを備える。左右の前身頃26,26は、左右の前身頃と、脇腹部分に位置する左右の細腹部とに分割して設けてもよい。左右の前身頃26,26は、表地11をなす表前身頃28,28と、裏地12をなす裏前身頃29,29とを備え、後身頃33は、同じく表地11をなす表後身頃34と、裏地12をなす裏後身頃35とを備えている。この裏後身頃35が、背裏地をなすものである。表後身頃34は、左右対称の形状を有する2枚の表地を、その2枚の表地の対称軸をなす側端同士を縫着して形成され、裾にはセンターベント39が設けられている。本実施形態においては、裏後身頃35を後述する上背裏地36とベント裏地40とする。また、本実施形態においては、着用時に左右の前身頃26,26が上下に重なり合う合わせ部27,27の周縁である、表前身頃28,28の合わせ部の周縁の裏側に、表地11と同じ生地で形成される見返し部38,38を備え、見返し部38と裏前身頃29とには、その内側(表前身頃28と、見返し部38と裏前身頃29との間)に内ポケット32が設けられている。この見返し部38は、必ずしも備える必要はなく、本願考案の目的に逸脱しない範囲で適宜設定すればよい。
左右の裏前身頃29,29は、見返し部38,38を除く表前身頃28,28の裏側の略全体に渡って配設されている。その袖ぐり22周縁には、伸縮性を有するメッシュ生地で形成される袖ぐり裏地30を備え、袖ぐり22周縁以外には、通常裏地として使用されている生地で形成される前身頃裏地31を備えている。また、袖ぐり裏地30と前身頃裏地31とは、縫着して接続されている。本実施形態の袖ぐり裏地30は、左右方向に伸縮性を有している。
上背裏地36は、表後身頃34の裏側の背中上部に配設され、左右対称の形状を有する2枚の伸縮性を有するメッシュ生地を縫着して形成されている。詳しくは、左右対称の形状を有する2枚の伸縮性を有するメッシュ生地において、2枚の生地が重なる重なり部37を縫着して形成される。上背裏地36は、通常の背抜仕立ての裏地と同様、表後身頃34の裏側の背中上部に配設されていればよく、個人差にもよるが、成人男性において、身頃部21をなす後身頃33の襟ぐり中心23から下方向に15cm〜30cmの範囲に配設される。また、本実施形態の上背裏地36は、左右方向に伸縮性を有している。さらに、本実施形態においては、表後身頃34に設けられたセンターベント39に、通常裏地として使用されている生地で形成されたベント裏地40を配設している。その他、本実施形態においては、後身頃33の裏地である裏後身頃35として上背裏地36とベント裏地40を備え、センターベント39以外の背中下部に裏地を備えていない背抜き仕立てとしているが、裏後身頃35として、背中全体に上背裏地36と同じく伸縮性を有するメッシュ生地を備え、裏後身頃35を表後身頃34の裏側に略全体に渡って配設する総裏仕立てとしてもよい。
袖部51,51は、その基端側が身頃部21の左右の袖ぐり22,22に縫着されるものであり、図1(A)〜図1(C)及び図3(A)〜(B)に示すように、左右一対の袖山部54,54と袖谷部59,59とを備える。袖山部54は、その基端側が着用者の肩先周辺に位置する部分であり、表地11をなす表袖山部55と、裏地12をなす裏袖山部56とを備え、着用者の肩先にあたる部分を袖山52とする。袖谷部59は、その基端側が着用者の脇周辺に位置する部分であり、同じく表地11をなす表袖谷部60と、裏地12をなす裏袖谷部61とを備え、着用者の脇に位置する部分を袖底70とする。以後、表袖山部55と表袖谷部60とを合わせて表袖部64とし、裏袖山部56と裏袖谷部61とを合わせて裏袖部65とする。
裏袖山部56は、先端側となる袖口53を除く表袖山部55の裏側の全体に渡って配設されている。その基端側から二の腕には、伸縮性を有するメッシュ生地で形成される上腕山裏地57を備え、二の腕よりも先端側には、通常裏地として使用されている生地で形成される袖山裏地58を備えている。また、上腕山裏地57と袖山裏地58とは、縫着して接続されている。裏袖谷部61は、先端側となる袖口53を除く表袖谷部60の裏側の略全体に渡って配設されている。その基端側から二の腕には、伸縮性を有するメッシュ生地で形成される上腕谷裏地62を備え、二の腕よりも先端側には、通常裏地として使用されている生地で形成される袖谷裏地63を備えている。また、上腕谷裏地62と袖谷裏地63とは、縫着して接続されている。以後、上腕山裏地57と上腕谷裏地62とを合わせて上腕裏地66とし、袖山裏地58と袖谷裏地63とを合わせて袖裏地67する。上腕裏地66は、袖部51の基端側から二の腕に配設され、肘には配設されていない。肘には、袖裏地67が配設されている。本実施形態の上腕裏地66は、袖丈方向に伸縮性を有している。
上腕裏地66は、個人差にもよるが、成人男性において、袖部51の基端側に位置する袖山52から先端側である袖口53方向への長さをαとし、袖山52から同じく袖部51の基端側に位置する袖底70までの袖口53方向への長さをβとすると、少なくともα>βとなるようにし、かつ、袖山52から先端側である袖口53方向への長さαが13cm〜30cmの範囲に配設されることが望ましく、15cm〜25cmの範囲に配設されることがより望ましい(図3(C)参照)。身長170cmの成人男性において、上腕裏地66は、袖山52からの長さαが18cmの位置に配設されることが最善である。袖山52からの長さαが13cm未満では、上腕裏地66が二の腕の一部にしか配設されないことから、着用時に上腕裏地66が備える伸縮性を生かしきれない。また、袖山52からの長さαが30cmを超えると上腕裏地66が肘にまで配設されることになり、本願考案の目的を逸脱してしまうことになる。
本実施形態においては、袖部51の丈を長袖として実施しているが、少なくとも本願考案に係る上着10を着用した際に、袖部51の丈が肘よりも先端側にあればよく、七部袖や八分袖等であってもよい。
本願考案に用いられる表地11としては、通常表地として使用されるものであればよく、ウール、綿、麻等の天然繊維、アクリルやポリエステル等の合成繊維、2種以上の異なる繊維を混紡した混紡糸などからなる織布や編布等の種々の素材の布を使用することができる。また、本願考案の目的を逸脱しない範囲において、表地11の一部または全部に伸縮性を有する生地を使用してもよい。
本願考案に用いられる伸縮性を有するメッシュ生地としては、縦横方向、もしくは縦または横の一方向に適度な伸縮性を有するメッシュ状の生地であればよく、ポリウレタン等の伸縮性の糸を一部又は全部に使用している織物や編物からなる生地であればよい。好適なものの一例として、パワーネットが挙げられる。
また、本願考案に用いられる通常裏地として使用される生地としては、ポリエステル、レーヨン、キュプラ等の滑りや肌触りの良さ、柔軟性を有する素材からなる織布や編布等の種々の布を使用することができる。この通常裏地として使用される生地は、伸縮性を有するメッシュ生地と比べて滑り性がよい。
本願考案に係る上着10は、通常のスーツの上衣の縫製と同じように、次のような手順で縫製して形成される。まず、裏前身頃29の側端と見返し部38の脇側の側端を縫着し、表前身頃28の側端と見返し部38の合わせ部側の側端、及び、表前身頃28の裾の折り返し下端と裏前身頃29の裾とをそれぞれ縫着して前身頃26を形成する。同じく、表後身頃34に、裏後身頃35である上背裏地36とベント裏地40とを縫着して後身頃33を形成する。次に、左右の表前身頃28,28と表後身頃34との脇同士を縫着し、左右の裏前身頃29,29と上背裏地36との脇同士を縫着する。さらに、左右の表前身頃28,28と表後身頃34との肩を縫着し、左右の裏前身頃29,29と上背裏地36との肩を縫着した後、左右の表前身頃28,28と表後身頃34の襟ぐりと、左右の裏前身頃29,29と上背裏地36の襟ぐりに、上襟部24を縫着することによって身頃部21が形成される。
袖部51は、表袖山部55と表袖谷部60をその側辺同士を縫製し筒状とした表袖部64と、裏袖山部56と裏袖谷部61とをその側辺同士を縫着して筒状とした裏袖部65とを、表袖部64の袖口68周縁を折り返した折り返し下端と裏袖部65の袖口69とを縫着することによって形成される。その表袖部64,64の基端側を表前身頃28と表後身頃34とからなる左右の袖ぐり22,22に、その裏袖部65,65の基端側を裏前身頃29と上背裏地36とからなる左右の袖ぐり22,22にそれぞれ縫着して袖付けを行う。
上述のように、裏地12は、左右の裏前身頃29,29と、上背裏地36と、裏袖部65,65とを縫着して形成され、表地11は、左右の表前身頃28,28と、表後身頃34と、表袖部64,64とを縫着して形成されており、身頃部21の上襟部24と、裾部25と、見返し部38,38と、袖口53,53とにおいて、表地11と裏地12とがそれぞれ縫着されている。上記の箇所以外においては、表地11と裏地12とは縫着されていない。なお、表地11と裏地12との縫着箇所は、必要に応じて、上記箇所以外にも設けてもよい。また、本願考案に係る上着10を縫製して形成する前に、必要に応じて、芯地や肩パット等を取り付けてもよく、上着10の縫製の際に、表地11や裏地12の端にパイピングを施してもよい。
本願考案に係る上着10において、袖部の二の腕に配設される上腕裏地66に伸縮性を有するメッシュ生地を用いるとともに、袖部の肘に配設される袖裏地67に通常裏地として使用される伸縮性を有するメッシュ生地よりも滑りやすい生地を用いることによって、上腕裏地66の袖丈方向の伸びと袖裏地67の滑りとを利用して、上着10を着用して腕の曲げ伸ばしや上げ下ろし等の腕や肩を動かす際に袖部51,51に生じる裏地の突っ張りを抑えることができる。上述の構造により、上着10の袖部51,51における着用時の動きやすさを改善するとともに着用時に生じうる袖部51,51の窮屈感を抑え、着用者に良好な着用感を与えることができる。上着の袖において、二の腕に通常裏地として使用される生地を配設するとともに、肘に上腕裏地66と同様の伸縮性を有する伸縮性生地を配設すると、伸縮性生地は、通常裏地として使用される生地と比較して滑り性が劣るために、上着を着用して腕や肩を動かす際に、特に肘を屈伸させる際に、伸縮性裏地が肘に引っ掛かってしまう。そして、伸縮性裏地が肘に引っ掛かった状態、つまり二の腕に配設された裏地が突っ張った状態で、その裏地が肘の動きに連動することによって、着用者に窮屈感を与え、着用感の低下を引き起こす恐れがある。一方、本願考案における上着10においては、腕や肩を動かす際に袖裏地67が滑ることによって、袖裏地67が肘に引っ掛かることがなく、また、上腕裏地66の伸びによって袖部51,51に生じる裏地の突っ張りを抑えることができるため、着用感の低下を引き起こすことがない。
また、背中上部に配設される裏後身頃35である上背裏地36に伸縮性を有するメッシュ生地を用いることによって、上背裏地36の左右方向の伸びを利用して、上着10を着用して腕の曲げ伸ばしや上げ下ろし等の腕や肩を動かす際に背中上部に生じる裏地の突っ張りを抑えることができる。上述の構造により、上着10の袖部51及び背中上部における着用時の動きやすさを改善するとともに着用時に生じうる上着10の袖部51,51及び背中上部の窮屈感を抑え、着用者に良好な着用感を与えることができる。また、上述の構造により、裏地12にタックを設ける必要がないため、表地11の外観も良好である。
さらに、前身頃26の左右の袖ぐり22,22の周縁に配設される袖ぐり裏地30,30に伸縮性を有するメッシュ生地を用い、上腕裏地66,66と、上背裏地36と、袖ぐり裏地30,30とがそれぞれ縫着されたことにより、着用時にそれらが連動して伸縮することによってそれぞれの伸縮作用の相乗効果が得られ、着用時の動きやすさをさらに向上させ、着用者に快適な着用感を与える上着10を提供することができる。以上のことから、本願考案に係る上着10を着用して腕や肩を動かす際に、窮屈感を感じることなくスムーズに動作を行うことができる。また、その復元力によって着用前の状態に容易に復元することができる。
人間工学から見ても、人間の上半身の動きのほとんどは、前方あるいは上方への動きが主であり、後方や下方への動きは少ない。本実施形態のように、上着10において、袖部51,51の二の腕と、後身頃33の背中上部と、前身頃26の左右の袖ぐり22,22に、伸縮性を有するメッシュ生地30,36,66を用いることによって、上着10を着用した状態で、図1(A)〜図1(C)の矢印に示されるような、人間の大半の動きをスムーズに行うことができる。また、上着10を着用した状態で、後方や下方への動きをスムーズに行うことができる。
なお、伸縮性を有するメッシュ生地の伸長率は、10%以上とすることが望ましい。伸長率が10%未満だと、伸縮性不足となり着用時の裏地の突っ張りを抑えるのに必要な伸びが得られない場合がある。なお、伸長率ES(ES=(W−w)/w×100)は、上背裏地36の左右方向への伸び、または上腕裏地66の袖丈方向への伸びから算出するものとし、wは伸ばす前の上背裏地36または上腕裏地66の長さ、Wは伸ばした後の上背裏地36または上腕裏地66の長さをとした。
その他、上腕裏地66,66と、上背裏地36と、袖ぐり裏地30,30とが、伸縮性を有するメッシュ生地で形成されたことにより、本願考案に係る上着10において、背中上部から二の腕周縁の通気性を向上させることができ、着用者に快適な着用感を与える上着10を提供することができる。
本願考案に係る上着10を着用して腕や肩を動かす動作としては、腕の曲げ伸ばしや上げ下ろし、腕や肩の回転等が考えられ、具体的には、図4(A)〜(I)に示すように、(A)及び(B)デスクワークを行う、(C)荷物を持つ/名刺を差し出す、(D)吊り革を持つ、(E)車内でポールを持つ、(F)背伸びをする/棚に荷物を載せる、(G)後ろに腕を組む、(H)前に腕を組む、(I)床のものを拾う/靴ひもを結ぶ等が挙げられる。
本願考案に係る上着10は、背広の上着やジャケット、コート等の裏側に裏地を備える上着に適用することができる。
10 上着
11 表地
12 裏地
21 身頃部
22 袖ぐり
26 前身頃
30 袖ぐり裏地
33 後身頃
36 上背裏地
51 袖部
66 上腕裏地

Claims (3)

  1. 身頃部と、上記身頃部の左右の袖ぐりに縫着される袖部とを備えた上着において、
    上記上着は、表地と裏地とを備え、
    上記裏地は、上腕裏地を含み、
    上記上腕裏地は、伸縮性を有するメッシュ生地で形成されたものであり、
    上記上腕裏地は、上記袖部の裏側において、上記袖部の基端側から二の腕に配設され、肘には配設されていないことを特徴とする上着。
  2. 上記上着は、背広の上着であり、
    上記身頃部は、前身頃と、後身頃とを備え、
    上記裏地は、背裏地を含み、
    上記背裏地は、伸縮性を有するメッシュ生地で形成されたものであり、
    上記背裏地は、上記後身頃の裏側において、背中に配設されるものであり、
    上記袖部の肘には、上記伸縮性を有するメッシュ生地よりも滑りやすい生地の裏地が配設されることを特徴とする請求項1に記載の上着。
  3. 上記裏地は、袖ぐり裏地を含み、
    上記袖ぐり裏地は、伸縮性を有するメッシュ生地で形成されたものであり、
    上記袖ぐり裏地は、上記前身頃の裏側において、上記前身頃の左右の袖ぐり周縁に配設されることを特徴とする請求項2に記載の上着。
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