JP3163375U - 上着及びスーツ - Google Patents

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Abstract

【課題】着用して種々の動作を行った場合でも着用者の動作を規制することがなく、着心地を向上させると同時に、型くずれが少なくファッション性に優れた上着及びスーツを提供する。【解決手段】本上着1は、表地と裏地3とを備えており、身頃の裏地31〜33が、着用して直立したときに略水平方向となる向きに伸縮性を備えており、且つ袖の裏地34,35が、着用して直立したときに略上下方向となる向きに伸縮性を備えている。これらの裏地は、緯方向に伸縮性を備えた同一の裏地素材を所定の方向に裁断することで形成されている。また、ウエスト部分の表地が、着用時に略水平方向となる向きに伸縮性を備えており、且つウエスト部分に伸縮性のあるベルト芯地がウエスト部分の表地に包まれた状態で縫い込まれて配置されていることを特徴とするズボン又はスカートと、前記上着とをを組み合わせてなるスーツ。【選択図】図1

Description

本考案は表地と裏地とを備えた上着及びスーツに関する。特に、ファッション性に優れていると同時に、着心地に優れた上着及びスーツに関する。
上着やスーツの形状は多種多様であるが、近年では、シルエットが細身になるように仕立てられたものが主流となっている。細身に仕立てられた上着やスーツは、着用するとスタイルが良く見えるという効果がある。一方で細身に仕立てられた上着やスーツは、着用者の体との間のゆとりが少ないために、しゃがんだり腕を上げたりする動作を規制してしまう場合があった。このため着用者は、シルエットが細身な上着やスーツが窮屈なものであるという印象を持つことがあった。
表地と裏地とを備えている上着やスーツの場合、表地には、伸縮性の低い素材が広く使用されている。一方、裏地については、着用時の滑りを良くする機能が最も重視されており、伸縮性がほとんどないキュプラ等の生地が使用されていた。このような伸縮性のない生地を上着やスーツの裏地に用いた場合には、余裕を与えるために「切り返し」と称される折り返し部分が、アームホール下側や、肘全周や、背の上部に設けられてきた。しかし、シルエットが細身な上着やスーツでは、裏地に切り返しを設けることはその分着用者の体と裏地との隙間を狭くすることになる。また切り返しが外側から凹凸として認識され、美観を損ねてしまう恐れがある。このため近年では、裏地に切り返しを設けない仕立て方がより一般的となっている。以上のような状況から、近年の上着やスーツは、特に裏地のゆとりが少なくなってきており、着用者の動作によっては裏地が着用者の動作を規制してしまうことがあった。このことは、着用者に窮屈な印象を与える一因となっていた。
また従来から、スーツのズボンやスカートのウエスト部分に伸縮性を持たせる方法として、ゴムを挿入する技術が広く知られている。しかしながら、ゴムを挿入したウエスト部分にはしわが寄るために、ファッション性を重視する着用者にはあまり好まれない場合があった。またゴムが伸びた場合、着心地が悪くなるという問題があった。
特許文献1には、伸縮性テープを袖付け部分に縫い付けることで、着心地を向上させた上着が開示されている。しかしながら、袖付け部分のみ伸縮性を向上させた上着では、着用者の種々の動作に追従するには不充分な場合がある。
特開2002−115111号公報
従来の上着及びスーツは、裏地が表地と比較して伸縮性に乏しいことがあった。そのために、上着やスーツの裏地が着用者の動作を規制してしまうことがあり、着用者に窮屈な印象を与える恐れがあった。
この考案は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、着用して種々の動作を行った場合でも、着用者の動作を規制することがなく、着心地を向上させた上着及びスーツを提供することを目的とする。
本考案に係る上着は、身頃及び袖を有し、それぞれが表地と裏地とを備える上着である。本考案の上着は、身頃の裏地が、着用して直立したときに略水平方向となる向きに伸縮性を備えており、且つ袖の裏地が、着用して直立したときに略上下方向となる向きに伸縮性を備えていることを特徴とする。
考案者らは、通常の成人が行う種々の動作と、その動作時の上着の動きを鋭意検討した結果、本考案をなすに至った。考案者らは、上着の身頃の裏地が、着用して直立したときに略水平方向となる向き、すなわち着用者のウエストと略平行となる向きに伸縮性を備えることで、たとえ裏地が縦横両方向の伸縮性を備えていなくとも着用者の体幹部の動きに充分追従し、着心地を向上できることを見出した。また、上着の袖裏は、着用して直立したときに略上下方向となる向き、すなわち着用者の肩から袖口を結ぶ線と平行となる向きに伸縮性を備えることで、たとえ裏地が縦横両方向の伸縮性を備えていなくとも着用者の肩と腕の動きに充分追従し、着心地を向上できることを見出した。そこで、身頃の裏地には着用時に略水平方向となる向きに伸縮性を備えた生地を適用し、且つ袖の裏地には着用時に略上下方向となる向きに伸縮性を備えた生地を適用した上着の考案をなすに至った。
本考案に係る上着は、身頃の前記裏地と袖の前記裏地とが、緯方向に伸縮性を備えた同一の裏地素材を使用することで構成されていることを特徴とする。
本考案の上着の裏地に使用される裏地素材は、横糸に伸縮性を備えた糸が用いられることによって、緯方向の伸縮性を備えている織布である。身頃の裏地には、この裏地素材を生地端と平行な方向(以下、織布の縦方向とも言う)に使用することで、着用して直立したときに略水平方向となる向きの伸縮性を備えることができる。袖の裏地は、身頃の裏地素材と同一の素材を、生地端と垂直な方向(以下、織布の横方向とも言う)に使用することで、着用して直立したときに略上下方向となる向きの伸縮性を備えることができる。本考案の上着の裏地は、同一の裏地素材から形成されていることにより、身頃の裏地と袖の裏地とにそれぞれ別の生地を用いる場合よりも、より安価に着心地の良い上着を提供することができる。
本考案に係る上着は、身頃の表地が、着用して直立したときに略水平方向となる向きの伸張率が8%以上となる伸縮性を備えている。これに加えて本考案に係る上着は、身頃の裏地が、着用して直立した時に略水平方向となる向きの伸張率が8%以上となる伸縮性を備えており、且つ袖裏地が、着用して直立した時に略上下方向となる向きの伸張率が8%以上となる伸縮性を備えていることを特徴とする。
身頃の表地の伸張率が8%未満の場合、着用者の動きへの追従が不充分となり、表地が着用者の動作を規制する恐れがある。このため、本考案の身頃の表地の着用して直立したときに略水平方向となる向きの伸張率は8%以上であることが好ましい。これに加えて本考案の上着は、身頃の裏地が、略水平方向に8%以上の伸張率を備えており、且つ袖裏地が略上下方向に8%以上の伸張率を備えることによって、身頃の表地と裏地の伸張率が一致することとなり、裏地が着用者の動作を規制することが防止される。
本考案はまた、着心地を向上させたスーツを提供する。本考案のスーツは、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の上着と、ズボン又はスカートを備えている。本考案のスーツは、ズボン又はスカートのウエスト部分の表地が、着用時に略水平方向となる向きに伸縮性を備えており、且つズボン又はスカートのウエスト部分には、伸縮性のあるベルト芯地がウエスト部分の表地に包み込まれるように配置されていることを特徴とするズボン又はスカートとを組み合わせてなることを特徴とする。本考案により、ズボン又はスカートのウエスト部分に適度な伸縮性を備えたスーツが提供される。
本考案の上着は、身頃の裏地に、着用して直立したときに略水平方向となる向きに伸縮性を備えた生地を適用している。このような構成は、着用者の前屈動作や、体幹部をひねるような動作に対して、裏地が着用者の動作を規制することなく、充分に伸縮して追従することを可能としており、従来よりも着心地の向上した上着が提供される。
本考案の上着は、身頃の裏地に着用して直立したときに略水平方向となる向きに伸縮性を備えた生地を適用していることに加えて、袖の裏地に、着用して直立したときに略上下方向となる向きに伸縮性を備えた生地を適用している。このような構成は、着用者の腕の曲げ伸ばし動作や、腕を上下に動かす動作、及び肩を回転させる動作に対して、裏地が充分に伸縮して追従することを可能としており、従来よりも着心地の向上した上着が提供される。
本考案の上着の裏地には、緯方向の伸縮性を備えた、単一の裏地素材が使用される。身頃の裏地は緯方向の伸縮性を備えた裏地素材を縦方向に使用することで形成され、袖の裏地は、身頃の裏地素材と同一の素材を横方向に使用することで形成される。このように、使用する裏地素材の種類が1種類であることから、上着を作成するときの裏地用の生地の無駄がなく、結果としてより安価に上着を提供することができる。
本考案の上着は、身頃の表地の着用して直立したときに略水平方向となる向きの伸張率が8%以上となっていることにより、着用者の種々の動きに充分追従可能であり、着心地に優れている。
本考案の上着は、身頃の裏地の着用して直立したときに略水平方向となる向きの伸張率が8%以上であり、その伸張率と伸張する方向とが表地の伸張する方向と一致することにより、表地と裏地の間で捩れやだぶつきが発生しないために、優れた外観を長期間に亘って維持することができる。
本考案の上着は、裏地に「切り返し」を設ける必要がないために、不必要な凹凸の発生が事前に防止されており、優れた外観が保たれる。
本考案のスーツは、上着の着心地が向上していることに加えて、スカート又はズボンのウエスト部分の伸縮性が確保されており、スカート又はズボンの着心地もまた向上している。
図1(a)は、本考案の第一実施例の総裏仕立ての上着1の裏側の部分平面図であり、図1(b)は、上着1の山袖裏34の平面図であり、図1(c)は、上着1の下袖裏35の平面図である。 第一実施例の上着1の1着分の裏地を作成するために、裏地用の裏地素材10を裁断する状態を示す平面図である。 第一実施例の上着1の正面図である。 図4(a)は、本考案の第二実施例の背抜き仕立ての上着6の裏側の部分平面図であり、図4(b)は、上着6の山袖裏64の平面図であり、図4(c)は、上着6の下袖裏65の平面図である。 第二実施例の上着6の1着分の裏地を作成するために、裏地用の裏地素材10を裁断する状態を示す平面図である。 本考案の第三実施例のスーツを構成するズボン7の側面図である。 図7(a)は、本考案の第三実施例のズボン7のウエスト近傍の裏側の部分平面図であり、図7(b)は、ズボン7のウエスト近傍の一部を切断した部分拡大図である。 本考案の第四実施例のスーツを構成するスカート8の正面図である。
以下に、本考案を実施するための形態について、図面を参照しつつ実施例を挙げて詳細に説明する。
以下に、本考案の第一実施例である総裏仕立ての上着1を詳細に説明する。本実施例の上着1は、表地2と裏地3とを備えている。図3は、上着1の正面図である。図1(a)は、上着1の裏側の部分平面図であり、図1(b)は、山袖裏34の平面図であり、図1(c)は、下袖裏35の平面図である。身頃の裏地は、符号31で示される後ろ身裏地(背裏)と、符号32で示される細腹裏と、符号33で示される前裏とで構成されている。以下においては、裏地3の符号31で示される後ろ身裏地と、符号32で示される細腹裏と、符号33で示される前裏とを総称して身頃の裏地31〜33と記し、これに山袖裏34と下袖裏35とを加えた部分を総称して裏地の各部分31〜35と記す場合がある。
本実施例の上着1に使用されている身頃の表地21は、着用して直立したときに略水平方向となる向き(即ち、図1(a)の矢印Bで示される方向)の伸張率が、8%以上で且つ15%以下となっている。これに加えて、本実施例の上着1の身頃の表地21は、着用して直立したときに略上下方向となる向き(即ち、図1(a)の矢印Bで示される方向と垂直になる方向)の伸張率が、8%以上で且つ15%以下となっている。ここで、表地2及び裏地3の伸張率は、JIS−L−1096 B法に規定されている伸張率測定法に従って、14.7Nの力を加えて測定されている。
身頃の表地21は、着用して直立したときに略水平方向となる向きの伸張率が8%未満の場合、着用者の動きへの追従が不充分となり、着用者の動作を規制する恐れがある。また身頃の表地21の伸張率が15%を越えると、長期間の使用で膝や肘の部分が伸びたり、全体に型くずれをおこす恐れがある。本実施例の上着に使用されている身頃の表地21は、その伸張率が8%以上15%以下であることに加えて、キックバック性と称される一旦伸張した後元の形状に戻る戻り特性がある。これにより身頃の表地21は、伸縮性を有することになる。本実施例の上着は、身頃の表地21の着用して直立したときに略水平方向となる向きの伸張率が8%以上15%以下であり、伸縮性を備えていることにより、着用者の種々の動きに充分追従し、しかも長期間使用しても型くずれがしにくいという特徴を備えている。
また、本実施例の上着1の身頃の裏地3を構成する後ろ身裏地31と細腹裏32と前裏33とは、着用して直立したときに略水平方向となる向き(即ち、図1(a)の矢印Bで示される方向)の伸張率が、8%以上で且つ15%以下となっている。これに加えて裏地3は、一旦伸張した後元の形状に戻る戻り特性があり、伸縮性を備えている。裏地3がこのような一方向の伸縮性を備えていることによって、図1(a)に示されるように身頃の裏地31〜33には着用時の余裕部分として設けられていたヒダ状の切り返しが不要となっている。切り返しがないことによって着用者と身頃の裏地との間にゆとりを生じさせることができると同時に、身頃に不要な凹凸が発生せず、上着1の美観を向上させることができる。
以上のように、上着1の身頃の表地21と身頃の裏地31〜33とは、共に着用して直立したときに略水平方向となる向きの伸張率が8%以上で且つ15%以下となるように構成されており、同時に伸縮性を備えている。身頃の表地21と身頃の裏地31〜33とがこのような伸縮性を備えていることにより、上着1は、着用者が前屈や体幹部をひねるような動作を行った場合に、身頃全体が適度に伸縮して動作に追従することが可能であり、着用者に窮屈な印象を与えない。
また、本実施例における上着1の袖の表地22は、着用して直立したときに略上下方向となる向き(即ち図1(b)及び図1(c)の矢印Aで示される方向)の伸張率が8%以上で且つ15%以下となっている。これに加えて、本実施例における上着1の袖の表地22は、着用して直立したときに略水平方向となる向き(即ち、図1(b)及び図1(c)の矢印Aで示される方向と垂直になる方向)の伸張率が、8%以上で且つ15%以下となっている。同時に袖の表地22は、一旦伸張した後元の形状に戻る戻り特性があり、伸縮性を備えている。
上着1の山袖裏34と下袖裏35とは、着用して直立した時に略上下方向となる向き(即ち、図1(b)及び図1(c)の矢印Aで示される方向)の伸張率が8%以上で且つ15%以下となっている。これに加えて、山袖裏34と下袖裏35とは、一旦伸張した後に元の形状に戻る戻り特性があり、伸縮性を備えている。山袖裏34と下袖裏35とがこのような一方向の伸縮性を備えていることによって、図1(b)及び図1(c)に示されるように、山袖裏34と下袖裏35とは肘の部分の切り返しが不要となっている。切り返しがないことによって着用者と袖の裏地との間にゆとりを生じさせることができると同時に、袖に不要な凹凸が発生せず上着1の美観を向上させることができる。
袖の山袖裏34と下袖裏35とが、着用して直立したときに略上下方向となる向きの伸張率が8%以上で且つ15%以下となっており、これに加えて伸縮性を備えるように構成されていることにより、着用者が腕の曲げ伸ばし動作を行った場合に、袖全体が適度に伸縮して動作に追従することが可能であり、着用者に窮屈な印象を与えない。
また以上の構成から、本実施例の上着1の表地2と裏地3とは、共に所定の方向の伸張率が8%以上で且つ15%以下となっており、同時に伸縮性を備えている。このために、着用者が肩を回転させたり、腕を上下させたりといった上半身全体を動かすような動作を行った場合であっても、表地2と裏地3とが共に適度に伸縮して動作に追従することが可能であり、着用者に窮屈な印象を与えない。また表地2と裏地3の所定の方向の伸張率が同一であることから、着用者が種々の動作を行った場合であっても、表地2と裏地3とが捩れたり引きつったりすることがなく、着崩れする恐れが低減されている。
本実施例の上着1の裏地3に適用可能な、一方向にのみ伸縮性を備えた裏地素材の構成について説明する。裏地3には薄く滑らかな裏地素材10が用いられる。伸縮性を備えた裏地素材10として好適に用いられる材料の一例はパワーネットである。また本実施例の上着1に好適に用いられている裏地素材10は、緯方向の伸張率が8%以上15%以下となるように、縦糸に伸縮性のない糸を使用し、横糸に伸縮性のある糸を使用して織られた織布である。このように、縦糸に伸縮性がなく横糸にのみ伸縮性のある糸を用いて織られた裏地素材10は、縦糸と横糸の両方に伸縮性のある糸を用いておられた布と比較すると、裁断工程と縫製工程との両方で変形しにくいために、最終的に裏地の伸張率が一定に維持された上着1を得ることができる。
図2に、上着1の1着分の裏地3の各部分31〜35を作成するために、裏地素材10を裁断する状態を示す。裏地素材10は緯方向に伸縮性を備えているため、山袖裏34と下袖裏35とは、裏地素材10を生地端11に対して垂直な方向に使用し、肩と袖口を結ぶ方向が緯方向と平行となるように裁断して用いられる。また後ろ身裏地31と細腹裏32と前裏33とは、裏地素材10を生地端11と平行な方向に使用し、ウエストの方向が緯方向と平行となるように裁断して用いられる。
このように、本考案の上着1の裏地3は、緯方向に伸縮性を備えた裏地素材10を用いて、その裁断方向を変えることで、身頃の裏地31〜33と山袖裏34と下袖裏35とに、それぞれ好適な方向の伸縮性を与えることが可能である。裏地3を単一の裏地素材10から形成することにより、身頃の裏地31〜33と山袖裏34と下袖裏35とにそれぞれ別の生地を用いる場合よりも、生地の無駄を生じることなく効率よく上着1を製造することができる。
本実施例の上着1は、表地2と裏地3とが、共に一定の方向に8%以上15%以下となる伸張率を備えていることから、着用者が種々の動作を行った場合でも、その動作に追従可能な適度な伸縮性を示すことができる。この結果、シルエットが細身に仕立てられている場合であっても、着用者の動作を規制することがなく、着心地が良い。同時に、表地2と裏地3の伸張率が15%以下であることによって、長期間着用した場合であっても、型くずれがしにくい。更にまた、本実施例の上着1は、裏地3を、緯方向に伸縮性を備えた単一の裏地素材10から構成することにより、従来よりもより安価に効率よく製造されている。
以下に、図4及び図5を参照しつつ、本考案の第二実施例である背抜き仕立ての上着5を説明する。上着5は、表地2と裏地6とを備えている。表地2の構成と裏地6に用いられる裏地素材10の構成は第一実施例と同一であるため、第一実施例と同一の符号を付して重複説明を割愛する。図4(a)は、本考案の第二実施例の上着5の裏側の部分平面図であり、図4(b)は、山袖裏64の平面図であり、図4(c)は、下袖裏65の平面図である。身頃の裏地6は、符号61で示される背裏と、符号62で示される細腹裏と、符号63で示される前裏とで構成されている。以下においては、裏地6の符号61で示される背裏と、符号62で示される細腹裏と、符号63で示される前裏とを総称して身頃の裏地61〜63と称し、これに山袖裏64と下袖裏65とを加えた部分を総称して裏地の各部分61〜65と称する場合がある。
本実施例の上着5の身頃の裏地61〜63は、着用して直立したときに略水平方向となる向き(即ち、図4(a)の矢印Bで示される方向)の伸張率が、8%以上で且つ15%以下となっている。これに加えて、身頃の裏地61〜63には、一旦伸張した後元の形状に戻る戻り特性があり、伸縮性を備えている。身頃の裏地61〜63がこのような伸縮性を備えていることによって、図4(a)に示されるように身頃の裏地61〜63には切り返しが不要となっている。背抜き仕立ての上着は、特に表地2に薄い生地が使用されることが多く、切り返しの部分の凹凸が外側から認識されてしまう可能性が高いが、切り返しを設けないことによって、本実施例の上着5は優れた美観を保つことができる。
上着5の裏地の山袖裏64と下袖裏65とは、着用して直立した時に略上下方向となる向き(即ち、図4(b)及び図4(c)の矢印Aで示される方向)の伸張率が8%以上15%以下となっている。これに加えて、山袖裏64と下袖裏65には、一旦伸張した後元の形状に戻る戻り特性があり、伸縮性を備えている。山袖裏64と下袖裏65とがこのような伸縮性を備えていることによって、山袖裏64と下袖裏65には肘の部分の切り返しが不要となっている。切り返しがないことによって袖に不要な凹凸が発生せず、上着5がたとえ薄い表地2を用いて作成されている場合であっても、優れた美観を保つことができる。
図5に、上着5の1着分の裏地6を作成するために、裏地素材10から裏地の各部分61〜65を裁断する状態を示す。裏地素材10は緯方向に伸縮性を備えているため、山袖裏64と下袖裏65とは、裏地素材10を生地端11に対して垂直な方向に使用し、肩と袖口を結ぶ方向が緯方向と平行となるように裁断して用いられる。また背裏61と細腹裏62と前裏63とは、裏地素材10を生地端11と平行な方向に使用し、ウエストの方向が緯方向と平行となるように裁断して用いられる。第一実施例の裏地3と比較すると本実施例の裏地6は背裏61の丈が実施例1の後ろ見裏地と比較して短いため、裏地6の各部分61〜65の配置を変えることによって、必要な方向の伸縮性を確保しつつより少量の裏地素材10を用いて裏地6の各部分61〜65を得ることができる。
本実施例の上着5は、表地2と裏地6とが、共に一定の方向に8%以上15%以下となる伸張率を備えており、且つ伸縮性を備えていることから、裏地6に身頃上部や肘の切り返しを設けていないにもかかわらず、着用者が種々の動作を行った場合でも、その動作に追従可能な適度な伸縮性を示すことができる。裏地6に切り返しを設けていないことから、上着5がたとえ薄い表地2を用いて作成されている場合であっても、不要な凹凸が発生せず、優れた美観を保つことができる。
本実施例では、上着1とズボン7から構成された本考案に係るスーツについて、図面を参照しつつ、詳細に説明する。本実施例のスーツを構成するズボン7の側面図を図6に示す。上着1の構成は第一実施例と同一であるため、重複説明を割愛する。
本考案に係るズボン7に使用される表地71には、着用して直立したときに略水平方向となる向きの伸張率が8%以上15%以下であり、且つ伸縮性を備えた生地が使用されている。また、ズボンのウエスト部分の表地72にもまた、着用して直立したときに略水平方向となる向きの伸張率が8%以上15%以下であり、且つ伸縮性を備えた生地が使用されている。本実施例におけるズボン7は、表地71とウエスト部分の表地72に同じ素材が用いられており、表地71の横糸と縦糸の向きが、ウエスト部分の表地72の横糸と縦糸の向きと一致するように縫製されている。
図7(a)に本実施例のズボン7上部の裏面の部分拡大図を示し、図7(b)に本実施例のズボン7のウエスト部分の裏面の部分拡大図を示す。ズボン7のウエスト部分には、伸縮性のあるベルト芯地73がウエスト部分の表地72に包まれた状態で縫い込まれて配置されている。本実施例におけるベルト芯地73には、伸張率が長さ方向(縦方向)で6%、引っ張り強さが1300Nあり、しかもキックバック性(伸張後の戻り特性)を備えた芯地が使用される。本実施例のベルト芯地73に好適に使用される芯地の一例は、東海サーモ株式会社製のストレッチインサイドベルトZ1004である。
本実施例のスーツのズボン7は、ウエスト部分の表地71が、着用時に略水平方向となる向きに伸張率が8%以上15%以下でり、適度な伸縮性を備えており、ウエスト部分に伸縮性のあるベルト芯地73がウエスト部分の表地72に包まれた状態で縫い込まれて配置されている。これにより本実施例のスーツのズボン7は、従来は着用者を締めつける可能性のあったウエスト部分が、着用者の動作に追従することのできる適度な柔軟性を備えるに至っている。同時に、本実施例のスーツのズボン8は、伸張率が15%以下に抑えられているために、長期間の着用によっても膝部分の変形や全体の型くずれが発生せず、ファッション性と着心地の良さとが両立されている。
本実施例では、上着1とスカート8から構成された本考案に係るスーツについて、図面を参照しつつ、詳細に説明する。本実施例のスーツを構成するスカート8の正面図を8に示す。上着1の構成は第一実施例と同一であるため、重複説明を割愛する。
本考案に係るスカート8に使用される表地81には、着用して直立したときに略水平方向となる向きの伸張率が、8%以上15%以下である生地が使用されている。また、スカートのウエスト部分の表地82にもまた、着用して直立したときに略水平方向となる向きの伸張率が8%以上15%以下であり、且つ伸縮性を備えた生地が使用されている。本実施例におけるスカート8は、表地81とウエスト部分の表地82に同じ素材が用いられており、表地81の横糸と縦糸の向きが、ウエスト部分の表地82の横糸と縦糸の向きと一致するように縫製されているスカート8のウエスト部分には、第三実施例のズボン7で使用されたものと同一の伸縮性のあるベルト芯地73がウエスト部分の表地82に包まれた状態で縫い込まれて配置されている。
本実施例のスーツのスカート8は、ウエスト部分の表地82が、着用時に略水平方向となる向きに伸張率が8%以上15%以下であって且つ伸縮性を備えており、且つウエスト部分に伸縮性のあるベルト芯地がウエスト部分の表地に包まれた状態で縫い込まれて配置されている。これにより、本実施例のスカート8は、ウエスト部分が着用者の動作に追従する適度な柔軟性を備えている。同時に本実施例のスカート8は、長期間の着用によっても全体の型くずれが発生せず、ファッション性と着心地の良さとが両立されている。
以上、実施例1〜4において本考案の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、実用新案登録請求の範囲を限定するものではない。実用新案登録請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば実施例では、上着の表地が着用して直立したときに略水平方向と略上下方向となる向きの両方に伸縮性を備えている場合について詳細に説明したが、裏地が伸縮性を備えていれば、表地の伸張率と伸張方向については、その上着の形態に合わせて適宜選択が可能である。また例えば実施例では、身頃の裏地が、左右対称な後ろ身裏地(背裏)と、細腹裏と、前裏とで構成されている場合について説明したが、より多くの部材を使用して立体的な形状の上着に対応することが可能である。また、上着とズボンとスカートの外観や縫いしろや見返しの形状は適宜変更することが可能である。
1,5 上着
2 表地
21 身頃の表地
22 袖の表地
3,6 裏地
31 後ろ身裏地(背裏)
32,62 細腹裏
33,63 前裏
34,64 山袖裏
35,65 裏地の内袖
61 背裏
7 ズボン
71 ズボンの表地
72 ウエスト部分の表地
73 ベルト芯地
8 スカート
81 スカートの表地
82 ウエスト部分の表地

Claims (4)

  1. 身頃及び袖を有し、それぞれが表地と裏地とを備える上着であって、
    前記身頃の裏地が、着用して直立したときに略水平方向となる向きに伸縮性を備えており、且つ前記袖の裏地が、着用して直立したときに略上下方向となる向きに伸縮性を備えていることを特徴とする上着。
  2. 前記身頃の裏地と前記袖の裏地とは、緯方向に伸縮性を備えた同一の裏地素材を使用していることを特徴とする請求項1に記載の上着。
  3. 身頃及び袖を有し、それぞれが表地と裏地とを備える上着であって、
    前記身頃の表地は、着用して直立したときに略水平方向となる向きの伸張率が8%以上であり、
    前記身頃の裏地は、着用して直立したときに略水平方向となる向きの伸張率が8%以上であり、且つ前記袖の裏地は、着用して直立したときに略上下方向となる向きの伸張率が8%以上であることを特徴とする上着。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の上着と、
    ズボン又はスカートとを組み合わせてなるスーツであって、
    前記ズボン又は前記スカートはそのウエスト部分の表地が着用時に略水平方向となる向きに伸縮性を備えており、且つ前記ズボン又は前記スカートのウエスト部分には伸縮性のあるベルト芯地が前記ウエスト部分の表地に包まれた状態で縫い込まれて配置されていることを特徴とするスーツ。
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