JP3167171B2 - 光ヘッド - Google Patents
光ヘッドInfo
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- JP3167171B2 JP3167171B2 JP08599192A JP8599192A JP3167171B2 JP 3167171 B2 JP3167171 B2 JP 3167171B2 JP 08599192 A JP08599192 A JP 08599192A JP 8599192 A JP8599192 A JP 8599192A JP 3167171 B2 JP3167171 B2 JP 3167171B2
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- light
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- polarizing layer
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気ディスク装置な
どに設けられ、記録媒体からの戻り光の直交成分をそれ
ぞれ検出することにより情報を再生する光ヘッドに関す
る。
どに設けられ、記録媒体からの戻り光の直交成分をそれ
ぞれ検出することにより情報を再生する光ヘッドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】光磁気ディスク装置では、再生出力を得
るために、偏光分離が行われ、ディスクからの戻り光
が、カー回転角による偏光成分を検出するための2つの
光成分と、フォーカスなどのエラー信号を検出するため
のエラー信号検出用の光成分とに分離される。
るために、偏光分離が行われ、ディスクからの戻り光
が、カー回転角による偏光成分を検出するための2つの
光成分と、フォーカスなどのエラー信号を検出するため
のエラー信号検出用の光成分とに分離される。
【0003】図9は、従来の偏光分離手段を使用した光
磁気ディスク装置用の光学系の構成を示し、図10は図
9の(a)と(b)の経路における偏光状態を示してい
る。半導体レーザ1から発せられたレーザ光はコリメー
トレンズ2により平行光となり、ビームスプリッタ3に
対しS波成分として入射して反射され、さらに全反射プ
リズム4にて反射されて対物レンズ5によりディスクD
の記録面に集光される。
磁気ディスク装置用の光学系の構成を示し、図10は図
9の(a)と(b)の経路における偏光状態を示してい
る。半導体レーザ1から発せられたレーザ光はコリメー
トレンズ2により平行光となり、ビームスプリッタ3に
対しS波成分として入射して反射され、さらに全反射プ
リズム4にて反射されて対物レンズ5によりディスクD
の記録面に集光される。
【0004】ディスクDの記録面からの反射戻り光は、
対物レンズ5と全反射プリズム4を経て戻るが、ディス
クDの記録面における光磁気記録により、戻り光には図
10(a)に示すようなカー回転角(±θk)を有する
偏光成分が与えられる。この戻り光は、ビームスプリッ
タ3を透過して1/2波長板9を通過するが、この波長
板9を通過することにより図10(b)に示すように偏
光面が45度回転させられる。さらに戻り光は、ウォラ
ストンプリズム6にて3つの光成分に分離され、受光レ
ンズ7aと7bを経て6分割のピンホトダイオード8に
より受光される。
対物レンズ5と全反射プリズム4を経て戻るが、ディス
クDの記録面における光磁気記録により、戻り光には図
10(a)に示すようなカー回転角(±θk)を有する
偏光成分が与えられる。この戻り光は、ビームスプリッ
タ3を透過して1/2波長板9を通過するが、この波長
板9を通過することにより図10(b)に示すように偏
光面が45度回転させられる。さらに戻り光は、ウォラ
ストンプリズム6にて3つの光成分に分離され、受光レ
ンズ7aと7bを経て6分割のピンホトダイオード8に
より受光される。
【0005】ウォラストンプリズム6にて直交成分であ
るP波成分とS波成分とに分離された2つの光束Baと
Bbは、ピンホトダイオード8の2つの受光部8aと8
bとにより受光される。この受光部8aと8bのそれぞ
れにて受光されるP波成分とS波成分のそれぞれの受光
量は図10(b)にてPdとSdで示す通りである。受
光部8aと8bにおける受光量PdとSdの差を求める
ことにより戻り光のカー回転方向(+θkまたは−θ
k)が検出されMO再生信号となる。また偏光に依存し
ない光束Bcは4分割の受光部8cに受光され、これに
よりフォーカスとトラッキングのエラー信号が得られ
る。
るP波成分とS波成分とに分離された2つの光束Baと
Bbは、ピンホトダイオード8の2つの受光部8aと8
bとにより受光される。この受光部8aと8bのそれぞ
れにて受光されるP波成分とS波成分のそれぞれの受光
量は図10(b)にてPdとSdで示す通りである。受
光部8aと8bにおける受光量PdとSdの差を求める
ことにより戻り光のカー回転方向(+θkまたは−θ
k)が検出されMO再生信号となる。また偏光に依存し
ない光束Bcは4分割の受光部8cに受光され、これに
よりフォーカスとトラッキングのエラー信号が得られ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成の光学
系には以下に列記する問題点がある。 (1)上記従来の光学系は、受光部8aと8bとで、カ
ー回転角が与えられた偏光成分を検出するために、別体
の1/2波長板9を使用して図10(b)に示すように
偏光面を45度回転させている。よって別体の1/2波
長板9を設ける分だけ光学部品の部品点数が多くなり、
またこの1/2波長板9を位置決めして固定するための
構造が必要になる。また1/2波長板9を設けない場合
には、ウォラストンプリズム6を含む右側の光学部品を
全て光軸に対して45度回転させて配置しなくてはなら
ず、各光学部品の位置決め固定精度を出しにくくなり、
また光学部品が斜めに配置されることになるため、光学
系が大型化する欠点がある。
系には以下に列記する問題点がある。 (1)上記従来の光学系は、受光部8aと8bとで、カ
ー回転角が与えられた偏光成分を検出するために、別体
の1/2波長板9を使用して図10(b)に示すように
偏光面を45度回転させている。よって別体の1/2波
長板9を設ける分だけ光学部品の部品点数が多くなり、
またこの1/2波長板9を位置決めして固定するための
構造が必要になる。また1/2波長板9を設けない場合
には、ウォラストンプリズム6を含む右側の光学部品を
全て光軸に対して45度回転させて配置しなくてはなら
ず、各光学部品の位置決め固定精度を出しにくくなり、
また光学部品が斜めに配置されることになるため、光学
系が大型化する欠点がある。
【0007】(2)従来の光学系では、光学部品がそれ
ぞれ独立して設けられているために部品点数が多くな
り、また光路長が全体として長くなっている。このよう
に多数の部品により構成されまた光路長も長い構造にな
るため、光学系全体を可動系に搭載することができず、
光学部品を固定系と可動系とに別けざるをえなくなって
いる。例えば図9に示す光学系を全て光ヘッド内に収納
し、この光ヘッド全体をディスクの記録面に沿って移動
させる場合には、全体の重量が大きすぎることになり、
全体をフォーカス補正方向やトラッキング補正方向へ駆
動することが不可能となる。そのため、光学系全体を光
ヘッド内に収納した場合には、光ヘッド内にて対物レン
ズ5のみをフォーカスとトラッキングのそれぞれの補正
方向へ駆動させることが必要になる。しかしながらこの
場合には、対物レンズ5をトラッキング補正方向へ駆動
したときに、全反射プリズム4により反射された光の光
軸と対物レンズ5の光軸とがずれてしまうため、4分割
の受光部8c上に結ばれる戻り光のスポットが受光部8
cの中心からずれて、これがトラッキングエラー信号を
発生させることになって、高精度なトラッキングエラー
検出ができない状態が生じる。
ぞれ独立して設けられているために部品点数が多くな
り、また光路長が全体として長くなっている。このよう
に多数の部品により構成されまた光路長も長い構造にな
るため、光学系全体を可動系に搭載することができず、
光学部品を固定系と可動系とに別けざるをえなくなって
いる。例えば図9に示す光学系を全て光ヘッド内に収納
し、この光ヘッド全体をディスクの記録面に沿って移動
させる場合には、全体の重量が大きすぎることになり、
全体をフォーカス補正方向やトラッキング補正方向へ駆
動することが不可能となる。そのため、光学系全体を光
ヘッド内に収納した場合には、光ヘッド内にて対物レン
ズ5のみをフォーカスとトラッキングのそれぞれの補正
方向へ駆動させることが必要になる。しかしながらこの
場合には、対物レンズ5をトラッキング補正方向へ駆動
したときに、全反射プリズム4により反射された光の光
軸と対物レンズ5の光軸とがずれてしまうため、4分割
の受光部8c上に結ばれる戻り光のスポットが受光部8
cの中心からずれて、これがトラッキングエラー信号を
発生させることになって、高精度なトラッキングエラー
検出ができない状態が生じる。
【0008】また、例えば(A)で示す部分の光学部品
を光ヘッドに搭載してこの部分のみをディスクに沿って
移動させ、また(B)で示す部分の光学部品を固定側に
設けて、ビームスプリッタ3と全反射プリズム4との間
で空間中に光経路を形成することが考えられるが、この
場合においても対物レンズ5のトラッキング補正動作の
際に、対物レンズ5の光軸と(B)の固定光学系の光軸
との間にずれが生じて前記と同様の問題が生じる。
を光ヘッドに搭載してこの部分のみをディスクに沿って
移動させ、また(B)で示す部分の光学部品を固定側に
設けて、ビームスプリッタ3と全反射プリズム4との間
で空間中に光経路を形成することが考えられるが、この
場合においても対物レンズ5のトラッキング補正動作の
際に、対物レンズ5の光軸と(B)の固定光学系の光軸
との間にずれが生じて前記と同様の問題が生じる。
【0009】(3)図9に示す光学系では、偏光分離の
ための素子として、ウォラストンプリズム6を使用して
いる。しかしながら、ウォラストンプリズム6は、水晶
などの異方性結晶を2つ使用し、これを貼合わせて製作
しているため製造コストが高いものとなっている。
ための素子として、ウォラストンプリズム6を使用して
いる。しかしながら、ウォラストンプリズム6は、水晶
などの異方性結晶を2つ使用し、これを貼合わせて製作
しているため製造コストが高いものとなっている。
【0010】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、別体の1/2波長板などを設ける必要がなく、且
つ全体を薄型で且つ小型に構成できる光ヘッドを提供す
ることを目的としている。
あり、別体の1/2波長板などを設ける必要がなく、且
つ全体を薄型で且つ小型に構成できる光ヘッドを提供す
ることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による光ヘッド
は、発光部材と、記録媒体に対向する対物レンズと、前
記発光部材から発せられた光を前記対物レンズの方向へ
反射させる向きに設けられ且つ記録媒体から反射されて
対物レンズを通過した戻り光の一方の直交成分に対する
透過率が高く且つ他方の直交成分に対する透過率が低い
第1の偏光層と、この第1の偏光層を透過した光の偏光
面を回転させる位相差層と、この位相差層を透過した光
のうちどちらか一方の直交成分の透過率が高く且つ他方
の直交成分に対する透過率が低い第2の偏光層と、この
第2の偏光層を透過した光を受光する第1の受光部材
と、前記第2の偏光層により反射された光を、前記位相
差層を介して前記第1の偏光層により反射させ、さらに
前記位相差層を介した後に受光する第2の受光部材とが
設けられていることを特徴とするものである。
は、発光部材と、記録媒体に対向する対物レンズと、前
記発光部材から発せられた光を前記対物レンズの方向へ
反射させる向きに設けられ且つ記録媒体から反射されて
対物レンズを通過した戻り光の一方の直交成分に対する
透過率が高く且つ他方の直交成分に対する透過率が低い
第1の偏光層と、この第1の偏光層を透過した光の偏光
面を回転させる位相差層と、この位相差層を透過した光
のうちどちらか一方の直交成分の透過率が高く且つ他方
の直交成分に対する透過率が低い第2の偏光層と、この
第2の偏光層を透過した光を受光する第1の受光部材
と、前記第2の偏光層により反射された光を、前記位相
差層を介して前記第1の偏光層により反射させ、さらに
前記位相差層を介した後に受光する第2の受光部材とが
設けられていることを特徴とするものである。
【0012】また上記第1の偏光層と位相差層と第2の
偏光層とを透光層を介して一体に板状に形成することが
可能であり、さらに位相差層として、各受光部材へ向か
う方向の光に対して偏光面を回転させ、これと逆方向に
向かう光に対しては偏光面を回転させないものを使用し
てもよい。
偏光層とを透光層を介して一体に板状に形成することが
可能であり、さらに位相差層として、各受光部材へ向か
う方向の光に対して偏光面を回転させ、これと逆方向に
向かう光に対しては偏光面を回転させないものを使用し
てもよい。
【0013】
【作用】上記手段では、発光部材から発光された光は第
1の偏光層により一方の直交成分が高い反射率となって
反射され、対物レンズにより記録媒体に集光される。記
録媒体の記録面によりカー回転角の偏光を与えられた戻
り光は、対物レンズを経て戻り、第1の偏光層に対し一
方の直交成分が高い透過率となって通過し、波長偏光層
により偏光面が回転させられる。さらに第2の偏光層に
より一方の直交成分が取出され第1の受光部材により受
光される。第2の偏光層では他方の直交成分が反射され
るが、これは再度位相差層を経て偏光面が回転させられ
且つ第1の偏光層により一方の直交成分が高い比率によ
り反射されて第2の受光部材により受光される。この第
1の受光部材による受光出力強度と第2の受光部材によ
る受光出力強度との差を取ることにより、カー回転角の
方向が検出され、MO信号が再生される。
1の偏光層により一方の直交成分が高い反射率となって
反射され、対物レンズにより記録媒体に集光される。記
録媒体の記録面によりカー回転角の偏光を与えられた戻
り光は、対物レンズを経て戻り、第1の偏光層に対し一
方の直交成分が高い透過率となって通過し、波長偏光層
により偏光面が回転させられる。さらに第2の偏光層に
より一方の直交成分が取出され第1の受光部材により受
光される。第2の偏光層では他方の直交成分が反射され
るが、これは再度位相差層を経て偏光面が回転させられ
且つ第1の偏光層により一方の直交成分が高い比率によ
り反射されて第2の受光部材により受光される。この第
1の受光部材による受光出力強度と第2の受光部材によ
る受光出力強度との差を取ることにより、カー回転角の
方向が検出され、MO信号が再生される。
【0014】上記手段では第1の偏光層と位相差層と第
2の偏光層とが平行な層として重ねて構成できるため、
全体を薄型化でき、例えばこれらの層を透過層を挟んで
板状に一体に形成することも可能である。
2の偏光層とが平行な層として重ねて構成できるため、
全体を薄型化でき、例えばこれらの層を透過層を挟んで
板状に一体に形成することも可能である。
【0015】また前記手段では、戻り光が位相差層を1
往復半だけ透過することになり、偏波面の回転により、
第1の受光部材の受光出力と第2の受光出力とに差が生
じるため、受光出力の増幅利得を変えて上記の出力の差
をなくすことが必要である。しかし、位相差層として、
各受光部材へ向かう方向の光に対して偏光面を回転さ
せ、これと逆方向に向かう光に対しては偏光面を回転さ
せないものを使用すれば、上記の受光部材による受光出
力の差を小さくしあるいはなくすことが可能である。
往復半だけ透過することになり、偏波面の回転により、
第1の受光部材の受光出力と第2の受光出力とに差が生
じるため、受光出力の増幅利得を変えて上記の出力の差
をなくすことが必要である。しかし、位相差層として、
各受光部材へ向かう方向の光に対して偏光面を回転さ
せ、これと逆方向に向かう光に対しては偏光面を回転さ
せないものを使用すれば、上記の受光部材による受光出
力の差を小さくしあるいはなくすことが可能である。
【0016】
【実施例】以下本発明の実施例を図面により説明する。
図1は本発明による光ヘッドの第1実施例を示す部品構
成図、図2(a)ないし(i)は図1における各光経路
の偏光状態をP波成分とS波成分との直交座標で示す説
明図である。図1に示す光ヘッド10はその全体が図示
しない弾性支持部材に支持されてフォーカス補正ならび
にトラッキング補正方向へ微動自在に支持されており、
また光ヘッド10全体とこれを前記弾性支持部材を介し
て支持している固定部との間に磁気駆動回路が設けら
れ、この磁気駆動回路により光ヘッド10がフォーカス
とトラッキングのそれぞれの補正方向へ微駆動されるよ
うになっている。
図1は本発明による光ヘッドの第1実施例を示す部品構
成図、図2(a)ないし(i)は図1における各光経路
の偏光状態をP波成分とS波成分との直交座標で示す説
明図である。図1に示す光ヘッド10はその全体が図示
しない弾性支持部材に支持されてフォーカス補正ならび
にトラッキング補正方向へ微動自在に支持されており、
また光ヘッド10全体とこれを前記弾性支持部材を介し
て支持している固定部との間に磁気駆動回路が設けら
れ、この磁気駆動回路により光ヘッド10がフォーカス
とトラッキングのそれぞれの補正方向へ微駆動されるよ
うになっている。
【0017】光ヘッド10内には、透光層として平板状
のガラス基板11が斜めに配置されている。このガラス
基板11の表面側には、第1の偏光層12と位相差層と
して1/2波長層13が積層されている。第1の偏光層
12と1/2波長層13はそれぞれ蒸着などにより膜状
に形成され、あるいは板状のものが接着されるなどして
ガラス基板11と一体に構成されている。発光部材であ
る半導体レーザ14は前記第1の偏光層12の外側に対
向し、また半導体レーザ14から発せられたレーザ光が
偏光層12により反射される光軸上に対物レンズ15が
設けられている。半導体レーザ14から発せられた拡散
レーザ光はS波方向にて前記偏光層12に入射して反射
され、対物レンズ15により集光され光磁気ディスクな
どの記録媒体Mに照射される。
のガラス基板11が斜めに配置されている。このガラス
基板11の表面側には、第1の偏光層12と位相差層と
して1/2波長層13が積層されている。第1の偏光層
12と1/2波長層13はそれぞれ蒸着などにより膜状
に形成され、あるいは板状のものが接着されるなどして
ガラス基板11と一体に構成されている。発光部材であ
る半導体レーザ14は前記第1の偏光層12の外側に対
向し、また半導体レーザ14から発せられたレーザ光が
偏光層12により反射される光軸上に対物レンズ15が
設けられている。半導体レーザ14から発せられた拡散
レーザ光はS波方向にて前記偏光層12に入射して反射
され、対物レンズ15により集光され光磁気ディスクな
どの記録媒体Mに照射される。
【0018】上記第1の偏光層12は、直交する光成分
のうちのP波成分の反射光量Rpが小さく、S波成分の
反射光量Rsが大きく、またP波成分の透過光量Tpが
大きく、S波成分の透過光量Tsが小さくなるように設
定されている。この反射ならびに透過比率は、半導体レ
ーザ14から発せられる光ビームの光軸Bの入射角αと
偏光層12の設計条件とにより決められ、例えばP波成
分の反射光量と透過光量の比は20%:80%、S波成
分の反射光量と透過光量の比は80%:20%に設定さ
れている。
のうちのP波成分の反射光量Rpが小さく、S波成分の
反射光量Rsが大きく、またP波成分の透過光量Tpが
大きく、S波成分の透過光量Tsが小さくなるように設
定されている。この反射ならびに透過比率は、半導体レ
ーザ14から発せられる光ビームの光軸Bの入射角αと
偏光層12の設計条件とにより決められ、例えばP波成
分の反射光量と透過光量の比は20%:80%、S波成
分の反射光量と透過光量の比は80%:20%に設定さ
れている。
【0019】前記1/2波長層13は、これを透過する
光に対しλ/2(λは使用光の波長)の位相差を生じさ
せるものであり、記録媒体Mにより反射され対物レンズ
15と偏光層12を透過した戻り光は、この1/2波長
層13により偏光面が45度回転させられる。なお位相
差層としては1/2波長層に限られず、3/2波長層、
5/2波長層などであっても同じである。ガラス基板1
1の裏面には、第2の偏光層16が設けられている。こ
の偏光層16はガラス基板11に蒸着された膜状あるい
は接着された板状のものである。この第2の偏光層16
は、戻り光の入射角と層の設計条件に基づき、P波成分
に対する反射光量Rpが大きく、S波成分に対する反射
光量Rsが小さく、またP波成分に対する透過光量Tp
が小さく、S波成分に対する透過光量Tsが大きくなる
ように設定されている。この反射光量ならびに透過光量
の比率は例えば80%:20%あるいは100%:0%
などである。
光に対しλ/2(λは使用光の波長)の位相差を生じさ
せるものであり、記録媒体Mにより反射され対物レンズ
15と偏光層12を透過した戻り光は、この1/2波長
層13により偏光面が45度回転させられる。なお位相
差層としては1/2波長層に限られず、3/2波長層、
5/2波長層などであっても同じである。ガラス基板1
1の裏面には、第2の偏光層16が設けられている。こ
の偏光層16はガラス基板11に蒸着された膜状あるい
は接着された板状のものである。この第2の偏光層16
は、戻り光の入射角と層の設計条件に基づき、P波成分
に対する反射光量Rpが大きく、S波成分に対する反射
光量Rsが小さく、またP波成分に対する透過光量Tp
が小さく、S波成分に対する透過光量Tsが大きくなる
ように設定されている。この反射光量ならびに透過光量
の比率は例えば80%:20%あるいは100%:0%
などである。
【0020】前記第2の偏光層16の裏面には第1の受
光部材17と第2の受光部材18が密着して設けられて
いる。記録媒体Mからの戻り光は集束光束としてガラス
基板11内に入るが、この光軸B1が第2の偏光層16
により反射されて光軸B2で示す経路にて戻り、さらに
第1の偏光層12により反射されて、光軸B3で示す経
路で進行する。前記第1の受光部材17は光軸B1が入
射する位置に設けられ、第2の受光部材18は光軸B3
が入射する位置に設けられている。
光部材17と第2の受光部材18が密着して設けられて
いる。記録媒体Mからの戻り光は集束光束としてガラス
基板11内に入るが、この光軸B1が第2の偏光層16
により反射されて光軸B2で示す経路にて戻り、さらに
第1の偏光層12により反射されて、光軸B3で示す経
路で進行する。前記第1の受光部材17は光軸B1が入
射する位置に設けられ、第2の受光部材18は光軸B3
が入射する位置に設けられている。
【0021】第1の受光部材17と第2の受光部材18
の受光光量に基づく検出電流は、図示しない電流/電圧
変換部により電圧値に変換され、それぞれ電圧増幅部1
9と20により増幅される。図1に示す実施例では、増
幅部20による増幅利得が増幅部19による増幅利得の
2倍となるように増幅抵抗がRと2Rとに設定されてい
る。各増幅部19と20により増幅された電圧が差動増
幅器21に入力され、電圧差を求めることにより、カー
回転角の変化に基づくRF信号がMO再生信号として得
られる。またフォーカスエラー信号は増幅部19と20
を経たそれぞれの出力に基づき、両出力からビームサイ
ズの差を求めることにより得ることができる。またトラ
ッキングエラー信号は、一方の受光部材の2分割の受光
領域からの信号に基づきプッシュプル法により得ること
ができる。
の受光光量に基づく検出電流は、図示しない電流/電圧
変換部により電圧値に変換され、それぞれ電圧増幅部1
9と20により増幅される。図1に示す実施例では、増
幅部20による増幅利得が増幅部19による増幅利得の
2倍となるように増幅抵抗がRと2Rとに設定されてい
る。各増幅部19と20により増幅された電圧が差動増
幅器21に入力され、電圧差を求めることにより、カー
回転角の変化に基づくRF信号がMO再生信号として得
られる。またフォーカスエラー信号は増幅部19と20
を経たそれぞれの出力に基づき、両出力からビームサイ
ズの差を求めることにより得ることができる。またトラ
ッキングエラー信号は、一方の受光部材の2分割の受光
領域からの信号に基づきプッシュプル法により得ること
ができる。
【0022】次に上記実施例による光ヘッドの光学動作
について説明する。図2の(a)ないし(i)は図1の
各光経路(a)ないし(i)の位置における偏光状態を
示しているものである。半導体レーザ14から照射され
た拡散レーザ光は、偏波面がS波方向に向けられて第1
の偏光層12に送られる。第1の偏光層12ではS波成
分の反射率が高いため、S波方向のレーザ光の多くが反
射され、対物レンズ15にて集束されて記録媒体Mに集
光され、光磁気記録が行なわれた記録媒体Mに微小スポ
ットが形成される。
について説明する。図2の(a)ないし(i)は図1の
各光経路(a)ないし(i)の位置における偏光状態を
示しているものである。半導体レーザ14から照射され
た拡散レーザ光は、偏波面がS波方向に向けられて第1
の偏光層12に送られる。第1の偏光層12ではS波成
分の反射率が高いため、S波方向のレーザ光の多くが反
射され、対物レンズ15にて集束されて記録媒体Mに集
光され、光磁気記録が行なわれた記録媒体Mに微小スポ
ットが形成される。
【0023】記録媒体Mにより反射された戻り光は、記
録媒体Mの記録面により偏光面にカー回転角が与えられ
ている。図2(a)では、戻り光のうちの一方向のカー
回転角θkの偏光面を実線で示し、他方向のカー回転角
θkの偏光面を破線で示している。第1の偏光層12で
は、P波成分の透過光量Tpが大きく、S波成分の透過
光量Tsが小さいため、第1の偏光層12を透過した光
は、図2(b)に示すように、S波成分の光量が小さく
P波成分の光量が大きくなって、カー回転角θkがθk
1に強調された偏光状態となる。この光が1/2波長層
13を透過することにより、図2(c)に示すように偏
光面が45度回転させられる。
録媒体Mの記録面により偏光面にカー回転角が与えられ
ている。図2(a)では、戻り光のうちの一方向のカー
回転角θkの偏光面を実線で示し、他方向のカー回転角
θkの偏光面を破線で示している。第1の偏光層12で
は、P波成分の透過光量Tpが大きく、S波成分の透過
光量Tsが小さいため、第1の偏光層12を透過した光
は、図2(b)に示すように、S波成分の光量が小さく
P波成分の光量が大きくなって、カー回転角θkがθk
1に強調された偏光状態となる。この光が1/2波長層
13を透過することにより、図2(c)に示すように偏
光面が45度回転させられる。
【0024】この光が光軸B1で示すようにガラス基板
11内を進行し、第2の偏光層16に至る。第2の偏光
層16では、S波成分の透過率が高いため、このS波成
分が第1の受光部材17により受光される。すなわち図
2(d)に示すように第2の偏光層16では、図2
(c)にて実線で示す偏光のS波成分(S軸に投影した
成分)Sd1が多く透過し、これが受光部材17により
受光される。
11内を進行し、第2の偏光層16に至る。第2の偏光
層16では、S波成分の透過率が高いため、このS波成
分が第1の受光部材17により受光される。すなわち図
2(d)に示すように第2の偏光層16では、図2
(c)にて実線で示す偏光のS波成分(S軸に投影した
成分)Sd1が多く透過し、これが受光部材17により
受光される。
【0025】図2(c)にて実線で示す偏光のP波成分
は、図2(e)に示すようにP軸に投影したのと同じも
のになり、この成分のほとんどは第2の偏光層16によ
り反射され、その光軸B2はガラス基板11を透過して
再度1/2波長層13を透過する。このとき図2(f)
に示すように、偏光面が45度回転させられる。第1の
偏光層12はS波成分の反射率が高いため、この第1の
偏光層12により図2(g)で示すS波成分(図2
(f)の偏光成分をS軸に投影した光量)のほとんどが
反射され、これが再度1/2波長層13を透過して図2
(h)で示すように偏光面が45度回転させられる。こ
の光の光軸は図1にてB3で示される。
は、図2(e)に示すようにP軸に投影したのと同じも
のになり、この成分のほとんどは第2の偏光層16によ
り反射され、その光軸B2はガラス基板11を透過して
再度1/2波長層13を透過する。このとき図2(f)
に示すように、偏光面が45度回転させられる。第1の
偏光層12はS波成分の反射率が高いため、この第1の
偏光層12により図2(g)で示すS波成分(図2
(f)の偏光成分をS軸に投影した光量)のほとんどが
反射され、これが再度1/2波長層13を透過して図2
(h)で示すように偏光面が45度回転させられる。こ
の光の光軸は図1にてB3で示される。
【0026】さらに第2の偏光層16はS波成分の透過
率が高いため、図2(h)で示す偏光成分のうちのS波
成分が多く透過する。図2(i)は図2(h)の偏光に
対するS波偏光成分を示している。図2(i)で示すS
波成分Sd2のほとんどが第2の受光部材18により受
光される。
率が高いため、図2(h)で示す偏光成分のうちのS波
成分が多く透過する。図2(i)は図2(h)の偏光に
対するS波偏光成分を示している。図2(i)で示すS
波成分Sd2のほとんどが第2の受光部材18により受
光される。
【0027】上記の動作により、第1の受光部材17と
第2の受光部材18とで、戻り光の異なる直交成分がそ
れぞれ受光される。ただし、第2の受光部材18で受光
される成分は、第1の受光部材17により検出される出
力に比べ、1/2波長層13を1往復余分に通過してい
るため、図2(f)から(g)の段階で光量が2の平方
根で割った分だけ減少し、さらに図2(h)から(i)
の段階で同じく2の平方根で割った分だけ光量が減少す
る。よって結果的には同じ光量に対し、第2の受光部材
18からの出力電流は第1の受光部材17の出力電流の
(1/2)になる。そこで、第2の受光部材18からの
出力が電圧に変換された後に電圧増幅部20により、電
圧増幅部19の2倍の利得にて増幅される。この増幅利
得の差により同等となった検出電圧から差動増幅器21
により差が求められ、これがMO再生のRF信号として
得られる。
第2の受光部材18とで、戻り光の異なる直交成分がそ
れぞれ受光される。ただし、第2の受光部材18で受光
される成分は、第1の受光部材17により検出される出
力に比べ、1/2波長層13を1往復余分に通過してい
るため、図2(f)から(g)の段階で光量が2の平方
根で割った分だけ減少し、さらに図2(h)から(i)
の段階で同じく2の平方根で割った分だけ光量が減少す
る。よって結果的には同じ光量に対し、第2の受光部材
18からの出力電流は第1の受光部材17の出力電流の
(1/2)になる。そこで、第2の受光部材18からの
出力が電圧に変換された後に電圧増幅部20により、電
圧増幅部19の2倍の利得にて増幅される。この増幅利
得の差により同等となった検出電圧から差動増幅器21
により差が求められ、これがMO再生のRF信号として
得られる。
【0028】図3は本発明の第2実施例を示している。
この実施例と図1に示す第1実施例とを比較すると、半
導体レーザ14および対物レンズ15の位置、およびガ
ラス基板11の表面側での第1の偏光層12および1/
2波長層13の構成は同じである。ただし図3に示す実
施例では、ガラス基板11の裏面に図1に示すような第
2の偏光層16は形成されていない。また第1の受光部
材17と第2の受光部材18は、ガラス基板11の裏面
から空気層を介して離れて配置され、それぞれ固定基板
27に固定されている。そして第1の受光部材17の表
面には第2の偏光層16が膜状または板状に形成されて
いる。この第2の偏光層16は、図1に示した第2の偏
光層16と同じものであり、P波成分に対する反射光量
Rpが大きく、S波成分に対する反射光量Rsは小さ
く、またP波成分に対する透過光量Tpが小さく、S波
成分に対する透過光量Tsが大きいものとなっている。
一方、第2の受光部材18の表面には反射防止膜26が
設けられている。
この実施例と図1に示す第1実施例とを比較すると、半
導体レーザ14および対物レンズ15の位置、およびガ
ラス基板11の表面側での第1の偏光層12および1/
2波長層13の構成は同じである。ただし図3に示す実
施例では、ガラス基板11の裏面に図1に示すような第
2の偏光層16は形成されていない。また第1の受光部
材17と第2の受光部材18は、ガラス基板11の裏面
から空気層を介して離れて配置され、それぞれ固定基板
27に固定されている。そして第1の受光部材17の表
面には第2の偏光層16が膜状または板状に形成されて
いる。この第2の偏光層16は、図1に示した第2の偏
光層16と同じものであり、P波成分に対する反射光量
Rpが大きく、S波成分に対する反射光量Rsは小さ
く、またP波成分に対する透過光量Tpが小さく、S波
成分に対する透過光量Tsが大きいものとなっている。
一方、第2の受光部材18の表面には反射防止膜26が
設けられている。
【0029】図4により、上記の光ヘッドの光学的動作
について説明する。図4と図2とを比較すると(h)ま
では、その機能が同じであり、第1の受光部材17には
(d)に示すS波成分Sd1が偏光層16を透過して受
光される。しかしながら、図4(h)に示す偏光成分
は、第2の偏光層16を通過することなく、そのまま反
射防止膜26を経て第2の受光部材18により受光され
る。よって受光部材18により受光される偏光成分の強
度θd(図4(i)参照)は、図4(h)に示す成分と
ほぼ同じである。
について説明する。図4と図2とを比較すると(h)ま
では、その機能が同じであり、第1の受光部材17には
(d)に示すS波成分Sd1が偏光層16を透過して受
光される。しかしながら、図4(h)に示す偏光成分
は、第2の偏光層16を通過することなく、そのまま反
射防止膜26を経て第2の受光部材18により受光され
る。よって受光部材18により受光される偏光成分の強
度θd(図4(i)参照)は、図4(h)に示す成分と
ほぼ同じである。
【0030】したがって、(h)から(i)へ至る過程
において、図2に示すような2の平方根で割った出力の
減少は生じず、(h)と(i)における受光光量は1:
1である。よって第2の受光部材18により受光される
受光光量は、第1の受光部材17による受光光量に対し
2の平方根により割ったものと同じになる。したがって
図3に示す実施例の場合には、第2の受光素子18に接
続される電圧増幅部の増幅利得を、第1の受光素子17
に接続される電圧増幅部の増幅利得に対し2の平方根を
かけた分だけ高くすることにより、第1の受光素子17
と第2の受光素子18からの受光出力を同等のものにで
き、図1に示したような差動増幅器21により差を求め
ることにより、MO信号の再生ができる。
において、図2に示すような2の平方根で割った出力の
減少は生じず、(h)と(i)における受光光量は1:
1である。よって第2の受光部材18により受光される
受光光量は、第1の受光部材17による受光光量に対し
2の平方根により割ったものと同じになる。したがって
図3に示す実施例の場合には、第2の受光素子18に接
続される電圧増幅部の増幅利得を、第1の受光素子17
に接続される電圧増幅部の増幅利得に対し2の平方根を
かけた分だけ高くすることにより、第1の受光素子17
と第2の受光素子18からの受光出力を同等のものにで
き、図1に示したような差動増幅器21により差を求め
ることにより、MO信号の再生ができる。
【0031】また、図3の実施例ではガラス基板11の
裏面側に空気層を介して受光素子17と18を配置して
いるため、記録媒体Mからの戻り光の光路長を長くとる
ことができ、よって所定の倍率の対物レンズ15を使用
したときに図1の実施例に比べて対物レンズ15をガラ
ス基板11に近づけることができ、図3における上下高
さ寸法の小さい光ヘッドを構成できる。ただし、図3の
実施例において、表面に第2の偏光層16が設けられた
第1の受光部材17と、表面に反射防止膜26が形成さ
れた第2の受光部材18を、ガラス基板11の裏面に密
着して設けてもよい。
裏面側に空気層を介して受光素子17と18を配置して
いるため、記録媒体Mからの戻り光の光路長を長くとる
ことができ、よって所定の倍率の対物レンズ15を使用
したときに図1の実施例に比べて対物レンズ15をガラ
ス基板11に近づけることができ、図3における上下高
さ寸法の小さい光ヘッドを構成できる。ただし、図3の
実施例において、表面に第2の偏光層16が設けられた
第1の受光部材17と、表面に反射防止膜26が形成さ
れた第2の受光部材18を、ガラス基板11の裏面に密
着して設けてもよい。
【0032】図5は本発明の第3実施例を示している。
図5に示す第3実施例と図1に示す第1実施例を比較す
ると、第1の偏光層12は図1と同じであり、P波成分
に対する反射光量Rpが小さく、S波成分に対する反射
光量Rsが大きく、またP波成分に対する透過光量Tp
は大きく、S波成分に対する透過光量Tsが小さくなっ
ている。ただし、図5に示すガラス基板11の裏面の第
2の偏光層32は、図1の偏光層16と相違している。
図5に示す第2の偏光層32では、P波成分に対する反
射光量Rpが小さく、S波成分に対する反射光量Rsが
大きく、またP波成分に対する透過光量Tpが大きく、
S波成分に対する透過光量Tsが小さく設計されてい
る。
図5に示す第3実施例と図1に示す第1実施例を比較す
ると、第1の偏光層12は図1と同じであり、P波成分
に対する反射光量Rpが小さく、S波成分に対する反射
光量Rsが大きく、またP波成分に対する透過光量Tp
は大きく、S波成分に対する透過光量Tsが小さくなっ
ている。ただし、図5に示すガラス基板11の裏面の第
2の偏光層32は、図1の偏光層16と相違している。
図5に示す第2の偏光層32では、P波成分に対する反
射光量Rpが小さく、S波成分に対する反射光量Rsが
大きく、またP波成分に対する透過光量Tpが大きく、
S波成分に対する透過光量Tsが小さく設計されてい
る。
【0033】また図5において第1の偏光層12の次に
位置している1/2波長層31は、その厚さ寸法を調整
することにより、受光部材17または18の方向へ向か
う光(光軸B1またはB3の光)に対しては偏波面を45
度回転させる機能を発揮するが、これと逆方向へ向かう
光(光軸B2の光)に対しては偏光面を回転させないよ
うに機能する。
位置している1/2波長層31は、その厚さ寸法を調整
することにより、受光部材17または18の方向へ向か
う光(光軸B1またはB3の光)に対しては偏波面を45
度回転させる機能を発揮するが、これと逆方向へ向かう
光(光軸B2の光)に対しては偏光面を回転させないよ
うに機能する。
【0034】図6は、図5に示す光ヘッドにおける各光
経路(a)ないし(i)における偏光状態を示してい
る。図5と図6を対比して説明すると、(a)で示すよ
うにカー回転角θkの偏光が与えられた光は、第1の偏
光層12を透過することにより、(b)に示すように偏
波面の回転角度がθk1に強調され、1/2波長層31
を透過することにより偏光面が45度回転させられる
((c)参照)、第2の偏光層32では透過率の高いP
波成分のほとんどが透過して第1の受光部材17により
受光される。図6(d)ではこのP成分の受光光量をP
d1で示している。
経路(a)ないし(i)における偏光状態を示してい
る。図5と図6を対比して説明すると、(a)で示すよ
うにカー回転角θkの偏光が与えられた光は、第1の偏
光層12を透過することにより、(b)に示すように偏
波面の回転角度がθk1に強調され、1/2波長層31
を透過することにより偏光面が45度回転させられる
((c)参照)、第2の偏光層32では透過率の高いP
波成分のほとんどが透過して第1の受光部材17により
受光される。図6(d)ではこのP成分の受光光量をP
d1で示している。
【0035】第2の偏光層32では図6(e)に示すS
波成分のほとんどが反射され、これが1/2波長層31
を通過するが、このときには偏光面が回転させられず、
(f)における偏光状態は(e)と同じである。第1の
偏光層12ではS波成分のほとんどが反射されるので、
図6(g)におけるS波成分の光量は(f)とほとんど
同じである。ただしこの光が第2の受光部材18に向か
うときには1/2波長層31により偏光面が45度回転
させられるので、(h)では45度回転した偏光成分と
なる。これが第2の偏光層32に入射されると、P波成
分のほとんどが透過されるので、図6(i)に示すよう
にPd2の強度を有するP波成分が第2の受光部材18
により受光される。
波成分のほとんどが反射され、これが1/2波長層31
を通過するが、このときには偏光面が回転させられず、
(f)における偏光状態は(e)と同じである。第1の
偏光層12ではS波成分のほとんどが反射されるので、
図6(g)におけるS波成分の光量は(f)とほとんど
同じである。ただしこの光が第2の受光部材18に向か
うときには1/2波長層31により偏光面が45度回転
させられるので、(h)では45度回転した偏光成分と
なる。これが第2の偏光層32に入射されると、P波成
分のほとんどが透過されるので、図6(i)に示すよう
にPd2の強度を有するP波成分が第2の受光部材18
により受光される。
【0036】第1の受光部材17と第2の受光部材18
とでは、戻り光の異なる直交成分が受光されることにな
る。また第2の受光部材18による受光光量は(h)か
ら(i)へ至る過程にて、2の平方根にて割ったのと同
じ量に減衰させられる。よって、第2の受光素子18に
接続される電圧増幅部の増幅利得を、第1の受光素子1
7に接続される電圧増幅部の増幅利得に対し2の平方根
をかけた分だけ高くすることにより、第1の受光素子1
7と第2の受光素子18からの受光出力とを同等のもの
にでき、図1に示したような差動増幅器21により差を
求めることにより、MO信号の再生ができる。
とでは、戻り光の異なる直交成分が受光されることにな
る。また第2の受光部材18による受光光量は(h)か
ら(i)へ至る過程にて、2の平方根にて割ったのと同
じ量に減衰させられる。よって、第2の受光素子18に
接続される電圧増幅部の増幅利得を、第1の受光素子1
7に接続される電圧増幅部の増幅利得に対し2の平方根
をかけた分だけ高くすることにより、第1の受光素子1
7と第2の受光素子18からの受光出力とを同等のもの
にでき、図1に示したような差動増幅器21により差を
求めることにより、MO信号の再生ができる。
【0037】図7は本発明の第4実施例を示している。
図7の実施例は図5に示す第3実施例を変形したもので
あり、1/2波長層31では、図5に示すものと同様
に、受光部材17,18に向かう光のみ偏光面が45度
回転させられる。またガラス基板11の裏面に対し第1
の受光部材17と第2の受光部材18が空気層を介して
対向しており、第1の受光部材17の表面には図5に示
したのと同じ第2の偏光層32が設けられ、第2の受光
部材18の表面には反射防止膜26が設けられている。
第2の偏光層32は、P波成分に対する反射光量Rpが
小さく、S波成分に対する反射光量が大きく、またP波
成分に対する透過光量Tpが大きく、S波成分に対する
透過光量Tsが小さくなっている。
図7の実施例は図5に示す第3実施例を変形したもので
あり、1/2波長層31では、図5に示すものと同様
に、受光部材17,18に向かう光のみ偏光面が45度
回転させられる。またガラス基板11の裏面に対し第1
の受光部材17と第2の受光部材18が空気層を介して
対向しており、第1の受光部材17の表面には図5に示
したのと同じ第2の偏光層32が設けられ、第2の受光
部材18の表面には反射防止膜26が設けられている。
第2の偏光層32は、P波成分に対する反射光量Rpが
小さく、S波成分に対する反射光量が大きく、またP波
成分に対する透過光量Tpが大きく、S波成分に対する
透過光量Tsが小さくなっている。
【0038】図8は図7に示す光ヘッドの光経路の偏光
状態を説明するものであるが、図8と図6を比較すると
(h)までは、その機能が同じである。しかしながら、
図8(h)に示す偏光成分は、第2の偏光層32を通過
することなく、そのまま反射防止膜26を経て第2の受
光部材18により受光される。よって受光部材18によ
り受光される偏光成分の強度θd1(図8(i)参照)
は、(h)に示す成分とほぼ同じである。
状態を説明するものであるが、図8と図6を比較すると
(h)までは、その機能が同じである。しかしながら、
図8(h)に示す偏光成分は、第2の偏光層32を通過
することなく、そのまま反射防止膜26を経て第2の受
光部材18により受光される。よって受光部材18によ
り受光される偏光成分の強度θd1(図8(i)参照)
は、(h)に示す成分とほぼ同じである。
【0039】したがって、(h)から(i)へ至る過程
において、2の平方根で割った出力の減少が生じること
がなく、(h)と(i)における受光光量は1:1であ
り全体としても光強度は全て1:1である。よって第2
の受光部材18により受光される受光光量と、第1の受
光部材17による受光光量とは、同じ比率のものにな
り、同じ増幅利得の増幅器により増幅し、差動増幅器に
よりその差を求めることによりMO信号を得ることがで
きる。この実施例でもガラス基板11の裏面側に空気層
を介して受光素子17と18を配置しているため、記録
媒体Mからの戻り光の光路長を長くとることができ、よ
って所定の倍率の対物レンズ15をガラス基板11に近
づけることができる。
において、2の平方根で割った出力の減少が生じること
がなく、(h)と(i)における受光光量は1:1であ
り全体としても光強度は全て1:1である。よって第2
の受光部材18により受光される受光光量と、第1の受
光部材17による受光光量とは、同じ比率のものにな
り、同じ増幅利得の増幅器により増幅し、差動増幅器に
よりその差を求めることによりMO信号を得ることがで
きる。この実施例でもガラス基板11の裏面側に空気層
を介して受光素子17と18を配置しているため、記録
媒体Mからの戻り光の光路長を長くとることができ、よ
って所定の倍率の対物レンズ15をガラス基板11に近
づけることができる。
【0040】また図7の実施例において、表面に第2の
偏光層32が設けられた第1の受光部材17と、表面に
反射防止膜26が形成された第2の受光部材18を、ガ
ラス基板11の裏面に密着して設けてもよい。なお、前
記それぞれの実施例では、透光層としてのガラス基板1
1に1/2波長層13または31が積層された構造とな
っているが、例えば、水晶などの異方性結晶により、ガ
ラス基板11と1/2波長層13または31を加えた厚
さ寸法の素子を構成し、これを通過することによりλ/
2の位相差を発生させて、偏光面を45度回転させるよ
うにしてもよい。この場合にはガラス基板11を設ける
必要はない。あるいは前記の異方性結晶を使用した素子
の裏面にガラス基板を設け、これに第2の偏光層などを
介して受光部材を密着させることにより、薄型でしかも
戻り光の光路長の長い光ヘッドを構成できる。
偏光層32が設けられた第1の受光部材17と、表面に
反射防止膜26が形成された第2の受光部材18を、ガ
ラス基板11の裏面に密着して設けてもよい。なお、前
記それぞれの実施例では、透光層としてのガラス基板1
1に1/2波長層13または31が積層された構造とな
っているが、例えば、水晶などの異方性結晶により、ガ
ラス基板11と1/2波長層13または31を加えた厚
さ寸法の素子を構成し、これを通過することによりλ/
2の位相差を発生させて、偏光面を45度回転させるよ
うにしてもよい。この場合にはガラス基板11を設ける
必要はない。あるいは前記の異方性結晶を使用した素子
の裏面にガラス基板を設け、これに第2の偏光層などを
介して受光部材を密着させることにより、薄型でしかも
戻り光の光路長の長い光ヘッドを構成できる。
【0041】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、各層を積
層させて光学素子を構成できるため、薄型で小型な光ヘ
ッドを得ることができる。また、本発明による光ヘッド
は、光磁気ディスクだけでなく、コンパクトディスクや
相変化ディスクなどに対して同一ヘッドでの対応が可能
となる。さらに、小型、軽量化ができ、光学系全体を補
正駆動できるので、エラー信号へのオフセットの発生が
なくなる。また1/2波長層を単独にて別体に使用する
必要がないため、部品管理ならびに組み立ての簡素化を
図ることができる。
層させて光学素子を構成できるため、薄型で小型な光ヘ
ッドを得ることができる。また、本発明による光ヘッド
は、光磁気ディスクだけでなく、コンパクトディスクや
相変化ディスクなどに対して同一ヘッドでの対応が可能
となる。さらに、小型、軽量化ができ、光学系全体を補
正駆動できるので、エラー信号へのオフセットの発生が
なくなる。また1/2波長層を単独にて別体に使用する
必要がないため、部品管理ならびに組み立ての簡素化を
図ることができる。
【図1】本発明による光ヘッドの第1実施例を示す部品
構成図、
構成図、
【図2】(a)ないし(i)は第1実施例の光ヘッドの
各光経路部分の偏光状態をS波成分とP波成分を直交座
標にして示す説明図、
各光経路部分の偏光状態をS波成分とP波成分を直交座
標にして示す説明図、
【図3】本発明による光ヘッドの第2実施例を示す部品
構成図、
構成図、
【図4】(a)ないし(i)は第2実施例の光ヘッドの
各光経路部分の偏光状態をS波成分とP波成分を直交座
標にして示す説明図、
各光経路部分の偏光状態をS波成分とP波成分を直交座
標にして示す説明図、
【図5】本発明による光ヘッドの第3実施例を示す部品
構成図、
構成図、
【図6】(a)ないし(i)は第3実施例の光ヘッドの
各光経路部分の偏光状態をS波成分とP波成分を直交座
標にして示す説明図、
各光経路部分の偏光状態をS波成分とP波成分を直交座
標にして示す説明図、
【図7】本発明による光ヘッドの第4実施例を示す部品
構成図、
構成図、
【図8】(a)ないし(i)は第4実施例の光ヘッドの
各光経路部分の偏光状態をS波成分とP波成分を直交座
標にして示す説明図、
各光経路部分の偏光状態をS波成分とP波成分を直交座
標にして示す説明図、
【図9】従来の光ヘッドを示す部品構成図、
【図10】(a)(b)は従来の光ヘッドの各光経路部
分の偏光状態をS波成分とP波成分を直交座標にして示
す説明図、
分の偏光状態をS波成分とP波成分を直交座標にして示
す説明図、
M 記録媒体 10 光ヘッド 11 ガラス基板 12 第1の偏光層 13,31 1/2波長層 14 半導体レーザ 15 対物レンズ 16,32 第2の偏光層 17 第1の受光部材 18 第2の受光部材 26 反射防止膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 17/105 551 G11B 7/135
Claims (3)
- 【請求項1】 発光部材と、記録媒体に対向する対物レ
ンズと、前記発光部材から発せられた光を前記対物レン
ズの方向へ反射させる向きに設けられ且つ記録媒体から
反射されて対物レンズを通過した戻り光の一方の直交成
分に対する透過率が高く且つ他方の直交成分に対する透
過率が低い第1の偏光層と、この第1の偏光層を透過し
た光の偏光面を回転させる位相差層と、この位相差層を
透過した光のうちどちらか一方の直交成分の透過率が高
く且つ他方の直交成分に対する透過率が低い第2の偏光
層と、この第2の偏光層を透過した光を受光する第1の
受光部材と、前記第2の偏光層により反射された光を、
前記位相差層を介して前記第1の偏光層により反射さ
せ、さらに前記位相差層を介した後に受光する第2の受
光部材とが設けられていることを特徴とする光ヘッド。 - 【請求項2】 第1の偏光層と位相差層と第2の偏光層
とが透光層を介して一体に板状に形成されている請求項
1記載の光ヘッド。 - 【請求項3】 位相差層は、各受光部材へ向かう方向の
光に対して偏光面を回転させ、これと逆方向に向かう光
に対しては偏光面を回転させないものである請求項1記
載の光ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08599192A JP3167171B2 (ja) | 1992-03-09 | 1992-03-09 | 光ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08599192A JP3167171B2 (ja) | 1992-03-09 | 1992-03-09 | 光ヘッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05258382A JPH05258382A (ja) | 1993-10-08 |
JP3167171B2 true JP3167171B2 (ja) | 2001-05-21 |
Family
ID=13874141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08599192A Expired - Fee Related JP3167171B2 (ja) | 1992-03-09 | 1992-03-09 | 光ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3167171B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101911122B1 (ko) | 2011-08-31 | 2018-10-23 | 브라더 고오교오 가부시키가이샤 | 카트리지 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2806293B2 (ja) * | 1994-10-06 | 1998-09-30 | 松下電器産業株式会社 | 光ピックアップ及びその製造方法 |
-
1992
- 1992-03-09 JP JP08599192A patent/JP3167171B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR101911122B1 (ko) | 2011-08-31 | 2018-10-23 | 브라더 고오교오 가부시키가이샤 | 카트리지 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05258382A (ja) | 1993-10-08 |
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