JP3167013B2 - 色素の精製方法、精製色素、精製された色素からなる着色剤及び着色された物品 - Google Patents

色素の精製方法、精製色素、精製された色素からなる着色剤及び着色された物品

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JP3167013B2 JP4959297A JP4959297A JP3167013B2 JP 3167013 B2 JP3167013 B2 JP 3167013B2 JP 4959297 A JP4959297 A JP 4959297A JP 4959297 A JP4959297 A JP 4959297A JP 3167013 B2 JP3167013 B2 JP 3167013B2
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徳 溝口
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斉 竹内
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は荷電モザイク膜を用
いて、塩を含有する色素を脱塩精製する方法、精製色
素、精製された色素からなる着色剤及び着色された物品
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から水溶性染料、水分散性染料及び
顔料は塩を含有する場合が多い。特に直接染料、酸性染
料、反応染料などの水溶性染料は、合成工程で中和、塩
析工程などがあるために塩の含有量が高い。塩の含有量
が高いと色素の発色性、溶解性、着色剤としての長期保
存安定性、着色物品の物性、例えば、絶縁性などに悪影
響を及ぼすことが多い。
【0003】又、インクジェット記録用インクの場合に
は、インク中に塩が存在するとプリンターのノズル先端
部が詰まったり、インクの長期保存中にインク中に沈殿
物が生じたり、長時間記録においてはインクの吐出が不
安定になり、鮮明な記録を得ることができないという問
題があった。又、カラーフィルターの場合、カラーフィ
ルター用インク中に塩が存在すると、形成されたカラー
フィルター中の塩によって液晶が誤作動を引き起こしや
すくなり、画素毎に配置されているトランジスターへ悪
影響を及ぼすという問題があった。
【0004】又、電線被覆、封止材などの電気材料、電
子材料の着色の場合には、着色材中に塩が存在すると着
色材の絶縁性等への影響があった。以上のように色素の
使用に際しては、色素の発色性、溶解性、着色剤として
の長期保存安定性、着色物品の物性、例えば、絶縁性な
どを高める目的で、色素からの脱塩精製を行う必要があ
る。このような問題を解決する方法として、例えば、イ
オン交換樹脂法、逆浸透法、膜濾過法、電気透析法など
が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記イ
オン交換樹脂法による色素の脱塩では、イオン交換樹脂
の再生コストが高いという問題があり、逆浸透法では色
素溶液の浸透圧以上の圧力が必要でエネルギーコストが
高く、且つ大型の耐圧装置が必要である。又、電気透析
法では大型の装置が必要であって、エネルギーコストが
高く、透析中の発熱による目的物質の変質、イオン吸着
による膜汚染などの問題がある。
【0006】本発明者らは上記の色素の脱塩精製法につ
いて種々研究した結果、カチオン性重合体ドメインとア
ニオン性重合体ドメインとが交互に配列した荷電モザイ
ク膜を使用して、色素を脱塩精製することが本発明の課
題解決に有効な手段であることを見い出し本発明を完成
した。
【0007】色素の精製に使用する荷電モザイク膜の製
造法としてはブロック共重合体を使用する方法がある
が、その製膜方法は非常に難しい方法である。しかしな
がら、カチオン性及びアニオン性の重合体微粒子を使用
する方法はその製膜が非常に容易であるという利点があ
る。従って本発明の目的は、簡単な装置で且つ塩を含有
する色素の水溶液及び/又は水分散液を重合体微粒子か
ら調製される荷電モザイク膜を使用して低エネルギーコ
ストで脱塩精製することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明で達成される。即ち、本発明は、少なくとも一部が架
橋した粒状重合体であるカチオン性重合体成分及びアニ
オン性重合体成分からなる荷電モザイク膜を用いて、塩
を含有する色素の水溶液及び/又は水分散液を脱塩精製
することを特徴とする色素の精製方法、精製色素、精製
色素からなる着色剤及び着色された物品である。本発明
の方法で色素を精製することによって発色性、溶解性、
着色剤としての長期保存安定性、着色物品の物性、例え
ば、絶縁性などの物性の高い色素が提供され、優れた着
色剤及び着色された物品が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に好ましい実施の形態を挙げ
て本発明を更に詳しく説明する。本発明が使用される色
素には、染料として従来公知のすべての染料が使用で
き、例えば、直接染料系、酸性染料系、塩基性染料系、
反応染料系、食品用染料系などの水溶性染料、アゾ染料
系、建染染料系、分散染料系、油溶染料系などの水分散
性染料、及び顔料としてフタロシアニン系、不溶性アゾ
系、縮合アゾ系、溶性アゾ系、キナクリドン系、ジオキ
サジン系、インジゴ−チオインジゴ系、ペリレン・ペリ
ノン系、イソインドリノン系、アゾメチン系、アゾメチ
ンアゾ系、アンスラキノン系、染付顔料系、酸化チタン
系、酸化鉄系、複合酸化物顔料系、カーボンブラック系
などの顔料が挙げられる。
【0010】特に合成工程において中和、塩析工程など
がある直接染料、酸性染料、反応染料などには、塩の含
有量が高いために好ましく適用される。かかる色素に含
有される塩とは合成工程において中和、塩析などによっ
て生じる無機塩、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アンモニ
ウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、リン酸ナトリ
ウムなど、有機塩として、例えば、酢酸ナトリウム、酢
酸カルシウムなどである。
【0011】本発明の方法においては、色素原液側と透
析溶液側の塩の濃度差及び圧力差をつくり脱塩精製する
ので、色素原液に含まれる塩の濃度については特に限定
されない。色素原液中の塩の濃度が高い場合ばかりでな
く、1重量%以下という低い場合でも優れた脱塩精製効
果を発揮する。
【0012】本発明の方法において用いる荷電モザイク
膜は既に提案された膜であり、例えば、特開平5−84
430号公報、特願平4−279248号明細書、特願
平5−76435号明細書、特願平6−198957号
明細書、特願平6−319513号明細書、特願平7−
103193号明細書、特願平8−263747号明細
書に記載されている荷電モザイク膜はいずれも本発明の
方法において使用することができる。
【0013】特に本発明で使用するモザイク荷電膜は、
少なくとも一部が架橋した粒状重合体であるカチオン性
重合性成分及びアニオン性重合体成分からなる組成を有
すること、簡単に製膜可能であること及び透析する際塩
の濃度が数百ppm以下でも透析脱塩可能であるという
特徴を有している。
【0014】本発明の色素の精製方法は、透析膜として
以上に説明された荷電モザイク膜を使用することが特徴
であり、更に簡単な装置で低エネルギーコストで脱塩精
製することが可能であり、装置の構造は特に限定されな
い。装置の一例として図1に示す。容器1に色素の水溶
液及び/又は水分散液を入れ、容器2に脱イオン水を入
れ、この2個の容器の間に荷電モザイク膜を挟み、25
℃に保ち常圧下で撹拌すると、水溶性塩のみが脱イオン
水の方に移行して容器1中の塩濃度が減少して色素が脱
塩精製される。更に、特願平7−103193号明細書
に使用されている耐圧性を有する荷電モザイク膜を使用
することによって、加圧下での透析が可能であり、加圧
装置の構造は特に限定されない。
【0015】他の一例を図2に示す。この装置は、色素
の水溶液及び/又は水分散液について加圧下に透析脱塩
が可能であり、色素の水溶液及び/又は水分散液を入れ
るタンク7は耐圧性のタンクであり、撹拌軸8による撹
拌下に透析が行えるように、撹拌モーター5がメカニカ
ルシール6でシールされてタンク7に取り付けられてい
る。
【0016】荷電モザイク膜11は、加圧する圧力に耐
える様にフィルターバックアップ12で支持され、タン
ク7のフランジ底9にパッキング10によりタンクに気
密的に取り付けられている。透析脱塩時の圧力によっ
て、或いは耐圧性のある非対称性多孔質体を用いて荷電
モザイク膜体が形成されている場合には、フィルターバ
ックアップ12はなくても構わない。
【0017】色素の水溶液及び/又は水分散液の透析脱
塩は、荷電モザイク膜体の性能や透析液の種類などに応
じて最適な圧力で行われる。タンク内の圧力は圧力計1
3で表示される。N−1〜3の弁は、タンクを減圧にす
る弁、色素の水溶液及び/又は水分散液を注入する弁及
び加圧する弁をそれぞれ兼ねている。尚、この装置は、
架台軸15にクランプ14で固定したリング架台16で
支えられている。
【0018】本発明において荷電モザイク膜を用いて精
製された色素は、インクジェット記録用インク用、カラ
ーフィルター用、電線被覆、封止材などの電気材料、電
子材料の着色用及び繊維材料への染色又は捺染に使用さ
れる。例えば、本発明の方法で精製された色素は、上記
した用途の従来公知の着色剤に使用される色素と同様の
方法で使用される。
【0019】本発明の方法で精製された色素をインクジ
ェット記録用インクに使用する場合も、従来公知のイン
クジェットインクと同じ様な構成で使用され、例えば、
インクジェットインクは、脱塩精製された色素、多価ア
ルコールを含有する水溶液からなり、必要に応じて防腐
剤、防黴剤、表面張力などを改良する界面活性剤を加え
ることができる。
【0020】又、本発明の方法で精製された色素をカラ
ーフィルター用に使用する場合も、従来公知のカラーフ
ィルター用インクと同じ様な構成で使用され、例えば、
上記インクを脱塩精製された色素、樹脂ワニス、樹脂ワ
ニスに適切な溶剤、水系媒体から構成し、これに必要に
応じて従来公知の添加剤、例えば、分散助剤、平滑剤、
密着化剤などが添加使用される。
【0021】上記の樹脂ワニスとしては、感光性環化ゴ
ム系樹脂、感光性ポリアミド系樹脂、不飽和ポリエステ
ル系樹脂、セルロースアセテート系樹脂、ポリビニルブ
チラール系樹脂、水溶性アミノアルキッド系樹脂などが
挙げられる。このようなカラーフィルター用インクをガ
ラス基板にスピンコーティングして次に後処理を行って
カラーフィルターを得ることができる。又、本発明の方
法で脱塩精製された色素の高濃度水性液状物を調製し
て、繊維材料特にセルロース繊維に吸尽染色、捺染法な
どの従来公知の方法によって染色することができる。
【0022】
【実施例】次に参考例及び実施例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中の部及び%は重量基準であ
る。 <参考例>ポリマーA:カチオン性粒状重合体 4−ビニルピリジン 10部 ジビニルベンゼン 1部 アクリルアミド 1部 2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロリド 0.2部 水 500部
【0023】上記成分をフラスコに仕込み、窒素気流下
で80℃で8時間重合した。重合生成物を透析によって
精製して、内部が架橋された粒状重合体を得た。該粒状
重合体の粒径は約200nmであり、その変動係数は2
0%であった。
【0024】ポリマーB:カチオン性粒状重合体 4−ビニルピリジン 10部 2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロリド 0.2部 水 500部
【0025】上記成分をフラスコに仕込み、窒素気流下
で80℃で8時間重合した。重合生成物を透析によって
精製して、未架橋の粒状重合体を得た。該粒状重合体の
粒径は約350nmであり、その変動係数は35%であ
った。
【0026】ポリマーC:アニオン性直鎖状重合体 スチレンスルホン酸ナトリウム 36部 アクリルアミド 12部 2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロリド 1部 水 300部 上記成分を混合して70℃で8時間重合した。生成した
重合体の数平均分子量は約50,000であった。
【0027】ポリマーD:アニオン性粒状重合体 スチレン 62.4部 アクリロニトリル 10.6部 ヒドロキシエチルメタクリレート 12.1部 ジビニルベンゼン 13.0部 過硫酸カリウム 0.78部 水 1,500部 上記成分を混合して、窒素気流下で80℃で8時間ソー
プフリー型乳化重合反応を行い、乳化重合液を得た。得
られた重合体の粒径は約180nmであり、その変動係
数は20%であった。
【0028】上記重合体を乾燥及び粉砕して得られた白
色重合体62部を、400部の98%濃硫酸に徐々に添
加し、50℃で24時間、80℃で3時間撹拌し、冷却
し、反応混合液を大量の氷水に投入して重合体を粒状に
析出させた。混合液を更に炭酸ナトリウムで中和した。
混合液をミリポアフィルターで濾過し、十分水洗した。
得られた粒状重合体は、赤外線吸収スペクトル及びイオ
ンクロマトグラフィー等の分析によって、芳香環にほぼ
1個のスルホン基が導入されていること及びニトリル基
がアミド基に変換していることを確認できた。この粒状
重合体の粒径は約240nmであり、その変動係数は7
0%であった。
【0029】ポリマーE:スチレン−ブタジエン共重合
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(固形分は4
5%、平均粒径0.1μm、ガラス転移点(Tg)0
℃)ポリマーF:アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス(固
形分は42%、平均粒径0.06μm、ガラス転移点
(Tg)−20℃)
【0030】参考例1〜3 下記の製膜方法で本発明で使用する荷電モザイク膜を調
製した。使用原料の配合は表1に示した。 (膜の作製)表1に記載の配合の混合液を340mm×
560mmのガラス板上に乾燥時に100g/mにな
るように流展し、乾燥機で製膜する。この膜付きガラス
板を濃塩酸で酸性雰囲気にした中に3日間静置した後、
この膜付きガラス板を10%酢酸ソーダの水溶液中に浸
漬して中和し十分に水洗する。膜付きガラス板を乾燥し
た後ジヨードブタン及びメタノール雰囲気の中に7日間
静置する。続いて膜付きガラス板をヨウ化メチル及びメ
タノール雰囲気に3日間静置した後、参考例1〜3の3
種の荷電モザイク膜を得た。
【0031】
【表1】
【0032】実施例1 参考例1で得られた荷電モザイク膜を、図1の透析装置
(膜面積12cm)に設置して青色の直接染料の脱塩
精製を行った。この染料中の塩の含有量をイオンクロマ
トグラフィー法で測定したところ、塩化ナトリウム及び
硫酸ナトリウムの合計で10.1重量%であった。
【0033】容器1に10重量%の染料水溶液を200
ml入れ、容器2に200mlの脱イオン水を入れた。
ここで容器2の脱イオン水と別容器に入った1000m
lの脱イオン水をマグネット循環ポンプで連結して10
時間毎に透析水を脱イオン水に交換した。交換を2回行
った。その結果、脱塩精製後の染料中の塩の含有量は塩
化ナトリウム及び硫酸ナトリウムの合計で0.08重量
%であった。
【0034】実施例2 参考例2で得られた荷電モザイク膜を、図1の透析装置
(膜面積12cm)に設置してアゾ系の黒色の酸性染
料(C.I.アシッドブラック24)の脱塩精製を行っ
た。この染料の塩の含有量をイオンクロマトグラフィー
法で測定したところ、塩化ナトリウム及び硫酸ナトリウ
ムの合計で8.1重量%であった。
【0035】容器1に5重量%の染料水溶液を200m
l入れ、容器2に200mlの脱イオン水を入れ、25
℃で常圧下で撹拌して脱塩精製を行った。24時間毎に
容器2の透析水を脱イオン水に交換した。交換を5回行
った。その結果、染料と塩の分離性は良好であり染料の
漏れは認められなかった。脱塩精製後の染料中の塩の含
有量をイオンクロマトグラフィー法で測定したところ塩
化ナトリウム及び硫酸ナトリウムの合計で0.07重量
%であった。
【0036】上記で得られた精製された黒色の酸性染料
3部、エチレングリコール62部及び脱イン水35部を
均質になるように撹拌混合してインクジェット記録用イ
ンクを得た。このインクの保存安定性を試験してみたと
ころ、0℃で1カ月、50℃で6カ月長期保存しても変
退色することがなく、且つ沈殿物を生ずることがなく保
存安定性は良好であった。次にこのインクを用いて24
時間インクジェット記録をしてみたところ、ノズルの先
端部に詰まりを生ずることがなく鮮明な記録を得ること
ができた。
【0037】実施例3 参考例3で得られた荷電モザイク膜を用いて黄色の不溶
性アゾ顔料の脱塩精製を行った。容器1には2時間超音
波分散した10重量%の顔料分散液を入れ、その他は実
施例2と同様にした。この顔料中の塩の含有量は塩化ナ
トリウム及び硫酸ナトリウムを合計して0.3重量%で
あった。脱塩精製後の顔料中の塩の含有量は50ppm
であった。
【0038】上記で得られた精製された黄色の不溶性ア
ゾ顔料を補正用顔料として赤色、緑色、青色顔料と組み
合わせアクリル樹脂と溶媒としてのN−メチル−2−ピ
ロリドンからなるカラーフィルター用着色剤を得た。こ
の着色剤をシランカップリング剤で処理したガラス板に
スピンコーティングしてモザイク状パターンを形成し
た。このようにして得られたカラーフィルターは優れた
分光パターンを有し、耐候性、耐熱性などの堅牢性に優
れ且つ光の透過性にも優れた性能を有していた。
【0039】実施例4 参考例1で得られた荷電モザイク膜を用いて、赤色の反
応染料の脱塩精製を実施例1と同様にして行った。この
染料中の塩の含有量は塩化ナトリウム及び硫酸ナトリウ
ムを合計して7.6重量%であった。脱塩精製後の染料
中の塩の含有量は0.1重量%であった。
【0040】上記で得られた精製された赤色の反応染料
を染料濃度が20重量%になるように調製した。このよ
うにして得られた水性液状物は0℃で1カ月、50℃で
6カ月長期保存しても変退色することがなく、且つ沈殿
物を生ずることがなく保存安定性は良好であった。50
℃で6カ月保存した水性液状物を用いて木綿に染色し
た。染色終了後水洗、乾燥処理を行った結果、染斑が全
くなく且つ耐光堅牢度が良好な赤色の染色物を得ること
ができた。
【0041】
【発明の効果】以上の如き本発明によれば、少なくとも
一部が架橋した粒状重合体であるカチオン性重合体成分
及びアニオン性重合体成分からなる荷電モザイク膜を用
いることによって、塩を含有する色素の水溶液及び/又
は水分散液を容易に且つ高度に脱塩精製することがで
き、色素の発色性、溶解性、着色剤の長期保存性、着色
物品の物性、例えば、絶縁性などの物性の高い色素を
得、優れた着色剤及び着色された物品を得ることができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で使用する透析試験装置を説明する
図。
【図2】 実施例で使用する圧透析装置を説明する図。
【符号の説明】
1:容器 2:容器 3:モザイク荷電膜体 4:マグネチックスターラー 5:撹拌用モーター 6:メカニカルシール 7:250ml圧力タンク 8:撹拌軸 9:フランジ底 10:パッキング 11:モザイク荷電膜体 12:モザイク荷電膜体バックアップ(フィルターバッ
クアップ) 13:圧力計 14:クランプ 15:架台軸 16:リング架台 N1〜3:溶液投入ノズル、減圧弁用ノズル及び加圧弁
用ノズル
フロントページの続き (72)発明者 中村 道衛 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 竹内 斉 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 小熊 尚実 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 堀口 正二郎 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 福冨 兀 東京都江東区越中島1−3−16 (56)参考文献 特開 平10−87855(JP,A) 特開 平11−239720(JP,A) 特開 平8−276122(JP,A) 特開 平8−38865(JP,A) 特開 平8−155281(JP,A) 特開 平6−262047(JP,A) 特開 平5−84430(JP,A) 特開 平4−139263(JP,A) 特開 平4−31466(JP,A) 特開2000−70687(JP,A) 特開2000−309654(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09B 67/54

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部が架橋した粒状重合体で
    あるカチオン性重合体成分及びアニオン性重合体成分か
    らなる荷電モザイク膜を用いて、塩を含有する色素の水
    溶液及び/又は水分散液を脱塩精製することを特徴とす
    る色素の精製方法。
  2. 【請求項2】 色素が水溶性染料、水分散性染料及び顔
    料である請求項1に記載の色素の精製方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも一部が架橋した粒状重合体で
    あるカチオン性重合体成分及びアニオン性重合体成分か
    らなる荷電モザイク膜を用いて脱塩精製されることを特
    徴とする精製された色素。
  4. 【請求項4】 色素がインクジェット記録用インク用で
    ある請求項3に記載の精製色素。
  5. 【請求項5】 色素がカラーフィルター用である請求項
    3に記載の精製色素。
  6. 【請求項6】 色素が電線被覆、封止材などの電気材
    料、電子材料の着色用である請求項3に記載の精製色
    素。
  7. 【請求項7】 少なくとも一部が架橋した粒状重合体で
    あるカチオン性重合体成分及びアニオン性重合体成分か
    らなる荷電モザイク膜を用いて脱塩精製された色素から
    なることを特徴とする着色剤。
  8. 【請求項8】 少なくとも一部が架橋した粒状重合体で
    あるカチオン性重合体成分及びアニオン性重合体成分か
    らなる荷電モザイク膜を用いて脱塩精製された色素で着
    色されたことを特徴とする物品。
JP4959297A 1996-11-07 1997-02-19 色素の精製方法、精製色素、精製された色素からなる着色剤及び着色された物品 Expired - Lifetime JP3167013B2 (ja)

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