JP3166303B2 - 熱処理炉 - Google Patents
熱処理炉Info
- Publication number
- JP3166303B2 JP3166303B2 JP15497892A JP15497892A JP3166303B2 JP 3166303 B2 JP3166303 B2 JP 3166303B2 JP 15497892 A JP15497892 A JP 15497892A JP 15497892 A JP15497892 A JP 15497892A JP 3166303 B2 JP3166303 B2 JP 3166303B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heating chamber
- hole
- temperature side
- temperature
- heat treatment
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- Vertical, Hearth, Or Arc Furnaces (AREA)
- Muffle Furnaces And Rotary Kilns (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック素体などの
被処理物に対する熱処理を行う際に用いられる熱処理炉
に関する。
被処理物に対する熱処理を行う際に用いられる熱処理炉
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、積層セラミックコンデンサな
どの電子部品を製造する際には、バッチ式やトンネル式
といわれる周知構造の熱処理炉(いずれについても図示
省略する)を用いることによって被処理物であるセラミ
ック素体の熱処理、すなわち、低温条件下での脱脂処理
や高温条件下での焼結処理を行うのが一般的となってい
る。そして、バッチ式熱処理炉を用いる場合には、これ
が気密性に優れた構造を有していることから、きめ細か
な温度制御や雰囲気制御などを実行しながらセラミック
素体の脱脂処理や焼結処理を行いうるという利点があ
る。また、被処理物が載置された台板を炉内で順次移送
していくことによって連続的な熱処理を行う構造とされ
たトンネル式熱処理炉を用いる場合には、セラミック素
体の脱脂処理及び焼結処理を同一炉内において続けざま
に実施しうるという利点がある。
どの電子部品を製造する際には、バッチ式やトンネル式
といわれる周知構造の熱処理炉(いずれについても図示
省略する)を用いることによって被処理物であるセラミ
ック素体の熱処理、すなわち、低温条件下での脱脂処理
や高温条件下での焼結処理を行うのが一般的となってい
る。そして、バッチ式熱処理炉を用いる場合には、これ
が気密性に優れた構造を有していることから、きめ細か
な温度制御や雰囲気制御などを実行しながらセラミック
素体の脱脂処理や焼結処理を行いうるという利点があ
る。また、被処理物が載置された台板を炉内で順次移送
していくことによって連続的な熱処理を行う構造とされ
たトンネル式熱処理炉を用いる場合には、セラミック素
体の脱脂処理及び焼結処理を同一炉内において続けざま
に実施しうるという利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来構
成のバッチ式熱処理炉では、これを使用するたびごとに
炉内温度の昇温・降温操作を行う必要があるため、被処
理物であるセラミック素体に対する1回の処理に要する
時間が長くなり、エネルギー消費量の増大を招くことに
なっていた。そして、セラミック素体の脱脂処理を行う
と、発生した有機ガスなどによって炉内汚染が生じるこ
とになるため、その焼結処理を行うにあたっては炉内が
汚染されていない別のバッチ式熱処理炉を使用しなけれ
ばならず、これらの熱処理炉間におけるセラミック素体
の受け渡しなどに余分な時間及び手間がかかることにな
っていた。さらにまた、有機ガスなどを含んだ排ガスは
環境汚染の原因ともなるため、別に設置した排ガス処理
炉によって排ガスの酸化分解処理などを行う必要もあ
り、より一層煩わしい手間を要することになっていた。
成のバッチ式熱処理炉では、これを使用するたびごとに
炉内温度の昇温・降温操作を行う必要があるため、被処
理物であるセラミック素体に対する1回の処理に要する
時間が長くなり、エネルギー消費量の増大を招くことに
なっていた。そして、セラミック素体の脱脂処理を行う
と、発生した有機ガスなどによって炉内汚染が生じるこ
とになるため、その焼結処理を行うにあたっては炉内が
汚染されていない別のバッチ式熱処理炉を使用しなけれ
ばならず、これらの熱処理炉間におけるセラミック素体
の受け渡しなどに余分な時間及び手間がかかることにな
っていた。さらにまた、有機ガスなどを含んだ排ガスは
環境汚染の原因ともなるため、別に設置した排ガス処理
炉によって排ガスの酸化分解処理などを行う必要もあ
り、より一層煩わしい手間を要することになっていた。
【0004】一方、トンネル式熱処理炉では、被処理物
の入口及び出口が開放された構造を採用するのが普通で
あるため、炉内雰囲気の制御を行いにくいという不都合
が生じることになっていた。さらにまた、いずれの熱処
理炉においても、常温状態で投入された被処理物を短時
間のうちに所定の高温状態まで昇温するには無理があ
り、被処理物の急速加熱を実現するには限界があった。
の入口及び出口が開放された構造を採用するのが普通で
あるため、炉内雰囲気の制御を行いにくいという不都合
が生じることになっていた。さらにまた、いずれの熱処
理炉においても、常温状態で投入された被処理物を短時
間のうちに所定の高温状態まで昇温するには無理があ
り、被処理物の急速加熱を実現するには限界があった。
【0005】本発明は、これらの不都合を解消すべく創
案されたものであって、被処理物の熱処理に要する時間
の短縮及びエネルギー消費の削減を図るとともに、被処
理物の急速加熱をも容易に実現することができる熱処理
炉の提供を目的としている。
案されたものであって、被処理物の熱処理に要する時間
の短縮及びエネルギー消費の削減を図るとともに、被処
理物の急速加熱をも容易に実現することができる熱処理
炉の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる第1の熱
処理炉は、このような目的を達成するために、加熱室を
包み込む断熱層と、この断熱層の下層部内を上下方向に
沿って貫通したうえで加熱室に連通接続された太径の高
温側貫通孔と、この高温側貫通孔と並列に配置された太
径の低温側貫通孔とを備えており、これらの貫通孔それ
ぞれ内には、被処理物を上下動させる移動体を配設して
いることを特徴とするものである。
処理炉は、このような目的を達成するために、加熱室を
包み込む断熱層と、この断熱層の下層部内を上下方向に
沿って貫通したうえで加熱室に連通接続された太径の高
温側貫通孔と、この高温側貫通孔と並列に配置された太
径の低温側貫通孔とを備えており、これらの貫通孔それ
ぞれ内には、被処理物を上下動させる移動体を配設して
いることを特徴とするものである。
【0007】また、本発明にかかる第2の熱処理炉は、
加熱室を包み込む断熱層と、この断熱層の下層部内を上
下方向に沿って貫通したうえで加熱室に連通接続され、
かつ、この加熱室とは隔壁を介して仕切られた太径の高
温側貫通孔と、この高温側貫通孔と並列に配置されたう
えで細径部を介して加熱室に連通接続された太径の低温
側貫通孔とを備えており、これらの貫通孔それぞれ内に
は、被処理物を上下動させる移動体を配設していること
を特徴とするものである。
加熱室を包み込む断熱層と、この断熱層の下層部内を上
下方向に沿って貫通したうえで加熱室に連通接続され、
かつ、この加熱室とは隔壁を介して仕切られた太径の高
温側貫通孔と、この高温側貫通孔と並列に配置されたう
えで細径部を介して加熱室に連通接続された太径の低温
側貫通孔とを備えており、これらの貫通孔それぞれ内に
は、被処理物を上下動させる移動体を配設していること
を特徴とするものである。
【0008】
【作用】本発明によれば、加熱室内は所定の高温状態の
ままで維持されているのであるから、使用するたびごと
の昇温・降温操作を行う必要がなくなる結果、被処理物
に対する処理の1回ごとに要する時間の短縮とともに、
断熱層の厚みを厚くすることによってエネルギー消費の
削減が図れることになる。そして、この熱処理炉におけ
る高温側及び低温側貫通孔のそれぞれ内に配設された移
動体によって被処理物を上下動させた場合には、被処理
物が加熱室に対して遠近動作させられることになり、こ
の遠近動作に伴って被処理物の昇温・降温が行われるこ
とになる結果、この被処理物が載置された移動体の移動
速度及びその停止位置を調節することによって被処理物
の昇温・降温状態を制御することが可能となる。
ままで維持されているのであるから、使用するたびごと
の昇温・降温操作を行う必要がなくなる結果、被処理物
に対する処理の1回ごとに要する時間の短縮とともに、
断熱層の厚みを厚くすることによってエネルギー消費の
削減が図れることになる。そして、この熱処理炉におけ
る高温側及び低温側貫通孔のそれぞれ内に配設された移
動体によって被処理物を上下動させた場合には、被処理
物が加熱室に対して遠近動作させられることになり、こ
の遠近動作に伴って被処理物の昇温・降温が行われるこ
とになる結果、この被処理物が載置された移動体の移動
速度及びその停止位置を調節することによって被処理物
の昇温・降温状態を制御することが可能となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0010】第1実施例 図1は本発明の第1実施例にかかる熱処理炉の概略構造
を示しており、この熱処理炉はバッチ式に対応したよう
な構成を有している(なお、以下の説明においては、本
実施例にかかる熱処理炉をバッチ式熱処理炉という)。
を示しており、この熱処理炉はバッチ式に対応したよう
な構成を有している(なお、以下の説明においては、本
実施例にかかる熱処理炉をバッチ式熱処理炉という)。
【0011】このバッチ式熱処理炉は、所定の高温状態
に維持された加熱室1と、この加熱室1を包み込んで炉
体を構成する断熱層2と、この断熱層2の下層部内を上
下方向に沿って貫通したうえで加熱室1に連通接続され
た太径の高温側貫通孔3と、この高温側貫通孔3と並列
に配置されつつも加熱室1には連通接続されていない太
径の低温側貫通孔4とを備えており、これらの貫通孔
3,4それぞれの下向き外方に向かっては、貫通孔3,
4の各々と同軸上に配置されたうえで連続する突出管5
が各別に取り付けられている。そこで、この加熱室1と
直結された高温側貫通孔3の内部は、加熱室1からの直
接的な放射熱と、断熱層2を介しての伝導熱とによって
加熱されることになり、その内部温度は加熱室1に近づ
く上側ほど高温で、かつ、遠ざかる下側ほど低温の温度
勾配を示すことになる。したがって、この高温側貫通孔
3は、被処理物Sであるセラミック素体の焼結処理、す
なわち、高温条件下で行われる焼結処理用として用いら
れることになる。
に維持された加熱室1と、この加熱室1を包み込んで炉
体を構成する断熱層2と、この断熱層2の下層部内を上
下方向に沿って貫通したうえで加熱室1に連通接続され
た太径の高温側貫通孔3と、この高温側貫通孔3と並列
に配置されつつも加熱室1には連通接続されていない太
径の低温側貫通孔4とを備えており、これらの貫通孔
3,4それぞれの下向き外方に向かっては、貫通孔3,
4の各々と同軸上に配置されたうえで連続する突出管5
が各別に取り付けられている。そこで、この加熱室1と
直結された高温側貫通孔3の内部は、加熱室1からの直
接的な放射熱と、断熱層2を介しての伝導熱とによって
加熱されることになり、その内部温度は加熱室1に近づ
く上側ほど高温で、かつ、遠ざかる下側ほど低温の温度
勾配を示すことになる。したがって、この高温側貫通孔
3は、被処理物Sであるセラミック素体の焼結処理、す
なわち、高温条件下で行われる焼結処理用として用いら
れることになる。
【0012】また、加熱室1に直結されていない低温側
貫通孔4の内部は、加熱室1から断熱層2を介して伝わ
る伝導熱のみによって加熱されていることになり、その
内部温度は、高温側貫通孔3と同様、高温状態に維持さ
れた加熱室1に近づく上側ほど高温で、かつ、遠ざかる
下側ほど低温となった温度勾配を示している。すなわ
ち、この低温側貫通孔4に対しては加熱室1からの直接
的な放射熱が伝わらないから、少なくともその分だけは
高温側貫通孔3よりも内部温度が低いことになる。そこ
で、この低温側貫通孔4は、被処理物Sであるセラミッ
ク素体の脱脂処理、すなわち、低温条件下で行われる脱
脂処理用として用いられる。なお、図中の符号6は加熱
室1の内部に設置された電熱ヒータ、7は加熱室1と連
通接続された排気孔を示す一方、8は低温側貫通孔4と
直結された排気孔を示している。
貫通孔4の内部は、加熱室1から断熱層2を介して伝わ
る伝導熱のみによって加熱されていることになり、その
内部温度は、高温側貫通孔3と同様、高温状態に維持さ
れた加熱室1に近づく上側ほど高温で、かつ、遠ざかる
下側ほど低温となった温度勾配を示している。すなわ
ち、この低温側貫通孔4に対しては加熱室1からの直接
的な放射熱が伝わらないから、少なくともその分だけは
高温側貫通孔3よりも内部温度が低いことになる。そこ
で、この低温側貫通孔4は、被処理物Sであるセラミッ
ク素体の脱脂処理、すなわち、低温条件下で行われる脱
脂処理用として用いられる。なお、図中の符号6は加熱
室1の内部に設置された電熱ヒータ、7は加熱室1と連
通接続された排気孔を示す一方、8は低温側貫通孔4と
直結された排気孔を示している。
【0013】さらに、互いに連通接続された高温側貫通
孔3と突出管5及び低温側貫通孔4と突出管5それぞれ
の内部には、セラミックや耐熱合金などを用いて形成さ
れた棒状の移動体9が上下動自在に挿入されており、こ
の移動体9の上端部にはセラミック素体などのような被
処理物Sを載置するための同様素材からなる載置台10
が取り付けられている。そして、各移動体9は突出管5
の下端部を通ったうえで外部へ突出させられており、移
動体9の下端部それぞれはシリンダ機構などのような上
下駆動手段(図示していない)によって支持されてい
る。なお、このとき、移動体9の内部に雰囲気ガスGの
ガス供給路11を形成し、載置台10をポーラス(多孔
質)状としたうえ、各移動体9の下端部付近に配設され
たガス供給口9aから所要の雰囲気ガスGを吹き込むこ
とにより、高温側貫通孔3及び低温側貫通孔4それぞれ
内に所要の雰囲気ガスGを供給することも可能である。
孔3と突出管5及び低温側貫通孔4と突出管5それぞれ
の内部には、セラミックや耐熱合金などを用いて形成さ
れた棒状の移動体9が上下動自在に挿入されており、こ
の移動体9の上端部にはセラミック素体などのような被
処理物Sを載置するための同様素材からなる載置台10
が取り付けられている。そして、各移動体9は突出管5
の下端部を通ったうえで外部へ突出させられており、移
動体9の下端部それぞれはシリンダ機構などのような上
下駆動手段(図示していない)によって支持されてい
る。なお、このとき、移動体9の内部に雰囲気ガスGの
ガス供給路11を形成し、載置台10をポーラス(多孔
質)状としたうえ、各移動体9の下端部付近に配設され
たガス供給口9aから所要の雰囲気ガスGを吹き込むこ
とにより、高温側貫通孔3及び低温側貫通孔4それぞれ
内に所要の雰囲気ガスGを供給することも可能である。
【0014】そこで、高温側貫通孔3内に配設された移
動体9の載置台10上に焼結処理すべき被処理物Sを載
置し、また、低温側貫通孔4内に配設された移動体9の
載置台10上に脱脂処理すべき被処理物Sを載置したう
えで上下駆動手段を動作させると、高温側貫通孔3及び
低温側貫通孔4内に配設された移動体9のそれぞれは上
下方向(図中、矢印Aで示す)に沿って移動動作させら
れることになり、各々の載置台10上に載置されていた
被処理物Sは加熱室1に対して遠近動作させられる。す
なわち、ここで、移動体9を上向きに移動させると、被
処理物Sのそれぞれは高温側及び低温側貫通孔3,4内
を低温側から高温側に向かって近づくように移動させら
れることになり、移動体9の移動速度及びその停止位置
に応じて昇温されていくことになる。したがって、移動
体9の上昇動作及び停止位置を調整することによって被
処理物Sを高速で上昇させたり、加熱室1に対してより
近い位置で停止させるようにすると、常温状態で投入さ
れた被処理物Sを短時間のうちに所定の高温状態まで昇
温させることができ、被処理物Sの急速加熱を実現する
ことが可能となる。なお、移動体9を下向きに移動させ
た場合には、被処理物Sの降温が行われることになるの
は勿論である。
動体9の載置台10上に焼結処理すべき被処理物Sを載
置し、また、低温側貫通孔4内に配設された移動体9の
載置台10上に脱脂処理すべき被処理物Sを載置したう
えで上下駆動手段を動作させると、高温側貫通孔3及び
低温側貫通孔4内に配設された移動体9のそれぞれは上
下方向(図中、矢印Aで示す)に沿って移動動作させら
れることになり、各々の載置台10上に載置されていた
被処理物Sは加熱室1に対して遠近動作させられる。す
なわち、ここで、移動体9を上向きに移動させると、被
処理物Sのそれぞれは高温側及び低温側貫通孔3,4内
を低温側から高温側に向かって近づくように移動させら
れることになり、移動体9の移動速度及びその停止位置
に応じて昇温されていくことになる。したがって、移動
体9の上昇動作及び停止位置を調整することによって被
処理物Sを高速で上昇させたり、加熱室1に対してより
近い位置で停止させるようにすると、常温状態で投入さ
れた被処理物Sを短時間のうちに所定の高温状態まで昇
温させることができ、被処理物Sの急速加熱を実現する
ことが可能となる。なお、移動体9を下向きに移動させ
た場合には、被処理物Sの降温が行われることになるの
は勿論である。
【0015】第2実施例 図2は、第2実施例にかかるバッチ式熱処理炉の概略構
造を示している。なお、本実施例の熱処理炉における基
本的な構造、動作及び作用は第1実施例と大差ないの
で、図2において図1と互いに同一もしくは相当する部
品、部分には同一符号を付すこととし、この熱処理炉に
ついての詳しい説明は省略する。
造を示している。なお、本実施例の熱処理炉における基
本的な構造、動作及び作用は第1実施例と大差ないの
で、図2において図1と互いに同一もしくは相当する部
品、部分には同一符号を付すこととし、この熱処理炉に
ついての詳しい説明は省略する。
【0016】本実施例にかかるバッチ式熱処理炉は、加
熱室1を包み込む断熱層2と、この断熱層2の下層部内
を上下方向に沿って貫通したうえで加熱室1に連通接続
された太径の高温側貫通孔3と、この高温側貫通孔3と
並列に配置されたうえで加熱室1に連通接続された太径
の低温側貫通孔4とを備えており、高温側貫通孔3及び
低温側貫通孔4それぞれの内部には上下動自在とされた
移動体9が挿入されている。そして、このとき、高温側
貫通孔3は所定厚みのセラミックや耐熱合金などからな
る筒状の隔壁13を介して加熱室1内と仕切られる一
方、低温側貫通孔4はこれ自身よりも細く形成された細
径部14を介して加熱室1に直結されている。そこで、
この被処理物Sの焼結処理用としての高温側貫通孔3の
内部は、加熱室1内に露出した隔壁13を伝わっての伝
導熱と、断熱層2を介しての伝導熱とによって加熱され
ることになる。
熱室1を包み込む断熱層2と、この断熱層2の下層部内
を上下方向に沿って貫通したうえで加熱室1に連通接続
された太径の高温側貫通孔3と、この高温側貫通孔3と
並列に配置されたうえで加熱室1に連通接続された太径
の低温側貫通孔4とを備えており、高温側貫通孔3及び
低温側貫通孔4それぞれの内部には上下動自在とされた
移動体9が挿入されている。そして、このとき、高温側
貫通孔3は所定厚みのセラミックや耐熱合金などからな
る筒状の隔壁13を介して加熱室1内と仕切られる一
方、低温側貫通孔4はこれ自身よりも細く形成された細
径部14を介して加熱室1に直結されている。そこで、
この被処理物Sの焼結処理用としての高温側貫通孔3の
内部は、加熱室1内に露出した隔壁13を伝わっての伝
導熱と、断熱層2を介しての伝導熱とによって加熱され
ることになる。
【0017】また、被処理物Sの脱脂処理用である低温
側貫通孔4の内部は、細径部14を介しての加熱室1か
らの放射熱と、断熱層2を通じての伝導熱とによって加
熱されることになる。すなわち、このような場合には、
高温状態に維持された加熱室1内に配設された隔壁13
を介して伝わる伝導熱の方が細径部14を介して伝わる
放射熱よりも大きいため、低温側貫通孔4よりも高温側
貫通孔3の内部温度の方が高くなるのである。
側貫通孔4の内部は、細径部14を介しての加熱室1か
らの放射熱と、断熱層2を通じての伝導熱とによって加
熱されることになる。すなわち、このような場合には、
高温状態に維持された加熱室1内に配設された隔壁13
を介して伝わる伝導熱の方が細径部14を介して伝わる
放射熱よりも大きいため、低温側貫通孔4よりも高温側
貫通孔3の内部温度の方が高くなるのである。
【0018】ところで、上記構造を採用して場合、セラ
ミック素体の脱脂処理によって発生した有機ガスなどは
低温側貫通孔4から細径部14を通って加熱室1内に流
れ込むことになり、この加熱室1内に流れ込んだ有機ガ
スなどは高温状態となった加熱室1内において酸化分解
処理されてしまうことになる。そして、この有機ガスな
ども、加熱室1内を高温状態に維持する燃料として寄与
することになる。なお、このとき、セラミック素体の焼
結処理を行う高温側貫通孔3は、隔壁13を介して加熱
室1内と仕切られているのであるから、加熱室1内にお
いて排ガス処理を行うことによる影響が高温側貫通孔3
内にまで及ぶことは起こり得ない。
ミック素体の脱脂処理によって発生した有機ガスなどは
低温側貫通孔4から細径部14を通って加熱室1内に流
れ込むことになり、この加熱室1内に流れ込んだ有機ガ
スなどは高温状態となった加熱室1内において酸化分解
処理されてしまうことになる。そして、この有機ガスな
ども、加熱室1内を高温状態に維持する燃料として寄与
することになる。なお、このとき、セラミック素体の焼
結処理を行う高温側貫通孔3は、隔壁13を介して加熱
室1内と仕切られているのであるから、加熱室1内にお
いて排ガス処理を行うことによる影響が高温側貫通孔3
内にまで及ぶことは起こり得ない。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる熱
処理炉においては、その加熱室が高温状態のままで維持
されているのであるから、使用するたびごとの昇温・降
温操作を行う必要がなくなり、被処理物に対する処理の
1回ごとに要する時間の短縮とともに、エネルギー消費
の削減を図ることができる。そして、その高温側及び低
温側貫通孔のそれぞれ内に配設された移動体によって被
処理物を上下動させた場合には、被処理物が加熱室に対
して遠近動作させられることによって被処理物の昇温・
降温が行われる結果、この被処理物が載置された移動体
の移動速度及びその停止位置を調節することによって被
処理物の昇温・降温状態を制御することが可能となり、
被処理物の急速加熱を容易に実現することができるとい
う効果が得られる。
処理炉においては、その加熱室が高温状態のままで維持
されているのであるから、使用するたびごとの昇温・降
温操作を行う必要がなくなり、被処理物に対する処理の
1回ごとに要する時間の短縮とともに、エネルギー消費
の削減を図ることができる。そして、その高温側及び低
温側貫通孔のそれぞれ内に配設された移動体によって被
処理物を上下動させた場合には、被処理物が加熱室に対
して遠近動作させられることによって被処理物の昇温・
降温が行われる結果、この被処理物が載置された移動体
の移動速度及びその停止位置を調節することによって被
処理物の昇温・降温状態を制御することが可能となり、
被処理物の急速加熱を容易に実現することができるとい
う効果が得られる。
【0020】また、上記構造によれば、被処理物である
セラミック素体の脱脂処理を行った際に発生する有機ガ
スなどを高温状態となった加熱室内で酸化分解処理する
ことが可能となるから、排ガス処理炉などを別途用意し
ておく必要はなく、処理時間及び手間のさらなる削減を
図り得るという効果も得られる。
セラミック素体の脱脂処理を行った際に発生する有機ガ
スなどを高温状態となった加熱室内で酸化分解処理する
ことが可能となるから、排ガス処理炉などを別途用意し
ておく必要はなく、処理時間及び手間のさらなる削減を
図り得るという効果も得られる。
【図1】第1実施例にかかる熱処理炉の概略構成を示す
断面図である。
断面図である。
【図2】第2実施例にかかる熱処理炉の概略構成を示す
断面図である。
断面図である。
1 加熱室 2 断熱層 3 高温側貫通孔 4 低温側貫通孔 9 移動体 13 隔壁 14 細径部 S 被処理物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F27B 3/00 - 3/28 F27B 17/00 C04B 33/32
Claims (2)
- 【請求項1】 加熱室(1)を包み込む断熱層(2)
と、この断熱層(2)の下層部内を上下方向に沿って貫
通したうえで加熱室(1)に連通接続された太径の高温
側貫通孔(3)と、この高温側貫通孔(3)と並列に配
置された太径の低温側貫通孔(4)とを備えており、 これらの貫通孔(3,4)それぞれ内には、被処理物
(S)を上下動させる移動体(9)を配設していること
を特徴とする熱処理炉。 - 【請求項2】 加熱室(1)を包み込む断熱層(2)
と、この断熱層(2)の下層部内を上下方向に沿って貫
通したうえで加熱室(1)に連通接続され、かつ、この
加熱室(1)内とは隔壁(13)を介して仕切られた太
径の高温側貫通孔(3)と、この高温側貫通孔(3)と
並列に配置されたうえで細径部(14)を介して加熱室
(1)に連通接続された太径の低温側貫通孔(4)とを
備えており、 これらの貫通孔(3,4)それぞれ内には、被処理物
(S)を上下動させる移動体(9)を配設していること
を特徴とする熱処理炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15497892A JP3166303B2 (ja) | 1992-06-15 | 1992-06-15 | 熱処理炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15497892A JP3166303B2 (ja) | 1992-06-15 | 1992-06-15 | 熱処理炉 |
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JPH05346289A JPH05346289A (ja) | 1993-12-27 |
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-
1992
- 1992-06-15 JP JP15497892A patent/JP3166303B2/ja not_active Expired - Fee Related
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