JP3166178B2 - 半導体レーザ - Google Patents

半導体レーザ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高信頼な高出力半導体
レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】従来普通に用いられる半導体レーザは、
電流注入型であり、活性層をそれよりも大きなエネルギ
ギャップをもつ半導体をクラッド層として挟んだダブル
ヘテロ構造をもつ。また共振器を構成する反射面や光を
とり出す出射面は、劈開またはエッチング等により形成
する。高出力化或いは高信頼化に際しては、光出射端面
に於る光吸収に基づく温度上昇による端面の劣化が問題
となる。そこで、これらの面を発振光の光子エネルギよ
りも大きなエネルギギャップをもつ半導体層により覆う
という方法が従来とられている。従来技術による構造の
一例を図2(第51回応用物理学会学術講演会p963
講演番号28p−R−5(1990))に示す。図の例
はAlGaAs系の半導体レーザで、活性層203はG
aAs、クラッド層202,204はAl0.5 Ga0.5
Asから成り、レーザ光出射面208となる劈開面が厚
さ0.5μm程度のAl0.5 Ga0.5 As層207によ
り覆われている。この構造では、活性層よりもエネルギ
ギャップの大きなAl0.5 Ga0.5 As層でレーザ光出
射端面を覆うことにより、出射端面での光吸収を減少せ
しめて、端面の劣化を防止するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来技術によれ
ば、端面被覆層として高品質の高抵抗半導体層を得るこ
とが困難である。なぜならば、高抵抗半導体層を得るた
めには、酸素,クロム,鉄などキャリアを捕獲するため
に深い準位を形成する不純物を導入せねばならなく、こ
のことは、レーザ端面と端面被覆層の界面の品質を著し
く損うためである。このために、レーザ素子として高品
質を維持することが困難となる。かくして従来構造は以
上述べたような欠点を有している。
【0004】そこで、本発明の目的は、半導体多重超薄
膜層中のキャリアの性質を利用して、上述の欠点を除
き、高信頼な高出力半導体レーザを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の要旨とすると
ころは、共振器を構成する光反射面に、エネルギギャッ
プの異なる2種の半導体超薄膜層が交互に積層されて成
り、この超薄膜層に入射する電子と反射する電子の位相
差がπのほぼ奇数倍となるように各層の厚さを定め、且
つ、その超薄膜層の厚さの合計が電子の可干渉性が維持
される厚さ以下の多重超薄膜層を有する構造としたこと
である。多重超薄膜層の形成法は、有機金属熱分解気相
エピタキシャル法(MOVPE法),分子ビームエピタ
キシャル法(MBE法)など、その方法によらない。ま
た、半導体材料としては、AlGaAs系,GaInP
As系,AlGaInP系,AlGaInAs系,Al
GaAsSb系,ZnSeS系その他材料系によらずい
ずれの場合にも適用される。
【0006】
【作用】図3に、本発明の多重超薄膜構造(以後MQB
と略す)の例を示す。可視光レーザ材料として用いられ
るGa0.5In0.5P/Al0.5In0.5PからなるMQB
についてその機能を示す(電子情報通信学会技術研究報
告OQE90(1990年)p.39)。図3(a),
(b)にMQB構造に対する導伝帯のエネルギバンドダ
イヤグラムを層の積層方向に示し、それぞれMQB1,
MQB2とする。ともにAl0.5In0.5Pバリア層31
とGa0.5In0.5Pウェル層32から成る。Ga0.5
0.5P層33の上にMQBを形成してある。順にAl
0.5In0.5Pバリア層,Ga0.5In0.5Pウェル層を交
互に形成する。1層目のAl0.5In0.5Pバリア層は厚
さ10nmとし、他のバリア層は3nmとする。MQB
1では、Ga0.5In0.5P層33に近い側から順にGa
0.5In0.5Pウェル層の幅を0.71nm,1.2n
m,1.67nm,2.14nm,2.62nmとし、
またMQB2ではGa0.5In0.5Pウェル層の厚さをす
べて1.67nmとする。層数は、全体の厚さが電子の
コヒーレント長程度となるようにする。この時、Ga
0.5In0.5P層33側からみた電子の反射率の電子エネ
ルギ(Ga0.50.5Pの導伝帯の底から測った値)依存
性を図3(c)に示す。MQB1に対するものを点線
で、MQB2に対するものを実線で示す。また、矢印A
はAl0.5In0.5Pの導伝帯の底のエネルギ値を示す。
この図は、MQB層に入射する電子と反射する電子の位
相差からMQB層全体としての電子の反射率を計算し、
その値を電子反射率として電子エネルギーに対して計算
したものである。MQB層に入射する電子と反射する電
子の位相差がπの奇数倍の時に電子反射率は1.0とな
る。この電子反射率は、入射電子のエネルギーとMQB
を構成する各層の層厚によって決まる。従って、この図
は、MQB1のごとき層構造、或いはMQB2のごとき
層構造にしたときに、Ga0.5In0.5P層33からこの
MQB層に入射した電子のうち、Ga0.5In0.5Pの導
伝帯の底から約370meV高いエネルギの電子までも
このMQB層で100%の反射率をもつ。このことは、
Ga0.5In0.5P層からの障壁がAl0.5In0.5P層単
独によるよりも高く、一般に(AlxGa1-x0.5In
0.5P(0≦x<1)に対してこのMQBを電子障壁と
して用いた場合、Al0.5In0.5Pよりも実効的に高い
障壁が得られる。以上は電子についての議論であるが、
正孔についても同様のことがいえる。そこで、(Aly
Ga1-y0.5In0.5P層をp型及びn型の(AlzGa
1-z0.5In0.5P層(0≦y<z<1)で挟み込んだ
ダブルヘテロ構造の側面に各層に接するように前述のM
QB層を形成し、p−n層間に電流を注入すると、この
MQB層には電流が注入されず、MQB層に起因する漏
れ電流は発生しない。従ってこのようなMQB層を高抵
抗にしなくても、漏れ電流を生じない半導体被膜を得る
ことができる。また、MQB層は、厚さの合計を電子の
可干渉性が維持される厚さ以上にしても、その部分の反
射率に対する寄与はなく、レーザ光に対する損失や端面
反射率の変化をもたらすために好ましくないので、厚さ
の合計を電子の可干渉性が維持される厚さ以下にとどめ
るべきである。
【0007】
【実施例】図1は本発明の実施例である。n−GaAs
基板1上にMOVPE法により、厚さ1μmのn−(A
0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層2、厚さ0.1
μmの(Al0.1Ga0.90.5In0.5P活性層3、厚さ
1μmのp−(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド
層4、厚さ1μmのp−GaAsコンタクト層5をこの
順に形成する。続いて、劈開法により、レーザ共振器と
なるレーザ出射端面9を形成する。この面に、MQB層
8をMOVPE法により形成する。構造としては、作用
の項で述べたMQB1の構造とする。つまり、端面上に
10nmのAl0.5In0.5Pを形成し、続いて3nm厚
さのAl0.5In0.5P層を介して、Ga0.5In0.5P層
を順に0.71nm,1.2nm,1.67nm,2.
14nm,2.62nmの厚さで形成する。このように
すると、作用の項で述べたように、活性層に注入された
電子の大部分に対し、端面におけるMQB層に入射する
電子と反射する電子の位相差がπの奇数倍になるため、
MQB層全体としての電子の反射率が1.0になる。
のとき、p−GaAsコンタクト層5上に形成されたM
QB層は、端面9から数μmを残して、エッチング除去
する。塩酸系のエッチング液を用いれば、GaAs面を
エッチングすることなく、MQB層のみ除去できる。こ
ののち、p電極6およびn電極7を蒸着法などにより形
成する。各層の形成は、MOVPE法以外のMBE法に
よってもよく、その製法によらない。また、レーザ出射
端面の形成法は劈開法以外の、化学エッチング法,ドラ
イエッチング法などその製法によらない。
【0008】この実施例は波長650nmで発振する可
視光半導体レーザである。この実施例では、作用の項で
述べたように、MQB膜への漏れ電流がなく、膜をつけ
たことによる動作電流の上昇はみられない。またMQB
中のGa0.5 In0.5 Pは超薄膜であり、その量子効果
により、発振波長に対する吸収はない。従ってMQB膜
の窓効果により、光吸収による端面破壊レベルは十分高
い値を保っており、高出力動作が可能である。またMQ
B膜及び端面との界面の品質は高く維持され、また、空
気に触れるMQBの最外面はGa0.5 In0.5 Pである
ため酸化されにくく、高信頼のものが得られる。本実施
例でMQB膜は、特定の膜組成,膜厚としたが、請求の
範囲を満たすものであれば、他の膜組成,膜厚で同様の
効果が得られる組み合わせは多く存在する。
【0009】以上AlGaInP系材料で詳細に説明し
たが、他の半導体材料AlGaAs系,AlGaInA
s系,GaInPAs系,ZnSeS系、その他の材
料、或いはこれらの材料の組み合わせで、同様の効果が
得られる。
【0010】
【発明の効果】この様に、本発明の構造をとることによ
り、端面の光破壊を防ぎ安定で高品質かつ、もれ電流を
生じさせない被覆膜を得ることができるため、従来より
も高信頼な高出力半導体レーザを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示した高出力半導体レーザの
側面を模式的に示した図である。
【図2】本発明を使用しない従来の高出力半導体レーザ
の側面模式図である。
【図3】本発明の作用を記述するために用いた説明図で
ある。
【符号の説明】
1 n−GaAs基板 2 n−(Al0.7 Ga0.3 0.5 In0.5 Pクラッ
ド層 3 (Al0.1 Ga0.9 0.5 In0.5 P活性層 4 p−(Al0.7 Ga0.3 0.5 In0.5 Pクラッ
ド層 5 p−GaAsコンタクト層 6 p−電極 7 n−電極 8 MQB被覆層 9,208 レーザ出射端面 31 Al0.5 In0.5 Pバリア層 32 Ga0.5 In0.5 Pウェル層 33 Ga0.5 In0.5 P層 202 n−Al0.5 Ga0.5 Asクラッド層 203 GaAs活性層 204 p−Al0.5 Ga0.5 Asクラッド層 207 Al0.5 Ga0.5 As被覆層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光に与る活性層を内包した半導体多層
    積層構造体を備え、この半導体多層積層構造体の互いに
    対向する一対の端面を光反射面として共振器を構成した
    半導体レーザにおいて、共振器を構成する光反射面に、
    エネルギギャップの異なる2種の半導体超薄膜層が交互
    に積層されて成り、この超薄膜層に入射する電子と反射
    する電子の位相差がπのほぼ奇数倍となるように各層の
    厚さを定め、且つ、その超薄膜層の厚さの合計が電子
    可干渉性が維持される厚さ以下の多重超薄膜層を有して
    いることを特徴とする半導体レーザ。
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JPH0888434A (ja) * 1994-09-19 1996-04-02 Mitsubishi Electric Corp 半導体レーザ,及びその製造方法
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