JP3166020B2 - リン酸カルシウムセメントの硬化時間の制御方法 - Google Patents

リン酸カルシウムセメントの硬化時間の制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、骨欠損部又は骨空隙部
充填材等の整形外科用セメント及び裏層材等の歯科用セ
メント等として利用可能なリン酸カルシウムセメントの
硬化時間の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】第2リン酸カルシウムの反応性を利用し
て、該第2リン酸カルシウムと、第4リン酸カルシウム
及び/又はα型第3リン酸カルシウムとを水により硬化
させる水硬性リン酸カルシウムセメントが提案されてい
る(例えばFC REPORT,vol.6(1988),p475〜480「バイオセ
ラミックスとしての水硬性アパタイト」)。この際第2リ
ン酸カルシウムは、第4リン酸カルシウム及び/又はα
型第3リン酸カルシウムと水の存在下反応して、リン酸
8カルシウムやアパタイトの結晶を生成し、この結晶が
絡み合って硬化体を形成することが知られている。
【0003】しかしながら、前記反応は温度に敏感であ
って、特に10〜30℃の室温域において硬化速度が極
端に異なるため、温度が一定に制御された環境下でない
と、夏と冬でのリン酸カルシウムセメントの作業性が大
きく変動し、非常に使用し難く、更には硬化時間を制御
するには、セメント組成自体を変化させる必要があり、
得られる硬化体の物性に影響を及ぼすという欠点があ
る。
【0004】また第2リン酸カルシウムは結晶性が良
く、一般的に試薬に使用される第2リン酸カルシウム
は、通常板状で長径が数十μmにも及ぶ大きな結晶であ
るので、単に第2リン酸カルシウムと他のリン酸カルシ
ウム化合物とを混合しても反応の進行は極めて遅い。そ
こで該第2リン酸カルシウムをできるだけ粉砕すること
によって、ある程度硬化時間を短縮することが考えられ
るが、20分以内で硬化させることは容易ではなく、ま
た硬化時間を短時間から長時間まで制御するには到って
いないのが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、リン酸カルシウムセメント自体の組成を変えること
なく、即ち得られる硬化物物性の変化を招くことなく、
容易に硬化時間を短縮し、かつ硬化時間を制御すること
が可能なリン酸カルシウムセメントの硬化時間の制御方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第2リ
ン酸カルシウムと、第4リン酸カルシウム及び/又はα
型第3リン酸カルシウムとの混合粉からなるリン酸カル
シウムセメントにおいて、第2リン酸カルシウムの全量
と、第4リン酸カルシウム及び/又はα型第3リン酸カ
ルシウムとを混合して高速気流中衝撃法にて表面改質す
るにあたり、前記表面改質の際に混合する第4リン酸カ
ルシウム及び/又はα型第3リン酸カルシウムの量を調
整することを特徴とするリン酸カルシウムセメントの硬
化時間の制御方法が提供される。
【0007】以下本発明を更に詳細に説明する。
【0008】本発明の硬化時間の制御方法は、第2リン
酸カルシウムと、第4リン酸カルシウム及び/又はα型
第3リン酸カルシウムとの混合粉からなるリン酸カルシ
ウムセメントにおいて、組成比を変えることなく、高速
気流中衝撃法による表面改質を利用して硬化時間を制御
する方法であって、目的とするリン酸カルシウムセメン
トの組成における第2リン酸カルシウムの全量に、第4
リン酸カルシウム及び/又はα型第3リン酸カルシウム
の一部若しくは全部を混合して高速気流中衝撃法にて表
面改質する。即ち、高速気流中衝撃法にて表面改質する
ことによって硬化時間の短縮が可能となり、また表面改
質する際の第4リン酸カルシウム及び/又はα型第3リ
ン酸カルシウムの量を調整することにより所望の硬化時
間を有するセメントを得ることができる。この際高速気
流中衝撃法にて表面改質する第4リン酸カルシウム及び
/又はα型第3リン酸カルシウムの量を増加させること
により硬化時間を短くすることができ、減少させること
により硬化時間を長くすることができる。これは第4リ
ン酸カルシウム及び/又はα型第3リン酸カルシウムの
粒子表面に、第2リン酸カルシウムが打ち込まれるとい
う表面改質によって、迅速に反応が進行するためと考え
られる。
【0009】本発明において、高速気流中衝撃法にて表
面改質する際に混合する第2リン酸カルシウムと、第4
リン酸カルシウム及び/又はα型第3リン酸カルシウム
との配合割合は、用途に応じて種々選択することがで
き、特に限定されるものではないが、表面改質を効率よ
く行なうために、重量比で100:100〜100:
(必要量の全量)、即ち100:(100を超える量)
であることが好ましい。第2リン酸カルシウムの配合割
合が、第4リン酸カルシウム及び/又はα型第3リン酸
カルシウムの配合量より多い場合には、表面改質が進行
し難くなるので好ましくない。
【0010】本発明において、高速気流中衝撃法にて表
面改質を行なうには、例えば「ナラ・ハイブリダイザ
ー」(商品名(株)奈良器械製作所製)等の公知の装置
を用いて行なうことができ、具体的には例えば第2リン
酸カルシウムと、第4リン酸カルシウム及び/又はα型
第3リン酸カルシウムとの混合物を、前記「ナラ・ハイ
ブリダイザー」(商品名(株)奈良器械製作所製)の衝
撃室中に入れ、好ましくは回転速度3000〜1200
0rpm、処理時間3分間以上の条件下、回転衝撃を加
える方法等によって行なうことができ、このような表面
改質処理によって、第4リン酸カルシウム及び/又はα
型第3リン酸カルシウムの粒子表面に第2リン酸カルシ
ウムが打ち込まれて固定される。こうして形成された表
面改質された複合粒子は、水の存在下迅速に反応して硬
化するので、第2リン酸カルシウム自体、特に予備粉砕
等の工程を行なわなくても硬化時間が大巾に短縮でき
る。即ち第2リン酸カルシウムの粒径は特に限定する必
要がない。
【0011】本発明においては、前記高速気流中衝撃法
にて表面改質する際に混合する第4リン酸カルシウム及
び/又はα型第3リン酸カルシウムの量を、全量としな
い場合には、前記表面改質処理の後、残存の第4リン酸
カルシウム及び/又はα型第3リン酸カルシウムを、前
記表面改質した混合粉に加え、例えばシェーカーミキサ
ー等で均一に混合する方法等により、所望の硬化時間を
有するリン酸カルシウムセメントを得ることができる。
【0012】
【発明の効果】本発明のリン酸カルシウムセメントの硬
化時間の制御方法では、高速気流中衝撃法にて表面改質
することによって、硬化時間を容易に短縮することがで
き、また表面改質する第4リン酸カルシウム及び/又は
α型第3リン酸カルシウムの量を調整するのみで容易に
硬化時間を制御することができるので、硬化時間制御の
ためにリン酸カルシウムセメント自体の組成を変える必
要がなく、得られる硬化物の物性を維持して、硬化時間
のみを制御することができる。従って、種々の用途に応
じて硬化時間の異なるリン酸カルシウムセメントを提供
することができる。
【0013】
【実施例】以下本発明を実施例及び比較例により更に詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0014】
【実施例1及び比較例1】α型第3リン酸カルシウム9
5gと、第2リン酸カルシウム2水和物(和光純薬工業
株式会社製:特級)5gとを、シェーカーミキサー(シ
ンマルエンタープライゼス社製:商品名「T2C型」)
で20分間均一に混合した。得られた混合粉のうち50
gを「ナラ・ハイブリダイザー NHS−O型」(商品
名(株)奈良器械製作所製)にて、8000rpmで1
0分間回転衝撃を与えて表面改質し、リン酸カルシウム
セメントA(実施例1)を調製した。一方前記シェーカ
ーミキサーで均一混合したのみのものをリン酸カルシウ
ムセメントB(比較例1)とした。
【0015】前記リン酸カルシウムセメントA10重量
部及びリン酸カルシウムセメントB10重量部各々に、
水4重量部を練り合わせ、37℃、湿度100%の条件
下、JIS T6604に従って硬化時間を測定した。
またリン酸カルシウムセメントA又はリン酸カルシウム
セメントBを用い、直径7mmφ、高さ14mmのセメ
ント硬化体を作製し、37℃の生理食塩水(NaCl
0.9wt%水溶液)中に7日間浸漬させた後、取り出
してJIS R1608に準じて圧縮強度を測定した。
但し、試験機はインストロン社製、商品名「万能試験機
1125型」を使用した。測定結果を表1に示す。
【0016】
【実施例2〜4】α型第3リン酸カルシウム45g(実
施例2)、30g(実施例3)又は15g(実施例4)
と、第2リン酸カルシウム2水和物(和光純薬工業株式
会社製:特級)5gとを、シェーカーミキサー(シンマ
ルエンタープライゼス社製:商品名「T2C型」)で2
0分間均一に混合した後、「ナラ・ハイブリダイザー
NHS−O型」にて、8000rpmで10分間回転衝
撃を与え表面改質した。得られた混合粉を回収後、それ
ぞれの混合粉に、α型第3リン酸カルシウム50g(実
施例2)、65g(実施例3)又は80g(実施例4)
を追加混合し、シェーカーミキサーで20分間均一混合
し、各々リン酸カルシウムセメントを調製した。得られ
たリン酸カルシウムセメントを用いて、実施例1と同様
に硬化時間及び圧縮強度を測定した。その結果を表1に
示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【実施例5及び比較例2】リン酸カルシウムセメント成
分として、第4リン酸カルシウム75gと、第2リン酸
カルシウム2水和物25gを使用した以外は、実施例1
及び比較例1と同様にリン酸カルシウムセメントを調製
し、硬化時間及び圧縮強度を測定した。結果を表2に示
す。
【0019】
【実施例6〜8】最初に使用したα型第3リン酸カルシ
ウムの代わりに、第4リン酸カルシウム60g(実施例
6)、45g(実施例7)又は30g(実施例8)を用
い、また第2リン酸カルシウム2水和物の混合量を25
gとした以外は、実施例2〜4と同様に混合粉を得、更
に第4リン酸カルシウムを15g(実施例6)、30g
(実施例7)又は45g(実施例8)追加混合してリン
酸カルシウムセメントを調製した。得られたリン酸カル
シウムセメントを用いて、実施例1と同様に硬化時間及
び圧縮強度を測定した。結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 7/00 - 28/36 C01B 25/32 A61K 6/033 A61L 27/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第2リン酸カルシウムと、第4リン酸カ
    ルシウム及び/又はα型第3リン酸カルシウムとの混合
    粉からなるリン酸カルシウムセメントにおいて、第2リ
    ン酸カルシウムの全量と、第4リン酸カルシウム及び/
    又はα型第3リン酸カルシウムとを混合して高速気流中
    衝撃法にて表面改質するにあたり、前記表面改質の際に
    混合する第4リン酸カルシウム及び/又はα型第3リン
    酸カルシウムの量を調整することを特徴とするリン酸カ
    ルシウムセメントの硬化時間の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6610956B1 (en) 1998-12-02 2003-08-26 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Device for quality decision of a machining state of an electric spark machine

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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