JP3165650U - 散布装置 - Google Patents
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Abstract
Description
これは、縦断側面視で略湾曲形状や略円弧形状に加工されるタンクの底部と、この底部の裏面(下面)に沿うように同じく略湾曲形状や略円弧形状に加工される底板とのお互いの形状の加工精度が悪いために両者の間に隙間が発生し易いことや、攪拌手段による粉粒物の攪拌混合中の内圧、特に、特許文献2に記載の攪拌ロータの攪拌羽根によって粉粒物がタンク壁側に押し出されるように攪拌されるときの力が底部開口を介して該底部開口を閉鎖する底板に掛かるなどによって両者間の隙間が広がるなどが原因ではないかと想定されるが、タンク底部と底板とのお互いの形状に加工精度の誤差などがないように仕上げるには誤差修正や組み付け調整に時間が掛かることとなり、製作コストの高騰を招く。つまり、タンク、底板、シャッタは裁断機や曲げ加工機などを用いた板金加工によって製作されるものである。
前記底板は、前記底部開口に嵌め合う開口閉鎖部材を備え、前記開口閉鎖部材は、硬質材料で前記底部開口の口形状と略同形に形成され、かつ、前記散布口に同形の口形状にて連通状に適合される散布連通口を備えていることを特徴とする。
タンクの底部開口を閉鎖するようにシャッタユニットの底板が取り付けられることで、底部開口は底板に備えられている開口閉鎖部材によって閉鎖される。例えば、散布作業の終了後、シャッタユニットを開いてタンクの底部内面やシャッタユニットなどに付着残留している粉粒物を取り除く清掃後において、底部開口を閉鎖するように底板が取り付けられることで、底部開口は開口閉鎖部材によって閉鎖される。
これにより、タンク内の粉粒物が、底部開口から底部と底板との間に入り込むことを防ぐことができる。また、攪拌手段による粉粒物の攪拌混合中の内圧によって底部と底板との間に隙間が発生した場合でも、内圧が掛からない状態で底部内面と略面一にて底部開口を閉鎖する開口閉鎖部材によって底部開口の閉鎖状態が保たれることで、粉粒物が底部と底板との間に入り込むことを防ぐことができる。よって、散布作業中に粉粒物が漏れるなどによって無駄になることを解消することができる。
これにより、粉粒物が入り込むことによるシャッタの滑り(スライド)が悪くなることを防ぐことができる。つまり、底板とシャッタとの間に入り込んだ粉粒物が当該間を埋め尽くすように徐々に堆積して、シャッタの滑りが悪くなり、散布口の開閉が困難になる。特に、作業者自身がシャッタユニットの開度調整レバーによりシャッタをスライドさせて行う散布口の開度調整(散布量調整)が困難になるといった取扱い性における不具合を解消することができる。
図1は、本実施形態に係る散布装置を示す縦断側面図であり、図2は、タンクを省略して示す同散布装置の平面図であり、図3は、同散布装置の要部を示す拡大断面図である。
散布装置Aは、図示省略のトラクタの機体後部に装備されている三点支持機構を介してトラクタに搭載され、後記する入力軸(PIC)5を機体後部から突出する出力軸(PTO)にユニバーサルジョイントを介して連結させるように構成されている。
この散布装置Aは、図1に示すように、数種類の肥料、石灰などの粉粒物(以後、肥料と称する)Mが投入されるタンク1と、このタンク1内の長手方向に回転架橋状に装着されてれ、数種類の肥料Mを攪拌混合するための攪拌手段である攪拌ロータ2と、タンク1の底部に装着されて、攪拌ロータ2により攪拌混合された肥料Mをタンク1外の圃場などに散布する散布口4を有するシャッタユニット3とを備えている。
ちなみに、数種類の肥料Mとしては、粒状や粉状化成、有機ペレット、コンポスト、鶏糞、消石灰、ヨウリンなどを挙げることができる。
この動力伝達軸8は、一端側がミッション部6内に内設されている図示省略の一対の傘歯車を介して入力軸5に連繋され、入力軸5からの回転動力を、図示省略の動力伝達機構を介して攪拌ロータ2に伝達するようになっている。
これにより、トラクタの出力軸からユニバーサルジョイントを介してミッション部6の入力軸5に伝達されてくる動力が、ミッション部6内の一対の傘歯車、動力伝達軸8、動力伝達機構を介して攪拌ロータ2に伝達され、該攪拌ロータ2がトラクタからの動力を受けて回転するようになっている。
タンク1は、トラクタの車体幅方向に長い略横長矩形状で、図1に示すように、上面を開口させ、底部側(下半部側)を略円弧形状に湾曲させた縦断側面視で略U字形状の箱型に形成されている。
そして、タンク1は、湾曲底部1aに底部開口9を備え、湾曲底部1aの裏面(下面)には底部開口9を閉鎖するようにシャッタユニット3が開閉可能に装着されている。
ここでは、図1を適宜参照しながら説明する。
攪拌ロータ2は、タンク1の長手方向における両側機枠1bの間にわたり回転架橋状に配設される回転主軸2−1と、この回転主軸2−1の軸方向に位置をずらして軸周りに略放射状になるように取り付けられる複数ヶ所の攪拌羽根2−2とを備えて構成されている。
また、攪拌羽根2−2は、回転主軸2−1の軸方向に略等間隔をおいて、なおかつ、回転主軸2−1への基端固着位置を円周方向にずらした状態で回転主軸2−1の軸周りにおいて四方の放射状となるように固着されて配設されている。
これにより、タンク1内に投入される数種類の肥料Mを、タンク1の上下方向に移送する上下攪拌作用と、タンク1の長手方向の一側短辺側と他側短辺側との双方(両側機枠)へ断続的に繰り返し横送り移送する横送り攪拌作用がタンク1内に発生し、この上下・横送り双方の攪拌作用によってタンク1内肥料Mの攪拌混合が行われるようになっている。
図4および図5は、本実施形態に係るシャッタユニットを示す縦断側面図である。ここでは、図1〜図3を適宜参照しながら説明する。
シャッタユニット3は、タンク1の各底部開口9を閉鎖するように、該タンク1の裏面側に取り付けられる底板3−1と、この底板3−1の裏面側においてスライド自在に取り付けられるシャッタ3−2とから構成されている。
これにより、各散布口4とシャッタ3−2の後記する各散布開閉口10の重なり状態の変化によって調整される。つまり、散布口4と散布開閉口10の重合部位で形成される開口部の開度量の変化によって調整される散布量にてタンク1内の肥料Mが散布されるようになっている。
これにより、シャッタ3−2の各散布開閉口10を底板3−1の各散布口4に重ねる開方向にシャッタ3−2を移動させることで、タンク1内の肥料Mが各散布口4から散布され、そして、図2に示すように、各散布開閉口10を各散布口4の開口位置から外れる閉方向にシャッタ3−2を移動させることで、各散布口4からの散布が停止するようになっている。
このガイド部材15は、図3および図4に示すように、底板3−1の両折曲縁辺部11a,11bにナット・ボルトによって取り付けられる各シャッタ受け部材14に止めネジによって取り付けられ、シャッタ3−2が滑らかな動き(スライド抵抗が最小に抑えられた状態)で散布口4の開・閉方向へ移動するようにシャッタ3−2を支持する。
具体的に説明すると、シャッタ開閉モータ17は、図1〜図3に示すように、モータギア16a、シャッタギア16b、そしてシャッタロッド16c、短尺な連繋リンク16dからなる連繋機構16を介してシャッタ3−2に連繋されており、正転・逆転動作によってシャッタ3−2を開・閉方向へ移動させるようになっている。
このシャッタ開閉モータ17の正転・逆転動作は、トラクタの運転席に装備されている図示省略の手元スイッチによる正転・逆転切り換え操作などによって行われ、また、シャッタ開閉モータ17の動作停止(シャッタ3−2が開方向または閉方向に移動した時点における動作停止)は、シャッタ開閉モータ17の回転範囲を制御するように隣接して配備されている図示省略の開・閉停止用のリミットスイッチによって行われる。
具体的に説明すると、図2〜図4に示すように、シャッタ開閉モータ17の動作によってシャッタ3−2と共に開・閉方向へ移動する平面視で略扇形の目盛り板18aと、この目盛り板18aに枢着されるとともに、シャッタ3−2のシャッタブラケット19の連結長孔20に係脱自在に連結させる連結ピン21を有する開度調整レバー18bからなる開度調整機構18によってシャッタ3−2の閉位置から開方向への移動量を段階的に可変し得るようになっている。
これにより、底板3−1の各散布口4とシャッタ3−2の各散布開閉口10の重合部位で形成される開口部の開度量を変化させて肥料Mの散布量が、少量散布から大量散布などに調整可変し得るようにしている。
図6は、開口閉鎖部材および隙間閉じ部材をそれぞれ示す斜視図である。ここでは、図2〜図5を適宜参照しながら説明する。
開口閉鎖部材22は、シャッタユニット3を、図5に示す開状態から図4の(a)に示す閉状態としたとき、湾曲底部1aの内面と略面一にてタンク1の長手方向3ヶ所の各底部開口9を閉じるように嵌め合せられて、タンク1内の肥料Mが底部開口9から湾曲底部2aと底板3−1との間に肥料Mが入り込むことを阻止する。つまり、湾曲底部1aと底板3−1との加工精度の誤差や攪拌ロータ2による肥料Mの攪拌混合中の内圧などによって、湾曲底部1aと底板3−1との間に発生し易い隙間に肥料Mが入り込みでタンク1外に漏れて無駄になることを防ぐ役目を成す。
この開口閉鎖部材22は、タンク1の壁厚と略同じ厚さ(湾曲底部1aの内面と略面一にて底部開口9に嵌め合う厚さ)を有する金属板材やその他の硬質材料からなる板材を用いて、図6の(a)に示すように、二点鎖線で示す底部開口9の口形状と略同形に形成されるとともに、散布連通口24を備えている。
これにより、シャッタユニット3が底部開口9を閉鎖するように湾曲底部1aの裏面に装着されたとき、底板3−1の表面に備えられている開口閉鎖部材22は、底部開口9に嵌め合って散布連通口24の開口部位を除いて湾曲底部1aの内面と略面一にて底部開口9を閉鎖する。
この隙間閉じ部材23は、フェルトなどの滑り抵抗(スライド抵抗)が少ない軟質材料を用いて、図6の(b)に示すように、適宜の厚さと大きさに形成されるとともに、散布連通口25を備えている。この散布連通口25は、前記した開口閉鎖部材22の散布連通口24と同じく、散布口4に同形の口形状にて連通状に適合するように隙間閉じ部材23に開設されている。
これにより、加工精度などの誤差によって底板3−1とシャッタ3−2との間に発生し易い隙間を、散布口4の口形状に適合して介在される隙間閉じ部材23によって閉じることで、肥料Mが入り込むことを阻止することができる。つまり、底板3−1とシャッタ3−2との間に入り込んだ肥料Mが当該間を埋め尽くすように徐々に堆積して、シャッタ3−2の滑り(スライド)が悪くなることを阻止して、特に、作業者自身が行う開度調整機構18の開度調整レバー18bによる散布口4の開度調整(散布量調整)の円滑な操作を継続的に維持することができる。
例えば、底板3−1の裏面側に代えて、隙間閉じ部材23をシャッタ3−2の表面側(内側)に接着などによって配設した構成を採用した場合でも、前記実施形態詳述と同様の効果が得られるものである。この場合、散布連通口25は、散布開閉口10に同形の口形状にて連通状に適合するように開設する。
1 タンク
1a 湾曲底部
2 攪拌ロータ(攪拌手段)
2−2 攪拌羽根
3 シャッタユニット
3−1 底板
3−2 シャッタ
4 散布口
9 底部開口
10 散布開閉口
13 ガイド部材
22 開口閉鎖部材
23 隙間閉じ部材
24,25 散布連通口
M 肥料(粉粒物)
Claims (3)
- 平面視で略横長矩形形状を呈し、数種類の粉粒物が投入されるタンクと、
該タンク内長手方向に回転架橋状に装着されて、前記粉粒物を攪拌混合する攪拌羽根を有する攪拌手段と、
前記タンクの底部開口を閉鎖するようにその長手方向に装着されて、前記粉粒物をタンク外に散布する複数の散布口を長さ方向に有するシャッタユニットと、を備え、
前記シャッタユニットは、前記底部開口に開閉可能に取り付けられるとともに、前記散布口を有する底板に、前記散布口を開閉する散布開閉口を有するシャッタをスライド自在に取り付けてなる散布装置であって、
前記底板は、前記底部開口に嵌め合う開口閉鎖部材を備え、
前記開口閉鎖部材は、硬質材料で前記底部開口の口形状と略同形に形成され、かつ、前記散布口に同形の口形状にて連通状に適合される散布連通口を備えていることを特徴とする散布装置。 - 前記底板と前記シャッタとの間に、滑り抵抗が少ない軟質材料からなる隙間閉じ部材が介在されていることを特徴とする請求項1に記載の散布装置。
- 前記シャッタが、潤滑性材料からなるガイド部材を介して前記底板にスライド自在に取り付け支持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の散布装置。
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Country | Link |
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JP (1) | JP3165650U (ja) |
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2010
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