JP3165205B2 - 高強度低熱伝導セラミックス及びその製造方法 - Google Patents

高強度低熱伝導セラミックス及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえばエンジンのシ
リンダ等に用いられる高強度低熱伝導セラミックス及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、ディーゼルエンジンの熱効率は
大型エンジンにおいて約35パーセントであって、残り
のほぼ65パーセントは冷却水及び排気ガスがほぼ等量
運び出している。
【0003】従って、断熱性の良い材料で燃焼室等を囲
むことができれば、冷却水を減少させ、排気ガスエネル
ギー及びエンジン出力は増大する。また、断熱により水
冷システムを縮小し又は除去できれば、エンジン全体と
して小型軽量とすることができる。
【0004】ところでエンジンのシリンダあるいピスト
ンは、高温にさらされると共に所定の強度が要求され、
また、所定のエンジン性能を得るためには吸気、排気ポ
−トのリ−クやシリンダとピストンとの間の気密性ある
いはシリンダライナとシリンダヘッド間の気密性ととも
に耐熱衝撃強度が重要である。
【0005】従って、このように高温でかつ気密性が要
求される部分に使用される材料としては、膨張が小さい
ことが条件となるが、このような条件を備えた材料とし
て、チタン酸アルミニウムをあげることができる。この
材料は低熱膨張という特性のほかに、融点が1860℃
と高く、高温で使用するのに好適である。
【0006】しかしながら、このチタン酸アルミニウム
は強度が30〜40MPの程度と低く、かつ、分解性が
あるという欠点がある。
【0007】そこで、上記チタン酸アルミニウムの特性
を改良して上記エンジンのような機械材料として実用化
するために、従来はアルミナなどの酸化物を添加して高
温での分解の抑制や強度の向上を図らんとしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ア
ルミナ等の酸化物の添加だけでは、機械的強度の実用的
な向上を図ることは困難であり、しかも断熱性の向上と
いう観点からは顕著な効果を得ることができないという
問題が未解決のままであった。
【0009】そこで本発明は、機械的強度の向上ととも
に、断熱性能の向上を図った高強度低熱伝導セラミック
ス及びその製造方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に係る発
明では、Si,N,O及びTi,Alを含んで構成さ
れ、かつ、Alリッチ相中にTiが分散しており、かつ
該Tiは酸化された状態で存在しかつその粒径は40μ
m以下で分散されていることを特徴とする高強度低熱伝
導セラミックスを提供する。本願の請求項2に係る発明
では、請求項1に係る発明に加えて、SiとTiAl2
O5 の総重量に対してTiAl2 O5 が20乃至50重
量%含まれている高強度低熱伝導セラミックスを提供す
る。本願の請求項3に係る発明では、SiとTiAl2
O5 とを含む原材料を成形する工程と、この成形された
原材料をN2 雰囲気中で焼成する工程と、この焼成され
た原材料を酸素を含む雰囲気中で加熱して窒化物を酸化
物に変化させる工程とを有することを特徴とする高強度
低熱伝導セラミックスの製造方法を提供する。本願の請
求項4に係る発明では、請求項3に係る発明に加えて、
上記TiAl2 O5 が原料粉末のSiとTiAl2 O5
の総重量に対して20乃至50wt%であることを特徴
とする低熱伝導セラミックスの製造方法を提供する。本
願の請求項5に係る発明では、請求項3又は請求項4に
係る発明に加えて、上記TiAl2 O5 の平均粒子径が
40μm以下であることを特徴とする低熱伝導セラミッ
クスの製造方法を提供する。本願の請求項6に係る発明
では、請求項3に係る発明に加えて、酸素を含む雰囲気
中での加熱が1000℃以上1300℃以下で行なわれ
ることを特徴とする高強度低熱伝導セラミックスの製造
方法を提供する。
【0011】
【作用】上記構成からなる高強度低熱伝導セラミックス
及び製造方法であれば、機械的強度の向上とともに、断
熱性能の向上を図ることができた。
【0012】
【実施例】以下、本発明について説明する。実験に用い
た成形用原料は、次の通りである。
【0013】まず、平均粒径が0.3μmのSi粉末に
チタン酸アルミニウム(TiAl2O5 )および有機バ
インダーを所定量だけ添加し、蒸留水を媒体としてボー
ルミル装置で約36時間混合した。その後、取り出して
乾燥させた後、破砕、分級して成形用原料とした。
【0014】そして、これをプレス法により径10mm
のペレット状(熱伝導率測定用)として、また、40*
3*4mmの角棒状に成形したのち加熱してバインダー
を除去し、9.5atmの窒素雰囲気中で最高1400
℃まで加熱することにより焼結体を得た。
【0015】さらに、これまでの過程で得られた焼結体
を大気中において600℃から1400℃までの所要の
温度で各二時間保持するという条件で、酸化処理となる
熱処理を行った。なお、この酸化処理は、Tiを酸素と
結合させる意味であり、「酸化された状態」とは、「酸
素と結合した状態」という意味である。勿論、本発明の
酸化物はこの状態であることはいうまでもない。また、
熱伝導率はレーザーフラッシュ法で測定し、強度は4点
曲げで各資料につき30本の測定値の平均値として示
す。
【0016】図1は、チタン酸アルミニウム(TiAl
2 O5 )の配合量と熱伝導率の関係を示す特性図であ
る。なお、本発明では、Al元素の濃度が、Alの材料
全体の平均濃度よりも高い領域にあり、この状態をAl
リッチ状態と定義する。なお、この事実は実際にEPM
A(電子線分光法)等により、視覚的に確認したことに
基づいている。同図からも明らかなように、SiとTi
Al2 O5 の総重量に対して20乃至50%の範囲で熱
伝導率が0.008cal/cm・s・℃以下となっ
た。これは、一般的な低熱伝導材料の水準に相当する。
【0017】図2乃至図5は、上記得られた焼結体につ
き各熱処理温度に伴うx線回析の結果を示す特性図であ
る。主要な構成相は、アルファ型のSi3 N4 、Al2
O3、TiN、TiO2 であった。これらは、窒化焼成
時にチタン酸アルミニウム(TiAl2 O5 )が分解し
て生成したものである。また、TiNは極めて不安定で
あって、熱処理温度の上昇に伴って徐々に安定なTiO
2 に変化し、1000℃以上ですべてTiO2 となって
いた。
【0018】また、マイクロアナライザーでSi、Ti
及びAlを測定した結果、Al2 O3 やTiO2 を単独
で添加した場合と異なり、AlとTiとが粒径40μm
以下の中に、ナノ単位のものも混在していることがわか
った。この状態はフォノン散乱を大きくするうえで有効
であり、これが低熱伝導となる大きな要因の一つと考え
られる。
【0019】ところで、上記実施例で説明した条件のう
ち、チタン酸アルミニウム(TiAl2 O5 )に代えて
同一の粒径のAL2 O3 とTiO2 をそれぞれ単独で、
かつ、チタン酸アルミニウム(TiAl2 O5 )相当に
換算し、合計して35重量%配合して、他の条件はその
ままとして焼結体を作製した。ここで、1200度で処
理したものを一例として説明すると、気孔率はほぼ18
%で同等であったが、熱伝導率はほぼ1.4倍となって
いた。
【0020】次に、上記実施例で示す条件において、チ
タン酸アルミニウム(TiA12O5)の配合率をSi
とTiA1Oの総量に対して20,35,50%とし
たものについて、大気中での熱処理温度を変えたときの
強度を図6に示す。同図からも明らかなように、120
0℃付近で最大値を示し、この時の値は250MPa程
度となっている。すなわち、100MPa以下のものが
一般的な低熱伝導セラミックスとしては、比較的高い値
である。
【0021】図7には、配合量を一定として平均粒子径
を変えた時の強度を示すが、40μm以下(勿論、粒径
がナノのものも含む)としたときに100MPa以上で
あることが明らかになった。さらに、図8には、各熱処
理温度、組成したときに得られる焼結体の寸法を各条件
につき、40本の試験片について測定した結果を示す。
この図からも明らかなように、寸法公差は0.05mm以
下となっており、ニアネットシェイプ性にもすぐれてい
る。
【0022】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、その要旨の範囲内において様々に変形実施が
可能であることを付記する。
【0023】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、機械的強
度の向上とともに、断熱性能の向上を図った高強度低熱
伝導セラミックス及びその製造方法の提供ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】チタン酸アルミニウムの配合量と熱伝導率の関
係を示す特性図。
【図2】図1において説明した焼結体につき、各熱処理
温度に伴うx線回析の結果を示す特性図。
【図3】図1において説明した焼結体につき、各熱処理
温度に伴うx線回析の結果を示す特性図。
【図4】図1において説明した焼結体につき、各熱処理
温度に伴うx線回析の結果を示す特性図。
【図5】図1において説明した焼結体につき、各熱処理
温度に伴うx線回析の結果を示す特性図。
【図6】大気中での熱処理温度を変えたときの強度を示
す特性図。
【図7】配合量を一定として、平均粒子径を変えた時の
強度を示す説明図。
【図8】熱処理温度−原料配合比の説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/42 - 35/49 C03B 35/00 - 35/22 C04B 35/584 C04B 35/591 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si,N,O及びTi,Alを含んで構成
    され、かつ、Alリッチ相中にTiが分散しており、か
    つ該Tiは酸化された状態で存在しかつその粒径は40
    μm以下で分散されていることを特徴とする高強度低熱
    伝導セラミックス。
  2. 【請求項2】SiとTiAl2 O5 の総重量に対してT
    iAl2 O5 が20乃至50重量%含まれている請求項
    1記載の高強度低熱伝導セラミックス。
  3. 【請求項3】SiとTiAl2 O5 とを含む原材料を成
    形する工程と、この成形された原材料をN2 雰囲気中で
    焼成する工程と、この焼成された原材料を酸素を含む雰
    囲気中で加熱して窒化物を酸化物に変化させる工程とを
    有することを特徴とする高強度低熱伝導セラミックスの
    製造方法。
  4. 【請求項4】上記TiAl2 O5 が原料粉末のSiとT
    iAl2 O5 の総重量に対して20乃至50wt%であ
    ることを特徴とする請求項3記載の低熱伝導セラミック
    スの製造方法。
  5. 【請求項5】上記TiAl2 O5 の平均粒子径が40μ
    m以下であることを特徴とする請求項3又は請求項4記
    載の低熱伝導セラミックスの製造方法。
  6. 【請求項6】酸素を含む雰囲気中での加熱が1000℃
    以上1300℃以下で行なわれることを特徴とする請求
    項3に記載の高強度低熱伝導セラミックスの製造方法。
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WO2001014281A1 (fr) * 1999-08-23 2001-03-01 Isuzu Ceramics Research Institute Co., Ltd. Ceramique a faible coefficient de frottement et procede de production de ladite ceramique

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