JPH0544427B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0544427B2 JPH0544427B2 JP63235453A JP23545388A JPH0544427B2 JP H0544427 B2 JPH0544427 B2 JP H0544427B2 JP 63235453 A JP63235453 A JP 63235453A JP 23545388 A JP23545388 A JP 23545388A JP H0544427 B2 JPH0544427 B2 JP H0544427B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- powder
- aluminum oxide
- zrc
- sintered body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- 229910026551 ZrC Inorganic materials 0.000 claims description 46
- OTCHGXYCWNXDOA-UHFFFAOYSA-N [C].[Zr] Chemical compound [C].[Zr] OTCHGXYCWNXDOA-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 46
- 239000000843 powder Substances 0.000 claims description 39
- 239000002245 particle Substances 0.000 claims description 27
- TWNQGVIAIRXVLR-UHFFFAOYSA-N oxo(oxoalumanyloxy)alumane Chemical compound O=[Al]O[Al]=O TWNQGVIAIRXVLR-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 23
- 238000005245 sintering Methods 0.000 claims description 19
- CPLXHLVBOLITMK-UHFFFAOYSA-N magnesium oxide Inorganic materials [Mg]=O CPLXHLVBOLITMK-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 18
- 239000000395 magnesium oxide Substances 0.000 claims description 18
- 239000000203 mixture Substances 0.000 claims description 14
- 239000002131 composite material Substances 0.000 claims description 11
- QCWXUUIWCKQGHC-UHFFFAOYSA-N Zirconium Chemical compound [Zr] QCWXUUIWCKQGHC-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 9
- 229910052726 zirconium Inorganic materials 0.000 claims description 9
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 claims description 8
- AXZKOIWUVFPNLO-UHFFFAOYSA-N magnesium;oxygen(2-) Chemical compound [O-2].[Mg+2] AXZKOIWUVFPNLO-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 4
- 230000007935 neutral effect Effects 0.000 claims description 4
- SIWVEOZUMHYXCS-UHFFFAOYSA-N oxo(oxoyttriooxy)yttrium Chemical compound O=[Y]O[Y]=O SIWVEOZUMHYXCS-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 3
- 229910018072 Al 2 O 3 Inorganic materials 0.000 description 30
- 238000000034 method Methods 0.000 description 8
- 239000002994 raw material Substances 0.000 description 8
- 230000003647 oxidation Effects 0.000 description 6
- 238000007254 oxidation reaction Methods 0.000 description 6
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 5
- 238000001704 evaporation Methods 0.000 description 5
- 230000008020 evaporation Effects 0.000 description 5
- LFQSCWFLJHTTHZ-UHFFFAOYSA-N Ethanol Chemical compound CCO LFQSCWFLJHTTHZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 239000000919 ceramic Substances 0.000 description 4
- 239000000463 material Substances 0.000 description 4
- 239000011812 mixed powder Substances 0.000 description 4
- 238000001272 pressureless sintering Methods 0.000 description 4
- 239000004677 Nylon Substances 0.000 description 3
- QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N atomic oxygen Chemical group [O] QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 229910052799 carbon Inorganic materials 0.000 description 3
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 3
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 3
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 3
- 238000002156 mixing Methods 0.000 description 3
- 229920001778 nylon Polymers 0.000 description 3
- 229910052760 oxygen Inorganic materials 0.000 description 3
- 239000001301 oxygen Substances 0.000 description 3
- 239000007858 starting material Substances 0.000 description 3
- 238000005520 cutting process Methods 0.000 description 2
- 238000001035 drying Methods 0.000 description 2
- 238000010304 firing Methods 0.000 description 2
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 2
- 239000008240 homogeneous mixture Substances 0.000 description 2
- 238000000462 isostatic pressing Methods 0.000 description 2
- 238000000465 moulding Methods 0.000 description 2
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 2
- 230000004580 weight loss Effects 0.000 description 2
- OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N Carbon Chemical compound [C] OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229920000049 Carbon (fiber) Polymers 0.000 description 1
- PNEYBMLMFCGWSK-UHFFFAOYSA-N aluminium oxide Inorganic materials [O-2].[O-2].[O-2].[Al+3].[Al+3] PNEYBMLMFCGWSK-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000004917 carbon fiber Substances 0.000 description 1
- 239000004020 conductor Substances 0.000 description 1
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 1
- 238000000280 densification Methods 0.000 description 1
- 230000006698 induction Effects 0.000 description 1
- 239000004615 ingredient Substances 0.000 description 1
- VNWKTOKETHGBQD-UHFFFAOYSA-N methane Chemical compound C VNWKTOKETHGBQD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000005457 optimization Methods 0.000 description 1
- 230000001590 oxidative effect Effects 0.000 description 1
- 238000013001 point bending Methods 0.000 description 1
- 239000006104 solid solution Substances 0.000 description 1
- VWQVUPCCIRVNHF-UHFFFAOYSA-N yttrium atom Chemical compound [Y] VWQVUPCCIRVNHF-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明はジルコニウムのオキシカーバイドと酸
化アルミニウムの複合焼結体の製造方法に関す
る。この複合焼結体は切削工具用材料、耐摩耗
材、酸化雰囲気で使用可能な発熱体材料および電
気伝導性材料として有用なものである。 従来技術 Al2O3は高強度、高硬度等の優れた特性を持つ
が、低靱性であるという欠点を有している。そこ
で、高硬度、高強度に加えて高靱性のZrCと複合
化することにより、機械的特性の優れたZrC−
Al2O3複合セラミツクとすることは知られてい
る。 また、ZrCは電気伝導性に優れているが、耐酸
化性が劣る欠点を有する。そこで耐酸化性に優れ
たAl2O3と複合化することによつて、両長所を兼
ね備えたZrC−Al2O3導電性セラミツクとするこ
とも知られている。 しかし、この複合セラミツクスの焼結体はいず
れも低温で高加重をかけたホツトプレス法によつ
て製造している。即ち、成分の一つであるZrCは
難焼結性であるため、焼結には加重が必要であ
り、高温ではAl2O3の蒸発が顕著となるため、上
記の方法によつて製造していた。 このように従来法によると高加重を必要とする
ため、製造装置も高価となり、製造プロセスが複
雑化し、それだけ製造コストが高くなるととも
に、複雑形状の焼結体をつくることはできなかつ
た。また得られる焼結体はZrC−Al2O3の二相系
にしかなり得なかつた。 また、常圧焼結法としては、圧粉体をAl2O3粉
末に包埋して焼成すると焼結密着が上昇すること
は公知の事実である。(本発明者らが発表した窯
業協会昭和62年年会講演予稿集p.455)これは焼
結雰囲気を制御し、また圧粉体からの酸化アルミ
ニウムの蒸発を防ぎ組成変化のないようにして、
緻密化を高めるためである。しかしながら、ZrC
の粒径の最適化が検討されていなかつたため90%
程度の相対密度が上限であつた。 発明の目的 本発明は従来法の欠点をなくすべくなされたも
ので、その目的は炭化ジルコニウムと酸化アルミ
ニウムを原料とし、従来のものより高密度(相対
密度93〜97%)で、炭化ジルコニウムの炭素サイ
ドを酸素で置換したジルコニウムのオキシカーバ
イドと酸化アルミニウムからなる特性の優れた複
合焼結体を製造する方法を提供することにある。 発明の構成 本発明は前記目的を達成すべく、特定範囲の粒
径(3〜10μm)をもつ炭化ジルコニウム粉末
と、酸化アルミニウム粉末を特定配合した圧粉
体、あるいはこれに微量の酸化マグネシウムある
いは酸化イツトリウム粉末を添加した圧粉体をつ
くり、この圧粉体を酸化アルミニウム粉末に包埋
して、中性雰囲気または還元性雰囲気で、1700〜
1900℃で常圧焼結すると、常圧焼結にもかかわら
ず、従来法では得られなかつた高密度の特性の優
れた複合焼結体が得られることを知見した。また
得られる焼結体はジルコニウムのオキシカーバイ
ドと酸化アルミニウムを含む複合焼結体であるこ
とがわかつた。これらの知見に基づいて本発明を
完成した。 本発明の要旨は、粒径3〜10μmの炭化ジルコ
ニウム粉末15〜50重量%と酸化アルミニウム粉末
85〜50重量%の均質混合物、あるいは酸化アルミ
ニウムに対して5重量%以下の量の酸化マグネシ
ウムあるいは酸化イツトリウム粉末を添加した均
質混合物を圧粉体に成形し、この圧粉体を酸化ア
ルミニウム粉末に包埋して、中性または還元性雰
囲気で、1700〜1900℃で常圧焼結することを特徴
とするジルコニウムのオキシカーバイドと酸化ア
ルミニウムの複合焼結体の製造法にある。 本発明における炭化ジルコニウム粉末と酸化ア
ルミニウム粉末の配合割合は、炭化ジルコニウム
が15〜50重量%、酸化アルミニウムが85〜50重量
%の範囲である。炭化ジルコニウムが15重量%よ
り少ないと得られる焼結体の靱性、電気伝導性、
硬度が低くなり、50重量%をこえると高緻密のも
のとならず耐酸化性も劣るものとなる。 原料の炭化ジルコニウムとしては、その粒径が
3〜10μmのものを使用することが必要である。
粒径が3μmより小さいと焼成中酸化アルミニウ
ムの蒸発量が多くなり高緻密な焼結体が得難く、
また粒径が10μmを越えると焼結の進行が阻害さ
れる。従つて、原料粉末の混合中にも炭化ジルコ
ニウム粉末が粉砕されて3μm未満の粒径となら
ないようにすべきである。それにはボールミルで
混合する場合、ナイロンボール等のボールを用い
ることが好ましい。 酸化マグネシウムあるいは酸化イツトリウム粉
末を加えるのは、焼結体の密度を高くするためで
ある。また添加により耐酸化性が向上する。但
し、添加量が5重量%をこえると焼結密度の低下
をまねく。 常圧焼結の温度は、1700℃より低いとAl2O3の
蒸発量は少ないが、焼結に必要な物質の駆動力が
十分でなく、焼結が進まない。1900℃をこえる
と、成形圧粉体をAl2O3粉末に包埋してもAl2O3
の蒸発量が多くなり、組成変化をもたらすばかり
でなく、緻密な焼結体が得られない。従つて、
1700〜1900℃の範囲内で焼結することが必要であ
る。雰囲気は中性または還元性であることが必要
で、それは、ZrCの焼結中の酸化を防止するため
である。 本発明の方法で得られる焼結体は、炭化ジルコ
ニウムの炭素サイトを酸素で置換したジルコニウ
ムのオキシカーバイドZrCxOy(0<x<1、0<
y<1で、0.5≦x+y≦1、0.05≦y/x≦
0.22)と酸化アルミニウムの複合焼結体となる。 ZrCxOyにおいて、x+yは原料のZrCの不定比
性によつて支配される。また炭素と酸素の比y/
xは焼結温度が低いと小さくなり、高いと大きく
なる。本発明において焼結温度が1700℃のとき
y/x=0.05、1900℃のときy/x=0.22とな
る。従つて、本発明の方法においては0.05≦y/
x≦0.22のものが得られる。 ZrC35重量%、Al2O365重量%の組成の出発原
料を用い、ZrCの粒度を変え、MgOまたはY2O3
を添加(Al2O3の0.5重量%)した場合における焼
結温度と得られる焼結体の相対密度の関係を示す
と第1図の通りである。 図中、▲はZrC粒度が3μm以下、●はZrC粒度
が3〜10μm、○はMgOを、□印はY2O3を添加
した場合を示す。 図が示すように、ZrC粒度が3〜10μmのもの
の方が焼結密度が高い。MgOまたはY2O3を配合
すると相対密度が上昇する。焼結温度が1900℃を
超えると焼結密度はあがらず、Al2O3の蒸発が多
くなる。 出発原料の組成及びZrCの粒度を変化させて
1850℃で常圧焼結した場合における相対密度との
関係を示すと第2図通りである。 図中、▲は炭化ジルコニウムの粒径が3μm未
満、●は炭化ジルコニウムの粒径が3〜10μm、
○はMgO、□はY2O3(Al2O3の0.5重量%)を添
加した場合を示す。図が示すように、炭化ジルコ
ニウムは15重量%を必要とし、50重量%を越える
と高緻密な焼結体となり得ない。 第3図はZrC35重量%、Al2O365重量%の組成
の出発原料に添加するMgO、Y2O3の量を変化さ
せて1850℃で常圧焼結した場合における相対密度
との関係図である。図中●は無添加、図が示すよ
うに、MgOとY2O3ではMgOの添加効果がわずか
に大きい。また、添加量は5重量%までは効果が
あり、これを越えると相対密度は低下してくる。 第4図はMgOをAl2O3に対し、0.5重量%添加
した場合の焼結体の室温導電率とZrCxOyの量と
の関係図を示す。本発明の方法による焼結体は電
気伝導性が優れていることが分かる。 実施例 1 粒径3〜10μmのZrC粉末と平均粒径0.5μmの
Al2O3粉末を使用し、ZrCの組成割合が35重量%
であるように秤量し、これにエタノールを加えナ
イロンボールを用いて12時間湿式混合した。この
混合粉末を乾燥させた後、一軸加圧成形および静
水圧プレスによつてペレツト状の成形体とした。 この成形体をSiCるつぼ中でAl2O3粉末に包埋
して、Ar気流中で高周波炉により1700〜1900℃
で加熱焼結した。 焼結中の試料の重量減は1%で以下で、焼結体
の相対密度は94〜96%と高いものであつた。 これに対し、アルミナボールを用いてZrC粉を
粒径1〜3μmとしたものを使用し同様に焼結体
を作つたところ、焼成中の試料の重量減は2〜3
%で焼結体の相対密度は91〜92%と低下した。 実施例 2 粒径3〜10μmのZrC粉末と平均粒径0.5μmの
Al2O3粉末を使用し、ZrCの組成割合が15、35、
50重量%であるように秤量し、さらにAl2O3に対
して0.5重量%のMgO粉末(平均粒径0.2μm)あ
るいはY2O3粉末(平均粒径0.5μm)を添加して
混合粉末を作り、これにエタノールを加えてナイ
ロンボールを用いて12時間湿式混合した。この混
合粉末を乾燥させた後、一軸加圧成形および静水
圧プレスによつてペレツト状の成形体とした。こ
の成形体をSiCルツボ中でAl2O3粉末に包埋して、
Ar気流中で高周波誘導加熱炉により1700〜1900
℃で加熱焼結した。これにより相対密度95%以上
の緻密な焼結体が得られらた。 得られた焼結体について化学分析を行い、ZrC
は酸素が固溶したジルコニウムのオキシカーバイ
ド(ZrCxOy)に変化していることが分かつた。 ZrC35重量%、Al2O365重量%の原料組成、及
びMgO0.5重量%を配合したものを前記と同様に
して1700℃、1900℃で焼成した焼結体の組成は次
の表1の通りであつた。
化アルミニウムの複合焼結体の製造方法に関す
る。この複合焼結体は切削工具用材料、耐摩耗
材、酸化雰囲気で使用可能な発熱体材料および電
気伝導性材料として有用なものである。 従来技術 Al2O3は高強度、高硬度等の優れた特性を持つ
が、低靱性であるという欠点を有している。そこ
で、高硬度、高強度に加えて高靱性のZrCと複合
化することにより、機械的特性の優れたZrC−
Al2O3複合セラミツクとすることは知られてい
る。 また、ZrCは電気伝導性に優れているが、耐酸
化性が劣る欠点を有する。そこで耐酸化性に優れ
たAl2O3と複合化することによつて、両長所を兼
ね備えたZrC−Al2O3導電性セラミツクとするこ
とも知られている。 しかし、この複合セラミツクスの焼結体はいず
れも低温で高加重をかけたホツトプレス法によつ
て製造している。即ち、成分の一つであるZrCは
難焼結性であるため、焼結には加重が必要であ
り、高温ではAl2O3の蒸発が顕著となるため、上
記の方法によつて製造していた。 このように従来法によると高加重を必要とする
ため、製造装置も高価となり、製造プロセスが複
雑化し、それだけ製造コストが高くなるととも
に、複雑形状の焼結体をつくることはできなかつ
た。また得られる焼結体はZrC−Al2O3の二相系
にしかなり得なかつた。 また、常圧焼結法としては、圧粉体をAl2O3粉
末に包埋して焼成すると焼結密着が上昇すること
は公知の事実である。(本発明者らが発表した窯
業協会昭和62年年会講演予稿集p.455)これは焼
結雰囲気を制御し、また圧粉体からの酸化アルミ
ニウムの蒸発を防ぎ組成変化のないようにして、
緻密化を高めるためである。しかしながら、ZrC
の粒径の最適化が検討されていなかつたため90%
程度の相対密度が上限であつた。 発明の目的 本発明は従来法の欠点をなくすべくなされたも
ので、その目的は炭化ジルコニウムと酸化アルミ
ニウムを原料とし、従来のものより高密度(相対
密度93〜97%)で、炭化ジルコニウムの炭素サイ
ドを酸素で置換したジルコニウムのオキシカーバ
イドと酸化アルミニウムからなる特性の優れた複
合焼結体を製造する方法を提供することにある。 発明の構成 本発明は前記目的を達成すべく、特定範囲の粒
径(3〜10μm)をもつ炭化ジルコニウム粉末
と、酸化アルミニウム粉末を特定配合した圧粉
体、あるいはこれに微量の酸化マグネシウムある
いは酸化イツトリウム粉末を添加した圧粉体をつ
くり、この圧粉体を酸化アルミニウム粉末に包埋
して、中性雰囲気または還元性雰囲気で、1700〜
1900℃で常圧焼結すると、常圧焼結にもかかわら
ず、従来法では得られなかつた高密度の特性の優
れた複合焼結体が得られることを知見した。また
得られる焼結体はジルコニウムのオキシカーバイ
ドと酸化アルミニウムを含む複合焼結体であるこ
とがわかつた。これらの知見に基づいて本発明を
完成した。 本発明の要旨は、粒径3〜10μmの炭化ジルコ
ニウム粉末15〜50重量%と酸化アルミニウム粉末
85〜50重量%の均質混合物、あるいは酸化アルミ
ニウムに対して5重量%以下の量の酸化マグネシ
ウムあるいは酸化イツトリウム粉末を添加した均
質混合物を圧粉体に成形し、この圧粉体を酸化ア
ルミニウム粉末に包埋して、中性または還元性雰
囲気で、1700〜1900℃で常圧焼結することを特徴
とするジルコニウムのオキシカーバイドと酸化ア
ルミニウムの複合焼結体の製造法にある。 本発明における炭化ジルコニウム粉末と酸化ア
ルミニウム粉末の配合割合は、炭化ジルコニウム
が15〜50重量%、酸化アルミニウムが85〜50重量
%の範囲である。炭化ジルコニウムが15重量%よ
り少ないと得られる焼結体の靱性、電気伝導性、
硬度が低くなり、50重量%をこえると高緻密のも
のとならず耐酸化性も劣るものとなる。 原料の炭化ジルコニウムとしては、その粒径が
3〜10μmのものを使用することが必要である。
粒径が3μmより小さいと焼成中酸化アルミニウ
ムの蒸発量が多くなり高緻密な焼結体が得難く、
また粒径が10μmを越えると焼結の進行が阻害さ
れる。従つて、原料粉末の混合中にも炭化ジルコ
ニウム粉末が粉砕されて3μm未満の粒径となら
ないようにすべきである。それにはボールミルで
混合する場合、ナイロンボール等のボールを用い
ることが好ましい。 酸化マグネシウムあるいは酸化イツトリウム粉
末を加えるのは、焼結体の密度を高くするためで
ある。また添加により耐酸化性が向上する。但
し、添加量が5重量%をこえると焼結密度の低下
をまねく。 常圧焼結の温度は、1700℃より低いとAl2O3の
蒸発量は少ないが、焼結に必要な物質の駆動力が
十分でなく、焼結が進まない。1900℃をこえる
と、成形圧粉体をAl2O3粉末に包埋してもAl2O3
の蒸発量が多くなり、組成変化をもたらすばかり
でなく、緻密な焼結体が得られない。従つて、
1700〜1900℃の範囲内で焼結することが必要であ
る。雰囲気は中性または還元性であることが必要
で、それは、ZrCの焼結中の酸化を防止するため
である。 本発明の方法で得られる焼結体は、炭化ジルコ
ニウムの炭素サイトを酸素で置換したジルコニウ
ムのオキシカーバイドZrCxOy(0<x<1、0<
y<1で、0.5≦x+y≦1、0.05≦y/x≦
0.22)と酸化アルミニウムの複合焼結体となる。 ZrCxOyにおいて、x+yは原料のZrCの不定比
性によつて支配される。また炭素と酸素の比y/
xは焼結温度が低いと小さくなり、高いと大きく
なる。本発明において焼結温度が1700℃のとき
y/x=0.05、1900℃のときy/x=0.22とな
る。従つて、本発明の方法においては0.05≦y/
x≦0.22のものが得られる。 ZrC35重量%、Al2O365重量%の組成の出発原
料を用い、ZrCの粒度を変え、MgOまたはY2O3
を添加(Al2O3の0.5重量%)した場合における焼
結温度と得られる焼結体の相対密度の関係を示す
と第1図の通りである。 図中、▲はZrC粒度が3μm以下、●はZrC粒度
が3〜10μm、○はMgOを、□印はY2O3を添加
した場合を示す。 図が示すように、ZrC粒度が3〜10μmのもの
の方が焼結密度が高い。MgOまたはY2O3を配合
すると相対密度が上昇する。焼結温度が1900℃を
超えると焼結密度はあがらず、Al2O3の蒸発が多
くなる。 出発原料の組成及びZrCの粒度を変化させて
1850℃で常圧焼結した場合における相対密度との
関係を示すと第2図通りである。 図中、▲は炭化ジルコニウムの粒径が3μm未
満、●は炭化ジルコニウムの粒径が3〜10μm、
○はMgO、□はY2O3(Al2O3の0.5重量%)を添
加した場合を示す。図が示すように、炭化ジルコ
ニウムは15重量%を必要とし、50重量%を越える
と高緻密な焼結体となり得ない。 第3図はZrC35重量%、Al2O365重量%の組成
の出発原料に添加するMgO、Y2O3の量を変化さ
せて1850℃で常圧焼結した場合における相対密度
との関係図である。図中●は無添加、図が示すよ
うに、MgOとY2O3ではMgOの添加効果がわずか
に大きい。また、添加量は5重量%までは効果が
あり、これを越えると相対密度は低下してくる。 第4図はMgOをAl2O3に対し、0.5重量%添加
した場合の焼結体の室温導電率とZrCxOyの量と
の関係図を示す。本発明の方法による焼結体は電
気伝導性が優れていることが分かる。 実施例 1 粒径3〜10μmのZrC粉末と平均粒径0.5μmの
Al2O3粉末を使用し、ZrCの組成割合が35重量%
であるように秤量し、これにエタノールを加えナ
イロンボールを用いて12時間湿式混合した。この
混合粉末を乾燥させた後、一軸加圧成形および静
水圧プレスによつてペレツト状の成形体とした。 この成形体をSiCるつぼ中でAl2O3粉末に包埋
して、Ar気流中で高周波炉により1700〜1900℃
で加熱焼結した。 焼結中の試料の重量減は1%で以下で、焼結体
の相対密度は94〜96%と高いものであつた。 これに対し、アルミナボールを用いてZrC粉を
粒径1〜3μmとしたものを使用し同様に焼結体
を作つたところ、焼成中の試料の重量減は2〜3
%で焼結体の相対密度は91〜92%と低下した。 実施例 2 粒径3〜10μmのZrC粉末と平均粒径0.5μmの
Al2O3粉末を使用し、ZrCの組成割合が15、35、
50重量%であるように秤量し、さらにAl2O3に対
して0.5重量%のMgO粉末(平均粒径0.2μm)あ
るいはY2O3粉末(平均粒径0.5μm)を添加して
混合粉末を作り、これにエタノールを加えてナイ
ロンボールを用いて12時間湿式混合した。この混
合粉末を乾燥させた後、一軸加圧成形および静水
圧プレスによつてペレツト状の成形体とした。こ
の成形体をSiCルツボ中でAl2O3粉末に包埋して、
Ar気流中で高周波誘導加熱炉により1700〜1900
℃で加熱焼結した。これにより相対密度95%以上
の緻密な焼結体が得られらた。 得られた焼結体について化学分析を行い、ZrC
は酸素が固溶したジルコニウムのオキシカーバイ
ド(ZrCxOy)に変化していることが分かつた。 ZrC35重量%、Al2O365重量%の原料組成、及
びMgO0.5重量%を配合したものを前記と同様に
して1700℃、1900℃で焼成した焼結体の組成は次
の表1の通りであつた。
【表】
量%
実施例 3 粒径3〜10μmのZrC粉末と平均粒径0.5μmの
Al2O3粉末を使用し、ZrCが35、50重量%の混合
粉末にMgOまたはY2O3粉末(Al2O3の0.5重量
%)を添加し、実施例2の同様にして圧粉成形体
を作つた。これをAl2O3粉末に包埋し、Ar支流中
で1850℃に加熱した。 焼結体の組成、相対密度、ビツカース硬度、靱
性及び3点曲げ強度は表2に示す通りであつた。
実施例 3 粒径3〜10μmのZrC粉末と平均粒径0.5μmの
Al2O3粉末を使用し、ZrCが35、50重量%の混合
粉末にMgOまたはY2O3粉末(Al2O3の0.5重量
%)を添加し、実施例2の同様にして圧粉成形体
を作つた。これをAl2O3粉末に包埋し、Ar支流中
で1850℃に加熱した。 焼結体の組成、相対密度、ビツカース硬度、靱
性及び3点曲げ強度は表2に示す通りであつた。
【表】
これが示すように、高硬度、高靱性、高強度で
あり、切削工具、耐摩耗部材、構造材料等として
適している。 さらにY2O3を添加した焼結体を1500℃で5時
間空気中に放置してその重量変化を測定すること
により耐酸化性を調べた。その結果は表3に示す
通であつた。
あり、切削工具、耐摩耗部材、構造材料等として
適している。 さらにY2O3を添加した焼結体を1500℃で5時
間空気中に放置してその重量変化を測定すること
により耐酸化性を調べた。その結果は表3に示す
通であつた。
【表】
この結果が示すように重量変化も少ない。
発明の効果
本発明はZrC粉末とAl2O3粉末とを原料とし、
特にZrC粉末の粒度を特定範囲のものを用い、こ
の圧粉体を酸化アルミニウム粉末に包埋して焼結
することにより、常圧焼結で、従来法では得られ
なかつた優れた特性を有するZrCxOyとAl2O3の複
合焼結体を従来のものより高密度のものとして得
られる効果を有する。
特にZrC粉末の粒度を特定範囲のものを用い、こ
の圧粉体を酸化アルミニウム粉末に包埋して焼結
することにより、常圧焼結で、従来法では得られ
なかつた優れた特性を有するZrCxOyとAl2O3の複
合焼結体を従来のものより高密度のものとして得
られる効果を有する。
第1図は本発明の方法において、原料組成が
ZrC35重量%、Al2O365重量%の原料を用い、
ZrCの粒度を変え、MgOまたはY2O3を添加した
場合における焼結温度と得られる焼結体の相対密
度との関係図、第2図は原料ZrCの量及びその粒
度と得られる焼結体の相対密度との関係図、第3
図はMgOまたはY2O3の添加量と得られる焼結体
の相対密度との関係図、第4図はMgOをAl2O3に
対して0.5重量%添加した焼結体の室温導電率と
ジルコニウムオキシカーバイド量との関係図を示
す。
ZrC35重量%、Al2O365重量%の原料を用い、
ZrCの粒度を変え、MgOまたはY2O3を添加した
場合における焼結温度と得られる焼結体の相対密
度との関係図、第2図は原料ZrCの量及びその粒
度と得られる焼結体の相対密度との関係図、第3
図はMgOまたはY2O3の添加量と得られる焼結体
の相対密度との関係図、第4図はMgOをAl2O3に
対して0.5重量%添加した焼結体の室温導電率と
ジルコニウムオキシカーバイド量との関係図を示
す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 粒径3〜10μmの炭化ジルコニウム粉末15〜
50重量%と酸化アルミニウム粉末85〜50重量%の
混合物を、圧粉体に成形し、この圧粉体を酸化ア
ルミニウム粉末に包埋して、中性または還元雰囲
気で、1700〜1900℃で常圧焼結することを特徴と
するジルコニウムのオキシカーバイドと酸化アル
ミニウムの複合焼結体の製造方法。 2 粒径3〜10μmの炭化ジルコニウム15〜50重
量%と酸化アルミニウム粉末85〜50重量%の混合
物に、酸化アルミニウムに対して5重量%以下の
量の酸化マグネシウムあるいは酸化イツトリウム
を配合して圧粉体に成形し、この圧粉体を酸化ア
ルミニウム粉末に包埋して、中性または還元雰囲
気で、1700〜1900℃で常圧焼結することを特徴と
するジルコニウムのオキシカーバイドと酸化アル
ミニウムの複合焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63235453A JPH0283252A (ja) | 1988-09-20 | 1988-09-20 | ジルコニウムのオキシカーバイドと酸化アルミニウムの複合焼結体の常圧製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63235453A JPH0283252A (ja) | 1988-09-20 | 1988-09-20 | ジルコニウムのオキシカーバイドと酸化アルミニウムの複合焼結体の常圧製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0283252A JPH0283252A (ja) | 1990-03-23 |
JPH0544427B2 true JPH0544427B2 (ja) | 1993-07-06 |
Family
ID=16986328
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63235453A Granted JPH0283252A (ja) | 1988-09-20 | 1988-09-20 | ジルコニウムのオキシカーバイドと酸化アルミニウムの複合焼結体の常圧製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0283252A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5303345B2 (ja) * | 2009-04-22 | 2013-10-02 | 株式会社ニッカトー | 導電性ジルコニア焼結体 |
-
1988
- 1988-09-20 JP JP63235453A patent/JPH0283252A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0283252A (ja) | 1990-03-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Goldstein et al. | Boron carbide–zirconium boride in situ composites by the reactive pressureless sintering of boron carbide–zirconia mixtures | |
JPS5924751B2 (ja) | 焼結成形体 | |
JPS6125677B2 (ja) | ||
Baharvandi et al. | Processing and mechanical properties of boron carbide–titanium diboride ceramic matrix composites | |
CN114736022B (zh) | 一种高致密度、高强度和超高硬度碳化硼/高熵二硼化物复相陶瓷及其制备方法 | |
EP0170889B1 (en) | Zrb2 composite sintered material | |
JPH0544427B2 (ja) | ||
JP3076682B2 (ja) | アルミナ系焼結体及びその製造方法 | |
JP2645894B2 (ja) | ジルコニア系セラミックスの製造方法 | |
JPH0511062B2 (ja) | ||
JPH02500267A (ja) | セラミツク材料 | |
JP2690571B2 (ja) | ジルコニア系切削工具とその製造法 | |
JPS6121964A (ja) | アルミナ質焼結体とその製造方法 | |
JPH01239068A (ja) | 硼化チタン系焼結体及びその製造方法 | |
JP3165205B2 (ja) | 高強度低熱伝導セラミックス及びその製造方法 | |
JP3898346B2 (ja) | 導電性セラミックス材料 | |
JP2742620B2 (ja) | 硼化物―酸化アルミニウム質焼結体およびその製造方法 | |
JPS6337069B2 (ja) | ||
JPS6339542B2 (ja) | ||
KR920006112B1 (ko) | 고인성 탄화규소 소결체의 제조방법 | |
JPH05238829A (ja) | 窒化けい素セラミックス焼結体 | |
JPH0517210A (ja) | アルミナ基複合焼結体の製造方法及びアルミナ基複合焼結体 | |
CN116514543A (zh) | 一种氧化锆复合陶瓷 | |
JPH0331669B2 (ja) | ||
JPS6337066B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |