JP3164564B2 - 水性塗料多色対応回収システム - Google Patents

水性塗料多色対応回収システム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多色の水性塗料を
回収可能に塗装し、使用した塗装色に関係なく洗浄水を
循環利用することができる水性塗料多色対応回収システ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】水性塗料は、樹脂成分をエマルジョンと
して水に分散させたものであり、有機溶剤を使わないた
め環境汚染の心配がなく、溶剤規制が強化されるにした
がって溶剤型塗料に代って使用されるようになった。水
性塗料は、従来の溶剤型塗料と同様の方法で塗装するこ
とができ、スプレー塗装が一般的に行われている。
【0003】水性塗料のスプレー塗装における従来の塗
料回収技術として、特開平9−10640号公報に開示
されている水性塗料塗装ブースがある。図7に、この水
性塗料塗装ブースの全体構成を表す図を示す。水洗ブー
ス101底部の洗浄水排出口102と吸引ダクト103
の吸引口104との間に着脱自在な交換ユニット110
が着設される。交換ユニット110は、塗装する塗料ご
とに用意され、塗装する色を変える時に交換される。交
換ユニット110の内部は図8に示す構成となってい
る。
【0004】塗装時に被塗物105に付着しなかった塗
料(以下、オーバースプレーミストという)は、シャワ
ーノズル111からの洗浄水によって捕獲され、交換ユ
ニット110内部の洗浄槽112に流下する。洗浄槽1
12に溜まった洗浄水は、ポンプP1によって水洗ブー
ス101のシャワーノズル111へと送られ、洗浄水と
して循環利用される。又、洗浄槽112の液面が所定の
高さに達すると、ポンプP2により余剰の洗浄水は濃縮
槽113へと送られる。濃縮槽113に送られた洗浄水
は、限外ろ過装置(以下、UF装置という)114によ
って塗料分が濃縮されて濃縮槽113に戻され、ろ液は
ろ液槽115へと送られ貯留される。ろ液槽115のろ
液は、新鮮な洗浄水として清掃時の最終洗浄のためにポ
ンプP4よりシャワーノズル111に供給され、循環利
用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような水性塗料塗
装ブースは、交換ユニット110の交換によりオーバー
スプレーミストを色ごとに回収することができるので、
1台の塗装ブースで多数の色を塗装可能にしただけでな
く、UF装置114によってろ過されたろ液をろ液槽1
15に貯留して洗浄水として再利用することができると
いう特徴を持つ。しかし、交換ユニット110内の洗浄
槽112に溜まった洗浄水を水洗ブース101内へ循環
させているので、徐々に洗浄水中の塗料の濃度が高くな
り、循環設備の配管の目詰まりなどを起こすと共に、十
分にオーバースプレーミストの捕獲を行えなくなるとい
う問題点があった。又、洗浄槽の液面がある一定の高さ
以上になるとポンプP2により濃縮槽113へ送られる
ために、循環洗浄を続ける間に徐々に洗浄水の量が減少
してしまうので、適宜作業者が液面をチェックし、蒸留
水又はろ液を注入しなければならなかった。更に、従来
のUF装置114は大型であり、色を変えるたびに洗浄
することが困難なので、各交換ユニット110一台に対
してUF装置114を一台づつ設置する必要があり、塗
装する色の数だけ交換ユニット110を用意しなければ
ならず、コストがかかるという問題点があった。更に
又、塗装する色の交換時に洗浄水はすべて交換ユニット
110に配設されているろ液槽115へ回収されてしま
うために、次の塗料を塗装する交換ユニット110を接
続する時には、新たに外部から洗浄水の供給を必要とす
るという問題点があった。
【0006】本発明は、上述した事情より成されたもの
であり、本発明の目的は、塗装ブース洗浄水の循環利用
と、回収塗料再利用のための濃縮作業とを、水性塗料塗
装ブースの形状、構造、及び塗装色数に関係なく2台の
ろ過装置を用いて同時に行うことを可能とする水性塗料
多色対応回収システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、多色の水性塗
料を回収可能に塗装し、使用した塗装色に関係なく洗浄
水を循環利用することができる水性塗料多色対応回収シ
ステムに関するものであり、本発明の上記目的は、水性
塗料塗装工程で被塗物に付着しなかった塗料であるオー
バースプレーミストを捕獲、回収する洗浄水を塗装ブー
ス内に流す洗浄手段と、前記塗装ブース下部に溜まった
前記洗浄水を導入すると共に、オーバーフロー機構によ
り第一濃縮槽へ前記洗浄水の一部を排水する循環水槽
と、前記循環水槽中の前記洗浄水の一部を汲み上げて前
記洗浄手段へ供給する供給手段とを有し、洗浄水を循環
して利用する塗装系と、前記第一濃縮槽に貯留される洗
浄液を限外ろ過して濃縮し、当該濃縮された洗浄液を
び第一濃縮槽へ戻し又は塗料槽若しくはドレイン槽へ供
給すると同時に、ろ別されたろ液を清浄な希釈水として
前記塗装ブースへ還流する洗浄可能な第一限外ろ過装置
を有するNo1濃縮系と、前記第一限外ろ過装置で濃縮
された再利用可能な塗料を色別に貯留する少なくとも1
台以上の前記塗料槽と、前記第一限外ろ過装置で濃縮さ
れた前記塗装ブースの洗浄時に排出される残留塗料や調
色不可能な塗料を貯留する前記ドレイン槽と、前記塗料
槽と前記ドレイン槽のうちの任意の槽に接続可能であ
り、前記塗料槽内又は前記ドレイン槽内に貯留される塗
料を限外ろ過して濃縮し、当該濃縮された塗料を再び当
該塗料槽又は当該ドレイン槽へ戻すと同時に、ろ別され
たろ液を第二濃縮槽へ供給する洗浄及びフィルター交換
可能な第二色替式限外ろ過装置と、を有するNo2濃縮
系と、から成る水性塗料多色対応回収システムによって
達成される。
【0008】ここで、前記No2濃縮系に、前記第二色
替式限外ろ過装置を1台以上で、設置された前記塗料槽
と前記ドレイン槽の合計数以下の台数を配しても良い。
【0009】又、前記第二濃縮槽に貯留されたろ液を洗
浄水として前記循環水槽へ供給する手段を有するもので
あっても良い。
【0010】更に又、前記第一限外ろ過装置及び前記第
二色替式限外ろ過装置が、振動膜ろ過型の限外ろ過装置
であることが好ましい。
【0011】更に又、一台以上の前記塗料槽、前記ドレ
イン槽及び前記第二濃縮槽の各排出口、外部及び塗装ブ
ースに付設される塗装機と配管を通じて相互に接続
る自動切換えバルブを有し、前記一台以上の塗料槽
しくは前記ドレイン槽内の塗料をそのままで若しくは
合して調色した塗料、前記第二濃縮槽内の洗浄水又は洗
浄用の空気を、バルブの切換えにより前記塗装ブースへ
供給するようにしても良い。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態を説明する。なお、以下は一実施の形態
であり、本発明がこれに限定される趣旨のものではな
い。
【0013】図1は、本発明の水性塗料多色対応回収シ
ステムの全体構成の一実施の形態を示す模式図である。
本システムは塗装系10、No1濃縮系20、及びNo
2濃縮系30とに大きく分けることができる。
【0014】塗装系10は、塗装を行う塗装ブース1
1、塗料をガン13から被塗物に噴霧する塗装機12、
オーバースプレーミストを捕獲、回収するための洗浄水
を膜状に流すオーバーフロー槽14、塗装ブース11下
部に溜まった余分の洗浄水を貯留する循環水槽15、そ
して循環水槽15からオーバーフロー槽14へ洗浄水を
送るための循環ポンプ17から構成される。
【0015】なお、上記構成において、オーバーフロー
槽14は洗浄手段に対応し、循環ポンプ17は洗浄水の
一部を汲み上げて洗浄手段へ供給する供給手段に対応し
ている。
【0016】No1濃縮系20は、塗装系10の循環水
槽15から流れてくる洗浄水を貯留する第一濃縮槽2
1、第一濃縮槽21に流入した洗浄水中の塗料を限外ろ
過する第一UF装置23、および第一濃縮槽21から第
一UF装置23へ洗浄水を送り、当該第一UF装置23
で限外ろ過されたろ液を塗装ブースへ、濃縮された塗料
を第一濃縮槽21に、或いは、No2濃縮系30の各塗
料槽31A、31B又はドレイン槽32に送るための移
送/濃縮ポンプ24から構成される。ここで、塗装系1
0の循環水槽15は、オーバーフロー機構16を有し、
ある一定水位以上になると循環水槽15中の洗浄水が第
一濃縮槽21へと流れるように、そして第一濃縮槽21
から循環水槽15へと洗浄水が逆流しないように構成さ
れている。又、第一UF装置23で濃縮された塗料を第
一濃縮槽21へ送るために、第一UF装置23と第一濃
縮槽21は接続されており、更に、第一UF装置23と
塗装ブース11とは第一UF装置23でろ過されたろ液
を希釈水として塗装ブース11へ戻すために接続されて
いる。
【0017】なお、上記構成において、第一UF装置2
3は第一限外ろ過装置に対応している。
【0018】No2濃縮系30は、塗装する色ごとに設
けられた塗料槽31A、31B、色替作業時の配管及び
ブースの洗浄によって発生した残留塗料及び混色状態に
なり調色不可能となった塗料を貯留するドレイン槽3
2、これらの塗料槽31A、31B或はドレイン槽32
内の塗料を限外ろ過するための第二色替式UF装置3
4、塗料槽31A、31B或はドレイン槽32内の塗料
を第二色替式UF装置34へ送るための濃縮ポンプ3
5、第二濃縮過程で生じたろ液を貯留する第二濃縮槽3
6、そして塗装系10の塗装機12へ塗料を供給する塗
料供給装置38から成る。第二色替式UF装置34から
各塗料槽31A、31B或はドレイン槽32へは、濃縮
された塗料或は残留塗料を返送する配管が接続されてお
り、第二色替式UF装置34から第二濃縮槽36へはろ
液を送る配管が接続されている。ここで、第二色替式U
F装置34と濃縮ポンプ35は一つの移動可能なユニッ
トを構成しており、一台で各塗料槽31A、31B又は
ドレイン槽32と接続して使用することができる。第二
色替式UF装置34と濃縮ポンプ35のユニットと塗料
槽31A、31B又はドレイン槽32との接続は、交換
容易なホースなどによって行われる。第二色替式UF装
置34と濃縮ポンプ35とのユニットの移動手段とし
て、台車などが用いられる。又、塗料供給装置38は各
塗料槽31A、31Bごとに設けることも可能である。
【0019】なお、以上の構成において、第二色替式U
F装置34は第二色替式限外ろ過装置に対応している。
【0020】以上の構成において、第一UF装置23及
び第二色替式UF装置34には、従来の固定式の交差流
型UF装置と比較して小型で、移動可能であり、更に洗
浄し易く、フィルターの交換が容易なUF装置が用いら
れる。このような特徴を持つUF装置として、振動膜ろ
過型UF装置が挙げられる。振動膜ろ過型UF装置は、
図2に示す原理に基き、半透膜51表面上に膜面と接線
方向の剪断波を集中させて、半透膜51と溶液52の境
界層53内の粒子54を反発させることにより、膜の細
孔の目詰まりや汚れを防ぎ、ろ過効率を高めている。
【0021】以上のような構成を持つ水性塗料多色対応
回収システムを用いた塗装運転の一実施の形態を以下に
詳細に説明する。図3は、本発明の水性塗料多色対応回
収システムの塗装運転の状況を示す模式図である。ここ
では、B色を塗装する場合を例に挙げており、洗浄水や
濃縮塗料等の流れを太めの矢印によって表示している。
最初に、塗装ブース11で洗浄水によりオーバースプレ
ーミストを捕獲できるように、第一濃縮槽21内の洗浄
水を移送/濃縮ポンプ24で塗装ブース11へ供給し、
循環水槽15中の洗浄水がオーバーフローするまで液面
調整を行う。液面調整終了後、塗装を開始するが、塗装
機12のガンから塗料を噴霧する前に、塗料供給装置3
8でB色塗料槽31BからのB色塗料に水、添加剤、及
び/又は溶剤を添加して成分を調整する。調整されたB
色塗料は、塗料供給装置38から塗装機12のガン13
より塗装ブース11内の被塗物(図示されていない)に
噴霧される。被塗物に付着しなかったオーバースプレー
ミストは、オーバーフロー槽14からの洗浄水によって
捕獲され、塗装ブース11下部に溜まる。洗浄水による
オーバースプレーミストの捕獲効率を最大化するよう
に、塗装ブース11内の水位が一定の水準に保たれるよ
うに、塗装ブース11下部に設けられたバルブが開か
れ、余分の洗浄水は循環水槽15へと排出される。循環
水槽15中の洗浄水は、循環ポンプ17によって再びオ
ーバーフロー槽14へ送られる。ここで、循環水槽15
から洗浄水がオーバーフローするように、塗装系10を
循環する洗浄水の水量が予め設定されているために、循
環水槽15中の洗浄水の一部は、オーバーフロー機構1
6によって第一濃縮槽21へ流出する。
【0022】第一濃縮槽21に流入した洗浄水は、移送
/濃縮ポンプ24により第一UF装置23へと送られ、
塗料分とろ液とに分離される。分離された塗料分は第一
濃縮槽21へと返送され、ろ液は塗装ブース11内に洗
浄水の希釈水として供給される。第一濃縮槽21と第一
UF装置23との間の循環は、B色塗料の塗装運転中繰
り返し行われるために、第一濃縮槽21中にはB色塗料
が濃縮されていく。この時、第一濃縮槽21中の濃縮塗
料が固化しないように、又濃縮された塗料と洗浄水とが
混合されるように撹拌機23によって撹拌される。
【0023】一方、No2濃縮系30では、このB色塗
料の塗装運転時に前回使用された色の塗料の濃縮運転を
行うことができる。図3では、A色塗料槽31Aに第二
色替式UF装置34が取り付けられて濃縮運転がされて
いるが、他の色の塗料槽で濃縮運転を行っても良いし、
またドレイン槽32で濃縮運転を行うことも可能であ
る。この時、濃縮運転を行おうとしている塗料槽或はド
レイン槽32に移動式の第二色替式UF装置34及び濃
縮ポンプ35が取り付けられる。取付けにあたっては、
配管されたホースの付け替えだけで良いので作業が容易
である。なお、第二色替式UF装置34でろ過されたろ
液は第二濃縮槽36へ送られ、貯留される。
【0024】図4は、本発明の水性塗料多色対応回収シ
ステムの塗装運転終了時の一実施の形態を示す模式図で
ある。ここでは、図3で示したB色塗料の塗装運転を停
止する場合を例として挙げており、濃縮塗料や洗浄水の
流れを太めの矢印で表示している。塗装機12のガン1
3からの塗料の噴霧は停止され、塗料供給装置38中の
塗料がB色塗料槽31Bへ返送される。又、同時に第一
濃縮槽21内の濃縮された塗料は、移送/濃縮ポンプ2
4によってB色塗料槽31Bへ移送される。No2濃縮
系30ではB色塗料槽31Bで濃縮運転を行うために、
第二色替式UF装置34が濃縮ポンプ35と共にB色塗
料槽31Bへ接続される。この時、例えば図3では、塗
装ブース11でB色を塗装している間、No2濃縮系3
0ではA色塗料槽31Aで濃縮運転を行っていたので、
第二色替式UF装置34を洗浄するか、或は洗浄後フィ
ルターを交換しなければならない。そして、これらの準
備が完了した時点で、No2濃縮系30では移送されて
きたB色の濃縮塗料を限外ろ過し、濃縮された塗料は塗
料原料としてB色塗料槽31Bへ送られて再利用され
る。第二色替式UF装置34で生じるろ液は第二濃縮槽
36に貯留される。
【0025】一方、塗装系10とNo1濃縮系20で
は、塗装ブース11内や配管などに付着したB色塗料を
洗浄、回収するために、洗浄水による循環運転と、当該
洗浄水中の塗料を濃縮する運転が行われる。循環水槽1
5中の洗浄水を循環ポンプ17によりオーバーフロー槽
14へと供給し、オーバーフロー槽14が塗装ブース1
1中の塗料を洗い流す。塗装ブース11下部に溜まった
洗浄水は、循環水槽15へと排水されて再び循環ポンプ
17によってオーバーフロー槽14へと循環される。同
時に、循環水槽15でオーバーフローし第一濃縮槽21
に流入した洗浄水は、移送/濃縮ポンプ24によって第
一UF装置23へ送られる。塗装運転中では、分離され
た塗料は再び第一濃縮槽21に返送されるけれども、塗
装運転終了時においては分離された塗料は、移送/濃縮
ポンプ24によってNo2濃縮系30のB色塗料槽31
Bへと移送され、前述したNo2濃縮系30でのB色塗
料の濃縮運転が行われる。第一UF装置23でろ過され
たろ液は塗装ブース11へ送られて、清浄な洗浄水とし
て再利用される。
【0026】次に、塗装運転終了後の清掃作業について
説明する。図5は、清掃作業時の水性塗料多色対応回収
システムの運転状況の一例を示す模式図である。図5
は、図3のB色塗料の運転から図4のB色塗料の塗装終
了に続く作業状態を示すものであり、洗浄水や濃縮塗料
等の流れを太めの矢印で表示している。清掃作業は、洗
浄後の洗浄水中の塗料の濃縮を目的とすることにある。
循環水槽15とオーバーフロー槽14間の循環は停止さ
れ、循環水槽15でオーバーフローした洗浄水は第一濃
縮槽21へ流入し、濃縮/移送ポンプ24により第一U
F装置23へと送られる。第一UF装置23で分離され
た塗料分はNo2濃縮系30のドレイン槽32へと移送
され、ろ液は塗装ブース11へ供給される。そして、塗
装ブース11内のろ液は再び循環水槽15へと流入し、
第一濃縮槽21、第一UF装置23を経て循環されるこ
とにより、洗浄に利用されると同時に洗浄水自体も清浄
化される。
【0027】一方のNo2濃縮系30に送られた塗料
は、ドレイン槽32と当該ドレイン槽32に取り付けら
れた第二色替式UF装置34と濃縮ポンプ35によって
濃縮運転される。この時、第二色替式UF装置34と濃
縮ポンプ35のユニットはB色塗料槽31Bから移し替
えられるが、第二色替式UF装置34は洗浄せずにドレ
イン槽32へ取り付けても良いし、又洗浄して後に、或
は洗浄後フィルターを交換して後にドレイン槽32へ取
り付けても良い。ドレイン槽32では、このように色替
時の洗浄時に発生する残留塗料を回収して濃縮するが、
濃縮された塗料は濃色系の塗料として調色されるか、或
は第二色替式UF装置34の限界濃度まで濃縮し、スラ
ッジ化される。スラッジ化した濃縮塗料は産業廃棄物と
して廃棄するが、ろ過装置限界濃度まで濃縮するために
廃棄物容積が小さくなり、産業廃棄物の排出量を従来に
比べて大幅に低減することが可能となる。第二色替式U
F装置34でろ過されたろ液は第二濃縮槽36へと送ら
れる。第二濃縮槽36中のろ液は、ポンプ37を通じ
て、塗装系10の循環水槽15へ洗浄水として供給さ
れ、また塗料供給装置38の装置洗浄用水として使用さ
れる。第二濃縮槽36の塗料が循環水槽15の洗浄水と
して利用される場合、洗浄水の流れは、塗装系10の循
環水槽15へ送られた後、上述した洗浄水の流れに示す
とおりであり、塗料供給装置38の装置洗浄用水として
使用される場合には、塗料供給装置38へ洗浄水が送水
され、そこから流出する装置洗浄用水はNo2濃縮系3
0のドレイン槽32へと供給され、その後は上述したド
レイン槽32での濃縮過程と同じ流れとなる。
【0028】塗装運転が終了した後は、濃縮/移送ポン
プ24と第一UF装置23の運転が停止し、循環水槽1
5と第一濃縮槽21に洗浄水が次回運転時まで貯留され
る。
【0029】なお、上記の構成において、ポンプ37は
第二濃縮槽に貯留されたろ液を洗浄水として循環水槽1
5へ供給する手段に対応している。
【0030】図6は、塗料供給装置38内の自動切換え
バルブ41(以下、CCVバルブと称する)の一実施の
形態を示す図である。CCVバルブ41は、図6におい
ては、A色塗料槽31A、B色塗料槽31B、ドレイン
槽32、及び第二濃縮槽36の各排出口と配管を通して
接続されるバルブと、圧縮空気を取り入れるためのバル
ブ、そして、塗装機12のガン13につながるバルブか
ら成る。このCCVバルブ41を上記の例ように接続す
ることによって、A色の塗装後にB色の塗装をバルブの
切換えによって容易に行うことができる。
【0031】以上の説明で、A色塗料槽31A、B色塗
料槽31Bなどの塗料槽は、塗料原料及び濃縮塗料を貯
蔵する槽として記載されているけれども、塗装するにあ
たって塗料槽では、このほかに撹拌機33で撹拌しなが
ら、水、添加剤、及び/又は溶剤等を添加して塗料の色
や濃度、粘度などの調整が行われる。しかし、これらの
調整は塗料槽で行わなければならないというものではな
く、塗料供給装置38で行うようにしても良い。
【0032】以上の図1から図6で示した実施の形態の
説明において、No2濃縮系30には一台の第二UF装
置を設けて運転している例を取り上げたけれども、No
2濃縮系30の塗料槽の色数などの塗装工程の規模によ
り、一台以上のUF装置を使用することももちろん可能
である。その場合は、No2濃縮系30のUF装置は、
第二色替式UF装置、第三色替式UF装置、…を有する
ものになる。
【0033】
【発明の効果】本発明の水性塗料多色対応回収システム
によれば、循環水槽のオーバーフロー機構によって、塗
料を含んだ洗浄水が第一UF装置によって塗料分とろ液
とに分離され、そのろ液を塗装ブースに希釈水として供
給するという構成を有するので、塗装ブースと循環水槽
との間を長時間循環させても塗料が蓄積されない清浄な
洗浄水を循環させることが可能となる。又、循環水槽に
オーバーフロー機構を設けたので、作業者が運転時に循
環水槽の水位を目視で確認して、蒸留水又はろ過水を注
入する必要がない。
【0034】又、本発明の水性塗料多色対応回収システ
ムによれば、塗装する色を交換する時に、濃縮された塗
料分のみがNo2濃縮系へ送られ、ろ液である洗浄水は
塗装ブース、循環水槽、そして第一濃縮槽に残されるの
で、又、No2濃縮系でろ過されたろ液を第二濃縮槽に
貯留し、当該ろ液を洗浄水や塗料調整などに再利用する
ことが可能となったので、水の使用量を大幅に節約する
ことができた。
【0035】更に、本発明の水性塗料多色対応回収シス
テムによれば、従来一つの塗料槽に一つのUF装置を必
要としたが、移動可能のUF装置を用いることによっ
て、多数の塗料槽を一つのUF装置で濃縮することが可
能となり、又、多数の塗料槽と第二濃縮槽、及び塗装機
をCCVバルブで結ぶことによって、バルブ操作の切替
えのみで塗料の色の交換、塗料の調合等を行うことが可
能となる。
【0036】又、本発明の水性塗料多色対応回収システ
ムによれば、ドレイン槽で第二色替式UF装置を用いて
限界濃度まで濃縮するので、産業廃棄物排出量を大幅に
低減することが可能となった。
【0037】更に、本発明の水性塗料多色対応回収シス
テムによれば、No1濃縮系とNo2濃縮系による二段
階の塗料濃縮運転により、塗装に使用される色の塗料を
効率よく短時間で回収、濃縮することが可能となり、
又、容易に、洗浄、フィルターの交換を行うことができ
る振動膜ろ過型UF装置を用いることによって、従来の
水性塗料塗装システムと比較すると色交換時の混色の影
響を最小限度に押さえることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水性塗料多色対応回収システムの全体
構成の一実施の形態を示す模式図である。
【図2】振動膜ろ過型UF装置の原理を示す模式図であ
る。
【図3】本発明の水性塗料多色対応回収システムのB色
塗装運転時の状況の一実施の形態を示す模式図である。
【図4】本発明の水性塗料多色対応回収システムのB色
運転終了時の状況の一実施の形態を示す図である。
【図5】本発明の水性塗料多色対応回収システムの清掃
作業時の運転状況の一実施の形態を示す図である。
【図6】塗料供給装置内の自動切換えバルブの構造を示
す模式図である。
【図7】従来の水性塗料塗装ブースの全体構成例を示す
図である。
【図8】従来の水性塗料塗装ブースにおける交換ユニッ
トの構造を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
10 塗装系 11 塗装ブース 12 塗装機 13 ガン 14 オーバーフロー槽 15 循環水槽 16 オーバーフロー機構 17 循環ポンプ 20 No1濃縮系 21 第一濃縮槽 22 撹拌機 23 第一UF装置 24 移送/濃縮ポンプ 30 No2濃縮系 31A A色塗料槽 31B B色塗料槽 32 ドレイン槽 33 撹拌機 34 第二色替式UF装置 35 濃縮ポンプ 36 第二濃縮槽 37 ポンプ 38 塗料供給装置 41 自動切換えバルブ(CCVバルブ) 51 半透膜 52 溶液 53 境界層 54 粒子 101 水洗ブース 102 洗浄水排出口 103 吸引ダクト 104 吸引口 105 被塗物 110 交換ユニット 111 シャワーノズル 112 洗浄槽 113 濃縮槽 114 限外ろ過装置 115 ろ液槽

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性塗料塗装工程で被塗物に付着しなか
    った塗料であるオーバースプレーミストを捕獲、回収す
    る洗浄水を塗装ブース内に流す洗浄手段と、前記塗装ブ
    ース下部に溜まった前記洗浄水を導入すると共に、オー
    バーフロー機構により第一濃縮槽へ前記洗浄水の一部を
    排水する循環水槽と、前記循環水槽中の前記洗浄水の一
    部を汲み上げて前記洗浄手段へ供給する供給手段とを有
    し、洗浄水を循環して利用する塗装系と、 前記第一濃縮槽に貯留される洗浄液を限外ろ過して濃縮
    し、当該濃縮された洗浄液を再び第一濃縮槽へ戻し又は
    塗料槽若しくはドレイン槽へ供給すると同時に、ろ別さ
    れたろ液を清浄な希釈水として前記塗装ブースへ還流す
    る洗浄可能な第一限外ろ過装置を有するNo1濃縮系
    と、 前記第一限外ろ過装置で濃縮された再利用可能な塗料を
    色別に貯留する少なくとも1台以上の前記塗料槽と、前
    記第一限外ろ過装置で濃縮された前記塗装ブースの洗浄
    時に排出される残留塗料や調色不可能な塗料を貯留する
    前記ドレイン槽と、前記塗料槽と前記ドレイン槽のうち
    の任意の槽に接続可能であり、前記塗料槽内又は前記ド
    レイン槽内に貯留される塗料を限外ろ過して濃縮し、
    該濃縮された塗料を再び当該塗料槽又は当該ドレイン槽
    へ戻すと同時に、ろ別されたろ液を第二濃縮槽へ供給す
    る洗浄及びフィルター交換可能な第二色替式限外ろ過装
    置と、を有するNo2濃縮系と、から成ることを特徴と
    する水性塗料多色対応回収システム。
  2. 【請求項2】 前記No2濃縮系に、前記第二色替式限
    外ろ過装置を1台以上で、設置された前記塗料槽と前記
    ドレイン槽の合計数以下の台数を配した請求項1に記載
    の水性塗料多色対応回収システム。
  3. 【請求項3】 前記第二濃縮槽に貯留されたろ液を洗浄
    水として前記循環水槽へ供給する手段を有する請求項1
    又は2に記載の水性塗料多色対応回収システム。
  4. 【請求項4】 前記第一限外ろ過装置及び前記第二色替
    式限外ろ過装置が、振動膜ろ過型の限外ろ過装置である
    請求項1から3の何れかに記載の水性塗料多色対応回収
    システム。
  5. 【請求項5】 一台以上の前記塗料槽、前記ドレイン槽
    及び前記第二濃縮槽の各 排出口、外部及び塗装ブースに
    付設される塗装機とが配管を通じて相互に接続される自
    動切換えバルブを有し、前記一台以上の塗料槽若しくは
    前記ドレイン槽内の塗料をそのままで若しくは混合して
    調色した塗料、前記第二濃縮槽内の洗浄水又は洗浄用の
    空気を、バルブの切換えにより前記塗装ブースへ供給す
    る請求項1から4の何れかに記載の水性塗料多色対応回
    収システム。
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