JP3164368B2 - 15―デオキシプロスタグランジン誘導体 - Google Patents

15―デオキシプロスタグランジン誘導体

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JP3164368B2
JP3164368B2 JP50531991A JP50531991A JP3164368B2 JP 3164368 B2 JP3164368 B2 JP 3164368B2 JP 50531991 A JP50531991 A JP 50531991A JP 50531991 A JP50531991 A JP 50531991A JP 3164368 B2 JP3164368 B2 JP 3164368B2
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守男 岸
喜美男 高橋
健司 川田
保正 郷
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Shionogi and Co Ltd
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Shionogi and Co Ltd
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C405/00Compounds containing a five-membered ring having two side-chains in ortho position to each other, and having oxygen atoms directly attached to the ring in ortho position to one of the side-chains, one side-chain containing, not directly attached to the ring, a carbon atom having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, and the other side-chain having oxygen atoms attached in gamma-position to the ring, e.g. prostaglandins ; Analogues or derivatives thereof
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/557Eicosanoids, e.g. leukotrienes or prostaglandins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、15−デオキシプロスタグランジン誘導体、
およびそれを含有する医薬組成物に関する。
発明の背景 プロスタグランジンは、アラキドン酸のようなエイコ
サポリエン酸から動物組織で生合成される一群の生理活
性物質であり、以下のプロスタン酸を基本骨格とする: プロスタグランジンは各種の組織で生合成されており、
種々のプロスタグランジンが存在し、上記5員環部分に
結合する酸素原子と二重結合の違いに応じて、A〜Jの
各群に区別される。また、側鎖の二重結合によって、1
〜3群があり、これら両者を組み合わせてPGA2、PGE1
PGF2αというように分類、表記されている。
これらプロスタグランジン類は、個々に多様な生物活
性を有しており、それには、たとえば血管拡張作用、血
小板凝集阻害作用、子宮収縮作用、腸管運動亢進作用等
がある。
プロスタグランジン類を薬効の1つとして、さらに眼
圧下降作用が挙げられる。たとえば、特開昭59−1418号
にはPGF2αが高い眼圧下降作用を有し、15−ケト−PGF
2αがわずかではあるが眼圧下降作用を有することが記
載されている。しかしながら、これら天然のプロスタグ
ランジン類は、13と14位間の二重結合および15位ヒドロ
キシ基からなるアリルアルコール部分構造をω鎖に有す
るため、化学的および生物学的に不安定であり、生体内
で代謝されて分解され易い。
この不安定要素を持っていない化合物として、プロス
タグランジン類の代謝産物である13,14−ジヒドロ−15
−ケトプロスタグランジン類が知られており、これは眼
圧下降作用を有する有用な化合物であることが見いださ
れている。
今回、本発明者らは、安定であり、かつ化学的に合成
可能なプロスタグランジン類を広くスクリーニングする
ことにより、従来知られていない知見と新規な化合物を
見いだすに至った。
本発明は、式(I): の中から選ばれる5員環であり、 R1は水素または低級アルキリであり、 R2はC6〜C12アルキル、C6〜C12アルケニルまたはC6
C12アルカジエニルである。
(式中、R′は水素またはCH3) で示される化合物は除外する。] で示される15−デオキシプロスタグランジン誘導体また
はその製薬上許容しうる塩を提供するものである。R2
定義におけるC6〜C12アルキルとは、ヘキシル、ヘプチ
ル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル
である。また、R2は1つ以上の二重結合を含有する不飽
和炭化水素鎖であってよく、好ましくはC8〜C10アルケ
ニルまたはC8〜C10アルカジエニルであり、具体的には
1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、1,3−ヘキサジエニ
ル、1−ヘプテニル、2−ヘプテニル、1,3−ヘプタジ
エニル、1−オクテニル、2−オクテニル、1,3−アク
タジエニル、1−ノネニル、2−ノネニル、1,3−ノナ
ジエニル、1−デセニル、2−デセニル、1,3−デカジ
エニル、1−ウンデセニル、2−ウンデセニル、1,3−
ウンデカジエニル、1−ドデセニル、2−ドデセニル、
1,3−ドデカジエニルを挙げることができる。
さらには、上記式中、 である15−デオキシプロスタグランジン誘導体が好まし
い。
式(I)で示される15−デオキシプロスタグランジン
誘導体には、式(I)で示されるすべての立体異性体お
よびそれらの混合物が包含される。
本発明は別の態様として新規な眼圧降下剤を提供する
ものである。本発明者らは、15位ヒドロキシ基が除去さ
れたプロスタグランジン類は従来のプロスタグランジン
と比較して安定性が、特に液中における安定性が高めら
れていると共に、それらが一般に眼圧下降作用を示すこ
とを見いだし、それら化合物の新規な用途を開発した。
特に、上記の本発明化合物は、眼圧下降作用を有してお
り、従来知られているプロスタグランジン類に認められ
る結膜充血および一過性の眼圧上昇等の副作用を示さな
い。したがって、15−デオキシプロスタグランジン誘導
体は、眼圧上昇が原因と考えられる眼疾病、特に緑内障
の治療薬として極めて有用であり得る。
本発明に係る15−デオキシプロスタグランジン誘導体
は、天然のプロスタグランジン類(好ましくはPGA1、PG
A2、PGB1、PGB2、PGE1、PGE2、PGE3、PGF1α、PG
F2α、PGF3α、PGJ1またはPGJ2など)のω鎖の15位か
らヒドロキシ基を除去したものであればよく、そのω鎖
はすべてが飽和されていてもよく、また不飽和結合、す
なわち二重結合または、三重結合あるいはその双方を1
以上含有していてもよい。二重結合はE体、Z体または
それらの混合体でよいが、好ましいのはα鎖がZ体、ω
鎖がE体の化合物である。また、ω鎖の末端部位(20
位)に低級アルキル、または低級アルケニルが置換され
た形態の化合物も包含され得る。さらにこれらの化合物
は、2個ないし4個の不斉炭素原子を有するが、これら
のすべての立体異性体およびそれらの混合物も本発明に
包含される。
これら本発明の眼圧下降剤のうち、より好ましいもの
は、上記の の中から選ばれる5員環であり、 R1は水素または低級アルキルであり、 R2はC6〜C12アルキル、C6〜C12アルケニルまたはC6
C12アルカジエニルである] で示される15−デオキシプロスタグランジン誘導体また
はその製薬上許容しうる塩を含有する眼圧降下剤であ
る。
特に好ましいものは、式: で示される(5Z,13E,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−
5,13−プロスタジエン酸およびその製薬上許容しうる塩
やエステルを含有する眼圧降下剤である。この中でも、
水溶解性を考慮すれば、(5Z,13E,9S,11R)−9,11−ジ
ヒドロキシ−5,1−3−プロスタジエン酸のNa塩を含有
する眼圧降下剤が特に好ましい製剤である。
尚、式: で示される(5Z,13E,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−
5,13−プロスタジエン酸またはそのメチルエステルはゴ
ールマン(Gorman)らのProc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.74
巻,,4007−4011に記載されているが、その緑内症治
療薬としての用途は記載されておらず、示唆すらされて
いない。
上記式中、カルボン酸部は、遊離カルボン酸、その製
薬上許容しうる塩(アルカリ金属塩、例えばリチウム
塩、ナトリウム塩もしくはカリウム塩など、アルカリ土
類金属塩、例えばカルシウム塩など、アンモニウム塩、
有機塩基、例えばトリエチルアミン、2−アミノブタ
ン、tert−ブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミ
ン、n−ブチルメチルアミン、n−ブチルジメチルアミ
ン、トリ−n−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミ
ン、N−イソプロピルシクロヘキシルアミン、トロメタ
ミン、フルフリルアミン、ベンジルアミン、メチルベン
ジルアミン、ジベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジ
ルアミン、2−クロロベンジルアミン、4−メトキシベ
ンジルアミン、1−ナフチレンメチルアミン、ジフェニ
ルベンジルアミン、トリフェニルアミン、1−ナフチル
アミン、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラ
セン、デヒドロアビエチルアミン、N−メチルモルホリ
ンもしくはピリジンなど、またはアミノ酸塩、例えばリ
ジンもしくはアルギニンなど)、または低級アルキルエ
ステル(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、tert−ブチルまたはペンチル
エステルなど)のいずれでもよく、低級アルキルエステ
ルはさらに置換されていてもよい。
本発明の種々の化合物は以下の工程により製造するこ
とができる。
式(IV): [式中、Rはヒドロキシ保護基を表し、R2は前記と同意
義である] で示されるラクトンを金属ハライドで還元し、式(II
I): [式中、RおよびR2はそれぞれ前記と同意義である] で示されるラクトール(III)を得、該ラクトール(II
I)とイリドをウィッチヒ(wittig)反応条件下で反応
させ、式(II): [式中、RおよびR2は前記と同意義である] で示される化合物(II)を得た後、該化合物(II)を脱
保護反応、および所望によりエステル形成反応または塩
形成反応に付す。これによりPGF2α型15−デオキシプ
ロスタグランジン誘導体が得られる。ここに、ヒドロキ
シ保護基とは、例えばプロテクティブ・グループス・イ
ン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in
Organic Synthesis,T.W.Greene,John Wiley & Sons,I
nc.,New York,p.10,1981)に記載されている種々の保護
基、特にメチル、メトキシメチル、メチルチオメチル、
2−メトキシエトキシメチル、テトラヒドロピラニル、
1−エトキシエチル、ベンジル、p−メトキシベンジル
などのアルキルエーテル型の保護基;トリエチルシリ
ル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニル
シリルなどのシリルエーテル型の保護基;アセチル、ベ
ンゾイル、p−メチルベンゾイル、o−メトキシベンゾ
イルなどのエステル型の保護基を意味する。
出発物質であるラクトン(IV)は、市販のコリーラク
トンを酸化することにより得られるアルデヒドを出発物
質として以下のようにして製造される。
(i)R2が1−アルケニルである化合物 前記アルデヒドとアルキルトリフェニルホスホニウム
ハライドより得られるイリドとをウィッチヒ反応条件
下、反応させることにより得られる。所望により、シス
−トランス異性化反応に付してもよい。
(ii)R2がアルキルである化合物 (i)で得られたラクトン(IV)を、接触還元条件
下、処理することにより得られる。
(iii)R2が1−アルケニル以外の不飽和アルキルであ
る化合物 前記アルデヒドを、保護されたヒドロキシを有するア
ルキルトリフェニルホスホニウムハライドより得られる
イリドまたはホルミルアルキレントリフェニルホスホラ
ンなどとウィッチヒ反応条件下、反応させる。所望によ
り、接触還元条件下、処理またはシス−トランス異性化
反応に付してもよい。保護されたヒドロキシを有するイ
リドを用いた場合は、脱保護し、ホルミルに酸化する。
このようにして得られたアルデヒドを(i)の方法に従
って処理することにより得ることができる。
PGF2α型化合物以外のPGD2型、PGE2型、PGJ2型およ
びPGA2型15−デオキシプロスタグランジン誘導体は、PG
F2α型15−デオキシプロスタグランジン誘導体を出発
物質として製造することができる。そのフローチャート
を以下に示す。尚、詳細は実施例において説明する。
本発明に係る15−デオキシプロスタグランジン誘導体
は、局所的または全身的に公知の投与方法で投与するこ
とができる。投与に際しては、薬剤を経口的、経動・静
脈内、経皮下的、経筋肉的、経直腸的、経眼的などの投
与方法に適した医薬製剤の形で投与することができる。
また、最近の本発明者らの知見によれば、薬理活性の
面では、カルボン酸部は低級アルキルエステルであるこ
とが望ましいと思われる。しかしながら、カルボン酸部
をエステル化すれば水溶性が低下するので、点眼剤など
への製剤化に際しては、必要に応じて、油性製剤として
供するかまたは界面活性剤の添加によって可溶化を図っ
ても良いし、さらにエステル残基への親水性基[例え
ば、ヒドロキシ、低級アルコキシ(メトキシなど)]の
導入などにより可溶化を図っても良い。
投与量は、目標とする治療目的および効果、投与方法
は、年齢、体重によって変わるので、一概には規定でき
ないが、通常、経口投与の場合、1日あたり、約200μg
/kg〜約20mg/kgであり、好ましくは、約1mg/kg〜約10mg
/kgである。緑内障治療剤として経眼的に投与する場合
には、通常、約0.01μg〜約1000μg/eye/day、好まし
くは約0.1μg〜約200μg/eye/dayであり、これを1〜
5回に分割して使用すれば良い。
実施例 以下に、本発明をさらに詳細に説明するため、実施例
を記載して本発明化合物の製造方法を明らかにする。し
かし、これらは本発明の範囲の限定を意図するものでは
ない。
実施例1 (1S,6R,7R)−2−オキサ−3−オキソ−6−[(1Z)
−オクテニル]−7−テトラヒドロピラニルオキシ−シ
ス−ビシクロ[3.3.0]オクタン 2 臭化ヘプチルトリフェニルホスホニウム(3.78g、8.5
8mmole)をテトラヒドロフラン(23ml)に懸濁し、これ
に氷冷下で第三ブトキシカリウム(0.873g、7.79mmol
e)を加え、同温で10分間撹拌する。こうして得た深橙
色の混合物を−78℃に冷却し、コリー(Corey)ラクト
ンから[E.J.Corey,H.Shirahama.H.Yamamoto,S.Terashi
ma,A.Venkateswarlu and T.K.Schaaf,J.Am.Chem.Soc.,9
3,1490(1971)]文献記載の方法により得た(1S,6R,7
R)−2−オキサ−3−オキソ−6−ホルミル−7−テ
トラヒドロピラニルオキシ−シス−ビシクロ[3.3.0]
オクタン1(0.99g、3.89mmole)のテトラヒドロフラン
(10ml)溶液を加える。冷却浴を取除き、反応混合物を
撹拌しながら30分かけて室温に戻す。室温でさらに1時
間撹拌した後は、塩化アンモニウム水溶液を加える。混
合物を減圧下で濃縮し、残渣をエーテル−酢酸エチル
(2:1)で抽出する。抽出液を希塩酸、炭酸水素ナトリ
ウム水溶液、食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥し、溶媒を留去する。こうして得た褐色の
半固体(3.1g)をシリカゲル(39g)のカラムにかけ酢
酸エチル−n・ヘキサン(1:7〜1:3)で溶出して粗生成
物(600mg)を得る。これをさらにローバーカラム(酢
酸エチル−n・ヘキサン=1:3)で精製して標題化合物
(484mg、収率37%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.1〜3.05
(m,22H)、3.50(m,1H)、3.8〜4.1(m,2H)、4.67
(m,1H)、5.05(m,2H)、5.50(m,1H)、 IR(CHCl3);1765cm-1
実施例2 (1S,6R,7R)−2−オキサ−3−オキソ−6−[(1E)
−オクテニル]−7−テトラヒドロピラニルオキシ−シ
ス−ビシクロ[3.3.0]オクタン 3 先に得た化合物(336mg、1mmole)をベンゼン(15m
l)に溶かし、5−メルカプト−1−メチルテトラゾー
ル ジスルフィド(115mg、0.5mmole)およびα,α′
−アゾビスイソブチロニトリル(16mg、0.1mmole)を加
え、還流下10時間加熱撹拌する。反応混合物を炭酸ナト
リウム水溶液、次いで食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した後、溶媒を留去する。こうして得た無色
油状物質(400mg)をシリカゲル(10g)のカラムにか
け、酢酸エチル−n・ヘキサン(1:7〜1:5)で溶出して
粗生成物(260mg)を得る。これをさらにローバーカラ
ム(酢酸エチルn・ヘキサン=1:3)で精製して、標題
化合物(202mg、60%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.1〜2.8
(m,22H)、3.50(m,1H)、3.7〜4.2(m,2H)、4.68
(m,1H)、4.95(m,1H)、5.25(m,1H)、5.50(m,1
H)、 IR(CHCl3);1765cm-1
実施例3 (5Z,13E,9S,11R)−9−ヒドロキシ−11−テトラヒド
ロピラニルオキシ−5,13−プロスタジエン酸 5 先に得た化合物(336mg、1mmole)をトルエン(12m
l)に溶かし、−78℃で1M水素化ジイソブチルアルミニ
ウム−トルエン溶液(1.1ml、1.1mmole)を加える。こ
の反応液を同温で1時間撹拌した後、塩化アンモニウム
水溶液を加え、室温に戻す。反応混合物を酢酸エチルで
抽出し、抽出液を食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウム
で乾燥後、溶媒留去する。残渣(340mg)をシリカゲル
(3.4g)のカラムにかけて酢酸エチル−n・ヘキサン
(1:2)で溶出して、無色油状のラクトール4(314mg、
93%)を得る。IR(CHCl3);3610、3390cm-1。臭化4−
カルボキシブチルトリフェニルホスホニウム(1.219g、
2.76mmole)をテトラヒドロフラン(15ml)に懸濁し、
氷冷下で第三ブトキシカリウム(680mg、6.07mmole)を
加え同温で10分間撹拌する。こうして得た赤色の混合物
を−30℃に冷却し、これに上で得たラクトール4(310m
g、0.92mmole)のテトラヒドロフラン(6ml)溶液を加
える。冷却浴を取除き、反応混合物を撹拌しながら室温
に戻しさらに1時間撹拌する。生じた黄色混合物に塩化
アンモニウム水溶液を加え、減圧下で濃縮する。残渣に
氷水を加え、冷却下希塩酸を加えて酸性化(pH4〜5)
し、酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル溶液を炭酸ナト
リウム水溶液で抽出し、水層を冷却下塩酸で再び酸性化
(pH4〜5)した後、塩化メチレン−酢酸エチル(2:1)
で抽出する。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
溶媒留去して半結晶(790mg)を得る。これにエチルエ
ーテルを加え、可溶部を濾過して取り、溶媒留去後、粗
生成物(288mg)を得る。これをケイ酸(8.6g)のカラ
ムにかけ、酢酸エチル−n・ヘキサン(1:10〜1:3)で
溶出し標題化合物(234mg、60%)を無色油状物質と
して得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.2〜2.5
(m,30H)、3.45(m,1H)、3.85(m,1H)、4.07(m,2
H)、4.69(m,1H)、5.2〜5.6(m,4H)、 IR(CHCl3);3500、2700〜2400(broad)、1705c
m-1
実施例4 (5Z,13E,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−5,13−プロ
スタジエン酸 6 先に得た化合物(205mg、0.485mmole)を酢酸−水
−テトラヒドロフラン(65:35:10)の混液(4ml)に溶
かし、40〜45℃で1時間半加熱撹拌した後、減圧下で蒸
発乾固する。残渣(184mg)をケイ酸(5.5g)のカラム
にかけ酢酸エチル−n・ヘキサン(1:5〜1:1)で溶出し
て標題化合物(149mg、91%)を無色油状物として得
た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hs,3H)、1.2〜2.5
(m,22H)、3.94(m,1H)、4.17(m,1H)、4.0〜4.8(b
road,3H)、5.2〜5.6(m,4H)、 IR(CHCl3);3400、2700〜2400(broad)、1705c
m-1
実施例5 (5Z,13E,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−5,13−プロ
スタジエン酸 メチルエステル 7 先に得た化合物(104mg、0.307mmole)をアセトニ
トリル(5ml)に溶かし、1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]−7−ウンデセン(70μ、0.46mmole)を加え室温
で15分間撹拌する。次いでヨウ化メチル(0.19ml、3mmo
le)を加え室温で5時間撹拌した後、減圧下濃縮する。
残渣に水を加え酢酸エチルで抽出し、抽出液を順次、希
塩酸、亜硫酸ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を留去して得た残渣
(113mg)をローバーカラム(酢酸エチル−n・ヘキサ
ン=1:1)で精製して標題化合物(103mg、95%)を無
色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.2〜2.4
(m,24H)、3.67(s,3H)、3.92(m,1H),4.17(m,1
H)、5.18〜5.61(m,4H)、 IR(CHCl3);3450、1720cm-1
実施例6 (5Z,13E,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−5,13−プロ
スタジエン酸 イソプロピルエステル 8 先に得た化合物(33mg、0.1mmole)をアセトニトリ
ル(1ml)に溶かし、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−
7−ウンデセン(40μ、0.3mmole)を加え、次いでヨ
ウ化イソプロピル(90μ、1mmole)を加え、実施例5
と同様に処理して標題化合物(36mg、95%)を無色油
状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.22(d,J=
6Hz,6H)、1.25〜2.35(m,24H)、3.92(m,1H)、4.17
(m,1H)、5.00(sept,J=6Hz,1H)、5.18〜5.60(m,4
H)、 IR(CHCl3);3450、1720cm-1
実施例7 化合物にかかる安定性を示唆する実験[(5Z,13E,9S,
11R)−9,11−ジヒドロキシ−5,13−プロスタジエン酸
6の生成] 先に得た化合物(73mg、0.207mmole)をメタノール
(2ml)に溶かし、1N水酸化カリウム水溶液(1ml)を加
え、還流下1時間加熱撹拌する。減圧下で濃縮してメタ
ノールを除き、残渣の水溶液をエチルエーテルで洗浄す
る。水溶液を冷却下希塩酸を加えて酸性化し、酢酸エチ
ルで抽出する。抽出液を食塩水で洗浄、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、溶媒留去して粗生成物(70mg)を得
る。これをケイ酸(2g)のカラムにかけ酢酸エチル−n
・ヘキサン(1:1)で溶出して標題化合物(68mg、97
%)を無色油状物質として得た。
上記の反応は下記反応式で表される。
実施例8 (1S,6R,7R)−2−オキサ−3−オキソ−6−[(1Z)
−デセニル]−7−テトラヒドロピラニルオキシ−シス
−ビシクロ[3.3.0]オクタン 2′ 臭化ノニルトリフェニルホスホニウム(3.85g、8.20m
mole)をテトラヒドロフラン(25ml)に懸濁し、これに
氷冷下で第三ブトキシカリウム(0.836g、7.46mmole)
を加え、同温で10分間撹拌する。こうして得た深橙色の
混合物を−78℃に冷却し、先に得た化合物(0.95g、
3.74mmole)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液を加え
る。この後、実施例1の場合と同様に処理を行い標題化
合物2′’(573mg、42%]を無色油状物質として得
た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.1〜3.05
(m,26H)、3.50(m,1H)、3.8〜4.1(m,2H)、4.68
(m,1H)、5.05(m,2H)、5.50(m,1H)、 IR(CHCl3);1765cm-1
実施例9 (1S,6R,7R)−2−オキサ−3−オキソ−6−[(1E)
−デセニル]−7−テトラヒドロピラニルオキシ−シス
−ビシクロ[3.3.0]オクタン 3′ 先に得た化合物2′(566mg、1.55mmole)をベンゼン
(30ml)に溶かし、5−メルカプト−1−メチルテトラ
ゾール ジスルフィド(180mg、0.78mmole)およびα,
α′−アゾビスイソブチロニトリル(25mg、0.15mmol
e)を加え、還流下2時間半加熱撹拌する。この後、実
施例2の場合と同様に処理を行い標題化合物3′(383m
g、67%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.1〜2.85
(m,26H)、3.50(m,1H)、3.75〜4.15(m,2H)、4.68
(m,1H)、4.97(m,1H)、5.25(m,1H)、5.50(m,1
H)、 IR(CHCl3);1765cm-1
実施例10 (5Z,13E,9S,11R)−20−エチル−9−ヒドロキシ−11
−テトラヒドロピラニルオキシ−5,13−プロスタジエン
酸 5′ 先に得た化合物3′(398mg、1.09mmole)をトルエン
(14ml)に溶かし、−78℃で1M水素化ジイソブチルアル
ミニウム−トルエン溶液(1.2ml、1.2mmole)を加え
る。この後、実施例3の場合と同様に処理を行いラクト
ール4′(395mg、98%)を無色油状物質として得る。I
R(CHCl3);3600、3390cm-1。臭化4−カルボキシブチ
ルトリフェニルホスホニウム(1.409g、3.18mmole)を
テトラヒドロフラン(15ml)に懸濁し、氷冷下で第三ブ
トキシカリウム(780mg、6.99mmole)を加え同温で10分
間撹拌する。こうして得た赤色の混合物を−30℃に冷却
し、これに上で得たラクトール4′(388mg、1.06mmol
e)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液を加える。この
後、実施冷3の場合と同様に処理を行い標題化合物5′
(304mg、64%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.1〜2.5
(m,34H)、3.45(m,1H)、3.85(m,1H)、4.07(m,2
H)、4.70(m,1H)、5.2〜5.6(m,4H)。
IR(CHCl3);3512、2700〜2400(broad)、1708c
m-1
実施例11 (5Z,13E,9S,11R)−20−エチル−9,11−ジヒドロキシ
−5,13−プロスタジエン酸 6′ 先に得た化合物5′(297mg、0.66mmole)を酢酸−水
−テトラヒドロフラン(65:35:10)の混液(6ml)に溶
かし、40〜45℃で2時間加熱撹拌する。この後、実施例
4の場合と同様に処理を行い標題化合物6′(194mg、8
0%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.2〜2.4
(m,26H)、3.93(m,1H)、4.18(m,1H)、3.4〜4.5(b
road,3H)、5.15〜5.60(m,4H)。
IR(CHCl3);3400、2700〜2400(broad)、1705c
m-1
実施例12 (5Z,13E,9S,11R)−20−エチル−9,11−ジヒドロキシ
−5,13−プロスタジエン酸 イソプロピルエステル
8′ 先に得た化合物6′(37mg、0.1mmole)をアセトニト
リル(1ml)に溶かし、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]
−7−ウンデセン(75μ、0.5mmole)、ヨウ化イソプ
ロピル(0.29ml、3mmole)を順次加える。この後、実施
例5と同様に処理して標題化合物8′(35mg、85%)を
無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.22(d,J=
6Hz,6H)、1.25〜2.40(m,28H)、3.92(m,1H)、4.18
(m,1H)、5.01(sept,J=6Hz,1H)、5.15〜5.60(m,4
H)。
IR(CHCl3);3500、1715cm-1
既述した、実施例1から12に係る一連の反応を系統的
に以下に示す。
実施例13 (1S,6R,7R)−2−オキサ−3−オキソ−6−オクチル
−7−テトラヒドロピラニルオキシ−シス−ビシクロ
[3.3.0]オクタン 9 先に得た化合物(405mg、1.20mmole)をメタノール
(10ml)に溶かし、5%パラジウム−炭素(80mg)を加
え、一気圧の水素の下で1時間撹拌する。濾過、次いで
溶媒を留去し、残渣(405mg)をシリカゲル(4g)のカ
ラムにかけ酢酸エチル−n・ヘキサン(1:10〜1:3)で
溶出して標題化合物(393mg、97%)を無色油状物質
として得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.1〜2.9
(m,26H)、3.50(m,1H)、3.75〜4.15(m,2H)、4.66
(m,1H)、5.01(m,1H)。
IR(CHCl3);1764cm-1
実施例14 (5Z,9S,11R)−9−ヒドロキシ−11−テトラヒドロピ
ラニルオキシ−5−プロステン酸 11 先に得た化合物(378mg、1.12mmole)をトルエン
(12ml)に溶かし、−78℃で1M水素化ジイソブチルアル
ミニウム−トルエン溶液(1.23ml、1.23mmole)を加え
る。この後、実施例3の場合と同様に処理を行いラクト
ール10(370mg、97%)を無色油状物質として得る。IR
(CHCl3);3594、3384cm-1。臭化4−カルボキシブチル
トリフェニルホスホニウム(1.427g、3.21mmole)をテ
トラヒドロフラン(15ml)に懸濁し、氷冷下で第三ブト
キシカリウム(794mg、7.06mmole)を加え同温で10分間
撹拌する。こうして得た赤色混合物を−30℃に冷却し、
これに上で得たラクトール10(365mg、1.07mmole)のテ
トラヒドロフラン(7ml)溶液を加える。この後、実施
例3の場合と同様に処理を行い標題化合物11(317mg、7
0%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.1〜2.45
(m,34H)、3.50(m,1H)、3.85(m,1H)、4.06(m,2
H)、4.69(m,1H)、5.3〜5.6(m,2H)。
IR(CHC3);3512、2700〜2400(broad)、1708cm-1
実施例15 (5Z,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−5−プロステン
酸 12 先に得た化合物11(220mg、0.518mmole)を酢酸−水
−テトラヒドロフラン(65:35:10)の混液(4ml)に溶
かし、40〜45℃で1時間半加熱撹拌する。この後、実施
例4の場合と同様に処理を行い標題化合物12(156mg、8
8%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.1〜2.45
(m,26H)、3.96(m,1H)、4.18(m,1H)、3.6〜4.9(b
road,3H)、5.3〜5.6(m,2H)。
IR(CHCl3);3664、3432、2700〜2400(broad)、170
7cm-1
実施例16 (5Z,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−5−プロステン
酸 イソプロピルエステル 13 先に得た化合物12(80mg、0.235mmole)をアセトニト
リル(3ml)に溶かし、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]
−7−ウンデセン(0.21ml、1.4mmole)、次いでヨウ化
イソプロピル(0.69ml、7.0mmole)を加える。この後、
実施例5の場合と同様に処理を行い標題化合物13(82m
g、91%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.22(d,J=
6Hz,6H)、1.2〜2.45(m,28H)、3.95(m,1H)、4.18
(m,1H)、5.01(sept,J=6Hz,1H)、5.3〜5.6(m,2
H)。
IR(CHCl3);3512、1716cm-1
既述した、実施例13から16に係る一連の反応を系統的
に以下に示す。
実施例17 (1S,6R,7R)−2−オキサ−3−オキソ−6−[7−第
三ブチルジメチルシリルオキシ−(1Z)−ヘプテニル]
−7−テトラヒドロピラニルオキシ−シス−ビシクロ
[3.3.0]オクタン 14 臭化(6−第三ブチルジメチルシリルオキシヘキシ
ル)トリフェニルホスホニウム(2.56g、4.59mmole)を
テトラヒドロフラン(26ml)に溶かし、これに氷冷下で
第三ブトキシカリウム(467mg、4.17mmole)を加え、同
温で10分間撹拌する。こうして得た深橙色の混合物を−
78℃に冷却した。先に得た化合物(530mg、2.08mmol
e)のテトラヒドロフラン(6ml)溶液を加える。この
後、実施例1の場合と同様の処理を行い標題化合物14
(520mg、55%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.05(s,6H)、0.89(s,9H)、1.2
〜3.0(m,20H)、3.48(m,1H)、3.60(t,J=7Hz,2
H)、3.76〜4.07(m,2H)、4.68(m,1H)、4.9〜5.15
(m,2H)、5.48(m,1H)。
IR(CHCl3);1765cm-1
実施例18 (1S,6R,7R)−2−オキサ−3−オキソ−6−(7−第
三ブチルジメチルシリルオキシヘプチル)−7−テトラ
ヒドロピラニルオキシ−シス−ビシクロ[3.3.0]オク
タン 15 先に得た化合物14(335mg。0.741mmole)をメタノー
ル(10m)に溶かし、5%パラジウム−炭素(67mg)
を加え、一気圧の水素の下で1時間撹拌する。濾過し、
濾液を減圧下溶媒留去して標記化合物15(320mg、95
%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.05(s,6H)、0.89(s,9H)、1.2
〜2.9(m,24H)、3.49(m,1H)、3.60(t,J=7Hz,2
H)、3.75〜4.15(m,2H)、4.65(m,1H)、5.01(m,1
H)。
IR(CHCl3);1764cm-1
実施例19 (1S,6R,7R)−2−オキサ−3−オキソ−6−(7−ヒ
ドロキシヘプチル)−7−テトラヒドロピラニルオキシ
−シス−ビシクロ[3.3.0]−オクタン 16 先に得た化合物15(320mg、0.704mmole)をテトラヒ
ドロフラン(4ml)に溶かし、1Mフッ化テトラブチルア
ンモニウム−テトラヒドロフラン溶液(0.845ml、0.845
mmole)を室温で加え同温で3時間撹拌する。冷却下酢
酸(40μl、0.668mmole)を加えた後、反応混合物を減
圧下で蒸発乾固する。残渣をシリカゲル(7.2g)のカラ
ムにかけ、酢酸エチル−n・ヘキサン(1:3〜1:2)で溶
出して標題化合物16(224mg、93%)を得た。
NMR(CDCl3);δ1.1〜2.9(25H)、3.50(m,1H)、
3.64(t,J=7Hz,2H)、3.75〜4.15(m,2H)、4.65(m,1
H)、5.01(m,1H)。
IR(CHCl3);3622、3468、1764cm-1
実施例20 (1S,6R,7R)−2−オキサ−3−オキソ−6−(6−ホ
ルミルヘキシル)−7−テトラヒドロピラニルオキシ−
シス−ビシクロ[3.3.0]オクタン 17 塩化オキサリル(35μ、0.4mmole)を塩化メチレン
(1ml)に溶かし、−60℃でジメチルスルホキシド(57
μ、0.8mmole)の塩化メチレン(1ml)溶液を加え同
温で10分間撹拌する。これに先に得た化合物16(68mg、
0.2mmole)の塩化メチレン(2ml)溶液を加え、次いで
トリエチルアミン(0.11ml、0.8mmole)を加えた後、冷
却浴を取除く。反応温度を徐々に0℃に上げ、生じた白
色懸濁液に水を加え塩化メチレンで抽出する。抽出液を
順次、希塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留去して標題
化合物17(68mg、定量的)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ1.1〜2.9(m,24H)、3.50(m,1
H)、3.75〜4.15(m,2H)、4.64(m,1H)、5.01(m,1
H)、9.77(t,J=2Hz,1H)。
IR(CHCl3);2726、1764、1720cm-1
実施例21 (1S,6R,7R)−2−オキサ−3−オキソ−6−(7−オ
クテニル)−7−テトラヒドロピラニルオキシ−シス−
ビシクロ[3.3.0]オクタン 18 臭化メチルトリフェニルホスホニウム(642mg、1.79m
mole)をテトラヒドロフラン(4ml)に懸濁し、氷冷下
1.6M n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(1.0ml、1.6mm
ole)を加え同温で10分間撹拌する。こうして得た黄色
混合物を−78℃に冷却し、先に得た化合物17(66mg、0.
195mmole)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液を加え
る。この後、実施例1の場合と同様に処理を行い標題化
合物18(24mg、37%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ1.1〜3.05(m,24H)、3.50(m,1
H)、3.75〜4.17(m,2H)、4.64(m,1H)、4.87〜5.10
(m,3H)、5.80(m,1H)。
IR(CHCl3);1761、1639cm-1
実施例22 (5Z,9S,11R)−9−ヒドロキシ−11−テトラヒドロピ
ラニルオキシ−5,19−プロスタジエン酸 20 先に得た化合物18(62mg、0.184mmole)をトルエン
(2ml)に溶かし、−78℃で1M水素化ジイソブチルアル
ミニウム−トルエン溶液(0.20ml、0.20mmole)を加え
る。この後、実施例3の場合と同様に処理を行いラクト
ール19(50mg、80%)を得る。IR(CHCl3);3590、338
0、1640cm-1。臭化4−カルボキシブチルトリフェニル
ホスホニウム(196mg、0.442mmole)をテトラヒドロフ
ラン(2ml)に懸濁し、氷冷下で第三ブトキシカリウム
(99mg、0.884mmole)を加え同温で10分間撹拌する。こ
うして得た深橙色混合物を−30℃に冷却し、上で得たラ
クトール19(50mg、0.148mmole)のテトラヒドロフラン
(1ml)溶液を加える。この後、実施例3の場合と同様
に処理を行い標題化合物20(34mg、55%)を無色油状物
質として得た。
NMR(CDCl3);δ1.0〜2.5(m,32H)、3.50(m,1
H)、3.84(m,1H)、4.05(m,2H)、4.67(m,1H)、4.9
0〜5.10(m,2H)、5.30〜5.65(m,2H)、5.80(m,1
H)。
IR(CHCl3);3500、2700〜2400(broad)、1705、164
0cm-1
実施例23 (5Z,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−5,19−プロスタ
ジエン酸 21 先に得た化合物20(31mg、0.073mmole)を酢酸−水−
テトラヒドロフラン(65:35:10)の混液(1ml)に溶か
し、40〜45℃で1時間15分加熱撹拌する。この後、実施
例4と同様の処理を行い、標題化合物21(22mg、89%)
を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ1.0〜2.5(m,24H)、3.96(m,1
H)、4.17(m,1H)、3.6〜3.8(broad,3H)、4.90〜5.1
0(m,2H)、5.30〜5.60(m,2H)、5.80(m,1H)。
IR(CHCl3);3450、2700〜2400(broad)、1708、164
0cm-1
既述した、実施例17から23に係る一連の反応を系統的
に以下に示す。
実施例24 (1S,6R,7R)−2−オキサ−3−オキソ−6−[2−ホ
ルミル−(1E)−エテニル]−7−テトラヒドロピラニ
ルオキシ−シス−ビシクロ[3.3.0]オクタン 22 先に得た化合物(4.0g、15.73mmole)およびトリフ
ェニルホスホラニリデンアセトアルデヒド(5.75g、18.
88mmole)をベンゼン(50ml)に溶かし、還流下1時間
半加熱撹拌した後、溶媒を留去する。残渣をローバーカ
ラム(酢酸エチル:n−ヘキサン=7:3)で精製して標題
化合物22(3.29g、59%)を淡黄色油状物質として得
た。
NMR(CDCl3);δ1.40〜1.80(m,6H)、2.25〜3.00
(m,6H)、3.35〜3.60(m,1H)、3.70〜3.95(m,1H)、
4.00〜4.30(m,1H)、4.66(m,1H)、5.02(m,1H)、6.
18、6.70(各dd,J=8Hz,16Hz,各1H)、9.54(d,J=8Hz,
1H)。
実施例25 (1S,6R,7R)−2−オキサ−3−オキソ−6−(2−ホ
ルミルエチル)−7−テトラヒドロピラニルオキシ−シ
ス−ビシクロ[3.3.0]オクタン 23 先に得た化合物22(3.0g、10.70mmole)を酢酸エチル
(60ml)に溶かし、10%パラジウム−炭素(0.3g)を加
え一気圧の水素の下で30分間撹拌する。濾過し、濾液の
溶媒を留去して標題化合物23(3.0g、99%)を得た。
NMR(CDCl3);δ1.40〜1.80(m,6H)、2.20〜2.90
(m,10H)、3.40〜3.60(m,1H)、3.70〜4.10(m,2
H)、4.64(m,1H)、4.98(m,1H)、9.80(s,1H)。
実施例26 (1S,6R,7R)−2−オキサ−3−オキソ−6−[(3Z)
オクテニル]−7−テトラヒドロピラニルオキシ−シス
−ビシクロ[3.3.0]オクタン 24 臭化ペンチルトリフェニルホスホニウム(8.27g、20m
mole)をテトラヒドロフラン(50ml)に懸濁し、氷冷下
で第三ブトキシカリウム(2.69g、24mmole)を加え同温
で30分間撹拌する。こうして得た深橙色の混合物を−78
℃に冷却し、先に得た化合物23(2.82g、10mmole)のテ
トラヒドロフラン(10ml)溶液を加える。この後、実施
例1の場合と同様に処理を行い標題化合物24(2.0g、60
%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.90(t,J=7Hz,3H)、1.20〜2.90
(m,22H)、3.52(m,1H)、3.75〜4.12(m,2H)、4.66
(m,1H)、5.02(m,1H)、5.35(m,2H)。
実施例27 (1S,6R,7R)−2−オキサ−3−オキソ−6−[(3E)
−オクテニル]−7−テトラヒドロピラニルオキシ−シ
ス−ビシクロ[3.3.0]オクタン 25 先に得た化合物24(1.30g、3.86mmole)をベンゼン
(20ml)に溶かし、5−メルカプト−1−メチルテトラ
ゾール ジスルフィド(0.44g、1.93mmole)およびα,
α′−アゾビスイソブチロニトリル(63mg、0.386mmol
e)を加え、還流下2時間加熱撹拌する。この後、実施
例2の場合と同様に処理を行い標題化合物25(1.05g、8
0%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.89(t,J=7Hz,3H)、1.20〜2.90
(m,22H)、3.52(m,1H)、3.75〜4.12(m,2H)、4.66
(m,1H)、5.02(m,1H)、5.39(m,2H)。
実施例28 (5Z,15E,9S,11R)−9−ヒドロキシ−11−テトラヒド
ロピラニルオキシ−5,15−プロスタジエン酸 27 先に得た化合物25(336mg、1.0mmole)をトルエン(1
2ml)に溶かし、−78℃で1M水素化ジイソブチルアルミ
ニウム−トルエン溶液(1.1ml、1.1mmole)を加える。
この後、実施例3の場合と同様に処理を行いラクトール
26(285mg、84%)を得る。IR(CHCl3);3600、3400cm
-1。臭化4−カルボキシブチルトリフェニルホスホニウ
ム(1.12g、2.53mmole)をテトラヒドロフラン(15ml)
に懸濁し、氷冷下で第三ブトキシカリウム(623mg、5.5
6mmole)を加え同温で30分間撹拌する。こうして得た赤
色の混合物を−30℃に冷却し、これに上で得たラクトー
ル26(285mg、0.843mmole)のテトラヒドロフラン(6m
l)溶液を加える。この後、実施例3の場合と同様に処
理を行い標題化合物27(210mg、59%)を無色油状物質
として得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.20〜2.40
(m,30H)、3.55(m,1H)、3.87(m,1H)、4.00〜4.28
(m,2H)、4.70(m,1H)、5.42(m,4H)。
実施例29 (5Z,15E,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−5,15−プロ
スタジエン酸 28 先に得た化合物27(200mg、0.474mmole)を酢酸−水
−テトラヒドロフラン(65:35:10)の混液(3ml)に溶
かし、40〜45℃で1時間半加熱撹拌する。この後、実施
例4の場合と同様に処理を行い標題化合物28(128mg、8
0%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.89(t,J=7Hz,3H)、1.20〜2.30
(m,20H)、2.32(t,J=6Hz,2H)、3.95(broad s,1
H)、4.14(broad s,1H)、4.4〜6.1(broad,3H)、5.4
3(m,4H)。
IR(CHCl3);3490、2700〜2400(broad)、1708c
m-1
実施例30 (5Z,15E,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−5,15−プロ
スタジエン酸 イソプロピルエステル 29 先に得た化合物28(237mg、0.70mmole)をアセトニト
リル(3ml)に溶かし、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]
−7−ウンデセン(0.178ml、1.2mmole)およびヨウ化
イソプロピル(0.12ml、1.2mmole)を加えて、室温で15
時間撹拌する。この後、実施例5の場合と同様に処理を
行い標題化合物29(266mg、定量的)を無色油状物質と
して得た。
NMR(CDCl3);δ0.89(t,J=7Hz,3H)、1.23(d,J=
6Hz,6H)、1.20〜2.25(m,22H)、2.30(t,J=6Hz,2
H)、3.97(broad s,1H)、4.18(broad s,1H)、5.01
(sept,J=6Hz,1H)、5.43(m,4H)。
IR(CHCl3);3496、1714cm-1
実施例31 (1S,6R,7R)−2−オキサ−3−オキソ−6−[(3Z)
−デセニル]−7−テトラヒドロピラニルオキシ−シス
−ビシクロ[3.3.0]オクタン 24′ 臭化ヘプチルトリフェニルホスホニウム(10.94g、2
4.8mmole)をテトラヒドロフラン(50ml)に懸濁し、氷
冷下で第三ブトキシカリウム(3.33g、29.76mmole)を
加え同温で30分間撹拌する。こうして得た深橙色の混合
物を−78℃に冷却し、先に得た化合物23(3.5g、12.4mm
ole)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液を加える。こ
の後、実施例1の場合と同様に処理を行い標題化合物2
4′(2.09g、46%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.89(t,J=7Hz,3H)、1.20〜2.80
(m,26H)、3.40〜3.60(m,1H)、3.60〜4.18(m,2
H)、4.66(m,1H)、5.02(m,1H)、5.36(m,2H)。
実施例32 (1S,6R,7R)−2−オキサ−3−オキソ−6−[(3E)
−デセニル]−7−テトラヒドロピラニルオキシ−シス
−ビシクロ[3.3.0]オクタン 25′ 先に得た化合物24′(1.0g、2.74mmole)をベンゼン
(20ml)に溶かし、5−メルカプト−1−メチルテトラ
ゾール ジスルフィド(316mg、1.37mmole)およびα,
α′−アゾビスイソブチロニトリル(45mg、0.274mmol
e)を加え、還流下2時間加熱撹拌する。この後、実施
例2の場合と同様に処理を行い標題化合物25′(320m
g、32%)を得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.20〜2.85
(m,26H)、3.40〜3.55(m,1H)、3.75〜3.96(m,1
H)、4.16〜4.20(m,1H)、4.66(m,1H)、5.02(m,1
H)、5.40(m,2H)。
実施例33 (5Z,15E,9S,11R)−20−エチル−9−ヒドロキシ−11
−テトラヒドロピラニルオキシ−5,15−プロスタジエン
酸 27′ 先に得た化合物25′(550mg、1.51mmole)をトルエン
(20ml)に溶かし、−78℃で1M水素化ジイソブチルアル
ミニウム−トルエン溶液(1.66ml、1.66mmole)を加え
る。この後、実施例3の場合と同様に処理を行いラクト
ール26′(550mg、99%)を得る。IR(CHCl3);3600、3
400cm-1
臭化4−カルボキシブチルトリフェニルホスホニウム
(1.33g、3.0mmole)をテトラヒドロフラン(15ml)に
懸濁し、氷冷下で第三ブトキシカリウム(672mg、6.0mm
ole)を加え同温で30分間撹拌する。こうして得た赤色
の混合物を−30℃に冷却し、これに上で得たラクトール
26′(550mg、1.50mmole)のテトラヒドロフラン(15m
l)溶液を加える。この後、実施例3の場合と同様に処
理を行い標題化合物27′(484mg、72%)を無色油状物
質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.89(t,J=7Hz,3H)、1.20〜2.42
(m,34H)、3.55(m,1H)、3.88(m,1H)、4.00〜4.30
(m,2H)、4.71(m,1H)、5.42(m,4H)。
実施例34 (5Z,15E,9S,11R)−20−エチル−9,11−ジヒドロキシ
−5,15−プロスタジエン酸 28′ 先に得た化合物27′(242mg、0.537mmole)を酢酸−
水−テトラヒドロフラン(65:35:10)の混液(3ml)に
溶かし、40〜45℃で1時間半加熱撹拌する。この後、実
施例4の場合と同様に処理を行い標題化合物28′(87m
g、44%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.20〜2.30
(m,24H)、2.36(t,J=7Hz,2H)、3.98(broad s,1
H)、4.17(broad s,1H)、4.1〜5.3(broad,3H)、5.4
2(m,4H)、 IR(CHCl3);3498、2700〜2400(broad)、1708c
m-1
実施例35 (5Z,15E,9S,11R)−20−エチル−9,11−ジヒドロキシ
−5,15−プロスタジエン酸 イソプロピルエステル 2
9′ 先に得た化合物28′(87mg、0.237mmole)をアセトニ
トリル(2ml)に溶かし、1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]−7−ウンデセン(0.716ml、4.8mmole)およびヨウ
化イソプロピル(0.24ml、2.4mmole)を加え、室温で16
時間撹拌する。この後、実施例5の場合と同様に処理を
行い標題化合物29′(62mg、64%)を無色油状物質とし
て得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.22(d,J=
6Hz,6H)、1.20〜2.30(m,26H)、2.29(t,J=7Hz,2
H)、3.96(broad s,1H)、4.17(broad s,1H)、5.01
(sept,J=6Hz,1H)、5.43(m,4H)。
IR(CHCl3);3504、1714cm-1
既述した、実施例24から35に係る一連の反応を系統的
に以下に示す。
実施例36 (5Z,13E,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−5,13−プロ
スタジエン酸ナトリウム 先に得た(5Z,13E,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−
5,13−プロスタジエン酸6(169mg,0.5mmole)を1N水酸
化ナトリウム水溶液(0.475ml,0.475mmole)に溶かし、
純水(4ml)を加えて希釈した後、濾過する。濾液を8
時間かけて凍結乾燥し、無色結晶(194mg)を得る。ジ
イソプロピルエーテルを加え、結晶を粉砕、濾取し、ジ
イソプロピルエーテルで洗浄して、標題化合物(153mg,
85%)を無色結晶として得た。
M.p.40〜43℃ NMR(CD3OD);δ0.89(t,J=7Hz,3H)、1.2〜2.4
(m,22H)、3.77(m,1H)、4.07(m,1H)、5.19〜5.60
(m,4H)。
IR(Nujol):3350、1565、1550、1425cm-1
元素分析、理論値:C20H33O4Na・1.5H2O:C,61.83;H,9.
34;Na,5.90,実測値:C,62.14;H,9.44;Na,5.94%。
実施例37 (5Z,13E,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−5,13−プロ
スタジエン酸 p−メトキシベンジルアンモニウム 先に得た(5Z,13E,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−
5,13−プロスタジエン酸6(208mg,0.615mmole)を乾燥
したジエチルエーテル(3ml)に溶かし、p−メトキシ
ベンジルアミン(85μ,0.645mmole)を加える。生成
した結晶を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄して無色結
晶(278mg)を得る。これをジクロロメタン−ジエチル
エーテルから再結晶して、標題化合物(245mg,84%)を
無色結晶として得た。
M.p.101〜104℃。
NMR(D2O);δ0.85(t,J=7Hz,3H)、1.1〜2.4(m,2
2H)、3.79(s,3H)、3.82(m,1H)、4.05(m,1H)、4.
09(s,2H)、5.15〜5.60(m,4H)、7.00、7.40(各々d,
J=8Hz,各々2H)。
IR(Nujol);3375,1610,1560,1515,1410cm-1
元素分析、理論値:C28H45O5N;C,70.70;H,9.54;N,2.9
5、実測値:C,70.31;H,9.40;N,2.93%。
実施例38 (1S,6R,7R)−2−オキサ−3−オキソ−6−(2−メ
トキシビニル)−7−テトラヒドロピラニルオキシ−シ
ス−ビシクロ[3.3.0]オクタン 103 塩化メトキシメチルトリフェニルホスホニウム(13.2
g,38.4mmole)をテトラヒドロフラン(132ml)に懸濁
し、氷冷下で第三ブトキシカリウム(4.32g,38.4mmol
e)を加え同温で10分間撹拌する。こうして得た赤色の
混合物を−35℃に冷却し、先に得た化合物(4.9g,19.
2mmole)のテトラヒドロフラン(50ml)溶液を加える。
反応混合物を1時間かけて室温に戻し、塩化アンモニウ
ム水溶液を加え、減圧下で大部分のテトラヒドロフラン
を留去する。残渣をエーテルで抽出し、冷希塩酸、炭酸
ナトリウム水溶液および食塩水で順次洗浄する。無水硫
酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去して得た褐色固体
(13.6g)をシリカゲル(136g)のカラムにかけ、酢酸
エチル−n・ヘキサン(1:1)で溶出し、黄色油(6.7
g)を得る。これをローバーカラム(酢酸エチル−n・
ヘキサン=2:1)で精製して標題化合物103(3.47g,64
%)をビニル基に関する幾何異性体の混合物として得
た。
NMR(CDCl3);δ1.40〜2.85(m,12H)、3.45(m,1
H)、3.52、3.53、3.60、3.61(各々s,3H total)、3.7
5〜4.17(m,2H)、4.45〜4.60(m,1H)、4.65〜4.75
(m,1H)、4.85〜5.05(m,1H)、5.89〜5.98、6.33〜6.
45(各々m,1H total)。
IR(CHCl3);1763、1654、1112、1033cm-1
実施例39 (1S,6R,7R)−2−オキサ−3−オキソ−6−ホルミル
メチル−7−テトラヒドロピラニルオキシ−シス−ビシ
クロ[3.3.0]−オクタン 104 先に得た化合物103(3.94g,13.96mmole)をテトラヒ
ドロフラン−水(10:1,66ml)に溶かし、酢酸第二水銀
(5.34g,16.77mmole)を加え室温で30分間撹拌する。次
いでヨウ化カリウム(11.6g,69.85mmole)−水(20ml)
を加え30分間撹拌した後、減圧下で濃縮し、残渣をクロ
ロホルムで抽出する。抽出液をヨウ化カリウム水溶液お
よび水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留
去して標題化合物104(3.52g,94%)を得た。
NMR(CDCl3);δ1.40〜1.92(m,8H)、2.08〜2.96
(m,6H)、3.40〜4.10(m,3H)、4.62〜4.74(m,1H)、
4.94〜5.02(m,1H)、9.88(t,J=1Hz,1H)。
実施例40 (1S,6R,7R)−2−オキサ−3−オキソ−6−[(2Z−
オクテニル]−7−テトラヒドロピラニルオキシ−シス
−ビシクロ[3.3.0]オクタン 105 臭化n・ヘキシルトリフェニルホスホニウム(11.47
g,26.84mmole)をテトラヒドロフラン(110ml)に懸濁
し、氷冷下で第三ブトキシカリウム(3.01g,26.84mmol
e)を加え室温で30分間撹拌する。これを0℃に冷却
し、先に得た化合物104(3.60g,13.42mmole)のテトラ
ヒドロフラン(36ml)溶液を加え室温で30分間撹拌す
る。塩化アンモニウム水溶液を加え、減圧下で濃縮し、
酢酸エチルで抽出する。抽出液を食塩水で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留去する。残渣をシリカ
ゲル(20g)のカラムにかけ、酢酸エチル−n・ヘキサ
ン(1:4,600ml)で溶出して標題化合物105(4.24g,94
%)を得た。
NMR(CDCl3);δ0.89(t,J=7Hz,3H)、1.18〜1.84
(m,14H)、1.88〜2.32(m,6H)、2.48〜2.86(m,2
H)、3.44〜4.12(m,3H)、4.62〜4.68(m,1H)、4.94
〜5.08(m,1H)、5.24〜5.56(m,2H)。
実施例41 (1S,6R,7R)−2−オキサ−3−オキソ−6−[(2E)
−オクテニル]−7−テトラヒドロピラニルオキシ−シ
ス−ビシクロ[3.3.0]オクタン 107 先に得た化合物105(4.20g,12.48mmole)をベンゼン
(125ml)に溶かし、5−メルカプト−1−メチルテト
ラゾール ジスルフィド(1.44g,6.42mmole)および
α,α′−アゾビスイソブチロニトリル(0.205g,1.25m
mole)を加え、還流下で3時間加熱する。室温に戻し、
炭酸ナトリウム水溶液および水で洗浄後、無水硫酸ナト
リウムで乾燥する。減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲル
(100g)のカラムにかけ酢酸エチル−n・ヘキサン(1:
4,1000ml)で溶出して標題化合物107(3.624g,86%)を
得た。
NMR(CDCl3);δ0.89(t,J=7Hz,3H)、1.18〜2.28
(m,20H)、2.46〜2.86(m,2H)、3.42〜4.12(m,3
H)、4.62〜4.68(m,1H)、4.92〜5.06(m,1H)、5.24
〜5.56(m,2H)。
実施例42 (5Z,14E,9S,11R)−9−ヒドロキシ−11−テトラヒド
ロピラニルオキシ−5,14−プロスタジエン酸 109 先に得た化合物107(3.60g,10.7mmole)をテトラヒド
ロフラン(72ml)に溶かし、−78℃に冷却して1M水素化
ジイソブチルアルミニウム−n・ヘキサン溶液(10.7m
l)を加える。反応液を同温で1時間撹拌した後、酢酸
エチル(2ml)を加え、0℃に上げる。同温で塩化アン
モニウム水溶液(5ml)、酒石酸カリウムナトリウム水
溶液(40ml)および酢酸エチル(80ml)を順次加え、1
時間撹拌後、有機層を分離する。これを無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後、溶媒留去してラクトール108(3.39g,93
%)を得た。
NMR(CDCl3);δ0.89(t,J=7Hz,1H)、1.18〜1.40
(m,8H)、1.42〜1.84(m,6H)、1.84〜2.08(m,6H)、
2.16〜2.52(m,2H)、3.40〜4.14(m,3H)、4.56〜4.78
(m,2H)、5.02〜5.64(m,3H)。
臭化(4−カルボキシブチル)トリフェニルホスホニ
ウム(8.86g,20mmole)をテトラヒドロフラン(100ml)
に懸濁し、氷冷下で第三ブトキシカリウム(4.48g,40mm
ole)を加え室温で1時間撹拌する。これを−78℃に冷
却し先に得た化合物108(3.39g,10mmole)のテトラヒド
ロフラン(50ml)溶液を加え、1時間かけて室温に戻
す。氷冷下で塩化アンモニウム水溶液を加えた後、減圧
下で濃縮して大部分のテトラヒドロフランを除く。残渣
に冷希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、溶媒留去する。残渣にエーテルを加
え、不溶物を濾過して除く。濾液を濃縮した後、ローバ
ーカラム(酢酸エチル−n・ヘキサン−酢酸=50:50:
1)で精製して標題化合物109(3.42g,77%)を得た。
NMR(CDCl3);δ0.89(t,J=7Hz,3H)、1.18〜2.30
(m,26H)、2.34(t,J=7Hz,2H)、3.42〜3.56(m,1
H)、3.78〜3.96(m,1H)、3.98〜4.18(m,2H)、4.58
〜4.76(m,1H)、5.38〜5.58(m,4H)。
実施例43 (5Z,14E,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−5,14−プロ
スタジエン酸メチルエステル 111 先に得た化合物109(3.42g,7.73mmole)を酢酸(27m
l)−テトラヒドロフラン(9ml)−水(9ml)の混液に
溶かし、65℃で3時間撹拌した後、減圧下で溶媒留去す
る。残渣を酢酸エチルに溶かし、食塩水で洗浄、無水硫
酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去する。残渣をローバ
ーカラム(酢酸エチル−n・ヘキサン−酢酸=50:50:
1)にかけ、粗製のジヒドロキシカルボン酸110(2.31g,
88%)を得た。この化合物110(1.85g,5.46mmole)をア
セトニトリル(18ml)に溶かし、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン(2.50g,16.40mmole)およ
びヨウ化メチル(3.88g,27.33mmole)を順次加え室温で
3時間撹拌する。減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルに
溶かし、溶液を希塩酸および食塩水で洗浄、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、溶媒留去する。残渣をローバーカラ
ム(塩化メチレン−メタノール=97:3)で精製して標題
化合物111(1.59g,83%)を得た。
NMR(CDCl3);δ0.89(t,J=7Hz,3H)、1.18〜1.55
(m,6H)、1.60〜2.30(m,15H)、2.34(t,J=7Hz,2
H)、3.67(s,3H)、3.94〜4.02(m,1H)、4.16〜4.22
(m,1H)、5.30〜5.58(m,4H)。
実施例44 (5Z,14E,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−5,14−プロ
スタジエン酸 110 先に得た化合物111(720mg,2.04mmole)をメタノール
(4ml)に溶かし、1N水酸化ナトリウム(4ml)を加え室
温で2時間撹拌する。減圧下でメタノールを留去した
後、氷冷下で希塩酸を加えて酸性とし酢酸エチルで抽出
する。抽出液を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥後、溶媒留去する。残渣をケイ酸(7g)のカラムに
かけ、酢酸エチル−n・ヘキサン(1:1,100ml)で溶出
して標題化合物110(681mg,99%)を得た。
NMR(CDCl3);δ0.89(t,J=7Hz,3H)、1.18〜1.56
(m,6H)、1.60〜2.30(m,14H)、2.36(t,J=7Hz,2
H)、3.92〜4.02(m,1H)、4.16〜4.20(m,1H)、4.60
(broad,3H)、5.30〜5.58(m,4H)。
IR(CHCl3);3396、2660(broad)、1707cm-1
既述した実施例38から44に係る一連の反応を系統的に
以下に示す。
実施例45 (5Z,13Z,9S,11R)−9−ヒドロキシ−11−テトラヒド
ロピラニルオキシ−5,13−プロスタジエン酸メチルエス
テル 114 先に得た化合物(12.66g,37.6mmole)をトルエン
(240ml)に溶かし、−78℃に冷却して0.94M水素化ジイ
ソブチルアルミニウム−ヘキサン溶液(60ml)を加え
る。以下、実施例5の場合と同様に処理してラクトール
112を得る。臭化(4−カルボキシブチル)トリフェニ
ルホスホニウム(50.0g,112.8mmole)をテトラヒドロフ
ラン(270ml)に懸濁し、氷冷下で第三ブトキシカリウ
ム(23.6g,210.6mmole)を加え40分間撹拌する。これを
−15℃に冷却し、先に得たラクトール112のテトラヒド
ロフラン(100ml)溶液を加える。以下、実施例42と同
様に処理してカルボン酸113を得る。これをテトラヒド
ロフラン−メタノール(5:1,240ml)に溶かし、少過剰
のジアゾメタン−エーテル溶液を加える。溶媒留去して
得た残渣をシリカゲル(750g)のカラムにかけ、酢酸エ
チル−n・ヘキサン(1:4)で溶出して標題化合物114
(14.78g,90%)を得た。
NMR(CDCl3);δ0.89(t,J=7.5Hz,3H)、1.19〜2.3
8(m,25H)、2.33(t,J=7.5Hz,2H)、2.68〜2.93(m,1
H)、3.39〜4.18(m,4H)、3.67(s,3H)、4.63〜4.72
(m,1H)、5.11〜5.58(m,4H)。
IR(CHCl3);3600、3500、1726cm-1
実施例46 (5Z,13Z,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−5,13−プロ
スタジエン酸メチルエステル 115 先に得た化合物114(14.78g,33.9mmole)を酢酸(90m
l)−テトラヒドロフラン(30ml)−水(30ml)の混液
に溶かし、55℃で5時間撹拌する。水を加えて希釈後、
酢酸エチルで抽出し、炭酸水素ナトリウム水溶液および
食塩水で洗浄する。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒
留去して得られる残渣をシリカゲル(300g)のカラムに
かけ、酢酸エチル−n・ヘキサン(1:2)で溶出して標
題化合物115(10.35g,87%)を得た。
NMR(CDCl3);δ0.89(t,J=7.5Hz,3H)、1.20〜2.4
0(m,19H)、2.36(t,J=7.5Hz,2H)、2.63〜2.77(m,1
H)、3.68(s,3H)、3.85〜3.95(m,1H)、4.16〜4.24
(m,1H)、5.09〜5.62(m,4H)。
IR(CHCl3);3600、3500、1726cm-1
実施例47 (5Z,13Z,9S,11R)−9,11−ビス(第三ブチルジメチル
シリルオキシ)−5,13−プロスタジエン酸メチルエステ
ル 116 先に得た化合物115(10.35g,29.4mmole)をジメチル
ホルムアミド(64ml)に溶かし、氷冷下でイミダゾール
(9.01g,132mmole)および塩化第三ブチルジメチルシリ
ル(17.73g,118mmole)を加え室温で5時間撹拌する。
酢酸エチルを加えて希釈し、混合物を食塩水で洗浄す
る。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留去して得られ
る残渣をシリカゲム(750g)のカラムにかけ、酢酸エチ
ル−n・ヘキサン(1:50)で溶出して標題化合物116(1
6.34g,96%)を得た。
NMR(CDCl3);δ−0.04、−0.02、0.02、0.05(各々
s,各々3H)、0.85、0.90(各々s,各々9H)、0.88(t,J
=7.5Hz,3H)、1.18〜2.26(m,19H)、2.29(t,J=7.5H
z,2H)、2.66〜2.83(m,1H)、3.66(s,3H)、3.68〜3.
81(m,1H)、4.04〜4.13(m,1H)、4.99〜5.57(m,4
H)。
IR(CHCl3);1727cm-1
実施例48 (5E,13E,9S,11R)−9,11−ビス(第三ブチルジメチル
シリルオキシ)5,13−プロスタジエン酸メチルエステル
117 先に得た化合物116(7.27g,12.5mmole)をベンゼン
(400ml)に溶かし、5−メルカプト−1−メチルテト
ラゾール ジスルフィド(2.88g,12.5mmole)および
α,α′−アゾビスイソブチロニトリル(205mg,1.25mm
ole)を加え、還流下19時間加熱する。以下、実施例41
と同様に処理して得た残渣をシリカゲル(330g)のカラ
ムにかけ、酢酸エチル−n・ヘキサン(1:50)で溶出し
て二重結合の幾何異性体混合物(5.34g)を得る。これ
を10%硝酸銀−シリカゲル(500g)のカラムにかけ、エ
ーテル−n・ヘキサン(50:1)で溶出して標題化合物11
7(3.64g,50%)を得た。
NMR(CDCl3);δ−0.02、−0.01、0.01、0.04(各々
s,各々3H)、0.85、0.89(各々s,各々9H)、0.89(t,J
=7.5Hz,3H)、1.18〜2.26(m,20H)、2.29(t,J=7.5H
z,2H)、3.66(s,3H)、3.70〜3.83(m,1H)、4.02〜4.
11(m,1H)、5.03〜5.53(m,4H)。
IR(CHCl3);1727cm-1
実施例49 (5E,13E,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−5,13−プロ
スタジエン酸メチルエステル 118 先に得た化合物117(4.81g,8.28mmole)を1.0Mフッ化
テトラ(n・ブチル)アンモニウム−テトラヒドロフラ
ン溶液(41.4ml)に溶かし、室温で14時間撹拌する。水
を加えて希釈後、酢酸エチルで抽出し、食塩水で洗浄す
る。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒留去して得られ
る残渣をシリカゲル(330g)のカラムにかけ、酢酸エチ
ル−n・ヘキサン(1:1)で溶出して標題化合物118(2.
81g,96%)を得た。
NMR(CDCl3);0.89(t,J=7.5Hz,3H)、1.20〜2.32
(m,20H)、2.31(t,J=7.5Hz,2H)、3.68(s,3H)、3.
85〜3.98(m,1H)、4.16〜4.25(m,1H)、5.13〜5.60
(m,4H)。
IR(CHCl3);3580、3500、1727cm-1
実施例50 (5E,13E,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−5,13−プロ
スタジエン酸 119 先に得た化合物118(2.81g,7.97mmole)をメタノール
(28ml)に溶かし、1.0M水酸化カリウム水溶液(28ml)
を加え65℃で2時間撹拌する。減圧下でメタノールを除
き、残渣に水を加えて希釈後、水溶液をエーテルで洗浄
する。水層に硫酸水素ナトリウム水溶液を加えて酸性化
した後、酢酸エチルで抽出し、食塩水で洗浄する。無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去して得られる残渣
をケイ酸(13.5g)のカラムにかけ、酢酸エチル−n・
ヘキサン(1:2)で溶出して標題化合物119(2.70g,ほぼ
定量的)を得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7.5Hz,3H)、1.17〜2.4
0(m,20H)、2.34(t,J=7.5Hz,2H)、3.80〜4.06(m,1
H)、4.06〜4.33(m,1H)、5.13〜5.60(m,4H)。
IR(CHCl3);3400、2660(broad)、1705cm-1
既述した実施例45から50に係る一連の反応を系統的に
以下に示す。
実施例51 (5Z,13E,15E,9S,11R)−9,11−ジアセトキシ−5,13,15
−プロスタトリエン酸 121 プロスタグランジンF2α(3.545g,10mmole)、ピリジ
ン(10ml)および無水酢酸(10ml)の混合物を室温で2
時間撹拌した後、減圧下で溶媒留去する。残渣を酢酸エ
チルに溶かし、希塩酸および食塩水で洗浄する。無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留去して得られる残渣をシ
リカゲル(30g)のカラムにかけ、酢酸エチル−n・ヘ
キサン(1:1,300ml)で溶出してプロスタグランジンF2
αの9,11,15−O−トリアセテート120(4.50g,94%)を
得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.20〜1.42
(m,6H)、1.48〜1.78(m,6H)、2.02、2.06、2.07(各
々s,各々3H)、1.90〜2.22(m,4H)、2.34(t,J=7Hz,2
H)、2.42〜2.62(m,2H)、4.82〜4.92(m,1H)、5.06
〜5.14(m,1H)、5.20〜5.30(m,1H)、5.35〜5.40(m,
2H)、5.50〜5.60(m,2H)。
先に得た化合物120(4.50g,9.36mmole)をテトラヒド
ロフラン(45ml)に溶かし、テトラキス(トリフェニル
ホスフィン)パラジウム(1.082g,0.936mmole)および
トリエチルアミン(1.89g,18.72mmole)を加え、窒素気
流中65℃で2時間撹拌する。減圧下で溶媒を留去し、残
渣をシリカゲル(40g)のカラムにかけ、酢酸エチル−
n・ヘキサン(1:1,200ml)で溶出して標題化合物121
(3.90g,99%)を得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.18〜1.42
(m,4H)、1.48〜1.76(m,4H)、2.02、2.07(各々s,各
々3H)、1.96〜2.22(m,6H)、2.34(t,J=7Hz,2H)、
2.45〜2.65(m,2H)、4.82〜4.94(m,1H)、5.04〜5.15
(m,1H)、5.30〜5.50(m,3H)、5.58〜5.72(m,1H)、
5.82〜6.18(m,2H)。
実施例52 (5Z,13E,15E,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−5,13,15
−プロスタトリエン酸 122 先に得た化合物121(3.90g,9.27mmole)をメタノール
(40ml)に溶かし、10%水酸化ナトリウム水溶液を加え
室温で1時間撹拌する。以下、実施例44の場合と同様に
処理して得られる残渣(2.84g)をローバーカラム(酢
酸エチル−n・ヘキサン−酢酸=50:50:1)で精製して
標題化合物122(2.67g,84%)を得た。
NMR(CDCl3);δ0.89(t,J=7Hz,3H)、1.22〜1.40
(m,4H)、1.42〜1.82(m,4H)、2.00〜2.30(m,8H)、
2.36(t,J=7Hz,2H)、3.92〜4.02(m,1H)、4.16〜4.2
2(m,1H)、5.20(broad,3H)、5.30〜5.50(m,3H)、
5.56〜5.70(m,1H)、5.94〜6.18(m,2H)。
IR(Neat);3376、2620(broad)、1706cm-1
既述した実施例51および実施例52に係る反応を系統的
に以下に示す。
実施例53 (5Z,13E,9S,11R)−9,11−ジヒドロキシ−5,13−プロ
スタジエン酸ジフェニルメチルエステル 123 先に得た化合物(820mg,2.42mmole)とジフェニル
ジアゾメタン(565mg,2.88mmole)を塩化メチレン(14m
l)に溶かし、還流下で2時間加熱する。減圧下で濃縮
し、残渣をシリカゲル(14g)のカラムにかけ、酢酸エ
チル−n・ヘキサン(1:10〜2:1)で溶出して標題化合
123(1.16g,95%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.20〜2.30
(m,22H)、2.44(t,J=7Hz,2H)、3.91(m,1H)、4.13
(m,1H)、5.15〜5.60(m,4H)、6.89(s,1H)、7.32
(m,10H)。
IR(CHCl3);3590、3510、1726、1599cm-1
実施例54 (5Z,13E,9S)−9−ヒドロキシ−11−オキソ−5,13−
プロスタジエン酸ジフェニルメチルエステル124および
(5Z,13E,11R)−9−オキソ−11−ヒドロキシ−5,13−
プロスタジエン酸ジフェニルメチルエステル 125 先に得た化合物123(1.13g,2.24mmole)をアセトン
(20ml)に溶かし、−20℃に冷却しJones(ジョーン
ズ)試薬(1.3ml)を滴下する。同温で1時間撹拌した
後、イソプロパノール(0.5ml)を加え、反応温度を0
℃まで上げる。酢酸エチル−n・ヘキサン(1:2,80ml)
を加えて希釈し、上澄液をシリカゲル(10g)のカラム
を通過させる。溶媒を留去して得た黄色油(0.97g)を
ローバーカラム(酢酸エチル−n・ヘキサン=1:3)で
精製して、溶出の順に無色油状の標題化合物124(405m
g,36%)、124と標題化合物125の油状混合物(105mg,9
%)および結晶性の125(240mg,21%)を得た。
124,NMR(CDCl3);δ0.87(t=J=7Hz,3H)、1.15
〜2.50(m,22H)、2.75(dd,J=12.5,7.5Hz,1H)、4.47
(m,W1/2=7Hz,1H)、5.19(dd,J=15,7.5Hz,1H)、5.4
2(m,2H)、5.56(dt,J=15,6Hz,1H)、6.89(s,1H)、
7.32(m,10H)。
IR(CHCl3);3600、3520、1735、1600cm-1
125,NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.15〜
2.50(m,22H)、2.72(dd,J=17.5,7.5Hz,1H)、4.03
(q,J=8Hz,1H)、5.20〜5.47(m,3H)、5.61(dt,J=1
5,6Hz,1H)、6.88(s,1H)、7.32(m,10H)。
IR(CHCl3);3590、1735、1600cm-1
実施例55 (5Z,13E,9S)−9−ヒドロキシ−11−オキソ−5,13−
プロスタジエン酸 126 先に得た化合物124(47mg,0.094mmole)とアニソール
(50μ,0.46mmole)を塩化メチレン(2.5ml)に溶か
し、−40℃に冷却して塩化アルミニウム(32mg,0.23mmo
le)のニトロメタン(1ml)溶液を加える。30分かけて
反応温度を−10℃に上げ、飽和食塩水を加える。エーテ
ルを加えて二層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出す
る。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥する。溶媒留去して得た黄色油(56mg)
をケイ酸(1.1g)のカラムにかけ、酢酸エチル−n・ヘ
キサン(1:20〜1:1)で溶出して標題化合物126(24mg,7
7%)を無水油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.89(t,J=7Hz,3H)、1.15〜2.55
(m,23H)、2.78(dd,J=12.5,7.5Hz,1H)、4.47(m,W1
/2=7Hz,1H)、5.21(dd,J=15,7.5Hz,1H)、5.38〜5.7
0(m,3H)。
IR(CHCl3);3500、3454、2660(broad),1735、1707
cm-1
実施例56 (5Z,13E,11R)−9−オキソ−11−ヒドロキシ−5,13−
プロスタジエン酸 127 先に得た化合物125(40mg,0.08mmole)とアニソール
(43μ,0.4mmole)を塩化メチレン(2ml)に溶かし、
−40℃に冷却して塩化アルミニウム(27mg,0.2mmole)
のニトロメタン(1ml)溶液を加える。以下、実施例55
の場合と同様に処理して標題化合物127(25mg,92%)を
無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.89(t,J=7Hz,3H)、1.15〜2.50
(m,23H)、2.75(dd,J=17.5,7.5Hz,1H)、4.07(q,J
=8Hz,1H)、5.25〜5.55(m,3H)、5.66(dt,J=15,6H
z,1H)。
IR(CHCl3);3586、3500、3400、2660(broad)、173
7、1707cm-1
実施例57 (5Z,13E)−11−オキソ−5,9,13−プロスタトリエン酸
ジフェニルメチルエステル 128 先に得た化合物124(150mg,0.3mmole)を塩化メチレ
ン(3ml)に溶かし、氷冷下でトリエチルアミン(0.125
ml,0.9mmole)および塩化メタンスルホニル(35μ,0.
45mmole)を加える。氷冷下で30分間撹拌した後、反応
液をシリカゲル(1.5g)のカラムにかけ、酢酸エチル−
n・ヘキサン(1:4)で溶出して標題化合物128(136mg,
94%)を淡黄色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.15〜2.50
(m,18H)、2.55(dd,J=7.5,2Hz,1H)、2.73(m,1
H)、5.20〜5.70(m,4H)、6.12(dd,J=6,2Hz,1H)、
6.89(s,1H)、7.32(m,10H)、7.51(dd,J=6,2Hz,1
H)。
IR(CHCl3);1726、1701、1586cm-1
実施例58 (5Z,13E)−11−オキソ−5,9,13−プロスタトリエン酸
129 先に得た化合物128(123mg,0.25mmole)とアニソール
(0.136ml,1.25mmole)を塩化メチレン(5ml)に溶か
し、−40℃に冷却して塩化アルミニウム(84mg,0.625mm
ole)のニトロメタン(2.5ml)溶液を加える。以下、実
施例55の場合と同様に処理して標題化合物129(60mg,75
%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.15〜2.45
(m,19H)、2.58(dd,J=7.5,2Hz,1H)、2.78(m,1
H)、5.25〜5.70(m,4H)、6.16(dd,J=6,2Hz,1H)、
7.57(dd,J=6,2Hz,1H)。
IR(CHCl3);2670(broad)、1703、1586cm-1
実施例59 (5Z,13E)−9−オキソ−5,10,13−プロスタトリエン
酸ジフェニルメチルエステル 130 先に得た化合物125(150mg,0.3mmole)を塩化メチレ
ン(3ml)に溶かし、氷冷下でトリエチルアミン(0.125
ml,0.9mmole)および塩化メタンスルホニル(35μ,0.
45mmole)を加える。以下、実施例57の場合と同様に処
理して標題化合物130(135mg,93%)を無色油状物質と
して得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.15〜2.55
(m,19H)、3.13(m,1H)、5.20〜5.60(m,4H)、6.13
(dd,J=6,2Hz,1H)、6.88(s,1H)、7.32(m,10H)、
7.45(dd,J=6,2Hz,1H)。
IR(CHCl3);1725、1698、1584cm-1
実施例60 (5Z,13E)−9−オキソ−5,10,13−プロスタトリエン
酸 131 先に得た化合物130(123mg,0.25mmole)とアニソール
(0.136ml,1.25mmole)を塩化メチレン(5ml)に溶か
し、−40℃に冷却して塩化アルミニウム(84mg,0.625mm
ole)のニトロメタン(2.5ml)溶液を加える。以下、実
施例55の場合と同様に処理して標題化合物131(66mg,83
%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3);δ0.88(t,J=7Hz,3H)、1.15〜2.60
(m,20H)、3.17(m,1H)、5.25〜5.60(m,4H)、6.14
(dd,J=6,2Hz,1H)、7.49(dd,J=6,2Hz,1H)。
IR(CHCl3);2670(broad)、1701、1583cm-1
既述した実施例53から63に係る一連の反応を系統的に
以下に示す。
薬理試験 以下に試験例を挙げて、本発明化合物に係る薬理試験
およびその試験結果を説明する。
試験例1 ネコ(3.0〜6.5kg)をケタミン(10mg/kg、筋注)で
軽く麻酔した後、0.4%塩酸オキシブプロカインで点眼
麻酔し、空圧圧平式眼圧計(日本アルコン社製)を用い
て眼圧を測定した。
被験薬は生理食塩水に懸濁し、その25μを片眼に点
眼した。また、もう一方の眼には生理食塩水のみを25μ
点眼した。点眼後、0.5、1、2、3時間の各時点で
眼圧を測定した。
結果を第1表に示す。なお、ネコは一群3〜6匹であ
り、表中、眼圧下降幅は点眼後各時点で測定した眼圧の
差(対照眼眼圧−投与眼眼圧)の平均を示す。
A:PGE2 B:PGF2α C:PGF2αイソプロピルエステル D:13,14−ジヒドロ−15−ケトPGF2α E:20−エチル−13,14−ジヒドロ−15−ケトPGF2α
ソプロピルエステル 以上の結果から、一群の15−デオキシPG誘導体は顕著
な眼圧下降作用を有することが明らかである。
試験例2 アカゲザル(メス、4.2〜6.1kg)に被験薬を点眼し、
眼圧を4時間にわたって測定した。眼圧は、0.4%オキ
シブプロカイン点眼により表面麻酔を施した後、空圧圧
平式眼圧計(日本アルコン社製)を用いて測定した。被
験薬は生理食塩水に懸濁し、その25μを片眼に点眼し
た。他眼は生理食塩水のみを同量点眼し対照とした。以
下の第2表にその結果を示す。なお、サルは一群3〜7
頭であり、表中眼圧下降幅は点眼後の平均眼圧の差(対
照眼眼圧−投与眼眼圧)を示す。
第2表より明らかな様に、15−デオキシPG誘導体はい
ずれもサルでも有効な眼圧下降物質である。また現在臨
床的に最も高頻度で使用されている眼圧下降剤(マレイ
ン酸チモロール)と比較しても15−デオキシPG誘導体は
同等あるいはそれ以上の眼圧下降作用を有することが分
かる。
試験例3 ウサギ(オス、2.2〜2.5kg)をウサギ用固定器に固定
し、被験薬についての点眼後の各種副作用を観察した。
被験薬は生理食塩水に懸濁し、その25μを片眼に点眼
した。他眼には生理食塩水のみを同量点眼し対照とし
た。副作用としては結膜充血、虹彩充血および刺激感
(眼瞼の閉塞反応)について点眼後4時間にわたり文献
記載の基準[Y.Goh,M.Nokajima,I.Azuma and O.Hayaish
i,Jpn,J.Ophthalmol.,32,471(1988)]に従って観察し
た。結果を以下の第3表に示す。なお、ウサギは一群3
〜5匹であり、第3表の結果はその平均的代表値を示
す。
表中、−は反応なし、±は弱い反応、+は明らかな反
応、++は強い反応を示す。
第3表の結果から明らかな様に、15−デオキシPG誘導
体はいずれも極め副作用が弱い。特に特開昭59−1418号
で推奨されているPGF2αやPGF2αイソプロピルエステ
ル、および既知の13,14−ジヒドロ−15−ケトPG類と比
較すると15−デオキシPG誘導体の副作用が著しく弱いこ
とは明らかである。
A:PGE2 B:PGF2α C:PGF2αイソプロピルエステル D:13,14−ジヒドロ−15−ケトPGF2α E:20−エチル−13,14−ジヒドロ−15−ケトPGF2α
ソプロピルエステル F:15−ケトPGF2α G:9β−PGF2α H:15−(R)PGF2α 試験例4 ウサギ(オス、2.2〜2.5kg)をウサギ用固定器に固定
し、被験薬を点眼し点眼後0、0.5、1、2、3時間の
各時点で経時的に眼圧を測定した。眼圧は0.4%オキシ
ブプロカイン点眼により表面麻酔を施した後、空圧圧平
式眼圧計(日本アルコン社製)を用いて測定した。被験
薬は生理食塩水に懸濁し、その25μを片眼に点眼し
た。他眼は生理食塩水のみを同量点眼し対照とした。以
下の第4表にその結果を示す。なお、ウサギは一群3〜
4匹であり、表中の値は、それらの平均眼圧(±SEM)
を示す。
第4表より明らかな様に、15−デオキシPG誘導体はPG
F2αやPGF2αイソプロピルエステルとは異なり、一過
性の眼圧上昇を示さない。
安定性試験 以下に試験例を挙げて、本発明組成物に係る安定性試
験およびその試験結果を説明する。
試験例5 pH6.5のリン酸緩衝液(0.05M)10mlに15−デオキシプ
ロスタグランジンF2α・Na(実施例36)の結晶10.63m
gを加えて溶解した。得られた溶液をメンブラン(ミリ
ポア,MILLEX−HV)で濾過しpH6.5の0.1%溶液を得た。
この溶液の安定性試験の結果を以下の第5表と第6表に
示す。
試験例6 pH7.0のリン酸緩衝液(0.05M)10mlに15−デオキシプ
ロスタグランジンF2α・Naの結晶10.84mgを加えて溶
解した。得られた溶液をメンブラン(ミリポア,MILLEX
−HV)で濾過しpH7.0の0.1%溶液を得た。この溶液の安
定性試験の結果を以下の第5表と第6表に示す。
試験例7 pH7.5のリン酸緩衝液(0.05M)10mlに15−デオキシプ
ロスタグランジンF2α・Naの結晶10.35mgを加えて溶
解した。得られた溶液をメンブラン(ミリポア,MILLEX
−HV)で濾過しpH7.4の0.1%溶液を得た。この溶液の安
定性試験の結果を以下の第5表と第6表に示した。
試験例8 pH7.5のリン酸緩衝液(0.05M)10mlに15−デオキシプ
ロスタグランジンF2α・Naの結晶1.10mgを加えて溶解
した。得られた溶液をメンブラン(ミリポア,ミリポ
ア,MILLEX−HV)で濾過しpH7.4の0.01%溶液を得た。こ
の溶液の安定性試験の結果を以下の第5表に示す。
試験例9 メチルパラベン0.05%、プロピルパラベン0.02%およ
び塩化ナトリウム0.6%を溶解したpH7.5のリン酸緩衝液
(0.05M)10mlに15−デオキシプロスタグランジンF
2α・Naの結晶の10.29mgを加えて溶解した。得られた
溶液をメンブラン(ミリポア,MILLEX−GV)で濾過しpH
7.2の0.1%点眼液を調製した。この点眼液の安定性試験
の結果を以下の第7表と第8表に示す。
試験例10 メチルパラベン0.05%、プロピルパラベン0.02%およ
び塩化ナトリウム0.6%を溶解したpH7.5のリン酸緩衝液
(0.05M)10mlに15−デオキシプロスタグランジンF
2α・Na(実施例36)の結晶1.06mgを加えて溶解した。
得られた溶液をメンブラン(ミリポア,MILLEX−GV)で
濾過しpH7.2の0.01%点眼液を調製した。この点眼液の
安定性試験の結果を以下の第7表と第8表に示す。
以上の結果から、本発明組成物が非常に安定な製剤で
あることが分かる。したがって、本発明組成物が医薬品
として極めて有用であることは明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−216155(JP,A) 特開 昭49−85052(JP,A) 特開 昭50−32151(JP,A) 特開 昭50−37753(JP,A) 米国特許3847962(US,A) 米国特許3872139(US,A) 米国特許3296091(US,A) 米国特許3290226(US,A) 西独国特許出願公開2337581(DE, A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 405/00 A61K 31/557 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(V): 【化1】 [式中、 【化2】 は、 【化3】 であり、 R1は水素または低級アルキルであり; R4は、C5〜C11直鎖アルケニルである。] で示される15−デオキシプログランジン誘導体またはそ
    の製薬上許容し得る塩。
  2. 【請求項2】R4は、C7〜C9直鎖アルケニルである、請求
    項1に記載の15−デオキシプログランジン誘導体。
  3. 【請求項3】PGA2、PGD2、PGE2、PGF2α、およびPGJ2
    ら選択されるプロスタグランジン類のω鎖の15位からヒ
    ドロキシを除去した化合物またはその製薬上許容し得る
    塩を有効成分として含有することを特徴とする眼圧降下
    剤。
  4. 【請求項4】式(I) 【化4】 [式中、 【化5】 は、 【化6】 であり、 R1は水素または低級アルキルであり、 R2は、C6〜C12アルキル、C6〜C12アルケニルまたはC6
    C12アルカジエンである] で示される15−デオキシプログランジン誘導体またはそ
    の製薬上許容し得る塩を有効成分として含有することを
    特徴とする眼圧降下剤。
  5. 【請求項5】15−デオキシプロスタグランジン誘導体
    が、式: 【化7】 で示される(5Z、13E、9S、11R)−9,11−ジヒドロキシ
    −5,13−プロスタジエン酸またはその製薬上許容し得る
    塩である請求項4に記載の眼圧降下剤。
  6. 【請求項6】15−デオキシプロスタグランジン誘導体が
    Na塩である請求項4または5のいずれかに記載の眼圧降
    下剤。
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