JP3703004B2 - 5−チア−ω−置換フェニル−プロスタグランジンE誘導体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、5−チア−ω−置換フェニル−プロスタグランジンE誘導体に関する。
さらに詳しくは、一般式(I)
【0002】
【化4】
(式中、すべての記号は後記と同じ意味を表わす。)
で示される5−チア−ω−置換フェニル−プロスタグランジンE誘導体に関する。
【0003】
【従来の技術】
プロスタグランジンE2(PGE2と略記する。)は、アラキドン酸カスケードの中の代謝産物として知られており、その作用は、細胞保護作用、子宮収縮、発痛作用、消化管の蠕動運動促進、覚醒作用、胃酸分泌抑制作用、血圧降下作用、利尿作用等を有していることが知られている。
近年の研究の中で、PGE2受容体には、それぞれ役割の異なったサブタイプが存在することが分かってきた。現時点で知られているサブタイプは、大別して4つあり、それぞれ、EP1、EP2、EP3、EP4と呼ばれている( Negishi M. et al, J. Lipid Mediators Cell Signaling, 12, 379-391 (1995) )。
【0004】
本発明者らは、これらの受容体にそれぞれ特異的に結合する化合物を見出すべく、研究を行なった結果、本発明化合物がEP4に選択的に結合することを見出し、本発明を完成した。
EP4受容体は、TNF−α産生抑制、IL−10産生増強に関与していると考えられているため、EP4受容体に強く結合する本発明化合物は、免疫疾患(筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症、シェーグレン症候群、慢性関節リューマチ、全身性エリトマトーデス等の自己免疫疾患、臓器移植後の拒絶反応など)、喘息、骨形成異常、神経細胞死、肺傷害、肝障害、急性肝炎、腎炎、腎不全、高血圧、心筋虚血、全身性炎症反応症候群、火傷性疼痛、敗血症、血球貪食症候群、マクロファージ活性化症候群、スティル(Still)病、川崎病、熱傷、全身性肉芽腫、潰瘍性大腸炎、クローン病、透析時の高サイトカイン血症、多臓器不全、ショック等の疾患の予防および/または治療に有用であると考えられている。また、睡眠異常、血小板凝集にも関わっており、これらの疾患にも有用であると考えられる。
【0005】
一般式(I)で示される本発明化合物は、その他のサブタイプに対し結合が弱く、他の作用を発現しないため、副作用の少ない薬剤となる可能性がある。
一方、PGの5位を硫黄原子に換え、ω鎖を化学修飾された化合物は公知であるが、ω鎖に置換もしくは非置換フェニルを有する化合物を具体的に開示しているものはない。
【0006】
例えば、特開昭58-198466号は、血小板凝集抑制作用を有している、以下の5−チア−プロスタグランジン誘導体を開示している。
すなわち、一般式(A)
【化5】
(式中、R1Aは、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表わし、
R2Aは、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基または置換もしくは非置換の炭素数5〜6のシクロアルキル基を表わし、
R3A、R4Aは同じもしくは異なり、水素原子または保護基を表わす。)
で示される5−チアプロスタグランジン類またはR1Aが水素原子を表わすときその酸の非毒性塩が、血小板凝集抑制作用、血管拡張作用を有し、血栓症の治療・予防および降圧剤として有用であることを開示している。
【0007】
この明細書の中で、具体的な化合物としては、以下のω−シクロペンチル化合物が実施例3に開示されている。
【化6】
【0008】
本発明者らは、EP4受容体に特異的に結合し、かつ他のEP受容体のみならず、他のプロスタノイド受容体に結合しない、安定な化合物を見出すべく、鋭意研究した。
その結果、5−チアプロスタグランジンのω鎖に置換フェニル基を導入することにより、この目的が達成できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
後述するように、α鎖の5位に硫黄原子を導入し、ω鎖にある特定の官能基を置換したフェニル基を導入した化合物は、EP4に対する結合活性は強く、かつ他のサブタイプを含む他のプロスタノイド受容体との結合活性は低いという性質を有しており、また十分な安定性も合わせ持っていることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
【発明の開示】
本発明は、
(1)一般式
【0011】
【化7】
(式中、R1は、ヒドロキシ、C1〜6アルキルオキシ、またはNR6R7基(基中、R6およびR7は独立して、水素またはC1〜4アルキルを表わす。)を表わし、
R2は、オキソ、ハロゲンまたはO−COR8基(基中、R8は、C1〜4アルキル、フェニルまたはフェニル(C1〜4アルキル)を表わす。)を表わし、
R3は、水素またはヒドロキシを表わし、
R4aおよびR4bは、それぞれ独立して、水素またはC1〜4アルキルを表わし、R5は、以下の基で置換されているフェニル基を表わす:
【0012】
i )1〜3個の
C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキル、
C2〜4アルケニルオキシ−C1〜4アルキル、
C2〜4アルキニルオキシ−C1〜4アルキル、
C3〜7シクロアルキルオキシ−C1〜4アルキル、
C3〜7シクロアルキル(C1〜4アルキルオキシ)−C1〜4アルキル、
フェニルオキシ−C1〜4アルキル、
フェニル−C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキル、
C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキル、
C2〜4アルケニルチオ−C1〜4アルキル、
C2〜4アルキニルチオ−C1〜4アルキル、
C3〜7シクロアルキルチオ−C1〜4アルキル、
C3〜7シクロアルキル(C1〜4アルキルチオ)−C1〜4アルキル、
フェニルチオ−C1〜4アルキル、または
フェニル−C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキル、
【0013】
ii)C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキルおよびC1〜4アルキル、
C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキルおよびC1〜4アルキルオキシ、
C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキルおよびヒドロキシ、
C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキルおよびハロゲン、
C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキルおよびC1〜4アルキル、
C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキルおよびC1〜4アルキルオキシ、
C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキルおよびヒドロキシ、または
C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキルおよびハロゲン、
【0014】
iii)ハロアルキル、またはヒドロキシ−C1〜4アルキル、または、
iv)C1〜4アルキルおよびヒドロキシ;
【化8】
は、単結合または二重結合を表わす。
ただし、
1)R2がO−COR8基である場合、8−9位は二重結合を表わし、
2)下記の(1)〜(7)の化合物を除く:
(1)(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸、
(2)(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル、
(3)(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・エチルエステル、
(4)(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・n−プロピルエステル
(5)(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・i−プロピルエステル、
(6)(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・n−ブチルエステル、
(7)(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・t−ブチルエステル。)
で示される5−チア−ω−置換フェニル−プロスタグランジンE誘導体、その非毒性塩、またはシクロデキストリン包接化合物および
(2)それらを有効成分として含有する薬剤に関する。
【0015】
一般式(I)中、R4a、R4b、R6、R7、R8およびR5中、R8中のC1〜4のアルキルとは、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびこれらの異性体を意味する。
一般式(I)中、R1が表わすC1〜6のアルキルとは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびこれらの異性体を意味する。
【0016】
一般式(I)中、R5中のC2〜4アルケニルとは、ビニル、プロペニル、ブテニルおよびこれらの異性体を意味する。
一般式(I)中、R5中のC2〜4アルキニルとは、エチニル、プロピニル、ブチニルおよびこれらの異性体を意味する。
一般式(I)中、R5中のC3〜7シクロアルキルとは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルを意味する。
一般式(I)中、R2およびR5中のハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。
【0017】
本明細書においては、当業者にとって明らかなように記号
【化10】
は単結合または二重結合であることを表わし、特に断わらない限り、
【化11】
は紙面の手前に結合していることを表わし、
【化12】
は紙面の向こう側に結合していることを表わし、
【化13】
または
【化14】
はこれらの混合物またはどちらでもよいことを表わす。
【0018】
本発明においては、特に指示しない限り異性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル基、アルキレン基には直鎖のものおよび分岐鎖のものが含まれる。さらに二重結合、環、縮合環における異性体(E、Z、シス、トランス体)、不斉炭素の存在等による異性体(R、S体、α、β体、エナンチオマー、ジアステレオマー)、旋光性を有する光学異性体(D、L、d、l体)、クロマトグラフィー分離による極性体(高極性体、低極性体)、平衡化合物、これらの任意の割合の化合物、ラセミ混合物は、すべて本発明に含まれる。
【0019】
一般式(I)中、R5中のフェニル基の置換基は、3位、3位と4位の組み合わせおよび3位と5位の組み合わせが好ましい。
一般式(I)中、R5中のフェニル基の置換基において、
i)は、1、2または3個のアルキルオキシアルキル基等が置換していることを表わし、
ii)は、少なくとも1個のアルキルオキシアルキル基等と、少なくとも1個のアルキル基、アルキルオキシ基、水酸基、ハロゲン原子の組み合わせで置換していることを表わし、
iii)は、1個もしくは2個のハロゲン原子または水酸基が置換しているアルキル基を表わし、
iv)は、少なくとも1個のアルキル基と少なくとも1個の水酸基の組み合わせが置換していることを表わす。
【0020】
一般式(I)で示される本発明化合物中、好ましい化合物としては、実施例に記載した化合物および以下に示す化合物と相当するエステルおよびアミドが挙げられる。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【塩】
一般式(I)で示される本発明化合物は、公知の方法で相当する塩に変換される。塩は毒性のない、水溶性のものが好ましい。適当な塩として、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩、薬学的に許容される有機アミン(テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩が挙げられる。
【0025】
【シクロデキストリン包接化合物】
一般式(I)で示される本発明化合物は、α−、β−あるいはγ−シクロデキストリン、あるいはこれらの混合物を用いて、特公昭50-3362号、同52-31404号または同61-52146号明細書記載の方法を用いることによりシクロデキストリン包接化合物に変換することができる。シクロデキストリン包接化合物に変換することにより、安定性が増大し、また水溶性が大きくなるため、薬剤として使用する際好都合である。
【0026】
【本発明化合物の製造方法】
(a)一般式(I)で示される化合物のうち、R1がC1〜6アルキルオキシである化合物、すなわち、一般式(Ia)
【0027】
【化15】
(式中、R1-1はC1〜6アルキルオキシを表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は、一般式(II)
【0028】
【化16】
(式中、R3-1は水素原子、または酸性条件下で脱離する保護基で保護された水酸基を表わし、R10は酸性条件下で脱離する水酸基の保護基を表わし、
R5-1はR5と同じ意味を表わすが、R5-1によって表わされる基中の水酸基は、酸性条件下で脱離する保護基で保護されているものとし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)
で示される化合物を酸性条件下、脱保護反応に付すことにより製造することができる。
【0029】
酸性条件で脱離する水酸基の保護基としては、例えば、t−ブチルジメチルシリル、トリフェニルメチル、テトラヒドロピラン−2−イル等が挙げられる。
酸性条件下での加水分解は公知であり、例えば、水と混和しうる有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、ジメトキシエタン、アセトニトリルまたはこれらの混合溶媒等)中、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、フッ化水素酸、フッ化水素−ピリジン等)、または有機酸(例えば、酢酸、トシル酸、トリクロロ酢酸等)を用いて、0〜50℃の温度で行なわれる。
【0030】
(b)一般式(I)で示される化合物のうち、R1が水酸基である化合物、すなわち一般式(Ib)
【0031】
【化17】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)
で示される化合物は、一般式(Ia)
【0032】
【化18】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)
で示される化合物を酵素を用いた加水分解反応に付すか、またはアルカリ性条件下での加水分解反応に付すことにより製造することができる。
【0033】
酵素を用いた加水分解は公知であり、例えば、水と混和しうる有機溶媒(例えば、エタノール、ジメチルスルフォキシド等)と水の混合溶液中、緩衝液の存在下または非存在下、加水分解酵素(エステラーゼ、リパーゼ等)を用いて、0〜50℃で行なわれる。
【0034】
アルカリ性条件下での加水分解反応は公知であり、例えば、水と混和しうる有機溶媒(例えば、エタノール、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等)中、アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等)の水溶液を用いて、−10〜90℃で行なわれる。
【0035】
(c)一般式(I)で示される化合物のうち、R1がNR6R7である化合物、すなわち、一般式(Ic)
【0036】
【化19】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)
で示される化合物は、一般式(Ib)
【0037】
【化20】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)
で示される化合物と、一般式(III)
【0038】
【化21】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)
で示される化合物をアミド化反応に付すことにより製造することができる。
【0039】
アミド化反応は公知であり、例えば不活性有機溶媒(THF、塩化メチレン、ベンゼン、アセトン、アセトニトリルまたはこれらの混合溶媒等)中、三級アミン(ジメチルアミノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン等)の存在下または非存在下、縮合剤(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド(EDC)等)を用いて、0〜50℃で行なわれる。
【0040】
一般式(III)で示される化合物は公知化合物であるか、または公知の方法により容易に製造することができる。
【0041】
一般式(II)で示される化合物は以下の反応工程式1〜反応工程式5に従って製造することができる。
各反応工程式中の記号は以下の意味を表わすか、または前記と同じ意味を表わす。
t−Bu:t−ブチル基、
Et:エチル基、
Ms:メタンスルホニル基、
DMAP:ジメチルアミノピリジン、
n−Bu:ノルマルブチル基、
AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
Ts:p−トルエンスルホニル基、
R2-1:ハロゲン原子、
Ac:アセチル基、
TMS:トリメチルシリル基。
【0042】
【化22】
【0043】
【化23】
【0044】
【化24】
【0045】
【化25】
【0046】
【化26】
【0047】
【化27】
【0048】
【出発物質および試薬】
前記反応工程式の各反応は公知の方法により行なわれる。前記反応工程式において、出発物質として用いる一般式(IV)、(V)、(VI)、(XIV)、(XVI)および(XXIII)で示される化合物はそれ自体公知であるか、あるいは公知の方法により容易に製造することができる。
例えば、式(XIV)で示される化合物中、R3-1がTHPである化合物は、J. Am. Chem. Soc., 98, 1490(1971)に記載されている。
また、本発明における他の出発物質および各試薬は、それ自体公知であるか公知の方法により製造することができる。
【0049】
本明細書中の各反応において、反応生成物は通常の精製手段、例えば常圧下または減圧下における蒸留、シリカゲルまたはケイ酸マグネシウムを用いた高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、あるいはカラムクロマトグラフィーまたは洗浄、再結晶等の方法により精製することができる。精製は各反応ごとに行なってもよいし、いくつかの反応終了後に行なってもよい。
【0050】
【本発明化合物の薬理活性】
一般式(I)で示される本発明化合物は、PGE2受容体のサブタイプであるEP4受容体に強く結合し、作用する。
【0051】
例えば、実験室の実験では、プロスタノイドレセプターサブタイプ発現細胞を用いた受容体結合実験により、これらを確認した。
(i)プロスタノイドレセプターサブタイプ発現細胞を用いた受容体結合実験
スギモト(Sugimoto)らの方法( J. Biol. Chem., 267, 6463-6466 (1992) )に準じて、プロスタノイドレセプターサブタイプ(マウスEP1、EP2、EP3 α、EP4およびヒトIP)をそれぞれ発現したCHO細胞を調製し、膜標品とした。
【0052】
調製した膜画分(0.5mg/ml)、3H−PGE2を含む反応液(200μl)を室温で1時間インキュベートした。反応を氷冷バッファー(3ml)で停止し、減圧下吸引ろ過して結合した3H−PGE2をガラスフィルター(GF/B)にトラップし、結合放射活性を液体シンチレーターで測定した。
【0053】
Kd値とBmax値は、スキャッチャード・プロット(Scatchard plots)から求めた [ Ann. N. Y. Acad. Sci., 51, 660 (1949) ]。非特異的結合は過剰量(2.5 μM)の非標識PGE2の存在下での結合として求めた。本発明化合物による3H−PGE2結合阻害作用の測定は、3H−PGE2(2.5nM)および本発明化合物を各種濃度で添加して行なった。なお、反応にはすべて次のバッファーを用いた。
バッファー:リン酸カリウム(10 mM, pH 6.0),EDTA(1 mM),MgCl2(10 mM),NaCl(0.1 M)。
【0054】
各化合物の解離定数Ki(μM)は次式により求めた。
【数1】
Ki=IC50/(1+([C]/Kd))
結果を、表4に示す。
【0055】
【表4】
上記の結果に示されるように、本発明化合物は、サブタイプEP4受容体に対して、強く結合し、かつ他のPGE2受容体には結合しない。
【0056】
【毒性】
一般式(I)で示される本発明化合物の毒性は十分に低いものであり、医薬品として使用するために十分安全であることが確認された。例えば、実施例1の化合物は、ラットi.v.投与において、最大耐用量が、30mg/kg体重以上であった。
【0057】
【医薬品への適用】
一般式(I)で示される本発明化合物は、PGE2受容体に結合し、作用を示すため有用である。
とりわけ、サブタイプEP4に対する結合が強いため、免疫疾患(筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症、シェーグレン症候群、慢性関節リューマチ、全身性エリトマトーデス等の自己免疫疾患、臓器移植後の拒絶反応など)、喘息、骨形成異常、神経細胞死、肺傷害、肝障害、急性肝炎、腎炎、腎不全、高血圧、心筋虚血、全身性炎症反応症候群、火傷性疼痛、敗血症、血球貪食症候群、マクロファージ活性化症候群、スティル(Still)病、川崎病、熱傷、全身性肉芽腫、潰瘍性大腸炎、クローン病、透析時の高サイトカイン血症、多臓器不全、ショック等の疾患の予防および/または治療に有用であると考えられている。また、睡眠異常、血小板凝集にも関わっており、これらの疾患にも有用であると考えられる。
【0058】
一般式(I)で示される本発明化合物のうち、EP4以外のサブタイプに対する結合が弱いものは、他の作用を発現しないため、副作用の少ない薬剤となる可能性がある。
一般式(I)で示される本発明化合物、その非毒性の塩、またはそのシクロデキストリン包接化合物を上記の目的で用いるには、通常、全身的または局所的に、経口または非経口(関節内投与、皮下投与等が含まれる。)の形で投与される。
【0059】
投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常、成人一人当たり、一回につき、1μgから100mgの範囲で一日一回から数回経口投与されるか、または成人一人当たり、一回につき、0.1μgから10mgの範囲で一日一回から数回非経口投与(好ましくは、静脈内投与)されるか、または一日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与される。
もちろん前記したように、投与量は種々の条件により変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて投与の必要な場合もある。
【0060】
本発明化合物を投与する際には、経口投与のための固体組成物、液体組成物およびその他の組成物、非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤等として用いられる。
経口投与のための固体組成物には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。
カプセル剤には、ハードカプセルおよびソフトカプセルが含まれる。
【0061】
このような固体組成物においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、少なくともひとつの不活性な希釈剤、例えばラクトース、マンニトール、マンニット、グルコース、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと混和される。
【0062】
組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加物、例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊剤、グルタミン酸またはアスパラギン酸のような溶解補助剤を含有してもよい。錠剤または丸剤は必要により白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースフタレートなどの胃溶性あるいは腸溶性物質のフィルムで被膜していてもよいし、また2以上の層で被膜していてもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
【0063】
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含む。このような液体組成物においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる不活性な希釈剤(例えば精製水、エタノール)に含有される。この組成物は、不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有してもよい。
【0064】
経口投与のためのその他の組成物としては、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、それ自体公知の方法により処方されるスプレー剤が含まれる。この組成物は不活性な希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのような安定剤と等張性を与えるような安定化剤、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような等張剤を含有していてもよい。スプレー剤の製造方法は、例えば米国特許第2,868,691号および同第3,095,355号明細書に詳しく記載されている。
【0065】
本発明による非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性または非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えば注射用蒸留水および生理食塩水が含まれる。非水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80(登録商標)等がある。
【0066】
このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸)のような補助剤を含んでいてもよい。これらはバクテリア保留フィルターを通すろ過、殺菌剤の配合または照射によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶媒に溶解して使用することもできる。
【0067】
非経口投与のためその他の組成物としては、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される外用液剤、軟膏、塗布剤、直腸内投与のための坐剤および腟内投与のためのペッサリー等が含まれる。
【0068】
【参考例および実施例】
以下、参考例および実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
クロマトグラフィーによる分離の箇所およびTLCに示されているカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒または展開溶媒を示し、割合は体積比を表わす。
NMRの箇所に示されているカッコ内の溶媒は、測定に使用した溶媒を示している。
【0069】
参考例1
1−ブロモ−3−メトキシメチルベンゼン
【化28】
【0070】
3−ブロモベンジルブロマイド(15.0g、60mmol)のメタノール−ジメトキシエタン(DME)溶液(30ml+10ml)に氷冷下でナトリウムメチラート(4.9g、90mmol)を加えて、室温で1時間撹拌した後、反応混合物を水に注いだ。反応混合物をエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去して、下記物性値を有する標題化合物(12.1g)を得た。
【0071】
TLC:Rf 0.74(酢酸エチル:ヘキサン=1:4);
NMR(CDCl3):δ 7.50 (s, 1H), 7.42 (dt, J=8, 2Hz, 1H), 7.3-7.2 (m, 2H), 4.43 (s, 2H), 3.40 (s, 3H)。
【0072】
参考例2
(2S)−3−(3−メトキシメチルフェニル)−1−トリフェニルメトキシプロパン−2−オール
【化29】
【0073】
マグネシウム片(1.41g、58mmol)を真空下加熱乾燥し、無水テトラヒドロフラン(THF)(30ml)とジブロモエタン(数滴)を加えた。参考例1で製造した化合物(9.65g、48mmol)の無水THF溶液(30ml)を45分間かけて滴下し、得られた溶液をヨウ化銅(0.76g、4mmol)の無水THF懸濁溶液(30ml)に氷冷下で加え、30分間撹拌した。これにS−(−)−グリシディル トリチル エーテル(12.7g、40mmol)の無水THF溶液(30ml)を加え、1時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。混合液を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して下記物性値を有する標題化合物(19.5g)を得た。
【0074】
TLC:Rf 0.29(酢酸エチル:ヘキサン=1:4);
NMR(CDCl3):δ 7.5-7.1 (m, 19H), 4.40 (s, 2H), 4.1-3.9 (m, 1H), 3.37 (s, 3H), 3.3-3.1 (m, 2H), 2.9-2.7 (m, 2H), 2.23 (br, 1H)。
【0075】
参考例3
(2S)−3−(3−メトキシメチルフェニル)プロパン−1,2−ジオール
【化30】
【0076】
参考例2で製造した化合物(19.5g)のTHF溶液(10ml)に酢酸(80ml)と水(10ml)を加え、60℃で6時間加熱した。水(40ml)を加えて室温に冷却し、析出物をろ過して除いた。ろ液を濃縮し、再度析出物を除去し、濃縮して得られた油状物をトルエン共沸により溶媒を完全に留去して、下記物性値を有する標題化合物(8.9g)を得た。
TLC:Rf 0.64(酢酸エチル:ヘキサン=2:1)。
【0077】
参考例4
(2S)−3−(3−メトキシメチルフェニル)−1−アセチルオキシプロパン−2−オール
【化31】
【0078】
参考例3で製造した化合物(8.9g)と2,4,6−コリジン(10.6ml、80mmol)の塩化メチレン溶液(120ml)を−70℃に冷却し、塩化アセチル(4.0ml、56mmol)を滴下して加えた。15分間撹拌してからメタノールを加えて0℃に昇温した。1N塩酸と飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥したのち、溶媒を留去して下記物性値を有する標題化合物(10.8g)を得た。
【0079】
TLC:Rf 0.64(酢酸エチル:ヘキサン=2:1);
NMR(CDCl3):δ 7.4-7.1 (m, 4H), 4.43 (s, 2H), 4.25-3.95 (m, 3H), 3.41 (s, 3H), 2.9-2.8 (m, 2H), 2.12 (s, 3H)。
【0080】
参考例5
(2S)−3−(3−メトキシメチルフェニル)−1−アセチルオキシ−2−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)プロパン
【化32】
【0081】
参考例4で製造した化合物(10.8g)の塩化メチレン溶液(40ml)にジヒドロピラン(5.5ml、60mmol)とピリジニウム p−トルエンスルホナート(0.50g)を加えて、4時間撹拌した。溶液を濃縮した後、酢酸エチルで希釈し、水、飽和重曹水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して下記物性値を有する標題化合物(14.0g)を得た。
【0082】
TLC:Rf 0.53(酢酸エチル:ヘキサン:塩化メチレン=1:2:2);
NMR(CDCl3):δ 7.3-7.1 (m, 4H), 4.85-4.8 and 4.45-4.0 (m, 1H), 4.43 (s, 2H), 4.25-3.85 and 3.5-3.2 (m, 5H), 3.39 (s, 3H), 3.05-2.8 (m, 2H), 2.10 and 2.08 (s, 3H), 1.9-1.4 (m, 6H)。
【0083】
参考例6
(2S)−3−(3−メトキシメチルフェニル)−2−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)プロパン−1−オール
【化33】
【0084】
参考例5で製造した化合物(14.0g)のメタノール溶液(40ml)に2N水酸化ナトリウム溶液(5ml)を加え、室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、エーテルで希釈した後、水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮後、残った油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、下記物性値を有する標題化合物(11.0g)を得た。
【0085】
TLC:Rf 0.51, 0.41(THP部分のジアステレオマー混合物、酢酸エチル:ヘキサン=2:1);
NMR(CDCl3):δ 7.3-7.1 (m, 4H), 4.85-4.8 and 4.25-4.2 (m, 1H), 4.42 (s, 2H), 4.05-3.4 (m, 5H), 3.38 (s, 3H), 3.06 (dd, J=14, 6Hz, 1H), 2.85 (dd, J=14, 8Hz, 1H), 2.8-2.7 and 2.15-2.05 (m, 1H), 1.9-1.4 (m, 6H)。
【0086】
参考例7
(2S)−3−(3−メトキシメチルフェニル)−2−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)プロパン−1−アール
【化34】
【0087】
塩化オキサリル(6.8ml、78mmol)の塩化メチレン溶液(150ml)を−78℃に冷却し、無水ジメチルスルホキシド(DMSO)(11.1ml、156mmol)の塩化メチレン溶液(30ml)を15分かけて滴下した。15分間撹拌した後、参考例6で製造した化合物(11.0g、39mmol)の塩化メチレン溶液(40ml)を35分かけて滴下し、さらに10分間撹拌してからトリエチルアミン(32ml)を加えた。−40℃に昇温し45分間撹拌した後、反応液を1N塩酸に注ぎ、エーテル−ヘキサンの混合溶媒で抽出した。有機層を水、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去して下記物性値を有する標題化合物(11.1g)を得た。
【0088】
TLC:Rf 0.45(酢酸エチル:ヘキサン=1:2);
NMR(CDCl3):δ 9.75-9.0 (m, 1H), 7.3-7.1 (m, 4H), 4.8-4.75 and 4.35-4.3 (m, 1H), 4.43 (s, 2H), 4.45-4.3 and 4.1-4.0 (m, 1H), 3.95-3.9 and 3.5-3.4 (m, 1H), 3.40 (s, 3H), 3.3-2.8 (m, 3H), 1.9-1.3 (m, 6H)。
【0089】
参考例8
(3S)−1,1−ジブロモ−4−(3−メトキシメチルフェニル)−3−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−ブテン
【化35】
【0090】
四臭化炭素(39.8g、0.12mol)の塩化メチレン溶液(150ml)を−20℃に冷却し、トリフェニルホスフィン(63g、0.24mol)の塩化メチレン溶液(100ml)を20分かけて滴下した。得られた赤褐色の溶液を−40℃に冷却し、参考例7で製造した化合物(11.1g)とトリエチルアミン(5.6ml、40mmol)の塩化メチレン溶液(40ml)を滴下して加えた。10分間撹拌した後、トリエチルアミン(11.7ml)とメタノール(9.8ml)を加え、生成した茶褐色の溶液を激しく撹拌しながら、エーテル−ヘキサンの混合溶媒に注いだ。固形物をろ過により除き、ろ液を濃縮した後、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して下記物性値を有する標題化合物(13.6g)を得た。TLC:Rf 0.36(酢酸エチル:ヘキサン=1:9)。
【0091】
参考例9
(3S)−4−(3−メトキシメチルフェニル)−3−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−ブチン
【化36】
【0092】
参考例8で製造した化合物(13.5g、31.1mmol)の無水THF溶液(90ml)を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.61M、42.5ml、68.4mmol)を20分かけて滴下した。10分間撹拌後、反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して下記物性値を有する標題化合物(8.9g)を得た。
TLC:Rf 0.50, 0.44(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)。
【0093】
参考例10
(3S)−4−(3−メトキシメチルフェニル)−1−ブチン−3−オール
【化37】
【0094】
参考例9で製造した化合物(8.9g)をジオキサン(10ml)とメタノール(10ml)に溶解し、室温で4N塩酸−ジオキサン(2ml)を加えて1時間撹拌した。反応溶液を水で希釈した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、下記物性値を有する標題化合物(5.6g)を得た。
TLC:Rf 0.40(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)。
【0095】
参考例11
(3S)−4−(3−メトキシメチルフェニル)−3−t−ブチルジメチルシリルオキシ−1−ブチン
【化38】
【0096】
参考例10で製造した化合物(5.64g、29mmol)とイミダゾール(3.0g、44mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液(30ml)にt−ブチルジメチルシリルクロリド(5.3g、35mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、下記物性値を有する標題化合物(7.82g)を得た。
【0097】
TLC:Rf 0.73(酢酸エチル:ヘキサン=1:4);
NMR(CDCl3):δ 7.3-7.1 (m, 4H), 4.5-4.45 (m, 1H), 4.44 (s, 2H), 3.37 (s, 3H), 3.0-2.95 (m, 2H), 2.41 (d, J=2Hz, 1H), 0.83 (s, 9H), -0.02 (s, 3H), -0.08 (s, 3H)。
【0098】
参考例12
(3S)−1−ヨード−4−(3−メトキシメチルフェニル)−3−t−ブチルジメチルシリルオキシ−1E−ブテン
【化39】
【0099】
ジルコノセンクロリドヒドリド(7.81g、30mmol)の無水THF懸濁溶液(15ml)に参考例11で製造した化合物(7.7g、25mmol)のTHF溶液(30ml)を室温で滴下して加えた。45分間撹拌した後0℃に冷却し、ヨウ素(6.43g、25mmol)のTHF溶液を滴下して加えた。室温で15分間撹拌してからヘキサンを加え、生成した沈殿物をシリカゲルでろ過して除き、ろ液を濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、下記物性値を有する標題化合物(9.77g)を得た。
【0100】
TLC:Rf 0.61(酢酸エチル:ヘキサン=1:9);
NMR(CDCl3):δ 7.3-7.05 (m, 4H), 6.56 (dd, J=15, 5Hz, 1H), 6.19 (dd, J=15, 1Hz, 1H), 4.43 (s, 2H), 4.3-4.15 (m, 1H), 3.38 (s, 3H), 2.8-2.7 (m, 2H), 0.83 (s, 9H), -0.08 (s, 3H), -0.11 (s, 3H)。
【0101】
参考例13
(11α,13E,15α)−7−ヒドロキシ−9−オキソ−11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル
【化40】
【0102】
アルゴンガス雰囲気下、参考例12で製造した化合物(432mg)の無水ジエチルエーテル(5ml)に−78℃でt−ブチルリチウムのペンタン溶液(1.2ml、1.64M)を滴下し、1時間撹拌した。反応混合溶液にリチウム 2−チエニルシアノキュープレートのTHF溶液(4.8ml、0.25M)を滴下し、30分間撹拌した。反応混合溶液に(4R)−4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2−シクロペンテノン(150mg)の無水THF(1ml)をゆっくりと滴下し、30分間撹拌した。−78℃冷却下、反応混合溶液に2−(3−メトキシカルボニルプロピルチオ)エタナール(150mg、Chem. Pharm. Bull., 33(5), 1815-1825 (1985) 記載の方法により製造した。)の無水THF(1ml)溶液を滴下し、20分間撹拌した。−78℃で、反応混合溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、0℃まで昇温した。反応混合溶液をヘキサンで抽出した。抽出液を混合溶液(飽和塩化アンモニウム水溶液:28%アンモニア水溶液=4:1)および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1→6:1)で精製し、下記物性値を有する標題化合物(415mg)を得た。
【0103】
TLC:Rf 0.36(ヘキサン:酢酸エチル=4:1);
NMR(CDCl3):δ 7.3-7.05 (m, 4H), 5.68 (dd, J=16, 5Hz, 1H), 5.50 (dd, J=16, 5Hz, 1H), 4.43 (s, 2H), 4.35-4.2 (m, 1H), 4.15-4.0 (m, 1H), 3.75-3.65 (m, 1H), 3.67 (s, 3H), 3.40 (s, 3H), 2.9-2.7 (m, 5H), 2.65-2.5 (m, 3H), 2.43 (t, J=7Hz, 2H), 2.35-2.2 (m, 2H), 2.0-1.8 (m, 2H), 0.90 (s, 9H), 0.85 (s, 9H), 0.10 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), -0.10 (s, 3H), -0.22 (s, 3H)。
【0104】
参考例14
(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−7,13−ジエン酸・メチルエステル
【化41】
【0105】
参考例13で製造した化合物(415mg)の塩化メチレン(4ml)溶液に、0℃でN,N−ジメチルアミノピリジン(440mg)およびメタンスルホニルクロリド(186μl)を加え、2時間撹拌した。反応混合溶液に、0℃で水を加えた後、酢酸エチルで抽出した抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和硫酸水素カリウムおよび飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、下記物性値を有する標題化合物(346mg)を得た。
【0106】
TLC:Rf 0.48(ヘキサン:酢酸エチル=4:1);
NMR(CDCl3):δ 7.3-7.0 (m, 4H), 6.8-6.65 (m, 1H), 5.6-5.45 (m, 2H), 4.43 (s, 2H), 4.3-4.2 (m, 1H), 4.15-4.1 (m, 1H), 3.67 (s, 3H), 3.45-3.4 (m, 1H), 3.39 (s, 3H), 3.2-3.05 (m, 2H), 2.8-2.7 (m, 2H), 2.6-2.2 (m, 6H), 2.0-1.8 (m, 2H), 0.85 (s, 9H), 0.83 (s, 9H), 0.08 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), -0.12 (s, 3H), -0.22 (s, 3H)。
【0107】
参考例15
(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル
【化42】
【0108】
参考例14で製造した化合物(346mg)の水素化トリブチルすず溶液(3ml)にt−ブチルペルオキシド(90mg)を加え、100℃で35分間撹拌した。反応混合溶液を室温に冷却後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:1→10:1)で精製し、下記物性値を有する標題化合物(64mg)を得た。
【0109】
TLC:Rf 0.28(ベンゼン:酢酸エチル=19:1);
NMR(CDCl3):δ 7.3-7.0 (m, 4H), 5.67 (dd, J=15, 6Hz, 1H), 5.55 (dd, J=15, 8Hz, 1H), 4.42 (s, 2H), 4.29 (q, J=6Hz, 1H), 4.05 (q, J=8Hz, 1H), 3.69 (s, 3H), 3.38 (s, 3H), 2.8-2.7 (m, 2H), 2.7-2.5 (m, 5H), 2.5-2.4 (m, 3H), 2.23 (dd, J=18, 8Hz, 1H), 2.1-2.0 (m, 1H), 1.9-1.7 (m, 4H), 0.90 (s, 9H), 0.83 (s, 9H), 0.09 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), -0.10 (s, 3H), -0.28 (s, 3H)。
【0110】
実施例1
(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル
【化43】
【0111】
参考例15で製造した化合物(33mg)のアセトニトリル(1.5ml)溶液に、0℃でピリジン(0.1ml)、フッ化水素−ピリジン錯体(0.2ml)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合溶液を冷混合溶液(酢酸エチル:飽和炭酸水素ナトリウム水溶液)に加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2→1:4→酢酸エチル)で精製し、下記物性値を有する本発明化合物(16mg)を得た。
【0112】
TLC:Rf 0.14(酢酸エチル);
NMR(CDCl3):δ 7.35-7.1 (m, 4H), 5.75 (dd, J=16, 6Hz, 1H), 5.52 (dd, J=16, 8Hz, 1H), 4.42 (s, 2H), 4.4-4.35 (m, 1H), 4.0-3.85 (m, 1H), 3.67 (s, 3H), 3.42 (s, 3H), 3.3-3.2 (m, 1H), 3.0-2.1 (m, 13H), 2.0-1.8 (m, 3H), 1.8-1.6 (m, 1H)。
【0113】
実施例1(1)、1(6)、1(7)、1(9)〜1(11)
参考例13、参考例14、参考例15および実施例1と同様の操作を行なうことにより、以下の本発明化合物を得た。
【0114】
実施例1(1)
(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル
【化44】
【0115】
TLC:Rf 0.29(酢酸エチル);
NMR(CDCl3):δ 6.93 (s, 1H), 6.87 (d, J=8 Hz, 1H), 6.71 (d, J=8 Hz, 1H), 5.71 (dd, J=15, 7 Hz, 1H), 5.62 (s, 1H), 5.50 (dd, J=15, 8 Hz, 1H), 4.4-4.2 (m, 1H), 4.1-3.9 (m, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.35-3.3 (br, 1H), 2.8-2.6 (m, 3H), 2.6-2.4 (m, 7H), 2.4-2.1 (m, 3H), 2.22 (s, 3H), 2.0-1.8 (m, 3H), 1.7-1.5 (m, 1H)。
【0116】
実施例1(6)
(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−エトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル
【化45】
【0117】
TLC:Rf 0.29(酢酸エチル);
NMR(300 MHz, CDCl3):δ 7.32-7.12 (m, 4H), 5.77 (dd, J = 15.3, 5.4 Hz, 1H), 5.53 (dd, J = 15.3, 7.8 Hz, 1H), 4.48-4.43 (m, 3H), 3.97-3.87 (m, 1H), 3.67 (s, 3H), 3.58 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 2.98-2.80 (m, 2H), 2.76-2.14 (m, 13H), 1.95-1.60 (m, 3H), 1.26 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0118】
実施例1(7)
(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−n−プロピルオキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル
【化46】
【0119】
TLC:Rf 0.36(酢酸エチル);
NMR(300 MHz, CDCl3):δ 7.32-7.13 (m, 4H), 5.77 (dd, J = 15.3, 6.0 Hz, 1H), 5.53 (dd, J = 15.3, 8.0 Hz, 1H), 4.48-4.43 (m, 3H), 3.97-3.89 (m, 1H), 3.67 (s, 3H), 3.47 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.94-2.91 (m, 2H), 2.76-2.14 (m, 13H), 1.92-1.50 (m, 5H), 0.95 (t, J = 7.5 Hz, 3H)。
【0120】
実施例1(9)
(11α,15α,13E)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−メチル−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル
【化47】
【0121】
TLC:Rf 0.40(酢酸エチル);
NMR(300 MHz, CDCl3):δ 7.36-7.11 (m, 4H), 5.76-5.60 (m, 1H), 5.56-5.42 (m, 1H), 4.48-4.37 (m, 2H), 4.29-4.20 (m, 1H), 3.96-3.75 (m, 1H), 3.67 (s, 3H), 3.43 (s, 3H), 2.96-2.05 (m, 11H), 1.97-1.60 (m, 6H), 1.37 (d, J = 8.0 Hz, 1.5H), 1.30 (d, J = 7.2 Hz, 1.5H)。
【0122】
実施例1(10)
(15α,13E)−9−オキソ−15−ヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル
【化48】
【0123】
TLC:Rf 0.60(酢酸エチル:ヘキサン=2:1);
NMR(300MHz, CDCl3):δ 7.3-7.1 (m, 4H), 5.7-5.6 (m, 2H), 4.44 (s, 2H), 4.4-4.3 (br, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.41 (s, 3H), 2.9-2.75 (m, 2H), 2.7-2.3 (m, 8H), 2.3-2.0 (m, 3H), 2.0-1.5 (m, 6H)。
【0124】
実施例1(11)
(11α,15α,13E)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−メチル−16−(3−メチル4−ヒドロキシフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル
【化49】
【0125】
TLC:Rf 0.45(酢酸エチル);
NMR(300 MHz, CDCl3):δ 6.99-6.82 (m, 2H), 6.75-6.68 (m, 1H), 5.73-5.54 and 5.44-5.31 (m, 3H), 4.14-3.90 (m, 2H), 3.70 (s, 3H), 2.82-2.06 (m, 14H), 1.99-1.53 (m, 6H), 1.31 and 1.20 (d, J = 7.0 Hz, 3H)。
【0126】
参考例16
(9α,11α,13E,15α)−9−ヒドロキシ−11,15−ビス(t−ブチルジメチルシリルオキシ)−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル
【化50】
【0127】
アルゴンガス雰囲気下、参考例15で製造した化合物(186mg)の無水THF(3ml)溶液に、−78℃で水素化トリ−s−ブチルホウ素リチウムのTHF溶液(320μl、1.0M)を滴下し、1時間撹拌した。反応混合溶液に1N塩酸を加えて0℃まで昇温した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1→4:1)で精製し、下記物性値を有する標題化合物(77mg)を得た。
【0128】
TLC:Rf 0.26(ヘキサン:酢酸エチル=4:1);
NMR(CDCl3):δ 7.3-7.0 (m, 4H), 5.51 (dd, J=15, 6Hz, 1H), 5.35 (dd, J=15, 8Hz, 1H), 4.42 (s, 2H), 4.22 (q, J=6Hz, 1H), 4.2-4.1 (m, 1H), 4.1-3.95 (m, 1H), 3.69 (s, 3H), 3.38 (s, 3H), 2.8-2.7 (m, 3H), 2.7-2.4 (m, 6H), 2.3-2.15 (m, 1H), 2.0-1.8 (m, 5H), 1.7-1.5 (m, 2H), 0.88 (s, 9H), 0.82 (s, 9H), 0.08 (s, 6H), -0.10 (s, 3H), -0.22 (s, 3H)。
【0129】
実施例2
(9β,11α,13E,15α)−9−クロロ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル
【化51】
【0130】
1)アルゴンガス雰囲気下、参考例16で製造した化合物(95mg)の無水ピリジン(1.5ml)溶液に0℃でp−トルエンスルホニルクロリド(530mg)を加え、室温で21時間撹拌した反応混合溶液に氷水を加え、5分間撹拌した後、酢酸エチルを加えた。反応混合溶液を1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。得られたトシル体は精製せずに次の反応に用いた。
【0131】
2)アルゴンガス雰囲気下、トシル体の無水トルエン(6ml)溶液に塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム(390mg)をすばやく加え、55℃で1時間撹拌した。反応混合溶液を酢酸エチルで希釈後、水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。得られた粗生成物は精製せずに次の反応に用いた。
【0132】
3)粗生成物のアセトニトリル(3ml)溶液に0℃でピリジン(0.2ml)およびフッ化水素−ピリジン錯体(0.4ml)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合溶液を冷混合溶液(酢酸エチル−飽和炭酸水素ナトリウム水溶液)に加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残留物をショートカラムを通してからシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:i−プロパノール=50:1)で精製し、下記物性値を有する本発明化合物(38mg)を得た。
【0133】
TLC:Rf 0.42(酢酸エチル);
NMR(CDCl3):δ 7.3-7.1 (m, 4H), 5.63 (dd, J=15, 6 Hz, 1H), 5.48 (dd, J=15, 8 Hz, 1H), 4.42 (s, 2H), 4.4-4.3 (m, 1H), 4.1-3.9 (m, 2H), 3.68 (s, 3H), 3.42 (s, 3H), 3.0-2.7 (m, 3H), 2.6-2.4 (m, 6H), 2.35-2.1 (m, 3H), 2.1-1.8 (m, 4H), 1.8-1.6 (m, 2H)。
【0134】
実施例2(1)
(9β,11α,13E,15α)−9−フルオロ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル
【化52】
参考例16および実施例2と同様の操作を行なうことにより、標題化合物を得た。
【0135】
TLC:Rf 0.49(ヘキサン:酢酸エチル=1:3);
NMR(CDCl3):δ 7.3-7.1 (m, 4H), 5.66 (dd, J=15, 6Hz, 1H), 5.49 (dd, J=15, 8Hz, 1H), 4.85-4.8 and 4.7-4.65 (m, 1H), 4.42 (s, 2H), 4.45-4.35 (m, 1H), 4.05-3.9 (m, 1H), 3.68 (s, 3H), 3.42 (s, 3H), 2.95-2.8 (m, 2H), 2.7-2.4 (m, 7H), 2.4-2.2 (m, 1H), 2.1-1.5 (m, 8H)。
【0136】
実施例3
(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸
【化53】
【0137】
実施例1で製造した化合物(16mg)のジメチルスルホキシド(1ml)溶液に、リン酸バッファー(1ml、pH 7.4)を加えた後、ブタ肝エステラーゼ(100μl)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合溶液に飽和硫酸アンモニウム水溶液、1N塩酸を加え、酸性に戻した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2、1%酢酸→1:4、1%酢酸→酢酸エチル:酢酸=50:1)で精製し、下記物性値を有する本発明化合物(13mg)を得た。
【0138】
TLC:Rf 0.21(酢酸エチル:酢酸=19:1);
NMR(CDCl3):δ 7.35-7.1 (m, 4H), 5.76 (dd, J=15, 6Hz, 1H), 5.53 (dd, J=15, 8Hz, 1H), 5.2-4.4 (br, 3H), 4.43 (s, 2H), 4.5-4.4 (m, 1H), 3.94 (q, J=8Hz, 1H), 3.42 (s, 3H), 3.0-2.15 (m, 13H), 2.0-1.8 (m, 2H), 1.8-1.6 (m, 1H)。
【0139】
実施例3(1)〜実施例3(8)
実施例1(6)、1(7)、実施例2、2(1)で製造した化合物を実施例3と同様の操作に付すことにより、以下の化合物を得た。
【0140】
実施例3(1)
(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸
【化54】
【0141】
TLC:Rf 0.22(クロロホルム:メタノール=9:1);
NMR(CD3OD):δ 6.89 (s, 1H), 6.82 (d, J=8 Hz, 1H), 6.63 (d, J=8 Hz, 1H), 5.64 (dd, J=15, 7 Hz, 1H), 5.48 (dd, J=15, 8 Hz, 1H), 4.22 (q, J=7 Hz, 1H), 3.99 (q, J=8 Hz, 1H), 2.9-2.1 (m, 13H), 2.15 (s, 3H ), 1.9-1.6 (m, 3H)。
【0142】
実施例3(2)
(9β,11α,13E,15α)−9−クロロ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸
【化55】
【0143】
TLC:Rf 0.29(クロロホルム:メタノール=9:1);
NMR(CDCl3):δ 7.25-7.05 (m, 4H), 5.62 (dd, J=15, 6 Hz, 1H), 5.45 (dd, J=15, 8 Hz, 1H), 4.38 (s, 2H), 4.4-4.3 (m, 1H), 4.0-3.9 (m, 2H), 3.37 (s, 3H), 2.85 (dd, J=14, 5 Hz, 1H), 2.75 (dd, J=14, 7 Hz, 1H), 2.6-2.3 (m, 6H), 2.25-2.05 (m, 2H), 2.0-1.9 (m, 2H), 1.9-1.8 (m, 2H), 1.7-1.6 (m, 2H)。
【0144】
実施例3(3)
(9β,11α,13E,15α)−9−フルオロ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸
【化56】
【0145】
TLC:Rf 0.51(クロロホルム:メタノール=9:1);
NMR(CDCl3):δ 7.3-7.1 (m, 4H), 5.68 (dd, J=15, 6 Hz, 1H), 5.51 (dd, J=15, 9 Hz, 1H), 4.9-4.6 (m, 1H), 4.44 (s, 2H), 4.42 (q, J=6 Hz, 1H), 3.96 (q, J=9 Hz, 1H), 3.42 (s, 3H), 3.8-2.6 (br, 3H), 2.90 (dd, J=14, 6 Hz, 1H), 2.82 (dd, J=14, 6 Hz, 1H), 2.65-2.2 (m, 7H), 2.1-1.5 (m, 7H)。
【0146】
実施例3(4)
(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−エトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸
【化57】
【0147】
TLC:Rf 0.06(クロロホルム:メタノール=9:1);
NMR(300 MHz, CDCl3):δ 7.29-7.11 (m, 4H), 5.76 (dd, J = 15.0, 5.4 Hz, 1H), 5.53 (dd, J = 15.0, 8.1 Hz, 1H), 4.51-4.40 (m, 3H), 3.98-3.90 (m, 1H), 3.59 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 2.95-2.80 (m, 2H), 2.76-2.16 (m, 10H), 1.94-1.62 (m, 4H), 1.26 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。
【0148】
実施例3(5)
(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−n−プロピルオキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸
【化58】
【0149】
TLC:Rf 0.12(クロロホルム:メタノール=9:1);
NMR(300 MHz, CDCl3):δ 7.31-7.11 (m, 4H), 5.76 (dd, J = 15.3, 5.7 Hz, 1H), 5.54 (dd, J = 15.3, 8.4 Hz, 1H), 4.60-4.40 (m, 3H), 3.98-3.90 (m, 1H), 3.41 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 2.95-2.16 (m, 12H), 1.94-1.59 (m, 6H), 0.95 (t, J = 7.5 Hz, 3H)。
【0150】
実施例3(6)
(11α,15α,13E)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−メチル−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸
【化59】
【0151】
TLC:Rf 0.17(クロロホルム:メタノール=9:1);
NMR(300 MHz, CDCl3):δ 7.36-7.11 (m, 4H), 5.76 and 5.70 (dd, J = 15.0, 8.0 Hz, 1H), 5.53 and 5.48 (dd, J = 15.0, 6.0 Hz, 1H), 4.50-4.39 (m, 2H), 4.36-4.26 (m, 1H), 3.98-3.75 (m, 1H), 3.44 (s, 3H), 3.02-1.60 (m, 17H), 1.37 and 1.30 (d, J = 7.0 Hz, 3H)。
【0152】
実施例3(7)
(15α,13E)−9−オキソ−15−ヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸
【化60】
【0153】
TLC:Rf 0.51(クロロホルム:メタノール=9:1);
NMR(300MHz, CDCl3):δ 7.3-7.1 (m, 4H), 5.75-5.6 (m, 2H), 4.45 (s, 2H), 4.45-4.4 (m, 1H), 4.0-2.8 (br), 3.42 (s, 3H), 2.89 (dd, J = 14, 5Hz, 1H), 2.79 (dd, J = 14, 8Hz, 1H), 2.7-2.3 (m, 8H), 2.3-2.0 (m, 3H), 2.0-1.5 (m, 5H)。
【0154】
実施例3(8)
(11α,15α,13E)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−メチル−16−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸
【化61】
【0155】
TLC:Rf 0.21(クロロホルム:メタノール=9:1);
NMR(300 MHz, CDCl3-CD3OD):δ 7.00-6.67 (m, 3H), 5.75-5.32 (m, 2H), 4.15-3.86 (m, 2H), 3.3 (bs, 3H),2.80-1.50 (m, 18H), 1.33 and 1.19 (d, J = 7.0 Hz, 3H)。
【0156】
参考例17
4−イオドブタン酸メチルエステル
【化62】
【0157】
メチル 4−クロロブチレート(145.5g)のアセトン(1100ml)溶液に、ヨウ化ナトリウム(320g)を加え、11時間撹拌還流した。反応後、室温まで冷却し、反応混合物をセライトろ過した後、ろ液を減圧濃縮した。残留物に酢酸エチル−水の混合物(500ml+500ml)を加え、酢酸エチルで抽出した。
有機層を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(300ml)、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、標題化合物(236.5g)を得た。
【0158】
TLC:Rf 0.36(ヘキサン:酢酸エチル=9:1);
NMR(200MHz, CDCl3):δ 3.69 (s, 3H), 3.24 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.46 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.13 (tt, J = 7.0, 6.8 Hz, 2H)。
【0159】
参考例18
3−ブロモメチルフェニル酢酸
【化63】
【0160】
3−メチルフェニル酢酸(125g)の四塩化炭素(1660ml)溶液にN−ブロモスクシンイミド(148g)および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN;1.37g)を加え、加熱還流した。反応終了後、溶液を氷浴で冷却し、析出した白色固体をグラスフィルターでろ過し、四塩化炭素で洗浄した。洗浄液を合わせたろ液を濃縮し、得られた残留物を酢酸エチルに溶解した。これにヘキサンを加え、結晶化させ、標題化合物(59g)を得た。
【0161】
TLC:Rf 0.58(ヘキサン:酢酸エチル=1:1 + 1%酢酸);
NMR(200MHz, CDCl3):δ 7.36-7.18 (m, 4H), 4.48 (s, 2H), 3.66 (s, 3H)。
【0162】
参考例19
3−メトキシメチルフェニル酢酸
【化64】
【0163】
アルゴン雰囲気下、撹拌しているナトリウムメトキサイド(160g)にメタノール(800ml)を加えた。ここに3−ブロモメチルフェニル酢酸(226g;参考例18で製造した。)のメタノール(3200ml)溶液を加え、20分間還流した。室温に戻してから、メタノールを留去し、残留物を2N塩酸を注いだ。この溶液に酢酸エチルを加え、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、標題化合物(176.3g)を得た。
【0164】
TLC:Rf 0.58(ヘキサン:酢酸エチル=1:1 + 1%酢酸);
NMR(200MHz, CDCl3):δ 7.38-7.18 (m, 4H), 4.45 (s, 2H), 3.65 (s, 2H), 3.39 (s, 3H)。
【0165】
参考例20
N−メトキシ−N−メチル−(3−メトキシメチルフェニル)酢酸アミド
【化65】
【0166】
アルゴン雰囲気下、3−メトキシメチルフェニル酢酸(176.1g;参考例
19で製造した。)の塩化メチレン(2500ml)溶液にメチルメトキシアミン塩酸塩(289g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)一水和物(166g)および1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド一塩酸塩(EDC;284mg)を順次加えた。ここに、N−メチルモルフォリン(325ml)を加え、室温で撹拌した。
11時間後、EDC一塩酸塩(94.7g)およびN−メチルモルフォリン(54.0ml)を加え、さらに2時間撹拌した。反応混合物をろ過してから溶媒を減圧留去した。これに水(600ml)および酢酸エチル(600ml)を加えて、完全に溶解させてから2N塩酸(2000ml)に注ぎ入れた。この混合液をろ過し、塩酸塩を除去した。ろ液を分液し、有機層を2N塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し、減圧濃縮することにより標題化合物(粗生成物;200g)を得た。
【0167】
TLC:Rf 0.58(酢酸エチル);
NMR(200MHz, CDCl3):δ 7.36-7.18 (m, 4H), 4.44 (s, 2H), 3.78 (s, 2H), 3.61 (s, 3H), 3.38 (s, 3H), 3.20 (s, 3H)。
【0168】
参考例21
3−(3−メトキシメチルフェニル)−2−オキソプロピルフォスフォン酸ジメチル
【化66】
【0169】
アルゴン雰囲気下、メチルフォスフォン酸ジメチル(DMMP;147g)の無水トルエン(1500ml)溶液を−74℃に冷却し、これにn−ブチルリチウム(714ml;1.52Mヘキサン溶液)を1時間かけて加え、1時間撹拌した。ここにN−メトキシ−N−メチル−(3−メトキシメチルフェニル)酢酸アミド(200g;参考例20で製造した)の無水トルエン(400ml)溶液を30分間かけて加え、さらに2時間撹拌した。反応液に酢酸(73.5ml)を加え、室温まで昇温した。反応液を水に注ぎ入れ、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(206.5g)を得た。
【0170】
TLC:Rf 0.22(酢酸エチル);
NMR(200MHz, CDCl3):δ 7.38-7.11 (m, 4H), 4.45 (s, 2H), 3.90 (s, 2H), 3.82 (s, 3H), 3.77 (s, 3H), 3.40 (s, 3H), 3.11 (d, J = 23 Hz, 2H)。
【0171】
参考例22
(1S,5R,6S,7R)−3−オキソ−6−ホルミル−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン
【化67】
【0172】
(1S,5R,6R,7R)−3−オキソ−6−ヒドロキシメチル−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン(140.5g; J. Am. Chem. Soc., 98, 1490(1971)に記載されている。)の酢酸エチル(4100ml)溶液に、水(410ml)、酢酸ナトリウム(134.9g)、臭化カリウム(6.53g)および2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TEMPO;2.14g)を加え、食塩−水浴で冷却した。反応液を激しく撹拌し、これに炭酸水素ナトリウムで飽和した10%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(302ml)を40分間かけて滴下した。反応後、有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、標題化合物(113.6g)を得た。
【0173】
TLC:Rf 0.60(酢酸エチル:酢酸=100:1);
NMR(300MHz, CDCl3):δ 9.73 (m, 1H), 5.11-5.00 (m, 1H), 4.81-4.51 (m, 2H), 3.92-3.79 (m, 1H), 3.59-3.35 (m, 2H), 3.20-3.03 (m, 1H), 2.90 and 2.87 (each dd, J = 18, 6.2 Hz and J = 18, 6.3 Hz, 1H), 2.57 and 2.44 (each dd, J = 18, 3.2 Hz and J = 18, 3.2 Hz, 1H), 2.40-2.30 (m, 1H), 1.97-1.42 (m, 7H)。
【0174】
参考例23
(1S,5R,6R,7R)−3−オキソ−6−(4−(3−メトキシメチルフェニル)−3−オキソ−1−ブテニル)−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン
【化68】
【0175】
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(5.08g;62.5%)の無水THF(2000ml)懸濁液を水浴で冷却し、ここに、3−(3−メトキシメチルフェニル)−2−オキソプロピルフォスフォン酸ジメチル(42.7g;参考例21で製造した。)の無水THF(1000ml)溶液を15分かけて滴下し、1時間撹拌した。ここに(1S,5R,6S,7R)−3−オキソ−6−ホルミル−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン(113.6g;参考例23で製造した。)の無水THF(800ml)を滴下し、12時間撹拌した。
反応液に酢酸(51ml)を加えた後、水に注ぎ入れた。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製することにより標題化合物(143.0g)を得た。
【0176】
TLC:Rf 0.52(ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
NMR(200MHz, CDCl3):δ 7.38-7.07 (m, 4H), 6.71 (m, 1H), 6.22 (m, 1H), 4.97 (m, 1H), 4.68-4.51 (m, 1H),4.44 (s, 2H), 4.22-3.92 (m, 1H), 3.88-3.34 (m, 2H), 3.81 (s, 2H), 3.40 (s, 3H), 2.88-2.03 (m, 6H), 1.98-1.32 (m, 6H)。
【0177】
参考例24
(1S,5R,6R,7R)−3−オキソ−6−(4−(3−メトキシメチルフェニル)−3S−ヒドロキシ−1−ブテニル)−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン
【化69】
【0178】
アルゴン雰囲気下、リチウムアルミニウムハイドライド(13.0g)の無水THF(760ml)懸濁液に無水エタノール(15.0g)の無水THF(90ml)溶液を12分かけて滴下し、20分間撹拌した。ここに(S)−ビナフトール(93.3g)の無水THF(200ml)溶液を1時間かけて滴下し、1時間撹拌した。
反応液を−72℃まで冷却し、ここに、(1S,5R,6R,7R)−3−オキソ−6−(4−(3−メトキシメチルフェニル)−3−オキソ−1−ブテニル)−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン(30.0g;参考例23で製造した。)の無水THF(210ml)溶液を30分かけて滴下し、1時間撹拌した。
【0179】
反応液にメタノール(75ml)を10分かけて滴下した後、浴をはずした。−30℃で、酒石酸水素ナトリウム水溶液(1500ml;0.5M)を加え、室温まで昇温した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物に酢酸エチル−ヘキサン(100ml−230ml)を加え、一晩放置した。反応液中に析出した結晶をろ過し、ろ液を濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2→酢酸エチル)で精製し、標題化合物(23.1g;目的物対15エピマーの比は93.9:6.1)を得た。
【0180】
TLC:Rf 0.51(酢酸エチル);
NMR(200MHz, CDCl3):δ 7.35-7.07 (m, 4H), 5.61 (dd, J = 16, 5.5 Hz, 1H), 5.50 and 5.48 (each dd, J = 16, 6.5 Hz and J = 16, 6.6 Hz, 1H), 4.94 (m, 1H), 4.65 (m, 1H),4.44 (s, 2H), 4.32 (m, 1H), 4.12-3.38 (m, 3H), 3.41 (s, 3H), 2.87-2.03 (m, 8H), 1.89-1.40 (m, 6H)。
【0181】
参考例25
(1S,5R,6R,7R)−3−オキソ−6−(4−(3−メトキシメチルフェニル)−3S−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−ブテニル)−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン
【化70】
【0182】
アルゴン雰囲気下、(1S,5R,6R,7R)−3−オキソ−6−(4−(3−メトキシメチルフェニル)−3S−ヒドロキシ−1−ブテニル)−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン(114.7g;参考例24で製造した。)の塩化メチレン(1000ml)溶液に、ジヒドロピラン(37.7ml)およびトシル酸一水和物(524mg)を加え、1時間攪拌した。反応液に0℃でトリエチルアミンを加え、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜1:1〜1:2)で精製し、標題化合物(126.9g)を得た。
【0183】
TLC:Rf 0.51, 0.45(ヘキサン:酢酸エチル=1:2);
NMR(200MHz, CDCl3):δ 7.32-7.02 (m, 4H), 5.63-5.23 (m, 2H), 4.89 (m, 1H), 4.70-4.46 (m, 1H),4.42 (s, 2H), 4.35-3.18 (m, 6H), 3.39 (s, 3H), 3.07-1.94 (m, 8H), 1.88-1.20 (m, 12H)。
【0184】
参考例26
(9α,11α,15α,13E)−6,9−ジヒドロキシ−11,15−ビス(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−16−(3−メトキシメチルフェニル)−1,2,3,4,5,17,18,19,20−ノナノルプロスト−13−エン
【化71】
【0185】
アルゴン雰囲気下、リチウムアルミニウムハイドライド(7.68g)を氷浴で冷却し、無水THF(500ml)を加えた。ここに、2Cで、(1S,5R,6R,7R)−3−オキソ−6−(4−(3−メトキシメチルフェニル)−3S−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−ブテニル)−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン(126.7g;参考例25で製造した。)の無水THF(500ml)溶液を1時間半かけて滴下し、10分間撹拌した。反応混合物にジエチルエーテル(750ml)および飽和硫酸ナトリウム水溶液(70ml)を加え、室温で20分間撹拌した。反応混合物をセライトでろ過し、ろ液を減圧濃縮し、標題化合物(133.8g)を得た。
【0186】
TLC:Rf 0.36(酢酸エチル:酢酸=50:1);
NMR(200MHz, CDCl3):δ 7.30-7.06 (m, 4H), 5.64-5.24 (m, 2H), 4.77-4.53 (m, 2H), 4.41 (s, 2H), 4.46-3.28 (m, 9H), 3.39 (s, 3H), 3.09-2.68 (m, 2H), 2.50-1.94 (m, 4H), 1.91-1.17 (m, 12H)。
【0187】
参考例27
(9α,11α,15α,13E)−6−アセチルチオ−9−トリメチルシリルオキシ−11,15−ビス(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−16−(3−メトキシメチルフェニル)−1,2,3,4,5,17,18,19,20−ノナノルプロスト−13−エン
【化72】
【0188】
アルゴン雰囲気下、(9α,11α,15α,13E)−6,9−ジヒドロキシ−11,15−ビス(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−16−(3−メトキシメチルフェニル)−1,2,3,4,5,17,18,19,20−ノナノルプロスト−13−エン(51.4g;参考例26で製造した。)の無水THF(600ml)溶液を−25℃に冷却し、ここにジイソプロピルエチルアミン(35.5ml)を加えた。−20℃でメシルクロライド(11.8ml)を2分かけて加え、−10℃で30分撹拌した。
原料の消失を確認し、−10℃でさらにジイソプロピルエチルアミン(35.5ml)を加え、さらにトリメチルシリルクロライド(15.5ml)を8分かけて滴下し、同温度で1時間撹拌した。
【0189】
反応終了後、同温度で炭酸カリウム(84.6g)を加え、ついで、チオ酢酸カリウム(34.9g)の無水DMF(1200ml)溶液を1時間かけて滴下し、室温で18時間撹拌した。水(2000ml)を加えた後、ヘキサン−酢酸エチル(1:1)の混合溶媒で抽出した。有機層を分離し、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、標題化合物(63.5g)を得た。
TLC:Rf 0.57, 0.53(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)。
【0190】
参考例28
(9α,11α,15α,13E)−9−ヒドロキシ−11,15−ビス(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル
【化73】
【0191】
アルゴン雰囲気下、無水THF(200ml)にカリウムt−ブトキサイド(27.5g)を加え、これに無水メタノール(200ml)を6分かけて加え、10分撹拌した。この反応溶液に、(9α,11α,15α,13E)−6−アセチルチオ−9−トリメチルシリルオキシ−11,15−ビス(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−16−(3−メトキシメチルフェニル)−1,2,3,4,5,17,18,19,20−ノナノルプロスト−13−エン(63.5g;参考例27で製造した。)と4−イオドブタン酸メチルエステル(55.8g;参考例17で製造した。)の無水THF(400ml)溶液を25分かけて滴下し、30分間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(1000ml)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、標題化合物(51.3g)を得た
【0192】
TLC:Rf 0.39(ヘキサン:酢酸エチル=1:2);
NMR(300 MHz, CDCl3):δ 7.31-7.07 (m, 4H), 5.65-5.29 (m, 2H), 4.75-4.59 (m, 2H), 4.43 (s, 2H), 4.31-3.19 (m, 7H), 3.67 (s, 3H), 3.37 (s, 3H), 3.00-2.70 (m, 2H), 2.65-2.03 (m, 10H), 2.01-1.28 (m, 16H)。
【0193】
参考例29
(11α,15α,13E)−9−オキソ−11,15−ビス(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル
【化74】
【0194】
アルゴン雰囲気下、(9α,11α,15α,13E)−9−ヒドロキシ−11,15−ビス(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル(120.0g;参考例28で製造した。)の無水DMSO溶液(500ml)に、トリエチルアミン(161ml)を加えた。水浴下、三酸化硫黄−ピリジン錯体(92.0g)の無水DMSO
(300ml)溶液を10分かけて加え、室温で1時間撹拌した。反応液に、さらにトリエチルアミン(161ml)および三酸化硫黄−ピリジン錯体(92.0g)を加え撹拌した。
【0195】
反応混合物を、冷やしたヘキサン−酢酸エチル−水(500ml−500ml−2000ml)の混合物に注ぎ入れた後、ヘキサン−酢酸エチル(1:1)で抽出した。有機層を1N塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残留物をトルエンと共沸することにより、標題化合物(121.8g)を得た。
TLC:Rf 0.47(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)。
【0196】
参考例30
(1S,5R,6R,7R)−3−オキソ−6−(4−(3−メトキシメチルフェニル)−3S−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−ブチル)−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン
【化75】
【0197】
アルゴン雰囲気下、(1S,5R,6R,7R)−3−オキソ−6−(4−(3−メトキシメチルフェニル)−3S−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−ブテニル)−7−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン(100mg;参考例25で製造した。)のメタノール(2.0ml)溶液にパラジウム−カーボン(10mg;10%)を加え、系内を水素置換し、室温で2.5時間撹拌した。反応液をセライトを用いてろ過し、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2/1−1/1)で精製し、標題化合物(74mg)を得た。
【0198】
TLC:Rf 0.30(ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
NMR(CDCl3, 300MHz):δ 7.35-7.08 (m, 4H), 4.98-4.94 (m, 1H), 4.70-4.59 and 4.39-4.15 (m, 2H), 4.43 (s, 2H), 4.09-3.75 (m, 3H), 3.60-3.29 (m, 6H), 3.02-2.12 (m, 6H), 2.09-1.40 (m, 18H)。
【0199】
実施例5
(11α,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスタン酸・メチルエステル
【化76】
【0200】
参考例30で製造した化合物を用いて、参考例26から29と同様の操作により、標題化合物を得た。
【0201】
TLC:Rf 0.29(酢酸エチル);
NMR(300 MHz, CDCl3):δ 7.36-7.16 (m, 4H), 4.45 (s, 2H), 4.15-4.08 (m, 1H), 3.96-3.90 (m, 1H), 3.67 (s, 3H), 3.42 (s, 3H), 2.90-2.82 (m, 1H), 2.76-2.51 (m, 6H), 2.44 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.31-2.23 (m, 1H), 2.05-1.60 (m, 12H)。
【0202】
実施例6
(11α,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスタン酸
【化77】
【0203】
実施例5で製造した化合物を用いて、実施例3と同様の操作により、標題化合物を得た。
【0204】
TLC:Rf 0.25(クロロホルム:メタノール=9:1);
NMR(300 MHz, CDCl3):δ 7.35-7.12 (m, 4H), 4.46 (s, 2H), 4.17-4.08 (m, 1H), 4.00-3.90 (m, 1H), 3.44 (s, 3H), 2.91-2.82 (m, 1H), 2.78-2.20 (m, 10H), 2.15-1.60 (m, 12H)。
【0205】
製剤例1
以下の各成分を常法により混合したのち、打錠して、1錠中に0.5mgの活性成分を含有する錠剤100錠を得た。
【0206】
製剤例2
以下の各成分を常法により混合したのち、溶液を常法により滅菌し、1mlづつバイアルに充填し、常法により凍結乾燥し、1バイアル中0.2mgの活性成分を含有するバイアル100本を得た。
Claims (22)
- 一般式(I)
R2は、オキソ、ハロゲンまたはO−COR8基(基中、R8は、C1〜4アルキル、フェニルまたはフェニル(C1〜4アルキル)を表わす。)を表わし、
R3は、水素またはヒドロキシを表わし、
R4aおよびR4bは、それぞれ独立して、水素またはC1〜4アルキルを表わし、R5は、以下の基で置換されているフェニル基を表わす:
i)1〜3個の
C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキル、
C2〜4アルケニルオキシ−C1〜4アルキル、
C2〜4アルキニルオキシ−C1〜4アルキル、
C3〜7シクロアルキルオキシ−C1〜4アルキル、
C3〜7シクロアルキル(C1〜4アルキルオキシ)−C1〜4アルキル、
フェニルオキシ−C1〜4アルキル、
フェニル−C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキル、
C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキル、
C2〜4アルケニルチオ−C1〜4アルキル、
C2〜4アルキニルチオ−C1〜4アルキル、
C3〜7シクロアルキルチオ−C1〜4アルキル、
C3〜7シクロアルキル(C1〜4アルキルチオ)−C1〜4アルキル、
フェニルチオ−C1〜4アルキル、または
フェニル−C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキル、
ii)C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキルおよびC1〜4アルキル、
C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキルおよびC1〜4アルキルオキシ、
C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキルおよびヒドロキシ、
C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキルおよびハロゲン、
C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキルおよびC1〜4アルキル、
C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキルおよびC1〜4アルキルオキシ、
C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキルおよびヒドロキシ、または
C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキルおよびハロゲン、
iii)ハロアルキル、またはヒドロキシ−C1〜4アルキル、または、
iv)C1〜4アルキルおよびヒドロキシ;
ただし、
1)R2がO−COR8基である場合、8−9位は二重結合を表わし、
2)下記の(1)〜(7)の化合物を除く:
(1)(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸、
(2)(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル、
(3)(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・エチルエステル、
(4)(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・n−プロピルエステル
(5)(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・i−プロピルエステル、
(6)(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・n−ブチルエステル、
(7)(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・t−ブチルエステル。)
で示される5−チア−ω−置換フェニル−プロスタグランジンE誘導体、その非毒性塩、またはシクロデキストリン包接化合物。 - R1が水酸基である請求項1記載の化合物。
- R1がC1〜6のアルコキシである請求項1記載の化合物。
- R1がNR6R7基(基中、全ての記号は請求項1記載と同じ意味を表わす。)である請求項1記載の化合物。
- R2がオキソである請求項1記載の化合物。
- R2がハロゲンである請求項1記載の化合物。
- R2がO−COR8基(基中、R8は請求項1記載と同じ意味を表わす。)である請求項1記載の化合物。
- R5が、i)1〜3個の
C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキル、
C2〜4アルケニルオキシ−C1〜4アルキル、
C2〜4アルキニルオキシ−C1〜4アルキル、
C3〜7シクロアルキルオキシ−C1〜4アルキル、
C3〜7シクロアルキル(C1〜4アルキルオキシ)−C1〜4アルキル、
フェニルオキシ−C1〜4アルキル、
フェニル−C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキル、
C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキル、
C2〜4アルケニルチオ−C1〜4アルキル、
C2〜4アルキニルチオ−C1〜4アルキル、
C3〜7シクロアルキルチオ−C1〜4アルキル、
C3〜7シクロアルキル(C1〜4アルキルチオ)−C1〜4アルキル、
フェニルチオ−C1〜4アルキル、または
フェニル−C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキル
で置換されているフェニル基である請求項1記載の化合物。 - R5が、ii)C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキルおよびC1〜4アルキル、
C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキルおよびC1〜4アルキルオキシ、
C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキルおよびヒドロキシ、
C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキルおよびハロゲン、
C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキルおよびC1〜4アルキル、
C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキルおよびC1〜4アルキルオキシ、
C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキルおよびヒドロキシ、または
C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキルおよびハロゲン
で置換されているフェニル基である請求項1記載の化合物。 - R5が、iii)ハロアルキルまたはヒドロキシ−C1〜4アルキルで置換されているフェニル基である請求項1記載の化合物。
- R5が、iv)C1〜4アルキルおよびヒドロキシで置換されているフェニル基である請求項1記載の化合物。
- 化合物が、
(2)(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−エトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸、
(3)(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−n−プロピルオキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸、
(4)(11α,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスタン酸、
(5)(11α,15α,13E)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−メチル−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸、または
(6)(15α,13E)−9−オキソ−15−ヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸
である請求項1、2、5または8記載の化合物。 - 化合物が、
(6)(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−エトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル、
(7)(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−n−プロピルオキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル、
(9)(11α,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスタン酸・メチルエステル
(10)(11α,15α,13E)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−メチル−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル、または
(11)(15α,13E)−9−オキソ−15−ヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル
である請求項1、3、5または8記載の化合物。 - 化合物が、
(9β,11α,13E,15α)−9−クロロ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸、または
(9β,11α,13E,15α)−9−フルオロ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸
である請求項1、2、6または8記載の化合物。 - 化合物が、
(9β,11α,13E,15α)−9−クロロ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル、または
(9β,11α,13E,15α)−9−フルオロ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メトキシメチルフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル
である請求項1、3、6または8記載の化合物。 - 化合物が、
(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸、または
(11α,15α,13E)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−メチル−16−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸
である請求項1、2、5または11記載の化合物。 - 化合物が、
(11α,13E,15α)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル、または
(11α,15α,13E)−9−オキソ−11,15−ジヒドロキシ−16−メチル−16−(3−メチル4−ヒドロキシフェニル)−17,18,19,20−テトラノル−5−チアプロスト−13−エン酸・メチルエステル
である請求項1、3、5または11記載の化合物。 - 請求の範囲1に記載の一般式(I)で示される5−チア−ω−置換フェニル−プロスタグランジンE誘導体、その非毒性塩またはシクロデキストリン包接化合物を有効成分として含有する薬剤。
- 請求の範囲1に記載の一般式(I)で示される5−チア−ω−置換フェニル−プロスタグランジンE誘導体、その非毒性塩またはシクロデキストリン包接化合物を有効成分として含有する、EP4に選択的に結合する薬剤。
- 請求の範囲1に記載の一般式(I)で示される5−チア−ω−置換フェニル−プロスタグランジンE誘導体、その非毒性塩またはシクロデキストリン包接化合物を有効成分として含有する、免疫疾患(筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症、シェーグレン症候群、慢性関節リューマチ、全身性エリトマトーデス等の自己免疫疾患、臓器移植後の拒絶反応)、喘息、骨形成異常、神経細胞死、肺傷害、肝障害、急性肝炎、腎炎、腎不全、高血圧、心筋虚血、全身性炎症反応症候群、火傷性疼痛、敗血症、血球貪食症候群、マクロファージ活性化症候群、スティル(Still)病、川崎病、熱傷、全身性肉芽腫、潰瘍性大腸炎、クローン病、透析時の高サイトカイン血症、多臓器不全、ショックの疾患の予防および/または治療剤。
- 請求の範囲1に記載の一般式(I)で示される5−チア−ω−置換フェニル−プロスタグランジンE誘導体、その非毒性塩またはシクロデキストリン包接化合物を有効成分として含有する、睡眠異常治療剤。
- 請求の範囲1に記載の一般式(I)で示される5−チア−ω−置換フェニル−プロスタグランジンE誘導体、その非毒性塩またはシクロデキストリン包接化合物を有効成分として含有する、血小板凝集に関わる疾患の予防および/または治療剤。
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