JP3163398B2 - 画像形成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、画像形成装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、光ビームをポリゴンミラー等
によって感光体上で主走査方向に走査して、感光体上に
静電潜像を形成する画像形成装置がある。この従来装置
では、低い周波数の画像クロック信号が制御手段から光
照射手段に供給され、光照射手段から発せられた光がポ
リゴンミラーを介して光走査され、感光体の一側に設け
てある光検知手段を横切ることによって水平同期信号を
生じ、この水平同期信号が生じた時から所定パルス後の
画像クロック信号に同期して制御手段は１ライン分の画
像データを光照射手段に出力し、感光体上に静電潜像を
形成している。

【０００３】このように、低い周波数の画像クロック信
号が光検知手段によって光が検知された時が、画像クロ
ック信号の１パルスの幅の前半か後半かにより光検知し
てから、画像データを光照射手段に出力するまでの時間
に誤差が生じる。すなわち光検知時から印字開始までの
時間は、上記の検知時の誤差分だけの時間の差を生じる
ことになる。この時間の間にポリゴンミラーはさらに回
転し続けるので、時間に差があると回転角に差を生じ、
出力された光が反射するポリゴンミラー上の位置にずれ
を生じることになる。即ち感光体上のデータの書き込み
位置がずれることになる。そしてそのずれは画像クロッ
ク信号の周波数が低いほど大きい。

【０００４】そこでこれを改良する従来技術として、水
晶発振器によって高い周波数の原信号を得て、この原信
号を制御手段に供給し、上記と同様にして光検知手段に
より光が検知されて水平周期信号が制御手段に供給され
ると、この時から原信号の所定パルス後に原信号を分周
期で分周した画像クロック信号に周期してデータを光照
射手段に出力するように制御するものがある。即ち光を
検知したときの誤差は、原信号のパルス幅の範囲内とな
り、極めて小さい誤差となる。上記技術では、画像クロ
ック信号と、ポリゴンミラーを回転させるモータの駆動
信号とは無関係である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】近来、この種の画像形
成装置においては、例えば６００ｄｐｉ以上の高密度の
画像の要求が高まり、それに従って画像クロック信号の
周波数が高くなる傾向にあるので、上記の改良された従
来技術によっても、高周波数の画像クロック信号を安定
して得るために、水晶振動子を高い周波数帯で使用する
ことが必要となり、このために他の電子機器に電磁波ノ
イズ等を及ぼすことがある。また、ポリゴンミラーを駆
動しているモータに回転むらや周波数変動を生じること
があり、画像クロック信号とモータの駆動信号は周期し
ていないから通常のミラーの位置とずれた位置に光が当
たることがあり、ライン毎に書き出し位置がずれ、副走
査方向における画像のゆらぎとして現われて画像品質を
低下させることになっていた。

【０００６】本発明の目的は、副走査方向の画像のゆら
ぎ等のない、均一で高品質な画像を形成することにあ
り、画像クロック信号を、光走査手段を駆動する駆動モ
ータの回転に同期して発生するパルス信号に基づいて発
生させることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する為
に本発明は、画像クロック信号に同期して光ビームを点
滅する光照射手段と、駆動モータにより駆動され、光照
射手段の発する光ビームを感光体上で主走査方向に走査
させる光走査手段とを具備し、光ビームの照射により感
光体上に静電潜像を形成する画像形成装置において、駆
動モータの回転に同期して、パルス信号を発生する信号
発生手段と、パルス信号に基づいて、画像クロック信号
を発生する第１の画像クロック信号発生装置と、上記の
パルス信号と発振器からの基準パルス信号との位相を比
較する第１の位相比較器と、第１の位相比較器の出力す
る位相差を電圧に変換する第１の変換器と、パルス信号
を電圧に変換する第２の変換器と、第１の変換器による
電圧と上記第２の変換器による電圧とから、駆動モータ
の適正な駆動信号を駆動モータへ向けて出力する演算回
路とを具備している。

【０００８】さらに本発明は、上記の第１の画像クロッ
ク信号発生装置に接続した第２の位相比較器と、第２の
位相比較器の出力を電圧に変換する第３の変換器と、第
３の変換器による電圧から、第１の画像クロック信号発
生装置による画像クロック信号のＮ倍（Ｎは正整数）の
周波数の画像クロック信号を発生する第２の画像クロッ
ク信号発生装置と、第２の画像クロック信号発生装置に
よる画像クロック信号の周波数をＮ分の１に変更し、変
更後の画像クロック信号を第２の位相比較器に出力する
分周器とを具備している。そしてこの第２の位相比較器
は、第１の画像クロック信号発生装置による画像クロッ
ク信号と、分周器の出力した画像クロック信号との位相
を比較し、その位相差を出力するものである。

【０００９】

【作用】画像クロック信号が駆動モータの回転に同期し
て発生するパルス信号に基づいて発生するために、光走
査手段の回転と画像クロック信号に同期して送られる画
像データとが同期し、副走査方向に誤差のない静電潜像
となる。

【００１０】

【実施例】図１及び図２に示すように、本発明に用いら
れる画像形成装置は、水晶発振器１から発せられる原信
号ｆを分周器２でｍ分の１（ｍは正整数）に分周し、後
述する本発明の画像クロック信号発生装置１７から発せ
られた画像クロック信号ｆd に周期して光照射手段３で
あるレーザユニット３ａ，シリンドリカルレンズ３ｂに
よって光ビームを点滅させ、この光ビームを光走査手段
４であるポリゴンミラーに向かって照射する。ポリゴン
ミラー４は駆動モータ５により回転駆動され、光ビーム
はポリゴンミラー４で反射し、結像レンズ６を介して感
光体７の主走査方向に光走査される。感光体７の一側に
光検知手段８が配設してあり、ポリゴンミラー４からの
反射光は、光検知手段８を横切ることによって水平同期
信号Ｐを生じ、さらに反射光は感光体７上で一点鎖線で
示す主走査方向に光走査される。水晶発振器１からの原
信号ｆ及び光検知手段８からの水平同期信号Ｐは制御手
段９に供給され、水平同期信号Ｐの供給により制御手段
９に画像データが読み込まれる。

【００１１】次に画像クロック信号発生装置について説
明する。例えばｍ＝３とすれば分周器２によって、原信
号ｆが３分の１に分周された基準パルス信号ｆs が第１
の位相比較器１０に供給される。ポリゴンミラー４の駆
動モータ５の回転により、モータと同軸に設けられてい
る信号発生手段１１であるエンコーダからこのモータ５
の回転に同期したパルス信号ｆt が出力し、増幅器１２
で増幅されて上記の第１の位相比較器１０へ供給され
る。位相比較器１０では図４に示すように、基準パルス
信号ｆs とパルス信号ｆt との位相が比較されて位相差
φ1 を出力する。位相差φ1 は第１の変換器１３によっ
て電圧Ｖ1 に変換されて出力され、演算回路１４に供給
される。またエンコーダ１１からのパルス信号ｆt は、
第２の変換器１５によって電圧Ｖ2 に変換されて出力さ
れ、上記の演算回路１４に供給される。演算回路１４に
よって、両電圧Ｖ1 とＶ2 とから駆動モータ５の適正な
駆動信号Ｖを出力し、増幅器１６で増幅して駆動モータ
５へ向けて出力する。適性な駆動信号Ｖは、エンコーダ
１１からのパルス信号ｆt が基準パルス信号ｆs に同期
するように求められた値であり、このパルス信号ｆt が
画像クロック信号発生装置１７に供給され、パルス信号
ｆt に基づいて画像クロック信号ｆd を出力し、制御手
段９に供給されることになる。

【００１２】次に動作について説明する。水晶発振器１
からの原信号ｆは、制御手段９及び分周器２に供給さ
れ、分周器から３分の１に分周された基準パルス信号ｆ
s が位相比較器１０に供給される。他方駆動モータ５の
回転によってエンコーダ１１からパルス信号ｆt が出力
し、第１の位相比較器１０で基準パルス信号ｆs と比較
されて位相差φ1 を出力し、第１の変換器１３によって
電圧Ｖ1 を出力する。パルス信号ｆt は、また第２の変
換器１５に供給されて電圧Ｖ2 を出力し、演算回路１４
で両電圧Ｖ1 ，Ｖ2 から適正な駆動信号Ｖを算出し、こ
れを増幅器１６で増幅して駆動モータ５を駆動する。従
って駆動モータ５の回転から得られるパルス信号ｆt
は、基準パルス信号ｆs に限り無く近いものである。

【００１３】このパルス信号ｆt から画像クロック信号
発生装置１７によって画像クロック信号ｆd を制御手段
９へ出力し、制御手段９は光照射手段３へｆd と同期し
て画像データを出力し光照射手段３は発光し光走査手段
４によって光が走査され、光検知手段８によってこの光
が検知され、水平同期信号Ｐを制御手段９に供給する。
制御手段９では、この水平同期信号Ｐの入力時に対応す
る原信号ｆのパルスから例えば、３パルス目から画像デ
ータを読み込んでクロック信号ｆd に同期して画像デー
タを光照射手段３に供給する。

【００１４】光照射手段３によって出力される光は、光
走査手段４によって主走査方向に走査され、感光体７上
に静電潜像として書き込まれる。このように画像データ
を光照射手段３へ出力するタイミングが、パルス巾の小
さい原信号のパルスをカウントすることによっているの
で、従来のようにパルス巾の大きい画像クロック信号で
画像データの出力のタイミングを決める場合に比して、
光探知手段８による光検知時から印字開始までの時間の
ばらつきが小さくなり、さらに画像クロック信号ｆd が
駆動モータ５のパルス信号ｆt によって生成されるの
で、画像クロック信号ｆd に同期して送信される画像デ
ータの書き込み位置には副走査方向の誤差を生じない。

【００１５】画像クロック信号は、必要に応じて周波数
を変更することができる。図３は任意の整数倍の周波数
の画像クロック信号ｆv を発生する回路の一例を示して
いる。即ち図２における第１の画像クロック信号発生装
置１７には第２の位相比較器１８が接続してある。位相
比較器１８の出力は、第３の変換器１９で変換されて電
圧Ｖ3 が出力され、第２の画像クロック信号発生装置２
０に供給される。第２の画像クロック信号発生装置２０
には、上記の画像クロック信号ｆd のＮ倍（Ｎは正整
数）の周波数の画像クロック信号ｆv に相当する電圧が
記憶されており、電圧Ｖ3 の供給によって画像クロック
信号ｆd と位相差のないのＮ倍の周波数の画像クロック
信号ｆv を出力する。

【００１６】第２の画像クロック信号発生装置２０から
出力する信号ｆv は分周器２１へ供給され、切替えスイ
ッチ２１ａで周波数をＮ分の１に変更し、変更後の画像
クロック信号ｆe が第２の位相比較器１８へ供給され
る。第２の位相比較器１８は、第１の画像クロック信号
発生装置１７による画像クロック信号ｆd と、分周器２
１の出力した画像クロック信号ｆe との位相を比較し、
その位相差φ2 を出力する。この位相差φ2 は第３の変
換器１９で電圧Ｖ3 に変換され、第２の画像クロック信
号発生装置２０で位相差が修正され、その出力が再び分
周器２１に供給され、上記の動作が位相比較器１８から
出力する位相差φ2 ＝０になるまで繰り返されてから画
像クロック信号ｆv を出力して制御手段９に供給され
る。

【００１７】従って画像クロック信号ｆv は、駆動モー
タ５のパルス信号ｆt に基づいて発生し、かつこれに同
期した所望の周波数に変更されるので、上記の例と同様
に画像クロック信号ｆv に同期して送信される画像デー
タの書き込み位置に副走査方向の誤差を生じない。

【００１８】なお、図２において水晶発振器に接続した
分周器はなくてもよく、ｆd はｆと同じ周波数であって
もよい。

【００１９】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明の画像形
成装置は、画像クロック信号を、光走査手段を駆動する
駆動モータのパルス信号に基づいて発生させるようにし
てあるので、副走査方向の画像のゆらぎ等のない静電潜
像を感光体上に形成することができ、均一で高品質な画
像を形成するのに顕著な効果がある。また、原信号の周
波数を高くする必要がないから、発振器の出力を高周波
数に必要がなく、周囲の電子機器等に電磁波ノイズ等を
及ぼさない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の画像形成装置の一実施例の概略構成を
示す斜視図

【図２】同上のブロック図

【図３】本発明の画像形成装置の他の実施例のブロック
図

【図４】基準パルス信号ｆs と、駆動モータの回転に同
期して発生するパルス信号ｆtと、上記両信号の位相差
φ1 を示す波形図

【符号の説明】

１ 発振器 ３ 光照射手段 ４ 光走査手段 ５ 駆動モータ ７ 感光体 １０ 第１の位相比較器 １１ 信号発生手段 １３ 第１の変換器 １４ 演算回路 １５ 第２の変換器 １７ 第１の画像クロック信号発生装置 １８ 第２の位相比較器 １９ 第３の変換器 ２０ 第２の画像クロック信号発発生装置 ２１ 分周器 ｆd 画像クロック信号 ｆt パルス信号 ｆs 基準パルス信号 ｆe 画像クロック信号 ｆv 画像クロック信号 φ1 位相差 φ2 出力（位相差） Ｖ 駆動モータの適正な駆動信号 Ｖ1 第１の変換器による電圧 Ｖ2 第２の変換器による電圧 Ｖ3 第３の変換器による電圧

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−59712（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−273065（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−290608（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−257053（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B41J 2/44 G02B 26/10 G03G 15/04

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像クロック信号に同期して光ビームを
   点滅する光照射手段と、駆動モータにより駆動され、上
   記光照射手段の発する光ビームを感光体上で主走査方向
   に走査させる光走査手段とを具備し、上記光ビームの照
   射により上記感光体上に静電潜像を形成する画像形成装
   置において、 上記駆動モータの回転に同期して、パルス信号を発生す
   る信号発生手段と、 上記パルス信号に基づいて、上記画像クロック信号を発
   生する第１の画像クロック信号発生装置と、 上記パルス信号と発振器からの基準パルス信号との位相
   を比較する第１の位相比較器と、 上記第１の位相比較器の出力する位相差を電圧に変換す
   る第１の変換器と、 上記パルス信号を電圧に変換する第２の変換器と、 上記第１の変換器による電圧と上記第２の変換器による
   電圧とから、上記駆動モータの適正な駆動信号を上記駆
   動モータへ向けて出力する演算回路と を具備したことを
   特徴とする画像形成装置。
2. 【請求項２】 上記第１の画像クロック信号発生装置に
   接続した第２の位相比較器と、 上記第２の位相比較器の出力を電圧に変換する第３の変
   換器と、 上記第３の変換器による電圧から、上記第１の画像クロ
   ック信号発生装置による画像クロック信号のＮ倍（Ｎは
   正整数）の周波数の画像クロック信号を発生する第２の
   画像クロック信号発生装置と、 上記第２の画像クロック信号発生装置による画像クロッ
   ク信号の周波数をＮ分の１に変更し、変更後の画像クロ
   ック信号を上記第２の位相比較器に出力する分周器とを
   具備し、 上記第２の位相比較器は、上記第１の画像クロック信号
   発生装置による画像クロック信号と、上記分周器の出力
   した画像クロック信号との位相を比較し、その位相差を
   出力することを特徴とする請求項１記載の画像形成装
   置。