JP3162923B2 - 食器洗浄機における洗剤供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、主洗浄行程とすすぎ
行程とを有し、周期的に洗浄槽に洗剤を補給する食器洗
浄機における洗剤の経済的かつ効率的な供給装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来より、食器の搬送から洗浄行程、す
すぎ行程までを自動で行う食器洗浄機が知られている。
この食器洗浄機は、洗浄機内に設置された汚れた食器
に、ポンプより加圧された洗浄液およびすすぎ水を順次
噴射して上記食器を洗浄するものである。図５におい
て、食器洗浄機は、洗浄液を貯留する洗浄槽１と、洗浄
槽１内の洗浄液を主洗浄シャワー２へと供給する主洗浄
ポンプ３と、湯沸器４より供給され温水をさらに加熱す
るブースター５と、ブースター５により加熱されて得た
高温温水をすすぎシャワー６へ供給するすすぎポンプ７
とから概略構成されている。また、洗浄槽１から主洗浄
シャワー２および湯沸器４からすすぎシャワー６に至る
経路はいずれも管路８ａ，８ｂ，８ｃにより連結されて
いる。

【０００３】そして、食器を収納した食器洗浄籠（図示
せず）を洗浄槽１上に設置し、主洗浄ポンプ３により上
記洗浄液を主洗浄シャワー２から食器に向けて吐出する
洗浄サイクルと、すすぎポンプ７により高温温水をすす
ぎシャワー６から食器に向けて吐出するすすぎサイクル
とを、タイマー制御等の方法を用いて一定周期で繰返す
ことにより食器が自動的に洗浄される。なお、符号９は
洗浄槽１におけるオーバーフローによりすすぎシャワー
水量だけを排水するための排水口、符号１０は上記食器
洗浄機の本体容器である。また、符号１１は洗剤供給装
置であり、洗剤の入っている洗剤タンク１１ａと、洗剤
タンク１１ａに装着された洗剤供給ポンプ１１ｂと、洗
浄槽１とを連結するホース１１ｃとから概略構成されて
いる。

【０００４】このような構成における洗浄サイクルと洗
剤の供給タイミング関係を図６により説明する。一定の
休止サイクルを経て時刻t0からt1まで（例えば５０秒
間）は主洗浄サイクル、時刻t1からt2まで（例えば５秒
間）は休止サイクル、時刻t2からt4まで（例えば１５秒
間）はすすぎサイクルであり、このシーケンスで洗浄の
１サイクルを構成する。

【０００５】洗剤供給のタイミングは、時刻t2からt4t
までのすすぎサイクル期間内の時刻t2から時刻t3までの
期間（例えば１０秒間）洗剤供給ポンプ１１ｂが駆動さ
れて一定量の洗剤がホース１１ｃを介して洗浄槽１に供
給される。この場合、洗剤の供給量は、すすぎのための
温水供給でオーバーフローする洗浄槽内の洗浄液の希釈
を補う量とされる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このような洗剤供給の
構成では、洗剤の供給量（濃度）が固定されているため
に、洗浄対象に応じて洗剤濃度を選択して経済的な運転
をする機能を実現することができない。食器の汚れには
差があり、例えばグラス類は皿類に比べると汚れが少な
く、皿類の洗浄に要する洗剤よりは少ない洗剤供給でよ
い。逆に特に汚れの落ちにくい食器の洗浄には通常より
も供給量（濃度）を増加させる必要があるが、固定方式
ではこのような要求に対応できない問題点がある。

【０００７】この発明は上述した事情に鑑みてなされた
もので、洗浄対象に応じて洗剤の供給量を選択し、経済
的かつ効率的な洗剤供給装置を提供することを目的とし
ている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上述した問題点を解決す
るために、この発明では、洗浄槽に対して洗剤供給タン
クより周期的に洗剤を供給する食器洗浄機において、洗
剤供給量を複数ステップに切り換え制御する供給量制御
手段と、洗浄機本体パネル面に設けられた上記複数ステ
ップの選択スイッチ手段とを具備せしめた点に特徴があ
る。

【０００９】

【作用】洗浄機本体パネル面に設けられた上記複数ステ
ップの選択スイッチ手段の操作により、洗剤供給量を複
数ステップに切り換え制御する供給量制御手段が駆動さ
れ、洗浄槽に対して選択されたステップに対応した量の
洗剤が供給がされる。

【００１０】

【実施例】次に図面を参照してこの発明の実施例を説明
する。図１はこの発明の一実施例を示す洗剤供給装置の
ブロック線図であり、要素１,１１,１１ａ,１１ｂは図
５で説明した要素と同一要素を示す。

【００１１】１２は洗浄機本体操作パネル面に形成され
た選択スイッチ手段であり、この例では濃度の３段切り
換え機能を示しており、１２ａは「薄い」、１２ｂは
「標準」、１２ｃは「濃い」の選択スイッチである。１
３は制御部であり、選択スイッチ１２ａ,１２ｂ,１２ｃ
の選択信号に対応して作動するタイマー１３ａ,１３ｂ,
１３ｃよりなる。

【００１２】タイマー１３ａ,１３ｂ,１３ｃは例えば
「５秒：薄い」,「１０秒：標準」,「１５秒：濃い」の
時間に設定され、選択された制御信号Ｃ（タイマー時間
Ｔ）が電源供給部１４に供給される。電源供給部１４
は、制御信号Ｃのタイマー時間Ｔの期間洗剤供給ポンプ
１１ｂに駆動電源Ｅを供給する。従って、洗浄槽１に洗
剤供給ポンプ１１ｂを介して供給される洗剤量は、ポン
プ１１ｂの機能が定流量特性であれば、供給洗剤量は作
動時間に比例する。

【００１３】このような構成における洗浄サイクルと洗
剤の供給タイミング関係を図２により説明する。図６と
の相違は、洗浄サイクルにおけるすすぎサイクル期間中
の洗剤供給時間が一定ではなく、この例では５秒（薄
い）、１０秒（標準）、１５秒（濃い）の３段階に切り
換え制御される点にある。

【００１４】図３は洗浄機本体容器１０の正面部を示
す。１５は正面部に構成された操作パネル部の一例を示
し、図４は１５の拡大図である。１６は電源メインスイ
ッチ、１７は電源表示ランプ、１８は洗浄中を示す表示
ランプ、１９は本発明の洗剤濃度の選択スイッチであ
り、多段エンドレス構造となっており、「薄い」、「標
準」、「濃い」の順番でエンドレスに切換ができ、切り
換え状態をランプ２０、２１、２２で表示する。２３は
作業終了時の強制排水スイッチ、２４は排水表示ランプ
である。

【００１５】

【発明の効果】以上、説明したように、この発明によれ
ば、洗浄対象により洗剤の濃度を最適に近い濃度に切り
換え制御できる。従って、汚れの少ない食器に対する過
剰な洗剤供給による不経済が改善され、また特に汚れの
強い食器に対しては濃度を高めて効率的に洗浄すること
ができ、適応性の高い食器洗浄機を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す洗剤供給装置のブロッ
ク図である。

【図２】同実施例の洗浄サイクルと洗剤供給のタイミン
グ関係を示すタイムチャート図である。

【図３】操作パネル部を有する食器洗浄機本体容器の正
面図である。

【図４】本発明の一実施例を示す操作パネル部の構造を
示す平面図である。

【図５】従来の食器洗浄機の動作を説明する図である。

【図６】従来の食器洗浄機における洗浄サイクルと洗剤
供給のタイミング関係を示すタイムチャート図である。

【符号の説明】

１ 洗浄槽 １１ａ 洗剤タンク １１ｂ 洗剤供給ポンプ １２ 選択スイッチ手段 １３ 制御部 １４ 電源供給部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗浄槽に対して洗剤供給タンクより周期
   的に洗剤を供給する食器洗浄機において、すすぎ期間中において洗剤供給ポンプの作動時間を変え
   ることにより 洗剤供給量を複数ステップに切り換えて制
   御する供給量制御手段と、洗浄機本体パネル面に設けら
   れた上記複数ステップの選択スイッチ手段とを具備する
   ことを特徴とする食器洗浄機における洗剤供給装置。