JPH09122060A - 自動食器洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 自動食器洗浄装置は、洗浄水を貯める貯
水槽を有し洗浄水による食器類の洗浄を行う洗浄室と、
洗浄室の上方に配置されたアルカリ水生成器と、洗浄室
の上方に配置されてアルカリ水生成器によって生成され
たアルカリ水を受け入れて一時的に貯蔵するためのタン
クと、タンクに貯蔵されたアルカリ水を洗浄水としてタ
ンクから貯水槽へと水頭圧によって送り込むための水頭
圧送り込み手段とを備える。 【効果】 アルカリ水生成器とタンクとを洗浄装置の上
部に設けているため、形状をコンパクトにでき、また、
上から水を落とす水頭圧式となるので、そのための圧送
ポンプ等が不要となり、それだけ価格および維持費を低
減できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、皿、椀、コップ、
箸、ナイフ、ホーク等の食器類を自動的に洗浄する自動
食器洗浄装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、学校給食所、社員食堂、隊員食
堂、ファミリーレストラン等においては、大量に出てく
る、使用後の汚れた、皿、椀、コップ、箸、ナイフ、ホ
ーク等の食器類を自動的に洗浄するために、自動食器洗
浄機を使用している。このような自動食器洗浄機におい
ては、これまで、洗浄効率をあげるために、化学洗剤を
使用しているのが普通である。

【０００３】このような従来の食器類の洗浄装置におい
ては、シャワー式にしても、浸漬式にしても、食器類の
洗浄に使用した後の洗剤の混ざった汚れた水は、そのま
ま排水管を通して浄化槽へと送り込み、浄化後に一般排
水溝へと排水するようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の洗浄
装置では、浄化槽を通して排水を行うのであるが、どう
しても化学洗剤が混ざった水を一般排水溝へと流してし
まうことになり、環境汚染の問題を生じがちであった。
また、排水に混ざった化学洗剤により、浄化槽の浄化用
細菌が死んでしまうというような弊害もあった。

【０００５】その上、洗浄に際して、特別な化学洗剤を
使用するものなので、洗剤のコストがかかり、洗浄コス
ト全体としてもそれだけコスト高とならざるを得なかっ
た。

【０００６】本発明の目的は、前述したような従来技術
の問題点を解消しうるような自動食器洗浄装置を提供す
ることである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明による自動食器洗
浄装置は、洗浄水を貯める貯水槽を有し該洗浄水による
食器類の洗浄を行う洗浄室と、該洗浄室の上方に配置さ
れたアルカリ水生成器と、前記洗浄室の上方に配置され
て前記アルカリ水生成器によって生成されたアルカリ水
を受け入れて一時的に貯蔵するためのタンクと、該タン
クに貯蔵されたアルカリ水を洗浄水として該タンクから
前記貯水槽へと水頭圧によって送り込むための水頭圧送
り込み手段とを備えることを特徴とする。

【０００８】本発明の一つの実施の形態によれば、前記
洗浄室には、前記貯水槽の上にあって洗浄すべき食器類
を載置する食器類載置手段と、該食器類載置手段の上に
載置された食器類に対して洗浄水を噴射させる洗浄水噴
射手段と、前記貯水槽からアルカリ水を前記洗浄水噴射
手段へと圧送するためのポンプとが設けられており、前
記貯水槽は、前記食器類に対して噴射されて洗浄に使用
された後のアルカリ水を受けて排水するための排水槽と
しての機能も果たすようにする。

【０００９】

【発明の実施の形態】次に、添付図面に基づいて、本発
明の実施例について、本発明をより詳細に説明する。

【００１０】添付図面の図１は、本発明の一実施例とし
ての自動食器洗浄装置の構成を概略的に示している。こ
の図１に示すように、この実施例の自動食器洗浄装置
は、主として、作業者が洗浄すべき食器類を洗浄装置内
へと送り込むようにするための入口部１０と、この入口
部１０に続く洗浄室２０と、この洗浄室２０に続くすす
ぎ洗い室３０と、このすすぎ洗い室３０に続いて作業者
が洗浄済みの食器類を洗浄装置から取り出すための出口
部４０と、洗浄室２０の真上に配設されたアルカリ水生
成器と、洗浄室２０の上方において、この実施例では、
すすぎ洗い室３０の真上に配設されたタンク６０と、入
口部１０から出口部４０へと洗浄室２０およびすすぎ洗
い室３０を通して洗浄すべき食器類１を搬送するための
搬送ベルト７０とを備えている。

【００１１】入口部１０は、厨房等の床面に載置するた
めの脚部を有した入口ベース部１１を備えており、この
入口ベース部１１の上部の前面側には、搬送ベルト７０
の一端を掛けるプーリ１２が設けられている。この入口
ベース部１１には、洗浄室２０から飛散する使用済み後
の洗浄水を受けて排水するための排水シンク１３が設け
られており、この排水シンク１３には、排水口１４が設
けられている。一方、出口部４０もまた、厨房等の床面
に載置するための脚部を有した出口ベース部４１を備え
ており、この出口ベース部４１の上部の後面側には、搬
送ベルト７０の他端を掛けてこれを駆動するための駆動
プーリ４２がもうけられている。この出口ベース部４１
には、すすぎ洗い室３０から飛散する使用済み後のすす
ぎ洗い水を受け、また、搬送ベルト７０に載置されて搬
送されてくる食器類１から滴下するすすぎ洗い水等を受
けて排水するための排水シンク４３が設けられており、
この排水シンク４３には、排水口４４が設けられてい
る。さらにまた、この出口ベース部４１には、コンベア
モータ４５が配設されていて、このコンベアモータ４５
は、チェーン４６を介して、駆動プーリ４２を回転駆動
することにより、搬送ベルト７０を矢印方向へと搬送駆
動させる。

【００１２】洗浄室２０の下部には、洗浄水を貯める貯
水槽２１が配設されており、その上部には、搬送ベルト
７０に載置されて搬送されていく食器類１に対して洗浄
水を上下から噴射させる上下圧力噴射固定ノズル２２が
配設されている。貯水槽２１には、この貯水槽２１内に
貯められた洗浄水を上下圧力噴射固定ノズル２２へと圧
送するための洗浄ポンプ２３が設けられている。この実
施例では、貯水槽２１は、上下圧力噴射固定ノズル２２
から搬送ベルト７０上の食器類１に対して噴射された後
に落下する使用済み後の洗浄水を受けて排水するための
排水槽としての機能も果たすようになっている。したが
って、この貯水槽２１には、排水口２４が設けられてい
る。また、この貯水槽２１には、貯水槽２１内の水位を
調整するための水位調整フロート２５が配置されてい
る。

【００１３】すすぎ洗い室３０の下部には、すすぎ洗い
水を貯める貯水槽３１が配設されており、その上部に
は、搬送ベルト７０に載置されて搬送されていく食器類
１に対してすすぎ洗い水を上下から噴射させる上下圧力
噴射固定ノズル３２が配設されている。貯水槽３１に
は、この貯水槽３１内に貯められたすすぎ洗い水を上下
圧力噴射固定ノズル３２へと圧送するためのすすぎ洗い
ポンプ３３が設けられている。この実施例では、貯水槽
３１は、上下圧力噴射固定ノズル３２から搬送ベルト７
０上の食器類１に対して噴射された後に落下する使用済
み後のすすぎ洗い水を受けて排水するための排水槽とし
ての機能も果たすようになっている。したがって、この
貯水槽３１には、排水口３４が設けられている。また、
この貯水槽３１には、貯水槽３１内の水位を調整するた
めの水位調整フロート３５が配置されている。

【００１４】この実施例では、洗浄室２０とすすぎ洗い
室３０との間には、洗浄室２０内に噴射された洗浄水
と、すすぎ洗い室３０内に噴射されたすすぎ洗い水と
が、混ざり合わないようにするが、搬送ベルト７０の移
送を妨げないようにするノレン８０が設けられている。

【００１５】洗浄室２０の真上に配設されるアルカリ水
生成器５０は、例えば、水に乳酸カルシウムやグリセリ
ン酸カルシウム、グリコン酸カルシウムなどを入れて、
直流電流を流し、陰極と陽極の間に電解隔膜を設けて、
水を電気分解することにより、陰極側にアルカリイオン
水、陽極側に酸性イオン水を生成するようなものであっ
てよい。このアルカリ水生成器５０には、制御弁５２を
介在させた給水管５１を通して、電気分解すべき所定量
の水が供給されるようになっている。この実施例では、
こうして陰極側に生成されたアルカリイオン水は、すす
ぎ洗い室３０の真上に配設されたタンク６０内へと、ア
ルカリ水管５３を通して、供給され、そこで一旦貯蔵さ
れる。アルカリ水生成器５０によって生成されるアルカ
リ水は、ｐＨ９以上であるのが好ましい。

【００１６】タンク６０には、そこに貯められたアルカ
リ水を加熱するためのブースタ６１が配設されており、
また、タンク６０とアルカリ水生成器５０との間には、
タンク６０内に貯められるアルカリ水の水位を調整する
ための水位調整フロート６２が設けられており、また、
タンク６０内には、水位調整フロートの誤動作を防止す
るための遮蔽板６３も配設されている。この実施例で
は、タンク６０内に一旦貯蔵されブースタ６１によって
適当な温度まで加熱されたアルカリ水は、洗浄室２０で
の洗浄を行うための洗浄水およびすすぎ洗い室３０です
すぎ洗いを行うすすぎ洗い水の両者として使用されるよ
うになっている。

【００１７】タンク６０と洗浄室２０の貯水槽２１との
間には、洗浄水配管６４が配管されており、この洗浄水
配管６４には、制御弁６５が設けられている。また、タ
ンク６０とすすぎ洗い室３０の貯水槽３１との間には、
すすぎ洗い水配管６６が配管されており、このすすぎ洗
い水配管６６には、制御弁６７が設けられている。制御
弁６５を開くとき、タンク６０内のアルカリ水は、その
タンク６０内に貯められたアルカリ水の水位が有する水
頭圧により、貯水槽２１へと洗浄水として送り込まれ
る。一方、制御弁６７を開くとき、タンク６０内のアル
カリ水は、同様の水頭圧により、貯水槽３１へとすすぎ
洗い水として送り込まれる。

【００１８】次に、このような構成を有した洗浄装置の
全体動作について説明する。先ず、食器類１の洗浄を行
うための準備段階として、アルカリ水生成器５０を作動
して、電気分解により、アルカリ水を生成し、生成され
たアルカリ水を、アルカリ水管５３を通して、タンク６
０へと供給して、そこに一旦貯蔵する。タンク６０に適
当量のアルカリ水が貯蔵された後、ブースタ６１を付勢
して、アルカリ水を適当な温度まで加熱する。その後、
制御弁６５および６７を開き、タンク６０からアルカリ
水を各貯水槽２１および３１へと水頭圧にて送り込む。
各貯水槽２１および３１内に所定量のアルカリ水が貯め
られた後、コンベアモータ４５を付勢して、搬送ベルト
７０を作動させると共に、洗浄ポンプ２３およびすすぎ
洗いポンプ３３を作動させ、各貯水槽２１および３１か
ら各上下圧力噴射固定ノズル２２および３２により、洗
浄水およびすすぎ洗い水として、搬送ベルト７０へと適
当な割合で降りかけられるようにする。そして、作業者
は、入口部１０において、搬送ベルト７０上に洗浄すべ
き食器類１（食器類を収納した洗浄篭でもよい）を載置
していけばよい。

【００１９】搬送ベルト７０上に載置されて移送されて
いく食器類１は、先ず最初に、洗浄室２０内において、
上下圧力噴射固定ノズル２２からのアルカリ水のシャワ
ーを受けて洗浄されていく。このとき洗浄に使用された
アルカリ水は、再びその貯水槽２１へと落ちてそこに貯
められる。こうしてアルカリ水による洗浄が行われた食
器類１は、次いで、すすぎ洗い室３０内へと移送されて
いき、上下圧力噴射固定ノズル３２からのアルカリ水の
シャワーを受けてすすぎ洗いされていく。このときすす
ぎ洗いに使用されたアルカリ水は、再びその貯水槽３１
へと落ちてそこに貯められる。こうしてすすぎ洗いされ
た食器類１は、すすぎ洗い室３０の外へと移送され、作
業者は、出口部４０にて搬送ベルト７０の上からそれら
洗浄済みの食器類１を取り上げて、適当な保管場所へと
運ぶだけでよい。

【００２０】洗浄またはすすぎ洗いに使用された後のよ
ごれたアルカリ水は、それぞれ排水口２４または３４を
通して排出される。

【００２１】前述した実施例では、洗浄水もすすぎ洗い
水も、同じタンクに一旦貯めておいたアルカリ水を使用
したのであるが、すすぎ洗い用の同様のタンクを別個に
設けておき、通常の仕上げすすぎ湯を貯めておいて、こ
れをすすすぎ洗い水として使用するようにしてもよい。
また、その別個に設けた同様のタンクに、アルカリ水生
成器にてアルカリ水と同時に生成された酸性水（ｐＨ2.
２から３が好ましい）を貯めておいて、これをすすぎ洗
い水として使用するようにしてもよい。さらにまた、ア
ルカリ水を洗浄水として使用し且つすすぎ洗い水として
酸性水を使用する場合には、それぞれ使用済みのアルカ
リ水および酸性水を排水する際には、これらを混合して
中和してから、排水するようにするとよい。また、前述
した実施例では、シャワー方式の洗浄装置であったが、
本発明は、これに限らず、浸漬方式の洗浄装置も同様に
適用できるものである。さらにまた、前述した実施例は
搬送ベルトを使用した連続式のものであったが、本発明
は、これに限らず、ドア式等のバッチ処理式とすること
もできる。

【００２２】

【発明の効果】洗浄のために特別な化学洗剤を使用しな
いので、その排水に際して環境汚染の問題を生じない。
また、洗剤を使用しないので、洗浄のための全体のコス
トを低減できる。洗浄水として使用するアルカリ水に
は、除菌効果もあるので、洗浄において同時に消毒効果
を得ることもできる。

【００２３】アルカリ水生成器とタンクとを洗浄装置の
上部に設けているため、形状をコンパクトにでき、ま
た、上から水を落とす水頭圧式となるので、そのための
圧送ポンプ等が不要となるので、それだけ価格および維
持費を低減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例としての自動食器洗浄装置の
構成を概略的に示す図である。

【符号の説明】

１ 食器類 １０ 入口部 ２０ 洗浄室 ２１ 貯水槽 ２２ 上下圧力噴射固定ノズル ２３ 洗浄ポンプ ２４ 排水口 ３０ すすぎ洗い室 ３１ 貯水槽 ３２ 上下圧力噴射固定ノズル ３３ すすぎ洗いポンプ ３４ 排水口 ４０ 出口部 ４５ コンベアモータ ５０ アルカリ水生成器 ５３ アルカリ水管 ６０ タンク ６１ ブースタ ６４ 洗浄水配管 ６６ すすぎ洗い水配管 ７０ 搬送ベルト ８０ ノレン

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有間 貢 東京都目黒区鷹番３丁目24番15号 谷口工 業株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗浄水を貯める貯水槽を有し該洗浄水に
   よる食器類の洗浄を行う洗浄室と、該洗浄室の上方に配
   置されたアルカリ水生成器と、前記洗浄室の上方に配置
   されて前記アルカリ水生成器によって生成されたアルカ
   リ水を受け入れて一時的に貯蔵するためのタンクと、該
   タンクに貯蔵されたアルカリ水を洗浄水として該タンク
   から前記貯水槽へと水頭圧によって送り込むための水頭
   圧送り込み手段とを備えることを特徴とする自動食器洗
   浄装置。
2. 【請求項２】 前記洗浄室には、前記貯水槽の上にあっ
   て洗浄すべき食器類を載置する食器類載置手段と、該食
   器類載置手段の上に載置された食器類に対して洗浄水を
   噴射させる洗浄水噴射手段と、前記貯水槽からアルカリ
   水を前記洗浄水噴射手段へと圧送するためのポンプとが
   設けられており、前記貯水槽は、前記食器類に対して噴
   射されて洗浄に使用された後のアルカリ水を受けて排水
   するための排水槽としての機能も果たすようにした請求
   項１記載の自動食器洗浄装置。