JP3159146B2 - エアバッグ - Google Patents

エアバッグ

Info

Publication number
JP3159146B2
JP3159146B2 JP27346497A JP27346497A JP3159146B2 JP 3159146 B2 JP3159146 B2 JP 3159146B2 JP 27346497 A JP27346497 A JP 27346497A JP 27346497 A JP27346497 A JP 27346497A JP 3159146 B2 JP3159146 B2 JP 3159146B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cloth
airbag
gas
shape
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27346497A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10152009A (ja
Inventor
弘数 加藤
俊之 村井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP27346497A priority Critical patent/JP3159146B2/ja
Publication of JPH10152009A publication Critical patent/JPH10152009A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3159146B2 publication Critical patent/JP3159146B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air Bags (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の運転席側或
いは助手席側に設けられ、その乗員保護に用いられるエ
アバッグ装置において、平面展開された布材を縫合して
袋状に形成されたエアバッグの開口部を内側より覆うよ
うに内側布を設け、この内側布によりガスの噴射方向を
規制し、展開速度を低減するようにしたエアバッグ及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用エアバッグ装置に用いられ
るエアバッグでは、例えば図16及び13に示される構
成のものが知られている(特開平7−149199号公
報)。図16(a)はエアバッグ200の表裏を反転し
た時の構成を示した断面模式図を、図16(b)はイン
フレータ側布21及び内側布25の平面構成を示した模
式図をそれぞれ示している。又、図17はエアバッグ2
00の膨張時の断面構成を示した模式図をそれぞれ示し
ている。インフレータ側布21にはインフレータ23を
配置するための開口部24と、展開時や乗員保護時にガ
スを外部に排気してエアバッグ200内の圧力を調整す
る1対のベントホール27が設けられ、この開口部24
を覆うようにその縁部に内側布25がその外周縁部に設
けられた縫製部26にてインフレータ側布21に縫合さ
れている(図16(b))。縫製部26は周方向の4箇
所に設けられており、各縫製部26間がガスの噴射口を
形成している。このインフレータ側布21と乗員側布2
2とをその表裏を反転して袋状に縫合すると共に、開口
部24を覆うように内側布25をインフレータ側布21
に縫合し(図16(a))、開口部24及び各縫製部2
6間の噴射口を用いて表裏を再度反転することでエアバ
ッグ200が形成される。このようにエアバッグ200
を構成することによって、内側布25が内側より開口部
24を覆うように設けられるので、車両の衝突によりイ
ンフレータ23からガスが噴射されると、そのガスは内
側布25に当たって横方向に噴射され、エアバッグ20
0が横方向から展開する(図17)。これによりエアバ
ッグ200の乗員方向への展開速度が抑えられ、エアバ
ッグ200による乗員の強打を防止しつつ乗員を保護す
る構成としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このエ
アバッグ200では、表裏を反転してインフレータ側布
21と乗員側布22とを縫合した後に、表裏を再度反転
する際に開口部24と各縫製部26間の噴射口とが十分
な大きさを有していないために、再反転が困難であると
共に、再反転時に布地にキズがついたり、縫合部や裁断
部にほつれを生じ、エアバッグ200のコストアップや
品質の低下をもたらすという問題がある。又、エアバッ
グ200の再反転を容易に行うために、各縫製部26間
の噴射口の大きさを大きくしようとすれば、インフレー
タ23から発生したガスに対する絞り効果が低減し、ガ
スの方向規制効果が低下してしまう。さらに、エアバッ
グ200の展開時において、インフレータ側布21及び
乗員側布22の展開に先立って内側布25が展開すれ
ば、インフレータ23から噴射するガスが内側布25に
当たって横方向に噴射するが、上記従来技術では内側布
25の縫製部26がその外周縁部に設けられているため
に、内側布25がインフレータ側布21、乗員側布22
の展開に追従して展開する。これによって内側布25に
よるガスの横方向規制の効果が低下し、結果的にエアバ
ッグ200の展開速度が低下せず、乗員を強打する可能
性がある。
【0004】従って、本発明の目的は、上記課題に鑑
み、エアバッグの展開時に基布の展開に先立って内側布
を展開させることで噴射ガスの良好な方向規制を可能と
し、展開速度を抑えて乗員を強打することのないエアバ
ッグを実現することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の手段によれば、布材から成る基
布の接続によりインフレータの吹出口を配置する開口部
を有して袋状に形成され、その内側にインフレータから
発生するガスの噴射方向を規制するための内側布が設け
られたエアバッグにおいて、帯状の第1、第2の布部か
ら成る内側布は、ガスの噴射方向を規制する噴射部を有
して、開口部を内側より環状に覆うように接続される。
この内側布の所定の部位が互いに接続されることによ
り、内側布の展開時の形状を規定し、且つ噴射部の径を
任意に設定できる形状規定部が形成される。内側布が略
矩形状に折り畳まれ、その四隅の上下の内側布が各辺に
対して斜めに接続されることにより、形状規定部が形成
されることにより、インフレータから発生するガスに対
して絞り効果が得られる。尚、ここでいう噴射部とは、
内側布の長手方向に沿った対向する側端部や内側布に設
けられた孔部なども含まれる。内側布が、開口部に近接
して開口部を内側より覆うように接続されることによ
り、インフレータからガスが発生すると、そのガスの作
用により内側布が基布の展開に先立って展開するので、
噴射部によるガスの噴射方向規制を良好に行うことがで
き、ガスが内側布に当たって噴射部より乗員方向に対し
て略直交した方向に噴射され、エアバッグを乗員方向に
対して略直交した方向から展開させることができる。よ
って、エアバッグの展開速度を抑え、エアバッグの展開
による乗員の強打を阻止し、衝突時の衝撃から乗員を良
好に保護することができる。又、形状規定部を設けるこ
とで、噴射部の径が任意に設定可能となり、インフレー
タから発生するガスに対して絞り効果が得られるので、
ガスの噴射方向をより効果的に規制できる。
【0006】請求項2に記載の手段によれば、形状規定
部は、内側布の第1の布部及び第2の布部の端部を長手
方向に略直交した縫合位置にて縫合し、且つこの縫合位
置の両側を内側斜めに設けることで、絞り効果を得るよ
うにしている。
【0007】請求項3に記載の手段によれば、噴射部の
径と内側布の噴射部方向の最大径との比を1:1.2 以下と
することにより、インフレータから発生するガスに対す
る絞りを最も効果的にすることができる。この噴射部の
径は、小さすぎるとエアバッグを適切なレスポンスで展
開させるために必要なガスの噴射量が得られなくなるの
で、噴射部の径と内側布の噴射部方向の最大幅との比の
下限値は自ずと定まってくる。
【0008】
【0009】請求項4に記載の手段によれば、インフレ
ータを基準とした噴射部の高さが、エアバッグが収納さ
れるパッドの壁部より高くすることにより、噴射部から
噴射されるガスがパッドの壁部に遮られることがなく、
より良好にガスを噴射することができる。
【0010】請求項5に記載の手段によれば、噴射部に
よるガスの噴射方向が保護対象の乗員の略腹部方向に規
制されることにより、乗員の腹部を保護しつつエアバッ
グを展開させることができる。
【0011】請求項6に記載の手段によれば、噴射部に
おいて、乗員の略腹部方向の径が他の径より大きく設け
られることによって、乗員の腹部方向へのガスの噴射量
が他の方向への噴射量より大きくなり、乗員の腹部方向
へのエアバッグの展開を早めることが可能である。これ
により、エアバッグは、腹部方向の展開の後に頭部方向
に展開するので、展開時の安全性をより向上できる。
【0012】請求項7に記載の手段によれば、第1、第
2の帯状の布部のそれぞれの一端が一体的に形成される
ことにより内側布が1枚布で構成され、その内側布には
開口部と略同等の大きさの孔部が設けられる。この孔部
を開口部に位置合わせされて内側布が基布に接続される
ことにより、単体の内側布を用いて、基布との位置合わ
せを容易に行うことができる。
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。図1、2、4、5、6及び7はそれ
ぞれ本発明の実施例に係わる運転席用エアバッグ100
の製造方法を順に示した模式的断面図を示している。
又、図3は本実施例で用いられた内側布5の縫合前の平
面構成を示した模式図であり、図8は図7の変形例を示
した模式図である。又、図9はエアバッグ100の膨張
展開時の模式的断面図を示し、図10はそのA方向視を
それぞれ示している。又、図11は縫合された内側布5
近傍の構成を示した模式的な斜視図を示し、図12は縫
合位置55の変形例を示した模式図である。又、図13
は、乗員の腹部方向へのガス噴射量を大きくした場合の
膨張展開時の模式的断面図を示し、図14は、噴射部の
高さをパットの壁部より高くした場合の膨張展開時の模
式的断面図を示している。又、図15は、噴射部の絞り
比とエアバッグ100の展開速度との関係を示した特性
図である。
【0016】エアバッグ100は、図9に示されるよう
にナイロンなどから成る布材の切断により所定形状に形
成された上面基布1と、底面基布2との縫合により袋状
に形成されており、上面基布1が保護対象となる乗員側
に配置される。底面基布2の略中央には開口部20が設
けられており、開口部20の縁部には開口部20と略同
径の孔部40、53をそれぞれ有した帯状のつり紐4
1、内側布5が開口部20に近接した縫合位置50にて
内側に縫合されている。開口部20及び孔部40、53
には、噴射孔31をエアバッグ100の内側に配したイ
ンフレータ3が配置され、噴射孔31より噴射されたガ
スは内側布5に設けられた噴射部8より所定方向に噴射
される。つり紐41は内側布5の噴射部8が設けられた
側と異なる側を周回して、上面基布1に縫合されたつり
紐42と縫合されている。このつり紐41、42の縫合
によりエアバッグ100の展開時の形状が規定され、エ
アバッグ100の乗員方向への膨張高さを規制してい
る。エアバッグ100は、この噴射部8によるガス噴射
の方向が乗員に対して略縦方向の相異なる2方向になる
ように設けられている。
【0017】次に、エアバッグ100の製造方法につい
て説明する。図1に示されるように略円形状の底面基布
2の略中央部には、インフレータ3が配置される開口部
20が設けられており、つり紐41及び内側布5が底面
基布2の裏面2b上に縫合位置50にて縫合されてい
る。図1(a)はその平面図を示し、図1(b)はその
断面構成を模式的に示している。内側布5は、図3に示
されるようにその略中央に底面基布2の開口部20の径
と略同径に形成された孔部53と、孔部53の縁部に設
けられた固定部54と、両端に端部51、52とを有し
た帯状を成し、略左右対象に形成されている。この内側
布5は、開口部20を環状に覆うためにその長手方向に
略直交して折り曲げ部57、58が設けられている。
尚、内側布5において右半分が請求項でいうところの第
1の布部に相当し、左半分が第2の布部に相当する。つ
り紐41は、開口部20と略同径の孔部40と、端部4
1a、41bとを有した帯状を成し、2枚の布材から構
成されている。このつり紐41及び内側布5のそれぞれ
の孔部40、53を開口部20に位置合わせして、底面
基布2の裏面2b上につり紐41、内側布5の順に配置
し、開口部20に近接した縫合位置50にて内側布5及
びつり紐4を底面基布2に縫合する。これにより、図1
に示される構成が得られる。このとき内側布5の両端部
51、52はまだ縫合されていない。この内側布5を底
面基布2の開口部20に近接して縫合する工程が請求項
でいうところの第1の工程に相当する。
【0018】又、図2に示されるように略円形状を成す
上面基布1の裏面1b上の略中央には、帯状のつり紐4
2がその略中央に設けられた縫合位置45にて縫合され
ている。このつり紐42は、つり紐41の端部41a、
41bと縫合される端部42a、42bを有している。
尚、図2において(a)図が上面基布1及びつり紐42
の平面構成を示し、(b)図がその断面構成を示してい
る。
【0019】次に、図4に示されるように、底面基布2
上につり紐41と共に縫合された内側布5を折り曲げ部
57、58にて折り返し、内側布5を略長方形状に形成
する。そして、略長方形状に形成された内側布5の四隅
において、各辺に対して斜めに内側布5の上下の布材の
みを縫合し、直線状の形状規定部56を形成する。この
形状規定部56の作用により内側布5は展開時において
四隅が外向きに凸状に屈曲した形状に形成され、回転楕
円体形状に膨らむと共に、後述する噴射部8の径9の大
きさが設定される。内側布5に形状規定部56を形成す
る工程が、請求項でいうところの第4の工程に相当す
る。
【0020】続いて、図5に示されるように上面基布1
及び底面基布2のそれぞれの裏面1b、2bが外側に配
置されるように、それぞれの縫合部1a、2aを縫合
し、上面基布1及び底面基布2を袋状に形成する。この
上面基布1と底面基布2とを袋状に縫合する工程が請求
項でいうところの第2の工程に相当する。
【0021】そして、つり紐41の端部41a、41b
とつり紐42の端部42a、42bとをそれぞれ縫合位
置43、44にて接続した後に、上面基布1及び底面基
布2のそれぞれの表面1c、2cが外側に配置するよう
に開口部20を用いて上面基布1及び底面基布2の表裏
を反転すれば、図6に示される構成が得られる。この状
態にて、図7に示されるように内側布5の端部51、5
2を開口部20より底面基布2の外側に引き出し、端部
51、52の向きを同じにして長手方向に略直交した縫
合位置55にて縫合する。このように内側布5の両端部
51、52を互いに縫合し、底面基布2の内側に配置す
ることにより、内側布5が開口部20を内側より環状に
覆うように設けられる。そして、内側布5の長手方向に
対向した両側端部により径9(図10参照)を有した1
対の噴射部8が開口部20を中心として略対称に形成さ
れる。このようにしてエアバッグ100が形成され、内
側布5近傍の斜視図を示せば図11の如き構成が得られ
る。尚、内側布5の端部51、52を縫合し、開口部2
0を内側より覆うように内側布5を設け、噴射部8を形
成する工程が請求項でいうところの第3の工程に相当す
る。又、本実施例では噴射部径9と内側布5の噴射部8
方向の最大幅10との比が1:1.2以下となるように
噴射部8が形成されている。又、内側布5はその長手方
向が車両の略車幅方向に沿った方向になるように設けら
れている。
【0022】このようにしてエアバッグ100を形成
し、開口部20にインフレータ3を配置し、内側布5近
傍の模式的斜視図が図11である。又、インフレータ3
から噴射されたガスによりエアバッグ100は図9に示
される形状に展開する。衝突の検知によりインフレータ
3からガスが発生すると、そのガスは噴射孔31から噴
射され、エアバッグ100の内部に供給される。内側布
5は開口部20に近接した位置50にて底面基布2に縫
合されているので、ガスが供給されると基布1、2の展
開に先立って内側布5が回転楕円体形状に膨張展開す
る。この内側布5の展開により、ガスは内側布5の噴射
部8より図中横方向にガス流7を形成して噴射される。
内側布5はその長手方向が車両の略幅方向に沿って設け
られているので、噴射部8から噴射されるガス流7の方
向は、車両の幅方向に対して略直交した方向、即ち、乗
員に対して略縦方向になる。このガス流7は噴射部8よ
り出て、基布1、2の内周に沿ったガス流6となる。こ
のようなガス流6、7により基布1、2がストレートに
乗員側に展開されず、乗員に対して略縦方向より膨張展
開される。又、展開時において上面基布1は、つり紐4
1、42により乗員側への所定量以上の移動が規制され
るので、エアバッグ100はつり紐41、42の作用も
加わって乗員側へのストレートな展開が抑止される。
【0023】このように、内側布5が開口部20に近接
した位置50にて底面基布2に縫合された構成とするこ
とにより、展開時に基布1、2の展開に先立って内側布
5が展開し、噴射部8によるガスの噴射方向を乗員方向
に対して略直交する方向に向けることができる。これに
より、エアバッグ100を乗員方向に対して略直交する
方向から展開させ、エアバッグ100の展開速度を抑止
し、エアバッグ100による乗員強打を阻止することが
できる。特に、噴射部8によりガスを乗員に対して略縦
方向に噴射する構成とすることにより、エアバッグ10
0は最初略縦方向に展開するため、乗員の略腹部の方向
にエアバッグ100は展開し、乗員の腹部を保護しつつ
エアバッグ100を展開させることができる。又、内側
布5の四隅を縫合して形状規定部56を形成することに
より、その展開時の形状がガス流により振動を生じやす
い筒状ではなく、四隅が外向きに凸状に屈曲した形状を
成すので、ガス流による内側布5の振動を防止し、噴射
部8からガスを安定して噴射させることができる。
【0024】さらに、噴射部径9と内側布5の噴射部8
方向の最大幅10との比が1:1.2 以下となるように噴射
部8が形成されることにより、噴射ガスに対する絞り効
果が高まり、ガスを所定の方向に効果的に噴射すること
ができる。図15は、噴射部15の径9と内側布5の噴
射部5方向の最大幅10との比(絞り比=径9/最大幅
10)と、エアバッグ100の展開速度との関係を示し
た特性図である。尚、エアバッグ100の展開速度は、
絞り比1/1 を基準としている。この図に見られるよう
に、展開速度は、絞り比1/1.2 以下において大きく低減
することがわかる。これは、噴射部8により噴射ガスに
対する絞り効果が向上することを意味する。よって、本
実施例の如く、絞り比を適切な値に設定することによ
り、噴射ガスを効果的に絞ることが可能である。
【0025】エアバッグ100の製造方法における効果
としては、表裏を再反転した後に開口部20から2つに
分割された内側布5の端部51、52を底面基布2の外
側に取り出してそれぞれを互いに縫合する構成であるの
で、表裏の再反転時において開口部20を内側布5が覆
っておらず、表裏の再反転を容易に行うことができ、エ
アバッグ100の製造工数が低減し、エアバッグ100
のコストを低減できる。又、再反転を無理なく行えるの
で、再反転時にキズやほつれを生じることがなく、エア
バッグ100の品質を向上させることができる。
【0026】上記実施例では、図7に示されるように内
側布5の端部51、52を同じ向きに引き出して縫合す
る構成としたが、図8に示されるように端部51、52
の向きを異なるように重ね合わせて縫合する構成として
もよい。又、上記実施例では、エアバッグ100を運転
席用に用いられる構成としたが、エアバッグ100は助
手席用に用いてもよい。又、上記実施例では、内側布5
を単体の帯状布で構成したが、複数個の帯状布を縫合し
て内側布5を構成してもよい。例えば、内側布を2つに
分離し、孔部を設けない構成とし、2つに分離された内
側布のそれぞれの一端を開口部を覆うことなしに開口部
に近接して縫合し、基布1、2の表裏を再反転したのち
に内側布のそれぞれの他端を互いに縫合することで上記
実施例と同等の形状を得ることができる。
【0027】上記実施例では、内側布5の長手方向に対
向した側端部で噴射部8を形成し、ガスを相異なる2方
向に噴射する構成としたが、内側布5の折り曲げ部に孔
部や切り込みなどを設け、それを噴射部として用いる構
成としてもよく、又、噴射部を4箇所以上に設け、ガス
を4方向以上に噴射する構成としてもよい。又、上記実
施例では、図11に示されるように内側布5の端部5
1、52を長手方向に略直交した縫合位置55にて縫合
する構成としたが、縫合位置55を他の位置に設けても
よい。例えば、図12(a)に示すように縫合位置55
の両端を内側に斜めに設けてもよい。これにより、内側
布5の展開時の形状を回転楕円体により近い形状にでき
る。
【0028】又、上記実施例では、噴射部8を開口部2
0を中心として対称に設け、エアバッグ100を開口部
20に対して対称に展開する構成としたが、噴射部8を
開口部20を中心として非対称に設け、エアバッグ10
0を開口部20に対して非対称に展開する構成としても
よい。例えば、図12(b)に示すように、縫合位置5
5を斜めに設け、噴射部81の径を大きくし、噴射部8
2の径を小さくしてもよい。このようにすることで、噴
射部81からのガスの噴射量が大きく設定でき、噴射部
81側からのエアバッグの展開を噴射部82側より早め
ることが可能である。この状態を示した模式的断面図が
図13である。よって、噴射部81を乗員の略腹部方向
に向ければ、エアバッグは乗員に対して腹部側から展開
し、その後に頭部側に展開させることが可能である。こ
れより、エアバッグは、乗員の腹部側を保護しつつ、展
開速度が抑えられて乗員の頭部側に展開するので、展開
時における乗員の強打が確実に防止でき、十分な安全性
を有する。このように、噴射部を開口部20に対して非
対称に設けることで、ガスの噴射方向を任意に設定で
き、エアバッグ100を任意の方向に展開させることが
できる。
【0029】又、展開時においてインフレータ3を基準
とする噴射部8の高さH2 をパッド壁部11の高さH1
より大きくしてもよい。この状態の模式的断面図を図1
4に示す。このようにすることで、展開時に噴射部8か
ら噴射されたガスが壁部11に遮られることがないの
で、ガスをエアバッグ100内に効果的に噴射させるこ
とができる。上記実施例では、略長方形状に折り返され
た内側布5の四隅に各辺に対して斜めに形状規定部56
を直線状に設けた構成としたが、この形状規定部56は
内側布5の四隅に開口部20の円形に沿って曲線状に形
成してもよく、内側布5の展開時の形状を回転楕円体又
はボール状に規定できれば、形状規定部56の形状は他
の形状でもよい。又、上記実施例では、内側布5の固定
部54を底面基布2上に縫合した後に、形状規定部56
を形成する構成としたが、予め形状規定部56が形成さ
れた内側布5を底面基布2上に縫合する構成としてもよ
い。
【0030】上記実施例では、内側布5の略中央に孔部
53を設けた構成としたが、この孔部53は内側布5の
中央に設けられていなくともよい。又、上記実施例で
は、噴射部径9と内側布5の噴射部8方向の最大幅10
との比が1:1.2 以下となるように噴射部8が形成される
構成としたが、噴射部径9と内側布5の噴射部8方向の
最大幅10との比は1:1.2 以下で、ガスの横方向への拡
散性が良く、エアバッグ100の展開時のレスポンスに
支障がない範囲であればよい。
【0031】上記実施例では、上面基布1及び底面基布
2をそれぞれ別体で構成したが、1枚物の布材の切断に
より上面基布1と底面基布2とが一体的に形成された構
成としてもよい。又、上記実施例では、上面基布1と底
面基布2との間につり紐41、42を縫合し、展開時に
おけるエアバッグ100の乗員方向への膨張高さを規制
する構成としたが、つり紐41、42を設けない構成と
してもよい。
【0032】上記に示されるように、本発明によれば、
形状規定部を設けることにより、内側布の展開時の形状
は、四隅が外向きに凸状に屈曲した形状、即ち、回転楕
円体に近似した形状に膨らむので、ガスを安定して噴射
でき、噴射部の径と内側布の噴射部方向の最大幅との比
を1:1.2 以下に設けることで、ガスを効果的に絞ること
ができるので、エアバッグの展開速度を低減させ、エア
バッグによる乗員強打を阻止することが可能である。
又、エアバッグ製造時において、内側布の孔部を底面基
布の開口部に位置合わせし、開口部に近接した位置にて
内側布を基布に縫合し、表裏を反転した状態にて上面基
布と底面基布とを袋状に縫合し、開口部を用いて上面及
び底面基布の表裏を再反転した後に、内側布の両端部を
開口部より基布の外側に取り出して縫合することによ
り、再反転を容易に行うことができる。これにより、エ
アバッグの製造工数を低減できると共に、再反転時にエ
アバッグにキズやほつれを生じることがなく、エアバッ
グの品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる具体的な実施例において、底面
基布につり紐及び内側布を縫合した状態を示した模式的
断面図。
【図2】上面基布につり紐を縫合した状態を示した模式
的断面図。
【図3】内側布の平面構成を示した模式図。
【図4】内側布を折り畳み、その四隅に形状規定部を形
成した状態を示した模式図。
【図5】上面基布と底面基布とを表裏を反転して縫合し
た状態を示した模式的断面図。
【図6】つり紐を接続し、表裏を再反転した状態を示し
た模式的断面図。
【図7】内側布の両端部を開口部より外側に取り出して
縫合した状態を示した模式的断面図。
【図8】内側布の両端部を開口部より外側に取り出して
縫合した他の状態を示した模式的断面図。
【図9】エアバッグの膨張展開時の状態を示した模式的
断面図。
【図10】図9におけるA方向視を示した模式図。
【図11】内側布近傍の構成を示した模式的斜視図。
【図12】内側布の端部の縫合位置の変形例を示した模
式図。
【図13】開口部に対して噴射部を非対称に設けたとき
のエアバッグの展開状態を示した模式的断面図。
【図14】インフレータを基準とする噴射部の高さを、
パッドの壁部の高さより高く設けたときのエアバッグの
展開状態を示した模式的断面図。
【図15】絞り比とエアバッグの展開速度との関係を示
した特性図。
【図16】従来のエアバッグの構成を示した模式図。
【図17】従来のエアバッグの膨張展開時の構成を示し
た模式的断面図。
【符号の説明】
1 上面基布 2 底面基布 3 インフレータ 41、42 つり紐 5 内側布 6、7 ガスの流れ 8 噴射部 9 噴射部径 10 内側布最大幅 20 開口部 55 縫合位置 56 形状規定部 100 運転席用エアバッグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/16

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 布材から成る基布の接続によりインフレ
    ータの吹出口を配置する開口部を有して袋状に形成さ
    れ、その内側に前記インフレータから発生するガスの噴
    射方向を規制するための内側布が設けられたエアバッグ
    において、 前記内側布は帯状の第1、第2の布部から成り、前記ガ
    スの噴射方向を規制する噴射部を有して、前記開口部に
    近接して前記開口部を内側より環状に覆うように接続さ
    れ、 前記内側布の所定の部位が互いに接続されることによ
    り、前記内側布の展開時の形状が規定されると共に、前
    記噴射部の径が任意に設定可能とされ、前記インフレー
    タから発生する前記ガスに対して絞り効果を有する形状
    規定部が設けられると共に、 前記内側布は略矩形状に折り畳まれ、その四隅の上下の
    前記内側布が各辺に対して斜めに接続されることによ
    り、前記形状規定部が形成されたこと を特徴とするエア
    バッグ。
  2. 【請求項2】 布材から成る基布の接続によりインフレ
    ータの吹出口を配置する開口部を有して袋状に形成さ
    れ、その内側に前記インフレータから発生するガスの噴
    射方向を規制するための内側布が設けられたエアバッグ
    において、 前記内側布は帯状の第1、第2の布部から成り、前記ガ
    スの噴射方向を規制する噴射部を有して、前記開口部に
    近接して前記開口部を内側より環状に覆うように接続さ
    れ、 前記内側布の所定の部位が互いに接続されることによ
    り、前記内側布の展開時の形状が規定されると共に、前
    記噴射部の径が任意に設定可能とされ、前記インフレー
    タから発生する前記ガスに対して絞り効果を有する形状
    規定部が設けられると共に、 この形状規定部は、前記内側布の第1の布部及び第2の
    布部の端部を長手方向に略直交した縫合位置にて縫合
    し、且つこの縫合位置の両側を内側斜めに設けること
    特徴とするエアバッグ。
  3. 【請求項3】 前記噴射部の径と前記内側布の前記噴射
    部方向の最大幅との比が1:1.2 以下であることを特徴と
    する請求項1若しくは2に記載のエアバッグ。
  4. 【請求項4】 前記インフレータを基準とした前記噴射
    部の高さが、前記エアバッグが収納されるパッドの壁部
    の高さより高いことを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れか1項に記載のエアバッグ。
  5. 【請求項5】 前記噴射部による前記ガスの噴射方向
    が、前記乗員の略腹部方向に設けられたことを特徴とす
    る請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエアバッグ。
  6. 【請求項6】 前記噴射部は、前記乗員の略腹部方向の
    径が、他の径より大きく設けられたことを特徴とする
    求項5に記載のエアバッグ。
  7. 【請求項7】 前記内側布は、前記第1、第2の布部の
    それぞれの前記一端が一体的に形成された1枚布から成
    り、前記開口部と略同等の大きさの孔部が設けられ、前
    記孔部が前記開口部に位置合わせされて前記基布に接続
    されたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項
    に記載のエアバッグ。
JP27346497A 1996-09-24 1997-09-19 エアバッグ Expired - Fee Related JP3159146B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27346497A JP3159146B2 (ja) 1996-09-24 1997-09-19 エアバッグ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27405896 1996-09-24
JP8-274058 1996-09-24
JP27346497A JP3159146B2 (ja) 1996-09-24 1997-09-19 エアバッグ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10152009A JPH10152009A (ja) 1998-06-09
JP3159146B2 true JP3159146B2 (ja) 2001-04-23

Family

ID=26550666

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27346497A Expired - Fee Related JP3159146B2 (ja) 1996-09-24 1997-09-19 エアバッグ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3159146B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11245752A (ja) * 1998-03-04 1999-09-14 Autoliv Japan Kk エアバッグモジュール
US6626459B2 (en) 2000-03-31 2003-09-30 Toyoda Gosei Co., Ltd. Air bag for steering wheel
JP2002144996A (ja) 2000-11-14 2002-05-22 Nippon Plast Co Ltd エアバッグ及びエアバッグの折畳方法
KR20040041354A (ko) * 2002-11-11 2004-05-17 현대자동차주식회사 에어백 구조
JPWO2007013309A1 (ja) * 2005-07-29 2009-02-05 オートリブ ディベロップメント エービー 乗員拘束用エアバッグ
JP5109601B2 (ja) * 2007-11-09 2012-12-26 豊田合成株式会社 エアバッグ装置
JP6726543B2 (ja) 2016-07-01 2020-07-22 日本プラスト株式会社 エアバッグ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10152009A (ja) 1998-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101332718B1 (ko) 팽창식 에어백
JP4826869B2 (ja) エアバッグ及びエアバッグ装置
JP3577208B2 (ja) 助手席用エアバッグ装置
JP4407336B2 (ja) エアバッグ装置
JP2002144996A (ja) エアバッグ及びエアバッグの折畳方法
US10053043B2 (en) Airbag for a front passenger seat
JPH106899A (ja) エアバッグ装置およびエアバッグの折畳方法
JP2008254500A (ja) 助手席用エアバッグ
JP3159146B2 (ja) エアバッグ
JP2001171468A (ja) サイドエアバッグ装置
JP3370257B2 (ja) エアバッグ装置用袋体及び袋体の製造方法
JP7001027B2 (ja) 助手席用エアバッグ
JPH10226294A (ja) 車両用エアバッグ
JP2005280470A (ja) 助手席用エアバッグ
JP4013661B2 (ja) 外面展開型エアバッグ及び外面展開型エアバッグ装置
JPH11321508A (ja) エアバッグ及びその製造方法
JPH10166978A (ja) 車両用エアバッグ
JPH07232607A (ja) 車両用エアバッグおよびその製造方法
JPH09323604A (ja) 乗員拘束装置用エアバッグ
JP2873784B2 (ja) 車両用エアバッグ
JP7183947B2 (ja) 車両用エアバッグ装置
JP2008056030A (ja) エアベルト及びエアベルト装置
JP2002166819A (ja) エアバッグ
JP3750154B2 (ja) 車両用エアバッグ
JPH11301386A (ja) エアバッグ装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees