JP3157724B2 - インドールの精製方法 - Google Patents
インドールの精製方法Info
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- JP3157724B2 JP3157724B2 JP25393896A JP25393896A JP3157724B2 JP 3157724 B2 JP3157724 B2 JP 3157724B2 JP 25393896 A JP25393896 A JP 25393896A JP 25393896 A JP25393896 A JP 25393896A JP 3157724 B2 JP3157724 B2 JP 3157724B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コールタール留
分から分離された濃度80%以上の粗インドールを精製
して白色で高純度のインドールを製造する方法に関す
る。
分から分離された濃度80%以上の粗インドールを精製
して白色で高純度のインドールを製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インドールは、融点53℃、沸点253
℃(762Torr)の白色の小葉状結晶であり、必須
アミノ酸の一つであるトリプトファンや医農薬の合成原
料であるインドリンあるいは香料の原料として有用な化
合物である。
℃(762Torr)の白色の小葉状結晶であり、必須
アミノ酸の一つであるトリプトファンや医農薬の合成原
料であるインドリンあるいは香料の原料として有用な化
合物である。
【0003】従来、高純度のインドールの製造には、コ
ールタール、石炭液化油等の粗原料を蒸留により濃縮
し、その後アルカリ溶融法、共沸蒸留法、抽出法、冷却
晶析法、イオン交換法あるいは吸着法などによって分離
した純度80%前後の粗インドール結晶を精製する方法
が知られている。
ールタール、石炭液化油等の粗原料を蒸留により濃縮
し、その後アルカリ溶融法、共沸蒸留法、抽出法、冷却
晶析法、イオン交換法あるいは吸着法などによって分離
した純度80%前後の粗インドール結晶を精製する方法
が知られている。
【0004】従来、粗インドールを精製して高純度イン
ドールを製造する方法としては、下記(1)〜(5)の
方法が知られている。 (1) 沸点50〜150℃のパラフィン系またはナフ
テン系炭化水素溶媒で再結晶して高純度インドールを回
収する方法(特開昭57−134462号公報)。 (2) 粗インドール結晶を脂肪族炭化水素および/ま
たは脂環族炭化水素溶剤で洗浄したのち、乾燥する方法
(特開昭64−3168号公報)。 (3) 粗インドールにパラフィン系またはナフテン系
炭化水素溶媒と活性白土等の脱色剤を用いて再結晶処理
と脱色処理を施す方法(特開昭64−56659号公
報)。 (4) 粗インドールから液体または超臨界ガス状態の
二酸化炭素により他の不純物を除去する方法(特開平1
−254660号公報)。 (5) インドールを50%以上含有する混合物を高圧
容器に供給し、該容器内で混合物を700〜2500気
圧に加圧してインドールを晶出させ、引続き加圧下で5
0〜65℃で固液分離を開始して高純度のインドールを
固体状態で取出す方法(特開平1−311062号公
報)。
ドールを製造する方法としては、下記(1)〜(5)の
方法が知られている。 (1) 沸点50〜150℃のパラフィン系またはナフ
テン系炭化水素溶媒で再結晶して高純度インドールを回
収する方法(特開昭57−134462号公報)。 (2) 粗インドール結晶を脂肪族炭化水素および/ま
たは脂環族炭化水素溶剤で洗浄したのち、乾燥する方法
(特開昭64−3168号公報)。 (3) 粗インドールにパラフィン系またはナフテン系
炭化水素溶媒と活性白土等の脱色剤を用いて再結晶処理
と脱色処理を施す方法(特開昭64−56659号公
報)。 (4) 粗インドールから液体または超臨界ガス状態の
二酸化炭素により他の不純物を除去する方法(特開平1
−254660号公報)。 (5) インドールを50%以上含有する混合物を高圧
容器に供給し、該容器内で混合物を700〜2500気
圧に加圧してインドールを晶出させ、引続き加圧下で5
0〜65℃で固液分離を開始して高純度のインドールを
固体状態で取出す方法(特開平1−311062号公
報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)、(3)に
開示の再結晶方法では、使用するパラフィン系またはナ
フテン系炭化水素溶媒はインドールを溶解させるのに溶
媒量が多くなり、溶媒の回収に蒸留法を用いるため、多
大な熱エネルギーを必要とし、ランニングコストが高く
なるという問題点を有している。また、上記(2)に開
示の洗浄法は、本発明者らが実施したところでは、極め
て高い純度のインドールが得られない。さらに、上記
(4)、(5)に開示の方法は、高圧下で操作を行うた
め、耐圧容器あるいは特殊な晶出設備を必要とし、設備
費が高くなるという欠点を有している。
開示の再結晶方法では、使用するパラフィン系またはナ
フテン系炭化水素溶媒はインドールを溶解させるのに溶
媒量が多くなり、溶媒の回収に蒸留法を用いるため、多
大な熱エネルギーを必要とし、ランニングコストが高く
なるという問題点を有している。また、上記(2)に開
示の洗浄法は、本発明者らが実施したところでは、極め
て高い純度のインドールが得られない。さらに、上記
(4)、(5)に開示の方法は、高圧下で操作を行うた
め、耐圧容器あるいは特殊な晶出設備を必要とし、設備
費が高くなるという欠点を有している。
【0006】この発明の目的は、上記従来技術の欠点を
解消し、溶媒を少量使用して大気圧下で再結晶すること
によって、白色の小葉状結晶で、かつ99.9%以上の
高純度のインドールを高収率で得ることができるインド
ールの精製方法を提供することにある。
解消し、溶媒を少量使用して大気圧下で再結晶すること
によって、白色の小葉状結晶で、かつ99.9%以上の
高純度のインドールを高収率で得ることができるインド
ールの精製方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべくコールタールから分離された着色した粗イ
ンドールを用い、香料原料となりうる白色の小葉状結晶
で、99.9%以上の高純度のインドールを効率的に精製で
きる方法について鋭意試験研究を行った。その結果、着
色した粗インドールをメタノールと水の混合溶媒に完全
に溶解させた溶液を、冷却して析出するインドール結晶
を母液から分離すれば、99.9%以上の高純度で白色の小
葉状結晶のインドールが得られることを究明し、この発
明に到達した。
を達成すべくコールタールから分離された着色した粗イ
ンドールを用い、香料原料となりうる白色の小葉状結晶
で、99.9%以上の高純度のインドールを効率的に精製で
きる方法について鋭意試験研究を行った。その結果、着
色した粗インドールをメタノールと水の混合溶媒に完全
に溶解させた溶液を、冷却して析出するインドール結晶
を母液から分離すれば、99.9%以上の高純度で白色の小
葉状結晶のインドールが得られることを究明し、この発
明に到達した。
【0008】すなわち、この発明の請求項1のインドー
ルの精製方法は、コールタール留分から分離された濃度
80%以上の粗インドールを、メタノールと水の混合溶媒
に完全に溶解させたのち、再結晶して析出するインドー
ル結晶を母液から分離することとしている。このよう
に、濃度80%以上の粗インドールを、メタノールと水の
混合溶媒に完全に溶解させたのち、再結晶して析出する
インドール結晶を母液から分離することによって、少量
のメタノールを用いても溶媒量を減少させずにインドー
ルの溶解量を確保することができ、99.9%以上の高純度
で、白色小葉状のインドール結晶を回収することができ
る。
ルの精製方法は、コールタール留分から分離された濃度
80%以上の粗インドールを、メタノールと水の混合溶媒
に完全に溶解させたのち、再結晶して析出するインドー
ル結晶を母液から分離することとしている。このよう
に、濃度80%以上の粗インドールを、メタノールと水の
混合溶媒に完全に溶解させたのち、再結晶して析出する
インドール結晶を母液から分離することによって、少量
のメタノールを用いても溶媒量を減少させずにインドー
ルの溶解量を確保することができ、99.9%以上の高純度
で、白色小葉状のインドール結晶を回収することができ
る。
【0009】また、この発明の請求項2のインドールの
精製方法は、水がメタノールに対し0.33〜1.0重
量倍のメタノールと水の混合溶媒を、濃度80%以上の
粗インドールに対し0.5〜1.0重量倍使用すること
としている。このように、水がメタノールに対し0.3
3〜1.0重量倍のメタノールと水の混合溶媒を、濃度
80%以上の粗インドールに対し0.5〜1.0重量倍
使用することによって、高収率で、99.9%以上の高
純度で白色小葉状のインドール結晶を回収することがで
きる。
精製方法は、水がメタノールに対し0.33〜1.0重
量倍のメタノールと水の混合溶媒を、濃度80%以上の
粗インドールに対し0.5〜1.0重量倍使用すること
としている。このように、水がメタノールに対し0.3
3〜1.0重量倍のメタノールと水の混合溶媒を、濃度
80%以上の粗インドールに対し0.5〜1.0重量倍
使用することによって、高収率で、99.9%以上の高
純度で白色小葉状のインドール結晶を回収することがで
きる。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明において原料として使用
する粗インドールは、コールタール留分からアルカリ溶
融法、共沸蒸留法、抽出法、冷却晶析法、イオン交換法
あるいは吸着法など公知の方法によって分離されたもの
で、インドール濃度が80%以上であればよく、好まし
くは90%以上である。インドール濃度が80%以上9
0%未満では、1回目の再結晶によってインドール濃度
90%以上としたのち、2回目の再結晶を行えば、9
9.9%以上の高純度で白色のインドール結晶を回収す
ることができる。
する粗インドールは、コールタール留分からアルカリ溶
融法、共沸蒸留法、抽出法、冷却晶析法、イオン交換法
あるいは吸着法など公知の方法によって分離されたもの
で、インドール濃度が80%以上であればよく、好まし
くは90%以上である。インドール濃度が80%以上9
0%未満では、1回目の再結晶によってインドール濃度
90%以上としたのち、2回目の再結晶を行えば、9
9.9%以上の高純度で白色のインドール結晶を回収す
ることができる。
【0011】この発明において使用する再結晶溶媒は、
メタノールと水との混合溶媒であって、99.9%以上
の高純度インドールを回収するためには、水がメタノー
ルに対し0.33〜1.0重量倍の範囲内で、さらに好
ましくは0.37〜0.67重量倍である。再結晶溶媒
の使用量は、粗インドールに対し0.5〜1.0重量倍
の範囲内で、さらに好ましくは0.6〜0.8重量倍で
ある。再結晶溶媒の使用量は、粗インドールに対し1.
0重量倍を超えると、インドールの歩留が低下し、0.
5重量倍未満では、溶解液から冷却析出する結晶のスラ
リー濃度が高くなりすぎて効果的な撹拌ができなくな
り、不純物がインドール結晶に包含されて純度上昇を阻
害する。粗インドールをメタノールと水との混合溶媒に
溶解させる温度は、メタノールの沸点以下であればよ
く、60℃付近が適当である。
メタノールと水との混合溶媒であって、99.9%以上
の高純度インドールを回収するためには、水がメタノー
ルに対し0.33〜1.0重量倍の範囲内で、さらに好
ましくは0.37〜0.67重量倍である。再結晶溶媒
の使用量は、粗インドールに対し0.5〜1.0重量倍
の範囲内で、さらに好ましくは0.6〜0.8重量倍で
ある。再結晶溶媒の使用量は、粗インドールに対し1.
0重量倍を超えると、インドールの歩留が低下し、0.
5重量倍未満では、溶解液から冷却析出する結晶のスラ
リー濃度が高くなりすぎて効果的な撹拌ができなくな
り、不純物がインドール結晶に包含されて純度上昇を阻
害する。粗インドールをメタノールと水との混合溶媒に
溶解させる温度は、メタノールの沸点以下であればよ
く、60℃付近が適当である。
【0012】この発明における再結晶法の操作は、純度
80%以上の粗インドールをメタノールと水との混合溶
媒に完全に溶解させるか、あるいは純度80%以上の粗
インドールをメタノールに溶解させた後水を加えること
もできる。この粗インドール溶解液は、室温付近まで撹
拌しながら冷却し、インドール結晶を析出させる。この
再結晶させたインドールを母液から分離する方法は、一
般的な固液分離方法を採用することができるが、特に濾
過分離が好ましい。粗インドールをメタノールに溶解さ
せた後水を加えた場合は、粗インドールをメタノールと
水との混合溶媒に溶解させた場合に比較し、精製インド
ールの純度、収率は変わらず、結晶粒度が細かくなる
が、濾過分離には何ら問題はない。
80%以上の粗インドールをメタノールと水との混合溶
媒に完全に溶解させるか、あるいは純度80%以上の粗
インドールをメタノールに溶解させた後水を加えること
もできる。この粗インドール溶解液は、室温付近まで撹
拌しながら冷却し、インドール結晶を析出させる。この
再結晶させたインドールを母液から分離する方法は、一
般的な固液分離方法を採用することができるが、特に濾
過分離が好ましい。粗インドールをメタノールに溶解さ
せた後水を加えた場合は、粗インドールをメタノールと
水との混合溶媒に溶解させた場合に比較し、精製インド
ールの純度、収率は変わらず、結晶粒度が細かくなる
が、濾過分離には何ら問題はない。
【0013】濃度90%以上の粗インドールの場合は、
上記の再結晶処理を1回行えば、医農薬あるいは香料原
料として使用できる99.9%以上の高純度で、白色小
葉状のインドールを得ることができる。また、濃度80
%以上90%未満の粗インドールの場合は、上記の再結
晶処理を2回行えば、医農薬あるいは香料原料として使
用できる99.9%以上の高純度で、白色小葉状のイン
ドール結晶を得ることができる。
上記の再結晶処理を1回行えば、医農薬あるいは香料原
料として使用できる99.9%以上の高純度で、白色小
葉状のインドールを得ることができる。また、濃度80
%以上90%未満の粗インドールの場合は、上記の再結
晶処理を2回行えば、医農薬あるいは香料原料として使
用できる99.9%以上の高純度で、白色小葉状のイン
ドール結晶を得ることができる。
【0014】
実施例1〜3 表1に示すとおり、インドール濃度95.07%の原料
粗インドール150gとメタノール60.0gと水40
g、35g、30gを撹拌機付容量300mlのセパラ
ブルフラスコに入れ、ウォターバスにて60℃で混合溶
解したのち、恒温槽で約1時間かけて25℃まで撹拌し
ながら冷却してインドールを再結晶させ、遠心濾過した
のち真空乾燥して白色の小葉状結晶の精製インドールを
得た。原料粗インドールならびに精製インドールをガス
クロマトグラフィにより分析した結果を表1に示す。ま
た、表1中の精製インドールの収率は、原料として用い
た粗インドール中のインドールを基準にして算出した。
粗インドール150gとメタノール60.0gと水40
g、35g、30gを撹拌機付容量300mlのセパラ
ブルフラスコに入れ、ウォターバスにて60℃で混合溶
解したのち、恒温槽で約1時間かけて25℃まで撹拌し
ながら冷却してインドールを再結晶させ、遠心濾過した
のち真空乾燥して白色の小葉状結晶の精製インドールを
得た。原料粗インドールならびに精製インドールをガス
クロマトグラフィにより分析した結果を表1に示す。ま
た、表1中の精製インドールの収率は、原料として用い
た粗インドール中のインドールを基準にして算出した。
【0015】
【表1】
【0016】表1に示すとおり、実施例1により得られ
た精製インドールは、白色の小葉状結晶で、純度99.
90%で、収率65.2%であった。また、実施例2に
より得られた精製インドールは、白色の小葉状結晶で、
純度99.94%、収率60.5%であった。さらに、
実施例3により得られた精製インドールは、白色の小葉
状結晶で、純度99.95%、収率58.3%であっ
た。
た精製インドールは、白色の小葉状結晶で、純度99.
90%で、収率65.2%であった。また、実施例2に
より得られた精製インドールは、白色の小葉状結晶で、
純度99.94%、収率60.5%であった。さらに、
実施例3により得られた精製インドールは、白色の小葉
状結晶で、純度99.95%、収率58.3%であっ
た。
【0017】実施例4〜6 表2に示すとおり、インドール濃度93.87%の原料
粗インドール150gとメタノール65.0gと水35
g、30g、28gを撹拌機付容量300mlのセパラ
ブルフラスコに入れ、ウォターバスにて60℃で混合溶
解したのち、恒温槽で約1時間かけて25℃まで撹拌し
ながら冷却してインドールを再結晶させ、遠心濾過した
のち真空乾燥して白色の小葉状結晶の精製インドールを
得た。原料粗インドールならびに精製インドールをガス
クロマトグラフィにより分析した結果を表2に示す。ま
た、表2中の精製インドールの収率は、原料として用い
た粗インドール中のインドールを基準にして算出した。
粗インドール150gとメタノール65.0gと水35
g、30g、28gを撹拌機付容量300mlのセパラ
ブルフラスコに入れ、ウォターバスにて60℃で混合溶
解したのち、恒温槽で約1時間かけて25℃まで撹拌し
ながら冷却してインドールを再結晶させ、遠心濾過した
のち真空乾燥して白色の小葉状結晶の精製インドールを
得た。原料粗インドールならびに精製インドールをガス
クロマトグラフィにより分析した結果を表2に示す。ま
た、表2中の精製インドールの収率は、原料として用い
た粗インドール中のインドールを基準にして算出した。
【0018】
【表2】
【0019】表2に示すとおり、実施例4により得られ
た精製インドールは、白色の小葉状結晶で、純度99.
91%で、収率55.0%であった。また、実施例5に
より得られた精製インドールは、白色の小葉状結晶で、
純度99.93%、収率52.2%であった。さらに、
実施例6により得られた精製インドールは、白色の小葉
状結晶で、純度99.96%、収率51.4%であっ
た。
た精製インドールは、白色の小葉状結晶で、純度99.
91%で、収率55.0%であった。また、実施例5に
より得られた精製インドールは、白色の小葉状結晶で、
純度99.93%、収率52.2%であった。さらに、
実施例6により得られた精製インドールは、白色の小葉
状結晶で、純度99.96%、収率51.4%であっ
た。
【0020】実施例7〜9 表3に示すとおり、インドール濃度90.07%の原料
粗インドール150gとメタノール75.0gと水35
g、30g、28gを撹拌機付容量300mlのセパラ
ブルフラスコに入れ、ウォターバスにて60℃で混合溶
解したのち、恒温槽で約1時間かけて25℃まで撹拌し
ながら冷却してインドールを再結晶させ、遠心濾過した
のち真空乾燥して白色の小葉状結晶の精製インドールを
得た。原料粗インドールならびに精製インドールをガス
クロマトグラフィにより分析した結果を表3に示す。ま
た、表3中の精製インドールの収率は、原料として用い
た粗インドール中のインドールを基準にして算出した。
粗インドール150gとメタノール75.0gと水35
g、30g、28gを撹拌機付容量300mlのセパラ
ブルフラスコに入れ、ウォターバスにて60℃で混合溶
解したのち、恒温槽で約1時間かけて25℃まで撹拌し
ながら冷却してインドールを再結晶させ、遠心濾過した
のち真空乾燥して白色の小葉状結晶の精製インドールを
得た。原料粗インドールならびに精製インドールをガス
クロマトグラフィにより分析した結果を表3に示す。ま
た、表3中の精製インドールの収率は、原料として用い
た粗インドール中のインドールを基準にして算出した。
【0021】
【表3】
【0022】表3に示すとおり、実施例7により得られ
た精製インドールは、白色の小葉状結晶で、純度99.
91%で、収率46.2%であった。また、実施例8に
より得られた精製インドールは、白色の小葉状結晶で、
純度99.92%、収率48.1%であった。さらに、
実施例9により得られた精製インドールは、白色の小葉
状結晶で、純度99.93%、収率49.3%であっ
た。以上の結果から、濃度90%以上の粗インドールを
原料として用いた場合は、1回の再結晶操作によって、
白色の小葉状結晶で、純度99.90%以上の高純度の
精製インドールを得ることができる。
た精製インドールは、白色の小葉状結晶で、純度99.
91%で、収率46.2%であった。また、実施例8に
より得られた精製インドールは、白色の小葉状結晶で、
純度99.92%、収率48.1%であった。さらに、
実施例9により得られた精製インドールは、白色の小葉
状結晶で、純度99.93%、収率49.3%であっ
た。以上の結果から、濃度90%以上の粗インドールを
原料として用いた場合は、1回の再結晶操作によって、
白色の小葉状結晶で、純度99.90%以上の高純度の
精製インドールを得ることができる。
【0023】実施例10 表4に示すとおり、インドール濃度83.80%の原料
粗インドール150gとメタノール45.0gと水30
gを撹拌機付容量300mlのセパラブルフラスコに入
れ、ウォターバスにて60℃で混合溶解したのち、恒温
槽で約1時間かけて25℃まで撹拌しながら冷却してイ
ンドールを再結晶させ、遠心濾過したのち真空乾燥して
濃度93.79%のインドールを得た。この濃度93.
79%のインドール75gとメタノール32.5gと水
17.5gを撹拌機付容量300mlのセパラブルフラ
スコに入れ、ウォターバスにて60℃で混合溶解したの
ち、恒温槽で約1時間かけて25℃まで撹拌しながら冷
却してインドールを再結晶させ、遠心濾過したのち真空
乾燥して白色の小葉状結晶の精製インドールを得た。原
料粗インドールならびに精製インドールをガスクロマト
グラフィにより分析した結果を表4に示す。また、表4
中の精製インドールの収率は、原料として用いた粗イン
ドール中のインドールを基準にして算出した。
粗インドール150gとメタノール45.0gと水30
gを撹拌機付容量300mlのセパラブルフラスコに入
れ、ウォターバスにて60℃で混合溶解したのち、恒温
槽で約1時間かけて25℃まで撹拌しながら冷却してイ
ンドールを再結晶させ、遠心濾過したのち真空乾燥して
濃度93.79%のインドールを得た。この濃度93.
79%のインドール75gとメタノール32.5gと水
17.5gを撹拌機付容量300mlのセパラブルフラ
スコに入れ、ウォターバスにて60℃で混合溶解したの
ち、恒温槽で約1時間かけて25℃まで撹拌しながら冷
却してインドールを再結晶させ、遠心濾過したのち真空
乾燥して白色の小葉状結晶の精製インドールを得た。原
料粗インドールならびに精製インドールをガスクロマト
グラフィにより分析した結果を表4に示す。また、表4
中の精製インドールの収率は、原料として用いた粗イン
ドール中のインドールを基準にして算出した。
【0024】
【表4】
【0025】表4に示すとおり、濃度83.80%の粗
インドールを原料として用いる場合は、2回の再結晶操
作によって、白色の小葉状結晶で、純度99.90%以
上の高純度の精製インドールを得ることができる。
インドールを原料として用いる場合は、2回の再結晶操
作によって、白色の小葉状結晶で、純度99.90%以
上の高純度の精製インドールを得ることができる。
【0026】比較例1〜6 表5に示すとおり、インドール濃度95.07%の原料
粗インドール150gとメタノール、エタノール、2−
プロパノールの単独またはエタノールまたは2−プロパ
ノールと水とを撹拌機付容量300mlのセパラブルフ
ラスコに入れ、ウォターバスにて60℃で混合溶解した
のち、恒温槽で約1時間かけて25℃まで撹拌しながら
冷却してインドールを再結晶させ、遠心濾過したのち真
空乾燥して精製インドールを得た。原料粗インドールな
らびに精製インドールをガスクロマトグラフィにより分
析した結果を表5に示す。また、表5中の精製インドー
ルの収率は、原料として用いた粗インドール中のインド
ールを基準にして算出した。
粗インドール150gとメタノール、エタノール、2−
プロパノールの単独またはエタノールまたは2−プロパ
ノールと水とを撹拌機付容量300mlのセパラブルフ
ラスコに入れ、ウォターバスにて60℃で混合溶解した
のち、恒温槽で約1時間かけて25℃まで撹拌しながら
冷却してインドールを再結晶させ、遠心濾過したのち真
空乾燥して精製インドールを得た。原料粗インドールな
らびに精製インドールをガスクロマトグラフィにより分
析した結果を表5に示す。また、表5中の精製インドー
ルの収率は、原料として用いた粗インドール中のインド
ールを基準にして算出した。
【0027】
【表5】
【0028】表5に示すとおり、溶剤としてエタノー
ル、2−プロパノールを単独で用いた比較例1、3の場
合は、真珠色の粒状結晶で、精製インドールの純度が9
9.0%を下回っており、かつ収率も31〜32%台で
あった。また、溶媒としてエタノールと水の混合溶媒、
あるいは2−プロパノールと水の混合溶媒を用いた比較
例2、4の場合は、真珠色の粒状結晶で、精製インドー
ルの純度は99.4%前後で、かつ収率も45%前後で
あった。さらに、溶媒としてメタノールを単独で用いた
比較例5の場合は、精製インドールの純度は99.13
%で、かつ収率も30.8%と低いものであった。さら
にまた、溶媒としてエタノール60gと水30gを用い
た比較例6の場合は、前記実施例3に比較し、真珠色の
粒状結晶で、精製インドールの純度は99.90%であ
まり差がないが、収率が10%以上低くなっている。
ル、2−プロパノールを単独で用いた比較例1、3の場
合は、真珠色の粒状結晶で、精製インドールの純度が9
9.0%を下回っており、かつ収率も31〜32%台で
あった。また、溶媒としてエタノールと水の混合溶媒、
あるいは2−プロパノールと水の混合溶媒を用いた比較
例2、4の場合は、真珠色の粒状結晶で、精製インドー
ルの純度は99.4%前後で、かつ収率も45%前後で
あった。さらに、溶媒としてメタノールを単独で用いた
比較例5の場合は、精製インドールの純度は99.13
%で、かつ収率も30.8%と低いものであった。さら
にまた、溶媒としてエタノール60gと水30gを用い
た比較例6の場合は、前記実施例3に比較し、真珠色の
粒状結晶で、精製インドールの純度は99.90%であ
まり差がないが、収率が10%以上低くなっている。
【0029】
【発明の効果】この発明は、濃度80%以上の粗インドー
ルをメタノールと水との混合溶媒に完全に溶解して再結
晶するという簡単な操作によって、医農薬あるいは香料
原料グレードの純度99.9%以上の高純度インドールを高
収率で得ることができる。また、この発明における溶媒
の使用量は、原料粗インドールの0.5〜1.0重量倍と従来
法に比較して非常に少なく、溶媒回収のためのランニン
グコストが安価で、しかも、加圧操作や室温以下までの
冷却操作を必要とせず、工業的に極めて有利である。
ルをメタノールと水との混合溶媒に完全に溶解して再結
晶するという簡単な操作によって、医農薬あるいは香料
原料グレードの純度99.9%以上の高純度インドールを高
収率で得ることができる。また、この発明における溶媒
の使用量は、原料粗インドールの0.5〜1.0重量倍と従来
法に比較して非常に少なく、溶媒回収のためのランニン
グコストが安価で、しかも、加圧操作や室温以下までの
冷却操作を必要とせず、工業的に極めて有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三木 啓蔵 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住金化工株 式会社 鹿島事業所内 (72)発明者 河野 正男 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住金化工株 式会社 鹿島事業所内 (72)発明者 井手上 靖 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住金化工株 式会社 鹿島事業所内 (56)参考文献 特開 昭61−151170(JP,A) 特開 平1−299269(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 209/06 B01D 9/02 601 B01D 9/02 602
Claims (2)
- 【請求項1】 コールタール留分から分離された濃度80
%以上の粗インドールを、メタノールと水の混合溶媒に
完全に溶解させたのち、再結晶して析出するインドール
結晶を母液から分離することを特徴とするインドールの
精製方法。 - 【請求項2】 水がメタノールに対し0.33〜1.0重量倍
のメタノールと水の混合溶媒を、濃度80%以上の粗イン
ドールに対し0.5〜1.0重量倍使用することを特徴とする
請求項1記載のインドールの精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25393896A JP3157724B2 (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | インドールの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25393896A JP3157724B2 (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | インドールの精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1077265A JPH1077265A (ja) | 1998-03-24 |
JP3157724B2 true JP3157724B2 (ja) | 2001-04-16 |
Family
ID=17258101
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25393896A Expired - Fee Related JP3157724B2 (ja) | 1996-09-03 | 1996-09-03 | インドールの精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3157724B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103709088A (zh) * | 2013-12-05 | 2014-04-09 | 南京理工大学 | 吲哚的提纯精制方法 |
CN111187196B (zh) * | 2018-11-15 | 2023-05-30 | 有限会社佐藤企画 | 焦油系吲哚的纯化方法 |
-
1996
- 1996-09-03 JP JP25393896A patent/JP3157724B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1077265A (ja) | 1998-03-24 |
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