JP3157433B2 - 周波数調整装置 - Google Patents

周波数調整装置

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JP3157433B2 JP24206295A JP24206295A JP3157433B2 JP 3157433 B2 JP3157433 B2 JP 3157433B2 JP 24206295 A JP24206295 A JP 24206295A JP 24206295 A JP24206295 A JP 24206295A JP 3157433 B2 JP3157433 B2 JP 3157433B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は振動子、例えば水
晶片に表面電極を蒸着形成してなる水晶振動子あるいは
水晶フィルター等の周波数調整を行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の周波数調整装置とし
ては真空蒸着法、あるいはイオン銃を利用したものが知
られている。
【0003】真空蒸着法による周波数調整は、図6に示
すように真空中に水晶振動子100をセットし、そして
ヒータ50の加熱で蒸発した金銀等の電極材料51を当
該水晶振動子100の表面電極101上に付着させる。
【0004】つまり、真空蒸着法を利用した周波数調整
装置は、水晶振動子100の表面電極101上にさらに
電極材料51を付着させると、それだけ表面電極101
の厚み(重さ)が増加し、これに応じて水晶振動子10
0の周波数が変化することから、この電極材料付着によ
る周波数変化を利用して当該水晶振動子100の周波数
を調整するものである。
【0005】一方、イオン銃を利用した周波数調整装置
は、イオン銃でのイオンエッチングにより表面電極10
1の厚み(重さ)を減少させると、これに応じて水晶振
動子100の周波数が変化することから、このイオンエ
ッチングによる周波数変化を利用して当該水晶振動子1
00の周波数を調整するものである。
【0006】すなわち、イオン銃による周波数調整は、
図7に示すようにイオン銃60の内部でガスをイオン化
し、このイオンを引出電極61で加速しつつ表面電極1
01に衝突させ、これにより当該電極表面の分子を叩き
出し、表面電極101の厚みを減少させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
真空蒸着法を利用した周波数調整装置にあっては、表面
電極101上にさらに電極材料51を付着させるもので
あるため、多数の水晶振動子を連続的に調整する場合に
は電極材料51の供給と補充を行うための装置が別途必
要となり、機器構造が複雑なものとなる。
【0008】また、この従来装置では、周波数調整後は
表面電極101が二層の膜、すなわち予め表面電極10
1として成膜した最初の膜と、その後の電極材料51の
付着により成膜された調整膜とからなり、しかも当該最
初の膜上に自然に酸化膜等が形成され得ることから、こ
の最初の膜と調整膜との界面がミクロ的には連続してお
らず不安定であり、水晶振動子100のエージング特性
の悪化を招く等の問題点を有している。
【0009】一方、従来のイオン銃を利用した周波数調
整装置にあっては、高価なイオン銃60を使用するもの
であるため、装置のコストが高く機器構造も複雑である
のみならず、イオンエッチングを同じ条件で連続して行
うためにはイオン銃60の内部を定期的に清掃する等、
装置の保守を頻繁に行わなければならない等の不具合が
ある。
【0010】さらに、このイオン銃利用の従来装置で
は、陽イオンが水晶振動子100の表面電極101でな
く引出電極61に直接衝突する場合もあり、このように
衝突すると、引出電極61の分子がイオンにより叩き出
され、これが最終的に不純物Cとして表面電極101に
付着するので、水晶振動子における周波数の安定度を損
ねる等の問題点を有している。
【0011】この発明は上述の事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、簡単な構造で低コスト
に多数の振動子の周波数調整を連続的に行うことがで
き、しかも信頼性の高い振動子を得ることが可能な周波
数調整装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、請求項1記載の発明は、圧電素子に表面電極を
蒸着形成してなる振動子の周波数調整装置であって、
気口と不活性ガス導入口とを有し、内部に上記振動子を
収容する調整室またはプラズマ形成電極と、 上記振動子
の表面電極にマイナス側を接続し、プラス側を上記調整
室またはプラズマ形成電極に接続して、上記振動子の表
面電極の周囲に不活性ガスのプラズマを発生させる直流
電源と、上記振動子の表面電極を挟んで配設された一対
の磁石体からなり、表面電極の周囲に上記プラズマ中の
陽イオンを集中させる磁界形成手段とを備え、プラズマ
中の陽イオンを負の電位の表面電極に衝突させて、表面
電極の表面の分子を叩き出して表面電極の厚みを減少す
ることにより、振動子の周波数を変化させることを特徴
とする。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、振動子の表面電極と直流電源のマイナス端
子との間に、インダクタンス素子を介挿する一方、振動
子の表面電極とこの表面電極に接続されるπ回路または
発振回路との間に、キャパシタンス素子を介挿して、直
流電源によるプラズマ発生中に振動子の周波数を測定す
るようにしたことを特徴とする。
【0014】請求項3記載の発明は、圧電素子に表面電
極を蒸着形成してなる振動子の周波数調整装置であっ
て、排気口と不活性ガス導入口とを有し、内部に上記振
動子を収容するプラズマ形成電極と、上記プラズマ形成
電極の外側に接して配置され、外側にプラズマが発生す
るのを防止する絶縁体と上記振動子の表面電極にマイナ
ス側を接続し、プラス側を上記プラズマ形成電極に接続
して、上記振動子の表面電極の周囲に不活性ガスのプラ
ズマを発生させる直流電源と、上記振動子の表面電極を
挟んで配設された一対の磁石体からなり、表面電極の周
囲に上記プラズマ中の陽イオンを集中させる磁界形成手
段とを備え、プラズマ中の陽イオンを負の電位の表面電
極に衝突させて、表面電極の表面の分子を叩き出して表
面電極の厚みを減少することにより、振動子の周波数を
変化させることを特徴とする
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】この発明によると、振動子の周波数調整を
行う際、振動子の表面電極の周囲に直接プラズマが発生
し、このプラズマ中の陽イオン分子が表面電極に衝突
し、これにより電極表面の分子が叩き出され、表面電極
の厚み(重さ)が減少する。
【0020】また、プラズマ中の陽イオン分子が磁界に
より振動子の表面電極の周囲に集中するので、陽イオン
分子による電極表面のイオンエッチングを効率よく行う
ことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る周波数調整
装置の実施形態について図1ないし図5を用いて詳細に
説明する。
【0022】この周波数調整装置は図1に示す如く真空
の調整室1および調整室1内でプラズマP(図2参照)
を発生させるための直流電源2を具備し、調整室1には
水晶振動子100をセットでき、また直流電源2のマイ
ナス端子2aはリード線102を介して水晶振動子10
0の表面電極101側に接続されている一方、直流電源
2のプラス端子2bはアースに接続されている。
【0023】このように接続して水晶振動子100の表
面電極101に直流電圧を印加すると、表面電極101
が負の電位に設定されるとともに、表面電極101の周
囲のガスがイオン化し、これにより図2に示すように表
面電極101の周囲にプラズマPが発生する。
【0024】なお、調整室1にはアルゴンガス等の不活
性ガスが導入されているので、電圧印加によりイオン化
されるガスはこの種の不活性ガスとなる。
【0025】図2(a)に示すように調整室1には磁界
形成手段として一対の磁石体3a、3bが設けられてお
り、この一対の磁石体3a、3bは水晶振動子100
表面側に位置し、かつ水晶振動子100を介して互いに
対向するように設置されている。またこれらの磁石体3
a、3bは図中点線矢印で示すように水晶振動子100
に対し垂直の磁力線を与えるように構成されている。
【0026】このような一対の磁石体3a、3bについ
ては図2(b)に示すように水晶振動子1の表面側でな
く外周に配設し、かつ水晶振動子100を介して互いに
対向するように設けてもよい。
【0027】上記のように一対の磁石体3a、3bを配
置すると、プラズマPが表面電極101の周囲から外側
に拡散するのを防止することができる、つまり一対の磁
石体3a、3bは表面電極101の周囲にプラズマPを
集中させるための磁界を形成する。
【0028】水晶振動子100の表面電極101は上記
の如くリード線102を介して直流電源2のマイナス端
子2aに接続されるが、その接続経路の途中には高周波
を阻止するためのインダクタンス素子4が介挿されてい
る。なおインダクタンス素子4については水晶振動子の
発振周波数に影響を与えない範囲のコイルを適用するこ
とができる。
【0029】水晶振動子100の表面電極101は周波
数測定器5の一部を構成するπ回路または発振回路等に
も接続されるが、この接続経路の途中には直流電流を阻
止するためのキャパシタンス素子6が介挿されている。
なおキャパシタンス素子6については水晶振動子の発振
周波数に影響を与えない範囲のコンデンサを適用するこ
とができる。
【0030】次に、上記の如く構成された周波数調整装
置の動作について図1および図2を用いて説明する。
【0031】この周波数調整装置によれば、水晶振動子
100の周波数を目的の周波数に調整するのにあたり、
先ず水晶振動子100を調整室1にセットし、そして直
流電源2からインダクタンス素子4を介して当該水晶振
動子100の表面電極101に直流電圧を直接印加す
る。
【0032】表面電極101に直流電圧が印加される
と、表面電極101の周囲の不活性ガスがイオン化し、
この表面電極101の周囲にプラズマPが発生する。
【0033】この際、プラズマPは表面電極101の周
囲からその外側に拡散しようとするが、プラズマPの拡
散は一対の磁石体3a、3bの磁界により阻止されるの
で、表面電極101の周囲に陽イオン分子Mが集中する
ものとなる。
【0034】そして、表面電極101が負の電位である
ことから、プラズマP中の陽イオン分子Mは表面電極1
01に衝突し、これにより電極表面の分子が叩き出さ
れ、当該表面電極101の厚み(重さ)が減少する。
【0035】すなわち、この実施形態装置は、イオンエ
ッチングで表面電極101の厚みを減少させると、これ
に応じて水晶振動子100の周波数が変化することか
ら、このイオンエッチングによる周波数変化を利用して
当該水晶振動子100の周波数を目標の周波数に調整す
るものであり、特にイオンエッチングは表面電極101
の周囲に直接プラズマPを発生させ、このプラズマP中
の陽イオン分子Mを当該表面電極101に衝突させるも
のである。なおこのように変化する周波数は周波数測定
回路5側で測定・監視される。
【0036】次に本実施形態装置の評価試験を述べる。
【0037】評価試験では16.438000MHzの
水晶振動子を用い、その表面電極に直流電圧として42
0Vを印加し、水晶振動子周囲の雰囲気圧力が5×10
-1パスカルとなるようにアルゴンガスを注入した。
【0038】その結果、水晶振動子の周波数が約10秒
間で16.438000MHzから16.458327
MHzになることが確認された。
【0039】この実施形態装置は、表面電極101の周
囲にプラズマPを発生させ、そのプラズマP中の陽イオ
ン分子Mを表面電極101に衝突させ、これにより表面
電極101の厚み(重さ)の減少を図り、水晶振動子1
00の周波数を調整するように構成したものである。こ
のため、真空蒸着法やイオン銃による周波数調整と異な
り、蒸着に必要な電極材料の供給と補充を行う必要がな
く、その供給と補充のための装置や、高価で高頻度の保
守点検が必要なイオン銃等も省略されることから、簡単
な構造で低コストに多数の振動子の周波数調整を連続的
に行うことができる。
【0040】しかも、この装置によると、プラズマP中
の陽イオン分子Mにより表面電極101のイオンエッチ
ングを行うものであるため、真空蒸着による周波数調整
のように調整後の表面電極が二層の膜にならず、予め表
面電極として成膜した安定な最初の膜のみで表面電極を
構成することができる。またプラズマ発生部位が表面電
極101の周囲であるため、プラズマP中の陽イオン分
子Mが表面電極以外の部材に衝突して不純物が生じるこ
ともなく、クリーンな環境で周波数調整を行うことがで
きる。このように表面電極が安定した層からなり、かつ
表面電極への不純物の付着も防止されることから、安定
度の高い水晶振動子が得られる。
【0041】また、この装置では、一対の磁石体3a、
3bの磁界によりプラズマP中の陽イオン分子Mが水晶
振動子100の表面電極101の周囲に集中するので、
陽イオン分子Mによる電極表面のイオンエッチングを効
率よく行うことができる。
【0042】図3はこの発明の他の実施形態を示すもの
であり、同図に示す周波数調整装置は調整室1内にプラ
ズマ形成電極7を備え、プラズマ形成電極7は水晶振動
子100(周波数調整対象)の周囲に配置され、その水
晶振動子100の全体を覆うように形成されている。
【0043】プラズマ形成電極7は直流電源2のプラス
端子2bに、また水晶振動子100の表面電極101は
リード線102を介してアースに接続されており、この
アースとしては周波数測定器5の一部を構成するπ回路
または発振回路等のアースを利用できる。
【0044】つまり、この実施形態装置は、プラズマP
の形成にあたり、水晶振動子100の表面電極101を
直流電源2のマイナス端子2aでなく、アースに接続し
たものである。
【0045】このように接続してプラズマ形成電極7に
直流電圧を印加すると、上記実施形態と同じく、水晶振
動子100の表面電極101が負の電位に設定されると
ともに、水晶振動子100の周囲のガスがイオン化し、
これによりプラズマ形成電極7の内側7aで水晶振動子
100の周囲にプラズマPが形成される。
【0046】プラズマ形成電極7の外側面には絶縁体8
が一体に密着して取り付けられており、この絶縁体8は
電極外側7bにプラズマPが発生するのを防止するた
め、プラズマ形成電極7の全体を十分にカバーできる大
きさを有する。
【0047】このようなプラズマ形成電極7と絶縁体8
からなるプラズマ封止室9にはガス導入口10が形成さ
れている。つまり、プラズマPの形成に用いられるアル
ゴンその他の不活性ガスGは、プラズマ封止室9の外側
からガス導入口10を経てプラズマ封止室9の内側に導
かれる。
【0048】水晶振動子100のベース部103を載置
するベース設置部11とプラズマ封止室9の端部9aと
の間には間隙12が設けられており、この間隙12はプ
ラズマ封止室9内の不活性ガスGを外部に排気するため
のガス排気口として形成されている。この際、当該隙間
12が開きすぎると、そこからプラズマPが漏れるた
め、隙間12はプラズマPの漏れが生じない程度の大き
さとする必要がある。したがって、隙間12の大きさは
不活性ガスGを排気でき、かつプラズマPが漏れない程
度とする。
【0049】このような構成の周波数調整装置において
は、水晶振動子100の周波数を目的の周波数に調整す
る際は、プラズマ形成電極7の内側に水晶振動子100
をセットし、そして直流電源2からプラズマ形成電極7
に直流電圧を印加する。
【0050】これにより、プラズマ形成電極7の内側で
は、水晶振動子100の周囲の不活性ガスがイオン化
し、この水晶振動子100の周囲にプラズマPが発生す
る。
【0051】そして、水晶振動子100の表面電極10
1が負の電位であることから、当該プラズマP中の陽イ
オン分子Mは表面電極101に衝突し、これにより電極
表面の分子が叩き出され、当該表面電極101の厚み
(重さ)が減少する。
【0052】この実施形態装置にあっても、表面電極1
01の周囲にプラズマPを形成し、そのプラズマP中の
陽イオン分子Mを表面電極101に衝突させ、これによ
り表面電極101の厚み(重さ)の減少を通じて、水晶
振動子100の周波数を調整するものであるから、前述
の実施形態と同じく、その調整にあたり、高価で高頻度
の保守点検が必要なイオン銃を省略でき、簡単な構造で
低コストに多数の振動子の周波数調整を連続的に行うこ
とが可能となる等の効果を有する。
【0053】特に、この装置は、プラズマPの形成に際
し、リード線102を介して、水晶振動子100の表面
電極101を直流電源2のマイナス端子2aでなく、ア
ースに接続したものである。このため直流電源2からリ
ード線102を通じて周波数測定器5側に高周波が送出
されること、およびこのルートを経て周波数測定器5側
に直流電流が流れることもなく、よって図1に示すよう
な高周波を阻止するためのインダクタンス素子4、およ
び直流電流を阻止するためのキャパシタンス素子6は不
要であり、これらをすべて省略でき、このような素子
4、6の介在による不具合、すなわち周波数測定の精度
低下を防止でき、高精度な周波数測定が可能となる。
【0054】なお、上記実施形態装置は、プラズマ形成
電極7を真空の調整室1内に配置したものであるが、こ
の調整室1を省略することもできる。
【0055】調整室1を省略するには、図4に示す如く
絶縁体8の端部8aを水晶振動子100のベース部10
3に密着させ、これにより絶縁体8の内側空間を密閉す
る、つまり、水晶振動子100を大気から遮断するため
の隔壁として絶縁体8を構成し、その空間内部へガス導
入およびガス排気口を設けることにより、調整室1の省
略を図る。この場合においても、プラズマ形成電極7を
直流電源2のプラス端子2bに、水晶振動子100の表
面電極101をアース側に接続することは上記と同様で
ある。
【0056】調整室1を省略するに際しては、絶縁体8
でなく、プラズマ形成電極7の端部7aを水晶振動子1
00のベース部103に密着させてもよい。
【0057】このようにして調整室1を省略すると、プ
ラズマ形成電極7の外側が大気となるので、プラズマ形
成電極7の外側面に絶縁体8がなくとも、プラズマ形成
電極7の内側にのみプラズマPが形成され、プラズマ形
成電極7の外側にプラズマPが発生することはない。し
かし絶縁体8は感電防止と密閉のため設ける必要があ
る。
【0058】絶縁体8には磁界形成手段として一対の磁
石体3a、3bが取り付けられているが、これは省略す
ることも可能である。
【0059】プラズマ形成電極7の形状としては箱型、
角のない袋型等が考えられるが、その形状に限定される
ことはなく、水晶振動子100を覆うことが可能な形状
であれば採用することができる。
【0060】図5はこの発明に係る周波数調整装置を振
動子製造ラインに設置した例を示すもので、同図に示す
周波数調整装置aの構成は上記実施形態と同様であるた
め、同一部材には同一符号を付し、その詳細説明は省略
する。
【0061】この周波数調整装置aの調整室1は第1の
バファ室1aを介して受入室1bに、また第2のバファ
室1cを介して取出室1dに連通しており、各室1、1
a、1b、1c、1dの出入口には扉1e、1e…が設
けられている。
【0062】そして、水晶振動子100は所定のキャリ
アにセットされた状態で、受入室1bから第1のバファ
室1aを通過して調整室1に移送され、ここで周波数調
整がなされた後、第2のバファ室1cを介して取出室1
dに搬送される。
【0063】なお、上記実施形態では周波数調整の対象
を水晶振動子としたが、これに代えて水晶フィルターを
周波数調整の対象としてもよく、また水晶片以外の圧電
素子に表面電極を蒸着形成してなる振動子の周波数調整
を行うこともできる。
【0064】
【発明の効果】この発明に係る周波数調整装置にあって
は、上記の如く表面電極の周囲に発生するプラズマ中の
陽イオン分子を利用して、表面電極の厚み(重さ)の減
少を図り、振動子の周波数を調整するように構成したも
のである。このため真空蒸着法やイオン銃による周波数
調整と異なり、蒸着に必要な電極材料の供給と補充を行
うための装置や、高価で高頻度の保守点検が必要なイオ
ン銃等が一切省略されることから、簡単な構造で低コス
トに多数の振動子の周波数調整を連続的に行うことがで
きる。
【0065】しかも、この周波数調整装置によると、プ
ラズマ中の陽イオン分子により表面電極のイオンエッチ
ングを行うものであるため、真空蒸着による周波数調整
のように調整後の表面電極が二層の膜にならず、予め表
面電極として成膜した安定な最初の膜のみで表面電極を
構成することができる。またプラズマ形成部位が表面電
極の周囲であるため、プラズマ中の陽イオン分子が表面
電極以外の部材に衝突して不純物が生じることもなく、
クリーンな環境で周波数調整を行うことができる。した
がって安定度の高い水晶振動子が得られる等の効果を有
する。
【0066】また、プラズマ中の陽イオン分子が磁界に
より振動子の表面電極の周囲に集中するので、陽イオン
分子による電極表面のイオンエッチングを効率よく行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る周波数測定装置の一実施形態を
示す説明図。
【図2】図1に示す周波数測定装置の動作説明図。
【図3】この発明の他の実施形態を示す説明図。
【図4】この発明の他の実施形態を示す説明図。
【図5】この発明に係る周波数測定装置を振動子製造ラ
インに設置した例の説明図。
【図6】従来の周波数測定装置の説明図。
【図7】従来の周波数測定装置の説明図。
【符号の説明】
2 直流電源(プラズマ発生手段) 3a、3b 磁石体(磁界形成手段) 4 インダクタンス素子 6 キャパシタンス素子 7 プラズマ形成電極 8 絶縁体 100 水晶振動子 101 表面電極 P プラズマ M 陽イオン分子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−48190(JP,A) 特開 平4−196708(JP,A) 特開 昭63−151103(JP,A) 特開 昭53−86187(JP,A) 特開 昭53−131794(JP,A) 特開 昭53−116094(JP,A) 特開 平4−354124(JP,A) 特開 平5−243885(JP,A) 実開 昭63−140719(JP,U) 特公 昭54−40359(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 3/00 - 3/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子に表面電極を蒸着形成してなる
    振動子の周波数調整装置であって、排気口と不活性ガス導入口とを有し、内部に上記振動子
    を収容する調整室またはプラズマ形成電極と、 上記振動子の表面電極にマイナス側を接続し、プラス側
    を上記調整室またはプラズマ形成電極に接続して、上記
    振動子の表面電極の周囲に不活性ガスのプラズマを発生
    させる直流電源と、 上記振動子の表面電極を挟んで配設された一対の磁石体
    からなり、表面電極の周囲に上記プラズマ中の陽イオン
    を集中させる磁界形成手段と を備え、 プラズマ中の陽イオンを負の電位の表面電極に衝突させ
    て、表面電極の表面の分子を叩き出して表面電極の厚み
    を減少することにより、振動子の周波数を変化させるこ
    とを特徴とする周波数調整装置。
  2. 【請求項2】 振動子の表面電極と直流電源のマイナス
    端子との間に、インダクタンス素子を介挿する一方、振
    動子の表面電極とこの表面電極に接続されるπ回路また
    は発振回路との間に、キャパシタンス素子を介挿して、
    直流電源によるプラズマ発生中に振動子の周波数を測定
    するようにしたことを特徴とする請求項1記載の周波数
    調整装置。
  3. 【請求項3】 圧電素子に表面電極を蒸着形成してなる
    振動子の周波数調整装置であって、 排気口と不活性ガス導入口とを有し、内部に上記振動子
    を収容するプラズマ形成電極と、 上記プラズマ形成電極の外側に接して配置され、外側に
    プラズマが発生するのを防止する絶縁体と 上記振動子の
    表面電極にマイナス側を接続し、プラス側を上記プラズ
    マ形成電極に接続して、上記振動子の表面電極の周囲に
    不活性ガスのプラズマを発生させる直流電源と、 上記振動子の表面電極を挟んで配設された一対の磁石体
    からなり、表面電極の周囲に上記プラズマ中の陽イオン
    を集中させる磁界形成手段とを備え、 プラズマ中の陽イオンを負の電位の表面電極に衝突させ
    て、表面電極の表面の分子を叩き出して表面電極の厚み
    を減少することにより、振動子の周波数を変化させるこ
    とを特徴とする周波数調整装置
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