JP3157297B2 - 溶接熱影響部軟化の少ないフェライト系耐熱鋼 - Google Patents

溶接熱影響部軟化の少ないフェライト系耐熱鋼

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JP3157297B2 JP22380292A JP22380292A JP3157297B2 JP 3157297 B2 JP3157297 B2 JP 3157297B2 JP 22380292 A JP22380292 A JP 22380292A JP 22380292 A JP22380292 A JP 22380292A JP 3157297 B2 JP3157297 B2 JP 3157297B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温使用中軟化が少ない
フェライト系耐熱鋼に関するものであり、特に、母材ク
リープ強度に対する溶接熱影響部のクリープ強度軟化が
極めて小さいCr系耐熱鋼に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】高温で長時間使用されるボイラー用及び
蒸気発生器用の溶接構造部材として、安価で応力腐食割
れの心配が無く、また母材クリープ強度に対する溶接熱
影響部(以下HAZと称す)のクリープ強度軟化率が低
いフェライト系耐熱鋼が強く要望されている。この種の
用途の鋼の例として、米国ASTM規格のA213 T
91鋼に代表されるいわゆる9%Cr鋼が知られてい
る。また9Cr鋼にMo,Wをバランス良く添加し母材
強度を向上させた鋼が特開昭61−69948号公報に
開示されている。酸化物分散によりクリープ強度を向上
させた高Cr鋼は特願平2−105217号に開示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
9%Cr鋼では、微量炭窒化物の粗大化に起因するHA
Zのクリープ強度の低下が著しいという欠点を有する。
HAZの炭窒化物の粗大化を抑制するためには、C,N
もしくはCr,Mo,Nb,V含有量を低下させること
が必要であるが、この方法だけでは母材の強度も同時に
低下してしまう。そこで酸化物分散強化によって母材及
びHAZの強度を補うことが考えられる。しかし従来の
酸化物分散鋼は粉末冶金法によって製造されているため
コストが高く、靱性も十分でない。よって溶解法で鋼中
に分散する酸化物を用いて強度を確保する必要がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような事情
に鑑み創案されたもので、高Crフェライト系鋼中のC
とNの添加量を低く制限して炭窒化物の析出を積極的に
抑制した。代わって溶鋼中に添加しても均一分散し且つ
HAZにおいても安定に存在するTa2 5 を分散させ
ることによる分散強化、及びMo,Wの固溶強化により
クリープ強度を向上させた。その結果、母材に対するH
AZのクリープ強度軟化率が著しく低いフェライト系耐
熱鋼を得ることに成功したものである。本発明の要旨
は、重量比で、Cr:5〜13%、Si:0.05〜1
%、Mn:0.1〜1%、の範囲で添加され、Mo,W
についてMo:0.5〜3%、W :1〜6%、の範囲
で1種または2種を含有し、且つ、CとNが C+N≦0.05% に制限され、平均粒径1μm以下の酸化タンタル(Ta
2 5 )粒子をTa2 5 :0.25〜2.5%の範囲
で含有し、かつ、Ta2 5 として存在するTaを含め
た全Ta量0.20〜2.2%、残部Fe及び不可避的
不純物からなることを特徴とする、母材クリープ強度に
対するHAZのクリープ強度軟化が少ないフェライト系
耐熱鋼に関するものである。
【0005】
【作用】以下本発明の限定理由を説明する。Crは高温
耐食性を確保する上で非常に重要であり最低5%必要で
あるが、13%を超えるとオーステナイト領域での溶体
化処理ができなくなり、均一な組織が得られなくなるう
え、二相分離及びスピノーダル変態を引き起こしかえっ
てクリープ強度の低下を招く。したがってCr量は5〜
13%とする。Siは脱酸材として重要であり最低0.
05%を必要とする。しかし、多量に添加するとクリー
プ強度に対して悪影響を与えるものであり、1%以上添
加した場合のクリープ強度低下が著しい。従ってSi量
は0.05%〜1%とする。Mnは脱酸効果のため重要
であり最低0.05%を確保する必要があるが、1%を
超えるとクリープ強度を低下させる。このためMn量は
0.05〜1%とする。
【0006】Moは、0.5%未満の場合固溶強化が不
十分であるため最低0.5%を必要とする。一方、3%
を超えると二相分離・スピノーダル分解を引き起こしか
えってクリープ強度を低下させる。したがってMoの添
加範囲は1〜3%とする。Wは、1%未満の場合固溶強
化が不十分であるため最低1%を必要とする。一方、6
%を超えると二相分離・スピノーダル分解を引き起こし
かえってクリープ強度を低下させる。したがってWの添
加範囲は2〜6%とする。なお、Mo及びWはクリープ
変形中にその一部分が金属間化合物として析出し、析出
強度化によってもクリープ強度を向上させる。一方、C
とNは、Fe、Cr、Mo、W等を消費して炭窒化物と
して析出するためその添加が制限されなければならな
い。特に、CとNの添加量の和が0.05%を超える
と、HAZのクリープ変形中に、粗大な炭窒化物を形成
する。結果的に、母材に対するHAZのクリープ強度低
下が著しい。したがってCとNの添加範囲はC+N≦
0.05%とする。
【0007】Ta2 5 は分散強化源として働きクリー
プ破断強度を著しく向上させる。その効果は0.25%
以上で著しく2.5%程度で飽和し、それを超える添加
はかえって延性の低下に起因する強度低下を招く。また
Ta2 5 が比較的高価であり大量の添加は好ましくな
い。そのため0.25%〜2.5%に限定した。Ta2
5 の平均粒径を1μm以下としたのは、平均粒径が1
μmを超えると添加量が適性範囲内であってもTa2
5 が脆性破壊の起点になりやすく靱性が著しく低下する
ためである。1μm以下であれば小さい程、クリープ破
断強度が向上する。なお、Taは実質的にTa2 5
して存在し、金属Taを積極的に添加するものではな
い。その含有量はTa2 5 の上限、下限に合わせて
0.20〜2.2%に限定した。
【0008】
【実施例】表1に示す成分範囲の供試鋼(板厚20m
m)を用いて潜孤溶接継手(入熱20kJ/cm)を作
成した後、溶接溶融線部が試験片中央部を横切るように
クリープ試験片を作成した。また継手を含まない供試鋼
母材からもクリープ試験片を作成した。これらを用いて
650℃、120MPaの条件のクリープ破断試験を行
った。表1に示す鋼のうちNo.1〜No.5は本発明
の成分範囲の鋼であり、No.6〜No.13は本発明
範囲外の比較鋼である。比較鋼No.6はCr量が本発
明成分を下回るため焼入れ性が低く、結果的にHAZ、
母材共にクリープ強度が低い。比較鋼No.7はMo,
W共に下限を下回っているためHAZのクリープ強度が
低い。比較鋼No.8はMoが上限の3%を上回るため
金属間化合物の多量の析出を招きHAZのクリープ強度
が著しく低い。比較鋼No.9は、C+Nが0.05%
を超えているためHAZのクリープ強度が低下してい
る。
【0009】比較鋼No.10はSiが過剰であるため
クリープ延性が低下しHAZ,母材共にクリープ強度も
低い。比較鋼No.11はTa2 5 が添加されていな
いためHAZのクリープ強度が特に低い。比較鋼No.
12はTa2 5 が過剰に添加されているためクリープ
延性が低下しHAZ,母材共にクリープ強度も低い。比
較鋼No.13はTa2 5 の添加量は限定範囲内であ
るが、その平均粒径が大きすぎるためクリープ延性が低
下しHAZ,母材共にクリープ強度も低い。それに対
し、本発明鋼No.1〜No.5はいずれも十分なクリ
ープ強度を有する。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
【発明の効果】以上述べたように、本発明はCr系耐熱
鋼のMo、W及びC+Nの添加量を適切化し、Ta2
5 を分散させることによって、HAZのクリープ強度軟
化が少ない耐熱鋼を提供するものであり、今後の産業界
に果たす役割は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 302 C22C 38/12 C22C 38/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、 Cr:5〜13%、 Si:0.05〜1%、 Mn:0.1〜1%、の範囲で添加され、Mo,Wにつ
    いて Mo:0.5〜3%、 W :1〜6%、の範囲で1種または2種を含有し、且
    つ、CとNが C+N≦0.05%に制限され、平均粒径1μm以下の
    酸化タンタル(Ta2 5 )粒子をTa2 5 :0.2
    5〜2.5%の範囲で含有し、かつ、Ta2 5 として
    存在するTaを含めた全Ta量0.20〜2.2%、残
    部Fe及び不可避的不純物からなることを特徴とする、
    母材クリープ強度に対する溶接熱影響部のクリープ強度
    軟化が少ないフェライト系耐熱鋼。
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