JP3157265B2 - プリント配線板用ガラス繊維不織布及びその製造方法 - Google Patents
プリント配線板用ガラス繊維不織布及びその製造方法Info
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- H—ELECTRICITY
- H05—ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H05K—PRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
- H05K1/00—Printed circuits
- H05K1/02—Details
- H05K1/03—Use of materials for the substrate
- H05K1/0313—Organic insulating material
- H05K1/0353—Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
- H05K1/0366—Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement reinforced, e.g. by fibres, fabrics
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- Nonwoven Fabrics (AREA)
- Organic Insulating Materials (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリント配線板用途に使
用できるガラス繊維不織布、及びその製造方法に関す
る。
用できるガラス繊維不織布、及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のプリント配線板用ガラス繊維不織
布は、ガラス繊維ウエブに熱硬化性樹脂バインダーを付
与した後、熱風乾燥機やヤンキードライヤーや赤外線ヒ
ーターを単独で、或いはこれらを組み合わせることによ
り、熱硬化性樹脂バインダーを硬化させて製造してい
た。しかしながら、この方法では見掛密度が0.110
〜0.140g/cm3程度のプリント配線板用ガラス繊維不
織布しか得られなかった。もしも、ガラス繊維量が同じ
で、より見掛密度の高いプリント配線板用ガラス繊維不
織布が得られれば、より薄いプリプレグが得られ、プリ
プレグの空気含有量を少なくできるため、均一な成形が
可能となるばかりでなく、加圧時のプリプレグ枚数を増
やせたり、ガラス繊維不織布として同じ径に巻き取る時
に、より長く巻き取ることができ、生産効率、保管効率
が良くなるため、見掛密度が0.140g/cm3以上のプリ
ント配線板用ガラス繊維不織布が待ち望まれていた。
布は、ガラス繊維ウエブに熱硬化性樹脂バインダーを付
与した後、熱風乾燥機やヤンキードライヤーや赤外線ヒ
ーターを単独で、或いはこれらを組み合わせることによ
り、熱硬化性樹脂バインダーを硬化させて製造してい
た。しかしながら、この方法では見掛密度が0.110
〜0.140g/cm3程度のプリント配線板用ガラス繊維不
織布しか得られなかった。もしも、ガラス繊維量が同じ
で、より見掛密度の高いプリント配線板用ガラス繊維不
織布が得られれば、より薄いプリプレグが得られ、プリ
プレグの空気含有量を少なくできるため、均一な成形が
可能となるばかりでなく、加圧時のプリプレグ枚数を増
やせたり、ガラス繊維不織布として同じ径に巻き取る時
に、より長く巻き取ることができ、生産効率、保管効率
が良くなるため、見掛密度が0.140g/cm3以上のプリ
ント配線板用ガラス繊維不織布が待ち望まれていた。
【0003】そのため、繊維径の小さいガラス繊維を単
抄または混抄して、見掛密度を高くしようとする試みも
あったが、ほとんど効果はなかった。また、ガラス繊維
にフィラーを混抄して見掛密度を高くしようと試みた
が、フィラーを混抄した分だけガラス繊維量が減少する
ため、強度的な低下が著しく、使用に耐えなかった。
抄または混抄して、見掛密度を高くしようとする試みも
あったが、ほとんど効果はなかった。また、ガラス繊維
にフィラーを混抄して見掛密度を高くしようと試みた
が、フィラーを混抄した分だけガラス繊維量が減少する
ため、強度的な低下が著しく、使用に耐えなかった。
【0004】更に、熱硬化性樹脂バインダーを付与した
後に、架橋硬化させたガラス繊維ウエブをカレンダー処
理により厚さを薄くし、見掛密度を高くするという試み
もなされたが、カレンダー処理する際の線圧により、ガ
ラス繊維及び/又はガラス繊維不織布構造が破壊され、
強度の低下が著しいものであった。また、ガラス繊維及
び/又はガラス繊維不織布構造の破壊を防ぐため、カレ
ンダー処理する際の線圧を下げると、厚さを薄くすると
いう効果はほとんど認められなかった。
後に、架橋硬化させたガラス繊維ウエブをカレンダー処
理により厚さを薄くし、見掛密度を高くするという試み
もなされたが、カレンダー処理する際の線圧により、ガ
ラス繊維及び/又はガラス繊維不織布構造が破壊され、
強度の低下が著しいものであった。また、ガラス繊維及
び/又はガラス繊維不織布構造の破壊を防ぐため、カレ
ンダー処理する際の線圧を下げると、厚さを薄くすると
いう効果はほとんど認められなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は強度があり、
より見掛密度の高いプリント配線板用ガラス繊維不織布
を提供すること、及びその製造方法を提供することを目
的とする。
より見掛密度の高いプリント配線板用ガラス繊維不織布
を提供すること、及びその製造方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のプリント配線板
用ガラス繊維不織布は、70〜97重量%のガラス繊維
と、該ガラス繊維を接着固定する3〜30重量%の熱硬
化性樹脂バインダーとからなり、見掛密度が0.153g
/cm 3以上である。
用ガラス繊維不織布は、70〜97重量%のガラス繊維
と、該ガラス繊維を接着固定する3〜30重量%の熱硬
化性樹脂バインダーとからなり、見掛密度が0.153g
/cm 3以上である。
【0007】本発明のプリント配線板用ガラス繊維不織
布の製造方法は、熱硬化性樹脂バインダーをガラス繊維
ウエブに付与し、該熱硬化性樹脂バインダーを未架橋状
態で、150g/cm 2以上の面圧で加熱加圧処理すること
により、架橋硬化させる方法である。
布の製造方法は、熱硬化性樹脂バインダーをガラス繊維
ウエブに付与し、該熱硬化性樹脂バインダーを未架橋状
態で、150g/cm 2以上の面圧で加熱加圧処理すること
により、架橋硬化させる方法である。
【0008】
【作用】本発明のプリント配線板用ガラス繊維不織布
(以下、単に「ガラス不織布」という)は、ガラス不織
布中に70〜97重量%のガラス繊維を含んでいるた
め、強度的に優れ、しかも見掛密度が0.153g/cm 3以
上であるため、プリプレグに加工した際に空気含有量が
少なく、均一な成形が可能となるばかりでなく、従来と
同量のガラス繊維を使用しているにもかかわらず、見掛
密度が高いため、厚さが薄く、生産効率、保管効率が良
い。
(以下、単に「ガラス不織布」という)は、ガラス不織
布中に70〜97重量%のガラス繊維を含んでいるた
め、強度的に優れ、しかも見掛密度が0.153g/cm 3以
上であるため、プリプレグに加工した際に空気含有量が
少なく、均一な成形が可能となるばかりでなく、従来と
同量のガラス繊維を使用しているにもかかわらず、見掛
密度が高いため、厚さが薄く、生産効率、保管効率が良
い。
【0009】本発明のガラス不織布の製造方法は、熱硬
化性樹脂バインダーを未架橋状態で、150g/cm 2以上
の面圧で加熱加圧処理するため、熱硬化性樹脂バインダ
ーに融通性があり、しかもカレンダー処理のような線的
な圧力ではなく、従来よりも大きい圧力で面的に作用さ
せるため、熱硬化性樹脂バインダーとガラス繊維が厚み
方向に押し潰された状態で接着固定される。なお、面的
で均一に圧力が加わっているため、ガラス繊維及び/又
はガラス不織布構造の破壊はほとんどなく、得られるガ
ラス不織布は強度的に優れている。
化性樹脂バインダーを未架橋状態で、150g/cm 2以上
の面圧で加熱加圧処理するため、熱硬化性樹脂バインダ
ーに融通性があり、しかもカレンダー処理のような線的
な圧力ではなく、従来よりも大きい圧力で面的に作用さ
せるため、熱硬化性樹脂バインダーとガラス繊維が厚み
方向に押し潰された状態で接着固定される。なお、面的
で均一に圧力が加わっているため、ガラス繊維及び/又
はガラス不織布構造の破壊はほとんどなく、得られるガ
ラス不織布は強度的に優れている。
【0010】以下、本発明のガラス不織布について、製
造方法をもとにして説明する。
造方法をもとにして説明する。
【0011】本発明のガラス不織布はプリント配線板用
途に使用するため、Eガラス繊維が好適に使用できる
が、限定されるものではない。また、ガラス繊維の繊維
径は特に限定するものではないが、熱硬化性樹脂バイン
ダーの付与性、接着固定性、或いは経済性などの点から
5〜15μm程度のガラス繊維が使用される。
途に使用するため、Eガラス繊維が好適に使用できる
が、限定されるものではない。また、ガラス繊維の繊維
径は特に限定するものではないが、熱硬化性樹脂バイン
ダーの付与性、接着固定性、或いは経済性などの点から
5〜15μm程度のガラス繊維が使用される。
【0012】このようなガラス繊維からガラス繊維ウエ
ブが形成されるが、ガラス繊維ウエブは従来から一般的
に行なわれている湿式抄造法、或いは本出願人が特願平
3−188095号で開示しているような、乾式の繊維
ウエブ製造装置による方法で得ることができる。
ブが形成されるが、ガラス繊維ウエブは従来から一般的
に行なわれている湿式抄造法、或いは本出願人が特願平
3−188095号で開示しているような、乾式の繊維
ウエブ製造装置による方法で得ることができる。
【0013】得られたガラス繊維ウエブは、熱硬化性樹
脂バインダーが液体の場合には含浸、固体の場合には散
布するなどの方法で付与された後、未架橋状態で150
g/cm 2以上の面圧で加熱加圧処理されることにより、熱
硬化性樹脂バインダーが架橋硬化して、本発明のガラス
不織布を得る。
脂バインダーが液体の場合には含浸、固体の場合には散
布するなどの方法で付与された後、未架橋状態で150
g/cm 2以上の面圧で加熱加圧処理されることにより、熱
硬化性樹脂バインダーが架橋硬化して、本発明のガラス
不織布を得る。
【0014】本発明ではガラス繊維ウエブに付与された
熱硬化性樹脂バインダーが未架橋状態で加熱加圧処理さ
れるため、熱硬化性樹脂バインダーが既に架橋硬化した
状態に比べて融通性があり、ガラス繊維ウエブの厚み方
向に押し潰された状態で架橋硬化されるので、より厚さ
が薄く、高密度になると考えられる。
熱硬化性樹脂バインダーが未架橋状態で加熱加圧処理さ
れるため、熱硬化性樹脂バインダーが既に架橋硬化した
状態に比べて融通性があり、ガラス繊維ウエブの厚み方
向に押し潰された状態で架橋硬化されるので、より厚さ
が薄く、高密度になると考えられる。
【0015】このような熱硬化性樹脂バインダーとし
て、アミノ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール
樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
イソシアネート系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬
化性アクリル樹脂などを例示でき、これらに限定される
ものではないが、これらの中でもエポキシ樹脂は硬さ、
寸法安定性、接着固定性、電気絶縁性に優れているため
好適に使用できる。
て、アミノ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール
樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
イソシアネート系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬
化性アクリル樹脂などを例示でき、これらに限定される
ものではないが、これらの中でもエポキシ樹脂は硬さ、
寸法安定性、接着固定性、電気絶縁性に優れているため
好適に使用できる。
【0016】このエポキシ樹脂として、ビスフェノール
A型、含ブロム型、ビスフェノールF型、ビスフェノー
ルAD型、ノボラック型、環状脂肪族型、グリシジルエ
ステル型、グリシジルアミン型、複素環式型などを例示
できるが、これらに限定されるものではない。
A型、含ブロム型、ビスフェノールF型、ビスフェノー
ルAD型、ノボラック型、環状脂肪族型、グリシジルエ
ステル型、グリシジルアミン型、複素環式型などを例示
できるが、これらに限定されるものではない。
【0017】また、これらエポキシ樹脂と共に使用でき
る硬化剤も、特に限定するものではないが、脂肪族ポリ
アミン、芳香族ポリアミン、酸無水物、ジアミド類、フ
ェノール樹脂、シリコーンなどを例示できる。
る硬化剤も、特に限定するものではないが、脂肪族ポリ
アミン、芳香族ポリアミン、酸無水物、ジアミド類、フ
ェノール樹脂、シリコーンなどを例示できる。
【0018】この熱硬化性樹脂バインダーはガラス不織
布重量に対して、3重量%よりも少ないと熱硬化性樹脂
バインダーによるガラス繊維ウエブの接着固定性に劣
り、30重量%を越えるとガラス繊維の比率が小さくな
り強度が小さくなると共に、プリプレグの成形性や配線
板の物性に悪影響を及ぼすため、ガラス不織布重量に対
して3〜30重量%の熱硬化性樹脂バインダーを付与す
る。より好ましくは9〜17重量%である。逆に、ガラ
ス繊維量は70〜97重量%であり、より好ましくは8
3〜91重量%である。
布重量に対して、3重量%よりも少ないと熱硬化性樹脂
バインダーによるガラス繊維ウエブの接着固定性に劣
り、30重量%を越えるとガラス繊維の比率が小さくな
り強度が小さくなると共に、プリプレグの成形性や配線
板の物性に悪影響を及ぼすため、ガラス不織布重量に対
して3〜30重量%の熱硬化性樹脂バインダーを付与す
る。より好ましくは9〜17重量%である。逆に、ガラ
ス繊維量は70〜97重量%であり、より好ましくは8
3〜91重量%である。
【0019】この熱硬化性樹脂バインダーが付与された
ガラス繊維ウエブは、熱硬化性樹脂バインダーが未架橋
状態で、150g/cm 2以上の面圧で加熱加圧処理されて
熱硬化性樹脂バインダーが架橋硬化し、接着固定され
る。この場合、150g/cm 2以上の面圧で加圧されるた
め、熱硬化性樹脂バインダーがガラス繊維と共に厚み方
向に押し潰された状態で架橋硬化するので、厚みがより
薄く、より密度の高いガラス不織布が得られる、と考え
られる。しかも均一に面圧が加わっているため、ガラス
繊維及び/又はガラス不織布構造の破壊はほとんど生じ
ず、強度低下もほとんどない。
ガラス繊維ウエブは、熱硬化性樹脂バインダーが未架橋
状態で、150g/cm 2以上の面圧で加熱加圧処理されて
熱硬化性樹脂バインダーが架橋硬化し、接着固定され
る。この場合、150g/cm 2以上の面圧で加圧されるた
め、熱硬化性樹脂バインダーがガラス繊維と共に厚み方
向に押し潰された状態で架橋硬化するので、厚みがより
薄く、より密度の高いガラス不織布が得られる、と考え
られる。しかも均一に面圧が加わっているため、ガラス
繊維及び/又はガラス不織布構造の破壊はほとんど生じ
ず、強度低下もほとんどない。
【0020】この150g/cm 2以上の面圧で処理する方
法としては平板プレスによる方法でも良いし、より生産
性をあげるために、図1の要部断面図で示すようなシリ
ンダー1とキャンバス2との間にガラス繊維ウエブ5を
挟み、キャンバス2に張力を加えることにより加圧する
方法でも良いが、これらの方法に限定されるものではな
い。後者の場合、より厚さを薄くできるように、キャン
バス2上から加圧できる、加圧ロール3を設置したり、
キャンバス2にかかる張力を調節する調節ロール4を設
けると良い。なお、加圧ロール3によって加圧しても、
キャンバス2が緩衝材の働きをするため、ガラス繊維及
び/又はガラス不織布構造が破壊されにくい。
法としては平板プレスによる方法でも良いし、より生産
性をあげるために、図1の要部断面図で示すようなシリ
ンダー1とキャンバス2との間にガラス繊維ウエブ5を
挟み、キャンバス2に張力を加えることにより加圧する
方法でも良いが、これらの方法に限定されるものではな
い。後者の場合、より厚さを薄くできるように、キャン
バス2上から加圧できる、加圧ロール3を設置したり、
キャンバス2にかかる張力を調節する調節ロール4を設
けると良い。なお、加圧ロール3によって加圧しても、
キャンバス2が緩衝材の働きをするため、ガラス繊維及
び/又はガラス不織布構造が破壊されにくい。
【0021】本発明は加熱加圧処理することにより、未
架橋の熱硬化性樹脂バインダーを架橋硬化させるが、高
温で処理すれば、低温で処理するよりもより短時間で架
橋硬化させることができる。温度範囲としては、設備
的、経済的な点から、120〜250℃で処理され、よ
り好ましくは150〜230℃の範囲で処理される。な
お、溶媒を使用した熱硬化性樹脂バインダーを使用する
場合には、加熱加圧処理する前に、熱硬化性樹脂バイン
ダーを完全に架橋硬化させることなく溶媒を蒸発させる
と、発泡することがない。また、図1のようなキャンバ
ス2に張力を加えることにより加圧する場合、シリンダ
ー1やキャンバス2などに、ガラス繊維ウエブ5に付与
された熱硬化性樹脂バインダーが付着し難いように、予
め溶媒を蒸発除去するのがより好ましい。
架橋の熱硬化性樹脂バインダーを架橋硬化させるが、高
温で処理すれば、低温で処理するよりもより短時間で架
橋硬化させることができる。温度範囲としては、設備
的、経済的な点から、120〜250℃で処理され、よ
り好ましくは150〜230℃の範囲で処理される。な
お、溶媒を使用した熱硬化性樹脂バインダーを使用する
場合には、加熱加圧処理する前に、熱硬化性樹脂バイン
ダーを完全に架橋硬化させることなく溶媒を蒸発させる
と、発泡することがない。また、図1のようなキャンバ
ス2に張力を加えることにより加圧する場合、シリンダ
ー1やキャンバス2などに、ガラス繊維ウエブ5に付与
された熱硬化性樹脂バインダーが付着し難いように、予
め溶媒を蒸発除去するのがより好ましい。
【0022】また、加圧処理は面圧が150g/cm 2より
も小さいと熱硬化性樹脂バインダーの熱変形が十分でな
く、0.153g/cm 3以上の見掛密度を得ることができな
いので、面圧150g/cm 2 以上で処理する。なお、図1
のようなキャンバス2に張力を加えることにより加圧す
る場合の平均面圧(P)は、キャンバス2の張力(F)
をシリンダー1の半径(r)で除した値(P=F/r)
である。例えば、キャンバス2の張力が10kg/cmで、
シリンダー1の半径が100cmの場合、10(kg/cm)/
100(cm)=10000(g/cm)/100(cm)=1
00(g/cm2)である。
も小さいと熱硬化性樹脂バインダーの熱変形が十分でな
く、0.153g/cm 3以上の見掛密度を得ることができな
いので、面圧150g/cm 2 以上で処理する。なお、図1
のようなキャンバス2に張力を加えることにより加圧す
る場合の平均面圧(P)は、キャンバス2の張力(F)
をシリンダー1の半径(r)で除した値(P=F/r)
である。例えば、キャンバス2の張力が10kg/cmで、
シリンダー1の半径が100cmの場合、10(kg/cm)/
100(cm)=10000(g/cm)/100(cm)=1
00(g/cm2)である。
【0023】加熱加圧処理する時間は主として温度、熱
硬化性樹脂バインダーの種類、硬化剤の種類などによっ
て異なるが、例えば、熱硬化性樹脂バインダーとしてフ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂、硬化剤として脂肪
族ポリアミンを使用し、温度180℃で処理した場合、
5秒以上、より好ましくは10秒以上、最も好ましくは
20秒以上処理すると、見掛密度の高いガラス不織布が
得られる。なお、温度が180℃よりも低い場合は前記
の場合より時間がかかり、180℃よりも高温の場合は
前記の場合より短時間で処理できる。
硬化性樹脂バインダーの種類、硬化剤の種類などによっ
て異なるが、例えば、熱硬化性樹脂バインダーとしてフ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂、硬化剤として脂肪
族ポリアミンを使用し、温度180℃で処理した場合、
5秒以上、より好ましくは10秒以上、最も好ましくは
20秒以上処理すると、見掛密度の高いガラス不織布が
得られる。なお、温度が180℃よりも低い場合は前記
の場合より時間がかかり、180℃よりも高温の場合は
前記の場合より短時間で処理できる。
【0024】以上のように、本発明は熱硬化性樹脂バイ
ンダーを未架橋状態で、150g/cm 2以上の面圧で加熱
加圧処理することにより、見掛密度0.153g/cm 3以上
のガラス不織布を得ることが可能になったものである。
ンダーを未架橋状態で、150g/cm 2以上の面圧で加熱
加圧処理することにより、見掛密度0.153g/cm 3以上
のガラス不織布を得ることが可能になったものである。
【0025】このようにして得られる本発明のガラス不
織布は見掛密度0.153g/cm 3以上であるため、プリプ
レグの空気含有量が少なく、均一な成形が可能となるば
かりでなく、70〜97重量%のガラス繊維を使用して
いるにもかかわらず、見掛密度が高いため、厚さが薄
く、生産効率、保管効率が良いものである。
織布は見掛密度0.153g/cm 3以上であるため、プリプ
レグの空気含有量が少なく、均一な成形が可能となるば
かりでなく、70〜97重量%のガラス繊維を使用して
いるにもかかわらず、見掛密度が高いため、厚さが薄
く、生産効率、保管効率が良いものである。
【0026】以下に本発明の実施例を記載するが、本発
明は以下の実施例に限定されるものではない。
明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0027】
(実施例1)ガラス繊維(Eガラス、繊維径10μm、
繊維長13mm)を原料として、通常の湿式抄造法によ
り、目付66g/m2のガラス繊維ウエブを得た。このガラ
ス繊維ウエブにフェノールノボラック型エポキシ樹脂と
脂肪族ポリアミンの硬化剤からなる水溶性熱硬化性樹脂
バインダーを固形分で9g/m2含浸した後、120℃で乾
燥し、含まれる溶媒が蒸発させたが、熱硬化性樹脂バイ
ンダーは架橋硬化が未完了の状態とした。次いで、この
ガラス繊維ウエブを平板プレスにより、面圧150g/cm
2、温度180℃で、5秒間、加熱加圧処理した後、1
50℃で3分間熱処理を行ない、見掛密度0.153g/c
m3のガラス不織布を得た。
繊維長13mm)を原料として、通常の湿式抄造法によ
り、目付66g/m2のガラス繊維ウエブを得た。このガラ
ス繊維ウエブにフェノールノボラック型エポキシ樹脂と
脂肪族ポリアミンの硬化剤からなる水溶性熱硬化性樹脂
バインダーを固形分で9g/m2含浸した後、120℃で乾
燥し、含まれる溶媒が蒸発させたが、熱硬化性樹脂バイ
ンダーは架橋硬化が未完了の状態とした。次いで、この
ガラス繊維ウエブを平板プレスにより、面圧150g/cm
2、温度180℃で、5秒間、加熱加圧処理した後、1
50℃で3分間熱処理を行ない、見掛密度0.153g/c
m3のガラス不織布を得た。
【0028】(実施例2)平板プレスの加熱加圧時間を
20秒とした以外は実施例1と全く同様にして、見掛密
度0.174g/cm3のガラス不織布を得た。
20秒とした以外は実施例1と全く同様にして、見掛密
度0.174g/cm3のガラス不織布を得た。
【0029】
【0030】(実施例3)実施例1と全く同様にして得
た、付与した熱硬化性樹脂バインダーが未架橋のガラス
繊維ウエブ5を、図1に示すような温度180℃に加熱
したシリンダー1と、キャンバス2との間に挟み、キャ
ンバス2で面圧150g/cm2(=15,000(g/cm)/1
00(cm))で押圧すると共に、圧力10kg/cmの加圧ロ
ール3を6本使用し、7秒間加熱加圧処理した後に、1
50℃で3分間熱処理を行ない、見掛密度0.170g/c
m3のガラス不織布を得た。
た、付与した熱硬化性樹脂バインダーが未架橋のガラス
繊維ウエブ5を、図1に示すような温度180℃に加熱
したシリンダー1と、キャンバス2との間に挟み、キャ
ンバス2で面圧150g/cm2(=15,000(g/cm)/1
00(cm))で押圧すると共に、圧力10kg/cmの加圧ロ
ール3を6本使用し、7秒間加熱加圧処理した後に、1
50℃で3分間熱処理を行ない、見掛密度0.170g/c
m3のガラス不織布を得た。
【0031】(実験例1〜5)平板プレスによる加熱加
圧時間を3、10、30、60、180秒間(順に実験
例1、2、3、4、5とする)とした以外は、実施例1
と全く同様にしてガラス不織布を得た。このガラス不織
布の見掛密度は図2に示す通りである。
圧時間を3、10、30、60、180秒間(順に実験
例1、2、3、4、5とする)とした以外は、実施例1
と全く同様にしてガラス不織布を得た。このガラス不織
布の見掛密度は図2に示す通りである。
【0032】(比較例1)実施例1と全く同様にして得
られた66g/m2のガラス繊維ウエブに、フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂と脂肪族ポリアミンの硬化剤から
なる熱硬化性樹脂バインダーを固形分で9g/m2含浸し、
120℃で乾燥した後、150℃で3分間熱処理して、
熱硬化性樹脂バインダーが架橋硬化した、見掛密度0.
129g/cm3のガラス不織布を得た。
られた66g/m2のガラス繊維ウエブに、フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂と脂肪族ポリアミンの硬化剤から
なる熱硬化性樹脂バインダーを固形分で9g/m2含浸し、
120℃で乾燥した後、150℃で3分間熱処理して、
熱硬化性樹脂バインダーが架橋硬化した、見掛密度0.
129g/cm3のガラス不織布を得た。
【0033】(比較例2)実施例1と同様にして得られ
たガラス繊維ウエブに、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂と脂肪族ポリアミンの硬化剤からなる熱硬化性樹
脂バインダーを9g/m2含浸し、120℃で乾燥した後、
150℃で3分間熱処理を行ない、熱硬化性樹脂バイン
ダーを架橋硬化させた。次いで、この架橋硬化したガラ
ス繊維ウエブを実施例1と全く同じ条件で平板プレスし
た後、150℃で3分間、再度熱処理して、見掛密度
0.125g/cm3のガラス不織布を得た。
たガラス繊維ウエブに、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂と脂肪族ポリアミンの硬化剤からなる熱硬化性樹
脂バインダーを9g/m2含浸し、120℃で乾燥した後、
150℃で3分間熱処理を行ない、熱硬化性樹脂バイン
ダーを架橋硬化させた。次いで、この架橋硬化したガラ
ス繊維ウエブを実施例1と全く同じ条件で平板プレスし
た後、150℃で3分間、再度熱処理して、見掛密度
0.125g/cm3のガラス不織布を得た。
【0034】(比較例3)比較例2と同様にして得られ
た熱硬化性樹脂バインダーが架橋硬化して、接着固定さ
れたガラス繊維ウエブを、圧力10kg/cm、温度180
℃、周速2m/分のカレンダーロール間を通して、見掛密
度0.134g/cm3のガラス不織布を得た。
た熱硬化性樹脂バインダーが架橋硬化して、接着固定さ
れたガラス繊維ウエブを、圧力10kg/cm、温度180
℃、周速2m/分のカレンダーロール間を通して、見掛密
度0.134g/cm3のガラス不織布を得た。
【0035】(比較例4)実施例1と同様にして得られ
た未架橋状態の熱硬化性樹脂バインダーにより結合した
ガラス繊維ウエブを、比較例3と全く同じ条件で加熱加
圧処理し、見掛密度0.129g/cm3のガラス不織布を得
た。
た未架橋状態の熱硬化性樹脂バインダーにより結合した
ガラス繊維ウエブを、比較例3と全く同じ条件で加熱加
圧処理し、見掛密度0.129g/cm3のガラス不織布を得
た。
【0036】(比較例5)カレンダーロール間の圧力を
40kg/cmとした以外は比較例4と全く同様にして、見
掛密度0.136g/cm3のガラス不織布を得た。
40kg/cmとした以外は比較例4と全く同様にして、見
掛密度0.136g/cm3のガラス不織布を得た。
【0037】
【0038】(引張強度測定)実施例1〜3及び比較例
1〜5のガラス不織布の引張強度をJIS P8113
に準拠する方法により測定した。この結果は表1に示
す。なお、厚さはダイヤルシックネスゲージ(尾崎製作
所製)により測定した。
1〜5のガラス不織布の引張強度をJIS P8113
に準拠する方法により測定した。この結果は表1に示
す。なお、厚さはダイヤルシックネスゲージ(尾崎製作
所製)により測定した。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明のプリント配線板用ガラス繊維不
織布は、ガラス繊維不織布中に70〜97重量%のガラ
ス繊維を含んでいるため、強度的に優れ、しかも見掛密
度が0.153g/cm 3以上であるため、プリプレグの均一
な成形が可能であり、生産効率、保管効率も良い。
織布は、ガラス繊維不織布中に70〜97重量%のガラ
ス繊維を含んでいるため、強度的に優れ、しかも見掛密
度が0.153g/cm 3以上であるため、プリプレグの均一
な成形が可能であり、生産効率、保管効率も良い。
【0041】本発明のガラス繊維不織布の製造方法は、
付与した熱硬化性樹脂バインダーが未架橋の状態で処理
し、150g/cm 2以上の面圧で加熱加圧処理を施すこと
により、見掛密度が高く、ガラス繊維及び/又はガラス
繊維不織布構造の破壊がほとんどない、強度的に優れた
ガラス繊維不織布を得る方法である。
付与した熱硬化性樹脂バインダーが未架橋の状態で処理
し、150g/cm 2以上の面圧で加熱加圧処理を施すこと
により、見掛密度が高く、ガラス繊維及び/又はガラス
繊維不織布構造の破壊がほとんどない、強度的に優れた
ガラス繊維不織布を得る方法である。
【図1】 本発明の面で加圧する装置の主要部断面図
【図2】 加圧時間と見掛密度の関係を表すグラフ
【符号の説明】 1 シリンダー 2 キャンバス 3 加圧ロール 4 調節ロール 5 ガラス繊維ウエブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04H 1/00 - 18/00 H05K 1/03 B29B 11/16 B29B 15/08 - 15/14 C08J 5/04 - 5/10 C08J 5/24 H01B 3/50
Claims (2)
- 【請求項1】 70〜97重量%のガラス繊維と、該ガ
ラス繊維を接着固定する3〜30重量%の熱硬化性樹脂
バインダーとからなり、見掛密度が0.153g/cm 3以上
であることを特徴とするプリント配線板用ガラス繊維不
織布。 - 【請求項2】 熱硬化性樹脂バインダーをガラス繊維ウ
エブに付与し、該熱硬化性樹脂バインダーを未架橋状態
で、150g/cm 2以上の面圧で加熱加圧処理することに
より、架橋硬化させることを特徴とする請求項1に記載
のプリント配線板用ガラス繊維不織布の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9031992A JP3157265B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | プリント配線板用ガラス繊維不織布及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9031992A JP3157265B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | プリント配線板用ガラス繊維不織布及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05263346A JPH05263346A (ja) | 1993-10-12 |
JP3157265B2 true JP3157265B2 (ja) | 2001-04-16 |
Family
ID=13995209
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9031992A Expired - Fee Related JP3157265B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | プリント配線板用ガラス繊維不織布及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3157265B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002088626A (ja) * | 2000-09-20 | 2002-03-27 | Shin Kobe Electric Mach Co Ltd | 積層板用ガラス繊維不織布及びコンポジット積層板 |
-
1992
- 1992-03-16 JP JP9031992A patent/JP3157265B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05263346A (ja) | 1993-10-12 |
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