JP3157265B2 - プリント配線板用ガラス繊維不織布及びその製造方法 - Google Patents

プリント配線板用ガラス繊維不織布及びその製造方法

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    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • H05K1/0366Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement reinforced, e.g. by fibres, fabrics

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  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリント配線板用途に使
用できるガラス繊維不織布、及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のプリント配線板用ガラス繊維不織
布は、ガラス繊維ウエブに熱硬化性樹脂バインダーを付
与した後、熱風乾燥機やヤンキードライヤーや赤外線ヒ
ーターを単独で、或いはこれらを組み合わせることによ
り、熱硬化性樹脂バインダーを硬化させて製造してい
た。しかしながら、この方法では見掛密度が0.110
〜0.140g/cm3程度のプリント配線板用ガラス繊維不
織布しか得られなかった。もしも、ガラス繊維量が同じ
で、より見掛密度の高いプリント配線板用ガラス繊維不
織布が得られれば、より薄いプリプレグが得られ、プリ
プレグの空気含有量を少なくできるため、均一な成形が
可能となるばかりでなく、加圧時のプリプレグ枚数を増
やせたり、ガラス繊維不織布として同じ径に巻き取る時
に、より長く巻き取ることができ、生産効率、保管効率
が良くなるため、見掛密度が0.140g/cm3以上のプリ
ント配線板用ガラス繊維不織布が待ち望まれていた。
【0003】そのため、繊維径の小さいガラス繊維を単
抄または混抄して、見掛密度を高くしようとする試みも
あったが、ほとんど効果はなかった。また、ガラス繊維
にフィラーを混抄して見掛密度を高くしようと試みた
が、フィラーを混抄した分だけガラス繊維量が減少する
ため、強度的な低下が著しく、使用に耐えなかった。
【0004】更に、熱硬化性樹脂バインダーを付与した
後に、架橋硬化させたガラス繊維ウエブをカレンダー処
理により厚さを薄くし、見掛密度を高くするという試み
もなされたが、カレンダー処理する際の線圧により、ガ
ラス繊維及び/又はガラス繊維不織布構造が破壊され、
強度の低下が著しいものであった。また、ガラス繊維及
び/又はガラス繊維不織布構造の破壊を防ぐため、カレ
ンダー処理する際の線圧を下げると、厚さを薄くすると
いう効果はほとんど認められなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は強度があり、
より見掛密度の高いプリント配線板用ガラス繊維不織布
を提供すること、及びその製造方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のプリント配線板
用ガラス繊維不織布は、70〜97重量%のガラス繊維
と、該ガラス繊維を接着固定する3〜30重量%の熱硬
化性樹脂バインダーとからなり、見掛密度が0.153g
/cm 3以上である。
【0007】本発明のプリント配線板用ガラス繊維不織
布の製造方法は、熱硬化性樹脂バインダーをガラス繊維
ウエブに付与し、該熱硬化性樹脂バインダーを未架橋状
態で、150g/cm 2以上の面圧で加熱加圧処理すること
により、架橋硬化させる方法である。
【0008】
【作用】本発明のプリント配線板用ガラス繊維不織布
(以下、単に「ガラス不織布」という)は、ガラス不織
布中に70〜97重量%のガラス繊維を含んでいるた
め、強度的に優れ、しかも見掛密度が0.153g/cm 3
上であるため、プリプレグに加工した際に空気含有量が
少なく、均一な成形が可能となるばかりでなく、従来と
同量のガラス繊維を使用しているにもかかわらず、見掛
密度が高いため、厚さが薄く、生産効率、保管効率が良
い。
【0009】本発明のガラス不織布の製造方法は、熱硬
化性樹脂バインダーを未架橋状態で、150g/cm 2以上
の面圧で加熱加圧処理するため、熱硬化性樹脂バインダ
ーに融通性があり、しかもカレンダー処理のような線的
な圧力ではなく、従来よりも大きい圧力で面的に作用さ
せるため、熱硬化性樹脂バインダーとガラス繊維が厚み
方向に押し潰された状態で接着固定される。なお、面的
で均一に圧力が加わっているため、ガラス繊維及び/又
はガラス不織布構造の破壊はほとんどなく、得られるガ
ラス不織布は強度的に優れている。
【0010】以下、本発明のガラス不織布について、製
造方法をもとにして説明する。
【0011】本発明のガラス不織布はプリント配線板用
途に使用するため、Eガラス繊維が好適に使用できる
が、限定されるものではない。また、ガラス繊維の繊維
径は特に限定するものではないが、熱硬化性樹脂バイン
ダーの付与性、接着固定性、或いは経済性などの点から
5〜15μm程度のガラス繊維が使用される。
【0012】このようなガラス繊維からガラス繊維ウエ
ブが形成されるが、ガラス繊維ウエブは従来から一般的
に行なわれている湿式抄造法、或いは本出願人が特願平
3−188095号で開示しているような、乾式の繊維
ウエブ製造装置による方法で得ることができる。
【0013】得られたガラス繊維ウエブは、熱硬化性樹
脂バインダーが液体の場合には含浸、固体の場合には散
布するなどの方法で付与された後、未架橋状態で150
g/cm 2以上の面圧で加熱加圧処理されることにより、熱
硬化性樹脂バインダーが架橋硬化して、本発明のガラス
不織布を得る。
【0014】本発明ではガラス繊維ウエブに付与された
熱硬化性樹脂バインダーが未架橋状態で加熱加圧処理さ
れるため、熱硬化性樹脂バインダーが既に架橋硬化した
状態に比べて融通性があり、ガラス繊維ウエブの厚み方
向に押し潰された状態で架橋硬化されるので、より厚さ
が薄く、高密度になると考えられる。
【0015】このような熱硬化性樹脂バインダーとし
て、アミノ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール
樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
イソシアネート系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬
化性アクリル樹脂などを例示でき、これらに限定される
ものではないが、これらの中でもエポキシ樹脂は硬さ、
寸法安定性、接着固定性、電気絶縁性に優れているため
好適に使用できる。
【0016】このエポキシ樹脂として、ビスフェノール
A型、含ブロム型、ビスフェノールF型、ビスフェノー
ルAD型、ノボラック型、環状脂肪族型、グリシジルエ
ステル型、グリシジルアミン型、複素環式型などを例示
できるが、これらに限定されるものではない。
【0017】また、これらエポキシ樹脂と共に使用でき
る硬化剤も、特に限定するものではないが、脂肪族ポリ
アミン、芳香族ポリアミン、酸無水物、ジアミド類、フ
ェノール樹脂、シリコーンなどを例示できる。
【0018】この熱硬化性樹脂バインダーはガラス不織
布重量に対して、3重量%よりも少ないと熱硬化性樹脂
バインダーによるガラス繊維ウエブの接着固定性に劣
り、30重量%を越えるとガラス繊維の比率が小さくな
り強度が小さくなると共に、プリプレグの成形性や配線
板の物性に悪影響を及ぼすため、ガラス不織布重量に対
して3〜30重量%の熱硬化性樹脂バインダーを付与す
る。より好ましくは9〜17重量%である。逆に、ガラ
ス繊維量は70〜97重量%であり、より好ましくは8
3〜91重量%である。
【0019】この熱硬化性樹脂バインダーが付与された
ガラス繊維ウエブは、熱硬化性樹脂バインダーが未架橋
状態で、150g/cm 2以上の面圧で加熱加圧処理されて
熱硬化性樹脂バインダーが架橋硬化し、接着固定され
る。この場合、150g/cm 2以上の面圧で加圧されるた
め、熱硬化性樹脂バインダーがガラス繊維と共に厚み方
向に押し潰された状態で架橋硬化するので、厚みがより
薄く、より密度の高いガラス不織布が得られる、と考え
られる。しかも均一に面圧が加わっているため、ガラス
繊維及び/又はガラス不織布構造の破壊はほとんど生じ
ず、強度低下もほとんどない。
【0020】この150g/cm 2以上の面圧で処理する方
法としては平板プレスによる方法でも良いし、より生産
性をあげるために、図1の要部断面図で示すようなシリ
ンダー1とキャンバス2との間にガラス繊維ウエブ5を
挟み、キャンバス2に張力を加えることにより加圧する
方法でも良いが、これらの方法に限定されるものではな
い。後者の場合、より厚さを薄くできるように、キャン
バス2上から加圧できる、加圧ロール3を設置したり、
キャンバス2にかかる張力を調節する調節ロール4を設
けると良い。なお、加圧ロール3によって加圧しても、
キャンバス2が緩衝材の働きをするため、ガラス繊維及
び/又はガラス不織布構造が破壊されにくい。
【0021】本発明は加熱加圧処理することにより、未
架橋の熱硬化性樹脂バインダーを架橋硬化させるが、高
温で処理すれば、低温で処理するよりもより短時間で架
橋硬化させることができる。温度範囲としては、設備
的、経済的な点から、120〜250℃で処理され、よ
り好ましくは150〜230℃の範囲で処理される。な
お、溶媒を使用した熱硬化性樹脂バインダーを使用する
場合には、加熱加圧処理する前に、熱硬化性樹脂バイン
ダーを完全に架橋硬化させることなく溶媒を蒸発させる
と、発泡することがない。また、図1のようなキャンバ
ス2に張力を加えることにより加圧する場合、シリンダ
ー1やキャンバス2などに、ガラス繊維ウエブ5に付与
された熱硬化性樹脂バインダーが付着し難いように、予
め溶媒を蒸発除去するのがより好ましい。
【0022】また、加圧処理は面圧が150g/cm 2より
も小さいと熱硬化性樹脂バインダーの熱変形が十分でな
く、0.153g/cm 3以上の見掛密度を得ることができな
いので、面圧150g/cm 2 以上で処理する。なお、図1
のようなキャンバス2に張力を加えることにより加圧す
る場合の平均面圧(P)は、キャンバス2の張力(F)
をシリンダー1の半径(r)で除した値(P=F/r)
である。例えば、キャンバス2の張力が10kg/cmで、
シリンダー1の半径が100cmの場合、10(kg/cm)/
100(cm)=10000(g/cm)/100(cm)=1
00(g/cm2)である。
【0023】加熱加圧処理する時間は主として温度、熱
硬化性樹脂バインダーの種類、硬化剤の種類などによっ
て異なるが、例えば、熱硬化性樹脂バインダーとしてフ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂、硬化剤として脂肪
族ポリアミンを使用し、温度180℃で処理した場合、
5秒以上、より好ましくは10秒以上、最も好ましくは
20秒以上処理すると、見掛密度の高いガラス不織布が
得られる。なお、温度が180℃よりも低い場合は前記
の場合より時間がかかり、180℃よりも高温の場合は
前記の場合より短時間で処理できる。
【0024】以上のように、本発明は熱硬化性樹脂バイ
ンダーを未架橋状態で、150g/cm 2以上の面圧で加熱
加圧処理することにより、見掛密度0.153g/cm 3以上
のガラス不織布を得ることが可能になったものである。
【0025】このようにして得られる本発明のガラス不
織布は見掛密度0.153g/cm 3以上であるため、プリプ
レグの空気含有量が少なく、均一な成形が可能となるば
かりでなく、70〜97重量%のガラス繊維を使用して
いるにもかかわらず、見掛密度が高いため、厚さが薄
く、生産効率、保管効率が良いものである。
【0026】以下に本発明の実施例を記載するが、本発
明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0027】
【実施例】
(実施例1)ガラス繊維(Eガラス、繊維径10μm、
繊維長13mm)を原料として、通常の湿式抄造法によ
り、目付66g/m2のガラス繊維ウエブを得た。このガラ
ス繊維ウエブにフェノールノボラック型エポキシ樹脂と
脂肪族ポリアミンの硬化剤からなる水溶性熱硬化性樹脂
バインダーを固形分で9g/m2含浸した後、120℃で乾
燥し、含まれる溶媒が蒸発させたが、熱硬化性樹脂バイ
ンダーは架橋硬化が未完了の状態とした。次いで、この
ガラス繊維ウエブを平板プレスにより、面圧150g/cm
2、温度180℃で、5秒間、加熱加圧処理した後、1
50℃で3分間熱処理を行ない、見掛密度0.153g/c
m3のガラス不織布を得た。
【0028】(実施例2)平板プレスの加熱加圧時間を
20秒とした以外は実施例1と全く同様にして、見掛密
度0.174g/cm3のガラス不織布を得た。
【0029】
【0030】(実施例)実施例1と全く同様にして得
た、付与した熱硬化性樹脂バインダーが未架橋のガラス
繊維ウエブ5を、図1に示すような温度180℃に加熱
したシリンダー1と、キャンバス2との間に挟み、キャ
ンバス2で面圧150g/cm2(=15,000(g/cm)/1
00(cm))で押圧すると共に、圧力10kg/cmの加圧ロ
ール3を6本使用し、7秒間加熱加圧処理した後に、1
50℃で3分間熱処理を行ない、見掛密度0.170g/c
m3のガラス不織布を得た。
【0031】(実験例1〜5)平板プレスによる加熱加
圧時間を3、10、30、60、180秒間(順に実験
例1、2、3、4、5とする)とした以外は、実施例1
と全く同様にしてガラス不織布を得た。このガラス不織
布の見掛密度は図2に示す通りである。
【0032】(比較例1)実施例1と全く同様にして得
られた66g/m2のガラス繊維ウエブに、フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂と脂肪族ポリアミンの硬化剤から
なる熱硬化性樹脂バインダーを固形分で9g/m2含浸し、
120℃で乾燥した後、150℃で3分間熱処理して、
熱硬化性樹脂バインダーが架橋硬化した、見掛密度0.
129g/cm3のガラス不織布を得た。
【0033】(比較例2)実施例1と同様にして得られ
たガラス繊維ウエブに、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂と脂肪族ポリアミンの硬化剤からなる熱硬化性樹
脂バインダーを9g/m2含浸し、120℃で乾燥した後、
150℃で3分間熱処理を行ない、熱硬化性樹脂バイン
ダーを架橋硬化させた。次いで、この架橋硬化したガラ
ス繊維ウエブを実施例1と全く同じ条件で平板プレスし
た後、150℃で3分間、再度熱処理して、見掛密度
0.125g/cm3のガラス不織布を得た。
【0034】(比較例3)比較例2と同様にして得られ
た熱硬化性樹脂バインダーが架橋硬化して、接着固定さ
れたガラス繊維ウエブを、圧力10kg/cm、温度180
℃、周速2m/分のカレンダーロール間を通して、見掛密
度0.134g/cm3のガラス不織布を得た。
【0035】(比較例4)実施例1と同様にして得られ
た未架橋状態の熱硬化性樹脂バインダーにより結合した
ガラス繊維ウエブを、比較例3と全く同じ条件で加熱加
圧処理し、見掛密度0.129g/cm3のガラス不織布を得
た。
【0036】(比較例5)カレンダーロール間の圧力を
40kg/cmとした以外は比較例4と全く同様にして、見
掛密度0.136g/cm3のガラス不織布を得た。
【0037】
【0038】(引張強度測定)実施例1〜及び比較例
1〜のガラス不織布の引張強度をJIS P8113
に準拠する方法により測定した。この結果は表1に示
す。なお、厚さはダイヤルシックネスゲージ(尾崎製作
所製)により測定した。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明のプリント配線板用ガラス繊維不
織布は、ガラス繊維不織布中に70〜97重量%のガラ
ス繊維を含んでいるため、強度的に優れ、しかも見掛密
度が0.153g/cm 3以上であるため、プリプレグの均一
な成形が可能であり、生産効率、保管効率も良い。
【0041】本発明のガラス繊維不織布の製造方法は、
付与した熱硬化性樹脂バインダーが未架橋の状態で処理
し、150g/cm 2以上の面圧で加熱加圧処理を施すこと
により、見掛密度が高く、ガラス繊維及び/又はガラス
繊維不織布構造の破壊がほとんどない、強度的に優れた
ガラス繊維不織布を得る方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の面で加圧する装置の主要部断面図
【図2】 加圧時間と見掛密度の関係を表すグラフ
【符号の説明】 1 シリンダー 2 キャンバス 3 加圧ロール 4 調節ロール 5 ガラス繊維ウエブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04H 1/00 - 18/00 H05K 1/03 B29B 11/16 B29B 15/08 - 15/14 C08J 5/04 - 5/10 C08J 5/24 H01B 3/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 70〜97重量%のガラス繊維と、該ガ
    ラス繊維を接着固定する3〜30重量%の熱硬化性樹脂
    バインダーとからなり、見掛密度が0.153g/cm 3以上
    であることを特徴とするプリント配線板用ガラス繊維不
    織布。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂バインダーをガラス繊維ウ
    エブに付与し、該熱硬化性樹脂バインダーを未架橋状態
    で、150g/cm 2以上の面圧で加熱加圧処理することに
    より、架橋硬化させることを特徴とする請求項1に記載
    プリント配線板用ガラス繊維不織布の製造方法。
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